JPH11111172A - 陰極線管製造装置 - Google Patents

陰極線管製造装置

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JPH11111172A
JPH11111172A JP27612797A JP27612797A JPH11111172A JP H11111172 A JPH11111172 A JP H11111172A JP 27612797 A JP27612797 A JP 27612797A JP 27612797 A JP27612797 A JP 27612797A JP H11111172 A JPH11111172 A JP H11111172A
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JP
Japan
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cathode ray
ray tube
panel
hot air
frit seal
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JP27612797A
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Nobuo Sasayama
伸夫 笹山
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Original Assignee
Sony Corp
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブラウン管となるパネル・ファンネル接合体
を加熱真空引きするときに、フリットシール部の局部的
な温度上昇やその熱ストレスを抑え、これを原因とする
爆縮を防止できるようにする。 【解決手段】 パネル2Aとファンネル2Bとをフリッ
トシールにより接合したパネル・ファンネル接合体2を
製造する装置100において、パネル・ファンネル接合
体2を熱処理するための吹き出し口4A〜4C・・・等
を有した加熱連続排気炉4と、この吹き出し口4A,4
Cからパネル・ファンネル接合体2へ吹き出される熱風
の方向を調整する熱遮蔽板12A,12Bと、熱風の方
向が調整されたパネル・ファンネル接合体2を排気する
排気装置3とを備え、加熱連続排気炉4から吹き出され
た熱風が、熱遮蔽板12A,12Bによって、直接、パ
ネル・ファンネル接合体2のフリットシール部2Cに当
たらないようになされたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表示画面が大型
化及びフラット化するカラーブラウン管の製造装置に適
用して好適な陰極線管製造装置に関する。詳しくは、パ
ネルとファンネルとがフリットシールにより接合された
パネル・ファンネル接合体を加熱しながら真空引きする
ときに、加熱装置から吹き出された熱風を、直接、その
フリットシール部に当てないようにして、いわゆる爆縮
の原因となるフリットシール部の局部的な温度上昇を抑
えるようにすると共に、フリットシール部に熱ストレス
を加えないようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、カラーブラウン管などの陰極
線管の製造工程には、カラー表示面となるパネルと漏斗
状のファンネルとを低融点鉛ガラス(フリットガラス)
を用いて融着(フリットシール)する工程と、フリット
シール工程後のファンネルに電子銃を封着する工程と、
電子銃封着後のパネル・ファンネル接合体を加熱しなが
ら高真空に排気する工程とが含まれている。この排気工
程後のパネル・ファンネル接合体が陰極線管となる。
【0003】陰極線管は周知のようにガラス物質で構成
されている。このために陰極線管の製造工程において
も、パネル・ファンネル接合体は非常に壊れやすい環境
にある。この製造工程の中でも排気工程においては、パ
ネル・ファンネル接合体の内部の残留ガスを放出させる
ために所定温度で加熱され、しかも、排気装置によって
その内部が高真空にされる。
【0004】従って、パネル・ファンネル接合体はわず
かな傷やひびでも割れやすくなっている。特に、熱歪と
大気圧によるパネル・ファンネル接合体への圧力は瞬間
