JPH11106534A - ポリオレフィン多孔質膜の製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン多孔質膜の製造方法

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JPH11106534A
JPH11106534A JP9270053A JP27005397A JPH11106534A JP H11106534 A JPH11106534 A JP H11106534A JP 9270053 A JP9270053 A JP 9270053A JP 27005397 A JP27005397 A JP 27005397A JP H11106534 A JPH11106534 A JP H11106534A
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polyolefin
film
porous membrane
weight
solvent
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JP9270053A
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Morimasa Wada
守正 和田
Yoshihisa Yonemori
義久 米森
Masashi Yamamoto
昌司 山本
Yutaka Kishii
豊 岸井
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 応力が緩和されて加熱等による形状変化が小
さく、高強度のポリオレフィン多孔質膜を製造する方法
を提供する。 【解決手段】 分子量が6×105以上である超高分子
量成分を5重量%以上含むポリオレフィンと、その良溶
媒を溶融混練し、環状ダイス7から押出して、ゲル状チ
ューブラーフィルム30aを形成し、これを加熱延伸し
て得た延伸形成物30bを、残存溶媒を除去し、乾燥さ
せ、さらに膨脹させてチューブ状態でヒートセットす
る。このチューブラーヒートセットの後、多孔質膜フィ
ルム30cは反転による捩りを加えられながら開裂され
てシート状となり、連続的に巻き取られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン多
孔質膜の製造方法に関するものであり、さらに詳しく
は、膜の形状変化が小さく、高強度のポリオレフィン多
孔質膜を連続的に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン多孔質膜は、各種フィル
ター、透湿防水衣料、逆浸透濾過膜、限外濾過膜等の
他、電池用セパレーター、電解コンデンサー用セパレー
ターとしても使用されており、これらセパレーターとし
ての用途においては、電池や電解コンデンサーの組立加
工性および信頼性の観点から、形状変化が少なく、均質
で高強度の多孔質膜が望まれている。特にリチウム電池
等の非水電解液電池用セパレーターには、形状変化が極
めて小さい多孔質膜が要望されている。
【0003】近年、高強度および高弾性のフィルムに成
形可能な超高分子量ポリオレフィンが開発されたことに
伴い、この超高分子量ポリオレフィンを延伸した高強度
の多孔質膜の製造方法が提案されている。例えば、特開
平7−118430号公報には、超高分子量成分を含有
するポリオレフィンを押出機中で溶融し、この押出機途
中からポリオレフィンの良溶媒を供給し、押出機中で溶
融混練し、環状ダイスにより押出し急冷してゲル状チュ
ーブ原反とし、これを再ブローして加熱するとともに二
軸延伸して延伸形成物とし、これを開裂し、残存する溶
媒を抽出除去し、洗浄乾燥し、必要に応じて乾燥しなが
ら加熱固定(ヒートセット)することによってポリオレ
フィン多孔質膜を連続的に得る方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
7−118430号公報に記載の方法にあっては、チュ
ーブ状原反を開裂してシート状フィルムとし、この状態
で溶媒分を抽出し、その後にヒートセットを実施するこ
ととしているため、ヒートセットを実施したとしても、
特にチューブ径方向(以下「TD方向」ということがあ
る。)に相当する方向の延伸抽出による収縮応力の緩和
が不十分であり、多孔質膜の形状安定化が十分には図れ
ないという課題があった。収縮応力が十分に緩和されて
いない膜を、例えば電池セパレーターとして用いた場合
には、電池の組立加工性が悪くなるばかりでなく、セパ
レーターの異方性のある収縮により、電池組立後の特定
環境下で電池内部短絡が生じ得るという問題がある。
【0005】本発明は、このような事情に鑑み、形状変
化が小さく、高強度のポリオレフィン多孔質膜を製造す
る方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するべ
く、本発明のポリオレフィン多孔質膜の製造方法は、分
子量が6×105以上である成分を5重量%以上含有す
るポリオレフィン25〜75重量%と、このポリオレフ
ィンに対する良溶媒である溶媒75〜25重量%とを溶
融混練し、得られた溶融混練物を環状ダイスから押出
し、次いで冷却してゲル状チューブラーフィルムを形成
し、このゲル状チューブラーフィルムを加熱延伸し、延
伸したチューブラーフィルムに残存する前記溶媒を除去
し、その後に前記チューブラーフィルムを膨脹させてヒ
ートセットする一連の工程を実施した後に、前記チュー
ブラーフィルムを開裂してシート状とすることを特徴と
する。このような構成とすることにより、形状変化が小
さく、高強度のポリオレフィン多孔質膜を効率良く製造
することができる。
【0007】本発明の製造方法においては、前記チュー
ブラーフィルムを、チューブ径方向およびチューブ長さ
方向とも、加熱延伸時の延伸倍率の1.005倍〜1.
