JPH11104680A - 温度制御型微生物担体及び生物学的浄化装置 - Google Patents

温度制御型微生物担体及び生物学的浄化装置

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JPH11104680A
JPH11104680A JP27276297A JP27276297A JPH11104680A JP H11104680 A JPH11104680 A JP H11104680A JP 27276297 A JP27276297 A JP 27276297A JP 27276297 A JP27276297 A JP 27276297A JP H11104680 A JPH11104680 A JP H11104680A
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JP
Japan
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microorganism carrier
temperature
carrier
microorganism
heater
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JP27276297A
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Tetsuya Nishi
哲也 西
Shinichi Sato
眞市 左藤
Tetsuo Yamaguchi
哲生 山口
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Sekisui Kasei Co Ltd
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Sekisui Plastics Co Ltd
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浄化対象の水や空気の温度が低い場合でも、
所望の浄化能力を得るための微生物担体及び生物学的浄
化装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 絶縁体11で被覆されたヒータを備えた
微生物担体1であり、該微生物担体が、その表面近傍の
温度をヒータにより所定温度に維持し得るように構成さ
れていることを特徴とする温度制御型微生物担体及びこ
れを用いた生物学的浄化装置により上記課題を解決す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度制御型微生物
担体及び生物学的浄化装置に関する。更に詳しくは、水
質浄化及び臭気浄化に使用される温度制御型微生物担体
及び生物学的浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】微生物
の生物活動を利用して、水や空気を浄化する方法が水質
浄化分野や臭気浄化分野に使われている。その一方法と
して、微生物を保持しうる担体(以下、微生物担体とも
いう)を浄化対象の水や空気と接触させて、その表面に
微生物の膜(以下、微生物膜ともいう)を形成し、微生
物膜の作用により浄化する方法が知られている(例え
ば、特開平8−71334号)。
【0003】この微生物を利用した浄化方法の欠点とし
て、冬季に水温或いは気温が下がることにより、生物活
動が弱まり、浄化能力が低下することが挙げられる。特
に、水中での微生物によるアンモニア態窒素の亜硝酸態
窒素或いは硝酸態窒素への酸化反応に寄与するアンモニ
ア酸化細菌、亜硝酸酸化細菌は、一般的に増殖速度が遅
く、特に低温では著しく、これら細菌による酸化反応も
顕著に進まなくなることが知られている。従って、水温
が低い場合は、生物にとって有毒なアンモニア態窒素、
亜硝酸態窒素の浄化が行われずに浄化水に含まれたまま
放流される、或いは脱窒反応がおこらなくなる恐れがあ
った。
【0004】一定の浄化能力を維持する方法としては、
浄化装置を設計するに際して、浄化能力が低下する冬季
に合わせてより大きな規模の仕様とすることが考えられ
る。しかしながら、より大きな規模の仕様にすること
は、浄化装置を建設するためのコストがより多く必要と
なるという問題を生じる。また、別の方法として、生物
活動を促進するために、浄化対象の水や空気そのものを
シーズヒータ等を用いて温めることも考えられる。しか
