JP2001132588A - 燃料噴射ノズルの製造方法及びその燃料噴射ノズル - Google Patents

燃料噴射ノズルの製造方法及びその燃料噴射ノズル

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JP2001132588A
JP2001132588A JP31991399A JP31991399A JP2001132588A JP 2001132588 A JP2001132588 A JP 2001132588A JP 31991399 A JP31991399 A JP 31991399A JP 31991399 A JP31991399 A JP 31991399A JP 2001132588 A JP2001132588 A JP 2001132588A
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curved
injection hole
nozzle
fuel injection
core
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JP31991399A
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English (en)
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Akira Shimokawabe
明 下河辺
Seiichi Hata
誠一 秦
Hideki Kaneko
英樹 金子
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Isuzu Motors Ltd
Hata Seiichi
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Hata Seiichi
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 湾曲した微細噴孔を有する燃料噴射ノズルの
製造方法及びその燃料噴射ノズルを提供するものであ
る。 【解決手段】 先端に湾曲した微細噴孔を有する燃料噴
射ノズルの製造方法において、ノズル本体部2の鋳造鋳
型11内に、可撓性を有し、かつ、湾曲した微細噴孔3
を形成するための湾曲噴孔中子16を配置し、その鋳造
鋳型17内に、臨界冷却速度以上の速度で冷却すること
で非晶質金属となる金属の溶湯Mを流し込み、その後、
該溶湯Mを臨界冷却速度以上の速度で冷却し、非晶質金
属の鋳造体であるノズル本体部2を形成するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料噴射ノズルの
製造方法及びその燃料噴射ノズルに係り、特に、微細噴
孔を有する燃料噴射ノズルの製造方法及びその燃料噴射
ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の燃焼室内に燃料を噴射するた
めの燃料噴射ノズルは、ノズル本体部と、ノズル本体部
内に嵌合挿入されるニードル弁とで構成される。一般
に、ノズル本体部は、SCM420H(JIS規格)等
の耐熱合金からなる鋳塊に機械加工(旋削加工、ドリル
加工、放電加工、レーザー加工等)を施してなる機械加
工品に、熱処理(浸炭処理、焼入れ処理、焼戻し処理
等)を施し、その後、その熱処理品に仕上げ加工(研削
加工、流体研磨加工等)を施すことで製造されている。
ここで、ノズル本体部の先端には、燃料噴射のための噴
孔が形成されている。
【0003】近年、ディーゼルエンジン等に用いられる
燃料噴射ノズルの場合においては、排ガス中のパティキ
ュレートの低減すべく、噴孔内を流れる燃料の曲り損失
を低減させ、噴射燃料(噴霧)の微粒化が図られてい
る。噴孔内を流れる燃料Fの曲り損失が少ない燃料噴射
ノズルとして、図2に示すように、噴孔全体がノズル本
体部21の径方向外側(図2中では左右方向側)に向か
って湾曲した噴孔22を有するものが挙げられる(特開
平10−331747号公報参照)。
【0004】また、直噴式のディーゼルエンジン等に用
いられる燃料噴射ノズルの場合においては、噴射燃料の
微粒化を促進し、燃焼効率の向上又は排ガス中のNOX
