JPH1110881A - 記録ヘッドおよび記録装置 - Google Patents
記録ヘッドおよび記録装置Info
- Publication number
- JPH1110881A JPH1110881A JP16433797A JP16433797A JPH1110881A JP H1110881 A JPH1110881 A JP H1110881A JP 16433797 A JP16433797 A JP 16433797A JP 16433797 A JP16433797 A JP 16433797A JP H1110881 A JPH1110881 A JP H1110881A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- recording
- substrate
- recording head
- mos transistor
- ink
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 インク供給口が形成された基板を有するイン
クジェット記録ヘッドにおいて、基板サイズの縮小化を
図るとともにこの縮小化に起因して基板におけるMOS
トランジスタの駆動力の低下を生じないようにする。 【解決手段】 インク供給口101を形成することに起
因する基板サイズの増大を防止するため、結晶面として
の(110)面を表面とする基板を用い、この場合にお
ける基板上に形成されるMODトランジスタの電界効果
移動度の異方性に応じ、MOSトランジスタのゲート電
極106等の延在する角度をインク供給口101の長辺
に対して35.3°とする。これにより、MOSトラン
ジスタに流れる電流の方向を基板表面の<110>方向
とすることができ、最大の駆動力を得ることが可能とな
る。
クジェット記録ヘッドにおいて、基板サイズの縮小化を
図るとともにこの縮小化に起因して基板におけるMOS
トランジスタの駆動力の低下を生じないようにする。 【解決手段】 インク供給口101を形成することに起
因する基板サイズの増大を防止するため、結晶面として
の(110)面を表面とする基板を用い、この場合にお
ける基板上に形成されるMODトランジスタの電界効果
移動度の異方性に応じ、MOSトランジスタのゲート電
極106等の延在する角度をインク供給口101の長辺
に対して35.3°とする。これにより、MOSトラン
ジスタに流れる電流の方向を基板表面の<110>方向
とすることができ、最大の駆動力を得ることが可能とな
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録ヘッドおよび
このヘッドを用いて記録を行う記録装置に関し、詳しく
は記録ヘッドを構成する基板における機能素子の配置に
関するものである。
このヘッドを用いて記録を行う記録装置に関し、詳しく
は記録ヘッドを構成する基板における機能素子の配置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2はインクジェット記録ヘッドを構成
する基板上における各素子の配置構成の一従来例を示す
模式的平面図である。
する基板上における各素子の配置構成の一従来例を示す
模式的平面図である。
【0003】図2において、201はインク吐出に利用
される熱エネルギーを発生するための電気熱変換素子
(ヒータ)が配列されている領域、202はヒータに電
流を選択的に供給するためのMOSトランジスタが配列
されている領域、203は上記MOSトランジスタのス
イッチング動作を制御するための論理回路が配置されて
いる領域である。また、204は記録装置本体側との電
気的接続を行うためのパッドが配置されている領域であ
り、さらに205は基板200の裏面側に設けられたイ
ンクタンク(不図示)から基板表面の各ヒータの位置へ
インクを供給するためのインク供給口である。
される熱エネルギーを発生するための電気熱変換素子
(ヒータ)が配列されている領域、202はヒータに電
流を選択的に供給するためのMOSトランジスタが配列
されている領域、203は上記MOSトランジスタのス
イッチング動作を制御するための論理回路が配置されて
いる領域である。また、204は記録装置本体側との電
気的接続を行うためのパッドが配置されている領域であ
り、さらに205は基板200の裏面側に設けられたイ
ンクタンク(不図示)から基板表面の各ヒータの位置へ
インクを供給するためのインク供給口である。
【0004】図3は図2におけるAA′線であり、図2
には示されていない、吐出口プレートの断面をも併せて
示すものである。なお、この図では図2に示したMOS
トランジスタ(の領域)202の図示は省略されてい
る。
には示されていない、吐出口プレートの断面をも併せて
示すものである。なお、この図では図2に示したMOS
トランジスタ(の領域)202の図示は省略されてい
る。
【0005】上述したように基板200の裏面側にはイ
ンクタンク211が設けられ、ここに貯留されたインク
はインク供給口205と吐出口プレート206および不
図示の流路壁により形成される各流路を介してそれぞれ
の流路に対応するヒータの位置に供給される。そして、
この供給されたインクにはヒータが発生する熱エネルギ
ーが付与され、その結果、インク中に生じる気泡の生成
による圧力によって吐出口210からインク滴212が
吐出される。
ンクタンク211が設けられ、ここに貯留されたインク
はインク供給口205と吐出口プレート206および不
図示の流路壁により形成される各流路を介してそれぞれ
