JPH11106568A - ゴム組成物およびそれを用いる未加硫ゴムのスコーチ改良方法 - Google Patents

ゴム組成物およびそれを用いる未加硫ゴムのスコーチ改良方法

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JPH11106568A
JPH11106568A JP27602097A JP27602097A JPH11106568A JP H11106568 A JPH11106568 A JP H11106568A JP 27602097 A JP27602097 A JP 27602097A JP 27602097 A JP27602097 A JP 27602097A JP H11106568 A JPH11106568 A JP H11106568A
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rubber
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Hironobu Iyama
浩暢 井山
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジニトロジアミン類を含む未
加硫ゴムのスコーチ性を改良する。 【解決手段】成分(A) 原料ゴム100重量部に対し、
成分(B) 式(1) で示されるジニトロジアミン類を0.1〜10重量部お
よび成分(C) 式(2) (式中Y、Zはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原
子、C1〜C9のアルキル基、シクロアルキル基またはア
リール基を表す。)で示されるフェノール類、あるいは
上式(2)で示されるフェノール類と式(3) (式中、R4、R5はそれぞれ独立に水素、C1〜C9のア
ルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表す)
で示されるカルボニル化合物との縮合物または重縮合物
0.1〜10重量部を含有することを特徴とするゴム組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴム組成物に関し、
詳しくは、成分(A) 原料ゴム、成分(B)ジニトロ
ジアミン類および成分(C) フェノール類あるいはフ
ェノール類とカルボニル化合物との縮合物または重縮合
物を、含有することを特徴とするゴム組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】タイヤ、
防振ゴム、免振ゴム、ゴムベルトなどの加硫ゴムの動的
物性を向上させてゴム製品の高機能化を図るべく、種々
の研究が行われていれている。例えば、タイヤトレッド
においては、自動車の制動性、特に濡れた路面でのグ
リップ向上、燃費向上という二つの目的を両立させる
ための研究開発が活発に行われている。一般に濡れた路
面でのグリップ力の指標としては、0℃における損失係
数(tanδ)が用いられており、この値が高い程、す
なわち加硫ゴム中におけるエネルギー損失が大きい程グ
リップ力が向上するといわれている。一方、燃費の指標
としては、60℃におけるtanδが用いられており、
この値がが低いほど、すなわち加硫ゴム中でのエネルギ
ー損失が小さいほど燃費が向上するといわれている。
【0003】このような要求特性を満足するものとし
て、ジニトロジアミン類を含むゴム組成物が提案されて
いる(例えば特開昭63−23942号公報)が、スコーチ性
を早める傾向があった。一方、この問題を改良するもの
として、ジニトロジアミン類とともにN−(シクロヘキ
シルチオ)フタルイミド、ビスマレイミド類などのイミ
ド類や2,3,5,6−テトラクロロ−1,4−ベンゾ
キノンなどのキノン類を含有させたゴム組成物が提案さ
れている(特開平3−54235号公報、特開平3−223353号
公報)。しかしながら、イミド類やキノン類は高価であ
るという問題があり、スコーチ性が改良された新規なゴ
ム組成物の出現が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような状況に鑑み、
本発明者は、ジニトロジアミン類を含有するゴム組成物
から得られる加硫ゴムの優れた動的特性を最大限に維持
するとともに、未加硫ゴムのスコーチ性を改良すべく鋭
意検討を重ねた結果、フェノール類あるいはフェノール
類とカルボニル化合物との縮合物または重縮合物という
特定の化合物を併用することにより、スコーチ性が著し
く改良されることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】すなわち本発明は、成分(A) 原料ゴム
100重量部に対し、成分(B) 式(1)
【0006】(式中、Xは2価の鎖状脂肪族基、環状脂
肪族基または芳香族基を表し、これらは基中にハロゲン
または酸素を含んでいてもよい。R1は水素原子、鎖状
脂肪族基、環状脂肪族基または芳香族基を表すが、Xお
よびR1がいずれも鎖状脂肪族基である場合は、R1を介
