JPH11105158A - 制振遮音シートの製造方法 - Google Patents

制振遮音シートの製造方法

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JPH11105158A
JPH11105158A JP13056798A JP13056798A JPH11105158A JP H11105158 A JPH11105158 A JP H11105158A JP 13056798 A JP13056798 A JP 13056798A JP 13056798 A JP13056798 A JP 13056798A JP H11105158 A JPH11105158 A JP H11105158A
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JP
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damping
sound
vibration
water
insulating sheet
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JP13056798A
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English (en)
Inventor
Koichi Adachi
浩一 足立
Tetsuya Kusano
哲也 草野
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制振遮音シート内部に均一な孔径を有する気
孔を、高気孔率となるように均一に分散することによ
り、安定した圧縮性及びカット性が付与された制振遮音
シートの製造方法を提供する。 【解決手段】 合成樹脂又はゴム成分のエマルジョンと
高比重充填剤とからなる水系スラリーより制振遮音シー
トを製造する際に、該水系スラリー内に気体を含ませた
後制振遮音シートに賦形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制振遮音シートの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】木質フローリング床材の使用や多所帯住
宅等が近年増加していることによって、集合住宅及び一
般個建住宅において、下階への床騒音を防止しようとす
る要求が益々増大している。床騒音を防止するために、
近年では上階の床下と下階の天井との間に、制振遮音材
や遮音材が用いられている。
【0003】制振遮音材として、例えば、特開平8−2
07187号公報には、高比重充填剤とバインダー樹脂
成分とからなる制振遮音性に優れたものが提案されてい
る。この制振遮音材では、例えば、バインダー樹脂成分
の架橋反応と余分な水分を乾燥させることによって気孔
率を制御する。
【0004】しかしながら、上記制振遮音材では、緩衝
性を向上させるために、樹脂量を減らしたり、架橋反応
により発泡するなどして気孔率を高めているが、気孔を
均一に分散させることが難しくばらつきがあるため、圧
縮性や施工時のカット性等の品質が安定しないという問
題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、制振
遮音シート内部に均一な孔径を有する気孔を、高気孔率
となるように均一に分散することにより、安定した圧縮
性及びカット性が付与された制振遮音シートの製造方法
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の制振遮音シート
の製造方法は、高比重充填剤と合成樹脂又はゴム成分の
エマルジョンとからなる水系スラリーより制振遮音シー
トを製造する際に、該水系スラリー内に気体を含ませた
後制振遮音シートに賦形したり、前記水系スラリーに、
水架橋性ウレタンプレポリマーを混合した後気体を供給
して撹拌混合し、硬化させることを特徴とするものであ
る。
【0007】本発明の製造方法によって得られる制振遮
音シートは、合成樹脂又はゴム成分のエマルジョンと高
比重充填剤とからなる水系スラリーから形成される。
【0008】上記合成樹脂又はゴム成分のエマルジョン
としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂
系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、塩化ビニ
