JPH11104421A - 板状濾材 - Google Patents

板状濾材

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JPH11104421A
JPH11104421A JP26909397A JP26909397A JPH11104421A JP H11104421 A JPH11104421 A JP H11104421A JP 26909397 A JP26909397 A JP 26909397A JP 26909397 A JP26909397 A JP 26909397A JP H11104421 A JPH11104421 A JP H11104421A
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filtration
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JP26909397A
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Yoshiharu Okumura
由治 奥村
Yuhei Maeda
裕平 前田
Katsunori Matsuda
克典 松田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】異物による濾圧上昇や生成異物の脱落による製
品への混入を低減し、高効率の濾過を長期間にわたって
安定に行う。 【解決手段】差圧30mmH2O時における通気量が0.5
〜10L/cm2/minである主として金属繊維よりなる板状
濾材において、金属繊維の表面が実質的に耐熱性の無機
化合物類で被覆されていることを特徴とする板状濾材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は板状濾材、詳しくは
主として金属繊維より構成され、重合体の製造時および
紡糸、製膜などの成形時に使用される濾過精度に優れ濾
圧上昇の小さい改良された板状濾材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル、ナイロン、アクリ
ルなどの重合時、及び重合されたこれらのポリマーを用
いて製糸あるいは製膜などの成形を行う際にはポリマー
中の異物を除去する目的で濾過が行われている。
【0003】濾過の方法としては、一般に粒状のサンド
を濾材として用い、サンド層を把持するための金網を併
用する方法が多く用いられてきたが、近年では金属粒子
を焼結して成型したもの、金属繊維を焼結して成型した
もの、あるいはこれらを積層したものなど濾材そのもの
を板状に成型した板状濾材が多く用いられている。この
うち、金属繊維からなる濾材、特に不織布状の細い金属
繊維を焼結して得られる板状濾材は3次元的に金属繊維
がランダムに且つ密に圧縮積層されており、ポリマー中
の異物除去性能が高く、他の濾材と比較して濾圧も小さ
いことからポリマー用濾材として最近多く使用されてい
る。このような板状濾材を使用し、製糸などの成形を安
定に行うためには板状濾材にはより精度が高く(絶対濾
過径が小さく)、また経時的な濾圧上昇が小さいという
特性を有することが要求される。この要求に応えるため
に、例えば特開昭62−125013号公報では、ポリ
エステルの紡糸パック内で使用するステンレススチール
繊維からなる不織布濾材の絶対濾過径を巻き取り糸条の
単繊維繊度にあわせて設定することにより濾圧の上昇を
抑制する方法が記載されている。しかし、該公報に記載
されている方法は単に紡糸に使用する濾材の選択に当た
り、要求される精度以上に高度な濾材を使用することに
よって生じる不必要な濾圧上昇トラブルを回避ための濾
材の選択方法を述べているにすぎず、より高い製糸安定
性を目指して濾過を強化した際の濾圧の上昇に対して何
ら解決のための方法を示唆するものではない。
【0004】他の例として、特開平4−174706号
公報には圧縮強度が大きく、濾圧による圧縮変形を受け
にくいステンレススチール不織布からなる濾材が記載さ
れている。かかる濾材を使用すると濾材の圧縮変形に起
因する濾圧の上昇については抑制できるものの、濾圧上
昇要因の本質である濾材中の異物による濾圧の上昇を抑
制する効果は期待できない。
【0005】このように絶対濾過精度の高い金属不織布
濾材を用いてポリマーなどの濾過を行う際に生じる濾圧
の上昇を、濾過精度を損ねることなく抑制する手法につ
いては知られていないのが現状であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の主にステンレス