し、浄化対象の水や空気の量が、莫大であることを考え
ると、これらに要する熱量からみて現実的ではない。特
に、比熱の大きい水においては、非現実的である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の問
題点を解決するために鋭意検討した結果、微生物担体の
みを温めることにより、浄化対象の水や空気の温度が低
くても、所望の浄化能力が得られることを見いだし本発
明に到った。かくして、本発明によれば、絶縁体で被覆
されたヒータを備えた微生物担体であり、該微生物担体
が、その表面近傍の温度をヒータにより所定温度に維持
し得るように構成されていることを特徴とする温度制御
型微生物担体が提供される。
【0006】更に、本発明によれば、上記微生物担体
が、浄化槽内に設置されてなり、水質の浄化又は臭気の
浄化に使用される生物学的浄化装置が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の微生物担体は、少なくと
も絶縁体で被覆されたヒータからなる。本発明の微生物
担体を水質又は臭気の浄化に用いると、浄化対象の水や
空気全体を温める必要はなく、微生物担体に付着した微
生物の近辺だけを温めることができる。そのため、加温
に要する熱量は、浄化対象の水や空気全体を温めるのに
要する熱量に比べるとはるかに少なくすることができ
る。
【0008】本発明に使用できるヒータは、微生物担体
の表面近傍の温度を所定の温度以上に維持することがで
きさえすれば、特に限定されない。例えば、サーミスタ
等をその構成要素として使用することができる。サーミ
スタとしては、PTC(Positive Tempe
rature Coefficient)素子が挙げら
れる。
【0009】本発明の微生物担体は、数年単位といった
長期的な範囲で使用されるため、長期間メンテナンスの
必要のないヒータを使用することが好ましい。特に、水
質浄化に使用される微生物担体では、メンテナンスが不
要であることは重要な要件の1つである。従って、温度
を制御するためのセンサや回路を別途設ける必要がな
く、ヒータ自体が温度を制御する特性を有するものを使
用することが好ましい。特に、ヒータ素子としてPTC
素子は、温度の上昇により抵抗が増大する性質を有して
いるため、本発明のヒータの構成要素として使用するこ
とが好ましい。以下、PTC素子を使用した例について
説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0010】ここで、PTC素子は、1つの微生物担体
に1つ使用してもよいが、1つの微生物担体に複数個用
いてもよい。複数個用いる場合は、各PTC素子の任意
の位置に通電のための電極を形成し、各PTC素子間を
電線で接続する必要がある。なお、この電線にもPTC
素子の発熱により熱が伝わるので、微生物担体の表面近
傍の温度の維持に寄与させることができる。PTC素子
の形状は、所望する微生物担体の形状に応じてテープ
状、らせん状、円柱状、角柱状、シート状又はプレート
状等を適宜選択することができる。但し、微生物担体の
生物学的浄化装置内での充填効率を考慮すると、できる
だけ小さいか及び/又は薄いことが好ましい。なお、本
発明におけるヒータには、PTC素子そのものの他、P
TC素子とPTC素子に電圧を印加するための電線との
組み合わせも含まれる。
【0011】次に、本発明ではヒータの表面を絶縁体で
被覆することにより微生物担体が形成される。ヒータを
絶縁体で被覆する理由は、微生物担体は、その表面に微
生物を保持させるために、常に水で濡らされた状態にあ
るため、この水によりヒータが短絡することを防止する
ためである。PTC素子を覆う絶縁体の厚さは、微生物
担体の耐久性に影響がでない範囲内で、できるだけ薄い
方が、消費電力が少なくなる観点から好ましい。具体的
には、厚さは、0.8〜5.0mmの範囲であることが
より好ましい。
【0012】本発明における微生物担体の形状は、特に
限定されることはなく、所望の形状とすることができ
る。例えば、テープ状、らせん状、円柱状、角柱状、シ
ート状又はプレート状等の形状を有していることが好ま
しい。更に、微生物担体の表面或いは微生物担体の内部
に、伝熱部材を介在させることにより、微生物担体の表
面の温度の低い部分を補い、温度分布をより均一にする
ことができる。
【0013】微生物担体の表面には、微生物担体の微生
物を保持する能力を向上させるために、微生物保持手段
を形成してもよい。この微生物保持手段は、絶縁性を有
