JPH1110278A - ガス硬化鋳型およびその鋳物砂の製造方法 - Google Patents

ガス硬化鋳型およびその鋳物砂の製造方法

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JPH1110278A
JPH1110278A JP18783097A JP18783097A JPH1110278A JP H1110278 A JPH1110278 A JP H1110278A JP 18783097 A JP18783097 A JP 18783097A JP 18783097 A JP18783097 A JP 18783097A JP H1110278 A JPH1110278 A JP H1110278A
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sand
resin
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gas
molding
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JP18783097A
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Yasuhiro Fukumoto
康博 福本
Satoshi Sugaya
智 菅谷
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ムライト系セラミックスの砂(人工砂)にレジ
ン(樹脂)を混合して混練し、砂表面の穴にレジンを充
填する充填工程と、レジンが充填された砂を加熱して、
レジンを炭化させる焼成工程とを備えることで、レジン
の炭化により砂表面の穴を閉塞することができ、この砂
を用いて鋳型を造型する際の鋳型強度の向上を図ること
ができるガス硬化鋳型用鋳物砂の製造方法の提供を目的
とする。 【解決手段】ガス硬化鋳型用鋳物砂の製造方法であっ
て、ムライト系セラミックスの砂にレジンを混合して混
練し、砂表面の穴にレジンを充填する充填工程S1と、
レジンが充填された砂を加熱して、レジンを炭化させる
焼成工程S2とを備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主型(mater mo
uld )や中子(core)などの鋳型を造型するようなガス
硬化鋳型およびその鋳物砂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にガス硬化により主型や中子を造型
するアシェランドコールドボックス法の骨材としては珪
砂やジルコンサンドなどの天然砂が用いられている。上
述の珪砂は安価な利点がある反面、砂形状が角張ってお
り造型用の型に対する充填性が悪く、しかも熱膨張率が
大きいので、溶湯の鋳込み時に熱膨張し、鋳物精度(鋳
造された製品の寸法精度)が悪化する問題点があった。
【0003】また、上述のジルコンサンドはその砂形状
が略球状で、造型用の型に対する充填性がよい利点があ
る反面、高価で安定した供給が得られない問題点があっ
た。
【0004】このような問題点を解決するために従来よ
りムライト系セラミックス(化学組成3Al2 3 ・2
SiO2 〜2Al2 3 ・SiO2 )の砂(人工砂)が
用いられている。
【0005】このムライト系セラミックスの砂は安価
で、熱膨張率が低いうえ、その砂形状も球体であるとい
う利点がある反面、焼成により形成される関係上、砂表
面に多数の微細な穴(気孔)があり、所謂ポーラスな構
造である。このため粘性が低いコールドボックス用のレ
ジン(樹脂)により砂相互を結合させて主型や中子を造
型する際に、人工砂表面の穴にレジンが浸透し、砂相互
の結合に寄与するレジンが過少となって、造型された主
型や中子などの鋳型強度が低下する問題点があった。
【0006】一方、特開平4−361852号公報に記