スチールが使用されている焼結された金属不織布濾材を
用いたポリマーの濾過において、経時的に濾圧上昇が起
こる原因について鋭意検討を行った結果、かかる濾圧上
昇の原因としては従来より知られている捕捉異物、具体
的にはポリマーの熱劣化物や非溶解物あるいは重合工程
で添加される各種添加物、触媒残渣やその凝集物がポリ
マーとともに流れてきて濾材上あるいは濾材内部で捕捉
されたもの以外に、多くの場合において濾材を形成する
金属繊維表面において、金属繊維表面上に析出する形で
異物が生成、成長し、濾圧上昇の原因となっていること
を見いだした。すなわち、ポリマー中に存在していた固
体異物以外に濾材自身が異物生成箇所となり、濾材を構
成する金属繊維表面で生成した異物により空隙率や空孔
径が小さくなり濾圧の上昇につながることを見いだした
のである。金属繊維表面で発生する異物は金属繊維の比
表面積が大きいほど、すなわち、繊維径の小さな高精度
濾過用の濾材ほど発生しやすく、さらにこのような繊維
径の小さな濾材では空孔径が小さいため異物成長による
濾圧が顕著に上昇することから大きな問題となる。
【0007】また、異物を除去すべき濾材自身が異物生
成源となることは濾材で発生した異物が脱落して下流部
へ流出する可能性を含んでおり、濾材の本来の目的であ
る異物除去の観点からも問題である。
【0008】このことから、特に濾過精度の高い濾材の
濾圧上昇を抑制し、経時的に安定な濾過を行うために
は、単に使用する金属繊維の径やその充填率を最適化す
るだけでは不十分であり、金属繊維表面での異物生成を
抑制する必要がある。
【0009】本発明の目的はこのように従来の金属繊維
を使用したポリマー濾過で問題であった、高精度な濾過
における経時的圧力上昇を抑制し、濾過特性と濾材寿命
を向上させる改良された金属繊維よりなる板状濾材を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明は次の構成を有する。すなわち、差圧30mmH2
O時における通気量が0.5〜10L/cm2/minである主と
して金属繊維からなる板状濾材において、金属繊維の表
面が実質的にSi、Ti、Zr、Al、W、B、Taお
よびGeよりなる群から選ばれた少なくとも1種の金属
の酸化物、窒化物または炭化物からなる耐熱性被膜で被
覆されていることを特徴とする板状濾材である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は板状濾材を構成する金属
繊維の表面を、耐熱性に優れる特定の金属の酸化物、窒
化物または炭化物で被覆することによりポリマーと金属
繊維表面との接触を絶ち、金属とポリマーの反応による
金属繊維表面における異物生成を抑制するものであり、
本発明の効果が良好に発揮されるのは、通常濾圧上昇が
生じやすい濾過精度の高い板状濾材についてである。
【0012】濾過精度の目安として通気量を用いた場合
の、本発明の効果を発揮させるための通気量範囲として
は、差圧30mmH2O時において0.5〜10L/cm2/minと
するものであり、好ましくは0.7〜7L/cm2/min、さ
らに好ましくは1〜5L/cm2/minである。通気量が10L
/cm2/minを越える板状濾材では繊維間隙が大きく、金属
繊維上への析出物などによる濾圧上昇がもともと生じに
くいため得られる効果が小さくなる。一方、通気量が
0.5L/cm2/min未満の板状濾材では処理し得るポリマ
ー量が少なくなる。
【0013】かかる本発明の効果が良好に発揮される板
状濾材の濾過精度は、処理し得るポリマー量が少なくな
るのを防ぐ一方、一定の濾過効果を奏させる観点から、
JISB 8356に記載の方法で測定して3μm以上50μm
以下、さらには5μm以上30μm以下とするのが好ま
しい。本発明の板状濾材に使用される金属繊維の金属種
としては各種ステンレス素材のほかニッケル、クロムな
どを使用することができ、特に限定されるものではない
が、硬度が高く細い繊維径のものが安定に得られること
からステンレス素材が好ましい。
【0014】より高い濾過精度と長い寿命を達成するた
めに、金属繊維よりなる板状濾材は焼結金属繊維不織布
であることが好ましい。焼結金属繊維不織布は単一の構
成を有するものであってもよいが、さらに濾過精度と寿
命を向上するために金属繊維不織布として繊維径および
/または空隙率の異なる複数枚の金属繊維不織布層の積
層体を使用することが好ましい。また、金属繊維不織布
はその片面あるいは両面に予備濾過あるいは金属繊維不
織布の保護、補強などの目的で金網状濾材を積層して使
用してもよい。濾過精度の高い板状濾材の方が本発明の