の流路に対応するヒータの位置に供給される。そして、
この供給されたインクにはヒータが発生する熱エネルギ
ーが付与され、その結果、インク中に生じる気泡の生成
による圧力によって吐出口210からインク滴212が
吐出される。
【0006】上述の基板の構成において、インク供給口
205はアルカリ性のウェットエッチング液を用いた異
方性エッチングによって形成される。従来より、結晶面
としての(100)面を表面にもつシリコン(Si)基
板を用いて、記録ヘッドを形成するのが一般的である
が、この場合、形成されるインク供給口の側面の面方位
は(111)であり、この供給口側面と基板表面とで形
成される角度(テーパー角)は54.7°となる。
205はアルカリ性のウェットエッチング液を用いた異
方性エッチングによって形成される。従来より、結晶面
としての(100)面を表面にもつシリコン(Si)基
板を用いて、記録ヘッドを形成するのが一般的である
が、この場合、形成されるインク供給口の側面の面方位
は(111)であり、この供給口側面と基板表面とで形
成される角度(テーパー角)は54.7°となる。
【0007】また、Si基板の裏面にインクタンク等を
形成し記録ヘッドを作製する際、Si基板と他の部材と
を接着するため、図3における符号Cで示す平坦な領域
が少なくとも0.7mm程度必要となる。
形成し記録ヘッドを作製する際、Si基板と他の部材と
を接着するため、図3における符号Cで示す平坦な領域
が少なくとも0.7mm程度必要となる。
【0008】ところで、図3に示すように、インク供給
口の基板表面側の幅をa、インク供給口の上記テーパー
部分の幅をbとすると、シリコン基板チップの幅は、a
+2b+2cとなる。ここで、インク供給口の上記幅a
は0.05〜0.2mmの範囲であり、インク供給口の
テーパーによって生じる幅bは、厚さ0.65mmの基
板では0.46mmとなる。従って、シリコン基板の
幅、すなわちヒータ201の配列方向と直交する方向の
長さは、約2.4〜2.5mmとなる。
口の基板表面側の幅をa、インク供給口の上記テーパー
部分の幅をbとすると、シリコン基板チップの幅は、a
+2b+2cとなる。ここで、インク供給口の上記幅a
は0.05〜0.2mmの範囲であり、インク供給口の
テーパーによって生じる幅bは、厚さ0.65mmの基
板では0.46mmとなる。従って、シリコン基板の
幅、すなわちヒータ201の配列方向と直交する方向の
長さは、約2.4〜2.5mmとなる。
【0009】このことから明らかなように、例えばSi
基板の製造プロセスの微細化によりSi基板中に形成さ
れる素子の微細化を行いチップ自体の縮小を行おうとし
ても、チップの幅としてある一定の値が確保される必要
があり、このためそれ以上の縮小化はできなかった。
基板の製造プロセスの微細化によりSi基板中に形成さ
れる素子の微細化を行いチップ自体の縮小を行おうとし
ても、チップの幅としてある一定の値が確保される必要
があり、このためそれ以上の縮小化はできなかった。
【0010】これに対し、チップサイズを縮小化するた
め、テーパー部が形成されないようにインク供給口を形
成することが提案されている。すなわち、図4に示すよ
うにインク供給口を垂直にエッチングしテーパー部が生
じないようにしたものである。これにより、チップの幅
はa+2cとなり、チップサイズの縮小化が可能にな
る。この垂直なエッチングは例えば(110)面を表面
にもつSi基板に対してアルカリ性のウェットエッチン
グ液を用いた異方性エッチングを行うことで可能とな
る。
め、テーパー部が形成されないようにインク供給口を形
成することが提案されている。すなわち、図4に示すよ
うにインク供給口を垂直にエッチングしテーパー部が生
じないようにしたものである。これにより、チップの幅
はa+2cとなり、チップサイズの縮小化が可能にな
る。この垂直なエッチングは例えば(110)面を表面
にもつSi基板に対してアルカリ性のウェットエッチン
グ液を用いた異方性エッチングを行うことで可能とな
る。
【0011】この場合、インク供給口の側面の面方位は
図3に示す場合と同様<111>となる。例えば図5に
示すように、(111)面をオリエンテーションフラッ
トとした場合、このオリエンテーションフラットと平行
な辺およびこの辺に対し70.5°の角度をなす辺から
なる形状のインク供給口が形成される。
図3に示す場合と同様<111>となる。例えば図5に
示すように、(111)面をオリエンテーションフラッ
トとした場合、このオリエンテーションフラットと平行
な辺およびこの辺に対し70.5°の角度をなす辺から
なる形状のインク供給口が形成される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに(110)面を表面とするSi基板に、従来の配置
構成で記録ヘッドを製造した場合次に示すような問題が
ある。
うに(110)面を表面とするSi基板に、従来の配置
構成で記録ヘッドを製造した場合次に示すような問題が
ある。
【0013】図2に示す従来のインクジェット記録ヘッ
ドの基板構成におけるインク供給口、ヒータ、およびパ
ワーMOSの関係をより詳しく示すと図6に示すものと
なる。
ドの基板構成におけるインク供給口、ヒータ、およびパ
ワーMOSの関係をより詳しく示すと図6に示すものと
なる。
【0014】図6において、603はMOSトランジス
タ202を構成するアクティブ領域、以下、同様に60
4はソース領域、605はドレイン領域、606はゲー
ト電極である。また、607はGND配線、608はヒ
