JPH11117004A - 金属粉末焼結体の製造方法 - Google Patents

金属粉末焼結体の製造方法

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JPH11117004A
JPH11117004A JP28047797A JP28047797A JPH11117004A JP H11117004 A JPH11117004 A JP H11117004A JP 28047797 A JP28047797 A JP 28047797A JP 28047797 A JP28047797 A JP 28047797A JP H11117004 A JPH11117004 A JP H11117004A
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JP
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degreasing
metal powder
sintering
core
sintered body
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JP28047797A
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English (en)
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Takuya Kodama
卓弥 児玉
Jun Inahashi
潤 稲橋
Shoji Yamamoto
昇司 山本
Hiroshi Yamaguchi
博史 山口
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グリーンパーツを脱脂する際の変形を防止す
る。 【解決手段】 金属粉末と有機バインダーからなるコン
パウンドを所望の形状に射出成形する工程と、射出成形
された成形品から有機バインダーを脱脂する工程と、こ
の脱脂した成形品を焼結する工程とからなる金属粉末焼
結体の製造方法であって、製造される金属粉末焼結体が
孔部4を有し、この孔部4に脱脂温度領域で成形品の熱
膨張率よりも大きな熱膨張率を有した素材からなる中子
6を挿入し、この挿入状態で脱脂を行うことにより、脱
脂時の変形を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属粉末焼結体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】形状が複雑であり、切削加工等の従来の
加工法では量産が困難な形状の金属部品を製造する場
合、金属粉末と有機バインダーとの混合物を射出成形に
より所望の形状に成形した後、成形品を脱脂、焼結して
所望の金属部品とする金属粉末射出成形(Metal
Injection Molding:以下MIMとい
う)によって行われている。このMIMでは、所望の複
雑形状が射出成形されても、脱脂や焼結時に重力の影響
を受けて変形したり、成形時に加えられた圧力による集
中応力が脱脂や焼結時に解放されることにより変化が生
じている。このため、円筒形状や円孔形状が真円を保て
なくなることが発生する。
【0003】このため、従来では特開昭59−2294
03号公報に記載された方法が用いられている。この方
法は、金属粉末と混合される有機バインダーを変形しに
くい素材や組成に改良するものである。また、この方法
以外にも、変形が発生した場合に対して、焼結体をサイ
ジングして強制的に変形を修正する方法も開発されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機バ
インダーを改良する方法では、変形に対しては効果があ
っても、成形性が低下するため、変形防止以前に所望形
状の射出成形体(グリーンパーツ)を成形できない不都
合がある。又、有機バインダーに改良を加えた場合は、
重力による変形を軽減することはできても、変形を完全
に防止することが不可能となっている。このため、有機
バインダーを改良しただけでは、不充分であり、その後
におけるサイジング等の矯正が必要になっている。この
ため、製品がコストアップしたり、矯正により金属組織
に歪みが生じて機械的強度や耐蝕性が低下する問題を有
している。
【0005】本発明は、この様な従来の問題点を考慮し
てなされたものであり、成形品の変形を完全に防止し
て、矯正等の後工程を不要とし、これにより機械的強度
や耐蝕性が低下することがなく、しかも金属粉末焼結体
を低コストで製造することが可能な金属粉末焼結体の製
造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、金属粉末と有機バインダーから
なるコンパウンドを所望の形状に射出成形する工程と、
