JP2019177402A - 鋳型用骨材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】骨材表面からの吸収による液状の粘結剤の使用量の減少を阻止することによって、鋳型強度の低下を効果的に阻止し得るようにした鋳型用骨材を提供することにあり、また、骨材自体の強度を効果的に向上せしめた鋳型用骨材を提供することにもあり、更に、そのような優れた特性を有する鋳型用骨材を有利に製造し得る方法を提供すること。【解決手段】表面に開口する穴が存在し、吸水率が0.2質量%を超える耐火性骨材において、かかる表面の開口穴が、有機化合物又は無機化合物を主成分とする穴埋め材にて穴埋めされていることにより、吸水率が0.2質量%以下となるように構成した。【選択図】なし

Description

本発明は、鋳型用骨材及びその製造方法に係り、特に、鋳型用骨材の特性の改良技術に関するものである。
従来から、金属の鋳造に用いられている主型や中子の如き鋳型は、ケイ砂、ジルコンサンド、オリビンサンド等の天然砂の他、フェロクロム系スラグの如きスラグ系粒子やアルミナ系粒子、ムライト系粒子等の人工粒子を耐火性骨材として用い、これに、水ガラスの如き無機粘結剤やフェノール樹脂の如き有機粘結剤を混合して、目的とする形状に造型することによって、製造されている。
ところで、そのような鋳型の造型に用いられる耐火性骨材には、その表面に開口する多くの穴が存在しており、そのために、骨材同士を結合するべく配合される粘結剤が、表面の開口部を通じて穴内に侵入することによって、消費されることにより、充分な強度を有する鋳型の造型が困難であるという問題を内在している。換言すれば、目的とする鋳型強度を得るために、粘結剤の使用量を多くする必要があり、それによって、粘結剤コストが増大し、ひいては鋳型の造型コストが高くなることとなる。
また、そのような多くの開口穴が存在する鋳造用の骨材にあっては、必然的に、骨材自体の強度が低下することとなり、そのために、鋳造後の鋳型からの骨材の回収や再生に際して、骨材が粉末化して、作業環境を悪化させたり、発生する粉末の廃棄処理の問題を惹起することに加えて、骨材の回収率乃至は再生率が低下して、回収コスト乃至は再生コストが高くなる問題も、内在するものであった。
そこで、特開平11−10278号公報においては、ムライト系セラミックスの砂にレジンを混合して、混練し、砂表面の穴にレジンを充填する充填工程と、レジンが充填された砂を加熱して、レジンを炭化させる焼成工程とを備えたガス硬化鋳型用鋳物砂の製造方法が提案され、これによって、添加されるレジンによって砂を有効に結合せしめて、鋳型強度の向上を図ることが出来るとされている。
しかしながら、かかるガス硬化鋳型用鋳物砂の製造方法にあっては、炭化されたレジンが吸水するようになるところから、耐火性骨材と液体状の粘結剤とを混練して、鋳型材料として用いる際に、混練時から、耐火性骨材が液体状の粘結剤を吸収するようになることにより、粘結剤の量が不充分となり、粘着性が充分に得られずに、目的とする鋳型強度を実現することが困難となる問題を内在している。特に、粘結剤の使用量を少なくして、鋳型を造型しようとしたときに、充分な粘着力を発揮することが困難となり、鋳型が崩れてしまう等という問題があった。
特開平11−10278号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、骨材表面からの吸収による液状の粘結剤の使用量の減少を阻止することによって、鋳型強度の低下を効果的に阻止し得るようにした鋳型用骨材を提供することにあり、また、骨材自体の強度を効果的に向上せしめた鋳型用骨材を提供することにもあり、更に、そのような優れた特性を有する鋳型用骨材を有利に製造し得る方法を提供することにもある。
そして、本発明は、上記した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものである。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書の記載から把握され得る発明思想に基づいて認識され得るものであることが理解されるべきである。
(1)表面に開口する穴が存在し、吸水率が0.2質量%を超える耐火性骨材において、 かかる表面の開口穴が、有機化合物又は無機化合物を主成分とする穴埋め材にて穴埋 めされていることにより、吸水率が0.2質量%以下となるように構成されてなるこ とを特徴とする鋳型用骨材。
(2)前記有機化合物が、熱可塑性樹脂及び架橋硬化性樹脂からなる群より選ばれてなる 前記態様(1)に記載の鋳型用骨材。
(3)前記架橋硬化性樹脂が、フェノール樹脂及びフェノールウレタン樹脂からなる群よ り選ばれてなる前記態様(2)に記載の鋳型用骨材。
(4)前記有機化合物が、架橋硬化性樹脂の硬化物である前記態様(1)乃至前記態様(
3)の何れか1つに記載の鋳型用骨材。
(5)前記無機化合物が、水ガラス、セメント、石膏及びベントナイトからなる群より選 ばれてなる前記態様(1)乃至前記態様(4)の何れか1つに記載の鋳型用骨材。
(6)前記無機化合物が、硬化物の形態において、用いられている前記態様(1)乃至前 記態様(5)の何れか1つに記載の鋳型用骨材。
(7)前記穴埋め材が、界面活性剤を更に含んでいる前記態様(1)乃至前記態様(6) の何れか1つに記載の鋳型用骨材。
(8)前記穴埋め材が、カップリング剤を更に含んでいる前記態様(1)乃至前記態様(
7)の何れか1つに記載の鋳型用骨材。
(9)前記耐火性骨材の平均粒子径が、10〜1000μmである前記態様(1)乃至前 記態様(8)の何れか1つに記載の鋳型用骨材。
(10)前記穴埋め後の耐火性骨材粒子の圧縮強度が、穴埋め前の耐火性骨材粒子の圧縮 強度の1.1倍以上である前記態様(1)乃至前記態様(9)の何れか1つに記載の 鋳型用骨材。
(11)前記穴埋め材が、前記耐火性骨材の100質量部に対して、0.4質量部以下で ある前記態様(1)乃至前記態様(10)の何れか1つに記載の鋳型用骨材。
(12)前記鋳型用骨材の表面に、前記耐火性骨材が少なくとも露出せしめられている前 記態様(1)乃至前記態様(11)の何れか1つに記載の鋳型用骨材。
(13)前記鋳型用骨材が、その50gを濃度3.0%の液状の水ガラス水溶液50gに 添加して、20℃の温度で24時間保持したときの溶出量が、該鋳型用骨材に存在す る前記穴埋め材の固形分の30質量%以下であることを特徴とする前記態様(1)乃 至前記態様(12)の何れか1つに記載の鋳型用骨材。
(14)表面に開口する穴が存在して、吸水率が0.2質量%を超える耐火性骨材を用い 、この耐火性骨材を予め加熱した後、25℃での粘度が3〜1000cPの有機化合 物を主成分とする穴埋め材の溶液を混和せしめて、かかる溶液を蒸発させることによ り、該耐火性骨材の表面の開口穴を、前記有機化合物で穴埋めして、吸水率が0.2 質量%以下の鋳型用骨材を得ることを特徴とする鋳型用骨材の製造方法。
(15)表面に開口する穴が存在して、吸水率が0.2質量%を超える耐火性骨材を用い 、この耐火性骨材を予め加熱した後、有機化合物を主成分とする固体状の穴埋め材を 混和せしめて、かかる穴埋め材を溶融させることにより、該耐火性骨材の表面の開口 穴を、前記有機化合物で穴埋めして、吸水率が0.2質量%以下の鋳型用骨材を得る ことを特徴とする鋳型用骨材の製造方法。
