JPH11105687A - 制動装置 - Google Patents

制動装置

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JPH11105687A
JPH11105687A JP28468897A JP28468897A JPH11105687A JP H11105687 A JPH11105687 A JP H11105687A JP 28468897 A JP28468897 A JP 28468897A JP 28468897 A JP28468897 A JP 28468897A JP H11105687 A JPH11105687 A JP H11105687A
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brake
hydraulic pressure
fluid pressure
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time
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Touma Yamaguchi
東馬 山口
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Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキの応答特性を向上することができる
とともにコストを安くすることができる制動装置を提供
すること。 【解決手段】 本発明は、ブレーキペダル1と、ブレー
キペダル1の踏み込み量に応じたブレーキ液圧を発生す
るマスタシリンダ2と、上記ブレーキ液圧を検出して、
検出結果をマスタシリンダ液圧信号Sbとして出力する
液圧センサ3と、供給される指令電流Iによりスプール
弁(弁体)14の開閉を制御する液圧制御弁13と、マ
スタシリンダ液圧信号Sbから得られる目標液圧に対応
する指令電流Iを出力するコントローラ4と、ホイール
シリンダ27に付与されるブレーキ液圧を検出するブレ
ーキ液圧センサ28とを有し、コントローラ4は、上記
目標液圧とホイールシリンダ27に付与されているブレ
ーキ液圧との偏差量に応じた最大値出力時間分、最大値
の指令電流Iを出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両における車輪
の制動に用いられる制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両には、ブレーキペダルの
操作量に応じた制動力を車輪に対して付与する制動装置
が設けられている。この制動装置は、ブレーキペダルが
設けられたマスタシリンダと、上記マスタシリンダ内の
ブレーキ液圧を上記ブレーキペダルの操作量として検出
する液圧センサと、各車輪に各々設けられたホイールシ
リンダと、上記各ホイールシリンダと管路を介して接続
されブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧源と、上記管
路の途中に介挿されかつ一または複数の車輪に対応して
設けられた、ソレノイドを有する液圧制御弁と、装置各
部を制御するコントローラとを有している。
【0003】上記構成において、運転者によりブレーキ
ペダルが踏まれると、マスタシリンダ内のブレーキ液圧
が上昇する。このブレーキ液圧は液圧センサによりブレ
ーキペダルの操作量として検出され、該液圧センサから
は、ブレーキ液圧に応じたブレーキ液圧信号がコントロ
ーラへ出力される。これにより、コントローラは、制御
期間毎に、ブレーキ液圧信号から得られるブレーキ液圧
(以下、目標液圧と称する)を算出する。ここで、上記
目標液圧は、ホイールシリンダに印加すべきブレーキ液
圧であって、かつ車輪に対する制動力に対応している。
【0004】次に、コントローラは、算出した目標液圧
に応じた大きさの指令電流を液圧制御弁のソレノイドへ
出力する。これにより、スプール弁に対して電磁力によ
る推力が作用して、この結果スプール弁が移動される。
この結果、液圧制御弁が、指令電流の大きさに応じた開
度で弁開状態とされ、ブレーキ液圧源のブレーキ液圧が
管路および液圧制御弁を介して、ホイールシリンダへ伝
達され、車輪に対して目標液圧(指令電流)に応じた制
動力が作用する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の制動
装置において、ブレーキペダルが踏まれていない状態で
は、停止中のスプール弁に対してブレーキ液圧源からの
高圧のブレーキ液圧が作用するため、スプール弁がその
周壁に固着する。従って、従来の制動装置においては、
スプール弁が周壁に固着している状態で、プレーキペダ
ルが踏まれると、スプール弁が固着状態から移動可能な
状態になるまでにかなりの時間を要するという問題があ
った。
【0006】さらに、従来の制動装置において、ブレー
キペダルが踏まれた後にスプール弁が移動可能な状態と
されたとき、固着の反動でスプール弁が一時的に一気に
移動されるため、ホイールシリンダに作用するブレーキ
液圧が急峻な立ち上がりで上昇するという問題があっ
た。すなわち、従来の制動装置においては、ブレーキの
応答特性が悪いという問題があった。
【0007】ここで、図7(a)および(b)を参照し
て上述した従来の制動装置の問題点について詳述する。
今、図7(a)に示す時刻t0においては、ブレーキペ
ダルが踏まれていないものとする。従って、コントロー
ラにより算出された目標液圧(図7(b)破線参照)、
コントローラからソレノイドへ出力されている指令電流
(図7(a)参照)、およびホイールシリンダに作用し