射出成形された成形品から有機バインダーを脱脂する工
程と、この脱脂した成形品を焼結する工程とからなる金
属粉末焼結体の製造方法であって、製造される金属粉末
焼結体が孔部を有し、この孔部に脱脂温度領域で前記成
形品の熱膨張率よりも大きな熱膨張率を有した素材から
なる中子を挿入し、この挿入状態で前記脱脂を行うこと
を特徴とする。
【0007】請求項2の発明は、請求項1の発明であっ
て、前記中子は、前記脱脂工程の最高到達温度におい
て、前記孔部の内径と略一致する外形を有していること
を特徴とする。
【0008】請求項3の発明は、金属粉末と有機バイン
ダーからなるコンパウンドを所望の形状に射出成形する
工程と、射出成形された成形品から有機バインダーを脱
脂する工程と、この脱脂した成形品を焼結する工程とか
らなる金属粉末焼結体の製造方法であって、脱脂した成
形品の長手方向が鉛直方向と一致する向きで、且つ成形
品の重心よりも上方を保持した状態で焼結することを特
徴とする。
【0009】図1〜図3は、以上の請求項1〜3の概要
であり、図1は射出成形体(グリーンパーツ)1を示
す。グリーンパーツ1は金属粉末と有機バインダーとの
混合物からなるコンパウンドを射出成形することによっ
て成形される。このグリーンパーツ1は、長尺な筒部2
と、筒部2の一端側で鍔状に拡がるフランジ部3とを有
していると共に、これらに孔部4が貫通した略パイプ形
状となっている。
【0010】図2は、グリーンパーツ1を脱脂する脱脂
工程の状態を示し、フランジ部3を下端側として、脱脂
用ベース台5上に起立される。また、孔部4には中子6
が貫通するように挿入されている。
【0011】中子6は、グリーンパーツ1を脱脂する際
の脱脂温度領域におけるコンパウンドの熱膨張率(a×
10-6-1)よりも大きい熱膨張率(b×10-6-1
の素材により、脱脂時の最高到達温度で熱膨張している
グリーンパーツ1の孔部4の内径寸法と略一致するよう
に常温時では孔部4の内径寸法よりも小さい外径寸法と
なるように成形されている。
【0012】この中子6をグリーンパーツ1の孔部4内
に挿入し、所定の条件で脱脂を行い、ブラウンパーツ1
0とする。そして、脱脂工程が終了し、焼結工程に移行
する前に内径部に挿入した中子を取り除き、焼結を行
う。
【0013】図3は焼結の状態を示す。焼結の際には、
アルミナ等のセラミックスからなる焼結治具8を用い
る。この焼結治具8の上端面の支持面7にブラウンパー
ツ10のフランジ部3を支持させることにより、ブラウ
ンパーツ10における長手方向を重力方向と一致させる
ような向きとし、長手方向の最も長い部位を支持面7よ
りも重力方向に向けて焼結する。
【0014】パイプ形状のような製品をMIMにより製
造する場合、脱脂による変形は曲がりや倒れが主であ
る。又、製品が距離を有する程、すなわち長いほど成形
時に加わる圧力の分布に差が生じるため、脱脂によるア
ニール効果により、応力が解放されて変形が生じ、真円
が保てなくなる。本発明では、孔部4に中子6を挿入し
て脱脂を行うため、中子6に倣って脱脂される。このた
め、曲がり、倒れ、偏心等の変形を確実に防止すること
ができる。
【0015】MIMにおいては、焼結時に大きな収縮が
あるため、中子6を存在すると収縮することができず、
焼結の妨げになる。このため、焼結の前には、中子6を
ブラウンパーツ10から除去するものである。
【0016】又、中子6は脱脂時のみしか使用しない
が、脱脂においては製品、中子共に熱が加えられるため
熱膨張する。従って、脱脂により熱膨張した製品の孔部
4の内径寸法よりも、挿入した中子6の外径寸法が熱膨
張により大きくなると製品が割れる。本発明では、脱脂
温度領域におけるグリーンパーツ1の熱膨張率に対して
中子6の熱膨張率が大きく(a<b)、かつ、脱脂時の
割れを防止するために脱脂時の最高到達温度で熱膨張中
の孔部4の内径寸法と中6の子外径寸法が一致するよう
に設定するものである。この寸法関係では、常温では孔
部4の内径寸法と中子6の外径寸法にはクリアランスが
生じているため、中子6の挿入及び除去を円滑に行うこ
とができる。
【0017】焼結においては、脱脂で変形を防止して
も、重力が作用しているため、変形、特に重力による変
形が生じる可能性がある。この場合、重力を相殺するこ
とは不可能であるが、重力を変形する方向に利用するこ
とは可能である。本発明において、図3に示すように製
品の設置端面(フランジ部3)に対して距離を有する部
位(筒部2)を端面(フランジ部3)よりも重力方向に
向けて設置している。このため、長手部分(筒部2)は
重力により下方向に引っ張られるため、設置端面に対し
て倒れることがなく、従来のような変形が発生すること
がなくなる。
【0018】この場合、形状的に長手方向に対して設置
できる端面が存在しない場合には、端面を設けるような
形状に設計し、焼結後に切削加工により、この部位を除
去することによっても、コスト効果に対して品質的な効
果を得ることは充分可能である。