していても、絶縁性を有していなくてもよい。微生物保
持手段としては、凹凸、エッチングによる粗面等が挙げ
られる。こうした凹凸、エッチングによる粗面等によ
り、微生物担体表面の表面積が大きくなり、微生物の付
着量を多くすることができる。エッチングによる粗面を
形成する方法として、酸によるエッチング法を使用する
ことができる。また、酸によるエッチング時に、超音波
を付与すれば、均一な凹凸を微生物担体の表面に形成す
ることができるので好ましい。更に、植毛等の微生物保
持手段を微生物担体の表面上に設けてもよい。また更
に、微生物担体を固定するために、微生物担体の上端
に、でっぱりや穴等の担体支持手段を形成してもよい。
ここで、上端を固定すれば、浄化中に微生物担体が揺れ
ることにより汚泥や余分な生物膜を落とすことができる
ので、微生物担体の表面に付着する汚泥や生物膜を適切
な量に維持することができる。
【0014】微生物担体の具体的な構成としては、例え
ば、図1(a)〜(c)に示す如き構成が挙げられる。
図1中、1は微生物担体、2は担体支持手段、3は電
源、4は植毛を意味する。図1(a)は、ヒータを絶縁
体で覆っただけの最も単純な構造であり、微生物担体1
の表面は平滑である。図1(b)は、表面をエッチング
処理して、凹部を形成した、所謂凹タイプ微生物担体で
ある。図1(c)は、表面に植毛4を施した、所謂凸タ
イプ微生物担体である。図1(b)及び(c)の微生物
担体は、図1(a)に比べて表面積が大きいため、より
多くの生物膜を保持することができる。
【0015】上記のように、本発明では、ヒータとして
PTC素子を使用することができるので、その特性を生
かし、微生物担体の表面近傍の温度をある一定以上に制
御することができる。すなわち、微生物担体内部の熱伝
導率を考慮し、微生物担体表面近傍が所望の温度以上に
なったところで、微生物担体内部のPTC素子表面がス
イッチング温度の領域を迎えるような構成に微生物担体
を設計することが可能である。ここで、スイッチング温
度とは、ある環境下に置かれたPTC素子自身の制御温
度を意味する。
【0016】このようにPTC素子を用いれば、素子自
身が素子温度を制御するので、従来のシーズヒータに見
られるような制御回路及びスイッチングに要する接点が
必要なくなり、材料費等を低減できること、故障がない
こと、メンテナンスフリーであること等の長所がうまれ
る。微生物担体の表面近傍の温度は、本発明の微生物担
体を設置する浄化装置の安全性、使用する微生物の種類
に応じて適宜設定される。例えば、水中のアンモニア態
窒素や亜硝酸態窒素の酸化反応を期待する場合、一般的
に、微生物担体表面近傍の温度を10℃以上にすること
が好ましい。さらに好ましくは、15℃以上である。特
に、10〜50℃の範囲が好ましい。
【0017】また、微生物担体を水質浄化に使用する場
合には、その浄化対象の水の中に微生物担体を浸す必要
がある。また、臭気浄化に使用する場合には、微生物担
体の表面に付着した微生物は生物活動するために水を必
要とするので、微生物担体表面を常に水に濡れた状態に
維持することが望ましい。なお、微生物は、浄化対象の
水又は空気と微生物担体を接触させることにより、自然
発生させることができるが、予め微生物を植えつけてお
いてもよい。
【0018】PTC素子には、有機系及び無機系のPT
C素子が知られている。有機系のPTC素子とは、例え
ば、カーボンブラックをプラスチックに混入し、電子線
照射等で架橋して安定化させたものが挙げられる。一
方、無機系のPTC素子とは、金属酸化物の複合焼結体
が挙げられる。この内、ヒステリシス特性のない、安定
した抵抗−温度特性を得ることができる無機系のPTC
素子が好ましい。
【0019】無機系のPTC素子は、配合時には各金属
酸化物の配合比で、焼成時には焼成条件で、電極形成時
には電極形状や面積を適宜調整することにより、スイッ
チング温度、素子抵抗、温度係数、消費電力等のPTC
素子の特性を任意に変えることができる。この内、スイ
ッチング温度は−50〜350℃の範囲で変えることが
できる。PTC素子は、自己温度制御特性を有するが、
ここで、自己温度制御特性とは、以下の特性を意味す
る。環境温度のPTC素子に及ぼす温度が、スイッチン
グ温度より低い場合、PTC素子の電気抵抗は小さいた
めに電流は多く流れる。そのため、PTC素子の発熱量
が大きくなり、PTC素子自身の温度は、スイッチング
温度付近まで上昇する。しかし、スイッチング温度を越
えると、PTC素子は、高抵抗化して絶縁体となる。よ