ているブレーキ液圧(図7(b)実線参照)は、共にゼ
ロである。また、このとき停止中のスプール弁に対して
ブレーキ液圧源からブレーキ液圧が作用しているため、
スプール弁は、その周壁に固着している。
【0008】そして、図7(a)に示す時刻t1におい
て、ブレーキペダルが踏まれると、コントローラは、ブ
レーキペダルの踏み込み量に応じた目標液圧(図7
(b)参照)を算出した後、該目標液圧に応じた指令電
流(図7(a)参照)をソレノイドへ出力する。これに
より、スプール弁に対して電磁力による推力が作用す
る。しかしながら、スプール弁は、周壁に固着している
ためすぐには移動されず、時刻t1から所定時間経過し
た時刻t2においてスプール弁と周壁との間に作用して
いる固着力(摩擦力等)以上の力がスプール弁に作用す
ると、固着の反動で一気に移動する。
【0009】この結果、図7(b)に示すように、ホイ
ールシリンダに作用しているブレーキ液圧がゼロから、
目標液圧よりも高いピーク値Ppまで急峻な立ち上がり
で上昇するという、いわゆるオーバシュートが発生す
る。ここで、ブレーキ液圧源と液圧制御弁との間に両者
を連通・遮断するソレノイド弁を設けて、ブレーキが踏
まれていない間、上記ソレノイド弁を弁閉にして液圧制
御弁のスプール弁にブレーキ液圧が作用しないようにす
る方法もあるが、この方法は、コストアップになるとい
う問題がある。
【0010】本発明はこのような背景の下になされたも
ので、ブレーキの応答特性を向上することができるとと
もにコストを安くすることができる制動装置を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ブレーキペダ
ルの操作量に応じたマスタシリンダ液圧を発生するマス
タシリンダと、ブレーキ液圧を発生するアキュムレータ
と、前記アキュムレータとホイールシリンダとの間に設
けられ、前記アキュムレータから前記ホイールシリンダ
に付与されるブレーキ液圧を、前記マスタシリンダ液圧
に応じて制御する液圧制御弁とを有する制動装置におい
て、供給される指令電流に応じた駆動力で前記液圧制御
弁の弁体を駆動する駆動手段と、前記ホイールシリンダ
に付与されている前記ブレーキ液圧を検出するブレーキ
液圧検出手段と、前記マスタシリンダ液圧に基づいて、
前記ホイールシリンダに付与すべき目標液圧を求める目
標液圧算出手段と、前記目標液圧と前記ブレーキ液圧検
出手段により検出された前記ブレーキ液圧との差を偏差
量として求める偏差量算出手段と、前記偏差量算出手段
の算出結果に基づいて前記弁体が固着傾向にあるか否か
を判断する判断手段と、前記偏差量と、前記偏差量に応
じた、前記指令電流の最大値を出力する最大値出力時間
との関係を示すテーブルを記憶する記憶手段と、前記ブ
レーキペダルが操作された以後、前記テーブルに基づい
て、前記最大値出力時間を求めた後、該最大値時間分、
前記最大値の前記指令電流を前記駆動手段へ出力する制
御手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態に
よる制動装置の構成を示す図である。この図において、
1は、運転者により操作されるブレーキペダルであり、
マスタシリンダ2に接続されて同図に示す矢印Z方向に
移動自在に設けられている。
【0013】上記マスタシリンダ2は、ブレーキペダル
1の踏み込み量に応じたブレーキ液圧を発生する。3
は、液圧センサであり、ブレーキペダル1の操作量とし
ての、マスタシリンダ2が発生するブレーキ液圧を検出
して、検出結果をマスタシリンダ液圧信号Sbとして出
力する。
【0014】4は、装置各部を制御するコントローラで
あり、入力されるマスタシリンダ液圧信号Sbから、ブ
レーキペダル1の踏み込み量に応じた、後述するホイー
ルシリンダ27へ印加すべきブレーキ液圧(目標液圧)
に対応した電流を求めた後、これを指令電流Iとして出
力する。
【0015】また、コントローラ4には、時間を計時す
るタイマおよびメモリ(いずれも図示略)が内蔵されて
いる。上記タイマは、所定周期のクロックパルスをカウ
ントして、このカウント結果と上記1周期との積から時
間を求めるソフトタイマである。
【0016】また、上述したメモリには、図2に示す偏
差量/最大値出力時間変換テーブルが記憶されており、
偏差量/最大値出力時間変換テーブルは、偏差量を偏差
量/最大値出力時間に変換するときに用いられるテーブ
ルであり、偏差量と最大値出力時間との関係を一次式で
表したものである。
【0017】ここで、上記偏差量は、マスタシリンダ液
圧信号Sbから得られる目標液圧と後述するブレーキ液
圧信号Shから得られるブレーキ液圧との差である。ま
た、最大値出力時間は、指令電流Iの最大値Imaxをソ
レノイド17へ出力する時間である。
【0018】具体的には、コントローラ4は、偏差量が
pd1未満であるとき一定値たる最大値出力時間taを
得て、また偏差量がpd1以上pd3未満であるとき該
偏差量に比例した長さの最大値出力時間を得て、さらに
偏差量がpd3以上であるとき一定値たる最大値出力時
間tcを得る。
【0019】すなわち、図2において、偏差量/最大値
出力時間変換テーブルは、0から偏差量pd1まで一定
値(最大値出力時間ta)をとり、偏差量pd1から偏
差量pd3まで単調増加関数の値をとり、さらに偏差量
pd3以上で一定値(最大値出力時間tc(>ta)を
とる。
【0020】換言すれば、この偏差量/最大値出力時間
変換テーブルは、実験により得られた偏差量と最大値出
力時間との関係が一次式で近似されたものである。ま
た、偏差量/最大値出力時間変換テーブルにおける最大
値出力時間は、ブレーキ液圧に前述したオーバシュート