(16)前記有機化合物が架橋硬化性樹脂であり、加熱により、及び/又は硬化剤の添加 により、該架橋硬化性樹脂が硬化せしめられるようにした前記態様(14)又は前記 態様(15)に記載の鋳型用骨材の製造方法。
(17)表面に開口する穴が存在して、吸水率が0.2質量%を超える耐火性骨材を用い 、この耐火性骨材に対して、25℃での粘度が3〜1000cPの液体の架橋硬化性 樹脂と硬化剤とを混和せしめて、反応硬化させることにより、かかる耐火性骨材の表 面の開口穴を、前記架橋硬化性樹脂の硬化物で穴埋めして、吸水率が0.2質量%以 下の鋳型用骨材を製造することを特徴とする鋳型用骨材の製造方法。
(18)表面に開口する穴が存在して、吸水率が0.2質量%を超える耐火性骨材を用い 、この耐火性骨材を予め加熱した後、25℃での粘度が3〜1000cPの無機化合 物を主成分とする穴埋め材の水溶液又はエマルジョンを混和せしめて、かかる水溶液 を蒸発させることにより、該耐火性骨材の表面の開口穴を、前記無機化合物で穴埋め して、吸水率が0.2質量%以下の鋳型用骨材を製造することを特徴とする鋳型用骨 材の製造方法。
(19)前記無機化合物が、加熱により、及び/又は硬化剤の添加により、硬化せしめら れる前記態様(18)に記載の鋳型用骨材の製造方法。
(20)前記鋳型用骨材が、更に研磨されることを特徴とする前記態様(14)乃至前記 態様(19)の何れか1つに記載の鋳型用骨材の製造方法。
このように、本発明に従う鋳型用骨材にあっては、耐火性骨材の表面に存在する開口穴を、有機化合物又は無機化合物からなる穴埋め材で穴埋めして、当該骨材の吸水率が0.2質量%以下となるように構成することにより、かかる耐火性骨材を液状の粘結剤と混練して用いるときに、かかる骨材が、液状の粘結剤を吸収することによる粘結剤の量の減少を効果的に抑制乃至は阻止して、鋳型強度の低下を有利に防ぐことが出来ることとなるのである。即ち、少ない粘結剤の使用量にて、より高い鋳型強度を発揮せしめることが可能となるのであり、また目的とする鋳型強度を実現するための粘結剤の使用量の低減が、より一層有利に実現され得るのである。
従って、本発明に係る鋳型用骨材にあっては、コーテッドサンドの製造に際して、そのようなコーテッドサンドから造型される鋳型に充分な鋳型強度を付与せしめつつ、コーテッドサンドの製造のための粘結剤量を少なくして、鋳型の崩壊性を向上せしめることが、有利に実現し得ることとなったのである。
しかも、本発明に従う鋳型用骨材にあっては、骨材表面を滑らかにすることが出来るところから、その流動性を効果的に向上させることが出来る他、鋳型用骨材自体の強度も有利に向上せしめられ得て、廃鋳型からの鋳型用骨材の回収やその再生に際しても、骨材の粉状化が効果的に抑制乃至は阻止され得ることによって、その回収率乃至は再生率を向上せしめ、以て、骨材コストの低減も有利に図り得ることとなるのである。
実施例において採用される圧縮強度の測定の原理を概念的に示す説明図であって、(a)は圧縮試験前の状態を示し、(b)は圧縮試験時の状態を示している。
先ず、本発明に従う鋳型用骨材において対象とされる耐火性骨材は、表面に開口する穴が多数存在して、吸水率が0.2質量%を超えるような物性を備えた耐火性の粒子であって、そのような高い吸水率のものに対して、本発明が適用されることにより、目的とする作用・効果が有利に奏され得ることとなるのである。具体的には、表面開口穴より浸入する水によって、0.2質量%超〜5質量%程度、好ましくは0.3質量%〜4質量%程度の吸水性を示すこととなる耐火性骨材が、本発明では、有利に対象とされるのである。
なお、そのような本発明において対象とされる耐火性骨材としては、上記の吸水率の条件を満たすものであれば、鋳型の基材として機能する耐火性物質であって、従来から鋳型用として利用されている各種の耐火性の粒状乃至は粉状材料が、何れも用いられ得るところであって、具体的には、ケイ砂、再生ケイ砂を始め、アルミナサンド、オリビンサンド、ジルコンサンド、クロマイトサンド等の特殊砂や、フェロクロム系スラグ、フェロニッケル系スラグ、転炉スラグ等のスラグ系粒子;アルミナ系粒子、ムライト系粒子等の人工粒子及びこれらの再生粒子;アルミナボール、マグネシアクリンカー等を挙げることが出来る。なお、これらの耐火性骨材は、新砂であっても、或いは、鋳型の造型に一回或いは複数回、使用された再生砂又は回収砂であっても、更には、そのような再生砂や回収砂に新砂を加えて混合せしめてなる混合砂であっても、何ら差支えない。そして、そのような耐火性骨材としては、一般に、10〜1000μm程度の平均粒子径のものが、好ましくは50〜800μm程度の平均粒子径のものが、更に好ましくは80〜600μm程度の平均粒子径のものが、用いられることとなる。
また、かかる耐火性骨材の表面の開口穴を穴埋めする穴埋め材としては、有機化合物又は無機化合物を主成分とする穴埋め材が用いられることとなる。この穴埋め材は、耐火性骨材の表面に開口する穴を穴埋めし得るものであれば、特に限定されるものではないが、特に、有機化合物の中では熱可塑性樹脂及び架橋硬化性樹脂からなる群れより選ばれたものであることが好ましく、中でも、架橋硬化性樹脂の硬化物を用いることが、特に好ましい。
ところで、本発明において、穴埋め材として有機化合物を用いると、金属溶湯によってもたらされる熱によって、穴埋め材の有機化合物が効果的に熱分解され、以て鋳造後の鋳型の崩壊性が良好なものとなる利点が生じる。しかも、鋳造後の鋳型より回収される鋳物砂にあっては、上記した有機化合物の熱分解によって、コーテッドサンドの被覆層として用いられた水溶性無機粘結剤の固化物乃至は硬化物が、鋳物砂表面から剥離し易い状態となるところから、回収した砂に対して、研磨工程等を有する乾式再生処理を施すことにより、容易に再生することが可能となるのである。また、穴埋め材に無機化合物を用いた場合にあっては、穴埋め材と水溶性無機粘結剤との接着性が良いために、鋳型の強度をより向上させることが出来る利点があり、更に鋳型材料中に有機分が殆ど無いために、注湯される金属溶湯から加わる熱の作用によるガスの発生が効果的に抑制され、以て、臭気の改善を図ることも、可能となるのである。
なお、本発明において、穴埋め材を与える有機化合物の一つとして用いられる熱可塑性樹脂としては、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、スチレンアクリロニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、パラフィン、ポリエチレン、ポリプロピレンからなる樹脂等を、挙げることが出来る。それらの中でも、コーテッドサンドの製造のし易さや水溶液状にした水溶性無機粘結剤に対する低溶出量の観点から、特にポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレンが好ましく用いられることとなる。