濃度の低減を図るべく、ノズル本体部先端の噴孔の径
を、従来に比べて、小径(例えば、φ0.17mm以
下)にする要求が高まっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ドリル
加工、放電加工、レーザ加工等の機械加工により噴孔を
形成する従来の燃料噴射ノズルの製造方法の場合、直線
状の噴孔しか形成することができず、湾曲した噴孔を形
成することはできない。
【0006】また、噴孔径の小径化を図る程、噴孔の長
さ(L)/噴孔径(D)の値が大きくなってしまうた
め、従来のドリル加工等の機械加工を用いての噴孔径の
小径化には限界があった。
【0007】さらに、従来の燃料噴射ノズルの製造方法
の場合、ノズル本体部の製造に、多くの工程(鋳塊鋳
造、機械加工、熱処理、仕上げ加工)および時間を必要
とするため、製造が容易ではなかった。
【0008】そこで本発明は、上記課題を解決し、湾曲
した微細噴孔を有する燃料噴射ノズルの製造方法及びそ
の燃料噴射ノズルを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1の発明は、先端に湾曲した微細噴孔を有する
燃料噴射ノズルの製造方法において、ノズル本体部の鋳
造鋳型内に、可撓性を有し、かつ、湾曲した微細噴孔を
形成するための湾曲噴孔中子を配置し、その鋳造鋳型内
に、臨界冷却速度以上の速度で冷却することで非晶質金
属となる金属の溶湯を流し込み、その後、該溶湯を臨界
冷却速度以上の速度で冷却し、非晶質金属の鋳造体であ
るノズル本体部を形成するものである。
【0010】請求項2の発明は、上記非晶質金属が、F
e基合金である請求項1記載の燃料噴射ノズルの製造方
法である。
【0011】請求項3の発明は、上記鋳造を略真空下で
行う請求項1記載の燃料噴射ノズルの製造方法である。
【0012】請求項4の発明は、上記湾曲噴孔中子の熱
膨張係数が、上記非晶質金属の熱膨張係数よりも小さい
請求項1又は請求項2いずれかに記載の燃料噴射ノズル
の製造方法である。
【0013】以上の方法によれば、湾曲した微細噴孔を
有する燃料噴射ノズルを、鋳造により、容易に製造する
ことができる。
【0014】請求項5の発明は、先端に湾曲した微細噴
孔を有する燃料噴射ノズルの製造方法において、ノズル
本体部の金型内に、可撓性を有し、かつ、湾曲した微細
噴孔を形成するための湾曲噴孔中子を配置し、その金型
内に金属粉末と有機バインダとの混合物を射出し、その
後、該射出成形体に脱脂処理、焼結加工を施し、上記金
属粉末の焼結体であるノズル本体部を形成するものであ
る。
【0015】請求項6の発明は、上記湾曲噴孔中子の熱
膨張係数が、上記混合物の熱膨張係数よりも小さい請求
項4記載の燃料噴射ノズルの製造方法である。
【0016】以上の方法によれば、湾曲した微細噴孔を
有する燃料噴射ノズルを、射出成形により製造すること
ができる。
【0017】請求項7の発明は、先端に湾曲した微細噴
孔を有する燃料噴射ノズルにおいて、ノズル本体部の鋳
造鋳型内に、可撓性を有し、かつ、湾曲した微細噴孔を
形成するための湾曲噴孔中子を配置し、その鋳造鋳型内
に、臨界冷却速度以上の速度で冷却することで非晶質金
属となる金属の溶湯を流し込み、その後、該溶湯を臨界
冷却速度以上の速度で冷却し、非晶質金属の鋳造体でノ
ズル本体部を形成したものである。
【0018】請求項8の発明は、先端に湾曲した微細噴
孔を有する燃料噴射ノズルにおいて、ノズル本体部の金
型内に、可撓性を有し、かつ、湾曲した微細噴孔を形成
するための湾曲噴孔中子を配置し、その金型内に金属粉
末と有機バインダとの混合物を射出し、その後、該射出
成形体に脱脂処理、焼結加工を施し、上記金属粉末の焼
結体でノズル本体部を形成したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適一実施の形態
を添付図面に基いて説明する。
【0020】本発明の燃料噴射ノズルにおけるノズル本
体部の鋳造状態を示す概略図を図1に示す。
【0021】本発明の製造方法に用いる鋳造鋳型17
は、図1に示すように、外型11と、コアピン13と、
湾曲噴孔中子16とで構成されるものである。
【0022】ノズル本体部2の外面を形成するための外
型11は、その内部に、軸心Cを中心とする中空部21
が形成されている。また、外型11の底部には、軸心C
