JPH11306982A - 陰極線管の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

陰極線管の製造方法およびその製造装置

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JPH11306982A
JPH11306982A JP11468898A JP11468898A JPH11306982A JP H11306982 A JPH11306982 A JP H11306982A JP 11468898 A JP11468898 A JP 11468898A JP 11468898 A JP11468898 A JP 11468898A JP H11306982 A JPH11306982 A JP H11306982A
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JP
Japan
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glass bulb
heating furnace
ray tube
cathode ray
manufacturing
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JP11468898A
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Junichi Tomikawa
純一 富川
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Matsushita Electronics Corp
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Publication date
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇温降温によって生じる熱応力に起因したバ
ルブ割れを防止する陰極線管の製造装置を提供する。 【解決手段】 加熱炉内24aに、加熱炉内24aおよ
び加熱炉内24aに設けられるガラスバルブ17の温度
を昇降するための第1の昇降手段25と、第1の昇降手
段25によって生じたガラスバルブ17の熱歪みを低減
するための第2の昇降手段26とを具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレビジョン受像
機や情報処理装置等に用いる陰極線管の製造方法および
その製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の陰極線管の製造方法は、図13に
示すように、ファンネル1とパネル2とをフリットガラ
ス3を介して融着して、ガラスバルブ4を形成するフリ
ットシール工程、フリットシール工程後に、ファンネル
1のネック部5に電子銃6のステム6aを封着する封止
工程と、封止工程後に、ガラスバルブ4内を排気し真空
状態にする排気工程とにより、陰極線管を製作してい
る。
【0003】フリットシール工程では、ファンネル1の
端縁とパネル2の端縁とをフリットガラス3を介して突
き合わせた後、加熱炉内に入れる。次にガラスバルブ4
の温度を440℃程度で30〜40分間、加熱炉内に保
持させた後、ほぼ一定の温度勾配で徐冷する。そしてガ
ラスバルブ4の温度が100℃程度になったとき第1の
加熱炉内からガラスバルブ4が取り出され次の封止工程
へと進む。
【0004】封止工程では、電子銃6のステム6aをネ
ック部5に封止された半製品を、大気中で50℃程度ま
で自然冷却させた後、排気工程へと進む。
【0005】排気工程では、前記半製品を所定の温度上
昇速度でガラスバルブ4の温度を例えば380℃まで第
2の加熱炉内を昇温させる。次に、ガラスバルブ4内面
の蛍光体7や、シャドウマスク8および磁気シールド板
9等の金属部品に吸着したガスを放出させながら、ガラ
スバルブ4内のガスを排気し続け、一定時間例えば5分
間維持した後に徐冷を始める。次に、ガラスバルブ4が
一定の温度および真空度になった時点で電子銃6のカソ
ードを活性化させ、その後ステム6aの排気管6bを閉
じる。その後も徐冷を続け、ガラスバルブ4の温度が1
00℃に低下したところで内部が真空となった陰極線管
を第2の加熱炉から取り出す。
【0006】また、近年、陰極線管は、高解像度化およ
び高輝度化が進む中、大型化管やアスペクト比(縦横
比)が16:9の横長タイプのワイド管が主流になって
