JP2732446B2 - 濾材の製造方法 - Google Patents
濾材の製造方法Info
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ウダーからなる濾材の製造方法に関する。
濾過用の濾材として、ステンレス等からなる金属繊維あ
るいは金属パウダーを焼結させたものが知られている。
の製造方法としては、特公昭51−27009号公報
に、金属ファイバを切断して針状の成分を含む粉末を形
成し、振動を与えて針状成分(金属繊維)を下層に、そ
うでない成分(金属パウダー)をその上に成層させ、全
体を焼結する方法が開示されている。
は、特公平3−60522号公報に、2種類以上の金属
繊維を液中に分散させ、該金属繊維を沈降させてマット
を形成し、該マットを焼結する方法が開示されている。
51−27009号公報に開示された方法は、基本的に
針状成分を下層側、そうでない成分を上層側と上下に成
層させる方法で、かつ、乾式でしかも振動によって層形
成を行う方法であるから、金属繊維成分と金属パウダー
成分とを十分に均一に混合させること、とくに濾材厚さ
方向の各部分において十分に均一に混合させることは困
難である。
示された方法は、湿式による濾材の製造方法であるが、
金属繊維のみにより濾材を成形する方法であるから、金
属繊維濾材特有の性能を良好に発揮させることはできる
ものの、金属パウダー濾材特有の性能を発揮させること
は難しい。
属繊維の捕捉に関し、次のような問題が残されていた。
即ち、液中に浮遊させた金属繊維は槽の下部に設置され
た簀の子によって捕捉されシート化されるわけである
が、簀の子の目開きが大きいと、捕捉されずに流出して
しまう金属繊維の量が増加し、濾材製造の歩留りが低下
する。簀の子を通過した金属繊維を別途捕捉回収すると
しても、バッチ毎に濾材の特性が不均一になるという問
題を回避することは困難であった。逆に簀の子の目開き
をあまり小さくすると、沈降金属繊維によるシート形成
の速度が遅くなり、濾材製造の作業性、生産性が低下す
るという問題を招く。
し、湿式製造法における金属繊維の捕捉率を向上でき、
製造バッチ毎の濾材の特性を均一化できるとともに、金
属繊維濾材の特徴と金属パウダー濾材の特徴とを併せ持
つと同時に互に欠点を補い合う、優れた濾過性能を有す
る濾材の製造方法を提供することにある。
濾材の製造方法は、金属繊維と金属パウダーとを液中に
投入し、該液を攪拌することにより前記金属繊維と金属
パウダーを液中に均一に分散浮遊させて混合した後、攪
拌を停止して分散浮遊している金属繊維と金属パウダー
を、相対的に金属パウダーをより速く、金属繊維をより
遅く液中で沈降させて前記金属繊維と金属パウダーとの
混合物からなる混合体を形成し、該混合体を焼結するこ
とを特徴とする方法からなる。
される。また、混合体は、沈降させる金属繊維と金属パ
ウダーとの混合物を簀の子で捕捉することにより形成さ
れる。
混合体を複数層積層された形態に形成することもでき
る。
金属繊維と金属パウダーが液中に投入され、該液を攪拌
することにより金属繊維と金属パウダーが液中に分散浮
遊されて混合されるので、先ずこの分散浮遊段階で金属
繊維と金属パウダーとは極めて均一に混合される。この
混合物が簀の子上に沈降される過程にあっては、金属パ
ウダーの方が速い沈降速度をもって沈降する。金属パウ
ダー濾材製造に使用される金属(例えばステンレス鋼)
は通常水アトマイザー法により製造されるが、このパウ
ダーは大変に高い異形性を持っている。先に沈降する金
属パウダーが大きな異形性を持っているため、液の通過
抵抗を上げないで金属繊維の捕捉性能を向上でき、ひい
ては濾材製造の作業性、生産性を向上できる。金属繊維
の捕捉率の向上により、バッチ間の製造濾材特性のばら
つきも抑えられる。
のそれよりも速いため、簀の子上に形成される混合体
は、厚さ方向に金属繊維と金属パウダーとの混合比率が
若干変化するものの、均一混合状態で浮遊していた混合
物の沈降であるから、形成された混合体の厚さ方向各部
分における金属繊維と金属パウダーとの混合状態もま
た、各部分それぞれにおいて混合比率こそ異なるもの
の、極めて均一な混合状態に確保される。したがって、
均質性の高い濾材が製造される。
は、金属繊維濾材と金属パウダー濾材の特徴を併せ持つ
とともに、さらに両者の欠点を互に補い合って相乗的な
効果を奏し、個々の濾材では得られない次のような極め
て優れた特性を発揮する。
イルムの製造のための溶融ポリマーの濾過に使用する場
合、固形異物の捕捉には優れた性能を発揮するが、ゲル
の捕捉なり破砕なりには全く効果を持たないという欠点
があった。しかし本発明により製造された濾材は異形性
の高い金属パウダーを内蔵しているため、このパウダー
が優れたゲル処理特性を発揮し、一つの濾材でありなが
ら金属繊維による望ましい性能と金属パウダーによる望