ル系エステル共重合体エマルジョン、SBR(スチレン
ブタジエンゴム)エマルジョン、NBR(ニトリルブタ
ジエンゴム)エマルジョン等が好適に使用される。これ
らは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されて
もよい。上記ゴム成分としては、無加硫のものが好まし
く、変性されたものであってもよい。
【0009】上記高比重充填剤は、比重2以上のものが
好ましく、より好ましくは比重4以上である。比重が2
未満では制振遮音性が低くなることがある。このような
高比重充填剤としては、例えば、砂鉄、鉄粉、酸化鉄、
炭酸カルシウム、ジルコンサンド、クロマイトサンド、
製鉄スラグ粉、珪砂、鉛粉、酸化錫、酸化亜鉛、硫酸バ
リウム、硫化鉄、マイカ、水酸化アルミニウム、タル
ク、クレー等が挙げられる。
【0010】上記高比重充填剤としては、粉体状、繊維
状、鱗片状など、いずれの形状でも使用可能であるが、
粉体状のものが合成樹脂又はゴム成分へ混合し易いので
好ましい。また、上記高比重充填剤の粒径は、2mm以
下が好ましく、より好ましくは5〜500μmである。
上記高比重充填剤の粒径が2mmを超えると、均一な混
合がしにくくなり、得られる制振遮音シートの性能が不
均一になり易い。
【0011】上記制振遮音シートに含まれる高比重充填
剤の割合は、70〜99.5重量%が好ましく、より好
ましくは80〜99重量%である。高比重充填剤の割合
が、70重量%未満では制振遮音性の優れた高比重の制
振遮音シートが得られ難くなり、99.5重量%を超え
ると、バインダー成分が不足して高比重充填剤との均一
な混合がし難くなる。
【0012】上記制振遮音シートに含まれるバインダー
成分の配合量は、上記高比重充填剤100重量部に対し
て0.5〜30重量部が好ましく、より好ましくは1〜
20重量部である。配合量が、0.5重量部未満ではバ
インダー成分が不足して十分な強度を有する制振遮音シ
ートが得られ難くなり、30重量部を超えると制振遮音
シートの制振遮音性が低下することがある。
【0013】上記水系スラリーは、上記合成樹脂又はゴ
ム成分のエマルジョンに高比重充填剤を混合した後、分
散剤として水を加えて調整し、スラリー状とすることに
より得られる。上記水系スラリーの粘度は、低くなり過
ぎても高くなり過ぎても、制振遮音シートの成形時に、
厚みや形状を制御し難くなるため、3,000〜10
0,000cpsが好ましい。この際粘度を調節するた
めに、可塑剤、増粘剤、加工助剤、顔料などが添加され
てもよい。
【0014】本発明の製造方法において、上記水系スラ
リーに水架橋性ウレタンプレポリマーを混合してもよい
(特に、粘度の低い水系スラリーを使用する場合は極め
て有効)。この水架橋性ウレタンプレポリマーはゲル化
剤として使用され、ポリオールとポリイソシアネートと
の反応により得られる末端にNCO基を含有するプレポ
リマーであって、例えば、水と反応して架橋体を形成し
硬化する。
【0015】上記ポリオールとしては、例えば、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリ
オキシアルキレンポリオール;ポリエステルポリオー
ル、ポリカプロラクトンポリオール、ダイマー酸エステ
ルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ブタジエ
ンポリオール、アクリルポリオール、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体の加水分解物、クロロプレンポリオール等
が挙げられる。
【0016】上記ポリイソシアネートとしては、例え
ば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニル
メタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリ
フェニルイソシアネート(C−MDI)、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(X
DI)、イソホロンジイソシアネート、水素添加XD
I、水素添加MDI等が挙げられる。
【0017】上記ウレタンプレポリマーは、水系スラリ
ーに対する分散性を考慮すると、親水性であることが好
ましい。ポリオール成分としては、例えば、ポリエチレ
ングリコールとポリプロピレングリコールとを、モル比
85:15の割合で含有し、イソシアネート成分とし