って、PTC素子自身の温度がスイッチング温度を越え
て上昇すると、抵抗が増大するために、PTC素子に流
れる電流が徐々に絞られ、発熱量が小さくなる。発熱量
が小さくなるに伴い、PTC素子自身の温度が低下し、
スイッチング温度付近まで低下すると、今度は、低抵抗
化して半導体となる。そのため流れる電流が多くなり、
発熱量が大きくなる。つまり、PTC素子は、半導体領
域と絶縁体領域をいったりきたりすることにより、発熱
量をコントロールし、一定の温度を維持することができ
る。その結果、省電力を実現することができる。なお、
環境温度が急変しない限り、PTC素子が維持する温度
(即ち、スイッチング温度)は常に一定である。また、
環境温度が急変したとしても、PTC素子がスイッチン
グ温度に達するまでに要する時間は、数秒程度である。
【0020】無機系のPTC素子としては、公知のもの
をいずれも使用することができる。例えば、チタン酸バ
リウム(BaTiO3 )を主成分とし、これに他の金属
が置換或いは添加されたものが挙げられる。他の金属と
しては、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(C
a)、マンガン(Mn)、ディスプロシウム(Dy)、
ケイ素(Si)等が挙げられる。これら成分を組み合わ
せることにより、所望の特性のPTC素子を得ることが
できる。PTC素子の製造方法は、特に限定されず、そ
れぞれの成分の金属又はその化合物を、生成・焼成する
方法が挙げられる。
【0021】使用できる絶縁体は、特に限定されない。
例えば、ゴム及びプラスチックは、被覆が容易であるた
め好ましい。ゴムには、天然ゴム、ブタジエンゴム、エ
チレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、イソプレ
ンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルゴム、ク
ロロスルホン化ゴム、シリコーンゴム、フルオロシリコ
ーンゴム、フッ素樹脂ゴム等が挙げられる。また、プラ
スチックには、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ−4−メチル
ペンテン−1、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキシ
ド樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩
化ビニル等が挙げられる。しかしながら、これらに限定
されることはない。
【0022】上記ヒータと絶縁体の好ましい組み合わせ
は、安全性、耐久性、加工性の面から、無機系のPTC
素子とプラスチックの組み合わせである。更に好ましい
プラスチックは、絶縁性の高いプラスチックである。P
TC素子のプラスチックによる被覆方法は、熱ラミネー
ト法、押出法、射出成形法等の他、PTC素子にプラス
チックの前駆体を塗布した後、加熱又は光照射により硬
化させる方法が挙げられる。この内、押出法は、均一な
厚さの被覆を簡便に得ることができるので好ましい。
【0023】更に、本発明によれば、上記微生物担体が
浄化槽内に設置されてなる生物学的浄化装置が提供され
る。生物学的浄化装置の構成は、特に限定されず、使用
する環境、使用しうる電源電圧と短絡電流の大きさに応
じて適宜設計することができる。一般的には、水質が悪
いほど又は臭気が多いほど、微生物担体を多く設置する
必要がある。但し、あまり多くすると、微生物担体間で
微生物による目詰まりが起きるので、目詰まりが生じな
い範囲で設置することが好ましい。微生物担体は、浄化
装置内で、少なくとも1点で支持されていることが好ま
しい。
【0024】微生物担体のヒータの電気的接続法は、例
えば、電源を1つ使用し、この電源に並列及び/又は直
列で接続する方法や、複数の電源を使用し微生物担体を
複数個のブロックに分け、ブロック毎に並列及び/又は
直列で電源と接続する方法が挙げられる。具体的には、
図2(a)及び(b)や図3(a)及び(b)に示す如
き構成が挙げられる。図2(a)及び図3(a)は、水
質浄化用の生物学的浄化装置の概略上面図であり、図2
(b)及び図3(b)は、それぞれ図2(a)及び図3
(a)のX−X間の概略断面図である。
【0025】図2(a)及び(b)に示す生物学的浄化
装置には、担体支持手段2を備えた微生物担体1が使用
されている。浄化槽5の上面には、微生物担体1の幅方
向の断面より大きいが、担体支持手段2の幅方向の断面