きている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の陰極線管の製造方法では、フリットシール工
程および排気工程において、製造時間を短縮するため
に、ガラスバルブ4の温度を急速に、約400℃に上昇
したり、また約400℃から約100℃に降下したりす
ると、ガラスバルブ4の各部、特にガラスバルブ4のフ
リットガラス3部において温度差による熱歪みが起き
る。その結果、ガラスバルブ4のフリットガラス3部に
おいて、割れ(以下、バルブ割れという)が発生すると
いう問題があった。この問題は、大型化管やワイド管に
したものが発生しやすい。
【0008】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、ガラスバルブの温度を上昇及び降下
した時(以下、昇降温時という)の熱歪みによるバルブ
割れを防止する陰極線管の製造方法およびその製造装置
を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の陰極線管の製造
方法は、加熱炉内で、ファンネルとパネルとをフリット
ガラスを介して融着して、ガラスバルブを形成するフリ
ットシール工程において、前記加熱炉内および前記ガラ
スバルブ全体の温度を昇降するに加えて、前記昇降によ
って生じた前記ガラスバルブの熱歪みを低減する。
【0010】これにより、フリットシール工程における
ガラスバルブの熱歪みが低減される。
【0011】また、本発明の陰極線管の製造方法は、加
熱炉内で、電子銃が封着されたガラスバルブ内を排気し
真空状態にする排気工程において、前記加熱炉内および
前記ガラスバルブ全体の温度を昇降するに加えて、前記
昇降によって生じた前記ガラスバルブの熱歪みを低減す
る。
【0012】これにより、排気工程におけるガラスバル
ブの熱歪みが低減される。本発明の陰極線管の製造装置
は、加熱炉内に、前記加熱炉内および前記加熱炉内に設
けられるガラスバルブの温度を昇降するための第1の昇
降手段と、前記第1の昇降手段によって生じた前記ガラ
スバルブの熱歪みを低減するための第2の昇降手段とを
具備している。
【0013】この構成により、加熱炉内で発生したガラ
スバルブの熱歪みが低減される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を用いて説明する。
【0015】図5に示すように、本発明の第1の実施の
形態に用いる陰極線管は、例えば、36インチカラー陰
極線管であり、内面10にドット状又はストライプ状の
複数色の蛍光体11を有するパネル12、パネル12の
後方にフリットガラス13を介して接続されたファンネ
ル14およびファンネル14の後方に形成され、内部に
電子ビーム15を放射するためのインライン型の電子銃
16が配置されるネック部14aからなるガラスバルブ
17と、パネル12の各色蛍光体11に対応して配置さ
れた開孔18を複数個有するシャドウマスク19と、シ
ャドウマスク19を支持するマスクフレーム20と、マ
スクフレーム20の電子銃16側に固定された磁気シー
ルド板21と、パネル内面10にシャドウマスク19面
を近接させて、マスクフレーム20をガラスバルブ17
に支持する支持手段22とを備えている。
【0016】次に、本発明の第1の実施の形態の陰極線
管の製造装置について説明する。図1、図2および図8
に示すように、本発明の第1の実施の形態の陰極線管の
製造装置におけるフリットシール工程Aは、トンネル状
に形成された第1の加熱炉23aと、第1の加熱炉23
aの内部24aに、第1の加熱炉内24aおよび第1の
加熱炉内24aに設けられるガラスバルブ17の温度を
昇降するための第1の昇降手段25と、第1の昇降手段
25によって生じたガラスバルブ17の熱歪みを低減す
るための第2の昇降手段26と、ガラスバルブ17およ
び第2の昇降手段26を載置し、かつ第1の加熱炉23
aのトンネル状内を通過する方向に搬送するための搬送
手段27とを具備している。
【0017】第1の昇降手段25は、内部29にヒータ
28を有し、第1の加熱炉内24aの温度を安定しやす
くするための筒状の循環路である。第1の昇降手段であ
る循環路25は、第1の加熱炉壁30に設けられ、循環
路内29に設けられたヒータ28および第1の循環ファ
ン31と、第1の加熱炉内24aの下面側32から第1
の加熱炉内24aへ昇降された温風33を吹出す第1の
吹出口34と、第1の加熱炉内24aの上面側35に、
第1の加熱炉内24aの温風33を吸込む第1の吸込口
36とを備えている。第1の循環ファン31は、第1の
吸込口36の近傍に設置して、第1の加熱炉内24aの