ータに電圧を印加するための電源配線である。
タ202を構成するアクティブ領域、以下、同様に60
4はソース領域、605はドレイン領域、606はゲー
ト電極である。また、607はGND配線、608はヒ
ータに電圧を印加するための電源配線である。
【0015】上記構成において、上述した従来例のよう
に(100)面を表面とする基板上にMOSトランジス
タを形成する場合、MOSトランジスタをどのように配
置してもその駆動力は同一であり、従って従来は最も配
置の容易な構成、すなわち図6に示したようにインク供
給口の長辺の方向とゲート電極の延在する方向が直交す
るように配置する構成が採用されていた。この場合、図
6中矢印A,Bで示すように、MOSトランジスタを流
れる電流の方向はインク供給口の長辺方向と平行とな
る。
に(100)面を表面とする基板上にMOSトランジス
タを形成する場合、MOSトランジスタをどのように配
置してもその駆動力は同一であり、従って従来は最も配
置の容易な構成、すなわち図6に示したようにインク供
給口の長辺の方向とゲート電極の延在する方向が直交す
るように配置する構成が採用されていた。この場合、図
6中矢印A,Bで示すように、MOSトランジスタを流
れる電流の方向はインク供給口の長辺方向と平行とな
る。
【0016】これに対してヘッドチップの縮小化のため
(110)面を表面とする基板上にMOSトランジスタ
を形成した場合は、MOSトランジスタの配置の形態、
すなわち、MOSトランジスタにおいて電流の流れる方
向によって、MOSトランジスタの駆動力が変化する。
これは図7に示すように(110)面上では電界効果移
動度が異方性をもつからである。なお、図7に示す例は
キャリアが電子の場合について示すものである。このよ
うに、(110)面を表面とする基板を有した記録ヘッ
ドを作成する場合、従来のMOSトランジスタの配置で
はその駆動力が十分でなくなるおそれがあり、その結
果、基板サイズの縮小化と駆動力の発生がトレードオフ
の関係になるか、もしくは一定の駆動力を得るために基
板面積の縮小化ができず、結局、チップサイズの縮小化
が実現できないという問題を生じることとなる。
(110)面を表面とする基板上にMOSトランジスタ
を形成した場合は、MOSトランジスタの配置の形態、
すなわち、MOSトランジスタにおいて電流の流れる方
向によって、MOSトランジスタの駆動力が変化する。
これは図7に示すように(110)面上では電界効果移
動度が異方性をもつからである。なお、図7に示す例は
キャリアが電子の場合について示すものである。このよ
うに、(110)面を表面とする基板を有した記録ヘッ
ドを作成する場合、従来のMOSトランジスタの配置で
はその駆動力が十分でなくなるおそれがあり、その結
果、基板サイズの縮小化と駆動力の発生がトレードオフ
の関係になるか、もしくは一定の駆動力を得るために基
板面積の縮小化ができず、結局、チップサイズの縮小化
が実現できないという問題を生じることとなる。
【0017】本発明は上述した従来の問題点を解消する
ためになされたものであり、その目的とするところはチ
ップサイズの縮小化を実現するとともにこの縮小化によ
ってMOSトランジスタの駆動力の低下の生じない記録
ヘッドおよび記録装置を提供することにある。
ためになされたものであり、その目的とするところはチ
ップサイズの縮小化を実現するとともにこの縮小化によ
ってMOSトランジスタの駆動力の低下の生じない記録
ヘッドおよび記録装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
被記録媒体に記録を行うために用いられる記録ヘッドに
おいて、複数の記録素子と、該複数の記録素子を選択的
に駆動するためのMOSトランジスタを形成した基板で
あって、前記MOSトランジスタを当該基板における電
界効果移動度の異方性に応じて配置した基板と、を具え
たことを特徴とする。
被記録媒体に記録を行うために用いられる記録ヘッドに
おいて、複数の記録素子と、該複数の記録素子を選択的
に駆動するためのMOSトランジスタを形成した基板で
あって、前記MOSトランジスタを当該基板における電
界効果移動度の異方性に応じて配置した基板と、を具え
たことを特徴とする。
【0019】好ましくは、前記基板において前記MOS
トランジスタはその駆動力が最大もしくはその近傍の値
となるよう配置されたことを特徴とする。
トランジスタはその駆動力が最大もしくはその近傍の値
となるよう配置されたことを特徴とする。
【0020】他の形態として、被記録媒体に記録を行う
ために用いられる記録ヘッドにおいて、複数の記録素子
と、該複数の記録素子を選択的に駆動するためのMOS
トランジスタを形成した基板であって、前記MOSトラ
ンジスタをその駆動力が最大もしくはその近傍の値とな
るよう配置した基板と、を具えたことを特徴とする。
ために用いられる記録ヘッドにおいて、複数の記録素子
と、該複数の記録素子を選択的に駆動するためのMOS
トランジスタを形成した基板であって、前記MOSトラ
ンジスタをその駆動力が最大もしくはその近傍の値とな
るよう配置した基板と、を具えたことを特徴とする。
【0021】さらに他の形態として、被記録媒体に記録
を行うために用いられる記録ヘッドにおいて、複数の電
気熱変換素子および該複数の電気熱変換素子を選択的に
駆動するためのMOSトランジスタを形成した基板を具
え、該基板には前記複数の電気熱変換素子が設けられる
部位にインクを供給するためのインク供給口が形成さ
れ、前記MOSトランジスタが当該基板における電界効