的に17メガパスカルにも上昇することがある。この異
常圧力上昇によっていわゆる爆縮を発生する場合があ
る。この爆縮とは、パネル・ファンネル接合体及び電子
銃やその他の電極類などの内蔵物が高圧力によって一度
内側につぶされ、これが莫大な飛散エネルギーとなっ
て、外側に高速に飛び散る現象をいう。この爆縮は作業
者にとって非常に危険なものである。
【0005】ところで、近年のブラウン管製造工程にお
いて、その生産性の向上を図るために、循環式の加熱連
続排気装置10が用いられる場合が多くなってきた。こ
の種の加熱連続排気装置10には図6に示すループ状の
エンドレスレール1が備えられている。このエンドレス
レール1上にはパネル・ファンネル接合体2を個々に載
置した複数の排気装置3が所定時間で一周するように走
行される。
【0006】この例で右側半分のレール1上にはU字形
の加熱連続排気炉4が設けられている。加熱連続排気炉
4には図7に示す断面Ω形のダクト5が設けられ、ダク
ト内部にはヒータ6が取付けられている。このヒータ6
によって熱風がダクト5内に発生される。ダクト5のパ
ネル・ファンネル接合体2に向き合う側には複数の吹き
出し口4A〜4C・・・等が設けられ、ダクト5からの
熱風が吹き出される。ダクト5のパネル・ファンネル接
合体2を見おろす側には複数のファン7が設けられ、ダ
クト5上のモータ8によって熱風を攪拌するようになさ
れている。
【0007】一方、排気装置3上には四隅に支柱を有し
た載置台3Aが設けられ、表示画面側を上に向けたパネ
ル・ファンネル接合体2が載置される。パネル・ファン
ネル接合体2は色選別マスク等を取り付けたパネル2A
と、電子銃などを取付けた漏斗状のファンネル2Bとが
フリットガラスを用いて融着されている。この融着され
た部分を以後、フリットシール部2Cと呼ぶことにす
る。排気装置3の内部にはロータリー拡散ポンプなどが
取付けられ、パネル・ファンネル接合体2の下端部から
延びた吐き出し管を通って内部の残留ガスが排気され
る。
【0008】このように循環式の加熱連続排気装置10
を用いた陰極線管製造装置によれば、排気装置3がレー
ル1上を移動し加熱連続排気炉4を経由して一周する間
に所定温度の熱が加えられ、パネル・ファンネル接合体
2が真空排気されるものである。これにより、カラーブ
ラウン管などの陰極線管を大量生産することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来方
式の陰極線管製造装置によれば、パネル・ファンネル接
合体2を加熱真空引きする際に、加熱連続排気炉4の吹
き出し口4Aや、4Cからパネル・ファンネル接合体2
のフリットシール部2Cへ直接、熱風が当っていたた
め、フリットシール部2Cに局部的な温度上昇を与えた
り、フリットシール部2Cに熱ストレスを加えたりする
ことがある。従って、フリットシール部2Cの局部的な
温度上昇やその熱ストレスを原因として上述した爆縮が
発生するおそれがある。
【0010】この爆縮が引き起されると、排気装置3の
清掃やメンテナンスに多大な時間を要したり、飛び散っ
たガラスが障害物となって、レール1上を移動中の排気
装置3が加熱連続排気炉4に引っかかって、排気装置3
のみならず、加熱連続排気炉4までが損傷する脱線事故
が起き、復旧に多大な時間を要する場合もある。また、
爆縮時に飛び散ったガラスが、更に隣のパネル・ファン
ネル接合体2に当たって誘爆を引き起こす場合もある。
【0011】更に、昨今ではブラウン管の大型化及びフ
ラット化が進み、これらのブラウン管が主流となってき
ており、排気工程中のフリットシール部2Cの熱ストレ
スを原因とする爆縮を防止するために、通常、加熱連続
排気炉4内の風量、風速、吹きだし口4A〜4Cなどの
大きさ、温度昇降方法等が検討され、その最適化が図ら
れている。しかし、ブラウン管のある一部を選択的に温
度設定することは非常に困難である。
【0012】また、図8に示すように大きさの異なるブ
ラウン管を同じ加熱連続排気炉4を使用して真空排気し
ようとする要求がある。この要求に対しても、全ての大
きさのブラウン管のフリットシール部を最適に温度調整
するのは至難の技である。
【0013】一般に、加熱連続排気炉4の吹き出し口4
A〜4F・・・等は設計当初の表示画面のブラウン管1
01に合わせて開口されている。例えば、そのブラウン
管101のフリットシール部に熱風が直接当たらないよ