が発生しない時間として実験により求められたものであ
る。
【0021】図1に示す5は、ブレーキ液圧を発生する
ブレーキ液圧発生源であり、アキュムレータ6、モータ
7、ポンプ8、リザーバ9および液圧センサ10から構
成されている。上記アキュムレータ6は、ブレーキ液圧
を蓄圧するものである。モータ7は、コントローラ4か
ら供給されるモータ駆動信号SMにより回転駆動され、
ポンプ8を駆動する。このポンプ8の吐出口には、アキ
ュムレータ6とともに管路12の一端部が接続されてい
る。
【0022】ポンプ8は、回転駆動されることにより、
リザーバ9内のブレーキ液をアキュムレータ6側へ吐出
することにより、アキュムレータ6内のブレーキ液圧を
高める。
【0023】リザーバ9は、ブレーキ液を一時的に貯留
するものであり、貯留されているブレーキ液の液圧は、
大気圧に保持されている。液圧センサ10は、アキュム
レータ6内のブレーキ液圧を検出し、検出結果をアキュ
ムレータ液圧信号Saとしてコントローラ4へ出力し、
このアキュムレータ液圧信号Saは、モータ7の駆動制
御に用いられる。
【0024】すなわち、コントローラ4は、アキュムレ
ータ液圧信号Saから得られるアキュムレータ6内のブ
レーキ液圧がしきい値未満になったとき、該ブレーキ液
圧がしきい値以上となるまで、モータ駆動信号SMをモ
ータ7へ出力する。これによりアキュムレータ6内のブ
レーキ液圧が一定圧以上の所定範囲内に保持される。
【0025】液圧制御弁13は、図示しない一または複
数の車輪に対応して設けられており、コントローラ4か
ら供給される指令電流Iによりスプール弁(弁体)14
の複数の各ポートに対する開閉を制御する。ここで、図
1においては、説明を簡略化するため、一のホイールシ
リンダ27に対応する比例制御弁13のみが図示されて
いるが、他の各ホイールシリンダについても上述した液
圧制御弁13と同一構成の液圧制御弁が各々設けられて
いる。
【0026】液圧制御弁13において、15は、厚肉円
筒形状のスリーブであり、このスリーブ15には、内周
面から外周面までを貫通するアキュムレータポート15
aおよびホイールシリンダポート15bが各々形成され
ている。上記アキュムレータポート15aは、管路12
を介してアキュムレータ6に連通している。
【0027】16は、一端面が塞がれた円筒形状のヨー
クであり、スリーブ15の右方開口部に同軸状に、該開
口部を閉塞するようにして配設されている。すなわち、
ヨーク16の端面は、スリーブ15の端面に液密に接合
されている。17は、ヨーク16の内周面に沿って配設
されたソレノイドであり、このソレノイド17には、コ
ントローラ4から指令電流Iが供給される。18は、移
動部材であり、ヨーク16の内部に同図に示す矢印H1
またはH2方向に移動自在に設けられている。19は、
バネであり、ヨーク16の端面部材16aと移動部材1
8との間に介挿されており、同図に示す矢印H2方向
へ、スプール弁14に移動部材18が当接するように移
動部材18を付勢している。
【0028】20は、一方の端面が塞がれた厚肉円筒形
状のスリーブであり、その内径がスリーブ15の内径よ
り大とされている。このスリーブ20は、スリーブ15
の左方に同軸状に配設されており、スリーブ20の端面
は、スリーブ15の端面に液密に接合されている。ま
た、スリーブ20には、内周面から外周面までを貫通す
るリザーバポート20a、リザーバポート20bおよび
反力ポート20cが各々形成されている。
【0029】上記リザーバポート20aおよびリザーバ
ポート20bは、管路21を介してリザーバ9に連通し
ている。ここで、以下の説明においては、スリーブ20
の内部空間およびスリーブ15の内部空間を総称してシ
リンダ室20dと称する。
【0030】スプール弁14は、径小の円柱部材と径大
の円柱部材とが一体に形成されてなる段付構成となって
おり、シリンダ室20dに同図に示す矢印H1またはH2
方向に、一体的に移動自在に設けられている。このスプ
ール弁14は、シリンダ室20d内に液圧供給室20
f、反力室20gがその両端側に形成されている。ま
た、スプール弁14は、その位置により、アキュムレー
タポート15aと液圧供給室20fとの間にオリフィス
sを、リザーバポート20bと反力室20gとの間にオ
リフィスtを各々形成するようになっている。さらに、
スプール弁14は、その移動位置によって、上記オリフ
ィスs、tの開度を調整し、アキュムレータポート15
aとホイールシリンダポート15bとの間の連通、リザ
ーバポート20bと反力ポート20c(ホイールシリン
ダポート15b)との間の連通を各々調整するものであ
る。22は、スリーブ20の端面板20eとスプール弁
14の端面との間に介挿されたバネであり、スプール弁
14を同図に示す矢印H1方向に付勢する。
【0031】23は、一方の端部が分岐された管路であ
り、分岐された各一端がスリーブ15のホイールシリン
ダポート15bおよびスリーブ20の反力ポート20c
に各々接続されている。24は、一方の端部が分岐され
た管路であり、分岐された一方の一端がマスタシリンダ
2のブレーキ液圧出力端に接続されている。25は、コ
ントローラ4より供給される駆動信号S2により駆動さ
れる、フェールセーフ弁としての電磁弁であり、管路2
3、管路24および管路26の相互間の接続状態を変え
る弁である。
【0032】すなわち、電磁弁25は、駆動信号S2が
供給されていないとき同図に示す位置とされ、管路24
と管路26とを連通状態にする一方、管路23と管路2
6とを非連通状態にする。また、電磁弁25は、駆動信
号S2が供給されると駆動され、管路23と管路26と
を連通状態にする一方、管路24と管路26とを非連通
状態にする。そして、上記駆動信号S2は、コントロー