果移動度の異方性に応じて配置されたことを特徴とす
る。
を行うために用いられる記録ヘッドにおいて、複数の電
気熱変換素子および該複数の電気熱変換素子を選択的に
駆動するためのMOSトランジスタを形成した基板を具
え、該基板には前記複数の電気熱変換素子が設けられる
部位にインクを供給するためのインク供給口が形成さ
れ、前記MOSトランジスタが当該基板における電界効
果移動度の異方性に応じて配置されたことを特徴とす
る。
【0022】また、記録ヘッドを用いて被記録媒体に記
録を行う記録装置において、前記記録ヘッドは、複数の
記録素子と、該複数の記録素子を選択的に駆動するため
のMOSトランジスタを形成した基板であって、前記M
OSトランジスタを当該基板における電界効果移動度の
異方性に応じて配置した基板と、を具えたことを特徴と
する。
録を行う記録装置において、前記記録ヘッドは、複数の
記録素子と、該複数の記録素子を選択的に駆動するため
のMOSトランジスタを形成した基板であって、前記M
OSトランジスタを当該基板における電界効果移動度の
異方性に応じて配置した基板と、を具えたことを特徴と
する。
【0023】さらに、記録ヘッドを用いて被記録媒体に
記録を行う記録装置において、前記記録ヘッドは、複数
の記録素子と、該複数の記録素子を選択的に駆動するた
めのMOSトランジスタを形成した基板であって、前記
MOSトランジスタをその駆動力が最大もしくはその近
傍の値となるよう配置した基板と、を具えたことを特徴
とする。
記録を行う記録装置において、前記記録ヘッドは、複数
の記録素子と、該複数の記録素子を選択的に駆動するた
めのMOSトランジスタを形成した基板であって、前記
MOSトランジスタをその駆動力が最大もしくはその近
傍の値となるよう配置した基板と、を具えたことを特徴
とする。
【0024】さらに加えて、記録ヘッドを用いて被記録
媒体に記録を行う記録装置において、前記記録ヘッド
は、複数の電気熱変換素子および該複数の電気熱変換素
子を選択的に駆動するためのMOSトランジスタを形成
した基板を具え、該基板には前記複数の電気熱変換素子
が設けられる部位にインクを供給するためのインク供給
口が形成され、前記MOSトランジスタが当該基板にお
ける電界効果移動度の異方性に応じて配置されたことを
特徴とする。
媒体に記録を行う記録装置において、前記記録ヘッド
は、複数の電気熱変換素子および該複数の電気熱変換素
子を選択的に駆動するためのMOSトランジスタを形成
した基板を具え、該基板には前記複数の電気熱変換素子
が設けられる部位にインクを供給するためのインク供給
口が形成され、前記MOSトランジスタが当該基板にお
ける電界効果移動度の異方性に応じて配置されたことを
特徴とする。
【0025】以上の構成によれば、MOSトランジスタ
は当該基板における電界効果移動度の異方性に応じて配
置されるもので、例えばMOSトランジスタに流れる電
流の方向を電界効果移動度が最大となる方向とすること
ができ、また、基板サイズの縮小化のためインク供給口
の形成に関して選択される基板の表面が上記電界効果移
動度の異方性を有していても上記のようにMOSトラン
ジスタを配することにより、駆動力の低下を防止するこ
とができる。
は当該基板における電界効果移動度の異方性に応じて配
置されるもので、例えばMOSトランジスタに流れる電
流の方向を電界効果移動度が最大となる方向とすること
ができ、また、基板サイズの縮小化のためインク供給口
の形成に関して選択される基板の表面が上記電界効果移
動度の異方性を有していても上記のようにMOSトラン
ジスタを配することにより、駆動力の低下を防止するこ
とができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。
施形態を詳細に説明する。
【0027】図1は本発明の一実施形態に係る記録ヘッ
ドの基板表面を示す模式的平面図でる。
ドの基板表面を示す模式的平面図でる。
【0028】図1において、101はインク供給口、1
02はヒータであり、図3,図4に示したものと同様、
各ヒータ102に対応して流路が形成され、各流路には
インク吐出に伴なってインク供給口101を介してイン
クが供給される。103はMOSトランジスタが形成さ
れるアクティブ領域であり、この領域における、ソース
領域104、ドレイン領域105、およびゲート電極1
06によりMOSトランジスタが形成される。なお、本
実施形態のMOSトランジスタは電子をキャリアとする
N型のものである。また、107はGND配線、108
はヒータに電圧を印加する電源配線である。
02はヒータであり、図3,図4に示したものと同様、
各ヒータ102に対応して流路が形成され、各流路には
インク吐出に伴なってインク供給口101を介してイン
クが供給される。103はMOSトランジスタが形成さ
れるアクティブ領域であり、この領域における、ソース
領域104、ドレイン領域105、およびゲート電極1
06によりMOSトランジスタが形成される。なお、本
実施形態のMOSトランジスタは電子をキャリアとする
N型のものである。また、107はGND配線、108
はヒータに電圧を印加する電源配線である。
【0029】本実施形態では、チップサイズ縮小化のた
め上述したように(110)面を表面とする基板を用い
て記録ヘッドを作成する。この場合、図5に示したよう
にオリエンテーションフラットとして(111)面をも
つSi基板ではインク供給口の長辺はこのオリエンテー
ションフラットと平行に形成される。
