JPH11106764A - 低硫黄軽油用添加剤及び燃料油組成物 - Google Patents

低硫黄軽油用添加剤及び燃料油組成物

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JPH11106764A
JPH11106764A JP27679397A JP27679397A JPH11106764A JP H11106764 A JPH11106764 A JP H11106764A JP 27679397 A JP27679397 A JP 27679397A JP 27679397 A JP27679397 A JP 27679397A JP H11106764 A JPH11106764 A JP H11106764A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低硫黄軽油の低温特性及び潤滑性を向上させ
るとともに、該軽油に対する溶解性に優れた低硫黄軽油
用添加剤、及びこれを含有する燃料油組成物を提供する
こと。 【解決手段】 芳香族ビニル化合物重合体ブロックとジ
エン化合物重合体ブロックから構成されたブロック共重
合体やその水素化物からなるか、又はこのブロック共重
合体やその水素化物1〜99重量%及びポリオキシアル
キレングリコール部と鎖状アルキル部を有する化合物9
9〜1重量%からなる低硫黄軽油用添加剤である。ま
た、硫黄分0.2重量%以下の低硫黄軽油中に、上記添加
剤を、組成物全量に基づき、1〜10000重量部pp
mの割合で含有させてなる燃料油組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低硫黄軽油用添加剤
及び燃料油組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は
低硫黄軽油の低温特性及び潤滑性を向上させるととも
に、該軽油に対する溶解性に優れた低硫黄軽油用添加
剤、及びこれを低硫黄軽油に含有させてなる燃料油組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、石油から得られる各種石油製品、
特に燃料油は、各種産業の発展やモータリーゼーション
の進展に欠くことのできないものとして、大量に使用さ
れている。しかしながら、この燃料油の中でも代表的な
軽油においては、冬期など外気温が低下する時期には、
その中に含まれているn−パラフィンが析出し、自動車
などの燃料油移送ライン系フィルターの目詰まりを生じ
させたり、ラインそのものを閉塞させ、例えばディーゼ
ルエンジンの円滑な運転に支障をきたしたり、場合によ
ってはディーゼルエンジンが停止するなど、その低温特
性について問題を有している。
【0003】このような問題を解決するために、これま
で種々の燃料油添加剤が提案されているが、いずれも必
ずしも充分に満足しうるものではなかった。例えばエチ
レン−プロピレン共重合体(特公昭60−35396号
公報,特開昭60−137997号公報)、エチレン−
酢酸ビニル共重合体(米国特許第2048479号明細
書,特開昭55−137193号公報)などのエチレン
含有共重合体型添加剤が提案されているが、これらの添
加剤は、軽油に対して流動点(Pour Point)(PP)を下
げる効果を有するものの、目詰まり点(Cold Filter Pl
ugging Point)(CFPP)を下げることはできない。
【0004】また、目詰まり点を下げるために、例えば
アルケニルコハク酸アミド(特開昭56−43391号
公報)やポリオキシアルキレンエステル(特開昭57−
177092号公報,米国特許第4464182号明細
書)などの比較的低分子型の添加剤、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体とアルケニルコハク酸アルキルエステルと
の組合せなどの併用型添加剤(英国特許第212901
2号明細書)などが開示されている。しかしながら、こ
れらの添加剤も、軽油に対して流動点を下げる効果は有
するものの、目詰まり点を下げる効果が充分ではなかっ
たり、燃料油に対する溶解性が劣るなどの欠点を有して
いる。
【0005】一方、近年、トラック輸送の増大に伴い、
軽油中に含まれる硫黄分が、環境問題の原因物質の一つ