さらに、穴埋め材である有機化合物の一つとして用いられる架橋硬化性樹脂とは、例えば、ヘキサメチレンテトラミン、有機エステル、有機酸、炭酸ガス、過酸化物、金属イオン、アミン等の硬化剤若しくは硬化触媒の存在又は非存在の下、加熱若しくは非加熱(常温)下で架橋硬化性を発現し、鋳物砂粒子を相互に結着して鋳型を形成するものである。なお、そのような架橋硬化性樹脂としては、公知の各種のものを用いることが出来、一般に、コーテッドサンドの形成に用いられる粘結剤の種類に応じて、適宜に選定されることとなる。例えば、水ガラスの如き水溶性無機粘結剤を用いた場合にあっては、そのアルカリ性によって溶出され難い架橋硬化性樹脂が選択され、具体的には、レゾール型フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等が用いられ、それらの中でも、レゾール型フェノール樹脂が、好ましく用いられることとなる。また、レゾール型フェノール樹脂にあっても、硬化速度が速く、アルカリに対する溶出量をより有利に抑制するために、150℃の測定温度で、ゲル化時間が110秒以下、好ましくは35〜110秒、より好ましくは50〜105秒、更に好ましくは60〜100秒のものを用いることが、望ましい。なお、ゲル化時間の測定は、JACT試験法RS−5「ゲル化時間試験法」に準じて行われる。
そして、本発明にあっては、上述の如き有機化合物の中でも、架橋硬化性樹脂の硬化物が、有利に用いられるのである。この架橋硬化性樹脂の硬化物とは、低分子のものを硬化反応させることによって、高分子化合物へ分子量を増加させたものである。このように、溶融粘度の低い低分子の材料(架橋硬化性樹脂)を用いて、鋳物砂粒子の表面の開口穴を穴埋めした後に、加熱によって、或いは硬化剤の添加によって、かかる低分子材料である架橋硬化性樹脂を硬化させて、高分子量のものに変化させておくことにより、コーティング層の形成に用いられる粘結剤による穴埋め材の溶出が効果的に抑制され、特に架橋硬化性樹脂の充分な硬化物では、実質的に、殆ど溶出することはなくなるのである。ここで、本発明において、架橋硬化性樹脂の硬化物とは、穴埋め材における硬化した樹脂の割合(硬化率)が80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上のものであり、100質量%のものが最も好ましい。
また、そのような架橋硬化性樹脂の硬化物とすることによって、表面安定性の良好な高分子量の穴埋め材を形成することが出来、以て、穴埋め性と表面安定性の両立が可能となるのである。しかも、架橋硬化性樹脂が硬化することにより、水ガラス水溶液の如き粘結剤には溶出しなくなるため、そのアルカリ性による劣化が効果的に防止され得て、高い鋳型強度を維持することが出来る特徴も、発揮することとなる。更に、架橋硬化性樹脂の硬化物には、未硬化の架橋硬化性樹脂と比較すると、1)熱による穴埋め材の軟化が抑えられて鋳型強度が向上し、また、2)予め硬化に必要な熱量が消費されているため、熱が有効に熱分解に使用され、熱分解が速くなるので、鋳型の崩壊性がより向上し、更には、3)予め硬化に伴うガスが放出されていることから、鋳造時のガスの発生量が抑えられる、等という利点もある。
なお、そのような硬化物として用いられる架橋硬化性樹脂としては、具体的には、フェノール系樹脂、フェノールウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、多官能性アクリルアミド系樹脂(特公平7−106421号公報参照)、不飽和アルキッド樹脂、不飽和脂肪酸変性アルキッド樹脂、ジアリルフタレート樹脂や、必要に応じてこれらの樹脂を組み合わせた樹脂等を挙げることが出来る。これらの中でも、本発明の効果をより有利に享受できる観点から、特に、ノボラック型やレゾール型のフェノール系樹脂や、ポリイソシアネート化合物と混合して用いるフェノールウレタン系樹脂が、好ましく用いられることとなる。
また、本発明において、穴埋め材の一つとして用いられる無機化合物としては、具体的には、水ガラス、セメント、石膏、ベントナイト、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、バナジン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酸化アルミニウムナトリウム、塩化カリウム、炭酸カリウム等を、挙げることが出来る。それらの中でも、その硬化によって、安定して用いられ得るところから、水ガラス、セメント、石膏、ベントナイトが、特に有利に用いられることとなる。
さらに、本発明にあっては、上述の如き無機化合物を、公知の如く硬化反応せしめて、その硬化物にて、穴埋め材を形成することも、有利に採用されるところである。ここで、採用される無機化合物の硬化物とは、低分子のものを硬化反応させることによって、無機の高分子化合物へ分子量を増大させたものである。例えば、溶融粘度の低い低分子の材料(無機化合物)を用いて、鋳物砂粒子の表面の開口穴を穴埋めした後に、加熱によって、或いは硬化剤の添加によって、硬化せしめることにより、表面安定性の良好な高分子量の無機の穴埋め材を形成することが出来、以て、剥がれ防止と表面安定性の両立が可能となるのである。また、そのような無機化合物の硬化物には、未硬化の無機化合物と比較すると、熱による穴埋め材の軟化が抑制されて、鋳型用骨材の強度や鋳型強度が向上するという利点もある。なお、本発明において好適に用いられる無機化合物の硬化物とは、穴埋め材における硬化した無機化合物の割合(硬化率)が80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上のものであり、特に100質量%のものが、最も好ましいものである。
ところで、本発明において用いられる穴埋め材には、有利には、界面活性剤が含有せしめられることとなる。このように、穴埋め材の主成分である有機化合物又は無機化合物に、所定の界面活性剤が含有せしめられていることにより、穴埋め材が耐火性骨材の開口穴内に侵入し易くなり、かかる鋳型用骨材の穴埋めが効果的に実現され、これによって、骨材の吸水率を更に低下させることが出来ると共に、骨材の強度を、より一層有利に向上させることが出来ることとなる。なお、そのような穴埋め材中の界面活性剤の含有量としては、かかる穴埋め材の固形分の100質量部に対して、一般に0.1〜20.0質量部、好ましくは0.5〜15.0質量部、より好ましくは0.75〜12.5質量部であることが望ましい。
また、本発明において、穴埋め材に添加、含有せしめられる界面活性剤としては、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤の何れをも、用いることが出来る。具体的には、陽イオン性界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が、挙げられる。また、陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。更に、両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。加えて、非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えば、エマルゲン911)、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(例えば、ニューポールPE−62)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等が挙げられる。