01倍の延伸倍率となるように膨脹させてヒートセット
することが好ましい。この好ましい例によれば、ヒート
セットの効果が十分に発揮され、形状変化がさらに小さ
く、形状変化の異方性も小さい高強度のポリオレフィン
多孔質膜を製造することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法により得られる
ポリオレフィン多孔質膜は、延伸性の向上に寄与する重
量平均分子量6×105以上の超高分子量成分を5重量
%以上含有するポリオレフィンから構成される。多孔質
膜中の超高分子量成分が5重量%未満では、超高分子量
ポリオレフィンの分子鎖の絡み合いが不足して、強度を
十分に向上させることが困難となる。一方、超高分子量
成分が多すぎると、ポリオレフィン溶液の高濃度化およ
び延伸が困難となるため、特に限られるものではない
が、同成分は95重量%以下とすることが好ましい。
【0009】本発明に用い得るポリオレフィンは、重量
平均分子量が6×105以上の超高分子量ポリオレフィ
ンと、重量平均分子量が6×105未満のポリオレフィ
ンとを、適宜混合することによって得ることができる。
この場合、重量平均分子量が6×105未満のポリオレ
フィンの重量平均分子量は、9×103以上とすること
が好ましい。重量平均分子量が9×103未満のポリオ
レフィンを用いると、延伸時に延伸切れが生じ易くな
り、目的とする多孔質膜を得にくくなるからである。従
って、重量平均分子量が9×103以上6×105未満の
ポリオレフィンを超高分子量ポリオレフィンに配合する
ことが好ましい。
【0010】ポリオレフィンとしては、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−
ヘキセン等を重合した結晶性の単独重合体、2段重合
体、共重合体およびこれらのブレンド物等を用い得る
が、ポリプロピレンおよびポリエチレンから選ばれる少
なくとも1つからなるものを用いることが好ましい。ポ
リエチレンとしては、低密度ポリエチレンであってもよ
いが、高密度ポリエチレンが好適である。
【0011】ポリオレフィンの良溶媒としては、例えば
デカリン、p−キシレン、流動パラフィン等の脂肪族ま
たは環式の炭化水素、あるいは沸点がこれらに対応する
鉱油留分等を用いることができる。
【0012】ポリオレフィンとその良溶媒とは、ポリオ
レフィンと溶媒との合計を100重量%として、ポリオ
レフィンが25〜75重量%、良溶媒が75〜25重量
%であることが好ましい。ポリオレフィンを25重量%
未満とすると、環状ダイスから押しだす時にポリオレフ
ィン加熱溶液のスウェルやネックインが大きくなるから
である。一方、ポリオレフィンが75重量%を超える
と、均一な溶液の調製が容易ではなくなる。このような
観点からは、ポリオレフィンが25〜50重量%、良溶
媒が75〜50重量%であることがさらに好ましい。
【0013】なお、超高分子量成分を含有するポリオレ
フィンには、必要に応じて、酸化防止剤、滑剤、紫外線
吸収剤、アンチブロッキング剤等の各種添加剤を本発明
の目的を損なわない程度に添加することも可能である。
【0014】次に、超高分子量成分含有ポリオレフィン
を用いた本発明のポリオレフィン多孔質膜の製造方法に
ついて、この製造方法の実施に適した成膜装置の例の概
略図である図1を参照しながら説明する。
【0015】図1における成膜装置は、ポリオレフィン
溶液混合装置1とサイドフィーダー2とギアポンプ3と
を備えた押出機4と、押出機4の先端に設けたギアポン
プ5と、モーションレスミキサー6と、環状ダイス7
と、冷却装置8と、案内板9と、一対の引取ロール10
a、10bと、一対の第1ニップロール11a、11b
と、第1加熱装置12と、加熱ブロワー13と、一対の
第2ニップロール14a、14bと、抽出装置15と、
洗浄・乾燥装置16と、一対の第3ニップロール17
a、17bと、第2加熱装置18と、一対の第4ニップ
ロール19a、19bと、スリッター20と、巻取装置
21とを基本的な構成要素としている。
【0016】この装置を用いたポリオレフィン多孔質膜
の連続的な製造方法について説明する。まず、溶液混合
装置1において前述のポリオレフィンおよびその良溶媒
を攪拌混合してスラリー状態にせしめた後、この混合体
スラリーをサイドフィーダー2およびギアポンプ3によ
り押出機4に安定供給する。次に、この押出機4中にて
前記混合体スラリーを溶融混練する。溶融温度は、使用
するポリオレフィンの種類によって異なるが、一般には
ポリオレフィンの融点+10℃〜融点+120℃とする
ことが好ましい。このように、ポリオレフィンとその溶