として大きく取り上げられるようになってきた。米国に
おいては、カリフォルニアなど環境問題に厳しい地域で
は、すでに「ディーゼルエンジンからの排気ガス中にお
ける汚染物質(SOx ,NOx ,粉塵及び煙)の放出に
関与する軽油中の硫黄分について、その含有量を0.05
重量%以下に制限する」という規制が採用されており、
この傾向は全世界に広がっている。
【0006】例えば、日本では、1989年の中央公害
対策審議会の答申で、自動車から排出されるNOx を短
期的(1993年〜1994年)に20〜35重量%、
長期的(10年以内)には40〜60重量%削減するこ
とが要請されている。このNOx を削減する新技術の導
入のためには、硫黄分の削減も不可欠である。このた
め、軽油中の硫黄分を1992年に0.2重量%以下、さ
らに1997年に0.05重量%以下に段階的に低減する
ことが決まり、すでに実施されている。軽油中の硫黄分
の低減は、石油精製における接触水素化処理により生産
されている水素化脱硫軽油,水素化分解軽油などの利用
により行われている。特に、水素化分解軽油は硫黄分含
有量が低いため、その利用割合が増加してきている。
【0007】このような低硫黄軽油は、相対的に長鎖の
n−パラフィンを多量に含んでいることから、軽油中で
のn−パラフィンの析出温度が高くなって、曇り点(Cl
oudPoint)(CP)が高くなり、かつ析出するn−パラ
フィン量が相対的に多くなる。その結果、自動車などの
燃料油移送ライン系フィルターの目詰まりを起こした
り、ラインそのものを閉塞させるなどのトラブルを生じ
る可能性が高くなってきている。また、低硫黄軽油にお
いては、通常軽油の潤滑性が低下しており、それによっ
てディーゼルエンジンのインジェクション装置のポンプ
やノズルなどの部品が損傷を受けやすいなどの問題が生
じている。このような問題を解決するために、前述の従
来知られている燃料油添加剤を配合しても、低温特性と
潤滑性の両方を同時に効果的に改善することはできな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、上述したような環境規制に対応した低硫黄軽
油の低温特性の改善、すなわち目詰まり点や流動点を下
げるとともに、その潤滑性を高め、しかも低硫黄軽油に
対する溶解性に優れた低硫黄軽油用添加剤、及びこれを
含有する燃料油組成物を提供することを目的とするもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のブロッ
ク共重合体やその水素化物、あるいは所定の割合の上記
ブロック共重合体やその水素化物とポリオキシアルキレ
ングリコール部を有する特定の化合物とからなるもの
が、低硫黄軽油用添加剤として、その目的に適合しうる
ことを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成
したものである。
【0010】すなわち、本発明は (1)(A)芳香族ビニル化合物単位からなるブロック
と(B)ジエン化合物単位からなるブロックとから構成
されたブロック共重合体及び/又はその水素化物からな
る低硫黄軽油用添加剤(以下、低硫黄軽油用添加剤Iと
称する。)、 (2)(a)(A)芳香族ビニル化合物単位からなるブ
ロックと(B)ジエン化合物単位からなるブロックとか
ら構成されたブロック共重合体及び/又はその水素化物
1〜99重量%と、(b)ポリオキシアルキレングリコ
ール部と鎖状アルキル部を必須構成成分とする化合物9
9〜1重量%とからなる低硫黄軽油用添加剤(以下、低
硫黄軽油用添加剤IIと称する。)、及び (3)硫黄分含有量が0.2重量%以下の低硫黄軽油中
に、上記低硫黄軽油用添加剤I又はIIを、組成物全量に
基づき、1〜10000重量ppmの割合で含有させた
ことを特徴とする燃料油組成物、を提供するものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の低硫黄軽油用添加剤Iと
して、あるいは低硫黄軽油用添加剤IIにおける(a)成
分としては、ブロック共重合体及び/又はその水素化物
が用いられる。上記ブロック共重合体は、(A)芳香族
ビニル化合物単位からなるブロックと(B)ジエン化合
物単位からなるブロックとから構成されたものであっ
て、該(A)ブロックの形成に用いられる単量体の芳香