うに吹き出し口4A〜4F・・・等を上下に逃げるよう
にして配置され開口されている。
【0014】しかしながら、設計当初よりも大きな表示
画面のブラウン管となるパネル・ファンネル接合体10
2や、それよりも小さな表示画面のブラウン管となるパ
ネル・ファンネル接合体103を排気しようとしたと
き、吹き出し口4A,4Cが大きい方のパネル・ファン
ネル接合体102のフリットシール部に向き合ったり、
吹き出し口4B,4Dが小さい方のパネル・ファンネル
接合体103のフリットシール部に向き合ったりするこ
とがある。従って、これらのパネル・ファンネル接合体
102、103のフリットシール部へ直接、熱風が当っ
てしまうことになる。
【0015】このように熱風が直接当たることによっ
て、パネル・ファンネル接合体102、103のフリッ
トシール部の局部的な温度上昇や、熱ストレスが爆縮の
原因となり、排気工程でのフリットシール部の選択的な
温度設定が重要となってきた。
【0016】そこで、この発明はこのような従来の課題
を解決したものであって、ブラウン管となるパネル・フ
ァンネル接合体を加熱真空引きするときに、フリットシ
ール部の局部的な温度上昇やその熱ストレスを抑え、こ
れを原因とする爆縮を防止できるようにした陰極線管製
造装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述した課題は、フリッ
トシールによりパネルとファンネルとが接合された陰極
線管を製造する装置において、陰極線管を熱処理するた
めの吹き出し口を有した熱処理手段と、この熱処理手段
の吹き出し口から陰極線管へ吹き出される熱風の方向を
調整する調整手段と、熱風の方向が調整された陰極線管
を排気する排気装置とを備え、熱処理手段から吹き出さ
れた熱風が調整手段によって、直接、陰極線管のフリッ
トシール部に当たらないようになされたことを特徴とす
る陰極線管製造装置によって解決される。
【0018】本発明の陰極線管製造装置によれば、陰極
線管を加熱真空引きする際に、加熱装置から吹き出され
た熱風を、直接、陰極線管のフリットシール部に当てな
いようにしたものである。
【0019】従って、陰極線管のフリットシール部の局
部的な温度上昇が抑えられると共に、フリットシール部
に熱ストレスが加わらないようになるので、フリットシ
ール部の局部的な温度上昇や、その熱ストレスを原因と
する爆縮の発生を防止できる。
【0020】
【発明の実施の形態】続いて、この発明に係る陰極線管
製造装置の一実施の形態について、図面を参照しながら
説明をする。
【0021】図1は実施の形態としての陰極線管製造装
置100の構成例を示す斜視図である。この実施形態で
はパネルとファンネルとがフリットシールにより接合さ
れた陰極線管を加熱しながら真空引きするときに、熱処
理手段から吹き出された熱風を、直接、そのフリットシ
ール部に当てないようにして、いわゆる爆縮の原因とな
るフリットシール部の局部的な温度上昇を抑えるように
すると共に、フリットシール部に熱ストレスを加えない
ようにしたものである。
【0022】この陰極線管製造装置100は図6で説明
した循環式の加熱連続排気装置10などに適用され、図
1に示すパネル2Aとファンネル2Bがフリットシール
部2Cによって接合された陰極線管を製造するものであ
る。この陰極線管の真空引き前の状態をパネル・ファン
ネル接合体2と呼ぶことにする。
【0023】陰極線管製造装置100には熱処理手段と
して加熱連続排気炉4が設けられる。加熱連続排気炉4
には断面Ω形のダクト5が設けられ、ダクト内部にはヒ
ータ6が取付けられている。このヒータ6によってダク
ト5内に熱風が発生する。この例の加熱連続排気炉4で
は加熱条件が各々異なった昇温部、均熱部及び降温部を
備えている。
【0024】ダクト5のパネル・ファンネル接合体2に
向き合う側には複数の吹き出し口4A〜4C・・・等が
設けられ、熱風が吹き出される。この熱風はダクト5の
上部から吹き出され、あるいはダクト5の横部または下
部から吹き出される。ダクト5のパネル・ファンネル接
合体2を見おろす側には複数のファン7が設けられ、ダ
クト5上のモータ8によって熱風を攪拌するようになさ
れている。
【0025】加熱連続排気炉4の下側に敷設されたエン
ドレスレール1上には、複数台の排気装置3が走行自在
に設けられる。この複数台の排気装置3は図6に示した
