JPH11104238A

JPH11104238A - 注射器用固定具

Info

Publication number: JPH11104238A
Application number: JP9271313A
Authority: JP
Inventors: Akiko Mori; 昭子森
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1997-10-03
Filing date: 1997-10-03
Publication date: 1999-04-20

Abstract

(57)【要約】【課題】注射器の装着を片手で行うことができ、固定
力に優れ、製作も容易であり、サイズ、形状の異なる注
射器に対応可能な注射器用固定具を提供する。【解決手段】可撓性を有するシート状部材１１の裏面
のみに、人体に貼着可能な粘着層１２および剥離紙１３
を備え、さらに、シート状部材１１内に、注射器載置用
の支持片１４を区画するための切り込み１５と、貼着補
助片１６を区画するための切り込み１７とを設けてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、点滴などの注射器
を人体の注射部位に固定するための注射器用固定具に関
する。

【０００２】

【従来の技術】注射針を人体に刺した状態で長時間保持
する点滴においては、患者の身体の動きによって注射針
が移動すると、液漏れなどの問題が発生する。これを防
止するため、患者が動いても注射針がズレないように、
従来より、注射器を人体の注射部位に固定するという方
法がとられている。

【０００３】この方法のうちで最も一般的なものは、人
体に刺し込んだ注射針の下に、くるめたガーゼや脱脂綿
を置き、その上から粘着テープで固定する方法である。
これによって、注射針を所定角度に保ったまま保持する
ことができるため、前記問題は一応解決されている。

【０００４】しかしながら、この方法の場合、注射針の
下に置くガーゼや脱脂綿の分量は、注射をするたびに、
勘によって決められており、注射針を適切な角度に保持
できる分量を的確に判断するには、かなりの熟練を必要
とする。さらに、ガーゼや脱脂綿が人体からズレ落ちや
すいなどの別の問題が残されている。

【０００５】このような問題に対処するため、特開昭５
１−１３１９５号公報などにおいて注射針固定用スポン
ジが提案されている。この注射針固定用スポンジは、上
面に注射針保持用の傾斜した溝を設け、底面に人体に接
着させるための粘着剤を設けたものである。この注射針
固定用スポンジを使用して、注射針を傾斜溝の中に装着
することにより、スポンジの弾性力で注射針を所定の傾
斜角度に固定することができ、また、底部に粘着剤を設
けているためテープなどで固定する必要もなくなる。

【０００６】ところが、この注射針固定用スポンジの場
合、注射器の固定をスポンジの弾性力のみに依存してい
るため、人体の移動が小さいときは問題ないが、大きく
移動したときには注射針が溝から抜け出し、場合によっ
ては人体から抜けることもある。また、複雑な形状をし
た注射針保持用の溝を、注射針の形状に応じて数多く製
作する必要がある。

【０００７】そこで、本件発明者は、注射器の固定力に
優れ、製作が容易で、さらに形状の異なる多種の注射器
にも対応可能な注射器用固定具を開発し、特開平９−４
７５０８号公報などにおいて開示している。この注射器
用固定具は、弾力性のある可撓性シート状部材に、折り
込んで注射器の下側に配置される支持片と、同様に折り
込んで注射器の上面を覆う粘着層付きの固定片とを形成
する切り込みを設けると共に、このシート状部材の裏面
に人体に貼着可能なアンカー層を設けた構造である。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところが、この注射器
用固定具を使用する場合、両手を使って注射器の装着を
行う必要があるため作業性が悪く、不便である。すなわ
ち、実際に注射をするときは、少なくとも片手で注射器
を保持しており、両手が使える状況でないことが多いた
め、注射器の装着に両手を必要とする注射器用固定具は
採用されにくい傾向がある。

【０００９】また、この注射器用固定具においては、シ
ート状部材の表面に粘着層を設け、裏面にはアンカー層
を設ける必要があるため、製作が困難であり、製造工程
も複雑である。そのほか、シート状部材の表裏両面に粘
着剤を塗工した構造であるため、剥離紙を表裏両面に貼
っておく必要があり、製造コストが高い。また、注射器
用固定具を皮膚に貼付するときだけでなく、注射器を固
定するときにも剥離紙を剥がさなければならないという
点でも不便である。

【００１０】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、注射器の装着を片手で行うことができ、固定力に優
れ、製作も容易であり、サイズ、形状の異なる注射器に
対応可能な注射器用固定具を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は、可撓性を有するシート状部材で形成され
た注射器用固定具であって、シート状部材の片面のみに
人体に貼着可能な粘着層を備え、シート状部材に、注射
器載置用の支持片を区画する切り込みを設けたことを特
徴とする。