ラ4から出力され、該コントローラ4は、ブレーキペダ
ル1の操作が開始されたことをマスタシリンダ液圧信号
Sbに基づいて検出し、駆動信号S2の出力を開始する。
また、コントローラ4は、操作中のブレーキペダル1が
踏まれなくなった状態をブレーキ液圧信号Shに基づい
て検出して、上記駆動信号S2の出力を停止する。な
お、ブレーキ液圧発生源5、液圧制御弁13の故障等し
た場合には、上記駆動信号S2が出力されない。
【0033】ホイールシリンダ27は、各車輪に対応し
て設けられており、管路26、電磁弁25、管路23を
介して液圧制御弁13のホイールシリンダポート15b
および反力ポート20cに連通している。このホイール
シリンダ27は、管路12、液圧制御弁13、管路2
3、電磁弁25および管路26を介してアキュムレータ
6から印加されるブレーキ液圧に応じた制動力を車輪に
対して付与する。
【0034】28は、ホイールシリンダ27に付与され
るブレーキ液圧(ホイールシリンダ液圧)を検出するブ
レーキ液圧センサであり、検出結果をブレーキ液圧信号
Shとしてコントローラ4へ出力する。29は、車輪の
近傍に設けられた車輪速度センサであり、車輪の回転速
度を検出して検出結果を速度信号Svとしてコントロー
ラ4へアンチスキッド制御等に利用すべく出力する。
【0035】30は、管路24と管路31との間に介挿
された常閉電磁弁であり、コントローラ4から供給され
る駆動信号S3により駆動される。なお、上記駆動信号
S3の出力条件は、上述した駆動信号S2と同様である。
32は、管路31の端部に接続されたストロークシミュ
レータであり、運転者がブレーキペダル1を踏み込んだ
とき、管路24、常閉電磁弁30および管路31を介し
てマスタシリンダ2より流れ込むブレーキ液を貯留する
一方、運転者がブレーキペダル1の踏み込みをやめたと
き、貯留されたブレーキ液を管路31、常閉電磁弁30
および管路24を介してマスタシリンダ2へ戻す。すな
わち、ストロークシミュレータ32は、運転者がブレー
キペダル1を踏み込んだときの、いわゆる踏み込み感を
得るためのものである。
【0036】次に、上述した一実施形態による制動装置
の動作について、図3を参照しつつ説明する。図3は、
図1に示すコントローラ4の処理手順を示すフローチャ
ートである。図4(b)に示す時刻t0において、車両
の走行に際して運転者により図示せぬイクニッションス
イッチが操作されると、コントローラ4は、予め定めら
れた初期処理を実行した後、予め定められた制御周期T
毎に、ステップS1以下の処理を実行する。
【0037】また、今、図4(a)および(b)に示す
時刻t0において、ブレーキペダル1は、運転者により
操作されていないものとする。従って、このとき、マス
タシリンダ2内部のマスタシリンダ液圧は、ゼロであ
り、液圧センサ3からは、上記ゼロのマスタシリンダ液
圧に対応したマスタシリンダ液圧信号Sbが出力されて
いる。
【0038】また、ブレーキペダル1が運転者により操
作されていない状態において、スプール弁14は、オリ
フィスtが開いてリザーバポート20bと反力ポート2
0c(管路23)とが連通され、かつオリフィスsが閉
じてアキュムレータポート15aとホイールシリンダポ
ート15b(管路23)とが非連通される位置にある。
すなわち、ホイールシリンダ27につながる管路23
は、反力ポート20c、リザーバポート20bおよび管
路21を介してリザーバ9と連通しており、ホイールシ
リンダ27のブレーキ液圧は、図4(b)に示す大気圧
(0メガパスカル)である。従って、今の場合、ブレー
キ液圧センサ28からは、0メガパスカルに対応するブ
レーキ液圧信号Shがコントローラ4へ出力されてい
る。
【0039】図3に示すステップS1では、コントロー
ラ4は、内部に設けられた制御周期を計測するためのタ
イマの計時結果(経過時間)が制御周期T以上であるか
否かを判断し、同判断結果が「NO」の場合、同判断を
繰り返す。なお、ここでは、タイマの計時結果として
は、前述したイグニッションスイッチが操作されたとき
の初期処理によって、制御周期Tが初期設定されている
ものとする。
【0040】したがって、前記ステップS1の初回実行
時においては、前述したように、タイマの計時結果とし
て制御周期Tが既に初期設定されているので、コントロ
ーラ4は、ステップS1の判断結果を「YES」とし
て、ステップS2へ進む。ステップ2では、コントロー
ラ4は、マスタシリンダ液圧信号Sbを読み込み、この
マスタシリンダ液圧信号Sbの大きさからホイ一ルシリ
ンダ27に付与すべき目標液圧を演算設定した後、ステ
ップS3へ進む,今の場合、上記目標液圧は、イグニッ
ションスイッチの操作時にプレーキベダル1を踏み込ん
でいないならば、図4(b)の時刻t0に示すように、
0メガパスカルである。
【0041】ステップS3では、コントローラ4は、ブ
レーキ液圧信号Shをブレーキ液圧センサ28から読み
込むことによって、ホイールシリンダ27に付与されて
いるブレーキ液圧を得る。この場合も、イグニッション
スイッチの操作時にブレーキペダル1を踏み込んでいな
いならば、図4(b)の時刻t0に示すように、0メガ
パスカルである。
【0042】ステップS4では、コントローラ4は、内
部に設けられた後述する固着時間を計測するためのタイ
マtkの計測結果(固着計測時間)が予め設定されてい
る固着推定時間(図4(b)参照)以上であるか否かを
判断する。なお、前記ステップS4の初回実行時におい
ては、前述した制御周期を計測するためのタイマと同様
にして、イグニッションスイッチが操作されたときに、
初期処理によってゼロが初期設定されているので、判断
結果は「NO」となり、ステップS7へ進む。