さらに、上記した界面活性剤のうち、特に、非極性部位として、シロキサン構造を有するものをシリコーン系界面活性剤といい、パーフルオロアルキル基を有するものをフッ素系界面活性剤という。ここで、シリコーン系界面活性剤としては、ポリエステル変性シリコーン、アクリル末端ポリエステル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アクリル末端ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、アミノプロピル変性シリコーン等が挙げられる。また、フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルスルフォン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー等が挙げられる。
なお、本発明においては、上述の如き各種の界面活性剤を、単独で、又は2種類以上を混合して、用いることが可能である。これらの界面活性剤のうち、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤が、特に有利に使用される。また、かくの如き界面活性剤は、本発明に従う鋳型用骨材を製造するに際して、前述した穴埋め材と同時に、耐火性骨材に添加して混合してもよく、また穴埋め材よりも先に、耐火性骨材に添加することも、可能である。
また、本発明にあっては、穴埋め材中に、カップリング剤を含有せしめることも、有効である。このように、カップリング剤を穴埋め材に含有せしめることにより、穴埋め材の濡れ性や接着性を向上させることが出来、以て、耐火性骨材と穴埋め材との間の結合を強化することが出来、ひいては鋳型の強度を向上させることが出来ることとなる。この穴埋め材に含有せしめられ得るカップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、ジルコンカップリング剤、チタンカップリング剤等として公知のものを、好適なものとして挙げることが出来る。なお、穴埋め材中のカップリング剤の含有量は、穴埋め材の固形分の100質量部に対して、一般に、0.5〜10質量部、好ましくは1〜5質量部、より好ましくは1〜3質量部の割合とされる。なお、カップリング剤は、鋳型用骨材を製造する際に、穴埋め材と同時に耐火性骨材に添加して混合してもよく、また穴埋め材よりも先に耐火性骨材に添加することも、可能である。このカップリング剤を先に耐火性骨材に添加して、混合した場合にあっては、耐火性骨材と穴埋め材との間にカップリング剤が介在することで、それらの結合をより有利に向上させることが可能となる。
ところで、本発明に従う鋳型用骨材は、吸水率の大なる耐火性骨材の表面の開口穴が、上述の如き有機化合物又は無機化合物を主成分とする穴埋め材が少なくとも穴開口部内に入り込み、かかる穴開口部が閉塞せしめられていることによって、穴埋めされていることにより、その吸水率が0.2質量%以下、好ましくは0.15質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下となるように、構成されているものであり、その吸水率の下限は、0又は0に限りなく近い値が採用されることとなる。
そして、このように、耐火性骨材の吸水率を低下せしめることにより、吸水率の高い耐火性骨材と液状の粘結剤とを混練したときに、骨材が液体の粘性剤を吸収することによる粘結剤の量の減少によって惹起される、鋳型強度の低下を効果的に抑制乃至は阻止することが出来ることとなるのである。また、耐火性骨材の吸水量を抑制することが出来るところから、少ない粘結剤の使用量において、充分な鋳型強度を発現することが出来ることとなるのであり、しかも、骨材の表面の開口穴に穴埋め材が埋め込まれていることにより、骨材表面の凹凸が効果的に軽減乃至は解消され得て、滑らかな表面となるところから、得られた鋳型用骨材の流動性を有利に向上させることが出来ると共に、穴埋めによって、鋳型用骨材の強度をも、有利に向上せしめ得ることとなったのである。
また、耐火性骨材の表面開口穴を穴埋め材にて穴埋めしてなる、本発明に従う鋳型用骨材において、かかる穴埋め材の使用量(含有量)は、開口穴の存在量によって変化し、一義的に限定され得るものではないが、かかる穴埋め材が骨材表面を被覆して、粘結剤として働くことがないような量であることが好ましい。尤も、穴埋め材が、架橋硬化性樹脂の硬化物又は無機化合物の硬化物である場合には、本発明に従う鋳型用骨材の表面は活性化されていないところから、耐火性骨材の100質量部に対して、固体の場合はその質量、液体の場合は固形分のみとして考えた場合の固形分換算で、0.1〜2.5質量部、好ましくは0.1〜2.0質量部、より好ましくは0.15〜1.0質量部、更に好ましくは0.2〜0.4質量部であることが望ましく、また穴埋め材が、上記の硬化物以外の場合にあっては、耐火性骨材の100質量部に対して、0.4質量部以下、好ましくは0.05〜0.4質量部、より好ましくは0.1〜0.35質量部であることが、好ましい。この穴埋め材の存在量が、耐火性骨材の100質量部に対して、0.4質量部以下であれば、耐火性骨材の表面の開口穴が穴埋め材で穴埋めされてなる鋳型用骨材の表面には、耐火性骨材の表面が少なくとも露出している状態となるのである。このように、耐火性骨材の表面が少なくとも露出するように、本発明に従う鋳型用骨材を構成することによって、耐火度や耐熱性の低下を有利に防止することが出来ることとなる。
さらに、本発明において、耐火性骨材の表面の開口穴を、所定の穴埋め材にて穴埋めして得られる鋳型用骨材にあっては、その砂粒(粒子)の圧縮強度は、穴埋め前の耐火性骨材の圧縮強度に比べて、一般に1.1倍以上、好ましくは1.2〜2.5倍、より好ましくは1.25〜2.0倍となるように、構成されることが望ましい。この穴埋め材によって耐火性骨材の表面の開口穴を穴埋めすることにより、耐火性骨材の強度低下の原因となる空隙部分(開口穴部分)が、穴埋め材によって補強され、これによって、圧縮強度が向上せしめられ得ることとなるのである。なお、そのような圧縮強度として、120MPa以上、好ましくは130MPa以上の特性を有するように鋳型用骨材が構成され、特に球状の骨材の場合にあっては、150MPa以上の圧縮強度を有する鋳型用骨材が、形成されることとなる。
そして、かかる本発明に従う鋳型用骨材にあっては、それを積み上げたときの安息角が、埋込処理の施されていない耐火性骨材を積み上げたときの安息角に比べて、2°以上、好ましくは3°以上減少するように、構成されているのである。ここでは、本発明に従う鋳型用骨材を積み上げたときの安息角が、一般に20〜35°となるように構成されていることが望ましい。なお、骨材の安息角は、骨材が球状か、非球状かによって、異なる角度となるものであるが、前記した安息角の範囲において、一般に、球状の場合は20〜30°、非球状の場合にあっては25〜35°の範囲内のものとなることが望ましい。
