JPH11108533A - 冷凍庫、冷蔵庫等における冷却装置の冷却パイプの装着構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍庫、冷蔵庫等における冷却パイプと冷却
室との熱交換率を高めることができる冷却器の冷却パイ
プの装着構造を提供する。 【解決手段】 このため、冷却パイプ１０は、内箱４の
平面部４ｂに接する領域において、内箱４の壁面に対し
て面接触するように、その断面形状が定められている。
平面部４ｂに接する部分においては、冷却パイプ１０は
壁面側がつぶれた形状、具体的には、その断面形状は、
楕円の一部を弦で切断した部分楕円形状となっている。
一方、内箱４のコーナー部４ａに接する部分では、冷却
パイプ１０は、内箱４の壁面に対してほぼ線接触するよ
うに、その断面形状が定められている。コーナー部４ａ
に接する部分では、冷却パイプ１０の断面形状は円形で
ある。このような構成にすると、平面部に接する部分の
面接触面積が増大するので、その分、熱交換率を向上で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍庫、冷蔵庫等
における冷却装置の冷却パイプの装着構造の改良に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の冷凍庫、冷蔵庫等における冷却装
置は、例えば実公平４−３４３８０号公報に開示されて
いる。同公報に開示される冷却装置は、上面に収納物を
出し入れする開口を有する冷凍・冷蔵ショーケースであ
り、収納物が格納される冷却室は、ほぼ直方体状の断熱
性の箱体により形成されている。箱体は、内箱と外箱、
及びこれらの間に充填された断熱材とを備えており、内
箱の外周に冷却パイプが螺旋状に巻き付けられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来例のような構造では、一般に冷却パイプの断面形
状は円形であるため、壁面に対する接触面積が比較的小
さく、冷却パイプと冷却室との熱交換率が低いという問
題点があった。

【０００４】本発明は、上述した従来技術の課題に鑑み
てなされたものであり、冷却パイプと冷却室との熱交換
率を高めることができる冷却パイプの装着構造を提供す
ることを目的（課題）とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明にかかる冷凍庫、
冷蔵庫等における冷却装置の冷却パイプの装着構造は、
上記の課題を解決するため、冷却室を囲む壁面の外周に
冷却パイプを巻き付けて構成される冷却パイプの装着構
造において、冷却パイプが少なくとも一部の領域で壁面
に対して面接触するように、その断面形状が定められて
いることを特徴とする。

【０００６】この場合、壁面が、冷却パイプの巻き付け
経路に沿って複数のコーナー部と、これらのコーナー部
の間に形成された平面部とを有する場合には、冷却パイ
プは、平面部に接触する領域では壁面に対して面接触
し、コーナー部に接触する領域では壁面に対してほぼ線
接触するように断面形状を定めることが望ましい。

【０００７】また、冷却パイプの壁面に面接触する領域
での断面形状は、楕円の一部を弦で切断した部分楕円形
状とすることができ、壁面にほぼ線接触する領域での断
面形状は、円形状とすることができる。なお、冷却パイ
プは、壁面に対して直接接着することもできる。

【０００８】さらに、壁面の外周形状に対して最適な状
態で冷却パイプを螺旋状に巻き付けるためには、巻き付
けの傾斜角度を変化させることが望ましい。そして、冷
却パイプの巻き付けの開始部分と終了部分とでは、冷却
パイプがほぼ水平となるように巻き付けることが望まし
い。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の冷凍庫、冷蔵庫等
における冷却装置の冷却パイプの装着構造の一実施の形
態を説明する。

【００１０】始めに、本実施の形態の冷却パイプの装着
構造が適用される冷凍庫の冷却装置の構造を図２及び図
３に基づいて説明する。

【００１１】図２は冷凍庫の冷却装置全体の断面図、図
３は図２の冷却装置の冷媒回路を示す分解斜視図であ
る。

【００１２】本実施の形態における冷却装置は、アイス
クリーム等の収納物を格納する冷凍庫であり、上面に取
り出し口となる開口が形成され、この開口がスライド自
在な２枚の蓋によりカバーされた、いわゆるチェスト型
と呼ばれる冷凍庫である。

【００１３】図２に示されるように、冷却室Ａは、上側
に開口２を有する断熱箱体１により形成されている。

【００１４】そして、この断熱箱体１は、共に金属製の
内箱４及び外箱５と、開口２の周囲で内箱４と外箱５と
の上端を接合する枠体６と、内箱４と外箱５との間の空
間に充填された発泡ウレタン等の断熱材７とから構成さ
れる。