ましい性能との両性能を発揮でき、「一人二役」の性能
を発揮する。
率を変えて金属パウダー主体の濾材を製造することも出
来るが、この場合には次のような特徴を有する。
属パウダーを加圧焼結することにより製造することが一
般的であったが、金属繊維との混合濾材の製造は均質性
の確保が難しく、殆ど製造不可能であった。また、湿式
で製造すればパウダー濾材の製造は可能であるが、この
場合形成されたシートが乾燥した後クラックが入り濾材
にならないという問題があった。しかし本発明では、金
属繊維を液中で分散浮遊させて極めて均一に混合できる
ことにより、この金属繊維が金属パウダーに対しバイン
ダーとして機能するためクラックが防止され、均質な金
属繊維・金属パウダー混合濾材の製造が可能になる。
大きいために濾過精度をあまり高く出来ないという欠点
を持っているが、上記方法により圧力損失が低く濾過精
度の高い濾材が製造可能となり、且つパウダー濾材の特
徴である剛性を維持出来るのみでなく濾材の靭性を向上
することも可能となる。
を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施
例に係る濾材の製造方法を実施するための濾材製造装置
を示している。図において、1は、金属繊維と金属パウ
ダーを混合し濾材用混合体を成形するための槽を示して
いる。槽1の上方には、複数の供給タンク2a、2b、
2c、…2nが設けられており、各供給タンクには、予
め定められた繊維径、繊維長の金属繊維および予め定め
られた粒径の金属パウダーが、種別にそれぞれ収容され
ている。
ている。槽1内には、多数の空気噴出孔3を有する空気
噴出板(あるいはパイプ)4が設けられており、通路4
aを通して送られてきた空気を噴出する。また、図示を
省略したが、槽1内には、攪拌翼も設けられており、収
容されている液を機械的に攪拌できるようになってい
る。
た目の粗さを有する簀の子5が張設されている。槽1の
底面には、排液パイプ6が接続されており、該パイプ6
には、開閉弁7が設けられている。
次のように実施される。各供給タンク2a…2nには、
それぞれ、金属繊維と金属パウダーが収容される。金属
繊維と金属パウダーは、それぞれ1種類ずつでもよい
が、複数種収容しておけば、後述の如く、複数種の金属
繊維と金属パウダーの積層濾材を作成することができ
る。各金属繊維と金属パウダーは、スラリーの形態で収
容されることが好ましい。
比率で槽1の液中に投入され、必要に応じ攪拌翼等によ
って機械的に攪拌し、次いで空気噴出板4の空気噴出孔
3より空気を噴出して、金属繊維11と金属パウダー1
2とを液中に分散、浮遊させる。この分散、浮遊によ
り、金属繊維11と金属パウダー12とは液中で均一に
混合される。
停止し(つまり、攪拌を停止し)、空気噴出板4を引き
抜くと、液中に浮遊していた金属繊維11と金属パウダ
ー12との混合物が簀の子5上に沈降する。同時に弁7
を開いて槽1内の液を外部に排出する。この動作によ
り、金属繊維11と金属パウダー12との混合物が簀の
子5上に堆積して、金属繊維11と金属パウダー12と
の混合物からなるシート状の混合体を形成する。なおこ
の時、槽1内の液は全部排出してもよいし、液面が空気
噴出板4の位置にまで低下した後、液排出を停止しても
よい。
如く金属パウダーが金属繊維に比べ先に沈降するが、金
属繊維11と金属パウダー12は液中での分散浮遊状態
にて均一に混合されているので、簀の子5上に沈降堆積
した後にも、少なくとも堆積物の面と平行方向には極め
て均一な混合状態を維持でき、混合体の厚さ方向各部分
において、混合比率は若干変化するものの極めて均一な
混合状態が現出される。
作の後、空気噴出板4を再び図示の元の位置に戻し、液
を補充した後、別の供給タンクに収容されている異なる
金属繊維および金属パウダーを槽1の液中に投入し、前
記と同様の操作を繰り返す。これにより簀の子5上に先
に堆積している混合体上に、金属繊維と金属パウダーと
が所定比率で混合された別の層が積層される。この積層
動作を必要回数繰り返せば、所望層数の積層混合体が形
成される。
合体は、焼結により濾材に形成される。形成される濾材
は、単層の場合はたとえば図2に示すように、金属繊維
11と金属パウダー12とが所定比率で均一に混合成形
された濾材13となり、積層濾材の場合はたとえば図3
に示すように、各金属繊維11a、11b、11cと各
金属パウダー12a、12b、12cが、各層14a、
14b、14cにおいてそれぞれ所定比率で混合された
濾材14となる。
体を焼結した濾材においては、前述の如く、濾材中で金
属繊維と金属パウダーが個々の特有の性能を発揮すると
同時に、互いの欠点を補うように作用し、濾過性能、寿
命、剛性等の機械特性の全てに優れた濾材が得られる。
て均質な金属繊維と金属パウダーとの混合濾材が得られ
る。さらに、金属パウダーが簀の子5からの金属繊維の