媒の混合物を押出機4中にて溶融混練することによっ
て、ポリオレフィンの均一かつ高濃度の溶液を調製する
ことが可能となる。このためには、同方向回転の背圧流
量の無いスクリューを有した多軸押出機を用いることが
好ましい。
【0017】次に、溶融混練したポリオレフィンの加熱
溶液を環状ダイス7より押出す。環状ダイス7としては
ダイスギャップが0.25〜7.5mmであるものが好
ましく、ダイス温度は110〜250℃であることが好
ましい。なお、押出機4と環状ダイス7との間には、押
出機4から供給されるポリオレフィンの加熱溶液が脈流
となるのを防止するために、ギアポンプ5を設置するこ
とが好ましい、さらにギアボンブ5の下流側には、層流
を分散させて混合をより向上させるために、モーション
レスミキサー6を設置することが好ましい。このように
して、環状ダイス7から押出した溶液を、冷却装置8に
て冷却することによって、ゲル状チューブラーフィルム
30aに成形する。なお、冷却方法としては、冷却媒体
を直接的に接触する方法、間接的に接触させる方法等を
採用することができる。
【0018】このゲル状チューブラーフィルム30a
は、引取ロール10a、10bおよび第1ニップロール
11a、11bを通過した後、加熱装置12によって加
熱される。加熱装置12としては、セラミック式遠赤外
線ヒーター等を用いることが延伸性の面からも好まし
い。加熱温度は、ポリオレフィンの融点+10℃以下程
度、好ましくは結晶分散温度〜融点未満の範囲である。
延伸温度が融点+10℃を超える場合は、樹脂の溶融に
より延伸の効果的な分子鎖の配向ができないため好まし
くない。また、延伸温度が結晶分散温度未満では、樹脂
の軟化が不十分で、延伸において延伸切れし易く、高倍
率の延伸ができない。このように加熱した後延伸する。
延伸は、ゲル状チューブラーフィルムをフィルム径方向
(TD方向)に1.6〜13倍、フィルム長さ(流れ)
方向(以下、「MD方向」ということがある。)に1.
6〜13倍、フィルム面倍率で2.56〜169倍、好
ましくは2.89〜30.25倍とする。フィルム面倍
率が2.56倍未満では延伸が不十分で、目的とする多
孔質膜を得ることが困難である。一方、169倍を超え
ると、目的とする厚さの多孔質膜が得られないばかりで
なく、延伸装置等においても制約が生じる。
【0019】続いてこの延伸形成物30bは、第2ニッ
プロール14a、14bにて折りたたまれた後、溶媒抽
出装置15にて残存する溶媒を抽出用溶剤にて抽出し、
さらに洗浄・乾燥装置16にて抽出された溶媒分と抽出
用溶剤分を加熱風乾することによって残存する溶媒分を
完全に除去する。この抽出溶剤としては、使用する溶媒
によりその種類を適宜選択できるが、例えばペンタン、
ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素、塩化メチレン、四塩
化炭素などの塩素化炭化水素、三弗化エタン等の弗化炭
化水素、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類
等が挙げられる。これらの溶剤はポリオレフィンの溶解
に用いた溶媒に応じて適宜選択し、単独もしくは混合し
て用いる。なお、洗浄は、溶剤をシャワーすること等浸
漬以外の方法により実施してもよい。
【0020】延伸形成物30bに残存する溶媒分を抽出
後、洗浄・乾燥し、第3ニップロール17a、17bを
通過させて再びフィルムを膨脹させ、加熱装置18によ
りヒートセットする。ヒートセット温度は、ポリオレフ
ィンの結晶分散温度〜融点未満の温度範囲であることが
好ましい。また、膨脹に際してのブローアップ比は、前
述のように、前記加熱延伸時に適用した、(MD方向の
延伸倍率)×(1.005〜1.01)程度、(TD方
向の延伸倍率)×(1.005〜1.001)程度を適
用することが好ましい。このようなチューブ状態でのヒ
ートセット(チューブラーヒートセット)により、ポリ
オレフィン多孔質膜の収縮による形状変化を極めて小さ
くすることができ、形状変化の異方性も小さくすること
ができる。なお、加熱装置18は、前記加熱延伸時と同
様、セラミック式遠赤外線ヒーター等を用いることがが
好ましい。
【0021】ヒートセットされた多孔質フィルム30c
は、反転(例えば180°〜350°の範囲での反転)
による捻りを加えられ、しわやたるみが除去されなが
ら、スリッター20により開裂されてシート状に巻き取
られる。多孔質フィルム30cは、例えば、2枚のシー
ト状態となるように開裂(開袋)され、巻取装置21に
より各々が巻き取られる。このように、チューブラーヒ
ートセットは、ヒートセット下流側において、チューブ
