JPH11108086A - 車両用ディスクブレーキ - Google Patents

車両用ディスクブレーキ

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JPH11108086A
JPH11108086A JP9274834A JP27483497A JPH11108086A JP H11108086 A JPH11108086 A JP H11108086A JP 9274834 A JP9274834 A JP 9274834A JP 27483497 A JP27483497 A JP 27483497A JP H11108086 A JPH11108086 A JP H11108086A
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JP
Japan
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disk
slide pin
caliper body
sliding
sliding pin
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JP9274834A
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English (en)
Inventor
Naoki Kobayashi
小林  直樹
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Nissin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nissin Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 作用部側と反作用部側の摩擦パッドの裏板を
共用化して、コストダウンを図る。キャリパボディの傾
動を極力抑制して、ディスク軸方向の移動を円滑に行な
わせる。ライニングの偏摩耗やブレーキ鳴きの発生を防
止する。 【解決手段】 摺動ピン取付け部3fを、作用部側の摩
擦パッド8の裏板10よりも反ディスク側に偏位して設
け、摺動ピン取付け部3gを、摺動ピン取付け部3fよ
りもディスクロータ2に近接配置する。摺動ピン取付け
部3fに、摺動ピン5を反ディスク方向へ突設する。摺
動ピン5に、摺動ピン取付け部3fからキャリパボディ
4のディスク回出側を反作用部側へ突出するトルク受け
軸部5bを設ける。トルク受け軸部5bで摩擦パッド
7,8の裏板10,10のディスク回出側を支持する。
摺動ピン5を車体取付け腕4fの摺動ピン挿通孔15に
挿通して、キャリパボディ4をディスク軸方向へ移動可
能に支持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や自動二輪
車等を始め、各種の走行車両に用いられるディスクブレ
ーキであって、特に、ピストンの押圧による反力でディ
スク軸方向へ移動するピンスライド型のキャリパボディ
を、ディスクロータの作用部側に配設した鋼板製のキャ
リパブラケットに、一対の摺動ピンを用いて支持する構
造の車両用ディスクブレーキに関する。
【0002】
【従来の技術】ピンスライド型のキャリパボディを用い
た車両用ディスクブレーキとして、例えば実公平4−1
0424号広報に示されるものがある。この技術は、キ
ャリパボディを、ディスクロータの作用部側で車体に固
設された鋼板製のキャリパブラケットに一対の摺動ピン
を用いてディスク軸方向へ移動可能に支持し、前記キャ
リパブラケットにトルク受け部をハーフピアス加工等で
形成して、該トルク受け部に作用部側の摩擦パッドの裏
板のディスク回出側面を当接させ、前記一対の摺動ピン
の一方を、キャリパボディのディスク回出側で且つディ