【００１５】内箱４は、図３に示されるように直方体の
長手方向の一方の下部を切り欠いた形状であり、長さが
異なる２つの直方体を上下に重ねた形状を呈している。

【００１６】外箱５は、内箱４より一回り大きな相似形
状である。

【００１７】冷却室Ａの上端の枠体６には、２段のガイ
ドレール１５Ａ、１５Ｂが設けられており、このガイド
レールに沿ってスライドする２枚の蓋体１３、１４によ
り冷却室Ａの開口２がカバーされている。

【００１８】また、内箱４及び外箱５の切り欠き部分に
相当する冷却室Ａの下側には、機械室２２が形成されて
おり、この機械室２２内には、冷媒を圧縮するコンプレ
ッサ２０、冷媒に含まれる水分を除去する乾燥器２１等
が設けられている。装置の底面の４隅には、移動用キャ
スター９が取り付けられている。

【００１９】冷却室Ａを囲む壁面、即ち内箱４の側壁面
の外周には、図３に示されるように、冷凍ユニットの蒸
発器として作用する冷却パイプ１０が複数周回巻き付け
られている。

【００２０】また、外箱５の側壁面の対向する２つの内
側面には、冷凍ユニットの凝縮器として作用する放熱パ
イプ１１、１２がそれぞれ蛇行して配設されている。

【００２１】なお、枠体６内のガイドレール１５Ａの下
面には、コンプレッサ２０から排出された直後の高温の
冷媒が流れる放熱パイプ１８が配設されている。

【００２２】これらの各パイプ１０、１１、１２、１８
は銅管から成り、アルミニウム等の熱伝導性の高い金属
テープによりそれぞれ壁面に貼り付けられている。

【００２３】内箱４の側壁面は、冷却パイプ１０の巻き
付け経路に沿って複数のコーナー部４ａを有すると共
に、これらのコーナー部４ａの間に形成された平面部４
ｂを有している。

【００２４】そして、冷却パイプ１０は、少なくとも一
部の領域、この例では内箱４の平面部４ｂに接する領域
において、内箱４の壁面に対して面接触するように、そ
の断面形状が定められている。

【００２５】図３のＩＡ−ＩＡ線に沿う断面図である図
１（Ａ）に示されるように、平面部４ｂに接する部分に
おいては、冷却パイプ１０は壁面側がつぶれた形状、具
体的には、その断面形状は、楕円の一部を弦で切断した
部分楕円形状となっている。

【００２６】冷却パイプ１０の断面形状をこのような部
分楕円形状とすることにより、冷却パイプ１０の内箱４
に対する接触面積が断面円形状の従来例より増加し、熱
交換率を高めることができる。

【００２７】一方、内箱４のコーナー部４ａに接する部
分では、冷却パイプ１０は、内箱４の壁面に対してほぼ
線接触するように、その断面形状が定められている。

【００２８】図３のＩＢ−ＩＢ線に沿う断面図である図
１（Ｂ）に示されるように、コーナー部４ａに接する部
分では、冷却パイプ１０の断面形状は円形である。

【００２９】コーナー部では冷却パイプ１０が略直角に
曲げられるため、この曲げ加工時に冷却パイプが折れた
りしないように、断面円形に保たれている。

【００３０】冷却パイプ１０を内箱４へ装着する際に
は、断面円形の通常のパイプを用い、平面部４ｂに巻き
付けられる部分を壁面に対して面接触するようにつぶ
し、コーナー部４ａに接する部分については断面円形の
ままとし、順に螺旋状に巻き付け、コーナー部４ａ、平
面部４ｂのいずれの部分においても、金属テープ３によ
り冷却パイプ１０を内箱４に固定する。

【００３１】冷媒の流れは以下の通りである。コンプレ
ッサ２０の吐出管２０Ａから吐出された高温高圧の冷媒
は、放熱パイプ１８に導かれる。

【００３２】放熱パイプ１８を通過した冷媒は、後側の
放熱パイプ１２、前側の放熱パイプ１１の順に流れ、乾
燥器２１に流入する。

【００３３】乾燥器２１を流出した冷媒は、キャビラリ
チューブの減圧装置２７を通して冷却パイプ１０に流入
する。冷却パイプ１０を循環した冷媒は、吸入管２０Ｂ
から再びコンプレッサ２０に流入する。