効果を良好に得やすいことは上述した通りであるが、処
理し得るポリマー量が少なくなるのを防ぐ一方、一定の
濾過効果を奏させる観点から、板状濾材として金属繊維
不織布を使用する場合にはその平均繊維径を、繊維径の
異なる複数枚の金属繊維不織布を積層して使用する場合
には濾材を構成する層のうち、最も繊維径の小さな金属
繊維不織布層を構成する繊維の平均径を5〜30μm、
さらには8〜25μmとするのが好ましい。
【0015】板状濾材に使用される金属繊維不織布の空
隙率としては、目詰まりによる濾圧上昇を防ぐ一方、金
属繊維不織布の圧縮強度が低下し、濾過中の濾圧によっ
て変形しやすくなるのを防ぐ観点から、60〜90%、
さらには70〜85%とするのが好ましい。
【0016】板状濾材の厚さ、目付量については目的に
応じて適宜選択され得るものであるが、本発明において
は、高い濾過精度と長寿命とを両立させる一方、製造コ
ストが高くなる割に性能が向上しにくくなるのを防ぐ観
点から、厚さ0.2〜4mm、目付量400〜6000g/
cm2、さらには、厚さ0.4〜3mm、目付量500〜4
000g/cm2とするのが好ましい。
【0017】また、上記より明らかなように濾過に板状
濾材を使用していても板状濾材が実質的に濾過精度を決
定していないような場合、例えば主たる濾材として粒状
濾材を使用し、粒状濾材の流出を防止する目的で粒状濾
材の下流側に補助的に板状濾材が用いられている場合
(通常、板状濾材としては通気量が10L/cm2/min以上
のものが使用される)などでは本発明の効果を得にく
い。
【0018】本発明の板状濾材においては、板状濾材を
構成する金属繊維の表面が実質的に耐熱性の溶融状態に
あるポリマーとの反応性を持たない特定の金属の酸化
物、窒化物あるいは炭化物で被覆処理されている必要が
ある。これにより金属繊維表面とポリマーとの反応が阻
害され、金属繊維表面とポリマーとの反応による異物生
成の抑制および生成異物による濾圧上昇の抑制が可能に
なる。
【0019】本発明で板状濾材の表面に形成される被膜
はSi、Ti、Zr、Al、W、B、TaおよびGeよ
りなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物、
窒化物または炭化物(以下、無機化合物類と総称する)
からなるので、電気化学的に安定であり、かつ通常溶融
紡糸が行われる最高350℃程度の温度においても長期
間にわたって熱的に安定である。本発明の無機化合物類
の具体的な例としてはSiO2、TiO2、ZrO2、A
23、SiC、TiN、TiCN、TiC、BN、S
34、WC、Ta25、AlN、GeO2などがあげ
られる。これらの化合物を金属繊維の表面に形成するた
めの方法としては、金属アルコキシドなどの化合物の溶
液を用いる湿式法、CDVやスパッタリングに代表され
る乾式法があげられるが、処理に大規模な設備を必要と
せず、濾材を構成する内部の金属繊維表面まで均一に処
理を行うことが可能な湿式法を用いることが好ましい。
上述の湿式法による表面被膜形成が容易な点からは化合
物としてSiO2、TiO2、ZrO2、Al23が好ま
しく使用される。
【0020】これら化合物は、単独で使用されてもよ
く、2種類以上が混合された状態で膜形成されていても
よく、また均一な構造を持つ膜であっても厚さ方向に組
成の異なる複数の層からなる膜であってもよい。
【0021】通常空気中でステンレス繊維からなる濾材
を加熱すると濾材を構成するステンレス繊維の表面に酸
化鉄が生成するが、酸化鉄はポリマーを触媒的に分解す
る場合が多く、また濾材上での異物生成抑制効果も小さ
いことから本発明の表面改質素材としては好ましくな
い。
【0022】被膜の厚さは、均一な膜形成を容易とする
とともに、部分的に金属繊維表面とポリマーとの隔離が
不十分になるのを防ぐ一方、被覆した膜によって初期濾
圧が高くなるのを防ぐ観点から、0.01〜3μm、さ
らには0.02〜1μmが好ましい。好ましい厚さの膜
を金属繊維表面に形成することができた場合には、初期
濾圧の上昇をほとんど生じることなく、金属繊維上での
異物生成による濾圧の上昇を効果的に抑制することが可
能になる。
【0023】板状濾材が複数の層から構成される場合に
は、その全ての層に本発明の表面が被覆された濾材を使
用することが好ましいが、特定の層のみに被覆処理を行
ってもよい。この際には濾過精度が高く、全体の濾過精
度を決定する層の被覆処理を行うことが必要であり、例
えば板状濾材が金属繊維不織布と粗い金網の積層体のよ
うな場合には少なくとも通常濾過精度を決定する層であ
る金属繊維不織布層に被覆処理が施されていなければな