ラーフィルムに捩りを与えながら行うことが好ましい。
【0022】以上に説明した本発明の実施形態によれ
ば、チューブラーヒートセットを含む各工程が連続して
行われ、形状変化の小さい高強度ポリオレフィン多孔質
膜を連続的かつ効率的に製造することができる。すなわ
ち、重量平均分子量6×105以上の超高分子量成分を
5重量%以上含むポリオレフィンをその良溶媒と溶解混
練し、チューブ状フィルムに成形し、加熱延伸し、前記
良溶媒を除去し、チューブ形状のままで膨脹させてヒー
トセットするという一連の工程を連続して実施するた
め、延伸や溶媒除去に伴う残留応力がヒートセットによ
り効果的に除去される。
【0023】このようにして得られたポリオレフィン膜
は、特に限られるものではないが、例えば、気孔率が3
0〜90%で、平均貫通孔径が0.005〜0.5μm
の多孔質膜となる。また、引張破断強度が500kgf
/cm2以上の高強度フィルムであって、かつ90℃の
空気中で1時間放置したときの収縮率が1%以下、さら
には0.8%以下にまで低減したポリオレフィン多孔質
膜とすることもできる。特に、この多孔質膜は、MD方
向、TD方向とも、前記収縮率を1%以下、さらには
0.8%以下とすることも可能であって収縮率自体のみ
ならず異方性も小さい多孔質膜となり得る。
【0024】また、このポリオレフィン多孔質膜の厚さ
は、その用途により適宜選択できるが、一般には、1.
5〜75μmとすることが好ましく、20〜40μmと
することがさらに好ましい。また、本発明によるポリオ
レフィン多孔質膜の通気度ならびに突刺強度は、その膜
厚に左右されるところが大きいが、膜厚が20〜40μ
mの範囲においては、通常、通気度が1000秒/10
0cc以下、突刺強度が450〜600gである。な
お、この通気度および突刺強度は、下記に示した測定方
法による値により表示したものである。
【0025】
【実施例】以下、実施例にて本発明を説明するが、本発
明は下記実施例に限定されるものではない。下記実施例
は、前述した成膜装置と同様の装置により実施したもの
である。実施例における諸特性の測定方法は下記のとお
りである。 (1)膜の厚さ 最小目盛り0.1μmのデジタルダイヤルゲージにて測
定した。 (2)気孔率 水銀ポロシメーターにより測定した(単位は%)。 (3)平均孔径 ASTM F−316−70に準拠したハーフドライ法
により測定した(単位はμm)。 (4)引張破断強度 ASTM D882に準拠して測定した(単位はkg/
cm2)。 (5)通気度 J1S P8117に準拠して測定した(単位は秒/1
00cc)。 (6)突刺強度 針先がSR0.375およびφ0.75の針で、測定面
積が1cm2となるように固定した膜を、突刺するに必
要な荷重により測定した(単位はg)。 (7)収縮率 10mm×200mmに切り出した膜の、90℃の空気
中に1時間保持した後の長手方向の長さを測定し、この
方向についての収縮率を以下の式により計算した(単位
は%)。 収縮率[%]=((200−加熱後の長手方向長さ[mm])
/200)×100
【0026】(実施例1)重量平均分子量が2.0×1
6の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)25重
量部と重量平均分子量2.0×105の高密度ポリエチ
レン(HDPE)75重量部の原料樹脂と、流動パラフ
ィン(30Cst/40℃)とを原科樹脂成分の濃度が
25重量%(原料樹脂成分+流動パラフィン=100重
量%)となるように溶液混合装置により攪拌し、原料樹
脂成分と流動パラフィンの混合体スラリーを生成し、こ
の混合体スラリーを、溶液混合装置の先端に設置したギ
アポンプにより2軸押出機(強混練同方向回転、背圧流
量レスタイプ)へ安定供給し200rpmで溶融混練し
て押出機中でポリエチレン溶液を調製した。次に、この
押出機の先端に設置されたキアポンプにより安定した吐
出をし、続いてモーションレスミキサーを通過させるこ
とによってポリエチレン溶液の層流を解消した状態で、
環状ダイスにて180℃の温度で押出し、冷却水で過冷
却しながらゲル状チューブラーフィルムを成形した。
【0027】続いて、このゲル状チューブラーフィルム
を122℃にて加熱し、引取速度5m/分でMD方向に
5倍、TD方向に5倍のブローアップ比により同時二軸
延伸を行いチューブラー延伸フィルムを得た。さらに、
この延伸フィルムを塩化メチレンで洗浄し、残存する流
動パラフィンを抽出除去した後、乾燥させた。この乾燥
させた膜を、115℃に加熱しつつ、引取速度5.05
m/分、ブローアップ比5.05倍により、チューブラ