温風33の吹出し、吸引および循環するものである。
【0018】第2の昇降手段26は、ガラスバルブ17
の少なくとも温度差が発生しやすい熱歪み発生部17a
(以下、熱歪み発生部17aという)に、第1の加熱炉
内24aの昇降された温風33を吹付けるための温風補
助機構である。例えば、第2の昇降手段である温風補助
機構26は、図3および図4にも示すように、第1の加
熱炉内24aに設けられ、第1の加熱炉内24aの温風
33を吸込む第2の吸込口37と、第2の吸込口37で
吸込んだ温風33を、ガラスバルブ17の熱歪み発生部
17aに吹出す矩形状の第2の吹出口38と、第2の吸
込口37から第2の吹出口38へ温風33を導く経路中
に耐熱性のシロッコファンからなる第2の循環ファン3
9とを備えている。また、温風補助機構26は、第2の
循環ファン39と第2の吹出口38との間の経路を耐熱
性のフレキシブルホース40で形成し、第2の吹出口3
8をガラスバルブ17の任意場所に設置でき、かつ、第
2の吹出口38から吹出す温風33の量を可変できる調
整機構41を有している。また、フレキシブルホース4
0は、例えば、第2の循環ファン39部から2つに分岐
し、その分岐したフレキシブルホース40a、40bの
先端に設けられた第2の吹出口38a、38bをガラス
バルブ17の熱歪み発生部17aに対向して設けてい
る。また、第2の循環ファン39は、中空箱形状の第1
の搬送台42に固定された支柱26aの両端部に水冷式
の軸受け43a、43bと、軸受け43a、43bに回
転自在に設けられた回転軸44と、軸受け43a、43
bおよび回転軸44を冷却するために、冷却水を循環す
る溝45a、45b、45cと、回転軸44の一端(第
1の加熱炉内24a側)に固定された羽根46と、回転
軸44の他端に固定され、羽根46を回転するためのモ
ータ47とで構成されている。なお、支柱26aは、第
2の吹出口38から吹出す温風33の温度が下がりにく
い高さ位置、すなわち、第2の吸込口37を第1の吹出
口34より高い位置になるように設けている。また、モ
ータ47は、回転特性を安定するために、高温になる第
1の加熱炉内24aから分離した位置に設けている。
【0019】搬送手段27は、ガラスバルブ17を支持
する第1のバルブ支持台48と第2の昇降手段26とを
載置した第1の搬送台42と、第1の加熱炉23aのト
ンネル状内を通過する方向に移動するローラチェーンを
有する第1の搬送機構49と、第1の搬送台42を第1
の搬送機構49に連結するための連結部材50とで構成
されている。
【0020】図6〜図8に示すように、本発明の第1の
実施の形態の陰極線管の製造装置における排気工程C
は、トンネル状に形成された第2の加熱炉23bと、第
2の加熱炉23bの内部24bに、第2の加熱炉内24
bおよび第2の加熱炉内24bに設けられるガラスバル
ブ17の温度を昇降するための第1の昇降手段25と、
第1の昇降手段25によって生じたガラスバルブ17の
熱歪みを低減するための第2の昇降手段26と、ガラス
バルブ17を排気するための排気手段51と、ガラスバ
ルブ17および第2の昇降手段26とを載置し、かつ第
2の加熱炉23bのトンネル状内を通過する方向に搬送
するための搬送手段27とを具備したものであり、特
に、前記フリットシール工程Aとは、ガラスバルブ17
を排気するための排気手段51を設けている点が相違す
る。したがって、前記フリットシール工程Aで説明した
ものは説明を省く。
【0021】次に、図1、図2、図6および図7に示す
陰極線管の製造装置を用いて、本発明の第1の実施の形
態の陰極線管の製造方法について説明する。
【0022】図5および図8に示すように、本発明の第
1の実施の形態の陰極線管の製造方法は、ファンネル1
4とパネル12とをフリットガラス13を介して融着し
て、ガラスバルブ17を形成するフリットシール工程
A、フリットシール工程A後に、ファンネル14のネッ
ク部14aに電子銃16のステム16aを封着する封止
工程Bと、封止工程B後に、ガラスバルブ17内を排気
し真空状態にする排気工程Cとにより、陰極線管を製作
している。
【0023】フリットシール工程Aでは、ファンネル1
4の端縁とパネル12の端縁とをフリットガラス13を
介して突き合わせて第1の搬送台42に載置した後、第
1の搬送台42に載置された第2の昇降手段26を、ガ
ラスバルブ17の熱歪み発生部17aに設けて温風33
を吹付ける。次に、第1の搬送台42が移動し、第1の
昇降手段25により昇温された第1の加熱炉内24aに
入れ、ガラスバルブ17の温度を440℃程度に上昇さ
せる。次にガラスバルブ17の温度を440℃程度で3
0〜40分間、第1の加熱炉内24aに保持させた後、