【0043】ここで、固着推定時間とは、液圧制御弁1
3のスプール弁l4がシリンダ室20dの周壁に固着し
ているか否かを推定するときに用いられる判断のための
基準時間であり、予め行われた実験結果に基づくもので
ある。
【0044】ステップS7では、コントローラ4は、ス
テップS2で設定した目標液圧と、ステップS3で得た
ホイールシリンダ27に付与されているブレーキ液圧と
から、周知のPID制御を用いて液圧制御弁13のソレ
ノイド17に流す指令電流Iの値(以下、指令値と称す
る)を求めて、該指令値をメモリに記憶させた後、ステ
ップS8に進む。今の場合、プレーキペダル1がまだ踏
まれていないため、上記指令電流の指令値は、ゼロであ
る(図4(a)参照)。
【0045】ステップS8では、コントローラ4は、後
述する指令電流の最大値Imax (図4(a)参照)を出
力している時間を計測するタイマtmの計測結果を読み
出し、その計測結果が、後述するステップS6において
設定される最大値出力時間より小さいか否かを判定す
る。なお、前記ステップS7の初回実行時においては、
前述した制御周期を計測するためのタイマ等と同様にし
て、イグニッションスイッチが操作されたときに、初期
処理によって最大値出力時間としてゼロが初期設定され
ているので、判断結果は「NO」となり、ステップS1
0へ進む。
【0046】ステップS10では、コントローラ4は、
指令電流Iに関する上記処理以外に、前述のステップS
2,S3の結果から、ステップS2で設定した目標液圧
が0メガパスカルでないにもかかわらず、ステップS3
で読み込んだホイールシリンダ27に付与されているブ
レーキ液圧が0メガパスカルである場合には、前記ステ
ップS4で説明した固着時間を計測するためのタイマt
kの計測結果が+1だけインクリメントされる。
【0047】また、前述のステップS2,S3の結果か
ら、ステップS3で読み込んだホイールシリンダ27に
付与されているブレーキ液圧が0メガパスカルでない場
合には、前記ステップS4で説明した固着時間を計測す
るためのタイマtkの計測結果がゼロリセットされる。
【0048】さらに、ステップS10では、コントロー
ラ4は、前述したステップ8の処理の実行に基づいて、
前述した指令電流の最大値Imax (図4(a)参照)を
出力している時間を計測するタイマtmの計測結果が最
大値出力時間よりも小さい場合は、指令電流の最大値I
max(図4(a)参照)を出力している時間を計測する
タイマtmの計測結果を+1だけインクリメントする。
【0049】さらに、コントローラ4は、後述するステ
ップS8の処理の実行に基づいて、前述した指令電流の
最大償Imax (図4(a)参照)を出力している時間を
計測するタイマtmの計測結果が最大値出力時間以上の
場合は、指令電流の最大値Imax(図4(a)参照)を
出力している時間を計測するタイマtmの計測結果をゼ
ロリセットするとともに、最大値出力時間をゼロリセッ
トする。
【0050】コントローラ4は、これら処理を含むその
他の処理を本ステップS10で実行すると、ステップS
11へ進む。そして、ステップS11では、コントロー
ラ4は、ステップS7で求められた指令値に対応する指
令電流Iを、液圧制御弁13のソレノイドl7へ出力す
る。
【0051】したがって、今の場合は、イグニッション
スイッチの操作時にブレーキペダル1を踏み込むんでい
ないため、コントローラ4は、ゼロの指令値に対応する
指令電流Iをソレノイド17に出力した後、ステップS
1へ戻り、ステップS1以下の処理を繰り返す。
【0052】すなわち、液圧制御弁13は、オリフィス
tが開放されていることによって、管路23が、反力ポ
ート20c,反力室20g,及びリザーバポート20b
を介してリザーパ9と連通されている一方、オリフィス
sが閉塞されていることによって、液庄供給室20fに
はアキュムレータ9のブレーキ液圧が供給されず、管路
23内の液圧はリザーバ圧に保持されている。
【0053】そして、今、図4(b)に示す時刻t1に
おいてブレーキベダル1が踏まれたとすると、マスタシ
リンダ2から液圧は上昇する。これを受けて当該制御周
期では、コントローラ4は、ステップS2で、コントロ
ーラ4は、マスタシリンダ液圧信号Sbから得られるマ
スタシリンダ圧に基づいてホイールシリンダ27に付与
すベき目標液圧(≠0メガバスカル)を演算設定した
後、ステップS3の処理を実行する。
【0054】ステップS3では、コントローラ4は、ブ
レーキ液圧信号Shを読み込んでホイールシリンダ27
に付与されている液圧を得た後、ステップS4へ進む。
今の場合、図4(b)に実線で示すように、ホイールシ
リンダ27に付与されているブレーキ液圧は、まだゼロ
である(時刻t1)。
【0055】ステップS4では、コントローラ4は、固
着時間を計測ずるためのタイマtkの計測結果(固着計
測時間)が、予め設定されている固着推定時間(図4
(b)参照)以上であるか否かを判定する。今の場合、
ブレーキ踏み込み当初の制御周期においては、前回制御
周期においては、タイマtkは、まだインクリメントさ
れていないため、固着推定時間未満であるので、コント
ローラ4は「NO」と判断してステップS7へ進む。
【0056】ステップS7では、コントローラ4は、目
標液圧とホイールシリンダ27のブレーキ液圧とから、
周知のPID制御を用いて目標液圧に対応する指令電流
Iの指令値を求めてメモリに記憶させた後、ステップS
8へ進む。今の場合、ブレーキペダル1が踏み込まれて
いるため、指令電流Iの大きさは、ゼロより大きい値で
あり、指令値もこれに対応する値となっている。
【0057】ステップS8では、コントローラ4は、最
大値出力設定時間がまだゼロのままであり、「経過時間