スクロータの外周縁よりも外側に配置して、該一方の摺
動ピンをキャリパブラケットに固着するナットを反作用
部側へ突出して設け、該ナットに反作用部側の摩擦パッ
ドの裏板のディスク回出側面を当接させて、双方の摩擦
パッドに発生した制動トルクを受けるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、キャリ
パブラケットのトルク受け部に支承される作用部側の摩
擦パッドと、ナットに支承される反作用部側の摩擦パッ
ドとでは、それぞれの裏板が形状の異なる専用品とな
り、これら裏板を2種類のプレス成形型を用いて別々に
形成することから、コスト高は避けられなかった。
【0004】また、上述のディスクブレーキで制動を行
なった場合に、キャリパボディには、摩擦パッドに発生
したディスク回出方向の引摺りトルクが曲げモーメント
として作用し、制動時のキャリパボディは、作用部側の
ディスク回入側と反作用部側のディスク回出側がディス
クロータへ近づくように挙動する。更に、キャリパボデ
ィのディスク回出側では、摩擦パッドからの制動トルク
がキャリパブラケットのトルク受け部とナットとにかか
って、該ナットがディスク回出方向へ傾くため、ナット
と一体の摺動ピンがディスク回入方向へ傾いて、キャリ
パボディの傾動を助長する。
【0005】このため、キャリパボディはディスク軸方
向の移動が妨げられ、またキャリパボディのピストンや
反力が傾いた状態のまま、摩擦パッドを押動するので、
摩擦パッドのライニングがディスクロータに片当たりし
て、ライニングが偏摩耗したりブレーキ鳴きを生じるこ
とがあった。
【0006】本発明は、このような実情を背景にしてな
されたもので、その目的とするところは、作用部側と反
作用部側の摩擦パッドの裏板を共用できるトルク受け構
造としながら、キャリパボディの傾動を極力抑制して、
ディスク軸方向の移動を円滑に行なうと共に、ライニン
グの偏摩耗やブレーキ鳴きの発生を有効に防止すること
のできる車両用ディスクブレーキを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的に従って、請
求項1の発明では、ディスクロータの両側部に配設され
るキャリパボディの作用部と反作用部との間に、ディス
クロータを挟んで一対の摩擦パッドを配置し、前記キャ
リパボディを、ディスクロータの作用部側で車体に支持
される鋼板製のキャリパブラケットに、一対の摺動ピン
を用いてディスク軸方向へ移動可能に支持すると共に、
前記一対の摺動ピンの一方が固着されるキャリパブラケ
ットの一方の摺動ピン取付け部を、前記キャリパボディ
のディスク回出側で且つディスクロータの外周縁よりも
外側に設け、該一方の摺動ピン取付け部に、前記一方の
摺動ピンを反ディスク方向へ向けて突設した車両用ディ
スクブレーキにおいて、前記キャリパブラケットの他方
の摺動ピン取付け部を、前記ディスクロータの作用部側
で前記一方の摺動ピン取付け部よりもディスクロータに
近接配置し、該一方の摺動ピン取付け部を、他方の摺動
ピン取付け部と作用部側の摩擦パッドの裏板よりも反デ
ィスク側に偏位せしめると共に、一方の摺動ピン取付け
部に、前記ディスクロータの外側を跨いで、キャリパボ
ディのディスク回出側を反作用部側へ突出するトルク受
け軸部を設け、該トルク受け軸部に前記一対の摩擦パッ
ドの裏板のディスク回出側を支持する。
【0008】上述のトルク受け軸部は、一方の摺動ピン
と一体または別体に形成してもよく、一方の摺動ピンと
別体の場合には、一方の摺動ピンと同一軸線上または軸
線をずらせて、一方の摺動ピン取付け部に取付けること
ができる。
【0009】請求項1の発明によれば、他方の摺動ピン
取付け部と作用部側の摩擦パッドの裏板よりも反ディス
ク側に偏位させた一方の摺動ピン取付け部に、反作用部
側へ突出するトルク受け軸部を設けて、このトルク受け
軸部に作用部側と反作用部側の摩擦パッドの裏板を支持
