JPH11114834A - 研磨パッド - Google Patents

研磨パッド

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JPH11114834A
JPH11114834A JP29614697A JP29614697A JPH11114834A JP H11114834 A JPH11114834 A JP H11114834A JP 29614697 A JP29614697 A JP 29614697A JP 29614697 A JP29614697 A JP 29614697A JP H11114834 A JPH11114834 A JP H11114834A
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polishing pad
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microcapsule
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Ryoichi Hirokawa
良一 広川
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KOKONOE DENKI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔質の研磨パッドを硬さむらが殆んどなく
且つ有効面積の変化が少ないものとし、良好な仕上がり
状態に効率よく研磨できるようにする。 【解決手段】 高分子材料製殻壁に発泡剤を内包した微
小カプセルを用い、高分子材料製基材の原料に混入して
その硬化反応熱で発泡剤が発生する分解ガスの膨張によ
り殻壁を破って形成された球状の気泡を基材に包含させ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体部品であるウ
エハやディスプレイ用の液晶ガラス、板ガラス或いは光
学部品であるレンズ、プリズムなどの表面および端面、
殊にウエハの表面および端面を研磨することに用いられ
る研磨パッド、特に多孔質の研磨パッドに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ウエハ、液晶ガラス、板ガラス、レン
ズ、プリズムなどの表面および端面を鏡面状に仕上げる
ため、一般的にはウレタン系樹脂の発泡体で作られた薄
板からなり研磨剤を所望により混入した研磨パッドが広
く用いられている。
【0003】高分子材料で作られた多孔質の研磨パッド
は弾力性を有しており、その表面に露出している微細な
気泡が形成するくぼみに研磨スラリを保持する。現在使
用されている研磨パッドは、研磨スラリ保持と研磨面確
保とを両立させるため、気泡径0.5〜3.0mm、空
隙率50〜60%としたものが主流であり、またその大
半は研磨スラリの流動性および研磨により生じた微粉の
除去性を高めるための溝を有している。また、これらの
研磨パッドにおいて、固形微粒子からなる研磨剤を混入
したものもごく普通に使用されている。
【0004】前述の研磨パッドは合成樹脂の原料に発泡
剤および所望により研磨剤を混入して注形法により多孔
質のブロックを成形し、このブロックより所定厚さの薄
板を切出すことによって作られ、切出しの際に一部の気
泡が切断されてくぼみを形成する。
【0005】ところが、発泡剤が熱分解して発生するガ
スによって作られた気泡を高分子材料で作られた基材に
包含する前記の研磨パッドは、原料の選択と配合、製造
の条件などの僅かな差異によって気泡の大きさ、形状に
ばらつきを生じ、このような品質にばらつきのある研磨
パッドによって研磨された物品表面の仕上がり状態もば
らつきがあるのを避けられない。
【0006】その対策の一つに、一個または複数個の空
隙を有する中空乃至多孔質の微小粒子を高分子基材に混
入してなり、微小粒子は表面に露出したとき内部に存在
しているものよりも硬さが減少するようにしたものが特
表平8−500622号公報に提示されている。
【0007】微小粒子はポリビニルアルコール、メチル
セルローズ、ポリエチレングリコール、ポリウレタン、
デンプンなどで作られ、高分子基材はポリウレタン、ポ
リエステル、ポリビニルアセテートなどで作られる。そ
して、微小粒子は表面に露出したとき、空隙に封入され
ていた高圧ガスが放出されることにより、或いは研磨ス
ラリと接触して軟化または膨張することにより硬さを減
少し、これにより微小粒子を囲んだ高分子基材に対する
支持力が低下し、これらによって研磨を行なう表面部分
が全体的に硬度を減少した柔かい状態となって物品表面