と所定の角度をなす中子挿入孔12が、軸心Cを中心と
して放射状に複数個形成されている。ここで、中子挿入
孔12の一端は、外型11の内面の微細噴孔3を形成す
る位置Aに臨んでおり、かつ、中子挿入孔12の他端は
外型11の外面に臨んでいる。
【0023】外型11内に軸心Cを中心として配置さ
れ、ノズル本体部2の内部に中空部を形成するためのコ
アピン13は、略円柱状を呈しており、その先端部(図
1中では下端部)14が先細りにされている。また、コ
アピン13の内部には、軸心Cと平行又は略平行な中子
挿入孔15が、軸心Cを中心として複数個形成されてい
る。ここで、中子挿入孔15の一端は、コアピン13の
先端部14の周面の微細噴孔3を形成する位置Bに臨ん
でおり、かつ、中子挿入孔15の他端はコアピン13の
後端部(図1中では上端部)に臨んでいる。
【0024】ここで、外型11は、後述する非晶質金属
(アモルファス合金)の溶湯Mの温度、例えば、1,2
00〜1,400℃に耐えられ、かつ、熱伝導性に優れ
た材料からなるものであり、その材料として、Cu又は
Cu合金或いはステンレス鋼などが挙げられる。
【0025】微細噴孔3を形成するための湾曲噴孔中子
16は、可撓性を有する直線状のワイヤを湾曲させてな
るものである。湾曲噴孔中子16は、中子挿入孔12,
15に挿通して配置されており、中子挿入孔12の中空
部側端と中子挿入孔15の先端部側端との間で、外型1
1およびコアピン13から湾曲した状態で露出してい
る。
【0026】ここで、湾曲噴孔中子16は、湾曲した微
細噴孔3を形成するのに十分な可撓性を有し、後述する
金属溶湯Mの溶湯温度、例えば、1,200〜1,40
0℃に耐えられる材料からなるものであり、その材料と
して、FeやNi等の金属、カーボン、非晶質金属など
が挙げられる。非晶質金属としては、例えば、Ni基合
金又はFe基合金等が挙げられる。湾曲噴孔中子16の
構成材料が、上記の特性に加えて、後述する非晶質金属
の熱膨張係数よりも小さい熱膨張係数を有していればよ
り好ましい。
【0027】また、湾曲噴孔中子16の断面形状は、丸
形に特に限定するものではなく、目的とする微細噴孔3
の形状に応じて適宜選択されるものである。
【0028】尚、図示しないが、コアピン13は後述す
る鋳造時に動くことがないように外型11に固定されて
おり、また、湾曲噴孔中子16の両端は外型11および
コアピン13に固定されている。
【0029】上述した構造を有する鋳造鋳型17内に、
臨界冷却速度以上の速度で冷却することで非晶質金属と
なる金属の溶湯(以下、非晶質金属の溶湯と示す)Mを
流し込んだ後、その非晶質金属の溶湯Mを臨界冷却速度
以上の速度で冷却し、非晶質金属の鋳造体であるノズル
本体部2を形成する。
【0030】鋳造後、ノズル本体部2から、コアピン1
3および湾曲噴孔中子16を取り去ることで、精度が非
常に良好な鋳造体、即ち、コアピン13と全く同じ形状
の中空部および湾曲噴孔中子16と全く同じ形状の湾曲
した微細噴孔3を備えたノズル本体部2を得ることがで
きる。
【0031】この時、湾曲噴孔中子16の径が1mm以
下の小径の場合、一般的な鋳造用金属の溶湯は、溶湯の
湯廻りが良好でないため、湾曲噴孔中子16の周囲に完
全に湯が廻らず、鋳造体に空隙部が生じてしまう。しか
し、非晶質金属の溶湯Mは、湯廻りが非常に良好である
ため、湾曲噴孔中子16の周囲に隙間なく湯が廻り込
み、鋳造体に空隙部が生じることはない。
【0032】湾曲噴孔中子16として、非晶質金属のワ
イヤを用いている場合、鋳造時における非晶質金属の溶
湯Mの熱によって、湾曲噴孔中子16の表面が結晶化
し、脆くなるため、鋳造後、容易に湾曲噴孔中子16を
引き抜くことができる。
【0033】また、湾曲噴孔中子16として、カーボン
ワイヤを用いている場合、Cの熱膨張係数はノズル本体
部2を構成する非晶質金属の熱膨張係数よりも小さいた
め、鋳造後、ノズル本体部2の微細噴孔3の部分におい
て、微細噴孔3と湾曲噴孔中子16との間に隙間が生
じ、容易に湾曲噴孔中子16を引き抜くことができる。
【0034】さらに、湾曲噴孔中子16として、湾曲し
た微細噴孔3を形成するのに十分な可撓性を有し、金属
溶湯Mの溶湯温度に耐えられ、かつ、非晶質金属を溶解
しない酸またはアルカリ溶液に容易に溶解する材料のワ
イヤを用いている場合、鋳造後、鋳造体を酸またはアル