て、トリレンジイソシアネート(TDI)及び/又はジ
フェニルメタンジイソシアネート(MDI)を含有し、
末端NCOの割合が5モル%程度であるプレポリマーが
好ましい。
【0018】また、上記プレポリマーの分子量として
は、通常、重量平均分子量(Mw)800〜30,00
0が好ましく、より好ましくは2,000〜20,00
0であり、さらに、数平均分子量(Mn)500〜1
0,000が好ましく、より好ましくは800〜8,0
00である。
【0019】上記制振遮音シートの取り扱い強度を向上
させるために、その少なくとも一面にシート状面材が積
層されてもよい。上記シート状面材としては、例えば、
不織布、紙、発泡シート等が好適に使用されるが、取扱
い強度上からは、合成繊維製の不織布が好ましい。合成
繊維としては、例えば、ナイロン、ポリエステル、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等の合成繊維が挙げられる。
【0020】上記合成繊維製不織布の製造方法として
は、例えば、スパンボンド法、メルトブロー法、フラッ
シュ紡糸法、トウ開繊法、バーストファイバー法等のい
ずれの方法が用いられてもよい。
【0021】上記合成繊維製不織布の目付けは、10〜
150g/m2 の範囲が好ましく、より好ましくは、2
0〜80g/m2 の範囲である。目付けが、10g/m
2 未満では、制振遮音シートの成形時にシート状面材が
破断することがあり、150g/m2 を超えると、水系
スラリー内の液体成分のしみ込み方が安定しないため、
厚み精度が出にくくなる。
【0022】上記制振遮音シート全体の厚みは、1〜3
0mmが好ましく、より好ましくは1.5〜20mmで
ある。厚みが、1mm未満では、制振遮音性が不充分と
なることがあり、且つ、製造し難くなることがある。ま
た、厚みが、30mmを超えると制振遮音シートが重く
なりすぎて施工性が低下することがある。
【0023】本発明の製造方法で得られる制振遮音シー
トは、内部に気孔を有する。気孔としては、均一な孔径
を有し、しかも均一に分散されていることが好ましい。
気孔率としては、30〜60%が好ましく、より好まし
くは35〜50%である。気孔率が、30%未満では制
振遮音シートの衝撃荷重に対する緩衝性が不十分となる
ことがあり、60%を超えると制振遮音シートの比重が
小さくなるため、制振遮音性が不十分となり、かつ圧縮
荷重に対する変形が大きくなることがある。
【0024】上記気孔率は、制振遮音シートの見掛け体
積中に存在する気孔の見掛け体積に対する割合をいい、
制振遮音シートの見掛け比重、及び配合組成から計算さ
れた真比重を用いて、以下の式より計算される。 気孔率(%)=〔1−(見掛け比重/真比重)〕×10
【0025】上記制振遮音シートは、例えば、図1にて
概要を示す製造装置を使用して製造される。まず、撹拌
機1aを装備したタンク2a内に、高比重充填剤及び樹
脂又は無加硫ゴムのエマルジョンを供給し、必要に応じ
て、水を加えて水系スラリー3を調製する。上記水系ス
ラリー3をタンク2aからチューブポンプ5aによって
管路内を移送させ、必要に応じて、水架橋性ウレタンプ
レポリマー4をタンク2bからチューブポンプ5bによ
って管路内を移送させ、パイプラインミキサー7へそれ
ぞれ供給する。
【0026】上記無加硫ゴムのエマルジョンを含有する
水系スラリー3と水架橋性ウレタンプレポリマー4とを
混合する場合、水系スラリー3中のエマルジョンの固形
成分と水架橋性ウレタンプレポリマー4との重量比は、
反応速度、分子量、温度等によって異なるが、通常、3
0:1〜0.5:1が好ましく、より好ましくは10:
1〜1:1である。
【0027】上記無加硫ゴムのエマルジョンが、水架橋
性ウレタンプレポリマー4に対して重量比30:1を超
えると、製造時の形状保持性が低下することがあり、重
量比0.5:1を下回ると、無加硫ゴムによる制振遮音
性の発現が不十分となることがある。
【0028】上記パイプラインミキサー7中では、撹拌
機1cの羽根8を回転させて、水系スラリー3と気体
(ポンプ5cより送られてきた)とを撹拌混合し、気泡
を含有する混合スラリーを調製する。このとき、水架橋
性ウレタンプレポリマー4は、必要に応じてポンプ5b
で送られる。
【0029】上記気体をパイプラインミキサー7へ供給
する時期は、水架橋性ウレタンプレポリマー4の供給と
同時又は供給直後のいずれであってもよい。上記気体と
しては、特に制限はないが、制振遮音シートに連続した
気孔を形成すること、低コストであることなどの条件を