するようにしたから、作用部側摩擦パッドと反作用部側
摩擦パッドの裏板は、ディスク回出側部分を同じ条件で
1本のトルク受け軸部に支持されることとなり、双方の
摩擦パッドに同一形状の裏板を共通して用いることがで
きるようになる。
【0010】一方の摺動ピンは、一方の摺動ピン取付け
部を反ディスク側に偏位させた分だけ、ディスクロータ
から遠のいた位置でキャリパボディの作用部を支持する
ので、一方の摺動ピンが、キャリパボディを傾かせよう
とする力は従来の摺動ピンよりも減少する。また他方の
摺動ピンは、ディスクロータに近接配置したことによ
り、キャリパボディの支持力が大きくなる。
【0011】また請求項2の発明では、請求項1の発明
の一方の摺動ピンを、キャリパボディの一方の摺動ピン
挿通孔に弾性ブッシュを介して挿通し、該一方の摺動ピ
ンを、弾性ブッシュの弾性変形によって、一方の摺動ピ
ン挿通孔の軸線に対して偏位を可能に支持すると共に、
一対の摺動ピンの他方を、キャリパボディの他方の摺動
ピン挿通孔に挿通し、該他方の摺動ピンを、他方の摺動
ピン挿通孔の軸線に対して偏位を拘束して支持する。
【0012】このような請求項2の発明によれば、他方
の摺動ピンが、他方の摺動ピン挿通孔に、その軸線に対
する偏位を拘束して支持されるので、キャリパボディの
傾動が他方の摺動ピンによってより抑制されるようにな
り、またディスク回出側では、弾性ブッシュの弾性変形
によって、摺動ピンが摺動ピン挿通孔の軸線に対して偏
位可能に支持されるので、他方の摺動ピンによって傾動
を抑制されるキャリパボディを、無理のない姿勢でディ
スク軸方向へ移動させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明を、自動二輪車等のバ
ーハンドル車両用のフロントディスクブレーキに適用し
た一形態例を、図面に基づいて説明する。
【0014】ディスクブレーキ1は、バーハンドル車両
の走行によって矢印A方向へ回転するディスクロータ2
の作用部側にキャリパブラケット3が車体に固設され、
該キャリパブラケット3に、ピンスライド型のキャリパ
ボディ4が、一対の摺動ピン5,6を用いてディスク軸
方向へ移動可能に支持されている。
【0015】キャリパブラケット3には鋼製の板材が用
いられ、該板材の略中間部に段部3aを設けて、該段部
3aを挟んだディスク回出側部分3bとディスク回入側
部分3cとをディスク軸方向へ位相をズラせ、段部3a
からディスク回出側部分3bを、ディスク回入側部分3
cよりもディスクロータ2から遠ざけて配置し、同じく
段部3aからディスク回入側部分3cをディスクロータ
2に近接配置している。ディスク回出側部分3bには、
車体取付け用のめねじ孔3dと摺動ピン取付け部3fと
が設けられ、ディスク回入側部分3cには、同じく車体
取付け用のめねじ孔3eと摺動ピン取付け部3gとが設
けられている。
【0016】ディスク回出側の一方の摺動ピン取付け部
3fは、キャリパボディ4のディスク回出側で且つディ
スクロータ2の外周縁よりも外側に、またディスク回入
側の他方の摺動ピン取付け部3gは、キャリパボディ4
の作用部4aのディスク内周側に、それぞれディスクロ
ータ2の作用部側面と平行な平板状に形成されており、
更にキャリパブラケット3のディスク回出側部分3bと
ディスク回入側部分3cとを、上述の如くディスク軸方
向へ位相をズラせたことによって、他方の摺動ピン取付
け部3gが、一方の摺動ピン取付け部3fよりもディス
クロータ2に近接して配置され、また一方の摺動ピン取
付け部3fが、他方の摺動ピン取付け部3gと、作用部
側の摩擦パッド7の裏板10よりも反ディスク側に偏位
して配置されている。
【0017】一方の摺動ピン取付け部3fには一方の摺
動ピン5が、また他方の摺動ピン取付け部3gには他方
の摺動ピン6が、それぞれの基部5a,6aを、圧入や