【００１２】なお、ここで、注射器とは、注射器本体の
ほか、注射器本体の先端に取り付けられた注射針、およ
び点滴薬品容器に接続され薬液を送る輸送パイプの先端
に取り付けられた注射針部分をも含むものとする。

【００１３】本発明の注射器用固定具は、支持片の片面
のみに形成された粘着層を人体に貼着し、この支持片上
に注射器を載置し、シート状部材の残り部分で注射器を
覆うようにして、その残り部分の片面に形成された粘着
層を注射器および人体に貼着することにより、注射器を
人体の必要部位に確実に固定することができる。また、
装着作業は片手で行うことができるため簡単であり、固
定力に優れ、サイズ、形状の異なる注射器に対応可能で
ある。さらに、片面のみに粘着層を備えたシート状部材
に、支持片を区画する切り込みを設けたシンプルな構造
であるため、製作も容易である。

【００１４】ここで、前記支持片がシート状部材内にお
いて舌片形状となるようにシート状部材に切り込みを設
けることにより、支持片上への注射器の載置、およびシ
ート状部材の残り部分の貼着による注射器と人体との固
定作業がさらに簡易化され、より確実な固定状態が得ら
れる。すなわち、支持片がシート状部材内において舌片
形状を形成するように切り込みを設けることにより、シ
ート状部材の残り部分は切れ目のない略環形状となるた
め、注射器および人体に対する残り部分の貼着作業を一
回の動作で行うことができるようになり、貼着力も向上
する。また、片手による作業性がさらに向上する。

【００１５】一方、シート状部材の形状は、四角形状、
楕円形状、長円形状などとすることが可能であり、その
形状に応じた機能が得られる。すなわち、シート状部材
の形状を四角形状とした場合には、舌片形状の支持片を
複数箇所に設けることもできるため注射器を確実に固定
することができる。一方、幼児などに注射する場合、手
の甲に注射器を装着することがあるが、シート状部材形
状を手の大きさに応じた楕円形状または長円形状とする
ことにより装着が確実となり、また、角がなく衣服など
に引っ掛かりにくい形状であるため、安定性も良好であ
る。

【００１６】また、支持片が、シート状部材の外周形状
の対称軸に対して斜め方向に区画されるようにシート状
部材に切り込みを設けることにより、例えば、注射部位
である腕の長手方向に対して斜めに注射器を固定する必
要がある場合などにおいても確実な固定状態が得られ
る。また、支持片の上に注射器を装着するとき、その位
置を支持片の長手方向に沿って変えることにより、上か
ら被せるシート状部材が注射針の上に重なり過ぎないよ
うに調整することが可能である。

【００１７】さらに、シート状部材に、離脱可能な補助
貼着片を区画する切り込みを設けることにより、補助貼
着片は片面に貼着層を備えた状態で、シート状部材から
取り外し可能となるため、取り外した補助貼着片を、例
えば、注射針に薬液を送る輸送パイプと人体との固定用
補助具として利用することができるようになる。

【００１８】なお、シート状部材として、軟質プラスチ
ックシート、発泡させた軟質プラスチックシート、布
質、紙質のいずれかを使用することにより、人体および
注射器への密着性、保持能力に優れた注射器用固定具が
得られる。この中で、軟質プラスチックシート、発泡さ
せた軟質プラスチックシートは人体に柔軟に密着する機
能を有しているため、固定用補助具として好適である。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１は第１実施形態である注射器
用固定具を示す斜視図、図２は図１のＡ−Ａ線における
断面図、図３は同注射器用固定具の使用状態を示す斜視
図である。

【００２０】本実施形態の注射器用固定具１０は、図
１，２に示すように、可撓性を有するシート状部材１１
で形成されており、シート状部材１１の裏面のみに人体
に貼着可能な粘着層１２および剥離紙１３を備えてい
る。また、シート状部材１１には、注射器載置用の支持
片１４を区画する切り込み１５と、離脱可能な補助貼着
片１６を区画する切り込み１７とを設けている。

【００２１】注射器用固定具１０を使用する場合は、図
３に示すように、剥離紙１３を剥がして支持片１４の裏
面に形成された粘着層１２を、注射部位である腕１８に
貼着し、この支持片１４上に注射器１９を載置し、シー
ト状部材１１の残り部分で注射器１９を覆うようにし
て、その残り部分の裏面に形成された粘着層１２を注射
器１９および腕１８に貼着することにより、注射器１９
を腕１８に確実に固定することができる。