して窒素原子同士が互いに連結してもよい。R2および
3はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜12の
アルキル基を表すが、R2とR3が結合して環を形成して
もよい。)
【0007】で示されるジニトロジアミン類を0.1〜
10重量部および成分(C) 式(2)
【0008】(式中Y、Zはそれぞれ独立に水素原子、
ハロゲン原子、C1〜C9のアルキル基、シクロアルキル
基またはアリール基を表す。)
【0009】で示されるフェノール類、あるいは上式
(2)で示されるフェノール類と式(3)
【0010】(式中、R4、R5はそれぞれ独立に水素原
子、C1〜C9のアルキル基、シクロアルキル基またはア
リール基を表す)
【0011】で示されるカルボニル化合物との縮合物ま
たは重縮合物0.1〜10重量部を含有することを特徴
とする実用性に優れたゴム組成物を提供するものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明における成分(A)の原料ゴムとしては、
例えば天然ゴム、スチレンブタジエン共重合ゴム、ブタ
ジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジ
エン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴムおよび
ハロゲン化ブチルゴム等の合成ゴム等が挙げられる。こ
れらの原料ゴムは、単独で用いることもできるし、2種
類以上を組み合わせて用いることもできる。
【0013】また成分(B)のジニトロジアミン類
(1)としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
なお以下の例示において、−Zは、-CH2C(CH3)2NO2
示す。 (1) Z−NH(CH2)2NH−Z (2) Z−NH(CH2)3NH−Z (3) Z−NH(CH2)4NH−Z (4) Z−NH(CH2)6NH−Z (5) Z−NH(CH2)10NH−Z (6) Z−NH(CH2)12NH−Z (7) Z−NHCH2CH(CH3)CH2CH(CH3)
CH2NH−Z (8) O2N−(CH2)2NH(CH2)2NH(CH2)2−N
2 (9) O2N−(CH2)2NH(CH2)6NH(CH2)2−N
2 (10) O2N−CH(CH3)CH2NH(CH2)2NHCH
2CH(CH3)−NO2 (11) O2N−CH(CH3)CH2NH(CH2)6NHCH
2CH(CH3)−NO2
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】このようにジニトロジアミン類(1)にお
けるXは、2価の鎖状脂肪族基、環状脂肪族基または芳
香族基であり、上記第33例および第34例のように基
中にハロゲンまたは酸素を含むことができ、また第40
例〜第43例のように基中に酸素を含むこともできる。
これらの中でも、Xが鎖状脂肪族基、とりわけ炭素数が
4〜12のものが好ましく使用される。また、R1は水
素原子、鎖状脂肪族基、環状脂肪族基または芳香族基で
あり、XおよびR1がいずれも鎖状脂肪族基である場合
には、上記第23例および第24例のようにR1を介し
て窒素原子同士が互いに連結した化合物も含まれる。さ
らに、R2およびR3は互いに同じであっても異なってい
てもよく、それぞれ水素原子または炭素数1〜12のア
ルキル基である。上記第12例、第13例、第22例お
よび第30例のように、R2とR3が結合して環を形成し
た化合物も含まれる。
【0020】このようなジニトロジアミン類である成分
(B)を配合する場合の形態は任意であって、その化合
物単体、複数化合物の混合体、ゴム物性に影響を与えな
いクレーなどの坦体と混合したもの、さらには他の配合
剤、例えば本発明の成分(C)のようなフェノールとア
ルデヒドまたはケトンの縮合物あるいは重縮合物である
メチレン受容体あるいは成分(C)と組み合わせて通常
使用される成分(D)のようなメラミンとホルムアルデ
ヒドとメタノールの縮合物あるいは重縮合物であるメチ
レン供与体等と混合したもの、さらには成分(C)およ
び成分(D)と混合したものなどの形態を取りうる。
【0021】成分(B)の使用量は、成分(A)の原料
ゴム100重量部に対し、通常0.1〜10重量部であ
って、その量があまりに少ないと動的物性を改良する効
果が不十分であり、また多すぎても不経済となる。好ま
しくは0.2〜3重量部の範囲で使用される。
【0022】成分(C)のフェノール類(2)の代表例
としては、例えばフェノール、p−クレゾール、m−ク
レゾール、2,4−キシレノール、2,6−キシレノー
ル、3,5−キシレノール、p−エチルフェノール、p
−イソプロピルフェノール、p−t−ブチルフェノー
ル、p−ペンチルフェノール、p−オクチルフェノー
ル、p−ノニルフェノール、p−クロロフェノール、
2,3−ジクロロフェノール、2,4−ジクロロフェノ
ール、2,5−ジクロロフェノール、2,6−ジクロロ
フェノール、3,4−ジクロロフェノール、3,5−ジ