より小さい穴が複数設けられた担体支持具が設置され、
テープ状の微生物担体1は、担体支持具6の穴を通すこ
とにより上端で支持されている。担体支持具6により並
べられた微生物担体1のヒータは、電線7により1つの
電源3及びブレーカー14に接続されている。
【0026】図3(a)及び(b)に示す生物学的浄化
装置は、微生物担体1と電源3との接続法が異なること
以外は、図2(a)及び(b)と同じ構成を有してい
る。図から明らかなように、微生物担体1は、複数個の
ブロックに分けられ、ブロックごとに電源3及びブレー
カー14が設けられている。図3の装置は、ブレーカー
容量が小さい場合に好適である。
【0027】上記図には示していないが、水質によって
は散気装置を加えてもよい。また、メンテナンスを容易
にするために、生物学的浄化装置の底部に汚泥溜めを設
けてもよい。なお、本発明の生物学的浄化装置の構成
は、上記図2(a)及び(b)や図3(a)及び(b)
に限定されることなく、浄化対象、使用する環境、使用
しうる電源等に応じた好適な構成を採用することができ
る。
【0028】本発明の微生物担体及び生物学的浄化装置
は、河川、湖沼、海等の水質汚染の除去、下水、し尿や
工場廃水の処理、工場や下水・し尿処理場の排出ガスの
処理等の用途に使用することができる。
【0029】
【実施例】次に、本発明を、具体的な実施例に基づいて
説明する。 実施例1 (Ba0.61Sr0.24Ca0.15)TiO3 +0.003D
y+0.0008Mn+0.02Siの組成を有し、
8.2mm×6.0mmの角形で、1.6mmの厚さの
偏平な直方体形状のPTC素子8を、公知の窯業的手法
で製造した。
【0030】PTC素子8の最大面積を有する一対の面
において、その長さ方向の両端付近には、それぞれ端辺
から1.5mmまでの範囲にオーミック性の銀ペースト
及びカバー用銀ペーストを焼き付けて電極9を形成し
た。これらPTC素子8を、素子間隔5cm(20個/
m)で電線7に並列に接続して図4に示すような構成と
した。図4中、10は素子固定部材を意味する。
【0031】図4のPTC素子及び電線をポリ塩化ビニ
ル(絶縁体)11で被覆することにより、図5及び図6
に示すような表面が平滑なテープ状の微生物担体(10
00mm×17mm×3.6mm)を作製した。図5
は、長手方向の概略断面図を示し、図6は図5のII−II
間の幅方向の概略断面図を示している。この実施例1の
微生物担体は、水中にて電気的絶縁が保たれるよう樹脂
封止加工されている。図5中、12は末端封止部を意味
する。
【0032】上記微生物担体の抵抗−環境温度特性を、
浄化槽の中に7℃の水を流し、微生物担体の表面が15
℃以上となるような条件下で測定した。微生物担体を構
成するPTC素子1個当たり100V印加時の抵抗−環
境温度特性を図7に示す。図7から明らかなように、微
生物担体を構成するPTC素子のスイッチング温度は1
9℃である。従って、この微生物担体を使用すれば、絶
縁樹脂の熱伝導により使用時の微生物担体表面近傍の温
度が18℃に維持される。なお、微生物担体の1本あた
りの消費電力は、4.5Wであり、表面積は412cm
2 であった。
【0033】図2(a)及び(b)に示すように、一辺
1mの立方体の浄化槽5に、微生物担体1を浄化槽の表
面積(6m2 )と同じ本数、即ち、146本を一辺1m
の正方形全体にまんべんなく浄化槽の上面から垂らすよ
うに12本×12〜13本になるように設置した。電源
電圧は100Vとした。この浄化槽内に、水温7℃の水
を自然対流で流入させた。図中、矢印は水の流れを示
し、紙面に対して左から右へ水が流れている。このとき
のPTC素子の総電力量は、660Wと計算される。こ
の総電力量は、微生物担体表面近傍の温度を15℃以上
に維持するための電力量であり、浄化対象の水全体を温
める電力量ではない。
【0034】比較例1 図8(a)及び(b)に示す如き、一辺1mの立方体の
浄化槽5の向かい合った2面に従来のシーズヒータであ
るパネルヒータ13を設置した。図8(b)は、図8
(a)のX−X間の概略断面図である。電源電圧は10
0Vとした。この浄化槽内に、水温7℃の水を自然対流
で流入させた。浄化槽全体を15℃以上にするための総
電力量は、熱伝達係数を5.8×102 W/m2 Kとし
て、9300Wと計算される。この総電力量は、浄化対
象の水全体を温めた場合の電力量である。
【0035】上記の実施例1及び比較例1において、1
5℃以上を維持した微生物担体に付着する生物膜の表面