らない。
【0024】本発明の板状濾材はフラットなディスク形
状のフィルターとして使用されてもよいし、他のさまざ
まな形に成型されてもよい。板状濾材が成型される形状
としてはリーフディスク形状、円筒形状、プリーツ付き
円筒形状などが挙げられる。
【0025】本発明の板状濾材を使用後洗浄し、再使用
する場合には洗浄の度に被膜形成処理を施してもよい
し、洗浄後も安定に被膜が残っている場合には毎回被膜
形成処理を行うことなく、繰り返し使用することもでき
る。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、本発明における諸特性の測定方法は以下の通
りである。
【0027】(1)硫酸相対粘度 試料2.5gを98%硫酸25ccに溶解し、オストワ
ルド粘度計を用いて25℃で測定する。
【0028】(2)極限粘度 試料8gをオルソクロロフェノール100mlに溶解
し、その溶液粘度(η)をオストワルド粘度計を用いて
25℃で測定し、次の式から極限粘度(IV)を算出す
る。
【0029】IV=0.0242η+0.2634 (3)濾圧 板状濾材上流側の静圧を隔膜式圧力計で測定する。
【0030】(4)通気量 板状濾材(測定面70mmφ)に板状濾材の両側の圧力差
をマノメーターで計測しながら濾材に空気を通過させ、
マノメーターの示す圧力差が30mmH2O時における通気
量(L/cm2/min)を測定する。
【0031】[実施例1]水酸化ポリシロキサン(触媒
化成(株)製“セラメートC513”)をイソプロピル
アルコール(IPA)で固型分濃度0.3%に希釈した
溶液に、直径25mm、長さ600mmの筒状に成型さ
れ、ステンレス不織布を主濾材として使用した板状濾材
を30秒間浸漬した後風乾し、180℃のオーブン中で
30分キュアすることにより金属繊維の表面が実質的に
SiO2で被覆された板状濾材を得た。板状濾材の構
成、処理前後の板状濾材の諸特性を表1に示す。
【0032】
【表1】 重合触媒として三酸化アンチモン300ppm、リン酸
150ppmを使用してポリエチレンテレフタレートの
連続重合を行い、連続重合装置の最終段に得られた板状
濾材を使用して重合されたポリエチレンテレフタレート
の連続濾過を行った。重合後のポリマーのIVは0.7
0であり、色調調整のための無機粒子添加は行わなかっ
た。板状濾材を通過するポリマー量は1日、板状濾材1
本当たり200kgであった。
【0033】重合開始直後と重合開始30日後、60日
後の濾圧を表2に示す。
【0034】表面が耐熱性の無機化合物で被覆された板
状濾材を使用することにより、濾圧の上昇が小さく、さ
らに長期間にわたって安定な重合を行うことができた。
【0035】
【表2】 [比較例1]表面に被覆処理を行なわない以外は、実施
例1と同じ板状濾材を使用して実施例1と同じ装置を使
用し同じ条件でポリエチレンテレフタレートの連続重合
・濾過を行った。重合開始直後と重合開始30日後の濾
圧を表2に併せて示す。耐熱性の無機化合物で被覆処理
を行っていない板状濾材を使用した場合には濾圧の上昇
が大きく、30日以上の連続重合・濾過を行うことがで
きなかった。
【0036】[実施例2]テトラ−n−ブトキシチタン
(日本曹達(株)製“B−1”)をトルエンで固型分濃
度0.3%に希釈した溶液に、直径150mmの平板状
のステンレス不織布を主濾材として使用した板状濾材を
30秒間浸漬した後風乾し、200℃のオーブン中で3
0分キュアすることにより金属繊維の表面が実質的にT
iO2で被覆された板状濾材を得た。板状濾材の構成、
処理前後の板状濾材の諸特性を表1に併せて示す。
【0037】得られた板状濾材を使用し、色調調整のた
めの無機粒子を含まないIV=1.20のポリエチレン
チレフタレートの溶融紡糸を実施した。フィルターを通
過するポリマー量は1日当たり720kgであった。
【0038】紡糸開始直後と紡糸開始7日後、14日後
の濾圧を表3に示す。
【0039】表面が耐熱性の無機化合物で被覆された板
状濾材を使用することにより、濾圧の上昇が小さく、さ
らに長期間にわたって安定な紡糸を行うことができた。
【0040】
【表3】 [比較例2]表面に樹脂被覆を行なわない以外は、実施
例2と同じ板状濾材を使用して実施例2と同じ装置を使
用し同じ条件でポリエチレンテレフタレートの紡糸を行
った。
【0041】紡糸開始直後と紡糸開始7日後の濾圧を表
3に併せて示す。
【0042】耐熱性の無機化合物で被覆処理を行ってい
ない板状濾材を使用した場合には濾圧の上昇が大きく、
7日以上の連続紡糸を行うことができなかった。
【0043】[実施例3]造膜性を有するZrO2溶液