クロロフェノール、p−フェニルフェノール、m−フェ
ニルフェノール、2−シクロペンチルフェノール、4−
シクロペンチルフェノール等の1価フェノールが挙げら
れる。フェノール類(2)は単独でも2種以上の混合物
であっても良い。
【0023】また成分(C)のフェノール類(2)とカ
ルボニル化合物(3)との縮合物は、両者を酸触媒ある
いは塩基触媒の存在下に縮合反応させて製造される。例
えば特開平6−234824に開示されている製造方法
により製造することが可能である。すなわち、塩基触媒
存在下にフェノール類とカルボニル化合物を縮合反応さ
せ、レゾール型の初期縮合物あるいは初期重縮合物を製
造することが出来る。さらにこの初期縮合物あるいは初
期重縮合物を酸触媒存在下に縮合反応させることによ
り、ノボラック型の縮合物あるいは重縮合物を製造する
ことも出来る。
【0024】ここで、カルボニル化合物(3)における
4、R5はそれぞれ独立に水素原子、C1〜C9のアルキ
ル基、シクロアルキル基、アリール基を表すが、C1
9のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、n−
オクチル、t―オクチル、ノニル等が挙げられる。シク
ロアルキル基としては、例えばシクロプロピル、シクロ
ペンチル、シクロヘキシル基等が挙げられ、またアリー
ルとしては、例えばフェニル基、ナフチル等が挙げられ
る。
【0025】カルボニル化合物(3)の代表例として
は、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロ
ピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアル
デヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類、アセト
ン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、
ジシクロペンチルケトン、ジシクロヘキシルケトン、ジ
シクロペンチルケトン、シクロヘキシルフェニルケト
ン、アセトフェノン等のケトン類が挙げられる。縮合
物、重縮合物は、単独のフェノール類を用いたもので
も、2種以上のフェノール類を用いたものでも良く、ま
た単独のカルボニル化合物を用いたものでも、2種以上
のカルボニル化合物を用いたものであっても良い。
【0026】成分(C)をゴムに配合する場合の形態は
任意であって、フェノール類、縮合物、重縮合物はそれ
単独で用いても良く、もちろんこれらを2種以上混合し
て使用することもでき、さらに粒状、フレーク状、粉状
などの形態に加工したものも使用することができる。成
分(C)の使用量は、原料ゴム100重量部に対して、
通常0.1〜10重量部であり、その量があまりに少な
いとスコーチ性を改良する効果が不十分であり、また多
すぎると加硫時間が長くなるため不経済となる。好まし
くは0.5〜4重量部の範囲で使用される。
【0027】さらに、ゴム工業においては成分(C)の
如きメチレン受容体は、成分(D)のようなメラミンと
ホルムアルデヒドとメタノールの縮合物あるいは重縮合
物であるメチレン供与体と組み合わせて使用されること
も知られており、必要に応じてこれらのメチレン供与体
を併用してもよい。このようなメラミンとホルムアルデ
ヒドとメタノールの縮合物なかでもヘキサキス(メトキ
シメチル)メラミン、ペンタキス(メトキシメチル)メ
チロールメラミンが好ましい。これらの縮合物あるいは
重縮合物をゴムに配合する場合の形態は任意であってそ
の縮合物単体、複数の化合物の混合体、シリカ等の充填
剤と混合したもの、さらには他の配合剤、例えば本発明
の成分(B)あるいは後述する各種配合剤と混合したも
のなどの形態を取りうる。成分(D)を使用する場合
は、原料ゴム100重量部に対し、通常0.1〜10重
量部であり、好ましくは0.5〜4重量部の範囲で使用
される。
【0028】本発明の組成物は、さらに各種充填剤も含
有し得る。かかる充填剤としては、通常のゴム工業で用
いられる種々のカーボンブラック、例えばSAF、IS
AF、HAF、SPF、FEF、GPF、SRF、MT
等が挙げられ、その種類は特に限定されない。また、添
加量に関しても特に限定されないが、必要とされる補強
性、硬度、動的耐久性、加工性等を考慮して、ゴム10
0重量部あたり、20〜150重量部の範囲で添加する
ことが好ましい。さらに、必要に応じてカーボンブラッ
ク以外の充填剤を含むこともできる。かかる充填剤とし
ては、通常のゴム工業で用いられる種々の充填剤、例え
ば、シリカ、クレー、炭酸カルシウム等の無機充填剤が
挙げられる。
【0029】また本発明の組成物は、通常ゴム工業で使
用されている他の各種配合剤についても必要に応じ含有
することができる。かかる配合剤としては、例えば、チ
アゾール系、チウラム系、ジチオ酸系、グアニジン系の
加硫促進剤、イオウ、ステアリン酸、亜鉛華、プロセス
オイル、老化防止剤、オゾン劣化防止剤、ワックス、し
ゃく解剤などが挙げられる。これらの配合剤の種類や配