【0019】以上の発明では、脱脂時に変形することが
ないため、変形を矯正する必要がなく、矯正に起因した
機械的強度や耐蝕性の低下がなくなる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)平均粒径8μmのSUS316Lの水
アトマイズ粉末と、ワックス・ポリスチレン(PS)・
アクリル(PMMA)・エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)を主成分とした有機バインダーとを重量比で
100:11で混練してコンパウンドとした。
【0021】このコンパウンドを射出成形して、図4に
示すグリーンパーツ11を成形した。グリーンパーツ1
1は、薄肉の筒部12の一端にフランジ部13を有し、
さらに孔部14が貫通した薄肉パイプ形状となってい
る。
【0022】図5はグリーンパーツ11を脱脂する状態
を示し、フランジ部13が脱脂用ベース台15に支持さ
れ、孔部14には円柱状の中子16が貫通状に挿入され
ている。脱脂はグリーンパーツ11を、最高到達温度3
50℃として行う。この最高到達温度までの温度領域で
のグリーンパーツ11(コンパウンド)の熱膨張率は
8.7×10-6[K-1]であるため、挿入する中子16
としては、この熱膨張率よりも大きい熱膨張率を有して
いるSUS303(熱膨張率18.4×10
-6[K-1])を使用した。
【0023】又、中子16が挿入される孔部14の内径
寸法は、常温で直径4.9mmであり、脱脂時の350
℃到達時には約14μm大きくなり、直径4.914m
mとなることが予想されるため、中子16は350℃で
この寸法となるような外径を設定した。これにより中子
16は、常温で直径4.882mmの外径の円柱状とし
た。
【0024】中子16を挿入したグリーンパーツ11
を、350℃を最高到達温度として脱脂してブラウンパ
ーツ18とし、このブラウンパーツ18から中子16を
抜き取り、焼結を行った、図6は焼結時の状態を示し、
アルミナからなる焼結治具17の上端面にフランジ部1
3を支持させると共に、このフランジ部13を基準とし
て最も距離(長さ)を有した筒部12を、フランジ部1
3よりも重力方向下向きに配置した。この状態で、真空
下で1320℃まで加熱して焼結した。
【0025】焼結の後、フランジ部13に対する円筒
度、直角度を測定したところ、共に0.01以下と良好
な結果であった。
【0026】(実施の形態2)平均粒径5μmのSUS
316Lのガスアトマイズ粉末と、ワックス・ポリスチ
レン(PS)・アクリル(PMMA)・ポリプロピレン
(PP)を主成分とした有機バインダーとを重量比で1
00:7で混練してコンパウンドとし、このコンパウン
ドを射出してグリーンパーツを成形した。
【0027】図7は、グリーンパーツ21を示し、長尺
な筒部22と、筒部22の長さ方向の中間部分にフラン
ジ部23が一体的に突出し、さらに筒部22の孔部24
が貫通した薄肉パイプ形状となっている。
【0028】図8はグリーンパーツ21を脱脂する状態
を示し、脱脂用ベース台25には、フランジ部23を支
持する支持部25aが段状に高く形成されている。グリ
ーンパーツ21は支持部25aにフランジ部23が支持
されると共に、その孔部24には、円柱状の中子26が
貫通した状態で脱脂される。
【0029】脱脂はグリーンパーツ21を、最高到達温
度350℃として行う。この最高到達温度までの温度領
域でのグリーンパーツ21(コンパウンド)の熱膨張率
は10.4×10-6[K-1]であるため、挿入する中子
26としては、この熱膨張率よりも大きい熱膨張率を有
しているSUS303(熱膨張率18.4×10-6[K
-1])を使用した。
【0030】又、中子26が挿入される孔部24の内径
寸法は、常温で直径4.02mmであり、脱脂時の35
0℃到達時には約14μm大きくなり、直径4.034
mmとなることが予想されるため、中子26は350℃
でこの寸法となるような外径を設定した。これにより中
子26は、常温で直径4.008mmの外径の円柱状と
した。
【0031】中子26を挿入したグリーンパーツ11
を、350℃を最高到達温度として脱脂してブラウンパ
ーツ28とし、このブラウンパーツ28から中子26を
抜き取り、焼結を行った、図9は焼結時の状態を示し、
アルミナからなる焼結治具27の上端面にフランジ部2
3を支持させると共に、このフランジ部23を基準とし
て最も距離(長さ)を有した筒部22を、フランジ部2
3よりも重力方向下向きに配置した。この状態で、真空
下で1350℃まで加熱して焼結した。
【0032】焼結の後、フランジ部23に対する円筒
度、直角度を測定したところ、共に0.005以下と良
好な結果であった。
【0033】(実施の形態3)平均粒径8μmの17−
4PHの水アトマイズ粉末、とワックス・ポリスチレン
(PS)・アクリル(PMMA)・エチレン−酢酸ビニ