め上述したように(110)面を表面とする基板を用い
て記録ヘッドを作成する。この場合、図5に示したよう
にオリエンテーションフラットとして(111)面をも
つSi基板ではインク供給口の長辺はこのオリエンテー
ションフラットと平行に形成される。
【0030】この基板において、図1に示すようにゲー
ト電極106の長手方向とインク供給口101の長辺と
の角度を54.7°とすることによりMOSトランジス
タに流れる電流方向は同図中矢印で示す方向となり、図
5に示したようにこの方向は<100>方向と一致する
ものとなる。
ト電極106の長手方向とインク供給口101の長辺と
の角度を54.7°とすることによりMOSトランジス
タに流れる電流方向は同図中矢印で示す方向となり、図
5に示したようにこの方向は<100>方向と一致する
ものとなる。
【0031】図7にて説明したように、(110)面で
は電子の電界効果移動度が<100>方向の電流で最大
となるため、上述したゲート電極等の配置により、それ
らによって構成されるMOSトランジスタの駆動力も最
大となる。
は電子の電界効果移動度が<100>方向の電流で最大
となるため、上述したゲート電極等の配置により、それ
らによって構成されるMOSトランジスタの駆動力も最
大となる。
【0032】本実施形態の基板において、仮りに従来の
配置構成、すなわちインク供給口の長辺に対しゲート電
極の長手方向が直交するような配置構成を採用する場合
には<100>方向に対し35.3°傾いた方向に電流
が流れることになる。この場合と本実施形態とを比較す
ると、図7からの明らかなように、本実施形態における
駆動力は約1.25倍の駆動力を有することとなる。こ
のように、本実施形態によれば、ヒータ配列方向に直交
する方向のサイズの縮小化が可能となるとともに、MO
Sトランジスタによる駆動力を最大限に発揮することが
可能となる。
配置構成、すなわちインク供給口の長辺に対しゲート電
極の長手方向が直交するような配置構成を採用する場合
には<100>方向に対し35.3°傾いた方向に電流
が流れることになる。この場合と本実施形態とを比較す
ると、図7からの明らかなように、本実施形態における
駆動力は約1.25倍の駆動力を有することとなる。こ
のように、本実施形態によれば、ヒータ配列方向に直交
する方向のサイズの縮小化が可能となるとともに、MO
Sトランジスタによる駆動力を最大限に発揮することが
可能となる。
【0033】なお、MOSトランジスタの配置に関し、
ゲート電極とインク供給口の角度は上述したような5
4.7°に限られないことは勿論である。すなわち、角
度が例えば50°、55°、60°等の配置であっても
図7からも明らかなように最大駆動力に近い駆動力を得
ることができ、しかもこれらの角度は配置に容易な角度
でもあり、電界効果移動度の異方性に応じてMOSトラ
ンジスタの配置を定めその駆動力を適切なものとすると
いう本発明の範囲に属するものである。
ゲート電極とインク供給口の角度は上述したような5
4.7°に限られないことは勿論である。すなわち、角
度が例えば50°、55°、60°等の配置であっても
図7からも明らかなように最大駆動力に近い駆動力を得
ることができ、しかもこれらの角度は配置に容易な角度
でもあり、電界効果移動度の異方性に応じてMOSトラ
ンジスタの配置を定めその駆動力を適切なものとすると
いう本発明の範囲に属するものである。
【0034】また、上記実施形態では、N型MOSの場
合を例に挙げて説明を行ったが、(110)面では電子
と同様正孔も電界効果移動度が異方性をもつことが知ら
れている。このためP型MOSに関してもMOSトラン
ジスタの駆動力がその配置形態とによって変化する。従
って、この場合も上述したN型MOSの場合と同様に正
孔の電界効果移動度が最大もしくは最大に近くなる電流
の方向とするようにMOSトランジスタを配置すること
で同様の効果が得られることは明らかである。
合を例に挙げて説明を行ったが、(110)面では電子
と同様正孔も電界効果移動度が異方性をもつことが知ら
れている。このためP型MOSに関してもMOSトラン
ジスタの駆動力がその配置形態とによって変化する。従
って、この場合も上述したN型MOSの場合と同様に正
孔の電界効果移動度が最大もしくは最大に近くなる電流
の方向とするようにMOSトランジスタを配置すること
で同様の効果が得られることは明らかである。
【0035】因に、図1に示すようにゲート電極等をイ
ンク供給口に対し斜めに配置した場合、基本のヒータ配
列方向における長さが増大するおそれがあるが、上記斜
めの配置によって生じるスペースに基板の他の回路を配
置することにより、上記長さの増大を抑制することがで
きる。
ンク供給口に対し斜めに配置した場合、基本のヒータ配
列方向における長さが増大するおそれがあるが、上記斜
めの配置によって生じるスペースに基板の他の回路を配
置することにより、上記長さの増大を抑制することがで
きる。
【0036】図8は、上述した本実施形態の基板を用い
て構成された記録ヘッドの一例を示す外観斜視図であ
る。
て構成された記録ヘッドの一例を示す外観斜視図であ
る。
【0037】同図に示すように、本実施形態の記録ヘッ
ドは図1に示すインク供給口105の両側に配されるヒ
ータ102に対応して吐出口210の配列を2列有する
ものである。すなわち、吐出口プレート206にはそれ
ぞれの配列において所定のピッチで吐出口210が配設
される。なお、本実施形態の記録ヘッドに対してはイン
クタンクITが着脱自在に取付けられる。
ドは図1に示すインク供給口105の両側に配されるヒ