カリ溶液中に浸漬することで、湾曲噴孔中子16のみが
溶解除去され、製品としてのノズル本体部2を得ること
ができる。このように、酸またはアルカリ溶液に溶解す
る湾曲噴孔中子16として、Fe、Ni等の金属が使用
できる。
【0035】ここで、ノズル本体部2を構成する非晶質
金属としては、そのTg(ガラス転移温度)が燃焼室内
の最高温度よりも高く、かつ、ノズル本体部2に必要と
される強度を満足するものであれば特に限定するもので
はなく、例えば、Fe基合金などが挙げられる。Fe基
合金の金属溶湯Mを用いた場合、臨界冷却速度は、10
0〜1,000K/sec程度となる。
【0036】本発明の製造方法によれば、非晶質金属の
溶湯Mを用いて、燃料噴射ノズルにおけるノズル本体部
2を鋳造形成し、中空部の形成はコアピン13により、
湾曲した微細噴孔3の形成は鋳造鋳型17内に湾曲させ
て配置した湾曲噴孔中子16により行っているため、従
来のように、直線状の噴孔しか形成できないということ
はないと共に、外形旋削、中空部および微細噴孔の孔開
け等の機械加工を行う必要がない。よって、微細噴孔3
の形成が、従来と比較して非常に容易である。
【0037】また、微細噴孔3の湾曲具合は、湾曲噴孔
中子16の弛ませ具合又は中子挿入孔12と中子挿入孔
15とがなす角度を変えることによって、自由に変える
ことができる。
【0038】さらに、微細噴孔3の径は、湾曲噴孔中子
16の径を変えることで容易に変更可能であり、ドリル
加工等の機械加工では不可能な、例えば、L/Dの値が
5よりも大きい微細噴孔3を、ノズル本体部2の先端に
形成することができる。即ち、燃料噴射ノズルに対して
要求される性能に応じて、微細噴孔3の径を自在に変え
ることが可能であるため、燃料の噴射条件が多様とな
る。
【0039】また、非晶質金属は、高強度、高硬度、高
靱性という機械的特性を有しているため、本発明の製造
方法によれば、鋳造のままで、燃料噴射ノズルが必要と
する強度、硬度、および靱性を備えたノズル本体部2を
得ることができる。このため、従来、ノズル本体部を形
成した後に行っていた熱処理(浸炭処理、焼入れ処理、
焼戻し処理)を行う必要がなく、製造工程が簡易とな
る。
【0040】さらに、ノズル本体部2の内周面22は、
図示しないニードル弁と摺動し、ノズル本体部2の内周
面22におけるニードル弁の先端部と当接する部分(以
下、ニードル弁当接部と示す)5は、燃料をシールして
いる。このため、内周面22およびニードル弁当接部5
は、表面平滑に、かつ、真円に近い断面形状に形成する
必要がある。従来は、鋳塊に、外形旋削、中空部および
噴孔の孔開け等の機械加工を施すことによりノズル本体
部を形成していたため、機械加工後の状態のままでは内
周面およびニードル弁当接部の表面が粗く、機械加工後
に、ノズル本体部2の内周面22およびニードル弁当接
部5の研削といった仕上げ加工が必要であった。
【0041】これに対して、本発明の製造方法によれ
ば、鋳造のままで、表面が鏡面のような状態のノズル本
体部2を得ることができるため、ノズル本体部2に対し
て仕上げ加工を行う必要がなく、製造工程が簡易とな
る。
【0042】かかる製造方法により得られたノズル本体
部2内に、ニードル弁を嵌合挿入することにより、湾曲
した微細噴孔3を有する燃料噴射ノズルを得ることがで
きる。
【0043】次に、本発明の他の実施の形態を説明す
る。
【0044】本発明の製造方法は、非晶質金属の溶湯M
を用いた鋳造により燃料噴射ノズルを製造するものであ
った。これに対して、本実施の形態の製造方法は、射出
成形法により燃料噴射ノズルを製造するものである。
【0045】先ず、図1に示した鋳造鋳型17と同じ構
造の金型内に、金属粉末と有機バインダとの混合物を加
圧(例えば、10〜100MPa)して射出する。金型
を構成する湾曲噴孔中子の径は、射出成形体に形成され
る微細噴孔が、後述する脱脂処理および焼結加工によっ
て収縮することを考慮して、目的とする微細噴孔の径よ
りもやや大径となっている。
【0046】金型内で混合物が固化した後、湾曲噴孔中
子を抜き取り、金型から湾曲した微細噴孔を有する射出
成形体を取り出す。
【0047】次に、取り出した射出成形体に、適宜、整
形加工(二次加工)を施した後、脱脂処理を施す。脱脂
処理後、射出成形体に焼結加工を施すことで、金属粉末