合量は必要に応じて選択することができ、本発明におい
て特に制限されるものではない。
【0030】通常、配合剤の配合は大きく2つの工程で
行われる。すなわち、カーボンブラックその他の充填
剤、プロセスオイル、ステアリン酸、メチレン受容体な
どは、ゴム温度120〜220℃程度の比較的高温の第
一工程で配合され、加硫促進剤、加硫剤およびメチレン
供与体等は、ゴム温度40〜120℃程度の比較的低温
の第二工程で配合される。本発明の成分(B)、
(C)、(D)については、任意の工程で配合すること
ができるが、成分(B)、(C)は第一工程での配合が
好ましく、その際の温度は特に制限されないが、ゴム物
性の改良効果の観点から、140〜200℃が好まし
い。また成分(D)は、比較的低温の第二工程で配合す
るのが好ましく、その際の温度は、加工性の観点から6
0〜100℃が好ましい。
【0031】かくして配合された本発明のゴム組成物
は、例えばタイヤの各種部材、特にトレッド部、あるい
は防振ゴム、免振ゴムとして好ましく使用される。すな
わち、このゴム組成物をトレッド部あるいはその他の部
材に適用しタイヤ業界で通常行われている方法により成
形してタイヤとしたり、適当な形に成形しあるいは金属
と接着して防振ゴム、免振ゴムとすることができる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、ジニトロジアミン類を
含むゴム組成物に、成分(C)のフェノール類あるいは
フェノール類とカルボニル化合物との縮合物または重縮
合物を含有せしめることにより、ジニトロジアミン類に
より発現する優れたゴム物性を殆ど低下させることなく
スコーチ性を改良し得る。
【0033】
【実施例】次に実施例を示して、本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらによって限定されるものでは
ない。尚、以下の例中、部とあるのは特に断りのない限
り、重量部である。
【0034】 <配合処方> 成分(A) 100部 (日本合成コ゛ム(株)製 SBR#1500) カーボンブラック 50部 (HAF N330) アロマオイル 5部 ステアリン酸 3部 亜鉛華 5部 成分(B) 1部 (N,N'-ヒ゛ス(2-メチル-2-ニトロフ゜ロヒ゜ル)-1,6-シ゛アミノヘキサン) 成分(C) 2部 C1:p-t-オクチルフェノール C2:オクチルフェノール−ホルマリン樹脂(田岡化学工業(株)製タッキロール101) C3:m-メタクレソ゛ール−ホルマリン樹脂(住友化学工業(株)製スミカノール610) 老化防止剤 1部 (N-フェニル-N'-1,3-シ゛メチルフ゛チル-p-フェニレンシ゛アミン:住友化学工業(株)製アンチケ゛ン6C) イオウ 2部 加硫促進剤 1部 (N-シクロヘキシル-2-ヘ゛ンソ゛チアシ゛ルスルフェンアミト゛:住友化学工業(株)製ソクシノールCZ) 成分(D) 2部又は無し (メトキシ化メラミン樹脂(サイテック社製 サイレーツ966))
【0035】バンバリーミキサー(ラボプラストミル)を
用い、オイルバス温度150℃で、上記の原料ゴム、カー
ボンブラック、アロマオイル、ステアリン酸、亜鉛華、
成分(B)及び成分(C)を、50rpmで10分間混練し
た。このときのゴム温度は155〜170℃であった。次にこ
の混合物をオープンミルに移し、ロール温度50℃にて、
これに上記の老化防止剤、加硫促進剤、イオウを添加、
混練した。成分(D)を添加する場合は、老化防止剤、
加硫促進剤、イオウ等を添加時に添加、混練した。混練
後の試料はその一部をムーニー・スコーチ試験に供し
た。また、残りの試料を用い、170℃、20〜25分
の加硫条件で所定の形状に成形し、動的粘弾性試験、硬
度試験および引張試験用の試験片を作製した。それぞれ
の試験は以下の方法により行った。結果を表1に示す。
【0036】ムーニー・スコーチ試験 試験機として東洋精機製ロータレスムーニービスコメー
ターRLM−1を用い、加硫前のゴム配合物を145℃で
最低値より35ポイント上昇するまでの時間をムーニー・
スコーチ時間(T35)とした。ムーニー・スコーチ時間
が長いほどスコーチしにくく、加工性に優れることを意
味する。
【0037】動的粘弾性試験 試験機として岩本製作所製粘弾性スペクトロメーターF
−IIIを用い、初期歪み10%、動的歪み0.5%、動的荷重
500g、周波数10Hzで0℃および60℃における損失係
数 (tanδ)を測定した。ここで、0℃におけるt
anδが高いほど、濡れた路面でのグリップ力が高く、
60℃におけるtanδが低いほど、燃料消費が少ないこ
とを意味する。
【0038】引張試験 JIS K6301に準拠して、ダンベル3号試験片を
用い、引張強さ(TS)、破断伸び(EB)を測定し
た。TS、EBいずれも値が大きいほど引張物性に優れ
ることを意味する。
【0039】
【表1】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成分(A) 原料ゴム100重量部に対し、
    成分(B) 式(1) (式中、Xは2価の鎖状脂肪族基、環状脂肪族基または