勘案すると、空気が好ましい。
【0030】上記気体の混合量としては、水系スラリー
3の水分量によっても異なるが、水系スラリー100に
対して1〜30の割合の容積比で混合することが好まし
い。混合量が、1未満では施工時のカット性が不十分と
なり、30を超えると圧縮性が低下する。
【0031】混合時の気体の温度は、混合スラリーの温
度±10℃が好ましく、この範囲を超えると混合後の気
体の収縮や膨張が大きくなり、制振遮音シートの厚み精
度を保つことが困難となる。また、混合スラリーを混合
する工程は、通常、室温で行うことが好ましい。
【0032】気体を混合する際に、気体の圧力が高すぎ
ると硬化時に制振遮音シート表面が平面化し難く、制振
遮音シートの厚みがばらつくことがあるので、混合スラ
リーへの気体混合圧力は2kg/cm2 以下が好まし
い。
【0033】上記水系スラリー3、水架橋性ウレタンプ
レポリマー4及び気体は、連続して一定量ずつ混合する
ことが好ましい。このために、水系スラリー3、水架橋
性ウレタンプレポリマー4の移送には、例えば、チュー
ブポンプ5a、5bがそれぞれ用いられる。また、気体
の供給には、特に限定されないが、ポンプ、コンプレッ
サー等が用いられ、機械的に逆流防止機構が備わってい
るものが好ましい。また、上記撹拌混合は、密閉系で強
制的に行うことが好ましく、このためには、密閉された
パイプラインミキサー7やスタティックミキサーを用い
ることが好ましい。
【0034】上記混合スラリーから、塗工、押出し、注
型等の成形方法によって制振遮音シートを成形するが、
特に生産効率上から塗工による連続生産が好ましい。ま
た、水架橋性ウレタンプレポリマー4を使用する場合、
硬化までの工程は、通常、室温で行うことが好ましい。
【0035】図1に示す塗工装置では、上記水系スラリ
ー3、必要に応じて、水架橋性ウレタンプレポリマー4
及び空気が撹拌混合された混合スラリー10を管路を通
じてパイプラインミキサー7から塗工槽11へ供給し、
塗工槽11の下方を矢印方向に移動するシート状面材1
上に所定の厚みとなるように塗工する。
【0036】混合スラリー10の塗工厚みは、塗工槽1
1に設置されたナイフコーター16の高さを変えること
によって調節することができる。また、混合スラリー1
0を、シート状面材1の幅方向に滞留がなく均一に塗工
するために、混合スラリー10の吐出口9をシート状面
材1の幅方向に往復運動させるためのトラバース機構1
5が備えられていてもよい。
【0037】上記シート状面材1は、ロール状物21の
回転に伴って矢印方向へ巻き戻され、回転するロール1
2に接しながら搬送される。上記混合スラリー10を塗
工する位置はロール12上が好ましい。この位置におい
て、シート状面材1がロール12と接した状態で混合ス
ラリー10の塗工を行なうことにより、ナイフコーター
16の下端によって混合スラリー10を押圧する際にシ
ート状面材1に撓みを生じることがなく、均一な厚みの
塗工が可能となる。
【0038】上記シート状面材1上に塗工された混合ス
ラリー10の上面に、必要に応じて、ロール状物22か
ら矢印方向に巻き戻された別のシート状面材2を重ね合
わせた後圧着することにより、2枚のシート状面材1,
2の間に気孔を含有する混合スラリー層(図示しない)
が形成された制振遮音シートを得る。この制振遮音シー
トを、カッター14によって所定のサイズに切断し乾燥
することによって、制振遮音シート製品を得る。
【0039】上記混合スラリーの塗工及びシート状面材
との積層は、エマルジョンが乾燥し皮膜が形成する前、
又は水架橋性ウレタンプレポリマーを使用する場合は、
架橋反応が完了するまでに終了することが好ましい。
【0040】上記塗工時に混合スラリーは、配管中及び
塗布槽中で滞留させないように、移送又は塗工すること
が好ましい。また、混合スラリー中に、余分な水分があ
る場合は、乾燥によって除去することが好ましい。
【0041】上記制振遮音シートは、主として住宅の上
層階の振動や音の伝搬を減衰する目的で、住宅の上層階
の木質系床仕上げ材と床下地材との間に敷いて用いられ
る。この場合、床仕上げ材としては、主として合板の表
面に直接化粧板を貼り合わせたフローリング材が用いら
れ、必要に応じてMDF(ミディアムデンシティファイ
バーボード)を併用したフローリング材が用いられるこ
ともある。上記床仕上げ材は、色、サイズ、厚み等は特
に制限されないが、厚みは6〜20mmが好ましく、床
仕上げ材の裏面には溝加工が施されていてもよい。
【0042】上記床下地材としては、一般に使用されて