積は同じであるが、それに要する熱量の差は、実施例1
の場合に比べて、比較例1の場合は14倍も要する。こ
の差は、実施例1の微生物担体の表面を、エッチング等
で処理して表面積を大きくすれば、さらに広がる。 実施例2 電力を要しても構わない場合において、実施例1と同じ
微生物担体を使用して、その本数を、例えば、浄化槽内
に5cm間隔で400本設置し、浄化槽内での充填量を
上げた。電源電圧を100Vとした時、消費電力は、1
800Wに増加した。従って、浄化対象の水との接触効
率を高めることができた。また上記のように、ヒータ表
面のエッチング等の操作と併用することによりさらなる
浄化効率の向上が期待できる。
【0036】
【発明の効果】所定の微生物担体を非加熱で流入水温の
まま浄化槽に導入すると、冬季に水温或いは気温が下が
ることにより、生物活動が低下し、微生物による浄化能
力が著しく低下することがある。また、浄化対象の水や
空気そのものをシーズヒータ等を用いて温めたとして
も、供給電力が大きくなり、ランニングコストが大きく
なるので、非現実的である。
【0037】しかし、本発明のようなヒータを絶縁体で
覆った微生物担体を用いた場合、微生物活動に適した表
面近傍の温度を維持し、その表面積が大きくとれるの
で、冬季における浄化槽内の微生物担体の表面近傍の温
度を所望温度に保つことができる。従って、浄化効率を
通年維持することができるとともに、そのランニングコ
ストを低く抑えることができる。
【0038】本発明では、ヒータにPTC素子を使用し
た場合、ヒータ自体が温度を制御する特性を有している
ので安全である。また、PTC素子は、温度に対して電
気抵抗が変化するので、更に省電力化を促進することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微生物担体の概略図である。
【図2】本発明の生物学的浄化装置の概略上面及び断面
図である。
【図3】本発明の生物学的浄化装置の概略上面及び断面
図である。
【図4】本発明の微生物担体の絶縁体被覆前の概略斜視
図である。
【図5】本発明の微生物担体の長手方向の概略断面図で
ある。
【図6】本発明の微生物担体の幅方向の概略断面図であ
る。
【図7】本発明の微生物担体を構成するPTC素子1つ
に100V印加した時の抵抗−環境温度特性を示すグラ
フである。
【図8】比較例1の生物学的浄化装置の概略上面及び断
面図である。
【符号の説明】
1 微生物担体 2 担体支持手段 3 電源 4 植毛 5 浄化槽 6 担体支持具 7 電線 8 PTC素子 9 電極 10 素子固定部材 11 絶縁体 12 末端封止部 13 パネルヒータ 14 ブレーカー

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体で被覆されたヒータを備えた微生
    物担体であり、該微生物担体が、その表面近傍の温度を
    ヒータにより所定温度に維持し得るように構成されてい
    ることを特徴とする温度制御型微生物担体。
  2. 【請求項2】 ヒータが、それ自体に温度制御特性を有
    する請求項1の微生物担体。
  3. 【請求項3】 ヒータが、PTC素子を少なくとも含む
    請求項2の微生物担体。
  4. 【請求項4】 微生物担体が、その表面で微生物を保持
    する請求項1〜3いずれか1つの微生物担体。
  5. 【請求項5】 絶縁体が、微生物を保持する担体として
    機能する請求項1〜4いずれか1つの微生物担体。
  6. 【請求項6】 微生物担体が、水中のアンモニア態窒素
    を酸化反応により亜硝酸態窒素或いは硝酸態窒素へ安定
    的に変換するために使用される請求項1〜5のいずれか
    1つの微生物担体。
  7. 【請求項7】 所定の温度が、10℃以上である請求項
    1〜6のいずれか1つの微生物担体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1つの微生物担
    体が、浄化槽内に設置されてなり、水質の浄化又は臭気
    の浄化に使用される生物学的浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR19990084137A (ko) * 1999-09-16 1999-12-06 신현준 온도유지 및 조절이 가능한 미생물 접촉 여재

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