載の如くアミンガスの通気により硬化する鋳型砂を用
い、振動を付加しながら鋳型や中子を製造することで、
鋳型や中子の製造時間の短縮、鋳物の寸法精度の向上を
図る方法が既に発明されているが、この従来方法によれ
ば鋳造砂として熱膨張率が大きい珪砂(天然砂)が用い
られる関係上、上述同様にして鋳物精度が悪化する問題
点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明の請求項1記
載の発明は、ムライト系セラミックスの砂(人工砂)に
レジン(樹脂)を混合して混練し、砂表面の穴にレジン
を充填する充填工程と、レジンが充填された砂を加熱し
て、レジンを炭化させる焼成工程とを備えることで、レ
ジンの炭化により砂表面の穴を閉塞することができ、こ
の砂を用いて鋳型を造型する際の鋳型強度の向上を図る
ことができるガス硬化鋳型用鋳物砂の製造方法の提供を
目的とする。
【0008】この発明の請求項2記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、上述の炭化処理を約
300〜900℃の温度範囲にて実行することで、砂表
面の穴に充填したレジンを確実に炭化させることがで
き、また砂表面に余分なレジンが残存するのを防止する
ことができるガス硬化鋳型用鋳物砂の製造方法の提供を
目的とする。
【0009】この発明の請求項3記載の発明は、上記請
求項2記載の発明の目的と併せて、上述の焼成工程にお
ける焼成時間を約2〜9時間の範囲に設定することで、
砂表面の穴に充填したレジンを何等焼失させることな
く、良好に炭化させることができるガス硬化鋳型用鋳物
砂の製造方法の提供を目的とする。
【0010】この発明の請求項4記載の発明は、請求項
1の方法で製造された鋳物砂に対してレジンを混合する
混合工程を備え、鋳物砂に対してレジンが混合されたも
のを造型用の型に充填して、ガス硬化させることで、造
型された主型や中子等の鋳型の強度向上を図ることがで
きるガス硬化鋳型の製造方法の提供を目的とする。
【0011】この発明の請求項5記載の発明は、上記請
求項4記載の発明の目的と併せて、鋳造後においてガス
硬化鋳型を回収し、回収後のガス硬化鋳型を崩壊して、
焼成工程にて再生することで、鋳物砂の再生および再利
用を達成することができるガス硬化鋳型の製造方法の提
供を目的とする。
【0012】この発明の請求項6記載の発明は、上記請
求項5記載の発明の目的と併せて、上述の充填工程およ
び焼成工程を経て形成された鋳物砂を、焼成工程と混合
工程との間において補充することで、補充砂を補足して
も鋳型強度が何等低下することのないガス硬化鋳型の製
造方法の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
の発明は、ガス硬化鋳型用鋳物砂の製造方法であって、
ムライト系セラミックスの砂にレジンを混合して混練
し、砂表面の穴にレジンを充填する充填工程と、レジン
が充填された砂を加熱して、レジンを炭化させる焼成工
程とを備えたガス硬化鋳型用鋳物砂の製造方法であるこ
とを特徴とする。
【0014】この発明の請求項2記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記炭化処理を約3
00〜900℃の温度範囲にて実行するガス硬化鋳型用
鋳物砂の製造方法であることを特徴とする。
【0015】この発明の請求項3記載の発明は、上記請
求項2記載の発明の構成と併せて、上記焼成工程におけ
る焼成時間を約2〜9時間の範囲に設定したガス硬化鋳
型用鋳物砂の製造方法であることを特徴とする。
【0016】この発明の請求項4記載の発明は、上記請
求項1に記載の製造方法で製造された鋳物砂に対してレ
ジンを混合する混合工程を備え、鋳物砂に対してレジン
が混合されたものを造型用の型に充填し、ガス硬化させ
るガス硬化鋳型の製造方法であることを特徴とする。