エンドレスレール1上を連結され、もしくは、一定間隔
を保った状態で一周される。排気装置3上には四隅に支
柱を有した載置台3Aが設けられ、表示画面側を上に向
けたパネル・ファンネル接合体2が載置される。排気装
置3の内部にはロータリー拡散ポンプなどが取付けら
れ、パネル・ファンネル接合体2が排気される。例え
ば、パネル・ファンネル接合体2の下端部から延びた吐
き出し管とロータリー拡散ポンプとが接続され、熱風の
方向が調整されたパネル・ファンネル接合体2の内部の
残留ガスが排気される。
【0026】これまでは従来装置10と同様であるが、
本発明では次の点で構成が異なっている。この例では大
型(25インチ以上)のブラウン管を製造するために載
置台3A上には、網状の籠体としての金属で作られた外
囲器(以下ケージという)11がパネル・ファンネル接
合体2を包み囲むように取付けられている。このケージ
11によって、加熱連続排気炉4からの熱風の勢いがや
わらげられる。これと共に、万一爆縮が発生したときで
も、ガラス片の飛散が最小限に喰い止められる。このケ
ージ11は排気装置3毎に設けられている。
【0027】そして、吹き出し口4A,4Cとパネル・
ファンネル接合体2のフリットシール部2Cとの間には
調整手段としての熱遮蔽板12A,12Bが設けられて
いる。この熱遮蔽板12A,12Bは耐熱性を有した幅
100mm程度のステンレス鋼板(SUS304)等か
ら構成されている。
【0028】熱遮蔽板12Aは加熱連続排気炉4のダク
ト5の吹き出し口4Aに相対したケージ11に固定して
使用される。同様に、熱遮蔽板12Bは吹き出し口4C
に相対したケージ11に固定して使用される。この位置
に熱遮蔽板12A、12Bを設けることで、ダクト5か
ら吹き出し口4A,4Cを通ってパネル・ファンネル接
合体2に吹き出される熱風の方向が、例えば上・下方向
に変えられ、直接、フリットシール部2Cに熱風が当た
らないようになる。
【0029】このように本実施形態の陰極線管製造装置
100によれば、吹き出し口4A,4Cに相対したケー
ジ11に固定された熱遮蔽板12A,12Bによって、
熱風の向きが上下に変えられるので、パネル・ファンネ
ル接合体2のフリットシール部2Cの局部的な温度上昇
が抑えられると共に、フリットシール部2Cに熱ストレ
スが加わらないようになる。従って、フリットシール部
2Cの局部的な温度上昇や、その熱ストレスを原因とす
る爆縮の発生を防止できる。
【0030】上述したケージ11ではその上部に図2に
示す蝶板11Bを介して網状の蓋11Aが取付けられて
いる。その底部にはケージ11を載置台3Aに固定する
ための4つのネジを取り付けるビス穴13A〜13D
と、パネル・ファンネル接合体2のネック部を挿入する
ためのネック挿入穴14が設けられている。このケージ
11はその蓋11Aが閉められた状態で使用される。爆
縮時のガラス片の飛散を防止するためである。
【0031】熱遮蔽板12A、12Bはケージ11の進
行方向に対してその両側のみに設けられる。これは排気
装置3がエンドレスレール1上を走行するときに、熱遮
蔽板12A、12Bがダクト5の吹き出し口4A,4C
に対して平行に移動するからである。従って、熱遮蔽板
12A、12Bは吹き出し口4A,4Cに沿った2面で
よく、また、その長さは吹き出し口4Aや4Cに相対す
る側のケージ面の左端部から右端部までをカバーできれ
ばよい。これにより、吹き出し口4A,4Cに対して平
行移動するパネル・ファンネル接合体2のフリットシー
ル部2Cに、直接、熱風が当たらないようになる。
【0032】図3は熱遮蔽板12A、12Bの最適な取
付け位置を示す断面図である。本発明者は29インチの
ブラウン管を加熱連続排気炉4を用いて製造する場合に
ついて、熱遮蔽板12A、12Bの最適な取付け位置を
見い出した。
【0033】これによると、29インチのブラウン管と
なるパネル・ファンネル接合体2を載置台3Aのケージ
11内に入れて固定した状態であって、熱遮蔽板12A
や12Bが無い場合には、吹き出し口4Aや4Cとフリ
ットシール部2Cとは同じ高さになっている。フリット
シール部2Cは幅が通常2〜3cm程度ある。
【0034】そこで、熱遮蔽板12A,12Bとしては
幅Wが100mm程度のステンレス鋼板(SUS304
製)を使用した。加熱連続排気炉4での加熱条件は次の
ように設定した。加熱連続排気炉4の昇温部では、5.