ねじ螺合,セレーションを用いた嵌合やカシメ,クリッ
プ止め等の適宜な手段で固定して、反ディスク方向へ突
設されている。一方の摺動ピン5は、一方の摺動ピン取
付け部3fが反ディスク側に偏位して位置した分だけ、
全体が従来よりもディスクロータ2から遠ざかって位置
することとなる。
【0018】一方の摺動ピン5には、基部5aから反対
方向へ突出するトルク受け軸部5bが一体形成されてお
り、該トルク受け軸部5bにて、摩擦パッド7,8の裏
板10のディスク回出側を支持し、更に摩擦パッド7,
8に発生した制動トルクをトルク受け軸部5bで受ける
ようにしている。
【0019】トルク受け軸部5bは、摺動ピン5の基部
5aを上述の如く一方の摺動ピン取付け部3fに固定し
た際に、ディスクロータ2の外側をディスク軸方向に跨
いで、キャリパボディ4のディスク回出側を反作用部4
b側へ突出配置され、少なくとも、反作用部側の摩擦パ
ッド8が非作動位置にある時に、該摩擦パッド8の裏板
10を支持するのに足りる長さが確保される。
【0020】キャリパボディ4は、ディスクロータ2の
両側部に配設される作用部4a及び反作用部4bと、こ
れらをディスクロータ2の外周を跨いで連結するブリッ
ジ部4cとからなっており、作用部4aと反作用部4b
との間には、一対の摩擦パッド7,8がディスクロータ
2を挟んで対向配置されている。作用部4aには、シリ
ンダボス部4dとユニオン孔4e,ブリーダスクリュー
11と車体取付け腕4f,4gとが設けられ、反作用部
4bに3つの反力爪4hが垂設されると共に、作用部4
aと反作用部4bのディスク回入側に、パッド支持腕4
i,4jが対向して設けられている。
【0021】シリンダボス部4dの内部には、ディスク
ロータ側に開口する有底のシリンダ孔12,12がディ
スク周方向に並設されており、シリンダ孔12,12に
は、それぞれコップ状のピストン13が液密且つ移動可
能に嵌挿され、各ピストン13とシリンダ孔12の底壁
との間にそれぞれ液圧室14が画成されている。
【0022】ユニオン孔4eは、シリンダボス部4dの
内部で双方の液圧室14,14に連通し、ブリーダスク
リュー11は、同じくシリンダボス部4dの内部でディ
スク回出側の液圧室14と連通しており、運転者の制動
操作によって、別途の図示しない液圧マスタシリンダで
昇圧した作動液を、シリンダボス部4dより液圧室1
4,14に導入し、またブリーダスクリュー11を緩め
て、液圧マスタシリンダから液圧室14,14までの液
圧経路を外部に連通させることによって、作動液の充填
時に液圧経路内に残留するエアや作動液中の混入エアを
大気へ排出するようになっている。
【0023】一方の車体取付け腕4fは、ディスクロー
タ2の外周縁よりも外側で且つ作用部4aのディスク回
出側へ突設され、また他方の車体取付け腕4gは、シリ
ンダボス部4dのディスク内周側に突設されている。一
方の車体取付け腕4fには、一方の摺動ピン5よりも大
径の摺動ピン挿通孔15がディスク軸方向に貫通形成さ
れ、他方の車体取付け腕4gには、他方の摺動ピン6と
同径の摺動ピン挿通孔16が、ディスクロータ側に開口
して設けられており、一方の車体取付け腕4fの摺動ピ
ン挿通孔15には、一方の摺動ピン5が弾性ブッシュ1
7を介して挿通され、また他方の車体取付け腕4gの摺
動ピン挿通孔16には、他方の摺動ピン6が挿通され
る。
【0024】一方の摺動ピン挿通孔15に挿通された一
方の摺動ピン5は、これらの間に介装した弾性ブッシュ
17の弾性変形によって、摺動ピン挿通孔15の軸線に
対する偏位を可能に支持され、また他方の摺動ピン挿通
孔16に挿通された他方の摺動ピン6は、摺動ピン挿通
孔16と同径であるために、摺動ピン挿通孔16の軸線
に対する偏位を拘束して支持されるものとなり、キャリ
パボディ4は、このようにして支持された摺動ピン5,
6にて、前述の如くディスク軸方向へ案内される。