【0017】この発明の請求項5記載の発明は、上記請
求項4記載の発明の構成と併せて、鋳造後においてガス
硬化鋳型を回収し、回収後のガス硬化鋳型を崩壊して、
焼成工程にて再生するガス硬化鋳型の製造方法であるこ
とを特徴とする。
【0018】この発明の請求項6記載の発明は、上記請
求項5記載の発明の構成と併せて、上記充填工程および
焼成工程を経て形成された鋳物砂を、焼成工程と混合工
程との間において補充するガス硬化鋳型の製造方法であ
ることを特徴とする。
【0019】
【発明の作用及び効果】この発明の請求項1記載の発明
によれば、上述の充填工程で、ムライト系セラミックス
の砂にレジンを混合して混練し、砂表面の穴にレジンを
充填し、次の焼成工程で、レジンが充填された砂を加熱
して、レジンを炭化させる。このように、レジン(樹
脂)の炭化により砂表面の穴を閉塞することができるの
で、この砂を用いて鋳型を造型する際には別途レジンを
用いて砂相互を結合させるが、このレジンは砂相互の結
合に充分に寄与することになる。この結果、新砂使用時
の鋳型強度の向上を図ることができる効果がある。
【0020】この発明の請求項2記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、上述の炭化処
理を約300〜900℃の温度範囲にて実行するので、
砂表面の穴に充填したレジンを確実に炭化させることが
でき、また砂表面に余分なレジンが残存するのを防止す
ることができる効果がある。すなわち炭化処理の温度が
300℃未満の時には砂表面に余分なレジンが残存し、
造型および鋳造後における鋳型(砂型)の崩壊性が悪化
し、逆に炭化処理の温度が900℃を超過する時には、
穴に充填されたレジンが焼失する。したがって温度範囲
を約300〜900℃に設定することで、このような問
題点が解消され、砂表面の穴に充填したレジンを確実に
炭化させることができる。
【0021】この発明の請求項3記載の発明によれば、
上記請求項2記載の発明の効果と併せて、上述の焼成工
程における焼成時間を約2〜9時間の範囲に設定したの
で、砂表面の穴に充填したレジンを何等焼失させること
なく、良好に炭化させることができる効果がある。すな
わち焼成時間が2時間未満の時には良好な炭化が得られ
ず、逆に焼成時間が9時間を超える時には、穴に充填さ
れたレジンが焼失するばかりでなく、エネルギロスが生
ずる。したがって、時間範囲を約2〜9時間に設定する
ことで、このような問題点が解消され、砂表面の穴に充
填したレジンを良好に炭化させることができる。
【0022】この発明の請求項4記載の発明によれば、
上述の混合工程で、請求項1に記載の製造方法にて製造
された鋳物砂に対してレジンが混合され、次に鋳物砂に
対してレジンが混合されたものを造型用の型に充填し、
ガス硬化して、鋳型(主型や中子)が製造される。この
結果、造型された主型や中子等の鋳型の強度向上を図る
ことができる効果がある。
【0023】この発明の請求項5記載の発明によれば、
上記請求項4記載の発明の効果と併せて、上述のガス硬
化鋳型を用いて鋳造を行なった後に、このガス硬化鋳型
を回収し、回収後のガス硬化鋳型を一旦崩壊して、焼成
工程にて再生するので、鋳物砂の再生および再利用を達
成することができる効果がある。
【0024】この発明の請求項6記載の発明によれば、
上記請求項5記載の発明の効果と併せて、上述の充填工
程および焼成工程を経て形成された鋳物砂(すなわちレ
ジンの炭化により砂表面の穴が閉塞された鋳物砂)を、
焼成工程と混合工程との間において補充するので、補充
砂を必要量補足しても鋳型強度が何等低下することがな
く、所期の鋳型強度を確保することができる効果があ
る。
【0025】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面はガス硬化鋳型用鋳物砂の製造方法と、こ
の製造方法により製造された鋳物砂を用いてガス硬化鋳
型の製造方法を示す。