5゜C/分の昇温率によって、常温から340゜Cに至
る加熱処理をし、均熱部では340゜Cで5分間の加熱
処理をし、降温部では4.2゜C/分の降温率によっ
て、340゜Cから常温に至る降温処理をした。
【0035】上述した条件で、29インチのブラウン管
に関し、加熱連続排気炉4に最適な熱遮蔽板12A,1
2Bの取付け位置を見い出した。その取付け位置は図3
に示すフリットシール部2Cを境にして、A:B=3:
7に配置した場合が最も適していることが明確になっ
た。この配置としたのは、熱遮蔽板12A,12Bが無
い場合には、この位置のフリットシール部2Cに最大応
力が生じるが、この位置に熱遮蔽板12A,12Bを設
けた場合には、フリットシール部2Cでの熱歪を極めて
少なくなったことによる。
【0036】勿論、熱遮蔽板12A,12Bの最適な取
付け位置及び寸法等はそれぞれ陰極線管の大きさ、加熱
連続排気炉4の構造によって異なるので、その取付け位
置及び寸法等は温度測定、動歪測定及び有限要素法によ
る熱歪計算によって任意に決定することができる。
【0037】図4は熱遮蔽板のスライド機構の構成例を
示す正面図である。この例ではケージ21に可動自在な
熱遮蔽板22A,22Bを設けることにより、表示画面
の大きさの異なるパネル・ファンネル接合体の各々のフ
リットシール部に対応させて熱風の吹き出し方向を調整
できるようになされたものである。
【0038】この排気装置3を走行方向側から見た図4
に示すケージ21において、吹き出し口4Aに相対した
右側外面の前・後端部には電車トロリー線のような断面
が8字形をした溝付きのスライダ23Aが設けられ、こ
の前後のスライダ23Aを保持するように熱遮蔽板22
Aが取付けられている。この前後のスライダ23Aと熱
遮蔽板22Aとは例えば位置調整が可能なホルダ24A
によって固定される。
【0039】左側外面の前・後端部にも同様に溝付きの
スライダ23Bが設けられ、この前後のスライダ23B
を保持するようにホルダ24Bによって熱遮蔽板22B
が固定されている。
【0040】このスライド機構によって、加熱連続排気
炉4の吹き出し口4A,4Cと、表示画面の大きさが異
なるパネル・ファンネル接合体2のフリットシール部2
Cとの間に熱遮蔽板22A,22Bを適宜移動すること
ができるので、製造しようとするブラウン管の表示画面
の大きさが、例えば29インチ、25インチ・・・等と
異なった場合でも、吹き出し口4A,4Cやフリットシ
ール部2Cに合わせて熱遮蔽板22A,22Bの高さを
調整できる。
【0041】従って、ケージ21に固定すべき熱遮蔽板
22A,22Bの取付け位置をスライド機構によって容
易に上下方向に変えることができるので、同一の加熱連
続排気炉4を用いて29インチや25インチなどの表示
画面の大きさが異なるブラウン管を混在して製造する場
合にも、そのフリットシール部での局部的な温度上昇
や、その熱ストレスを原因とする爆縮の発生を防止でき
る。これにより、同一生産ラインで表示画面の大きさの
異なったカラーブラウン管等を製造できるので、従来方
式に比べて陰極線管の生産性を向上させることができ
る。
【0042】図5は熱風の調整手段を加熱連続排気炉側
に設けた例を示す断面図である。図5に示すダクト5の
吹き出し口4Aには、1対の支柱31A,31Bが取付
けられ、その支柱31A及び31Bの端部が軸受け構造
を有している。この軸受けには、例えば軸33A,33
Bを有した回動自在な円形状の熱遮蔽体32が係合され
ている。熱遮蔽体32は吹き出し口4Aの開口幅φ1よ
りも大きな口径φ2を有しており、ある基準位置からの
角度θが調整できるようになされている。角度θは例え
ばレリースシリンダを使用したワイヤーにより遠隔制御
したり、また、電磁石による遠隔制御を行うことができ
る。
【0043】この角度θを制御することにより、熱遮蔽
体32が回転して吹き出し口4Aから吹き出された熱風
の向きが上下に任意に変えられるので、熱遮蔽体32を
加熱連続排気炉側に設けた場合にも、フリットシール部
の局部的な温度上昇を抑えると共に、その熱ストレスを
防止できる。
【0044】このように本実施の形態では熱遮蔽板12
A,12Bや熱遮蔽体32を設けることにより、ブラウ
ン管の真空排気工程において、爆縮の発生を防止でき
る。従って、爆縮及び誘爆を原因とする排気装置3、加
熱連続排気炉4の清掃及びそのメンテナンス時間に費や
す無駄な時間が節約できる。特に、排気装置3の脱線事
故による長期の運転停止を回避できると共に、作業者へ
の安全性を担保することができる。
【0045】因なみに、従来方式で爆縮を防止するため
には排気処理時間を非常に長くするか、または、ある大
きさの特定のブラウン管を犠牲にして、その特定管種の
ブラウン管を最適温度に設定する必要があった。本発明
方式では特定種類のブラウン管に温度設定をしても、熱
遮蔽板12A、12Bや熱遮蔽体32によって、他の管