ほぼ一定の温度勾配で徐冷する。そしてガラスバルブ1
7の温度が100℃程度になったとき第1の加熱炉内2
4aからガラスバルブ17が取り出され次の封止工程B
へと進む。
【0024】封止工程Bでは、電子銃のステム16aを
ネック部14aに封止された半製品を、大気中で50℃
程度まで自然冷却させた後、排気工程Cへと進む。
【0025】排気工程Cでは、封止工程Bで使用したガ
ラスバルブ17(以下、半製品ガラスバルブ17とい
う)を第1の搬送台42から取り外し、半製品ガラスバ
ルブ17を排気手段51を有する第1の搬送台42に載
置した後、排気手段51を有する第1の搬送台42に載
置された第2の昇降手段26を、半製品ガラスバルブ1
7の熱歪み発生部17aに設けて温風33を吹付ける。
次に、排気手段51を有する第1の搬送台42が移動
し、第1の昇降手段25により昇温された第2の加熱炉
内24bに入れ、ガラスバルブ17の温度を380℃程
度に上昇させる。次に、ガラスバルブ17内面の蛍光体
11や、シャドウマスク19および磁気シールド板21
等の金属部品に吸着したガスを放出させながら、ガラス
バルブ17内のガスを排気し続け、一定時間例えば5分
間維持した後に徐冷を始める。次に、ガラスバルブ17
が一定の温度および真空度になった時点で電子銃16の
カソ−ドを活性化させ、その後ステム16aの排気管1
6bを閉じる。その後も徐冷を続け、ガラスバルブ17
の温度が100℃に低下したところで内部が真空となっ
た陰極線管を第2の加熱炉内24bから取り出す。
【0026】なお、上記実施の形態の陰極線管では、3
6インチカラー陰極線管について説明したが、36イン
チを越える大型化管およびワイド管についても同様な効
果を有する。また、第2の昇降手段26のフレキシブル
ホース40を2つに分岐したものについて説明したが、
これに限らず、フレキシブルホース40の分岐を3つ以
上にしてもよい。また、第2の昇降手段26から吹付け
る温風33は、加熱炉内24a、24bの温風33を利
用したものであるが、これに限らず、第2の昇降手段2
6にヒータを設け、そのヒータ熱を利用したものでもよ
い。また、第2の昇降手段26の第2の吸込口37は、
単なる吸引口であるが、これに限らず、第2の吸込口3
7にフレキシブルホースを設け、かつ温度の高い温風3
3を吸引するために、そのフレキシブルホースの先端を
第1の昇降手段26の温風33の第1の吹出口34の近
傍に設置してもよい。さらに、第1の昇降手段25は、
温風33が下から上に流れる構成のもので説明したが、
これに限らず、温風33が上から下、左から右または右
から左に流れる構成でもよい。この場合、それぞれの構
成において、第2の吸込口37または第2の吸込口37
に設けられた上記フレキシブルホースの先端は、温風3
3の温度の下がりにくい位置に設定することが好まし
い。
【0027】次に、上記陰極線管の製造方法および製造
装置の作用効果について説明する。図1および図2に示
すように、本発明の第1の実施形態の陰極線管の製造方
法および製造装置は、フリットシール工程Aにおいて、
第1の加熱炉内24aおよびガラスバルブ17の全体の
温度を昇降する第1の昇降手段25に加えて、第1の昇
降手段25によって生じたガラスバルブ17の熱歪みを
低減する第2の昇降手段26を設けたことにより、ガラ
スバルブ17のフリットガラス13全周部の温度がほぼ
均一となり、ガラスバルブ17の熱歪みを低減できる。
その結果、昇降温時の熱歪みによるバルブ割れを防止す
ることができる。
【0028】また、ガラスバルブ17の熱歪み発生部1
7aに、第2の昇降手段26を用いて熱歪みを低減する
ための温風33を吹付けることにより、短時間でガラス
バルブ17のフリットガラス13全周部の温度がほぼ均
一となり、ガラスバルブ17の熱歪みを低減できる。そ
の結果、製造時間も短縮できる。
【0029】さらに、ガラスバルブ17の熱歪み発生部
17aに、第2の昇降手段26を用いて第1の加熱炉内
24aの昇降された温風33を吸込み、その温風33を
吹付けることにより、短時間でガラスバルブ17のフリ
ットガラス13全周部の温度がほぼ均一となり、ガラス
バルブ17の熱歪みを低減できる。その結果、第1の加
熱炉内24aの温度を利用できるので、第2の昇降手段
26の構成も簡単にできる。
【0030】図6および図7に示すように、本発明の第
1の実施形態の陰極線管の製造方法および製造装置は、
排気工程Cにおいて、第2の加熱炉内24bおよびガラ
スバルブ17の全体の温度を昇降する第1の昇降手段2
5に加えて、第1の昇降手段25によって生じたガラス
バルブ17の熱歪みを低減する第2の昇降手段26を設