【0026】図1に示す工程図の第1の工程S1(充填
工程)で、ムライト系セラミックスの砂1(図2、図9
参照)にレジンを混合して混練し、砂1表面の穴2(図
9参照)にレジン3(図10参照)を充填する。ここ
で、上述のムライト系セラミックスの砂1はその表面に
多数の穴2(図9参照)を有し、見掛け気孔率に対する
強度の関係は図12に示す通りであって、見掛け気孔率
が小さい程、強度は大きくなる。なお上記砂1を人工的
に形成する場合の条件を選定することにより、見掛け気
孔率を任意に設定することができる。
【0027】上述のレジン3としてはフェノール樹脂
(主剤)とポリイソシアネート(硬化剤)とを用い、砂
1に対してフェノール樹脂を0.5〜2.0wt%の割合
で配合し、同様に砂1に対してポリイソシアネートを
0.5〜2.0wt%の割合で配合する。仮りに、これら
の樹脂の配合割合が0.5wt%未満の場合には主剤と硬
化剤との反応が得られず、これらの樹脂の配合割合が
2.0wt%を超える場合にはムダが生ずるので、上記配
合割合と成す。
【0028】上記配合割合の砂1とレジン3とを混練す
るには図2に示す混練機4を用いる。この混練機4は有
底筒状の混練筒5と混練スクリュ6とを備え、この混練
筒5に砂1およびレジン3を投入し、混練スクリュ6を
駆動して、砂1とレジン3とを約1分間混練、撹拌する
と、多数の砂1に対してそれぞれ均一にレジン3をまぶ
すことができ、砂1表面の穴2には図10に示す如くレ
ジン3が充填される。
【0029】次に図1に示す第2の工程S2(焼成工
程)で、レジン3が充填された砂1(図10参照)を加
熱して、レジン3を炭化させて、鋳物砂7(図11参
照)を製造する。上述の第2の工程S2における焼成に
は図3に示す焙焼炉8を用いる。
【0030】この焙焼炉8は炉本体9の底部に多孔板1
0および噴火器いわゆるガスバーナ11を設けると共
に、炉本体9の底部と連通するように燃焼用空気の導管
12を介してブロア13(送風手段)の吹出部を配設し
ている。
【0031】また炉本体9の上部には砂投入管14を連
通接続すると共に、集塵ダクト15を介して集塵機16
を接続している。而して、レジン3が均一にまぶされた
砂1を、砂投入管14から多孔板10上に投入し、ガス
バーナ11からフェノール・ガスを供給して、その炎a
により砂1を加熱すると共に、ブロア13から風速約6
700m3 /分の燃焼用空気を供給し、この流動空気で
砂1の表面に付着したレジン3を除去しつつ、焼成温度
(炭化処理の温度)約300〜900℃、焼成時間約2
〜6時間の範囲内で穴2内のレジン3の炭化処理を実行
する。
【0032】上述の焼成温度を約300〜900℃の温
度範囲に設定したので、砂1の表面の穴2に充填したレ
ジン3を確実に炭化(図11の炭化部3c参照)させる
ことができ、また砂1の表面に余分なレジン3が残存す
るのを防止することができる効果がある。つまり、焼成
温度が300℃未満の時には砂1の表面に余分なレジン
3が残存し、造型および鋳造後における鋳型(砂型)の
崩壊性が悪化し、逆に焼成温度が900℃を超過する時
には、穴2に充填されたレジン3が焼失する。したがっ
て温度範囲を約300〜900℃に設定することで、こ
のような問題点が解消され、砂1の表面の穴2に充填し
たレジン3を確実に炭化させて成る鋳物砂7(図11参
照)を製造することができる。
【0033】また、上述の焼成時間を約2〜9時間の範
囲に設定したので、砂1の表面の穴2に充填したレジン
3を何等焼失させることなく、良好に炭化(図11の炭
化部3c参照)させることができる効果がある。つま
り、焼成時間が2時間未満の時には良好な炭化が得られ
ず、逆に焼成時間が9時間を超える時には、穴2に充填
されたレジン3が焼失するばかりでなく、エネルギロス
が生ずる。したがって、時間範囲を約2〜9時間に設定
することで、このような問題点が解消され、砂1の表面
の穴2に充填したレジン3を良好に炭化させて成る鋳物