≧最大値出力設定時間(経過時間≠0)」となることか
ら、判断結果を「NO」として、ステップSl0へ進
む。
【0058】ステップS10では、コントローラ4は、
指令電流Iに関する上記処理以外に、前述のステップS
2,S3の結果から、ステップS2で設定した目標液圧
が0メガパスカルでないにかかわらず、ステップS3で
読み込んだホイールシリンダ27に付与されているブレ
ーキ液圧が0メガパスカルであるので、前記ステップS
4で説明した固着時間を計測するためのタイマt2の計
時時間を+1だけインクリメントする。
【0059】さらにまた、コントローラ4は、前述した
ステップS8の処理の実行に基づいて、前述した指令電
流の最大値Imax (図4(b)参照)を出力している時
間を計測するタイマtmの計測結果(=0)が最大値出
力時間(=0)以上となっているので、指令電流の最大
値Imax (図4(a)参照)を出力している時間を計測
するタイマtmの計測結果をゼロリセットするととも
に、最大値出力時間をゼロリセットする。
【0060】すなわち、この場合、後述するステップS
6の処理で、まだ最大値出力時間が新たに設定されず、
最大値出力時間が前回のステップS10の処理の実行に
よってゼロリセットされたままになっているためによ
る。コントローラ4は、これら処理を含むその他の処理
を本ステップS10で実行すると、ステップS11へ進
む。そして、ステップS11では、コントローラ4は、
ステップS7で求められた指令値に対応する指令電流I
を液圧制御弁13のソレノイド17へ流すべく、指令値
を出力した後、ステップS1以下の処理を再度実行す
る。
【0061】これにより、液圧制御弁13のソレノイド
17には目標液圧に対応した指令値に対応する電流が流
れて、移動部材18は同図H2方向に付勢され、この結
果、スプール弁14には同図H2方向の推力が付与され
る。
【0062】今の場合、管路12を介してスプール弁1
4に対してアキュムレータ6からの高いブレーキ液圧が
作用していることにより、目標電流に対応した指令値に
対応する指令電流Iの出力当初では、スプール弁14が
シリンダ室20dの周壁に固着しているものとすると、
スプール弁14は、矢印H2方向の推力が作用している
にもかかわらず、同方向へは移動できない。すなわち、
スプール弁14とシリンダ室20dの周壁との間に作用
している固着力が、スプ一ル弁14に作用している矢印
H2方向の推力よりも大きい状態とされているため、ス
ブ一ル弁14は移動しない。
【0063】そして、その後、制御周期Tを重ねて、図
4(b)に示す時刻t2になったとすると、その当初の
制御周期では、固着時間を計測するためのタイマt2の
計時時間が固着推定時間(t2−t1)に対応するカウ
ント値以上になる。従って、コントローラ4は、この制
御周期におけるステップS4の処理において、判断結果
を「YES」として、ステップS5へ進む。
【0064】ステップS5では、コントローラ4は、ス
プール弁14が固着傾向にあるか否かを判断し、同判断
結果が「YES」のときはステップS6へ進む一方、同
判断結果が「NO」の場合のときはステップS7へ進
む。具体的には、コントローラ4は、ステップS3にお
いて得られたホイールシリンダ27に付与されているブ
レーキ液圧が0メガパスカルであるときにスプール弁1
4は固着傾向と判断する
【0065】一方、ホイールシリンダ27に付与されて
いるブレーキ液圧が0メガパスカルよりも大きいときに
は、ホイールシリンダ27に液圧制御弁13を介してア
キュムレータ6からブレーキ液圧が供給され、固着状態
は解除されていると判断する。
【0066】今の場合、上述したようにスプール弁14
がシリンダ室20dの周壁に固着しているため、ホイー
ルシリンダ27に付与されているブレーキ液圧が0メガ
パスカルであり、ステップS5の判断結果は「YES」
である。従って、コントローラ4は、次の処理としてス
テップS6へ進む。ステップS6では、コントローラ4
は、メモリに予めデータとして記憶されている図2に示
すブレーキ液圧偏差量/最大値出力時間変換テーブルに
基づいて、図4(a)に示す最大値Imaxを指令電流と
して出力する時間(最大値出力時間)を設定する。すな
わち、本処理において、初期設定において、ゼロが設定
されていた最大値出力時間が、前記ステップS6で得ら
れた値(≠0)に更新される。
【0067】具体的には、コントローラ4は、まず、ス
テップS2で設定された目標液圧と、ステップS3で得
られたホイールシリンダ27に付与されているブレーキ
液圧との偏差量を求める。今、上記偏差量は、図2で示
すpd2であるものとする。従って、コントローラ4
は、ブレーキ液圧偏差量/最大値出力時間変換テーブル
を用いて、偏差量pd2に対応する最大値出力時間tb
を設定した後、ステップS7へ進む。
【0068】ステップS7では、コントローラ4は、目
標液圧とホイールシリンダ27のブレーキ液圧とから、
周知のPID制御を用いて指令電流の指令値を求めてメ
モリに記憶させた後、ステップS8へ進む。今の場合、
ブレーキペダルが踏み込まれているため、指令電流Iの
大きさは、ゼロより大きい値である。
【0069】ステップS8では、コントローラ4は、前
記ステップS6で偏差量pd2に対応する最大値出力時
間tb(≠0)が設定され、後述のステップS10で計
測される指令電流の最大値Imax (図4(a)参照)を
出力している時間を計測するタイマtmの計時時間は依
然としてゼロで、最大値出力時間tbになっていないの
で、ステップS9の処理を実行する。
【0070】ステップS9では、コントローラ4は、前
記ステップS7で得られた指令電流の指令値を予め定め
られた最大値Imax(図4(a)参照)に更新した後、