【００３４】放熱パイプ１８を流れる高温の冷媒ガス
は、ガイドレール１５Ａ、１５Ｂの部分を加熱し、蓋体
１３、１４の凍結を防止する。

【００３５】放熱パイプ１８を一巡した冷媒は、放熱パ
イプ１２、１１を流れる間に外箱５を介して外部に熱を
放出し、徐々に凝縮して液体状となり、乾燥器２１を介
して減圧装置２７に供給される。

【００３６】減圧装置２７では、高温高圧の液冷媒を減
圧して低圧の液冷媒にする。この低圧の液冷媒は、減圧
装置２７の出口から冷却パイプ１０内に供給され、冷却
パイプ１０内で蒸発しながら上から下方向に流れる間に
気化熱により内箱４を介して冷却室Ａ内の熱を奪い、冷
却室Ａを冷却する。

【００３７】このようにして蒸発気化した冷媒ガスは、
冷却パイプ１０の下端からコンプレッサ２０に吸引さ
れ、ここで再び高温高圧の冷媒ガスとなり上述した冷凍
サイクルを繰り返す。

【００３８】このような冷凍回路（冷凍ユニット）を構
成することにより、断熱箱体１内の冷却室（冷凍室）Ａ
内の室温が例えば−３０℃〜−２０℃に保たれ、アイス
クリーム等の冷凍品を保存することかできる。

【００３９】なお、上記実施の形態のように冷却パイプ
１０を壁面に対して面接触するようその断面形状を定め
た場合には、内箱４に対する冷却パイプの接触面積が大
きくなり、金属テープ３を設けなくとも熱交換の効率を
維持することができる。

【００４０】また、冷却パイプ１０を直接内箱４に接着
した場合にも十分な固定強度が得られる。このように冷
却パイプ１０を内箱４に対して面接触する構成とした場
合には、熱伝導率の点及び固定強度の点の双方を考慮し
ても、上記実施の形態で説明した金属テープを必ずしも
設ける必要がなく、金属テープを用いない場合には冷却
パイプの取付作業の作業性を向上させることができる。

【００４１】図４（Ａ）、（Ｂ）は、冷却パイプの装着
構造を説明する側面図である。

【００４２】従来の冷凍庫等の冷却装置では、冷却パイ
プ１０が図４（Ｂ）に示すように内箱４の外周に巻き付
けの開始位置Ｓから終了位置Ｅまでの間、一定の角度で
螺旋状に巻き付けられていた。図中の矢印は巻き付け方
向である。

【００４３】但し、上述の実施の形態のように内箱４に
段差部４ｃがある場合には、巻き付け部分が図４（Ｂ）
に示すように段差部４ｃに一致したりすると、自動巻線
器で巻き付けるのが困難であった。

【００４４】そこで、上記の実施の形態では、図３に示
されるように段差部４ｃにかかる部分で冷却パイプ１０
の巻き付け角度を変化させており、これにより自動巻線
器による円滑な巻き付けを可能としている。

【００４５】さらに、図４（Ａ）の構成では、巻き付け
の開始位置Ｓの近傍と、終了位置Ｅの近傍とで冷却パイ
プ１０がほぼ水平となるように巻き付けている。

【００４６】図４（Ｂ）の例のように、開始位置Ｓ、あ
るいは終了位置Ｅの近傍でも冷却パイプ１０の巻き付け
の傾斜角度が一定であるとすると、冷却パイプが巻き付
けられない領域が大きくなる。図４（Ａ）のように開
始、終了位置の近傍で冷却パイプ１０を水平に巻き付け
た場合には、高さ方向の同一の範囲内に冷却パイプ１０
を巻き付ける場合にも、図４（Ｂ）の例と比較して冷却
パイプの巻き付け長さを長くすることができ、その分内
箱と冷却パイプ１０との接触面積を増加させて熱交換の
効率を高めることができる。

【００４７】

【発明の効果】本発明の冷却器の冷却パイプの装着構造
によると、次のような優れた効果を有する。

【００４８】先ず、請求項１の構成によれば、冷却パイ
プを冷却室の壁面に面接触させることにより、その区間
における冷却パイプと冷却室との熱交換率を高めること
ができる。