【0025】前記摩擦パッド7,8には、ディスクロー
タ2の作用部側面または反作用部側面と摺接するライニ
ング9と、該ライニング9を保持する金属製の裏板10
とが共通に用いられている。裏板10のディスク回入側
には吊下げ片10aが突設され、また裏板10のディス
ク回出側にはトルク伝達片10bが突設されており、摩
擦パッド7,8は、吊下げ片10aの先端に穿ったピン
孔10cに、キャリパボディ4のディスク回入側でパッ
ド支持腕4i,4jに懸架されるハンガーピン18を挿
通し、トルク伝達片10bの先端に形成した二股腕10
dをトルク受け軸部5bに包持して、キャリパボディ4
と同様に、ディスク軸方向へ移動可能に支持される。
【0026】本形態例は以上のように構成されており、
運転者の制動操作によって、液圧マスタシリンダで昇圧
された作動液が、キャリパボディ4の液圧室14,14
に導入されると、各ピストン13がそれぞれのシリンダ
孔12をディスクロータ方向へ移動して、作用部側の摩
擦パッド7を押動し、該摩擦パッド7のライニング9
を、ディスクロータ2の作用部側面に摺接させる。
【0027】この摺接により、摩擦パッド7からの制動
反力が、ピストン13と液圧室14内の作動液とを通し
て、作用部4aのシリンダボス部4dに作用し、キャリ
パボディ4は、摺動ピン5,6の案内によって作用部方
向へ移動し、反作用部4bの各反力爪4hが、反作用部
側の摩擦パッド8を押動し、該パッド8のライニング9
をディスクロータ2の反作用部側面に摺接して、制動作
用が行なわれる。
【0028】また、ディスクロータ2とライニング9と
の摺接によって摩擦パッド7,8に発生したディスク回
出方向の引摺りトルクは、各裏板10のトルク伝達片1
0bから、これを支持するトルク受け軸部5bに伝達さ
れ、更にキャリパブラケット3を通して車体へと吸収さ
れて行く。
【0029】本形態例は、一方の摺動ピン取付け部3f
を、他方の摺動ピン取付け部3gと作用部側の摩擦パッ
ド7の裏板10よりも反ディスク側に偏位させ、該一方
の摺動ピン取付け部3fに基部5aを固着される一方の
摺動ピン5に、反作用部側へ突出する1本のトルク受け
軸部5bを設けて、このトルク受け軸部5bに作用部側
と反作用部側の摩擦パッド7,8の裏板10,10を支
持するトルク受け構造としたから、双方の摩擦パッド
7,8に同一形状の裏板10を共通して用いることがで
きるようになり、作用部と反作用部とに異形の裏板を用
いていた従来のものに較べて、製作工数と組付け工数と
を削減してコストダウンを図ることができる。
【0030】また、摩擦パッド7,8のディスク回出側
を支持するトルク受け軸部5bは、キャリパブラケット
3の一方の摺動ピン取付け部3fに、片持ち状態で取付
けられるため、摩擦パッド7,8の裏板10,10から
伝達される引摺りトルクによってディスク回出方向へ傾
き、更にこのトルク受け軸部5bと一体の一方の摺動ピ
ン5をディスク回入方向へ傾かせるが、一方の摺動ピン
5は、一方の摺動ピン取付け部3fを反ディスク側へ偏
位させた分だけ、従来よりもディスクロータ2から離れ
た位置でキャリパボディ4のディスク回出側の車体取付
け腕4fを支持するので、ディスク回出側の一方の摺動
ピン5がキャリパボディ4を傾かせようとする力は小さ
く弱められる。更に、一方の摺動ピン5と摺動ピン挿通
孔15との間に介装した弾性ブッシュ17が、一方の摺
動ピン5の傾きをキャリパボディ4の車体取付け腕4f
へ伝わりにくくしている。
【0031】制動時のキャリパボディ4には、摩擦パッ
ド7,8からの引摺りトルクが曲げモーメントとして作
用し、キャリパボディ4を、作用部側のディスク回入側
と反作用部側のディスク回出側とがディスクロータへ近
づくように傾動させようとするが、本形態例は、キャリ
パブラケット3の他方の摺動ピン取付け部3gを、一方
の摺動ピン取付け部3fよりもディスクロータ2に近接
配置して、該他方の摺動ピン取付け部3gの摺動ピン挿