ータ102に対応して吐出口210の配列を2列有する
ものである。すなわち、吐出口プレート206にはそれ
ぞれの配列において所定のピッチで吐出口210が配設
される。なお、本実施形態の記録ヘッドに対してはイン
クタンクITが着脱自在に取付けられる。
【0038】図9は図8に示した記録ヘッドおよびイン
クタンクを装着して記録を行うインクジェット記録装置
の一例を示す概略斜視図である。
クタンクを装着して記録を行うインクジェット記録装置
の一例を示す概略斜視図である。
【0039】イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン
(C)およびブラック(B)の各インクに対応した記録
ヘッド21Y,21M,21Cおよび21B(およびそ
れぞれのインクタンクIT)はキャリッジ20に着脱自
在に設けられる。キャリッジ20はガイドシャフト23
と摺動自在に係合し、またキャリッジ20にはプーリー
25,26およびベルト28を介してモータ27の駆動
力が伝えられる。これにより、各ヘッド21Y,21
M,21Cおよび21Bは被記録媒体としての記録紙P
に対する走査を行うことができる。記録紙Pは、一対の
搬送ローラ22A,22Bにより、上記走査の間に所定
量づつ搬送される。また、記録ヘッドの移動範囲の一端
には、各記録ヘッドの吐出回復処理を行うための回復ユ
ニット24が設けられる。
(C)およびブラック(B)の各インクに対応した記録
ヘッド21Y,21M,21Cおよび21B(およびそ
れぞれのインクタンクIT)はキャリッジ20に着脱自
在に設けられる。キャリッジ20はガイドシャフト23
と摺動自在に係合し、またキャリッジ20にはプーリー
25,26およびベルト28を介してモータ27の駆動
力が伝えられる。これにより、各ヘッド21Y,21
M,21Cおよび21Bは被記録媒体としての記録紙P
に対する走査を行うことができる。記録紙Pは、一対の
搬送ローラ22A,22Bにより、上記走査の間に所定
量づつ搬送される。また、記録ヘッドの移動範囲の一端
には、各記録ヘッドの吐出回復処理を行うための回復ユ
ニット24が設けられる。
【0040】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0041】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0042】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0043】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0044】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0045】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0046】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0047】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0048】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
MOSトランジスタは当該基板における電界効果移動度
の異方性に応じて配置されるもので、例えばMOSトラ
ンジスタに流れる電流の方向を電界効果移動度が最大と
なる方向とすることができ、また、基板サイズの縮小化
のためインク供給口の形成に関して選択される基板の表
面が上記電界効果移動度の異方性を有していても上記の
ようにMOSトランジスタを配することにより、駆動力
の低下を防止することができる。
MOSトランジスタは当該基板における電界効果移動度
の異方性に応じて配置されるもので、例えばMOSトラ
ンジスタに流れる電流の方向を電界効果移動度が最大と
なる方向とすることができ、また、基板サイズの縮小化
のためインク供給口の形成に関して選択される基板の表
面が上記電界効果移動度の異方性を有していても上記の
ようにMOSトランジスタを配することにより、駆動力
の低下を防止することができる。
【0050】この結果、記録ヘッドサイズの縮小化を実
現できるとともにその縮小化にかかわらず適切なMOS
トランジスタの駆動力を有した記録ヘッドを得ることが
できる。
現できるとともにその縮小化にかかわらず適切なMOS
トランジスタの駆動力を有した記録ヘッドを得ることが
できる。
【図1】本発明の一実施形態に係る記録ヘッドの基板に
おけるMOSトラジスタ等の配置を示す模式的平面図で
ある。
おけるMOSトラジスタ等の配置を示す模式的平面図で
ある。
【図2】従来の記録ヘッドの基板におけるMOSトラン
ジスタ等の概略的な配置を示す図である。
ジスタ等の概略的な配置を示す図である。
【図3】図2に示した基板の断面図である。
【図4】ヘッドチップサイズの縮小化のための基板形状
を示す基板の断面図である。
を示す基板の断面図である。
【図5】基板表面を(110)面としたときのオリエン
テーションフラットとインク供給口の形状との関係を示
す図である。
テーションフラットとインク供給口の形状との関係を示
す図である。
【図6】図2に示した従来のMOSトランジスタの配置
構成の詳細を示す模式的平面図である。
構成の詳細を示す模式的平面図である。
【図7】MOSトランジスタを(110)面に配置した
場合における電流の方向と電界効果移動度との関係を示