砂7(図11参照)を製造することができる。
【0034】図1に示す第1の工程S1と第2の工程S
2とがガス硬化鋳型用鋳物砂7(図11参照)を製造す
る方法を示し、これ以降の各工程は上述の鋳物砂7を用
いてガス鋳型(主型や中子)を製造する方法を示す。
【0035】図1に示す第3の工程S3(混合工程)
で、上述の鋳物砂7に対してレジンを混合して混練す
る。この工程S3で用いるレジンも先の第1の工程S1
と同様に、フェノール樹脂(主剤)とポリイソシアネー
ト(硬化剤)とを用い、鋳物砂7に対してフェノール樹
脂を0.5〜2.0wt%の割合で配合すると共に、ポリ
イソシアネートを鋳物砂7に対して0.5〜2.0wt%
の割合で配合する。なお、配合割合の理由については第
1の工程S1と同様である。
【0036】上記配合割合の鋳物砂7とレジンとを混練
するには図4に示す混練機17を用いる。この混練機1
7は有底筒状の混練筒18と混練スクリュ19とを備
え、この混練筒18に鋳物砂7およびレジンを投入し、
混練スクリュ19を駆動して、鋳物砂7とレジンとを約
1分間混練、撹拌すると、多数の鋳物砂7に対してそれ
ぞれ均一にレジンをまぶすことができる。
【0037】この場合、上述のフェノール樹脂とポリイ
ソシアネートからなるレジン(コールドボックス用のレ
ジン)はその粘性が低いが、予め先の第1、第2の各工
程S1,S2を経て鋳物砂7の表面にはレジン3を炭化
させた炭化部3cが形成されているので、この第3の工
程S3で用いるレジンが鋳物砂7に浸透するのを防止す
ることができる。
【0038】次に図1に示す第4の工程S4で、混練済
みの鋳物砂7R(鋳物砂7に対してレジンが混合された
もの)を図5に示すホッパ20に移し変える。このホッ
パ20はホッパ底部の流下口21を開閉するシャッタ2
2を有するが図示構造のホッパ20に限定されるもので
はない。
【0039】次に図1に示す第5の工程S5で、図5の
ホッパ20(内部に鋳物砂7Rが貯溜され多ホッパ)を
図6に示すように造型用の型23,24の所定部にセッ
トすると共に、ホッパ20の上端開口部には圧縮空気の
入口25を備えたリッド部材26を気密状に取付け、シ
ャッタ22にて流下口21を開放した後に、上述の入口
25から圧縮空気を供給して、鋳物砂7Rを型23,2
4内に吹込んで、充填する(造型工程)。
【0040】この際、上述の造型用の型23,24に必
要に応じて形成されたベントホール23a,24aを、
プラグ27,28にて閉止する。なお、造型用の型2
3,24としては金型または木型を用いることができ、
中子を造型する際には中子取り型を用いる。
【0041】次に図1に示す第6の工程S6で、型2
3,24内に充填された鋳物砂7Rをガス硬化させる。
すなわち、図7に示すようにベントホール23a,24
aにガス導管29,30を接続する一方、造型用の型2
3,24の上部にガス吹込み装置31を設置する。
【0042】このガス吹込み装置31は乾燥圧縮空気の
入口32と、反応促進用触媒ガスとしてのトリエチルア
ミンガスを注入する注入口33,33とを有し、上述の
入口32から乾燥圧縮空気を型23,24内の鋳物砂7
Rに吹込み通過させながら、上述の注入口33,33か
ら1〜2cc/砂kgの割合のトリエチルアミンガスを型2
3,24内の鋳物砂7Rに吹込み通過させ、鋳物砂7R
を乾燥圧縮空気の雰囲気中において30〜60sec 間ガ
ス硬化させる。なお、上述のガス導管29,30から排
出される触媒ガス(トリエチルアミンガス)は図示しな
い中和装置にて中和処理する。
【0043】ここで、上述のトリエチルアミンガスの使
用量が1cc/砂kg未満の時は、反応促進効果(ガス硬化
作用)が得られず、トリエチルアミンガスの使用量が2
cc/砂kgを超える時は中和量が多くなるため、上記範囲
に設定する。またトリエチルアミンガスの通過時間(ガ
ス硬化時間)が30sec 未満の時は、良好なガス硬化が
得られず、60sec を超える時はムダが生ずるばかりで