けたことにより、ガラスバルブ17のフリットガラス1
3全周部の温度がほぼ均一となり、ガラスバルブ17の
熱歪みを低減できる。その結果、昇降温時の熱歪みによ
るバルブ割れを防止することができる。
【0031】また、ガラスバルブ17の熱歪み発生部1
7aに、第2の昇降手段26を用いて熱歪みを低減する
ための温風33を吹付けることにより、短時間でガラス
バルブ17のフリットガラス13全周部の温度がほぼ均
一となり、ガラスバルブ17の熱歪みを低減できる。そ
の結果、製造時間も短縮できる。
【0032】さらに、ガラスバルブ17の熱歪み発生部
17aに、第2の昇降手段26を用いて第1の加熱炉内
24aの昇降された温風33を吸込み、その温風33を
吹付けることにより、短時間でガラスバルブ17のフリ
ットガラス13全周部の温度がほぼ均一となり、ガラス
バルブ17の熱歪みを低減できる。その結果、第1の加
熱炉内24aの温度を利用できるので、第2の昇降手段
26の構成も簡単にできる。
【0033】図1、図2、図6および図7に示すよう
に、本発明の第1の実施形態の陰極線管の製造装置は、
フリットシール工程Aおよび排気工程Cにおいて、第1
の昇降手段25が、循環路内29に設けられたヒータ2
8および第1の循環ファン31と、加熱炉内24a、2
4bの下面側32から加熱炉内24a、24bへ昇降さ
れた温風33を吹出す第1の吹出口34と、加熱炉内2
4a、24bの上面側35に、加熱炉内24a、24b
の温風33を吸込む第1の吸込口36とを備えているた
め、対流作用および循環作用が働き、加熱炉内24a、
24bの温度を短時間で安定することができる。その結
果、製造時間が短縮すると共にガラスバルブ17の熱歪
みを低減できる。
【0034】また、第2の昇降手段26において、第2
の循環ファン39と第2の吹出口38との間の経路をフ
レキシブルホース40で形成したことにより、第2の吹
出口38をガラスバルブ17の任意の場所に設置でき
る。その結果、ガラスバルブ17の熱歪みを効果的に低
減できる。そして、第2の吹出口38から吹出す温風3
3の量を可変できる調整機構41を有したことにより、
ガラスバルブ17のフリットガラス13全周部の温度を
さらに均一にすることができる。その結果、バルブ割れ
をさらに低減できる。
【0035】さらに、加熱炉23a、23bがトンネル
状に形成され、かつ、搬送手段27によりトンネル状加
熱炉を通過する方向に、ガラスバルブ17を移動させる
ため、自動化が可能となり、陰極線管の生産能率が向上
できる。
【0036】
【実施例】次に、本発明の効果を確認した実施例につい
て説明する。
【0037】図6および図7に示す本発明の陰極線管の
製造装置における排気工程C(以下、本発明品という)
において、36インチカラー陰極線管を製作する際、第
2の循環ファン39の羽根46の径が100mm、その
厚さが50mm、その回転数が約2000rpm、第2
の吸込口37の径が50mm、分岐したフレキシブルホ
ース40a、40bの直径が40mm、第2の吹出口3
8の矩形内寸法が縦20mm、横70mm、第2の吹出
口38とガラスバルブ17の熱歪み発生部17aとの対
向距離を約50mmにした第2の昇降手段26を用い
た。
【0038】これと比較するため、前記第2の昇降手段
26を取り除いた比較製造装置(以下、比較品という)
も製作した。
【0039】そして、本発明品および比較品について、
ガラスバルブ17のフリットガラス13全周部での温度
差および、昇降温時のバルブ割れを調べたところ、次の
とおりの結果が得られた。図9および図10は、本発明
品および比較品の温度特性図であり、曲線51a、51
bが第2の加熱炉内24bの温度、曲線52a、52b
が第1の昇降手段25のヒータ28と対向するガラスバ
ルブ17面の温度、曲線53a、53bが第2の吹出口
38と対向するガラスバルブ17面の温度である。
【0040】ヒータ28と対向するガラスバルブ17面
と、第2の吹出口38と対向するガラスバルブ17a面
との温度差は、本発明品が最大20℃程度であり、比較
品が最大95℃程度であった。また、昇降温時のバルブ
割れは、本発明品が1000本中、0本であったのに対
し、比較品では1000本中、約10本あった。したが
って、本発明品は、比較品と比較して、前記温度差が約
1/5に低減され、かつ、昇降温時のバルブ割れが激減
することがわかった。
【0041】そして、第2の吹出口38と対向するガラ
スバルブ17a面での風速を調べたところ、本発明品が
風速4m/秒に対し、比較品が風速0.8m/秒であっ
た。
【0042】つまり、ガラスバルブ17の温度差が発生