【００４９】また、請求項２の構成によれば、壁面の平
面部では熱交換率を高めることができ、コーナー部では
冷却パイプの強度を保つことができる。

【００５０】また、請求項３の構成は、冷却パイプの断
面形状を面接触する部分では部分楕円形状、ほぼ線接触
する部分では円形状とするものであるが、断面円形の通
常のパイプを用い、面接触する部分についてはこれをつ
ぶすことにより形成することができる。

【００５１】また、請求項４の構成によれば、冷却パイ
プを壁面に対して直接接着することにより、従来用いら
れていた金属テープを使用せずに冷却パイプを固定する
ことができ、作業性を向上させることができる。

【００５２】また、請求項５の構成によれば、壁面が段
差部を有する場合にも、その段差部にかかる部分で冷却
パイプの巻き付け角度を変化させることにより、自動巻
線器による円滑な巻き付けが可能となる。

【００５３】さらに、請求項６の構成によれば、冷却パ
イプの巻き付け開始位置と終了位置とで冷却パイプを水
平に巻き付けることにより、内箱に対する冷却パイプの
巻き付け長さが増大するので冷却パイプの内箱との接触
面積を増加させ熱交換の効率をさらに高めることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態にかかる冷凍庫における
冷却装置の冷却パイプの装着構造を示し、（Ａ）は図３
のＩＡ−ＩＡ線に沿う断面図、（Ｂ）は図３のＩＢ−Ｉ
Ｂ線に沿う断面図である。

【図２】本発明の一実施の形態にかかる冷凍庫における
冷却装置全体の断面図である。

【図３】本発明の一実施の形態にかかる冷凍庫における
冷却装置の冷媒回路を示す分解斜視図である。

【図４】本発明の一実施の形態の冷凍庫における冷却装
置の冷却パイプの装着構造を説明する側面図である。

【符号の説明】

Ａ：冷却室 １：断熱箱体 ２：開口 ４：内箱 ４ａ：コーナー部 ４ｂ：平面部 ５：外箱 ６：枠体 ７：断熱材 １０：冷却パイプ １１、１２：放熱パイプ ２０：コンプレッサ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 収納物が格納される冷却室を囲む壁面の
   外周に冷却パイプを巻き付けて構成される冷却装置の冷
   却パイプの装着構造において、 前記冷却パイプは、少なくとも一部の領域で前記壁面に
   対して面接触するように断面形状が定められていること
   を特徴とする冷凍庫、冷蔵庫等における冷却装置の冷却
   パイプの装着構造。
2. 【請求項２】 前記壁面は、前記冷却パイプの巻き付け
   経路に沿って複数のコーナー部と該コーナー部の間に形
   成された平面部とを有し、 前記冷却パイプは、前記平面部に接触する領域で前記壁
   面に対して面接触し、前記コーナー部に接触する領域で
   はほぼ線接触するように断面形状が定められていること
   を特徴とする請求項１に記載の冷凍庫、冷蔵庫等におけ
   る冷却装置の冷却パイプの装着構造。
3. 【請求項３】 前記冷却パイプの前記壁面に面接触する
   領域での断面形状は、楕円の一部を弦で切断した部分楕
   円形状であり、 前記壁面にほぼ線接触する領域での断面形状は、円形状
   であることを特徴とする請求項１又は２のいずれかに記
   載の冷凍庫、冷蔵庫等における冷却装置の冷却パイプの
   装着構造。
4. 【請求項４】 前記冷却パイプは、前記壁面に対して直
   接接着されていることを特徴とする請求項１乃至３のい
   ずれかに記載の冷凍庫、冷蔵庫等における冷却装置の冷
   却パイプの装着構造。
5. 【請求項５】 前記冷却パイプは、前記壁面の外周に螺
   旋状に複数周回巻き付けられており、巻き付けの傾斜角
   度を変化させるようにしたことを特徴とする請求項１乃
   至４のいずれかに記載の冷凍庫、冷蔵庫等における冷却
   装置の冷却パイプの装着構造。
6. 【請求項６】 前記冷却パイプは、前記壁面の外周に螺
   旋状に複数周回巻き付けられており、巻き付けの傾斜角
   度を変化させるようにし、 さらに、前記冷却パイプの巻き付けの開始部分と終了部
   分とで前記冷却パイプがほぼ水平となることを特徴とす
   る請求項１乃至４のいずれかに記載の冷凍庫、冷蔵庫等
   における冷却装置の冷却パイプの装着構造。