ル共合体(EVA)・ポリプロピレン(PP)を主成分
とした有機バインダーとを重量比で100:9.5で混
練してコンパウンドとし、このコンパウンドを射出して
グリーンパーツを成形した。
【0034】図10は成形されたグリーンパーツ31を
示す。このグリーンパーツ31は、直径3.5mmの内
径の孔部34aが形成されている第1の筒部32と、直
径5.9mmの内径の孔部34bが形成されている第2
の筒部33とが連設された段付きパイプ形状となってい
る。
【0035】図11はグリーンパーツ31を脱脂する状
態を示し、脱脂用ベース台35には、第2の筒部33の
端面が支持されることによって脱脂用ベース台35が起
立している。このグリーンパーツ31には、中子36が
挿入されて脱脂される。中子36は第1の筒部32の孔
部34aに挿入される第1の軸部36aと、第2の筒部
33の孔部34bに挿入される第2の軸部36bとが連
設されることによって形成されている。
【0036】脱脂はグリーンパーツ21を、最高到達温
度370℃として行う。この最高到達温度までの温度領
域でのグリーンパーツ31(コンパウンド)の熱膨張率
は9.6×10-6[K-1]であるため、挿入する中子3
6としては、この熱膨張率よりも大きい熱膨張率を有し
ているSUS303(熱膨張率18.4×10
-6[K -1])を使用した。
【0037】又、第1の筒部32の孔部34a及び第2
の筒部33の孔部34bの内径寸法は、脱脂時の370
℃到達時にはそれぞれ直径3.522mm及び5.93
8mmとなることが予想されるため、中子は370℃で
この寸法となるように、第1の軸部36aが常温で直径
3.5mm、第2の軸部36bが常温で直径5.9mm
となるように成形する。
【0038】中子36を挿入したグリーンパーツ31
を、370℃を最高到達温度として脱脂してブラウンパ
ーツ38とし、このブラウンパーツ38から中子36を
抜き取り、焼結を行った、図12は焼結時の状態を示
し、アルミナからなる焼結治具37の上端面に第2の筒
部33の端面を支持させると共に、この第2の筒部33
を基準として最も距離(長さ)を有した第1の筒部32
を、第2の筒部33よりも重力方向下向きに配置した。
この状態で、真空下で1320℃まで加熱して焼結し
た。
【0039】焼結の後、円筒度、直角度を測定したとこ
ろ、共に0.005以下と良好な結果であった。
【0040】(比較例1)実施の形態1で成形したグリ
ーンパーツ51を、図13に示すように焼結治具55上
に設置して同条件で脱脂・焼結を行った。グリーンパー
ツ51はそのフランジ部53が焼結治具55から起立す
るだけの支持状態である。得られた焼結体57は図14
に示すように、設置面に対して倒れが発生し、変形量を
測定するまでもなかった。又、パイプ断面が楕円形状と
なった。
【0041】(比較例2)実施の形態2で成形したグリ
ーンパーツ61を図15に示すように設置し、同条件で
脱脂を行ったところ、脱脂の段階で既に完全に曲がって
しまっており、焼結工程に投入するまでもなかった。
【0042】(比較例3)実施の形態3で成形したグリ
ーンパーツ71を図16に示すように設置し、同条件で
脱脂・焼結・熱処理を行ったところ、この比較例では、
第1の筒部73の孔部74と第2の筒部73の孔部75
とが同軸度が0.5程度となる変形であった。
【0043】さらに、以上の実施の形態1〜3で得られ
た金属粉末焼結体及び比較例1〜3で得られた金属粉末
焼結体の内、サイジング等の矯正が可能な変形レベルの
ものを矯正して、これらの機械的強度(引張試験)、酸
による耐蝕試験を行ったところ、引張試験ではサイジン
グを施したものは、実施の形態1〜3で得られたものに
対して約5%の強度低下があった。また、耐蝕試験にお
いては、サイジングを施したものの方が明らかに腐食範
囲が広く、特に矯正した部分に集中して発生していた。
【0044】以上の説明から本発明は、以下の発明を包
含するものである。
【0045】(1) 金属粉末と有機バインダーからな
るコンパウンドを所望の形状に射出成形してグリーンパ
ーツとする工程と、このグリーンパーツを脱脂してブラ
ウンパーツとする工程と、ブラウンパーツを焼結して焼
結体とする工程とからなる金属粉末焼結製品の製造方法
において、グリーンパーツの孔部に、常温で孔部内径よ
りも小さく、且つ脱脂温度領域で製品の熱膨張率よりも
大きな熱膨張率の中子を挿入して脱脂することを特徴と
する金属粉末焼結体の製造方法。
【0046】(2) 脱脂の最高到達温度において、孔
部内径と一致する外径を有した中子を挿入して脱脂する
ことを特徴とする上記(1)記載の金属粉末焼結体の製
造方法。
【0047】(3) 金属粉末と有機バインダーからな
るコンパウンドを所望の形状に射出成形してグリーンパ
ーツとする工程と、このグリーンパーツを脱脂してブラ
ウンパーツとする工程と、このブラウンパーツを焼結し
て焼結体とする工程とからなる金属粉末焼結製品の製造
方法において、製品が互いに直交するX、Y、Z軸のい