しやすい部分に第2の昇降手段26を設けたことによ
り、ガラスバルブ17のフリットガラス13全周部の温
度がほぼ均一となり、ガラスバルブ17の熱歪みを低減
できる。その結果、昇降温時の熱歪みによるバルブ割れ
を防止することができる。そして、本発明品は、第2の
昇降手段26により風速を増すことにより、単位時間当
たりの熱伝達量が増加して、短時間に、ガラスバルブ1
7のフリットガラス13全周部の温度がほぼ均一にする
ことができる。
【0043】なお、上記実施例では、排気工程Cのみに
おいて説明したが、フリットシール工程Aにおいても、
製造時間が短縮され、かつ、バルブ割れを低減すること
ができる。
【0044】図11および図12は、本発明の第2の実
施の形態の陰極線管の製造装置を示し、この実施の形態
は、上記第1の実施の形態とは、排気工程Cに、図5に
示すガラスバルブ17内部に装着されたシャドウマスク
19及びシャドウマスク19に接触連結する金属部品
(磁気シールド板21、支持手段22等)を選択的に加
熱する加熱手段54を設けている点が相違する。また、
加熱手段54は、第2の加熱炉内24bに設置された電
磁場を発生させるための誘導加熱用コイル55と、誘導
加熱用コイル55に高周波電流を発生させるための高周
波発生装置56と、高周波発生装置56で発生する高周
波電流の周波数を制御するための周波数制御装置57
と、誘導加熱用コイル55へ供給する電力が最適となる
よう高周波発生装置56を制御するための供給電力制御
装置58とから構成されている。
【0045】この実施の形態によれば、ガラスバルブ1
7内部のシャドウマスク19及びシャドウマスク19に
接触連結する金属部品などに吸着したガスを金属部品の
誘導加熱によって選択的に高温にして放出させる。その
結果、排気工程における製造時間を短縮することができ
る。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の陰極線管
の製造方法は、フリットシール工程および排気工程の少
なくとも一方の工程において、加熱炉内およびガラスバ
ルブ全体の温度を昇降するに加えて、前記昇降によって
生じた前記ガラスバルブの熱歪みを低減することによ
り、昇降温時の熱歪みによるバルブ割れを防止すること
ができる。また、本発明の陰極線管の製造装置は、加熱
炉内に、前記加熱炉内および前記加熱炉内に設けられる
ガラスバルブの温度を昇降するための第1の昇降手段
と、前記第1の昇降手段によって生じた前記ガラスバル
ブの熱歪みを低減するための第2の昇降手段とを具備す
ることにより、昇降温時の熱歪みによるバルブ割れを防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における陰極線管の製
造装置のフリットシール工程部を正面から見た要部断面
【図2】同フリットシール工程部を側面から見た加熱炉
の要部D−D断面図
【図3】同フリットシール工程部を側面から見た第2の
昇降手段の要部断面図
【図4】同第2の昇降手段の平面図
【図5】本発明の第1の実施形態における陰極線管を側
面から見た断面図
【図6】本発明の第1の実施形態における陰極線管の製
造装置の排気工程部を正面から見た要部断面図
【図7】同排気工程部を側面から見た加熱炉の要部E−
E断面図
【図8】本発明の第1の実施形態の陰極線管の製造方法
におけるガラスバルブの温度変化を示す図
【図9】本発明の実施例に係る本発明品の温度変化を示
す図
【図10】本発明の実施例に係る比較品の温度変化を示
す図
【図11】本発明の第2の実施形態における陰極線管の
製造装置の排気工程部を正面から見た要部断面図
【図12】同排気工程部を側面から見た加熱炉の要部F
−F断面図
【図13】従来の陰極線管を側面から見た断面図
【符号の説明】
12 パネル 13 フリットガラス 14 ファンネル 16 電子銃 17 ガラスバルブ 23a、23b 加熱炉 24a、24b 加熱炉23a、23bの内部 25 第1の昇降手段 26 第2の昇降手段

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱炉内で、ファンネルとパネルとをフ
    リットガラスを介して融着して、ガラスバルブを形成す
    るフリットシール工程において、前記加熱炉内および前
    記ガラスバルブ全体の温度を昇降するに加えて、前記昇
    降によって生じた前記ガラスバルブの熱歪みを低減する
    ことを特徴とする陰極線管の製造方法。
  2. 【請求項2】 ガラスバルブの熱歪み発生部に熱歪みを
    低減するための温風を吹付けることを特徴とする請求項
    1記載の陰極線管の製造方法。