す図である。
場合における電流の方向と電界効果移動度との関係を示
す図である。
【図8】図1に示した基板を用いて構成できるインクジ
ェット記録ヘッドの一例を示す外観斜視図である。
ェット記録ヘッドの一例を示す外観斜視図である。
【図9】図8に示した記録ヘッドを用いて記録を行うイ
ンクジェット記録装置の一例を示す概略斜視図である。
ンクジェット記録装置の一例を示す概略斜視図である。
101 インク供給口 102 ヒーター(電気熱変換素子) 103 アクティブ領域 104 ソース領域 105 ドレイン領域 106 ゲート電極 107 GND配線 108 電源配線
Claims (14)
- 【請求項1】 被記録媒体に記録を行うために用いられ
る記録ヘッドにおいて、 複数の記録素子と、 該複数の記録素子を選択的に駆動するためのMOSトラ
ンジスタを形成した基板であって、前記MOSトランジ
スタを当該基板における電界効果移動度の異方性に応じ
て配置した基板と、 を具えたことを特徴とする記録ヘッド。 - 【請求項2】 前記基板において前記MOSトランジス
タはその駆動力が最大もしくはその近傍の値となるよう
配置されたことを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッ
ド。 - 【請求項3】 被記録媒体に記録を行うために用いられ
る記録ヘッドにおいて、 複数の記録素子と、 該複数の記録素子を選択的に駆動するためのMOSトラ
ンジスタを形成した基板であって、前記MOSトランジ
スタをその駆動力が最大もしくはその近傍の値となるよ
う配置した基板と、 を具えたことを特徴とする記録ヘッド。 - 【請求項4】 前記記録ヘッドはインクを吐出するもの
であり、前記記録素子はインクを吐出するために利用さ
れる熱エネルギーを発生する電気熱変換素子を有するこ
とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の記
録ヘッド。 - 【請求項5】 被記録媒体に記録を行うために用いられ
る記録ヘッドにおいて、 複数の電気熱変換素子および該複数の電気熱変換素子を
選択的に駆動するためのMOSトランジスタを形成した
基板を具え、該基板には前記複数の電気熱変換素子が設
けられる部位にインクを供給するためのインク供給口が
形成され、前記MOSトランジスタが当該基板における
電界効果移動度の異方性に応じて配置されたことを特徴
とする記録ヘッド。 - 【請求項6】 前記基板において前記MOSトランジス
タはその駆動力が最大もしくはその近傍の値となるよう
配置されたことを特徴とする請求項5に記載の記録ヘッ
ド。 - 【請求項7】 前記基板はシリコンにより形成され、そ
の表面の面方位が(110)であることを特徴とする請
求項1ないし6のいずれかに記載の記録ヘッド。 - 【請求項8】 記録ヘッドを用いて被記録媒体に記録を
行う記録装置において、 前記記録ヘッドは、 複数の記録素子と、 該複数の記録素子を選択的に駆動するためのMOSトラ
ンジスタを形成した基板であって、前記MOSトランジ
スタを当該基板における電界効果移動度の異方性に応じ
て配置した基板と、 を具えたことを特徴とする記録装置。 - 【請求項9】 前記基板において前記MOSトランジス
タはその駆動力が最大もしくはその近傍の値となるよう
配置されたことを特徴とする請求項8に記載の記録装
置。 - 【請求項10】 記録ヘッドを用いて被記録媒体に記録
を行う記録装置において、 前記記録ヘッドは、 複数の記録素子と、 該複数の記録素子を選択的に駆動するためのMOSトラ
ンジスタを形成した基板であって、前記MOSトランジ
スタをその駆動力が最大もしくはその近傍の値となるよ
う配置した基板と、 を具えたことを特徴とする記録装置。 - 【請求項11】 前記記録ヘッドはインクを吐出するも
のであり、前記記録素子はインクを吐出するために利用
される熱エネルギーを発生する電気熱変換素子を有する
ことを特徴とする請求項8ないし10のいずれかに記載
の記録装置。 - 【請求項12】 記録ヘッドを用いて被記録媒体に記録
を行う記録装置において、 前記記録ヘッドは、 複数の電気熱変換素子および該複数の電気熱変換素子を
選択的に駆動するためのMOSトランジスタを形成した
基板を具え、該基板には前記複数の電気熱変換素子が設
けられる部位にインクを供給するためのインク供給口が
形成され、前記MOSトランジスタが当該基板における
電界効果移動度の異方性に応じて配置されたことを特徴
とする記録装置。 - 【請求項13】 前記基板において前記MOSトランジ
スタはその駆動力が最大もしくはその近傍の値となるよ
う配置されたことを特徴とする請求項12に記載の記録
装置。 - 【請求項14】 前記基板はシリコンにより形成され、
その表面の面方位が(110)であることを特徴とする
請求項8ないし13のいずれかに記載の記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16433797A JPH1110881A (ja) | 1997-06-20 | 1997-06-20 | 記録ヘッドおよび記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16433797A JPH1110881A (ja) | 1997-06-20 | 1997-06-20 | 記録ヘッドおよび記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1110881A true JPH1110881A (ja) | 1999-01-19 |