に接すること、および摩耗するに従ってこの柔かい状態
が継続的に作られ、その結果物品表面を均一に研磨して
ばらつきのない仕上がり状態が得られる、としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記特表平8−500
622号公報に提示されているものは、微小粒子の空隙
およびこの空隙を囲んだ殻壁と、微小粒子を混在させて
いる高分子基材とが表面に露出しており、そしてこの表
面は平坦な状態で、または微小粒子が膨張するものにあ
っては微小粒子が高分子基材の表面から突出している凹
凸の状態で研磨を行なうものである。
【0009】前者の表面が平坦な状態の研磨パッドは、
微小粒子および高分子基材が異種の高分子材料で作られ
ているため硬さの異なる殻壁と高分子基材とが物品表面
に接して研磨を行なうこととなる。また、後者の表面が
凹凸の状態の研磨パッドは、微小粒子の殻壁が物品表面
に接して摺動しながら研磨を行なうこととなる。
【0010】従って、表面に硬さむらが不規則に分布し
たり、或いは研磨に寄与する有効表面が研磨パッド全表
面に対してきわめて小さく、仕上がり状態や効率の点で
疑問がある。加えて、高分子基材の原料と微小粒子とを
混合して型に入れ、加熱硬化して研磨パッド切出し用の
ブロックを成形するとき、微小粒子を粒子の状態に維持
しながら硬化させなければならないため、温度管理がき
わめて面倒である。
【0011】本発明は前述の事情を背景としてなされた
ものであって、球状の気泡が均一に包含されているとと
もに表面に硬さむらが殆んどなく、しかも研磨に寄与す
る有効面積がほぼ一定且つかなりの大きさをもち、前述
の問題を伴わない研磨パッドを得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は発泡剤が
熱分解して発生するガスによって作られた気泡を高分子
材料で作られた基材に包含する多孔質の研磨パッドにつ
いて、気泡を高分子材料で作られた殻壁に発泡剤を内包
した微小カプセルの発泡剤が基材原料の硬化反応熱で分
解し殻壁を破って膨張したガスによって形成したものと
した。
【0013】微小カプセルを基材原料に均一に混入分布
させることは現在の技術水準では容易である。そして、
発泡剤の熱分解は殻壁の内部で行なわれ基材原料の種類
および配合の影響を受けないこと、および基材原料の硬
化反応熱は全体的にほぼ同一温度であること、によって
同一径の微小カプセルはほぼ同一径の球状に膨張し、膨
張が進行したとき大きく拡げられた殻壁を破って更に膨
張する。
【0014】即ち、気泡の壁に付着残存する殻壁は研磨
パッド表面に硬さむらを生じさせる心配のない薄いフィ
ルムとなっており、実質的に基材のみからなり硬さむら
が殆んどないとともに有効面積がほぼ一定且つかなりの
大きさをもつ表面が物品を研磨することとなる。
【0015】尚、本発明の研磨パッドは従来のものと同
様の研磨剤を混入することがある。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る研磨パッドの
一態様を示した図であって、高分子材料から選ばれたウ
レタン系樹脂で作られた基材1に多数の気泡3がほぼ均
一に分布して包含されており、気泡3の一部は基材1の
表面2に露出してくぼみ4を形成している。また、従来
より知られているものから選ばれた二酸化ケイ素の微粉
末が研磨剤6として基材1に混入されている。
【0017】ここで、このような研磨パッドを製造する
一例を説明すると、基材を作るウレタン系樹脂の主原料
に硬化剤などの副原料と気泡を作る微小カプセルと研磨
剤とを加えてこれらが均一に混合するまで撹拌する。図
2のAは主原料と副原料との混合物からなる液状混合物
11に微小カプセル12と研磨剤6とが混入している混
合途中または混合直後の状態を示している。
【0018】微小カプセル12は図2のAにおいてその
一つを拡大して示したように高分子材料で作られた殻壁
13に発泡剤14を内包したものであって、発泡剤14
は低沸点炭化水素を用いるのが好ましい。また、この微
小カプセル12は比重約1.0,殻壁13の軟化温度1
00〜150℃,加熱温度約130〜180℃で最大膨
張倍率約50〜80倍を示すものが好適であり、粒径約
5〜50μmのものの内から粒径が異なるものを二種以
上併用するかまたは同一粒径に揃えた一種を使用する。
【0019】前記原材料は研磨剤を用いない場合には、
重量比で基材の主原料と副原料とを70〜99.9%,
微小カプセルを0.1〜30%の範囲で調合する。研磨
剤を用いる場合には、重量比で基材の主原料と副原料と
を60〜98.9%,微小カプセルを0.1〜30%,
研磨剤を1〜30%の範囲で調合する。後者の場合にお
ける好ましい配合の一例は、主原料70%,副原料20