いる構造用合板や構造用パネル等が用いられる。構造用
合板は、広葉樹単板又は針葉樹単板が単独もしくは併用
されて積層された積層体である。構造用パネルとして
は、パーティクルボード、ストランドボード、ウェーハ
ーボード等が用いられる。床下地材の材質、サイズ、厚
み等は、特に限定されない。
【0043】
【作用】本発明の製造方法で得られた制振遮音シート
は、合成樹脂又はゴム成分のエマルジョンと高比重充填
剤とからなる水系スラリーに、気体を混合させることに
よって、内部の気孔(気体)の分散が均一となるため、
圧縮性やカット性において安定した品質が付与される。
【0044】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明を更
に詳しく説明する。
【0045】 (実施例1) (A液組成) ・砂鉄(高比重充填剤、比重:4.6、粒径:200メッシュパス) 1000重量部 ・無加硫カルボキシ変性SBRエマルジョン(無加硫ゴムエマルジョン、日本 合成ゴム社製「JSR−0619」、固形分:48重量%、比重:1.0) 62重量部 ・メチルセルロース(増粘剤、信越化学社製「メトローズ90SH30000 」) 2重量部 ・水 150重量部
【0046】(B液) ・水架橋性ウレタンプレポリマー(トリレンジイソシネ
ート、第一工業製薬社製「モノタック305」)を使用
した。
【0047】図1に示したタンク2a内に、上記配合量
の水及びバインダー成分(無加硫カルボキシ変性SBR
エマルジョン)を投入し、さらに撹拌機1aで撹拌しな
がら、砂鉄及びメチルセルロースを同時に少しづつ投入
して、スラリー状のA液を得た。別途、図1に示したタ
ンク2b内にB液を入れ、チューブポンプ5a,5bに
よって、A液及びB液をそれぞれパイプラインミキサー
7に供給した。また、B液の供給と同時にコンプレッサ
ー(図示しない)に接続されたバルブ5cを開いて空気
をパイプラインミキサー7に供給し、A液:B液:空気
=100:3:5の容積比となるように、撹拌回転数1
900rpmで撹拌混合して、混合スラリー10を得
た。
【0048】上記混合スラリー10を、図1に示した装
置の吐出口9をトラバースさせながら塗工槽11に供給
し、ロール12上でシート状面材1に塗工した。次い
で、塗工された混合スラリー10上に別のシート状面材
2を重ね合わせて積層した後、一対のロール17a,1
7bで引き取りながらカッター14で50cm×50c
mのサイズに切断した。得られた積層体を70℃で8時
間乾燥して、図2に示すように、シート状面材1,2間
に制振遮音層Aを有する制振遮音シート(厚み6mm、
面密度13.8kg/m2 、気孔率46%)を得た。
尚、シート状面材1,2として、ポリエステル不織布
(目付量:50g/m2 )を用いた。
【0049】(実施例2) A液:B液:空気=100:3:10の容積比となるよ
うに、撹拌回転数2100rpmで撹拌混合して、混合
スラリーを得たこと以外は、実施例1と同様にして、制
振遮音シート(厚み6mm、面密度13.2kg/
2 、気孔率50%)を得た。
【0050】 (実施例3) (C液組成) ・砂鉄(高比重充填剤、比重:4.6、粒径:200メッシュパス) 975重量部 ・EVAエマルジョン(住友化学社製「スミカフレックス#500」、固形分 :50重量%、比重:1.0) 60重量部 ・水 20重量部 上記C液組成を用いて、水架橋性ウレタンプレポリマー
は混合せずに、C液:空気=100:12の容積比とな
るように、撹拌回転数2100rpmで撹拌混合して、
混合スラリーを得たこと以外は、実施例1と同様にし
て、制振遮音シート(厚み6mm、面密度14.1kg
/m2 、気孔率43%)を得た。
【0051】(比較例1)空気を混合しなかったことこ
と以外は、実施例1と同様にして、制振遮音シート(厚
み6mm、面密度15.0kg/m2 、気孔率41%)
を得た。
【0052】(比較例2)空気を混合せず、A液:B液
=100:10の重量比となるように、撹拌回転数21
00rpmで撹拌混合して、混合スラリーを得たこと以
外は、実施例1と同様にして、制振遮音シート(厚み6
mm、面密度13.4kg/m2 、気孔率49%)を得
た。
【0053】(比較例3)空気を混合しなかったこと以
外は、実施例3と同様にして制振遮音シート(厚み6m
m、面密度16.0kg/m2 、気孔率24%)を得
た。
【0054】上記実施例及び比較例で得られた制振遮音
シートにつき、下記(1)及び(2)の性能評価を行っ