族ビニル化合物としては、例えばスチレン,α−メチル
スチレン,ビニルナフタレン,3−メチルスチレン,4
−プロピルスチレン,4−シクロヘキシルスチレン,4
−ドデシルスチレン,2−エチル−4−ベンジルスチレ
ン,アセナフチレン,ビニルオクチルベンゼンなどが挙
げられるが、これらの中で特にスチレンが好ましい。
【0012】一方、(B)ブロックの形成に用いられる
単量体のジエン化合物としては、例えばブタジエン;2
−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン);1,3
−ペンタジエン;2−メチル−1,3−ペンタジエンな
どが挙げられるが、これらの中でブタジエン及びイソプ
レンが好ましく、特にブタジエンとイソプレンとの混合
物を必須単量体とするものが好ましい。このブロック共
重合体としては、前記の芳香族ビニル化合物単位からな
る(A)ブロックとジエン化合物単位からなる(B)ブ
ロックが、A−(B−A)n 型又は(A−B)n+1 型(n
は1以上の整数、好ましくは10以下である。)を形成
しているブロック共重合体を挙げることができ、特にA
−B−A型のブロック共重合体が好適である。
【0013】本発明におけるブロック共重合体として
は、例えばスチレン/ブタジエンブロック共重合体,ス
チレン/イソプレンブロック共重合体,スチレン/(イ
ソプレン/ブタジエン)ブロック共重合体,スチレン/
ペンタジエンブロック共重合体,ビニルナフタレン/ブ
タジエンブロック共重合体,アセナフチレン/ブタジエ
ンブロック共重合体,ビニルオクチルベンゼン/ブタジ
エンブロック共重合体など、及びそれらの水素化物が挙
げられるが、これらの中で、特にスチレン/ブタジエン
/イソプレンブロック共重合体の水素化物が好ましい。
【0014】水素化前の前記ブロック共重合体の製造方
法としては、特に制限はなく、アニオン重合法などの従
来公知の方法によることができる。例えば、アルキルリ
チウム触媒の存在下、まず芳香族ビニル化合物を重合さ
せた後、ジエン化合物をブロックに重合させる方法、あ
るいは芳香族ビニル化合物の重合体とジエン化合物の重
合体を別々に製造した後、これらの重合体ブロックを適
当な方法で結合させる方法などにより、所望のブロック
共重合体を製造することができる。それぞれの重合体ブ
ロックにおいて、二種以上の単量体を用いた場合には、
各単量体単位の結合様式としては特に制限はなく、ブロ
ック状,ランダム状のいずれであってもよい。
【0015】ジエン化合物単位からなる(B)ブロック
としては、前記したように、単量体としてブタジエンと
イソプレンとの混合物を用いるのが好ましく、この場合
には、ブタジエン単位とイソプレン単位の結合様式はラ
ンダム状となる。また、このようにして得られたブロッ
ク共重合体の水素化物の製造方法としては、特に制限は
なく、従来公知の方法によることができる。例えば不活
性溶媒中において、水素化触媒の存在下、上記ブロック
共重合体を分子状水素で水素化する方法などにより、該
ブロック共重合体の水素化物を容易に製造することがで
きる。
【0016】上記ブロック共重合体やその水素化物の数
平均分子量については、特に制限はないが、1000〜
300000の範囲にあるものが好ましく、特に300
0〜100000の範囲にあるものが好適である。な
お、この数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で測
定した値である。本発明の添加剤Iにおいて、又は添加
剤IIの(a)成分においては、このブロック共重合体や
その水素化物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0017】本発明の低硫黄軽油用添加剤IIにおいて
は、(b)成分として、ポリオキシアルキレングリコー
ル部と鎖状アルキル部を必須構成成分とする化合物が用
いられる。このような化合物としては、例えば(1)ポ
リオキシアルキレングリコール部を含有する含窒素化合
物と飽和,不飽和の直鎖状及び/又は分岐状脂肪酸とか
ら得られた部分エステル化物,完全エステル化物又はそ
の塩、(2)ポリオキシアルキレングリコール部を含有
する含窒素化合物と飽和,不飽和の直鎖状及び/又は分
岐状脂肪酸と架橋剤とから得られた部分架橋エステル化