  3. 【請求項3】 ガラスバルブの熱歪み発生部に、加熱炉
    内の昇降された温風を吸込みその温風を吹付け、熱歪み
    を低減することを特徴とする請求項1記載の陰極線管の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 加熱炉内で、電子銃が封着されたガラス
    バルブ内を排気し真空状態にする排気工程において、前
    記加熱炉内および前記ガラスバルブ全体の温度を昇降す
    るに加えて、前記昇降によって生じた前記ガラスバルブ
    の熱歪みを低減することを特徴とする陰極線管の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 ガラスバルブの熱歪み発生部に熱歪みを
    低減するための温風を吹付けることを特徴とする請求項
    4記載の陰極線管の製造方法。
  6. 【請求項6】 ガラスバルブの熱歪み発生部に、加熱炉
    内の昇降された温風を吸込みその温風を吹付け、熱歪み
    を低減することを特徴とする請求項4記載の陰極線管の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 ガラスバルブ内部に装着されたシャドウ
    マスクおよび前記シャドウマスクに接触連結する金属部
    品を選択的に加熱することを特徴とした請求項4〜6の
    いずれかに記載の陰極線管の製造方法。
  8. 【請求項8】 加熱炉内に、前記加熱炉内および前記加
    熱炉内に設けられるガラスバルブの温度を昇降するため
    の第1の昇降手段と、前記第1の昇降手段によって生じ
    た前記ガラスバルブの熱歪みを低減するための第2の昇
    降手段とを具備したことを特徴とする陰極線管の製造装
    置。
  9. 【請求項9】 第1の昇降手段は、内部にヒータを有
    し、加熱炉内の温度を安定しやすくするための循環路で
    あることを特徴とする請求項8記載の陰極線管の製造装
    置。
  10. 【請求項10】 循環路は、加熱炉壁に設けられ、前記
    循環路内に設けられた第1の循環ファンと、加熱炉内の
    下面側から前記加熱炉内へ昇降された温風を吹出す第1
    の吹出口と、前記加熱炉内の上面側から前記加熱炉内の
    温風を吸込む第1の吸込口とを備えていることを特徴と
    する請求項8または請求項9記載の陰極線管の製造装
    置。
  11. 【請求項11】 第1の循環ファンを第1の吸込口の近
    傍に設置したことを特徴とする請求項10記載の陰極線
    管の製造装置。
  12. 【請求項12】 第2の昇降手段は、ガラスバルブの熱
    歪み発生部に設けられた、昇降された温風を吹付けるた
    めの温風補助機構であることを特徴とする請求項8〜1
    1のいずれかに記載の陰極線管の製造装置。
  13. 【請求項13】 温風補助機構は、加熱炉内に設けら
    れ、加熱炉内の昇降された温風を吸込む第2の吸込口
    と、前記第2の吸込口で吸込んだ前記温風を、ガラスバ
    ルブの熱歪み発生部に吹出す第2の吹出口と、前記第2
    の吸込口から前記第2の吹出口へ前記温風を導く経路中
    に第2の循環ファンとを備えていることを特徴とする請
    求項12記載の陰極線管の製造装置。
  14. 【請求項14】 温風補助機構は、第2の循環ファンと
    第2の吹出口との間の経路をフレキシブルホースで形成
    し、第2の吹出口をガラスバルブの任意場所に設置でき
    るようにしていることを特徴とする請求項13記載の陰
    極線管の製造装置。
  15. 【請求項15】 温風補助機構は、第2の吹出口からの
    吹出した温風の量を可変できる調整機構を有しているこ
    とを特徴とする請求項13または請求項14記載の陰極
    線管の製造装置。
  16. 【請求項16】 加熱炉は、トンネル状に形成され、か
    つ、前記トンネル状加熱炉を通過する方向に、ガラスバ
    ルブおよび第2の昇降手段を載置して移動する搬送手段
    を備えたことを特徴とする請求項8〜15のいずれかに
    記載の陰極線管の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008185246A (ja) * 2007-01-29 2008-08-14 Central Glass Co Ltd 加熱炉内の循環ファンケーシング構造

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