ーヒートセットを行い、ポリエチレン多孔質膜を得た。
【0028】このポリエチレン多孔質膜の組成および製
造条件を表1に示す。またこのポリエチレン多孔質膜の
膜の厚さ、気孔率、平均孔径、引張破断強度、通気度、
突刺強度、収縮率の測定を行った。結果を併せて表1に
示す。
【0029】
【表1】
【0030】(比較例)実施例1において、チューブラ
ーヒートセットを行わずに、流動パラフィンの抽出、乾
燥後、チューブの開裂を行い、その後にMD方向にのみ
115℃でヒートセツト(自由一軸ヒートセツト)を行
った。膜の組成および製造条件は実施例1と同様であ
る。このポリエチレン多孔質膜の組成、製造条件、膜
厚、気孔率、平均孔径、引張破断強度、通気度、突刺強
度、収縮率の測定を行った。結果を表1に併せて示す。
【0031】表1から明らかなように、実施例1による
延伸・抽出・乾燥後チューブラーヒートセットを行った
ポリエチレン多孔質膜は、高強度であって加熱収縮率が
MD・TD両方向とも0.5%と小さく、膜の形状変化
が極めて少なかった。この多孔質膜が、良好な通気性お
よび安定した開孔性を有することも確認された。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
分子量が6×105以上である成分を5重量%以上含有
するポリオレフィン25〜75重量%と、このポリオレ
フィンに対する良溶媒である溶媒75〜25重量%とを
溶融混練し、得られた溶融混練物を環状ダイスから押出
し、次いで冷却してゲル状チューブラーフィルムを形成
し、このゲル状チューブラーフィルムを加熱延伸し、延
伸したチューブラーフィルムに残存する前記溶媒を除去
し、その後に前記チューブラーフィルムを膨脹させてヒ
ートセットする一連の工程を実施した後に、前記チュー
ブラーフィルムを開裂してシート状とすることにより、
形状変化が小さく高強度のポリオレフィン多孔質膜を連
続製造することができる。このような従来にない利点を
有する本発明の製造方法により得られたポリオレフィン
多孔質膜は、リチウム電池等の電池用セパレーター、電
解コンデンサー用隔膜、各種フィルター、透湿防水材
料、逆浸透濾過膜、限外濾過膜に代表される各種用途に
おいて、その特性を活かし得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法を実施するに適した成膜装
置の例の概略を示す図である。
【符号の説明】
4 押出機 7 環状ダイス 8 冷却装置 11a、11b 第1ニップロール 12 第1加熱装置 13 加熱ブロワー 14a、14b 第2ニップロール 15 抽出装置 16 洗浄/乾燥装置 17a、17b 第3ニップロール 18 第2加熱装置 19a、19b 第4ニップロール 20 スリッター 21 巻取装置 30a ゲル状チューブラーフィルム 30b 延伸形成物 30c 多孔質膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸井 豊 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量が6×105以上である成分を5
    重量%以上含有するポリオレフィン25〜75重量%
    と、このポリオレフィンに対する良溶媒である溶媒75
    〜25重量%とを溶融混練し、得られた溶融混練物を環
    状ダイスから押出し、次いで冷却してゲル状チューブラ
    ーフィルムを形成し、このゲル状チューブラーフィルム
    を加熱延伸し、延伸したチューブラーフィルムに残存す
    る前記溶媒を除去し、その後に前記チューブラーフィル
    ムを膨脹させてヒートセットする一連の工程を実施した
    後に、前記チューブラーフィルムを開裂してシート状と
    することを特徴とするポリオレフィン多孔質膜の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記チューブラーフィルムを、チューブ
    径方向およびチューブ長さ方向とも、加熱延伸時の延伸
    倍率の1.005倍〜1.01倍の延伸倍率となるよう
    に膨脹させてヒートセットする請求項1に記載のポリオ
    レフィン多孔質膜の製造方法。
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JP2004319287A (ja) * 2003-04-16 2004-11-11 Tdk Corp リチウムイオン二次電池
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