さらに、本発明に従う鋳型用骨材にあっては、有利には、水ガラス水溶液に対して、難溶性となるように構成されることが望ましい。具体的には、そのような鋳型用骨材の50gを、水ガラス濃度が3.0%の液状の水ガラス水溶液の50gに添加して、20℃の温度において24時間浸漬したときの溶出量が、穴埋め材の固形分の30質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下となるように、鋳型用骨材を構成することが望ましいのである。この鋳型用骨材が、水ガラス水溶液に溶出されないようにすることにより、特に、粘結剤として水ガラスの如き水溶性無機粘結剤を用いたときに、粘結剤のアルカリ成分によって、鋳型用骨材の表面がアルカリ劣化することを防止して、経時的なアルカリ劣化による鋳型強度の低下を、防ぐことが出来るのである。
ところで、本発明に従う鋳型用骨材を製造するに際しては、耐火性骨材の表面の開口穴内に、所定の有機化合物又は無機化合物を主成分とする穴埋め材を侵入せしめ得て、かかる耐火性骨材の吸水率を0.2質量%以下となるようにすることの出来る手法であれば、特に限定されるものではなく、公知の表面処理手法が、適宜に採用されることとなる。例えば、有機化合物を主成分とする穴埋め材を用いた耐火性骨材の穴埋めにおいて、例えば固体状の有機化合物を主成分とする穴埋め材を、120〜180℃に加熱された、吸水率が0.2質量%超の耐火性骨材に添加して、混合せしめることにより、かかる耐火性骨材の熱によって、固体状の有機化合物を溶融させつつ、その溶融した有機化合物を耐火性骨材の表面に付着させ、更に骨材表面に存在する開口穴内に侵入せしめ、しかる後、その混合状態を保持したまま、冷却することによって、耐火性骨材の表面の開口穴が、有機化合物からなる穴埋め材にて穴埋めされて、吸水率が0.2質量%以下とされた鋳型用骨材を得る手法が、採用されるのである。また、有機化合物を主成分とする穴埋め材を水やメタノール等の溶剤に溶解して液状とし、その液状物を、吸水率が0.2質量%超の耐火性骨材に添加して混合し、その後、溶剤を揮発させる等によって、除去せしめることにより、耐火性骨材の表面の開口穴を、有機化合物からなる穴埋め材にて穴埋めして、吸水率が0.2質量%以下とされた鋳型用骨材を得る手法も、採用可能である。
なお、有機化合物を主成分とする穴埋め材が液状物である場合にあっては、耐火性骨材との混合時の粘度としては、一般に3〜1000cP、好ましくは5〜800cP、より好ましくは7〜500cPの範囲内とされることが望ましい。かかる粘度が低過ぎて、溶剤量が多くなると、溶剤の揮発等による除去に要する時間が長くなる等の問題が惹起されるようになるところから、かかる粘度の下限は3cP以上であることが望ましく、また、穴埋め材が適度に耐火性骨材の表面の開口穴を穴埋めすることが出来るように、粘度の上限を1000cP以下とすることが望ましい。なお、溶剤と穴埋め材とを混合したときに、上記した3〜1000cPの範囲内の粘度を与えることとなる場合には、それら溶剤と穴埋め材とを個別に添加してもよく、その場合において、穴埋め材は固体であっても、液体であっても、何等差支えない。
また、無機化合物を主成分とする穴埋め材を用いるに際して、かかる無機化合物を主成分とする穴埋め材が、水溶性無機化合物の場合には、それを水に溶解して、水溶液として調製し、また非水溶性無機化合物の場合には、エマルジョンとして調製して、その穴埋め材の水溶液又はエマルジョンを、吸水率が0.2質量%超の耐火性骨材に添加して、混合せしめ、溶剤を揮発させる等によって、耐火性骨材の表面の開口穴内に、無機化合物からなる穴埋め材を侵入させて、穴埋めすることにより、吸水率が0.2質量%以下の鋳型用骨材を得る方法を、採用することが出来る。
ここで、無機化合物を主成分とする穴埋め材が、上述の如く、水溶液又はエマルジョンである場合において、耐火性骨材との混合時の粘度としては、一般に3〜1000cP、好ましくは5〜800cP、より好ましくは7〜500cPの範囲が、採用されることとなる。かかる粘度が3cPよりも低くなり過ぎると、溶剤が多くなることによって、その溶剤の揮発に要する時間が長時間となる等の問題が惹起されるようになるからであり、また粘度が1000cPを超えるようになると、穴埋め材による耐火性骨材の表面の開口穴の穴埋めが、効果的に行われ難くなるからである。なお、溶剤と穴埋め材とを混合して、上記の3〜1000cPの範囲内の粘度が実現され得ることとなるのであれば、それら溶剤と穴埋め材とを個別に添加してもよく、この際の穴埋め材は固体であっても、液体であっても、何等差支えない。
さらに、有機化合物として架橋硬化性樹脂を用い、その硬化物にて穴埋め材を構成する場合にあっては、例えば、上記した穴埋め方法に従って、架橋硬化性樹脂にて穴埋めを行った後、更なる加熱及び/又は硬化剤若しくは硬化触媒を添加することにより、かかる架橋硬化性樹脂を硬化せしめ、穴埋め材に含まれる架橋性硬化樹脂の分子量を増大させるようにした手法が採用される。また、加熱によって架橋硬化性樹脂を硬化させる場合にあっては、例えば、架橋硬化性樹脂からなる穴埋め材と耐火性骨材とを混練せしめたものを、120℃〜300℃の恒温槽に収容して、5〜60分程反応硬化させたり、耐火性骨材を150℃〜300℃に加熱し、それを、120℃〜300℃に加熱した混練機において、5〜60分間程、架橋硬化性樹脂(穴埋め材)と混練して、反応硬化させたりする方法等も、採用可能である。
なお、耐火性骨材の穴埋めに用いられた穴埋め材に含まれる架橋硬化性樹脂を硬化せしめる場合にあっては、骨材粒子(砂粒)が相互に結合して、一体塊状化したり、複合粒子が形成される恐れがあるところから、穴埋め材で穴埋めされた鋳型用骨材の表面状態を良好なものとするべく、回転数の速い混練機(スピードマラー)を用いて混練して、反応硬化させることが望ましい。また、長時間の混練を行うと、穴埋め材の剥離が惹起され、微粉が発生する等の問題を生じる恐れがあるところから、高温で且つ短時間で反応させる方法が好適に採用されることとなる。
また、硬化剤又は硬化触媒を用いて架橋硬化性樹脂を硬化させる場合にあっては、かかる硬化剤又は硬化触媒として、例えばヘキサメチレンテトラミン、有機エステル、有機酸、炭酸ガス、過酸化物、金属イオン、アミン等が用いられる。そして、架橋性硬化樹脂がフェノールウレタン系樹脂である場合には、フェノール樹脂とポリイソシアネート化合物とを混合することにより、硬化させるようにすることも可能である。更に、硬化剤を用いて架橋硬化性樹脂を硬化させる場合にあっても、混練機で混練させながら、反応硬化させることが有効である。