流出を抑制するので、金属繊維の歩留りの低下も抑えら
れる。しかも、金属繊維が金属パウダー中に均一に入り
込んだ形態で焼結されているので、金属パウダー濾材製
造上のしばしば問題となるクラックの発生のおそれも除
去される。
や金属パウダーの粒径は、成形目標の濾材仕様によって
大幅に変化するが、目安としては、金属パウダーの粒径
が10〜200ミクロン、金属繊維の太さは2〜50ミ
クロン程度のものが通常用いられ、金属繊維のアスペク
ト比としては20〜500程度である。アスペクト比を
大きくしすぎると、金属繊維がもつれて液中で分散しに
くくなる。
2〜3層の積層構造に構成することが有効である。たと
えば、上の層の金属パウダー径を50ミクロン前後、金
属繊維径を30ミクロン程度とし、下の層の金属パウダ
ー径を20ミクロン程度、金属繊維径を10ミクロン程
度とすれば、単層の濾材に比べ大幅な(例えば2倍以上
の)濾過寿命を得ることも可能となる。なお、濾材の厚
さとしては、通常、全体厚さとして2ミリ程度である。
現在の多段の濾過装置、あるいは異なる仕様の濾材を多
層に重ねて使用しているものが、一段で済むことにな
り、大きなコスト的、スペース的利点が得られる。
造方法によるときは、極めて均質な金属繊維と金属パウ
ダーとの混合濾材を、とくに金属繊維と金属パウダーと
の沈降速度差を利用して金属パウダーを相対的により速
く沈降させ、金属繊維の流出を抑制してその歩留りを向
上し、高い生産効率、良好な作業性をもって製造するこ
とができる。そしてこの方法により得られた濾材は、均
質で安定した性能を有し、かつ金属繊維と金属パウダー
特有の利点を活かしつつ、互いの欠点を補い合った極め
て優れた濾過性能を有し、しかも高い機械特性を、クラ
ック等の発生のない安定した状態で実現できる。
濾材製造装置の概略縦断面図である。
す部分縦断面図である。
示す部分縦断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 金属繊維と金属パウダーとを液中に投入
し、該液を攪拌することにより前記金属繊維と金属パウ
ダーを液中に均一に分散浮遊させて混合した後、攪拌を
停止して分散浮遊している金属繊維と金属パウダーを、
相対的に金属パウダーをより速く、金属繊維をより遅く
液中で沈降させて前記金属繊維と金属パウダーとの混合
物からなる混合体を形成し、該混合体を焼結することを
特徴とする濾材の製造方法。 - 【請求項2】 前記混合体をシート状物に形成する請求
項1の濾材の製造方法。 - 【請求項3】 前記沈降させる金属繊維と金属パウダー
との混合物を簀の子で捕捉することにより前記混合体を
形成する請求項1又は2の濾材の製造方法。 - 【請求項4】 前記混合体を複数層形成する、請求項1
ないし3のいずれかに記載の濾材の製造方法。 - 【請求項5】 前記金属繊維の太さが2〜50ミクロ
ン、アスペクト比が20〜500である、請求項1ない
し4のいずれかに記載の濾材の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP5086921A JP2732446B2 (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | 濾材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5086921A JP2732446B2 (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | 濾材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06277422A JPH06277422A (ja) | 1994-10-04 |
JP2732446B2 true JP2732446B2 (ja) | 1998-03-30 |
Family
ID=13900326
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5086921A Expired - Lifetime JP2732446B2 (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | 濾材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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-
1993
- 1993-03-23 JP JP5086921A patent/JP2732446B2/ja not_active Expired - Lifetime
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