の焼結体である製品としてのノズル本体部が得られる。
【0048】この時、金属粉末と有機バインダとの混合
物を、加圧して金型内に射出しているため、湾曲噴孔中
子の周囲に隙間なく混合物が廻り込み、射出成形体に空
隙部が生じることはない。
【0049】また、湾曲噴孔中子としてカーボンワイヤ
を用いている場合、Cの熱膨張係数は混合物の熱膨張係
数よりも小さいため、射出成形後、ノズル本体部の微細
噴孔の部分において、微細噴孔と湾曲噴孔中子との間に
隙間が生じ、容易に湾曲噴孔中子を引き抜くことができ
る。
【0050】本実施の形態の製造方法によれば、金属粉
末と有機バインダとの混合物を用いて、燃料噴射ノズル
におけるノズル本体部を射出成形し、本発明と同様に、
中空部の形成はコアピンにより、湾曲した微細噴孔の形
成は金型内に湾曲して配置した湾曲噴孔中子により行っ
ている。ここで、本実施の形態においては、本発明と異
なり、脱脂処理工程および焼結加工工程を必要とする
が、従来法と比較すると、十分に、微細噴孔の形成が容
易である。
【0051】また、微細噴孔の湾曲具合および微細噴孔
の径は、本発明と同様に、自由に又は容易に変えること
ができる。
【0052】かかる製造方法により得られたノズル本体
部内に、ニードル弁を嵌合挿入することにより、湾曲し
た微細噴孔を有する燃料噴射ノズルを得ることができ
る。
【0053】
【実施例】1.33×10-3Pa(1×10-5tor
r)の真空度に保持した雰囲気下、図1に示した鋳造鋳
型内に、溶湯温度が1,350℃、Tgが775K、T
x(結晶化温度)が810KのFe基合金(72Fe-5Al-2
Ga-10P-6C-4B-1Si(at%))の溶湯を流し込む。ここ
で、鋳造鋳型を構成する湾曲噴孔中子は、φ0.15m
mのNiワイヤを湾曲させてなるものである。
【0054】その後、鋳造鋳型の自然冷却により、Fe
基合金溶湯は臨界冷却速度以上の速度で冷却され、非晶
質金属の鋳造体であるノズル本体部が得られる。鋳造
後、ノズル本体部からコアピンおよび湾曲噴孔中子を取
り去ることで、製品としてのノズル本体部が得られた。
【0055】従来の機械加工を用いた製造方法では、湾
曲した微細噴孔の形成は不可能であった。また、従来の
製造方法による微細噴孔のL/D値の限界は約5であっ
た。これに対して、本実施例によれば、従来の限界を上
回るL/D値(6.7)を有する湾曲した微細噴孔を容
易に形成することができた。
【0056】また、このノズル本体部を用いた燃料噴射
ノズルを、直噴式ディーゼルエンジンに適用した場合、
従来の燃料噴射ノズルを用いた直噴式ディーゼルエンジ
ンと比較して、燃焼効率の向上、排ガス中のNOX 濃度
およびパティキュレートの低減を図ることができるもの
と推測される。
【0057】以上、本発明の燃料噴射ノズルは、上述し
た直噴式のディーゼルエンジンのみに適用を限定するも
のではなく、他の様々なエンジンにも適用可能であるこ
とは言うまでもない。
【0058】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、金型内
に、湾曲噴孔中子を配置し、臨界冷却速度以上の速度で
冷却することで非晶質金属となる金属の溶湯を用いた鋳
造法または金属粉末と有機バインダとの混合物を用いた
射出成形法により、ドリル加工等の機械加工では不可能
な湾曲した微細噴孔を形成することができるという優れ
た効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料噴射ノズルにおけるノズル本体部
の鋳造状態を示す概略図である。
【図2】燃料噴射ノズルにおけるノズル本体部先端の縦
断面図である。
【符号の説明】
2 ノズル本体部 3 微細噴孔 11 外型(ノズル本体部の鋳造鋳型) 16 湾曲噴孔中子 17 鋳造鋳型 M 溶湯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下河辺 明 東京都町田市つくし野2−24−7 (72)発明者 秦 誠一 東京都町田市成瀬台2−32−3 ポプラが 丘コープ20−303 (72)発明者 金子 英樹 神奈川県藤沢市土棚8番地 いすゞ自動車 株式会社藤沢工場内 Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AD12 BA24 BA25 BA54 CC14 CC26 CD14 CD15 CD28 CD30 4E093 QA04 QA10 QB03 4F033 AA13 BA03 CA04 DA01 EA02 FA00 MA00 NA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に湾曲した微細噴孔を有する燃料噴