(日本曹達(株)製“アトロンNZr”)を酢酸n−ブ
チルで固型分濃度0.5%に希釈した溶液に、直径15
0mmのステンレス不織布を主濾材として使用した平板
状の板状濾材を30秒間浸漬した後風乾し、250℃の
オーブン中で30分キュアすることにより金属繊維の表
面がZrO2で被覆された板状濾材を得た。板状濾材の
構成、処理前後の板状濾材の諸特性を表1に併せて示
す。
【0044】得られた板状濾材を使用し、酸化防止剤と
してヨウ化銅を300ppm含み、色調調整のための無
機粒子を含まない硫酸相対粘度3.6のナイロン6,6
の溶融紡糸を実施した。フィルターを通過するポリマー
量は1日当たり500kgであった。
【0045】紡糸開始直後と紡糸開始7日後、14日後
の濾圧を表3に併せて示す。
【0046】表面が耐熱性の無機化合物で被覆された板
状濾材を使用することにより、濾圧の上昇が小さく、さ
らに長期間にわたって安定な紡糸を行うことができた。
【0047】[実施例4]テトライソシアネートシラン
(松本製薬工業(株)製“オルガチックスSI−40
0”)をトルエンで固型分濃度0.3%に希釈した溶液
に、実施例3と同じ板状濾材30秒間浸漬した後風乾
し、180℃のオーブン中で30分キュアすることによ
り金属繊維の表面が実質的にSiO2で被覆された板状
濾材を得た。得られた板状濾材を使用して実施例3と同
じ装置を使用し同じ条件でナイロン6,6の溶融紡糸を
行った。
【0048】紡糸開始直後と紡糸開始7日後、14日後
の濾圧を表3に併せて示す。
【0049】表面が耐熱性の無機化合物で被覆された板
状濾材を使用することにより、濾圧の上昇が小さく、さ
らに長期間にわたって安定な紡糸を行うことができた。
【0050】[比較例3]表面に樹脂被覆を行なわない
以外は、実施例3と同じ板状濾材を使用して実施例3と
同じ装置を使用し同じ条件でナイロン6,6の溶融紡糸
を行った。
【0051】紡糸開始直後と紡糸開始7日後の濾圧を表
3に併せて示す。
【0052】耐熱性の無機化合物で被覆処理を行ってい
ない板状濾材を使用した場合には濾圧の上昇が大きく、
7日以上の連続紡糸を行うことができなかった。
【0053】
【発明の効果】本発明の表面が耐熱性の無機化合物類で
被覆された金属繊維からなる板状濾材を用いることによ
って、金属繊維表面とポリマーの反応を抑制し、金属繊
維表面とポリマーの反応により生成する異物による濾圧
上昇や生成異物の脱落による製品への混入を低減するこ
とができる。その結果、高効率の濾過を長期間にわたっ
て安定に行うことが可能になる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】差圧30mmH2O時における通気量が0.5
    〜10L/cm2/minである主として金属繊維からなる板状
    濾材において、金属繊維の表面が実質的にSi、Ti、
    Zr、Al、W、B、TaおよびGeよりなる群から選
    ばれた少なくとも1種の金属の酸化物、窒化物または炭
    化物からなる耐熱性被膜で被覆されていることを特徴と
    する板状濾材。
  2. 【請求項2】金属繊維表面を被覆する被膜がSiO2
    TiO2、ZrO2、Al23よりなる群から選ばれた少
    なくとも1種の化合物からなることを特徴とする請求項
    1に記載の板状濾材。
  3. 【請求項3】金属繊維表面を被覆する被膜が湿式法によ
    って形成されたことを特徴とする請求項1に記載の板状
    濾材。
  4. 【請求項4】金属繊維からなる板状濾材が焼結金属繊維
    不織布であることを特徴とする請求項1に記載の板状濾
    材。
  5. 【請求項5】金属繊維からなる板状濾材が焼結金属繊維
    不織布と金網状濾材の積層体であることを特徴とする請
    求項1に記載の板状濾材。
  6. 【請求項6】焼結金属繊維不織布が、繊維径および/ま
    たは空隙率の異なる複数枚の金属繊維不織布層の積層体
    であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載
    の板状濾材。
  7. 【請求項7】最も繊維径の小さな金属繊維不織布層を構
    成する繊維の平均径が5〜30μmであることを特徴と
    する請求項4〜6のいずれかに記載の板状濾材。
  8. 【請求項8】厚さが0.2〜4mm、目付量が400〜6
    000g/cm2であることを特徴とする請求項1に記載の
    板状濾材。
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