通孔16に他方の摺動ピン6を挿通すると共に、他方の
摺動ピン6を他方の摺動ピン挿通孔16の軸線に対して
偏位を拘束して支持したから、他方の摺動ピン6がキャ
リパボディ4を支持する力を増大して、キャリパボディ
4の傾動をより一層抑制することができる。
【0032】このように制動時のキャリパボディ4に
は、一方の摺動ピン5の傾きが影響しにくくなり、キャ
リパボディ4は、ディスクロータ2の近接位置で且つ偏
位を拘束された支持力の大きな他方の摺動ピン6によっ
て支持されるので、キャリパボディ4の傾動を極力小さ
く抑えて、ディスク軸方向へ円滑に移動させることがで
きるようになり、ライニング9の偏摩耗やブレーキ鳴き
を有効に防止することができる。
【0033】更に本形態例は、摩擦パッド7,8からト
ルク受け軸部5bに強大な制動トルクが作用して、一方
の摺動ピン5をディスク回入方向へ大きく傾かせたとし
ても、弾性ブッシュ17が弾性変形してこれを吸収する
ので、キャリパボディ4を極力傾動させないで済む。
【0034】尚、上述の形態例では、トルク受け軸部
を、ディスク回出側の一方の摺動ピンと一体のもので説
明したが、本発明は、トルク受け軸部と一方の摺動ピン
とを別体に形成して、これらを一方の摺動ピン取付け部
に同軸上または軸線をずらせて取付けすることができ
る。トルク受け軸部と一方の摺動ピンとを、一方の摺動
ピン取付け部に軸線をずらせて取付けた場合には、一方
の摺動ピンの傾きを同軸上の場合に較べて小さくできる
利点がある。
【0035】また本発明は、ディスク回出側の一方の摺
動ピンをディスクロータから遠ざけるだけでも、一方の
摺動ピンがキャリパボディを傾かせる力を小さく弱める
ことができ、形態例で示した一方の摺動ピンと一方の摺
動ピン取付け部の摺動ピン挿通孔との間の弾性ブッシュ
は、省略することもできる。
【0036】他方の摺動ピンは、一方の摺動ピン取付け
部よりもディスクロータに近接配置した他方の摺動ピン
取付け部に取付けるだけでも、キャリパボディを極力傾
かせることなく支持する力を確保することができ、他方
の摺動ピンを、他方の摺動ピン挿通孔の軸線に対して偏
位を拘束して支持する形態例の構成は、省略することも
できる。
【0037】キャリパブラケットの一方の摺動ピン取付
け部は、他方の摺動ピン取付け部と作用部側の摩擦パッ
ドの裏板よりも反ディスク側に偏位し、また他方の摺動
ピン取付け部は、一方の摺動ピン取付け部よりもディス
クロータに近接配置すればよく、一方及び他方の摺動ピ
ン取付け部をディスク軸方向に偏位させるための段部
は、キャリパブラケットのいずれにあってもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、作用部側と反作用部側の摩擦パッドに同一形状
の裏板を共通して用いることができるようになるので、
作用部と反作用部にそれぞれ専用形状の裏板を用いてい
た従来のものに較べると、製作工数と組付け工数とを削
減してコストダウンを図ることができる。
【0039】また、ディスク回出側に配設される一方の
摺動ピンを、ディスクロータから遠ざけたので、キャリ
パボディに与える傾きが小さくなり、更に他方の摺動ピ
ンではディスクロータに近接配置するので、キャリパボ
ディの支持力が高まる。これにより、キャリパボディの
傾動を極力小さく抑えて、ディスク軸方向へ円滑に移動
させることができるようになり、摩擦パッドのライニン
グの偏摩耗やブレーキ鳴きを有効に防止することができ
る。
【0040】また、請求項2の発明によれば、摩擦パッ
ドからトルク受け軸部に強大な制動トルクが作用して、
一方の摺動ピンをディスク回入方向へ大きく傾かせたと
しても、弾性ブッシュが弾性変形してこれを吸収するの
で、キャリパボディに一方の摺動ピンを起因とする傾動
を極力与えないで済み、更に他方の摺動ピンを、他方の
摺動ピン挿通孔の軸線に対して偏位を拘束して支持する