Family
ID=15791262
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16433797A Pending JPH1110881A (ja) | 1997-06-20 | 1997-06-20 | 記録ヘッドおよび記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1110881A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006297669A (ja) * | 2005-04-18 | 2006-11-02 | Canon Inc | インクジェット記録ヘッド用基板および、該基板を用いるインクジェット記録ヘッド |
JP2009208243A (ja) * | 2008-02-29 | 2009-09-17 | Seiko Epson Corp | 圧電装置およびその製造方法、液体噴射ヘッド、並びに、プリンタ |
-
1997
- 1997-06-20 JP JP16433797A patent/JPH1110881A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006297669A (ja) * | 2005-04-18 | 2006-11-02 | Canon Inc | インクジェット記録ヘッド用基板および、該基板を用いるインクジェット記録ヘッド |
JP2009208243A (ja) * | 2008-02-29 | 2009-09-17 | Seiko Epson Corp | 圧電装置およびその製造方法、液体噴射ヘッド、並びに、プリンタ |
US7874653B2 (en) | 2008-02-29 | 2011-01-25 | Seiko Epson Corporation | Piezoelectric device, its manufacturing method, liquid ejection head, and printer |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6439690B2 (en) | Element substrate having connecting wiring between heat generating resistor elements and ink jet recording apparatus | |
JP3148005B2 (ja) | 記録カートリッジおよびインクジェット記録装置 | |
JP3222593B2 (ja) | インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録ヘッド用モノリシック集積回路 | |
JP4574385B2 (ja) | インクジェット記録ヘッドおよび記録装置 | |
US20100045748A1 (en) | Ink-jet recording head | |
JP3950730B2 (ja) | インクジェット記録ヘッドおよびインク吐出方法 | |
JP2002370348A (ja) | 記録ヘッド用基板、記録ヘッド並びに記録装置 | |
JP2005081597A (ja) | インクジェットヘッド | |
JPH1110881A (ja) | 記録ヘッドおよび記録装置 | |
JP4208399B2 (ja) | インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法 | |
JP2925309B2 (ja) | 記録方法および装置 | |
JP2006224443A (ja) | インクジェット記録ヘッド、記録装置、および記録方法 | |
JP3176249B2 (ja) | インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録装置および情報処理システム | |
JP2001113733A (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP3047979B2 (ja) | インクジェット記録装置 | |
JPH03213352A (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP2898118B2 (ja) | インクジェット記録装置および該装置を用いる電子機器 | |
JP2004090246A (ja) | 記録ヘッド用基板、インクジェット記録ヘッド、記録装置およびランクヒーター測定方法 | |
JP3025584B2 (ja) | インクジェット記録装置およびインクカセット | |
JP2001171120A (ja) | 記録ヘッド及び記録装置 | |
JPH03234631A (ja) | 液体噴射記録ヘッドおよび該液体噴射記録ヘッドを有する液体噴射記録装置 | |
JPH03234632A (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP3544061B2 (ja) | インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 | |
JP2000127405A (ja) | 液体吐出ヘッド、その駆動方法および液体吐出装置 | |
JPH0473151A (ja) | インクジェット記録装置 |