さらに、穴埋め材の成分として用いられた無機化合物は、例えば、上記した穴埋め方法に従って穴埋めを行った後、更なる加熱により、及び/又は硬化剤若しくは硬化触媒の添加により、硬化せしめられ、穴埋め材に含まれる無機化合物の分子量を増大させるようにする手法の採用が有効である。かかる加熱によって、無機化合物を硬化させる場合には、例えば、170℃〜300℃の恒温槽に入れて、5〜60分間程反応硬化させたり、180℃〜300℃に加熱された耐火性骨材を、170℃〜300℃に加熱した混練機において、5〜60分間程穴埋め材と混練して、反応硬化させたりする方法等が採用される。なお、この穴埋め材を与える無機化合物を硬化せしめる場合にあっては、そのような無機化合物が介在することによって、骨材粒子(砂粒)間が強固に結合されて、一体塊状化したり、複合粒子を形成する恐れがあるところから、回転数の速い混練機(スピードマラー)で混練しつつ、反応硬化させることが好ましい。また、長時間の混練により、穴埋め材の剥離が惹起され、微粉が発生する恐れがあるところから、高温で且つ短時間で反応させる手法を採用することが、望ましい。
なお、上述の如き無機化合物を硬化せしめるために用いられる硬化剤又は硬化触媒としては、例えば、二酸化炭素(炭酸水)、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、シュウ酸、カルボン酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸や、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、γ−ブチロラクトン、γ−プロピオンラクトン、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、グリセリンジアセテート、トリアセチン、プロピレンカーボネート等のエステルや、メタノール、エタノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール等の一価のアルコール等を、例示することが出来る。これらの硬化剤又は硬化触媒は、単独で用いられ得ることは勿論のこと、2種以上のものを混合して、使用することも可能である。
そして、本発明に従う鋳型用骨材の製造方法においては、上述の如く、耐火性骨材の表面の開口穴を、少なくともその開口部が閉塞されるように、有機化合物又は無機化合物を主成分とする穴埋め材で穴埋めした後、その穴埋めされた耐火性骨材を、更に研磨する工程が、有利に採用されることとなる。この研磨行程の採用により、耐火性骨材の穴埋めが行われると共に、耐火性骨材の突起部分が削られて、滑らかになることにより、得られた鋳型用骨材はより球状に近づき、その流動性を更に向上させることが出来ることとなる。しかも、鋳型用骨材の表面には、耐火性骨材の少なくとも一部の表面を露出させることが容易に出来ることとなり、これによって、鋳型用骨材の耐火度や耐熱性の低下を有利に防止することが出来る等の利点を享受することが出来る。
ところで、本発明に従う鋳型用骨材は、金属溶湯の鋳造に用いられる鋳型を造型するための鋳型材料の骨材として、有利に使用され得るものである。そのような鋳型材料は、本発明に従う鋳型用骨材の表面を公知の粘結剤にて被覆してなるコーテッドサンドとして、調製されるものである。
なお、この鋳型材料の調製に際して用いられる粘結剤としては、フェノール系樹脂、フェノールウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂等の有機粘結剤や、水ガラス、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、バナジン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酸化アルミニウムナトリウム、塩化カリウム、炭酸カリウム等の水溶性無機粘結剤等が挙げられ、特に限定されるものではないが、これらのうち、水溶性無機粘結剤を使用することが好ましく、水ガラスを使用することが、更に好ましい。ここにおいて、水ガラスとは、可溶性のケイ酸化合物の水溶液であって、そのようなケイ酸化合物としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸アンモニウム等を挙げることが出来るが、特に、本発明にあっては、ケイ酸ナトリウム(ケイ酸ソーダ)が有利に用いられることとなる。また、水ガラスを主成分として用いて、それに他の水溶性粘結剤を配合しても、何等差支えない。
また、本発明に従う鋳型用骨材と所定の粘結剤とを用いて調製される鋳型材料(コーテッドサンド)は、その調製後の状態により、乾態の鋳型材料と湿態の鋳型材料とに分類される。そこで、乾態の鋳型材料とは、鋳型用骨材の表面に、粘結剤からなる被覆層が形成されてなる形態を呈するものであり、乾態の状態では粘着性がない(粘着性を発揮しない)ものの、水の添加や水蒸気の通気等よって水分が供給されると、鋳型用骨材の表面を覆う被覆層(粘結剤)が溶解し、粘着力を発揮することとなるものである。そのような乾態の鋳型材料は、例えば、水分が添加されて粘着力を発現している状態において成形型内に充填され、加熱及び乾燥せしめられることにより、或いは、乾態の状態にて成形型内に充填されて、かかる成形型内への水蒸気の通気等によって水分が供給された後に、加熱及び乾燥せしめられることにより、固化乃至硬化反応が進行し、以て、目的とする鋳型が造型されることとなるものである。その一方、湿態の鋳型材料とは、粘結剤が粘着性を発現した状態にある、全体として湿った状態(外観)を呈するものである。そのような湿態の鋳型材料は、例えば、成形型内に充填され、かかる成形型内にて加熱及び乾燥せしめられることにより、固化乃至硬化反応が進行し、以て、目的とする鋳型が造型されることとなるものである。
ここで、鋳型材料が乾態を呈するか、或いは湿態を呈するかについては、鋳型材料における、水やメタノール等の溶剤の含有量によって決まるものであるが、粘結剤の種類によって、鋳型材料が乾態若しくは湿態を呈する含水分量は異なることとなる。例えば、水溶性無機粘結剤が水ガラスの場合、その固形分量の5〜55質量%に相当する量の水分を含有する鋳型材料は、乾態を呈し、一方、水ガラスの固形分量の55質量%を超える量に相当する水分量を含有する鋳型材料は、湿態を呈する。
本発明における常温流動性を有する乾態の鋳型材料(コーテッドサンド)とは、水分量に関わらず、動的安息角を測定した時に、動的安息角の測定値が得られる鋳型材料(コーテッドサンド)をいう。ここで、動的安息角とは、片面が透明で平らな面を持つ円筒内に鋳型材料(コーテッドサンド)を入れ(例えば、直径:7.2cm×高さ:10cmの容器に体積半分まで鋳型材料を入れる)、一定速度(例えば、25rpm)で回転させ、円筒内で流動している鋳型材料の層の斜面が平面状となり、斜面と水平面との間で形成される角度を測定したものである。一方、鋳型材料(コーテッドサンド)が湿ったような状態で円筒内で流動せずに、鋳型材料(コーテッドサンド)の層の斜面が平面として形成されず、それ故に動的安息角が測定できないものを、湿態の鋳型材料(コーテッドサンド)とする。なお、本発明にかかる鋳型用骨材は、耐火性骨材の吸水性によって、添加された粘結剤の量を減少させるのを阻止するため、吸水がより起こり易い湿態の鋳型材料(コーテッドサンド)に用いることが、より望ましいということが出来る。