物又は完全架橋エステル化物、(3)ポリオキシアルキ
レングリコールと飽和,不飽和の直鎖状及び/又は分岐
状脂肪酸とから得られたエステル化物、(4)ポリオキ
シアルキレングリコール部を含有する多価アルコールと
飽和,不飽和の直鎖状及び/又は分岐状脂肪酸とから得
られた部分エステル化物又は完全エステル化物、(5)
ポリオキシアルキレングリコール部を含有する多価アル
コールと飽和,不飽和の直鎖状又は分岐状脂肪酸と架橋
剤とから得られた部分架橋エステル化物又は完全架橋エ
ステル化物、(6)ポリアルキレンポリアミンと飽和,
不飽和の直鎖状及び/又は分岐状脂肪酸のアミド化合物
のアルキレンオキシド付加物、(7)ポリアルキレンポ
リアミンと飽和,不飽和の直鎖状及び/又は分岐状脂肪
酸のアミド化物のアルキレンオキシド付加物と架橋剤と
から得られた部分架橋エステル化物又は完全架橋エステ
ル化物、(8)ポリオキシアルキレングリコール部を含
有する含硫黄化合物と飽和,不飽和の直鎖状又は分岐状
脂肪酸とから得られた部分エステル化物又は完全エステ
ル化物、(9)リン酸又は亜リン酸のアルキレンオキシ
ド付加物と飽和,不飽和の直鎖状及び/又は分岐状脂肪
酸とから得られたエステル化物などが挙げられる。これ
らの化合物は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0018】この(b)成分の化合物として、上記
(1),(2),(6)及び(7)などの含窒素化合物
を使用すると、(a)成分との併用による低温特性、特
に目詰まり点の改善効果及び潤滑性改善効果がより大き
く、一層好ましい。本発明の低硫黄軽油用添加剤IIにお
いては、前記(a)成分と(b)成分の割合は、重量比
で99:1〜1:99であるが、低温特性及び潤滑性の
改善効果がより大きく発揮される点から、10:1〜
1:5の範囲が好ましい。
【0019】本発明の燃料油組成物においては、燃料油
として、硫黄分規制に対応するために、極度の水素化に
より精製された低硫黄分の軽油が挙げられる。ここで、
軽油とは、石油精製における沸点範囲が130〜450
℃の範囲、好ましくは150〜380℃の範囲の燃料油
である。また、低硫黄軽油としては、硫黄分含有量が0.
2重量%以下、好ましくは0.05重量%以下、より好ま
しくは0.03重量%以下に低減された軽油を挙げること
ができる。
【0020】このような低硫黄軽油は、通常直留軽油,
水素化直接脱硫軽油,水素化間接脱硫軽油,水素化分解
軽油,水素化脱硫重質軽油,脱硫灯油などを混合して調
製することができる。本発明の燃料油組成物において
は、前記の低硫黄軽油用添加剤I又はIIは、低硫黄軽油
中に、組成物全量に基づき1〜10000重量ppmの
割合で含有される。この量が1重量ppm未満では低温
特性及び潤滑性の改善効果が充分に発揮されず、また1
0000重量ppmを超えるとその量の割には効果の向
上が認められず、むしろ経済的に不利となる。低温特性
と潤滑性の改善効果及び経済性などを考慮すると、この
低硫黄軽油用添加剤の好ましい含有量は、組成物全量に
基づき、10〜500重量ppmの範囲である。
【0021】本発明の燃料油組成物の調製方法について
は、特に制限はなく、前記低硫黄軽油用添加剤I又はII
を単に軽油に添加することにより調製することができる
が、低硫黄軽油と相溶性のある有機溶剤に溶かした濃厚
溶液の形態で添加することにより、調製が容易となる。
このような有機溶剤としては、例えばナフサ,灯油,軽
油などの石油留分,芳香族炭化水素,パラフィン系炭化
水素などが挙げられる。有機溶剤で希釈して用いる場合
には、添加剤を好ましくは20〜80重量%、より好ま
しくは35〜75重量%の割合で含有する溶液を用いる
のが有利である。
【0022】本発明の燃料油組成物には、前記低硫黄軽
油用添加剤I又はIIと共に、所望により従来燃料油の添
加剤として慣用されている各種添加剤、例えば、曇点降
下剤,流動性向上剤,防錆剤,酸化防止剤,セタン価向
上剤,金属不活性化剤,清浄分散剤,燃焼性向上剤,黒
煙減少剤,消泡剤,色相安定剤,氷結防止剤,スラッジ
分散剤,マーカーなどを含有させることができる。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定される
ものではない。なお、実施例及び比較例で得られた燃料