ずれかの方向に距離を有する形状であって、距離を有す
る軸方向を重力方向と一致させると共に、製品の設置可
能な端面に対して最も長い部位を設置部位よりも重力方
向に向けて焼結することを特徴とした金属粉末焼結体の
製造方法。
【0048】(4) 上記(1)〜(3)のいずれかに
記載の方法によって製造されたことを特徴とする金属粉
末焼結体。
【0049】(5) 中子がステンレス合金からなるこ
とを特徴とする請求項(1)〜(3)のいずれかに記載
の金属粉末焼結体の製造方法。
【0050】(6) 金属粉末と有機バインダーからな
るコンパウンドを所望の形状に射出成形する工程と、こ
の成形品から有機バインダーを脱脂する工程と、脱脂し
た成形品を焼結する工程とからなり、孔部を有する金属
粉末焼結体の製造方法であって、上記脱脂工程の最高到
達温度において、上記孔部内径と一致する外径を有し、
且つ脱脂温度領域で上記成形品の熱膨張率よりも大きな
熱膨張率を有する素材からなる中子を、上記孔部に挿入
して脱脂し、この脱脂後に中子を除去し、その後、成形
品の長手方向が鉛直方向に一致する向きで、且つ成形品
の重心よりも上部を保持して焼結することを特徴とする
金属粉末焼結体の製造方法。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、射出成形された成形品の孔部の中子を挿入して
脱脂するため、脱脂時の変形がなく、変形を矯正する必
要がないため、機械的強度が大きく、耐蝕性を有した金
属粉末焼結体を製造することができる。
【0052】請求項2の発明によれば、脱脂の最高到達
温度で孔部の内径と一致する外径の中子を使用するた
め、脱脂の熱膨張で過度の応力が作用しないため、脱脂
時に割れることがなくなる。
【0053】請求項3の発明によれば、成形品の長手方
向が鉛直方向と一致し、且つ成形品の上方を支持して焼
結するため、焼結時に変形することがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で射出成形したグリーンパーツの断面図
である。
【図2】脱脂時の断面図である。
【図3】焼結時の断面図である。
【図4】実施の形態1で成形されたグリーンパーツの断
面図である。
【図5】実施の形態1の脱脂時の断面図である。
【図6】実施の形態1の焼結時の断面図である。
【図7】実施の形態2で成形されたグリーンパーツの断
面図である。
【図8】実施の形態2の脱脂時の断面図である。
【図9】実施の形態2の焼結時の断面図である。
【図10】実施の形態3で成形されたグリーンパーツの
断面図である。
【図11】実施の形態3の脱脂時の断面図である。
【図12】実施の形態3の焼結時の断面図である。
【図13】比較例1の脱脂及び焼結時の断面図である。
【図14】比較例1で製造された焼結体の断面図であ
る。
【図15】比較例2で製造された焼結体の断面図であ
る。
【図16】比較例3で製造された焼結体の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 グリーンパーツ 2 筒部 3 フランジ部 4 孔部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 博史 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属粉末と有機バインダーからなるコン
    パウンドを所望の形状に射出成形する工程と、射出成形
    された成形品から有機バインダーを脱脂する工程と、こ
    の脱脂した成形品を焼結する工程とからなる金属粉末焼
    結体の製造方法であって、 製造される金属粉末焼結体が孔部を有し、この孔部に脱
    脂温度領域で前記成形品の熱膨張率よりも大きな熱膨張
    率を有した素材からなる中子を挿入し、この挿入状態で
    前記脱脂を行うことを特徴とする金属粉末焼結体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記中子は、前記脱脂工程の最高到達温
    度において、前記孔部の内径と略一致する外形を有して
    いることを特徴とする請求項1記載の金属粉末焼結体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 金属粉末と有機バインダーからなるコン
    パウンドを所望の形状に射出成形する工程と、射出成形
    された成形品から有機バインダーを脱脂する工程と、こ
    の脱脂した成形品を焼結する工程とからなる金属粉末焼
    結体の製造方法であって、 脱脂した成形品の長手方向が鉛直方向と一致する向き
    で、且つ成形品の重心よりも上方を保持した状態で焼結
    することを特徴とする金属粉末焼結体の製造方法。
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