なお、本発明に従う鋳型用骨材を用いて、上述せる如き乾態や湿態の鋳型材料(コーテッドサンド)を製造するに際して、その製造方法は、特に限定されるものではなく、ドライホットコート法やセミホットコート法、コールドコート法、粉末溶剤法等の、従来から公知の方法が、何れも採用され得るところである。例えば、ワールミキサーやスピードミキサー等の混練機内で、予熱された鋳型用骨材と所定の有機又は無機粘結剤とを混練した後、必要に応じて硬化剤を加えて、更に滑剤等を加えて、目的とする乾態又は湿態の鋳型材料(コーテッドサンド)が形成されることとなるのである。
また、そのようにして得られた鋳型材料(コーテッドサンド)を用いて、目的とする鋳型を造型するに際して、その造型方法としても、特に限定されるものではなく、従来から公知の手法が、何れも有利に用いられ得ることとなる。例えば、上述の如き鋳型材料を、目的とする鋳型を与える所望の成形空間を有する、80℃〜300℃程度に加熱された成形型内に、重力落下方式や吹込み方式等によって充填し、硬化させた後、かかる成形型から、その硬化により得られた鋳型を抜型することによって、所望の鋳造用鋳型を得ることが出来るのである。そして、そのようにして得られた鋳型にあっては、上述せるような、本発明に従う鋳型用骨材にて実現される優れた効果が、有利に発揮され得ることとなるのである。
以下に、幾つかの実施例を用いて、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等限定的に解釈されるものでないことが理解されるべきである。なお、以下の実施例や比較例において、「%」及び「部」は、特に断りのない限りにおいて、何れも、質量基準にて示されている。また、鋳型用骨材における穴埋め材の硬化率、鋳型用骨材の吸水率、鋳型用骨材の圧縮強度、鋳型用骨材の溶出量、鋳型用骨材の安息角、実施例や比較例で得られたコーテッドサンド(CS)からなる鋳型の充填率や鋳型強度は、それぞれ、以下のようにして測定されたものである。
−穴埋め材の硬化率の測定−
鋳型用骨材10gを精秤した後、メタノール50gに浸漬して、スターラーで10分間撹拌することにより、かかる骨材に存在する穴埋め材の未硬化物を溶解した後、ろ紙で濾過を行い、メタノール分と砂分とに分ける。砂分を常温で風乾して、メタノール分を飛ばした後、110℃の熱風乾燥機で30分間乾燥して、その浸漬後の鋳型用骨材の質量を精秤する。硬化率は、次式に基づいて算出する。なお、穴埋め材が水ガラスの場合には、メタノールの代わりに、水を使用する。
硬化率(質量%)=[{穴埋め材の質量−(浸漬前の鋳型用骨材の質量−浸漬後の鋳型 用骨材の質量)}/穴埋め材の質量]×100
−鋳型用骨材の吸水率の測定−
吸水率(質量%)は、JACT試験法S−8「鋳物砂の水分吸着能試験方法」に準じて測定する。このとき、試験の精度を高めるために、遠心分離を行うに際して、遠心分離用の遠沈管に、骨材と水に分離可能な2重構造をもつ遠心式フィルターユニット(Merck Millipore 社製アミコンウルトラ−4)を用いて、測定する。なお、この吸水率の測定は、JIS A 1109の「細骨材の吸水率測定方法」に準じて行うことも可能である。
−鋳型用骨材の圧縮強度の測定−
図1に圧縮強度測定の概念図が示されている。なお、圧縮強度の測定には、電磁力式微小強度試験機(以下、微小強度試験機という)が用いられ、そこでは、最大荷重容量が50Nであり、一定変位速度1mm/分の条件で負荷を加えるようになっている。また、圧縮強度は、試料一粒毎に、顕微鏡で撮影して、長径と短径を求めた後、微小強度試験機を用いて、最大破壊荷重を測定する。次に、最大破壊荷重から圧縮強度を求めるには、鋳型用骨材粒子2の断面積を求める必要がある。ここで言う断面積とは、圧縮試験時の加圧板4と鋳型用骨材粒子との接触面積である。しかしながら、鋳型用骨材粒子2は不整形粒子であるため、その接触面積は一定で無い。そこで、本明細書では鋳型用骨材粒子2を楕円体と仮定して断面積を求め、圧縮強度を算出する方法が用いられる。鋳型用骨材粒子の長径(2a)と短径(2b)は、顕微鏡写真から実測する。鋳型用骨材粒子高さ(2c)と破壊時の加圧板4の位置(2c−2d)は、微小強度試験機の読み値である。そして、圧縮強度(σK)は、式:σK=P/Sにより算出される。ここで、σK:圧縮強度,P:破壊荷重,S:変位dにおける楕円体断面積(加圧板と粒子の推定接触面積)である。
−鋳型用骨材の溶出量の測定−
先ず、鋳型用骨材50gを精秤する[これを鋳型用骨材A(浸漬前)とする]。この鋳型用骨材Aを、濃度3.0%に調整した水ガラス水溶液(2号ケイ酸ナトリウム、富士化学株式会社製、SiO2 /Na2O のモル比:2.4)に添加して、1分間撹拌した後、室温20℃の雰囲気中で24時間静置させて、浸漬処理を実施する。その後、取り出した鋳型用骨材は、純水で表面を洗浄して、アルカリ分を除去し、次いで100℃で1時間、熱風乾燥機で乾燥を行った後、質量を精秤する[これを鋳型用骨材B(浸漬後)とする]。次に、鋳型用骨材A(浸漬前)と、鋳型用骨材B(浸漬後)について、900℃×1時間で各々焼成を行い、焼成後の鋳型用骨材A(浸漬前)と焼成後の鋳型用骨材B(浸漬後)の質量をそれぞれ精秤する。溶出量は、下記式で算出する。
溶出量(質量%)=[{(鋳型用骨材Aの質量−焼成後の鋳型用骨材Aの質量)−(鋳 型用骨材Bの質量−焼成後の鋳型用骨材Bの質量)}/(鋳型用骨 材Aの質量−焼成後の鋳型用骨材Aの質量)]×100
−鋳型用骨材の安息角の測定−
JACT試験方法:S−5「鋳物砂の流動度試験法」に準じて、骨材の安息角を測定する。
−充填率の測定−
各実施例又は各比較例において造型して得られた、幅:2.54cm×高さ:2.54cm×長さ:20cmの大きさの鋳型を、試験片として用いて、骨材の真比重に対する各試験片の比重(質量を試験片の体積で除して算出する)の割合を、下式により、百分率で算出する。
充填率(質量%)=[{各試験片の質量(g)/体積(cm3 )}
/骨材の真比重(g/cm3 )]×100
−鋳型強度の測定−
各CSを用いて得られた強度試験片について、その破壊荷重を、デジタル鋳物砂強度試験機(高千穂精機株式会社製)を用いて測定し、その破壊荷重に基づいて、下記の式により、抗折強度を算出する。そして、かかる抗折強度(kgf/cm2 )に重力加速度9.8を掛けて、N/cm2 表記のSI単位に換算して、鋳型強度とする。
抗折強度=1.5×LW/ab2
[但し、L:支点間距離(cm)、w:破壊荷重(kgf)、a:試験片の幅(cm)、b:試験片の厚み(cm)]
また、各CSを製造する際に用いたレゾール型フェノール樹脂等については、各々、以下の手順に従って製造したもの又は市販品を準備する。
(1)レゾール型フェノール樹脂Aの調製
フェノール940g、47%ホルムアルデヒド水溶液766g、及び20%苛性ソーダ水溶液23.5gを加え、70℃に昇温・保持して、20分経過後に、ヘキサメチレンテトラミン34gを添加し、更に40分経過後に、ヘキサメチレンテトラミン79gを添加して、70℃で反応させ、粘度(30℃)が1000cPになった時点で、メチレンビスステアリン酸アマイド47g、サリチル酸28.2g、20%アラビアゴム水溶液94gを添加して、粒状物を生成させて懸濁液とし、更に70℃で3時間反応させた後、50℃以下まで冷却して、濾過により水を切って、含水樹脂の粒状物(含水率:15%)を得た。次いで、エアー式流動装置で常温の空気を送り、その後徐々に空気の温度を70℃まで昇温し、そのまま1時間乾燥して、重量平均分子量(Mw)が3200、ゲル化時間90秒のレゾール型フェノール樹脂Aを得た。