油組成物の性能は、下記の要領に従って求め、評価し
た。 (1)目詰まり点 JIS K−2288に準拠して測定した。 (2)曇り点 JIS K−2269に準拠して測定した。 (3)流動点 JIS K−2269に準拠し、1℃間隔で測定した。 (4)添加剤の燃料油に対する溶解性 100ミリリットルのビーカーに試料油50ミリリット
ルを入れ、攪拌しながら5℃に冷却する。この試料油
に、添加剤の10重量%キシレン溶液50ミリリットル
を、50℃に加熱した状態で添加し、この際の溶解状態
を目視にて観察して、次の基準に従い評価した。 ○:析出物なし,△:白濁あり,×:析出物あり (5)潤滑性 潤滑摩耗試験機として、振動摩擦摩耗試験機(HFRR
試験機)を用い、試験体として、PCSインスツルメン
ツ社製の径10mm、厚さ3.0mmディスク及び径6m
mのベアリングボールを使用し、下記の条件で燃料油組
成物の潤滑性を評価した。
【0024】 試験機:PCSインスツルメンツ社製HFR2(Ver.3.0) 試験体材質:ディスク、ボール共にスティールAISI E−52100 温度(℃):80±2, 振幅(mm):1.0±0.03 試料量(ml):2.0±0.20, 運転時間(分):75±0.1 荷重(g):200±1, 振動数(Hz):50±1 試料浴の表面積(cm2 ):6±1 顕微鏡観察により、上部ボールの摩耗痕の振動方向と直
交方向の直径を測定し、摩耗痕の平均径を求め、さらに
摩耗痕の形状により下記の4段階に分類し、摩耗痕の平
均径と形状を摩耗痕の総合評価として、第1表に示す基
準で評価した。 摩耗痕の形状 ランク 振動方向へ浅い線条痕のみがみられる : (イ) 一部深い線条痕がみられる : (ロ) 一部凝集摩耗やアブレシブ摩耗がみられる : (ハ) 全域に凝集摩耗やアブレシブ摩耗がみられる: (ニ)
【0025】
【表1】
【0026】製造例1 ブロック共重合体水素化物(A
B−1)の製造 攪拌装置及び滴下ロートを備えた耐圧反応容器に、シク
ロヘキサン500重量部及びsec−ブチルリチウム1
1重量部を仕込み、50℃に昇温した。これに、滴下ロ
ートよりスチレン60重量部を連続的に仕込み、次い
で、イソプレン280重量部を連続的に仕込み、その後
スチレン60重量部を仕込んで8時間重合を行った。次
に、反応系を水素で置換し、ケイソウ土担持ニッケル触
媒25重量部を加えて15kg/cm2 の水素圧を保ち
ながら、150℃で10時間反応させた。次いで、反応
生成物をシクロヘキサンで希釈し、触媒を濾別した後、
濾液を減圧下で濃縮乾燥してブロック共重合体水素化物
(AB−1)を得た。このものは、核磁気共鳴(NM
R)分析により、スチレン/イソプレン/スチレン三元
ブロック共重合体の水素化物であり、スチレン単位の含
有量は30重量%であることが確認された。また、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析に
より、ポリスチレン換算の数平均分子量(以下、Mnと
いう)は50000であり、ヨウ素価分析により求めた
水素化率は96モル%であった。
【0027】製造例2〜8 製造例1の方法に準じて、ブロック共重合体又はその水
素化物AB−2〜AB−8を製造した。その性状を第2
表に示す。
【0028】
【表2】
【0029】(注)水素化前共重合体の化学構造 S:スチレン重合体ブロック I:イソプレン重合体ブロック B:ブタジエン重合体ブロック IB:イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック
【0030】
【表3】
【0031】(注)水素化前共重合体の化学構造 V:ビニルナフタレン重合体ブロック M:α−メチルスチレン重合体ブロック P:ペンタジエン重合体ブロック
【0032】実施例1〜14 第3表に示す性状を有する燃料油A又はBに対し、第5
表に示す種類と量(組成物全量に対する重量ppmであ
る。)のブロック共重合体又はその水素化物(製造例で
得られたもの)及び第5表に示す種類と量(組成物全量
に対する重量ppmである。)の燃料油添加剤(第4表
に性状を示す。)を添加して、燃料油組成物を調製し
た。その性能の評価結果を第5表に示す。
【0033】比較例1〜9 第3表に示す性状を有する燃料油A又はBに対し、第5