ステップ10へ進み、その他の処理を実行した後、ステ
ップS11へ進む。ここで、ステップ10では、コント
ローラ4は、指令電流Iに関する上記処理以外に、前述
のステップS2,S3の結果から、ステップS2で設定
した目標標液圧が0メガパスカルでないにかかわらず、
ステップS3で読み込んだホイールシリンダ27に付与
されているブレーキ液圧が0メガパスカルである場合に
は、前記ステップS4で説明した固着時間を計測するた
めのタイマt2の計時時間を+1だけインクリメントす
る。
【0071】さらにまた、コントローラ4は、前述した
ステップ8の処理の実行に基づいて、前述した指令電流
の最大値Imax(図4(a)参照)を出力している時間
を計測するタイマtmの計測結果が最大値出力時間より
も小さくなっているので、指令電流の最大値Imax(図
4(a)参照)を出力している時間を計測するタイマt
mの計測結果を+1だけインクリメントする。
【0072】ステップS11では、コントローラ4は、
図4(a)に示す最大値Imaxの指令値が出力し、これ
により液圧制御弁13のソレノイド17には指令電流I
maxが供給される一方、コントローラ4は、ステップS
1へ戻り、上述したステップS1以降の処理を繰り返
す。
【0073】そして、最大値Imaxの指令電流が液圧制
御弁13のソレノイド17を流れると、ソレノイド17
が移動部材18に及ぼす電磁力が、飛躍的に増大する。
これにより、移動部材18がスプール弁14に及ぼす矢
印H2方向の推力が増大するため、スプール弁14は、
シリンダ室20との固着力に抗して、矢印H2方向へ移
動し始めるようとする。
【0074】そして、この結果、スプール弁14が、シ
リンダ室20dとの固着力に抗して、矢印H2方向へ移
動すると、オリフィスtが閉塞されることによって、管
路23が、反力ポート2Oc,反力室2Og,及びリザ
ーバポート20bを介してリザ−パ9との連通が遮断さ
れる一方、オリフィスsが開放されることによって、液
圧供給室20fにはアキュムレータ9のブレーキ液圧が
供給され、管路23内にはブレーキ液圧源5のアキュム
レータ6からブレーキ液が供給されるようになる。
【0075】そして、この際には、既に電磁弁25も液
圧制御弁13とホイールシリンダ27とを連通するよう
に切り換わっているので、ホイールシリンダ27にブレ
ーキ液圧源5のアキュムレータ6からブレーキ液が、液
圧制御弁13を介して供給されるようになる。
【0076】そして、今、図4(a)において、時刻t
2から最大値出力時間tbだけ経過した時刻t3になっ
たとすると、その当初に当たる制御周期において、ステ
ップS8において、指令値の最大値Imax (図4(a)
参照)を出力している時間を計測するタイマtmの計測
結果が最大値出力時間tb以上となるため、判断結果を
「NO」としてステップS10,11に進む。
【0077】これにより、ステップS10では、前述し
たステップS8の処理の実行に基づいて、前述した指令
電流の最大値Imax(図4(a)参照)を出力している
時間を計測するタイマtmの計測結果は、最大値出力時
間以上となっているので、指令電流の最大値Imax(図
4(a)参照)を出力している時間を計測するタイマt
mの計測結果をゼロリセットするとともに、最大値出力
時間をゼロリセットする。
【0078】また、ステップS9の処理が実行されない
ので、ステップS11においては、ステツブS7で、目
標液圧とホイールシリンダ27のブレーキ液圧とから、
周知のPID制御を用いて目標液圧に対応する指令電流
Iの指令値が、指令電流の最大値Imaxに代えて出力さ
れるようになる。
【0079】これにより、ソレノイド17の周囲に発生
している磁界の強さが最大値から上記指令値まで減少す
ることにより、移動部材18に作用している付勢力をも
減少する。この結果、スプール弁14に作用している付
勢力が最大値から定常値まで減少する。この結果、図4
(b)に実線で示すブレーキ液圧が、同図に破線で示す
目標液圧付近までオーバシュートすることなく増加す
る。
【0080】また、図6(b)に示すように目標液圧と
ブレーキ液圧との偏差量が、上述した偏差量pd2(図
2参照)より小さいpd1であるものとすると、上述し
た動作と同様にして、最大出力値時間は、図6(a)に
示すtaとされる。ここで、最大値出力時間taは、図
4(a)に示す最大値出力時間tbより短い時間であ
り、上記偏差量に応じた値である。この結果、図6
(a)に示す最大値Imaxの指令電流Iの出力が停止さ
れた直後であっても、ブレーキ液圧はオーバシュートす
ることなく安定的に増加する。
【0081】ここで、仮に、図5(b)に示すように目
標液圧とブレーキ液圧との偏差量が、pd1であるにも
かかわらず、最大値出力時間をtaより長いtb(図5
(a)参照)とした場合には、図5(b)に示す時刻t
2の直後においてブレーキ液圧がオーバシュート(部分
A参照)する。
【0082】これは、偏差量が小さいにもかかわらず、
最大値Imaxの指令電流Iが必要時間以上にソレノイド
17へ出力されたからである。すなわち、最大値Imax
の指令電流Iがソレノイド17へ出力された直後におい
ては、ソレノイド17がシリンダ室20dの周壁に所定
の摩擦力をもって固着している。
【0083】そして、最大値Imaxの指令電流Iがソレ
ノイド17へ出力されてから最大値出力時間taが経過
した時点では、矢印H2方向へ付勢されている付勢力
が、ソレノイド17とシリンダ室20dの周壁との間に
作用している摩擦力より大きくなる。この結果、スプー
ル弁14の固着状態が解除される。
【0084】しかしながら、上記固着状態が解除された
直後であってもさらに最大値Imaxの指令電流Iがソレ