ことにより、他方の摺動ピンによるキャリパボディの支
持力が増大するので、キャリパボディの傾動をより一層
抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一形態例を示すディスクブレーキの
一部断面平面図
【図2】 本発明の一形態例を示すディスクブレーキの
一部断面正面図
【図3】 本発明の一形態例を示すディスクブレーキの
一部断面背面図
【図4】 本発明の一形態例を示す図2のIV−IV断面図
【符号の説明】
1…ディスクブレーキ 2…ディスクロータ 3…キャリパブラケット 3a…段部 3b…ディスク回出側部分 3c…ディスク回入側部分 3d,3e…車体取付け用のめねじ孔 3f…ディスク回出側に配設される一方の摺動ピン取付
け部 3g…他方の摺動ピン取付け部 4…キャリパボディ 4a…作用部 4b…反作用部 4c…ブリッジ部 4d…シリンダボス部 4f…ディスク回出側に配設される一方の車体取付け腕 4g…他方の車体取付け腕 4i,4j…パッド支持腕 5…ディスク回出側に配設される一方の摺動ピン 6…他方の摺動ピン 5a,6a…摺動ピン5,6の基部 5b…トルク受け軸部 7…作用部側の摩擦パッド 8…反作用部側の摩擦パッド 9…摩擦パッド7,8のライニング 10…摩擦パッド7,8の裏板 10a…ディスク回入側の吊下げ片 10b…ディスク回出側のトルク伝達片 10c…ピン孔 10d…二股腕 12…シリンダ孔 13…ピストン 14…液圧室 15…一方の摺動ピン挿通孔 16…他方の摺動ピン挿通孔 17…弾性ブッシュ 18…ハンガーピン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスクロータの両側部に配設されるキ
    ャリパボディの作用部と反作用部との間に、ディスクロ
    ータを挟んで一対の摩擦パッドを配置し、前記キャリパ
    ボディを、ディスクロータの作用部側で車体に支持され
    る鋼板製のキャリパブラケットに、一対の摺動ピンを用
    いてディスク軸方向へ移動可能に支持すると共に、前記
    一対の摺動ピンの一方が固着されるキャリパブラケット
    の一方の摺動ピン取付け部を、前記キャリパボディのデ
    ィスク回出側で且つディスクロータの外周縁よりも外側
    に設け、該一方の摺動ピン取付け部に、前記一方の摺動
    ピンを反ディスク方向へ向けて突設した車両用ディスク
    ブレーキにおいて、前記キャリパブラケットの他方の摺
    動ピン取付け部を、前記ディスクロータの作用部側で前
    記一方の摺動ピン取付け部よりもディスクロータに近接
    配置し、該一方の摺動ピン取付け部を、他方の摺動ピン
    取付け部と作用部側の摩擦パッドの裏板よりも反ディス
    ク側に偏位せしめると共に、一方の摺動ピン取付け部
    に、前記ディスクロータの外側を跨いで、キャリパボデ
    ィのディスク回出側を反作用部側へ突出するトルク受け
    軸部を設け、該トルク受け軸部に前記一対の摩擦パッド
    の裏板のディスク回出側を支持したことを特徴とする車
    両用ディスクブレーキ。
  2. 【請求項2】 前記一方の摺動ピンを、前記キャリパボ
    ディの一方の摺動ピン挿通孔に弾性ブッシュを介して挿
    通し、該一方の摺動ピンを、弾性ブッシュの弾性変形に
    よって、一方の摺動ピン挿通孔の軸線に対して偏位可能
    に支持すると共に、前記一対の摺動ピンの他方を、前記
    キャリパボディの他方の摺動ピン挿通孔に挿通し、該他
    方の摺動ピンを、他方の摺動ピン挿通孔の軸線に対して
    偏位を拘束して支持したことを特徴とする請求項1に記
    載の車両用ディスクブレーキ。
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