表に示す種類と量(組成物全量に対する重量ppmであ
る。)の燃料油添加剤(第4表に性状を示す。)を添加
して、燃料油組成物を調製した。その性能の評価結果を
第5表に示す。
【0034】
【表4】
【0035】 注1)JIS K−2249に準拠して測定 2)JIS K−2283に準拠して測定 3)JIS K−2254に準拠して測定 4)JIS K−2241に準拠して測定 5)n−パラフィン析出率は下記の方法により測定し
た。 試料油40gをメスフラスコに入れ活栓をし、グラスフ
ィルター(3G−1)を備えた吸引瓶を設置したコント
ローラー付き冷却バスに浸す。室温から冷却速度1℃/
hrで所定温度まで徐冷した後、冷却バス内で同温度に
冷却した窒素ガスでシールする。次いで、10mmHg
の減圧度でグラスフィルター内に敷いたろ紙により吸引
濾過を行い、析出n−パラフィンを濾別する。同温度に
冷却したアセトンで充分に洗浄した後、減圧乾燥してn
−パラフィン析出量を秤量し、試料油に対する重量百分
率を求める。曇り点以下数点においてこの作業を繰り返
し、1℃当たりのn−パラフィン析出率を最小二乗法に
より直線近似して算出し、n−パラフィン析出率(重量
%/℃)とする。
【0036】
【表5】
【0037】(注) (1)( )内の数値は仕込みモル数を表す。 (2)エステル化度は、水酸基価(mgKOH/g)測
定により、下記の式に従い求めた。 エステル化度(%)=〔1−(反応終了後の水酸基価/
反応開始前の水酸基価)〕×100 (3)C−1〜C−5は、本発明に係る(b)成分の化
合物であり、D−1,D−2は既知の燃料油添加剤であ
る。
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】
【発明の効果】本発明の低硫黄軽油用添加剤は、低硫黄
軽油の低温特性の改善、すなわち目詰まり点や流動点を
下げるとともに、その潤滑性を高め、例えばディーゼル
エンジンの燃料油潤滑部分の摩耗を低減させる効果に優
れ、しかも、低硫黄軽油に対する溶解性に優れている。
また、この低硫黄軽油用添加剤を含有する燃料油組成物
は低温特性に優れ、かつ良好な潤滑性を有している。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族ビニル化合物単位からなる
    ブロックと(B)ジエン化合物単位からなるブロックと
    から構成されたブロック共重合体及び/又はその水素化
    物からなる低硫黄軽油用添加剤。
  2. 【請求項2】 (a)(A)芳香族ビニル化合物単位か
    らなるブロックと(B)ジエン化合物単位からなるブロ
    ックとから構成されたブロック共重合体及び/又はその
    水素化物1〜99重量%と、(b)ポリオキシアルキレ
    ングリコール部と鎖状アルキル部を必須構成成分とする
    化合物99〜1重量%とからなる低硫黄軽油用添加剤。
  3. 【請求項3】 (A)ブロックと(B)ブロックとから
    構成されたブロック共重合体が、A−(B−A)n 型又
    は(A−B)n+1 型(nは1以上の整数)ブロック共重
    合体である請求項1又は2記載の低硫黄軽油用添加剤。
  4. 【請求項4】 (A)ブロックがスチレン単位からな
    り、かつ(B)ブロックがランダムに結合したイソプレ
    ン単位とブタジエン単位とを必須構成単位とする請求項
    1又は2記載の低硫黄軽油用添加剤。
  5. 【請求項5】 ブロック共重合体及びその水素化物の数
    平均分子量が、3000〜100000である請求項1
    又は2記載の低硫黄軽油用添加剤。
  6. 【請求項6】 硫黄分含有量が0.2重量%以下の低硫黄
    軽油中に、請求項1〜5のいずれかに記載の低硫黄軽油
    用添加剤を、組成物全量に基づき、1〜10000重量
    ppmの割合で含有させたことを特徴とする燃料油組成
    物。
  7. 【請求項7】 低硫黄軽油が、硫黄分含有量0.05重量
    %以下のものである請求項6記載の燃料油組成物。
  8. 【請求項8】 低硫黄軽油が、n−パラフィン析出率0.
    1〜0.7重量%/℃のものである請求項6記載の燃料油
    組成物。
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