    芳香族基を表し、これらは基中にハロゲンまたは酸素を
    含んでいてもよい。R1は水素原子、鎖状脂肪族基、環
    状脂肪族基または芳香族基を表すが、XおよびR1がい
    ずれも鎖状脂肪族基である場合は、R1を介して窒素原
    子同士が互いに連結してもよい。R2およびR3はそれぞ
    れ独立に水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を
    表すが、R2とR3が結合して環を形成してもよい。)で
    示されるジニトロジアミン類を0.1〜10重量部およ
    び成分(C) 式(2) (式中Y、Zはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原
    子、C1〜C9のアルキル基、シクロアルキル基またはア
    リール基を表す。)で示されるフェノール類、あるいは
    上式(2)で示されるフェノール類と式(3) (式中、R4、R5はそれぞれ独立に水素、C1〜C9のア
    ルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表す)
    で示されるカルボニル化合物との縮合物または重縮合物
    0.1〜10重量部を含有することを特徴とするゴム組
    成物。
  2. 【請求項2】成分(A)の原料ゴムが、天然ゴム、スチ
    レンブタジエン共重合ゴム、ブタジエンゴム、イソプレ
    ンゴム、アクリロニトリルブタジエン共重合ゴム、クロ
    ロプレンゴム、ブチルゴムおよびハロゲン化ブチルゴム
    から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】さらに成分(D)メラミンとホルムアルデ
    ヒドとメタノールの縮合物または重縮合物を0.1〜1
    0重量部含有することを特徴とする請求項1〜2に記載
    の組成物。
  4. 【請求項4】成分(D)がヘキサキス(メトキシメチ
    ル)メラミンを含有する縮合物または重縮合物であるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の組成物。
  5. 【請求項5】さらにカーボンブラックを20〜150重
    量部含有することを特徴とする請求項1〜4に記載のゴ
    ム組成物。
  6. 【請求項6】成分(A) 原料ゴム100重量部に対し、
    成分(B) 式(1) (式中、Xは2価の鎖状脂肪族基、環状脂肪族基または
    芳香族基を表し、これらは基中にハロゲンまたは酸素を
    含んでいてもよい。R1は水素原子、鎖状脂肪族基、環
    状脂肪族基または芳香族基を表すが、XおよびR1がい
    ずれも鎖状脂肪族基である場合は、R1を介して窒素原
    子同士が互いに連結してもよい。R2およびR3はそれぞ
    れ独立に水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を
    表すが、R2とR3が結合して環を形成してもよい。)で
    示されるジニトロジアミン類を0.1〜10重量部およ
    び成分(C) 式(2) (式中Y、Zはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原
    子、C1〜C9のアルキル基、シクロアルキル基またはア
    リールを表す。)で示されるフェノール類、あるいは上
    式(2)で示されるフェノール類と式(3) (式中、R4、R5はそれぞれ独立に水素原子、C1〜C9
    のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表
    す。)で示されるカルボニル化合物との縮合物または重
    縮合物0.1〜10重量部を含有させることを特徴とす
    る未加硫ゴムのスコーチ改良方法。
  7. 【請求項7】成分(A)の原料ゴムが天然ゴム、スチレ
    ンブタジエン共重合ゴム、ブタジエンゴム、イソプレン
    ゴム、アクリロニトリルブタジエン共重合ゴム、クロロ
    プレンゴム、ブチルゴムおよびハロゲン化ブチルゴムか
    ら選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求
    項6記載の方法。
  8. 【請求項8】さらに、成分(D)メラミンとホルムアル
    デヒドとメタノールの縮合物を0.1〜10重量部含有
    させることを特徴とする請求項6〜7に記載の方法。
  9. 【請求項9】成分(D)がヘキサキス(メトキシメチ
    ル)メラミンを含有する縮合物または重縮合物であるこ
    とを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】さらに、カーボンブラックを20〜15
    0重量部含有させることを特徴とする請求項6〜9に記
    載の方法。
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