【００２２】また、補助貼着片１６は裏面に粘着層１２
を有した状態でシート状部材１１から離脱可能であるた
め、例えば、注射針２０に薬液を送る輸送パイプ２１と
腕１８との固定用補助具として利用することができる。
さらに、補助貼着片１６を離脱させた後のシート状部材
１１に形成される孔１１ｈは、注射器１９の突起部２２
などを通して保持するために利用することもできる。

【００２３】このように、注射器用固定具１０を使用す
ることにより、注射器１９の装着作業は簡単で片手で行
うことができ、固定力に優れ、サイズ、形状の異なる注
射器にも対応可能である。また、注射器用固定具１０
は、裏面のみに粘着層１２を備えたシート状部材１１
に、支持片１４を区画する切り込み１５を設けたシンプ
ルな構造であるため、製作も容易である。

【００２４】さらに、支持片１４はシート状部材１１内
において舌片形状を形成し、シート状部材１１の残り部
分は切れ目のない略環形状であるため、残り部分を上方
へ曲げた状態にして支持片１４上へ注射器１９を載置す
る際も作業が容易であり、この残り部分を注射器１９お
よび腕１８に貼着する作業も１回の動作で行うことがで
き、固定作業全体が簡易化され、より確実な固定状態が
得られる。また、片手による作業性も良好である。

【００２５】一方、注射器用固定具１０では、シート状
部材１１の形状を四角形状としているため、支持片１４
の数を増やした構造にすることも可能であり、これによ
って固定状態をさらに向上させることができる。

【００２６】さらに、注射器用固定具１０を使用するこ
とにより、図４に示すように、注射針２０を腕１８に刺
し込んだ状態の注射器１９を適切な角度に保持すること
ができ、腕１８が動いた場合の注射器１９のズレや注射
針２０の抜けなどを防止することができるため、長時間
を要する点滴などの場合も安全である。

【００２７】また、本実施形態の注射器用固定具１０で
は、シート状部材１１として、発泡させた軟質プラスチ
ックシートを使用しているため、腕１８および注射器１
９に対する密着性、保持能力に優れており、安定した固
定力が得られる。このほか、シート状部材としては、軟
質プラスチックシート、布質、紙質などを使用すること
も可能である。

【００２８】次に、図５，６を参照して、第２実施形態
について説明する。図５は第２実施形態である注射器用
固定具を示す斜視図、図６は同注射器用固定具の使用状
態を示す斜視図である。

【００２９】本実施形態の注射器用固定具３０は、可撓
性を有するシート状部材３１の裏面のみに人体に貼着可
能な粘着層３２および剥離紙３３を備え、シート状部材
３１には、注射器載置用の支持片３４を区画する切り込
み３５と、離脱可能な補助貼着片３６を区画する切り込
み３７とを設けている。支持片３４は、シート状部材３
１内において舌片形状に形成され、シート状部材３１の
残り部分は切り目のない略環形状となっている。

【００３０】注射器用固定具３０の使用方法は、前述し
た注射器用固定具１０と同様であるが、注射器用固定具
３０においては、支持片３４がシート状部材３１の外周
形状の対称軸３１ａに対して斜め方向に区画されるよう
に切り込み３５を設けているため、例えば、図６に示す
ように、注射部位である腕３８の血管３９の方向により
注射器１９を腕３８の長手方向に対して斜めに固定する
必要がある場合なども確実な固定状態が得られる。ま
た、支持片３４の上に注射器１９を装着するとき、その
位置を支持片３４の長手方向に沿って変えることによ
り、上から被せるシート状部材３１が注射針２０の上に
重なり過ぎないように調整することが可能である。

【００３１】また、シート状部材３１には、離脱可能な
補助貼着片３６を区画する切り込み３７を設けているた
め、シート状部材３１から裏面に貼着層３２を備えた状
態で取り外した補助貼着片３６を、例えば、注射針２０
に薬液を送る輸送パイプ２１の連結部２１ａと腕３８と
の固定用補助具として利用することができる。

【００３２】次に、図７，図８を参照して、第３実施形
態について説明する。図７は第３実施形態である注射器
用固定具を示す斜視図、図８は同注射器用固定具の使用
状態を示す斜視図である。

【００３３】本実施形態の注射器用固定具４０は、可撓
性を有するシート状部材４１の裏面のみに人体に貼着可
能な粘着層４２および剥離紙４３を備え、シート状部材
４１には、注射器載置用の支持片４４を区画する切り込
み４５を設けている。支持片４４は、シート状部材４１
内において舌片形状に形成され、シート状部材４１の残
り部分は切れ目のない略環形状となっている。