    射ノズルの製造方法において、ノズル本体部の鋳造鋳型
    内に、可撓性を有し、かつ、湾曲した微細噴孔を形成す
    るための湾曲噴孔中子を配置し、その鋳造鋳型内に、臨
    界冷却速度以上の速度で冷却することで非晶質金属とな
    る金属の溶湯を流し込み、その後、該溶湯を臨界冷却速
    度以上の速度で冷却し、非晶質金属の鋳造体であるノズ
    ル本体部を形成することを特徴とする燃料噴射ノズルの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 上記非晶質金属が、Fe基合金である請
    求項1記載の燃料噴射ノズルの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記鋳造を略真空下で行う請求項1記載
    の燃料噴射ノズルの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記湾曲噴孔中子の熱膨張係数が、上記
    非晶質金属の熱膨張係数よりも小さい請求項1又は請求
    項2いずれかに記載の燃料噴射ノズルの製造方法。
  5. 【請求項5】 先端に湾曲した微細噴孔を有する燃料噴
    射ノズルの製造方法において、ノズル本体部の金型内
    に、可撓性を有し、かつ、湾曲した微細噴孔を形成する
    ための湾曲噴孔中子を配置し、その金型内に金属粉末と
    有機バインダとの混合物を射出し、その後、該射出成形
    体に脱脂処理、焼結加工を施し、上記金属粉末の焼結体
    であるノズル本体部を形成することを特徴とする燃料噴
    射ノズルの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記湾曲噴孔中子の熱膨張係数が、上記
    混合物の熱膨張係数よりも小さい請求項4記載の燃料噴
    射ノズルの製造方法。
  7. 【請求項7】 先端に湾曲した微細噴孔を有する燃料噴
    射ノズルにおいて、ノズル本体部の鋳造鋳型内に、可撓
    性を有し、かつ、湾曲した微細噴孔を形成するための湾
    曲噴孔中子を配置し、その鋳造鋳型内に、臨界冷却速度
    以上の速度で冷却することで非晶質金属となる金属の溶
    湯を流し込み、その後、該溶湯を臨界冷却速度以上の速
    度で冷却し、非晶質金属の鋳造体でノズル本体部を形成
    したことを特徴とする燃料噴射ノズル。
  8. 【請求項8】 先端に湾曲した微細噴孔を有する燃料噴
    射ノズルにおいて、ノズル本体部の金型内に、可撓性を
    有し、かつ、湾曲した微細噴孔を形成するための湾曲噴
    孔中子を配置し、その金型内に金属粉末と有機バインダ
    との混合物を射出し、その後、該射出成形体に脱脂処
    理、焼結加工を施し、上記金属粉末の焼結体でノズル本
    体部を形成したことを特徴とする燃料噴射ノズル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008100264A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 Tohoku Univ 急冷凝固金属製の中空体の製造方法および急冷凝固金属製の中空体の製造装置
DE102008001175A1 (de) * 2008-04-14 2009-10-15 Robert Bosch Gmbh Ventilbauteil sowie Ventil
JP2015523505A (ja) * 2012-08-01 2015-08-13 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 少なくとも1つの多数の入口ポート、及び/又は多数の出口ポートを備える、燃料噴射ノズル

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