た。 (1)圧縮性評価 制振遮音シートを、床下地材である20mm厚のパーテ
ィクルボード上に置き敷きし、その上に床仕上げ材であ
る12mm厚のフローリング材を酢酸ビニルペースト系
接着剤(積水化学社製、商品名「エスダイン床タイル
用」)を用いて接着し、さらに、フローリング材上から
長さ25mmのフィニッシュネイルを釘打ちして一体化
し、サイズ50cm×50cmの三層構造の床構成体を
作製した。次いで、この床構成体の中心部に直径50m
mの円柱台を置き、さらに円柱台に80kgの荷重を加
え60秒後の歪み量をサンプル数10で測定し、その結
果を表1に示した。尚、床構成体は、四隅部、各辺の中
央部及び中心部の9箇所にフィニッシュネイルによる釘
打ちを行った。
【0055】
【表1】
【0056】(2)カット性評価 NTカッターを用いて、6mm厚、50mm幅の制振遮
音シートを完全に切りきるまでに要するNTカッターの
使用回数をカウントし、表2に示した。尚、NTカッタ
ーの刃は、1回切断する毎に新しい刃と取り替えた。
【0057】
【表2】
【0058】実施例は、全て4回以内の使用回数で完全
に切りきることが可能であった。しかしながら、比較例
では、完全に切りきるまでに5回以上の使用回数が必要
なものがあった。また、使用回数が少ないものについて
は、孔径が約2〜4mmの大きな気孔が認められた。大
きな気孔は、フローリング施工時に釘打ちによって凹み
が生じたり、フローリング表面に波打ちが起こる原因と
なった。
【0059】
【発明の効果】本発明の制振遮音シートの製造方法は、
上述の構成であり、得られる制振遮音シートの内部に均
一な孔径を有する気孔が、高気孔率となるように均一に
分散されているので、安定した圧縮性及びカット性を有
する制振遮音シートを提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる製造装置の1例を示す模式
図である。
【図2】本発明で得られる制振遮音シートの一例を示す
模式断面図である。
【符号の説明】
1,2 シート状面材 2a,2b タンク 3 水系スラリー 4 水架橋性ウレタンプレポリマー 7 パイプラインミキサー 9 吐出口 10 混合スラリー 11 塗工槽 14 カッター 16 ナイフコーター A 制振遮音層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂又はゴム成分を主成分とするバ
    インダー成分と高比重充填剤とからなり、内部に気孔を
    有する制振遮音シートを製造する際に、合成樹脂又はゴ
    ム成分のエマルジョンと高比重充填剤とからなる水系ス
    ラリーに、気体を含ませた後制振遮音シートに賦形する
    ことを特徴とする制振遮音シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 合成樹脂又はゴム成分を主成分とするバ
    インダー成分と高比重充填剤とからなり、内部に気孔を
    有する制振遮音シートを製造する際に、合成樹脂又はゴ
    ム成分のエマルジョンと高比重充填剤とからなる水系ス
    ラリーに、水架橋性ウレタンプレポリマーを混合した後
    気体を供給して撹拌混合し、硬化させることを特徴とす
    る制振遮音シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 得られる制振遮音シートの気孔率が30
    〜60%である請求項1又は2記載の制振遮音シートの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記水系スラリーに、水架橋性ウレタン
    プレポリマーを混合した後気体を供給して撹拌混合する
    工程を密閉系で行うことを特徴とする請求項2又は3記
    載の制振遮音シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 高比重充填剤と樹脂又はゴム成分のエマ
    ルジョンとからなる水系スラリーに水架橋性ウレタンプ
    レポリマーを混合し、さらに気体を供給して撹拌混合し
    た後、得られた混合スラリーをシート状面材上に連続的
    に塗工し、硬化させることを特徴とする請求項2、3又
    は4記載の制振遮音シートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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