【００３４】注射器用固定具４０の使用方法は、前述し
た注射器用固定具１０などと同様であるが、シート状部
材４１が楕円形であるため、注射器の種類によっては、
固定が簡単になることもあり、また、薬液輸送パイプの
固定にも使用することができる。さらに、幼児の手の甲
などに注射器を固定する場合、確実に固定することがで
き、角がなく衣服などに引っ掛かりにくい形状であるた
め、安定性も良好である。

【００３５】また、注射器用固定具４０においては、支
持片４４がシート状部材４１の外周形状の対称軸４１ａ
に対して斜め方向に区画されるように切り込み４５を設
けているため、例えば、図８に示すように、注射部位で
ある腕３８の血管３９の方向などにより、注射器１９を
腕３８の長手方向に対して斜めに固定する必要がある場
合も確実な固定状態が得られる。このほか、支持片４４
は、注射器１９の外周の段差部分が直接皮膚に接触する
ことによる弊害を防止する緩衝材としても機能してい
る。

【００３６】

【発明の効果】本発明により以下の効果を奏することが
できる。

【００３７】（１）片面のみに人体に貼着可能な粘着層
を備えたシート状部材に、注射器載置用の支持片を区画
する切り込みを設けたことにより、人体に貼着した支持
片上に注射器を載置し、シート状部材の残り部分で注射
器を覆うようにして、その粘着層を注射器および人体に
貼着するという簡単な作業で注射器を人体の必要部位に
確実に固定することができる。また、注射器の装着作業
は片手で行うことができ、サイズ、形状の異なる注射器
にも対応可能となる。さらに、片面のみに粘着層を備え
たシート状部材に支持片を区画する切り込みを設けたシ
ンプルな構造であるため、製作も容易である。

【００３８】（２）支持片がシート状部材内において舌
片形状を形成するようにシート状部材に切り込みを設け
ることにより、シート状部材の残り部分は切れ目のない
略環形状となるため、支持片上への注射器の載置、およ
びこの残り部分による注射器と人体との固定作業がさら
に簡易化され、より確実な固定状態が得られる。また、
片手による作業性も向上する。

【００３９】（３）支持片が、シート状部材の外周形状
の対称軸に対して斜め方向に区画されるようにシート状
部材に切り込みを設けることにより、例えば、注射部位
である腕の長手方向に対して斜めに注射器を固定する必
要がある場合などにも確実な固定状態が得られ、また、
支持片の上に注射器を装着するとき、その位置を支持片
の長手方向に沿って変えることにより、上から被せるシ
ート状部材が注射針の上に重なり過ぎないように調整す
ることが可能である。

【００４０】（４）シート状部材に、離脱可能な補助貼
着片を区画する切り込みを設けることにより、補助貼着
片は片面に貼着層を備えた状態で、シート状部材から取
り外し可能となるため、取り外した補助貼着片を、例え
ば、注射針に薬液を送る輸送パイプと人体との固定用補
助具として利用することができ、便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施形態である注射器用固定具を示す斜視
図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線における断面図である。

【図３】図１に示す注射器用固定具の使用状態を表す斜
視図である。

【図４】図１に示す注射器用固定具の使用状態を表す縦
断面図である。

【図５】第２実施形態である注射器用固定具を示す斜視
図である。

【図６】図５に示す注射器用固定具の使用状態を表す斜
視図である。

【図７】第３実施形態である注射器用固定具を示す斜視
図である。

【図８】図７に示す注射器用固定具の使用状態を表す斜
視図である。

【符号の説明】

１０，３０，４０注射器用固定具１１，３１，４１シート状部材１１ｈ孔１２，３２，４２粘着層１３，３３，４３剥離紙１４，３４，４４支持片１５，１７，３５，３７，４５切り込み１６，３６補助貼着片１８，３８腕１９注射器２０注射針２１輸送パイプ２１ａ連結部２２突起部３１ａ，４１ａ対称軸３９血管

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】可撓性を有するシート状部材で形成され
た注射器用固定具であって、前記シート状部材の片面の
みに、人体に貼着可能な粘着層を備え、前記シート状部
材に、注射器載置用の支持片を区画する切り込みを設け
たことを特徴とする注射器用固定具。
【請求項２】前記支持片が、前記シート状部材内にお
いて舌片形状となるように前記シート状部材に切り込み
を設けた請求項１記載の注射器用固定具。
【請求項３】前記支持片が、前記シート状部材の外周
形状の対称軸に対して斜め方向に区画されるように前記
シート状部材に切り込みを設けた請求項１，２記載の注
射器用固定具。
【請求項４】前記シート状部材に、離脱可能な補助貼
着片を区画する切り込みを設けた請求項１〜３記載の注
射器用固定具。