なく、中和量が過多となるため、上記範囲に設定する。
【0044】このようにして、造型用の型23,24内
に充填された鋳物砂7Rをガス硬化させると、鋳物砂7
R,7R相互間が互に前述のレジンにより結合および硬
化され、ガス硬化鋳型34が製造される。次に図1に示
す第7の工程S7で、型23,24からガス導管29,
30およびガス吹込み装置31を除去した後に、両型2
3,24を離反させて、これらの型23,24からガス
硬化鋳型34を抜型(型抜き)処理する。
【0045】次に図1に示す第8の工程S8で、ガス硬
化鋳型34(主型または中子)を用いて鋳造する。この
場合、高温の溶湯が鋳込まれるが、ムライト系セラミッ
クスの砂1を主体とするガス硬化鋳型34はその熱膨張
率が低いので、寸法精度が高い製品を鋳造することがで
きる。
【0046】次に図1に示す第9の工程S9で、製品鋳
造後において型ばらしを行なうと共に、ガス硬化鋳型3
4を回収し、回収後のガス硬化鋳型34を一旦崩壊(型
34をくずす)すると共に、前述の第2の工程S2(焼
成工程)において崩壊された鋳物砂7を再生する。
【0047】この場合、鋳造時において溶湯付近に位置
する鋳物砂7が劣化すると、この劣化した鋳物砂7に代
えて補充砂を補足する。また鋳物砂7は完全に全量回収
することができないので、この場合にも補充砂を補足す
るが、このような補充砂としては図1の充填工程S1お
よび焼成工程S2を経て形成された鋳物砂7を用い、こ
の新しい鋳物砂7を焼成工程S2と混合工程S3との間
において補充する(図1の第10の工程S10参照)。
【0048】以上要するに本実施例のガス硬化鋳型用鋳
物砂の製造方法によれば、上述の充填工程S1で、ムラ
イト系セラミックスの砂1にレジン3を混合して混練
し、砂1の表面の穴2にレジン3を充填し、次の焼成工
程S2で、レジン3が充填された砂1を加熱して、レジ
ン3を炭化(図11の炭化部3c参照)させる。このよ
うに、レジン3(樹脂)の炭化により砂1の表面の穴2
を閉塞することができるので、この砂つまり図11に示
す鋳物砂7を用いてガス硬化鋳型34を造型する際には
別途レジンを用いて砂7,7相互を結合させるが、この
レジンは砂7,7相互の結合に充分に寄与することにな
る。この結果、新砂使用時の鋳型強度の向上を図ること
ができる効果がある。
【0049】また、上述の炭化処理を約300〜900
℃の温度範囲にて実行するので、砂1の表面の穴2に充
填したレジン3を確実に炭化させることができ、また砂
1の表面に余分なレジン3が残存するのを防止すること
ができる効果がある。すなわち、炭化処理の温度が30
0℃未満の時には砂1の表面に余分なレジン3が残存
し、造型および鋳造後における鋳型(砂型)の崩壊性が
悪化し、逆に炭化処理の温度が900℃を超過する時に
は、穴2に充填されたレジン3が焼失する。したがって
温度範囲を約300〜900℃に設定することで、この
ような問題点が解消され、砂1の表面の穴2に充填した
レジン3を何等消失させることなく確実に炭化させるこ
とができる。
【0050】さらに、上述の焼成工程S2における焼成
時間を約2〜9時間の範囲に設定したので、砂1の表面
の穴2に充填したレジン3を何等焼失させることなく、
良好に炭化させることができる効果がある。すなわち焼
成時間が2時間未満の時には良好な炭化が得られず、逆
に焼成時間が9時間を超える時には、穴2に充填された
レジン3が焼失するばかりでなく、エネルギロスが生ず
る。したがって、時間範囲を約2〜9時間に設定するこ
とで、このような問題点が解消され、砂1の表面の穴2
に充填したレジン3を良好に炭化(図11の炭化部3c
参照)させることができる。
【0051】一方、本実施例のガス硬化鋳型の製造方法
によれば、上述の混合工程S3で、図11に示す鋳物砂
7(つまり上述のガス硬化鋳型用鋳物砂の製造方法によ
り製造された鋳物砂)に対してレジンが混合され、次に