種のフリットシール部への熱風の方向を選択的に調整で
きるので、フリットシール部の温度上昇及び熱ストレス
を抑えることができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の陰極線管
製造装置によれば、熱処理手段から吹き出された熱風が
調整手段によって、直接、陰極線管のフリットシール部
に当たらないようになされたものである。
【0047】この構成により、フリットシール部におけ
る局部的な温度上昇が抑えられると共に、熱ストレスが
フリットシール部に加わらないようにできるので、これ
ら温度上昇や熱ストレスを原因とする爆縮の発生を防止
できる。従って、爆縮及び誘爆を原因とする排気装置、
加熱連続排気炉の清掃及びそのメンテナンス時間に費や
す無駄な時間が節約できる。
【0048】この発明の陰極線管製造装置は大型化及び
フラット化するカラーブラウン管の製造に適用して極め
て好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態としての陰極線管製造装置100の構
成を示す斜視図である。
【図2】熱遮蔽板12A,12Bを取り付けたケージ1
1の構成を示す斜視図である。
【図3】熱遮蔽板12A,12Bの取付け位置を示す断
面図である。
【図4】熱遮蔽板22A,22Bのスライド機構を説明
するケージ21の正面図である。
【図5】熱遮蔽体32を加熱連続排気炉側に設けた構成
を示す断面図である。
【図6】従来の循環式の加熱連続排気装置10の構成を
示す上面図である。
【図7】従来方式の加熱連続排気炉付近の構成を示す斜
視図である。
【図8】従来方式の同一の加熱連続排気炉4を使用した
管種の異なるブラウン管の製造時の問題点を説明する断
面図である。
【符号の説明】
2,102,103・・・パネル・ファンネル接合体、
2A・・・パネル、2B・・・ファンネル、2C・・・
フリットシール部、3・・・排気装置、4・・・加熱連
続排気炉、4A〜4F・・・吹き出し口、5・・・ダク
ト、11,21・・・ケージ、12A,12B,22
A,22B・・・熱遮蔽板、23A,23B・・・スラ
イダ、24A,24B・・・ホルダ、31A,31B・
・・支柱、32・・・熱遮蔽体、33A,33B・・・
軸、10,100・・・陰極線管製造装置、101・・
・ブラウン管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フリットシールによりパネルとファン
    ネルとを接合した陰極線管を製造する装置において、 前記陰極線管を熱処理するための吹き出し口を有した熱
    処理手段と、 前記熱処理手段の吹き出し口から前記陰極線管へ吹き出
    される熱風の方向を調整する調整手段と、 前記熱風の方向が調整された前記陰極線管を排気する排
    気装置とを備え、前記熱処理手段から吹き出された熱風
    が、前記調整手段によって、直接、前記陰極線管のフリ
    ットシール部に当たらないようになされたことを特徴と
    する陰極線管製造装置。
  2. 【請求項2】 前記熱処理手段による熱風の方向を調整
    する調整手段が設けられる場合であって、 前記調整手段は耐熱性の遮蔽板を有し、 前記遮蔽板は前記熱処理手段の吹き出し口に相対した前
    記陰極線管のフリットシール部を遮蔽する位置に配設さ
    れるようにしたことを特徴とする請求項1記載の陰極線
    管製造装置。
  3. 【請求項3】 前記熱処理手段の吹き出し口に対する遮
    蔽板が設けられる場合であって、 前記熱処理手段による熱風の勢いをやわらげるように前
    記陰極線管を包み囲む網状の籠体が設けられ、 前記遮蔽板は前記熱処理手段の吹き出し口に相対した前
    記籠体に固定され、もしくは可動自在になされるように
    したことを特徴とする請求項2記載の陰極線管製造装
    置。
  4. 【請求項4】 前記熱風の方向を調整する調整手段が設
    けられる場合であって、 表示画面の大きさが異なる陰極線管を同一の前記熱処理
    手段を用いて製造するときに、各々の前記陰極線管のフ
    リットシール部に対応させて前記熱風の吹き出し方向を
    変えるようになされたことを特徴とする請求項1記載の
    陰極線管製造装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100795223B1 (ko) * 2001-11-30 2008-01-17 삼성코닝 주식회사 음극선관용 펀넬의 보턴 융착기

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100795223B1 (ko) * 2001-11-30 2008-01-17 삼성코닝 주식회사 음극선관용 펀넬의 보턴 융착기

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