%,微小カプセル5%,研磨剤5%であり、研磨剤とし
ての二酸化ケイ素はウレタン系樹脂からなる基材に適度
の柔軟性を与える機能も有している。
【0020】主原料と副原料とは混合されると反応を開
始し、硬化反応熱を発生する。微小カプセル12の発泡
剤14は常温で気体、液体または固体のいずれかであ
り、硬化反応熱によって分解したガスが熱膨張し、図2
のBに示すように殻壁13は内包しているガス15の膨
張に伴って押し拡げられる。
【0021】この反応は主に注形用型の内部で行なわ
れ、液状混合物11の硬化反応熱は全体的にほぼ同一温
度であるので、混入されている全ての微小カプセル12
はほぼ同一の倍率で膨張する。一般には、硬化反応熱で
充分に膨張させることができるが、温度が不足するとき
は型を外部から加熱して膨張を助長させることもある。
【0022】ガス15が目的の倍率に達するまで膨張す
る途中で、薄いフィルム状に拡げられた殻壁13は破ら
れ、図2のCに示すようにガスが封入された気泡3の壁
に薄いフィルム片16となって付着残存する。
【0023】次に、所要温度に所要時間保持して硬化さ
せた後に離型してブロックのまま所要時間熟成させ、こ
れより所要厚さのシートに切出して本発明の研磨パッド
を得る。
【0024】以上の工程によって作られた研磨パッドは
所望により従来と同様の溝を設けて提供される。そし
て、ブロックから切出された未使用の表面2および摩耗
に伴って順次新しく形成される表面2には基材1に加え
てフィルム片16が存在するが、フィルム片16は無視
できる厚さと硬さであるため実質的に基材1のみからな
り、従って硬さむらが殆んどない表面を形成している。
また、気泡3は微小カプセル12から作られた球形であ
ってほぼ均一に分布しているため、くぼみ4のそれぞれ
の大きさが摩耗に伴って変化しても有効面積がほぼ一定
に保たれ且つかなりの大きさをもつこととなり、高能率
で研磨を行なうことができる。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明によると硬さむら
が殆んどないとともに有効面積の変化が少ない表面を形
成し、半導体部品のウエハなどの表面や端面を良好な仕
上がり状態に効率よく研磨することができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す縦断面部分図。
【図2】製造工程を説明する縦断面部分図。
【符号の説明】
1 基材, 2 表面, 3 気泡, 4 くぼみ,
6 研磨剤, 12微小カプセル,

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡剤が熱分解して発生するガスによっ
    て作られた気泡を高分子材料で作られた基材に包含する
    多孔質の研磨パッドにおいて、前記気泡は高分子材料で
    作られた殻壁に発泡剤を内包した微小カプセルの発泡剤
    が前記基材の原料の硬化反応熱で分解し前記殻壁を破っ
    て膨張したガスによって形成されていることを特徴とす
    る研磨パッド。
  2. 【請求項2】 前記基材が研磨剤を包含している請求項
    1に記載した研磨パッド。
  3. 【請求項3】 原材料の段階において、重量比で前記基
    材を70〜99.9%,前記微小カプセルを0.1〜3
    0%の範囲で調合して得られた請求項1に記載した研磨
    パッド。
  4. 【請求項4】 原材料の段階において、重量比で前記基
    材を60〜98.9%,前記微小カプセルを0.1〜3
    0%,前記研磨剤を1〜30%の範囲で調合して得られ
    た請求項2に記載した研磨パッド。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100418649B1 (ko) * 1999-06-04 2004-02-11 후지보세끼가부시끼가이샤 연마패드용 우레탄 성형물 및 그 제조방법
JP2009279749A (ja) * 2009-03-02 2009-12-03 Fujibo Holdings Inc 研磨パッド
JP2018188620A (ja) * 2017-05-01 2018-11-29 ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ シーエムピー ホウルディングス インコーポレイテッド 均一性が改善されたケミカルメカニカルポリッシング層の作製方法
JP2019069498A (ja) * 2017-10-11 2019-05-09 富士紡ホールディングス株式会社 研磨パッド

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