鋳物砂7に対してレジンが混合されたもの7Rを造型用
の型23,24に充填し、ガス硬化して、鋳型(主型や
中子)34が製造される。この結果、造型された主型や
中子等の鋳型34の強度向上を図ることができる効果が
ある。
【0052】また、上述のガス硬化鋳型34を用いて鋳
造を行なった後に、このガス硬化鋳型34を回収し、回
収後のガス硬化鋳型34を一旦崩壊して、上述の焼成工
程S2にて再生するので、鋳物砂7の再生および再利用
を達成することができる効果がある。
【0053】さらに、上述の充填工程S1および焼成工
程S2を経て形成された鋳物砂7(すなわちレジン3の
炭化により砂1の表面の穴2が閉塞された鋳物砂)を、
焼成工程S2と混合工程S3との間において補充するの
で、補充砂(鋳物砂7参照)を必要量補足しても鋳型3
4の強度が何等低下することがなく、所期の鋳型強度を
確保することができる効果がある。
【0054】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明のレジンは、実施例のフェノール樹
脂(主剤)およびポリイソシアネート(硬化剤)に対応
し、以下同様に、ガス硬化は、トリエチルアミンガスに
よるガス硬化に対応するも、この発明は、上述の実施例
の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガス硬化鋳型およびその鋳物砂の製
造方法を示す工程図。
【図2】 充填工程の説明図。
【図3】 焼成工程の説明図。
【図4】 混合工程の説明図。
【図5】 排出砂工程の説明図。
【図6】 造型工程の説明図。
【図7】 ガス硬化工程の説明図。
【図8】 抜型工程の説明図。
【図9】 ムライト系セラミックスの砂を示す部分断面
図。
【図10】 穴にレジンが充填された状態を示す部分断
面図。
【図11】 レジンの炭化状態を示す部分断面図。
【図12】 見掛け気孔率に対する強度の関係を示す特
性図。
【符号の説明】
1…砂 2…穴 3…レジン 7…鋳物砂 23,24…型 34…ガス硬化鋳型 S1…充填工程 S2…焼成工程 S3…混合工程

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガス硬化鋳型用鋳物砂の製造方法であっ
    て、ムライト系セラミックスの砂にレジンを混合して混
    練し、砂表面の穴にレジンを充填する充填工程と、レジ
    ンが充填された砂を加熱して、レジンを炭化させる焼成
    工程とを備えたガス硬化鋳型用鋳物砂の製造方法。
  2. 【請求項2】上記炭化処理を約300〜900℃の温度
    範囲にて実行する請求項1記載のガス硬化鋳型用鋳物砂
    の製造方法。
  3. 【請求項3】上記焼成工程における焼成時間を約2〜9
    時間の範囲に設定した請求項2記載のガス硬化鋳型用鋳
    物砂の製造方法。
  4. 【請求項4】上記請求項1に記載の製造方法で製造され
    た鋳物砂に対してレジンを混合する混合工程を備え、鋳
    物砂に対してレジンが混合されたものを造型用の型に充
    填し、ガス硬化させるガス硬化鋳型の製造方法。
  5. 【請求項5】鋳造後においてガス硬化鋳型を回収し、回
    収後のガス硬化鋳型を崩壊して、焼成工程にて再生する
    請求項4記載のガス硬化鋳型の製造方法。
  6. 【請求項6】上記充填工程および焼成工程を経て形成さ
    れた鋳物砂を、焼成工程と混合工程との間において補充
    する請求項5記載のガス硬化鋳型の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019177402A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 旭有機材株式会社 鋳型用骨材及びその製造方法

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