ノイド17へ出力され続けているため、スプール弁14
に対して必要以上の付勢力が作用する。この結果、スプ
ール弁14が必要以上の変位量をもって、移動するた
め、ホイールシリンダ27に作用しているブレーキ液圧
にオーバシュートが発生するのである。
【0085】以上説明したように、本発明の一実施形態
による制動装置によれば、目標液圧とブレーキ液圧との
偏差量に応じて、最大値Imaxの指令電流Iを出力すべ
き時間(最大値出力時間)を変化させているので、オー
バシュートが発生することなく、ブレーキの応答特性を
向上させることができる。
【0086】また、上述した一実施形態による制動装置
によれば、アキュムレータ6と液圧制御弁13との間
に、ソレノイド弁を設けることなくブレーキの応答特性
を向上させることができるので、上記ソレノイド弁の分
だけ部品点数を減らすことができ、ひいてはコストを安
くすることができるという効果が得られる。
【0087】以上図面を参照して本発明の実施形態によ
る制動装置について説明してきたが、具体的な構成は上
述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の
要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に
含まれる。例えば、一実施形態による制動装置において
は、図2に示す偏差量/最大値出力時間変換テーブルを
用いて、最大値出力時間を設定する例について説明した
が、これに限定されることなく、一次式で表される偏差
量/最大値出力時間変換テーブルに代えて、マップを用
いてもよい。このマップは、偏差量と最大値出力時間と
の関係を実験により求めたデータからなるものである。
【0088】また、上述した一実施形態による制動装置
においては、図2に示す偏差量/最大値出力時間変換テ
ーブルについて説明したが、この図に示す偏差量と最大
値出力時間との関係を示す特性は一例であって、これに
限定されるものではない。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ブ
レーキペダルが操作された以後、テーブルに基づいて、
最大値出力時間を求めた後、該最大値時間分、最大値の
指令電流を駆動手段へ出力しているので、弁体が固着し
ている場合であっても、ブレーキ液圧がオーバシュート
が発生することなく、ブレーキの応答特性を向上させる
ことができるという効果が得られる。また、本発明によ
れば、従来の制動装置のごときアキュムレータと液圧制
御弁との間にソレノイド弁を設けることなく、ブレーキ
の応答特性を向上させることができるので、上記ソレノ
イド弁の部品点数を減らすことができ、ひいてはコスト
を安くすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による制動装置の構成を
示す図である。
【図2】 図1に示すコントローラ4のメモリに記憶さ
れている偏差量/最大値出力時間テーブルを示す図であ
る。
【図3】 本発明の一実施形態による制動装置における
コントローラ4の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図4】 同一実施形態による制動装置の動作を説明す
る図である。
【図5】 同一実施形態による制動装置の効果を説明す
る図である。
【図6】 同一実施形態による制動装置の動作を説明す
る図である。
【図7】 従来の制動装置の欠点を説明する図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2 マスタシリンダ 3 液圧センサ 4 コントローラ 5 ブレーキ液圧発生源 6 アキュムレータ 12 管路 13 液圧制御弁 14 スプール弁 15 スリーブ 17 ソレノイド 18 移動部材 20 スリーブ 20d シリンダ室 23 管路 26 管路 27 ホイールシリンダ 28 ブレーキ液圧センサ I 指令電流 Sb マスタシリンダ液圧信号 Sh ブレーキ液圧信号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルの操作量に応じたマスタ
    シリンダ液圧を発生するマスタシリンダと、ブレーキ液
    圧を発生するアキュムレータと、前記アキュムレータと
    ホイールシリンダとの間に設けられ、前記アキュムレー
    タから前記ホイールシリンダに付与されるブレーキ液圧
    を、前記マスタシリンダ液圧に応じて制御する液圧制御
    弁とを有する制動装置において、 供給される指令電流に応じた駆動力で前記液圧制御弁の
    弁体を駆動する駆動手段と、 前記ホイールシリンダに付与されている前記ブレーキ液
    圧を検出するブレーキ液圧検出手段と、 前記マスタシリンダ液圧に基づいて、前記ホイールシリ
    ンダに付与すべき目標液圧を求める目標液圧算出手段
    と、 前記目標液圧と前記ブレーキ液圧検出手段により検出さ
    れた前記ブレーキ液圧との差を偏差量として求める偏差
    量算出手段と、 前記偏差量算出手段の算出結果に基づいて前記弁体が固
    着傾向にあるか否かを判断する判断手段と、 前記偏差量と、前記偏差量に応じた、前記指令電流の最
    大値を出力する最大値出力時間との関係を示すテーブル
    を記憶する記憶手段と、 前記ブレーキペダルが操作された以後、前記テーブルに
    基づいて、前記最大値出力時間を求めた後、該最大値時
    間分、前記最大値の前記指令電流を前記駆動手段へ出力
    する制御手段と、 を具備することを特徴とする制動装置。
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