(2)レゾール型フェノール樹脂Bの準備
レゾール型フェノール樹脂Bとして、市販品である、旭有機材株式会社製の液状のHP3000A[重量平均分子量(Mw):600、不揮発分:70%]を準備した。
(3)ノボラック型フェノール樹脂の調製
フェノール940g、47%ホルマリン水溶液447g、及びシュウ酸2.8gを加えて、100℃で5時間反応させ、次いで50トールの減圧下で180℃まで加熱し、脱水及び脱フェノールを行って、重量平均分子量(Mw)が2690のノボラック型フェノール樹脂を得た。
(4)フェノールウレタン樹脂の準備
ベンジリックエーテル型フェノール樹脂(旭有機材株式会社製、商品名:CBP‐160EH、Mw:1220)と、ポリイソシアネート化合物としてのポリメリックMDI(旭有機材株式会社製、商品名:CB‐MT3)とを準備し、鋳物砂の表面にコーティング層を形成せしめる際に、それら2種を1:1(質量比)の割合で混合して得られる混合物として、用いた。
(5)ポリ酢酸ビニルの準備
ポリ酢酸ビニルとして、ゴーセニールM35−X6(商品名:日本合成化学工業株式会社製、メタノール35%溶液)として市販のポリ酢酸ビニル溶液(Mw:220000、濃度65%)を、準備した。
(6)水ガラス水溶液の準備
水ガラスは、市販の2号ケイ酸ナトリウム(商品名:富士化学株式会社製、SiO2 /Na2O のモル比:2.4)を用いて、その水溶液(濃度41%)を準備した。
−CSの製造例1−
耐火性骨材として、ムライト系人工粒子である市販のセラビーズ#650(平均粒子径:150μm、吸水率:1.5質量%、商品名:伊藤忠セラテック株式会社製)を準備すると共に、有機化合物として、レゾール型フェノール樹脂Aを準備した。そして、かかるセラビーズ#650を約130℃の温度に加熱した後、ワールミキサー(遠州鉄工製)に投入し、更にレゾール型フェノール樹脂Aを、セラビーズ#650の100部に対して0.3部の割合において添加して、3分間の混練を行ない、かかるレゾール型フェノール樹脂Aを溶融させる一方、砂粒塊が崩壊するまで撹拌、混合せしめた後に取り出すことにより、耐火性骨材の表面の開口穴を、レゾール型フェノール樹脂Aからなる穴埋め材にて穴埋めして、目的とする鋳型用骨材を製造した。そして、この穴埋めされた鋳型用骨材における穴埋め材の硬化率、更に鋳型用骨材の吸水率、圧縮強度、溶出量及び安息角からなる特性について、先の測定方法に従って、それぞれ測定し、その結果を、それぞれ下記表1に示す。
次いで、水溶性無機粘結剤たる水ガラスとして、市販品:2号ケイ酸ナトリウム(商品名:富士化学株式会社製、SiO2 /Na2O のモル比:2.4)を準備し、これを用いて、固形成分(濃度)が41%の水ガラス水溶液を準備した。そして、先に準備した、鋳型用骨材を、常温でワールミキサー(遠州鉄工製)に投入し、更に、上記準備した水ガラス水溶液を、耐火性骨材(セラビーズ#650)の100部に対して2.5部(固形成分:1.03部)の割合にて添加して、3分間の混練を行ない、均一になるまで撹拌、混合せしめた後に取り出すことにより、鋳型用骨材と水ガラス水溶液との混和物にて構成される、湿態のコーテッドサンド(CS1)を得た。
−CSの製造例2−
CSの製造例1において、穴埋め材による穴埋めを行って鋳型用骨材を形成した後、かかる鋳型用骨材を180℃の恒温槽に30分間入れて、レゾール型フェノール樹脂Aの硬化を促進させる工程を加えることにより、レゾール型フェノール樹脂Aを硬化率100%まで硬化させたこと以外は、上記の製造例1と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS2)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表1に示されている。
−CSの製造例3−
CSの製造例2において、水溶性無機粘結剤たる水ガラス水溶液を、耐火性骨材(セラビーズ#650)の100部に対して2.3部(固形成分:0.94部)の割合にて、添加したこと以外は、上記の製造例2と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS3)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表1に示されている。
−CSの製造例4−
CSの製造例2において、レゾール型フェノール樹脂Aからなる穴埋め材の使用量を、耐火性骨材(セラビーズ#650)の100部に対して0.8部の割合において、添加したこと以外は、上記の製造例2と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS4)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表1に示されている。
−CSの製造例5−
CSの製造例1において、有機化合物を、レゾール型フェノール樹脂Aから、レゾール型フェノール樹脂Bに代え、レゾール型フェノール樹脂Bを、セラビーズ#650の100部に対して0.43部(固形成分:0.3部)の割合において添加し、穴埋め材による穴埋めを行って鋳型用骨材を形成した後、かかる鋳型用骨材にトルエンスルホン酸を35%/樹脂の割合で加えて、常温中で混合することによって、レゾール型フェノール樹脂Bの硬化を促進させる工程を加えて、レゾール型フェノール樹脂Bを硬化率100%まで硬化させたこと以外は、上記の製造例1と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS5)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表1に示されている。
−CSの製造例6−
CSの製造例1において、有機化合物を、レゾール型フェノール樹脂Aから、ノボラック型フェノール樹脂に代え、混練時にヘキサメチレンテトラミン15%/フェノール樹脂を加え、穴埋め材による穴埋めを行って鋳型用骨材を形成した後、かかる鋳型用骨材を180℃の恒温槽に30分間入れて、ノボラック型フェノール樹脂の硬化を促進させる工程を加えて、ノボラック型フェノール樹脂を硬化率100%まで硬化させたこと以外は、上記の製造例1と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS6)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表1に示されている。
−CSの製造例7−
CSの製造例6において、ノボラック型フェノール樹脂からなる穴埋め材の使用量を、耐火性骨材(セラビーズ#650)の100部に対して0.8部の割合としたこと以外は、上記の製造例6と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS7)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表1に示されている。
−CSの製造例8−
CSの製造例1において、有機化合物を、レゾール型フェノール樹脂Aから、フェノールウレタン樹脂に代えるべく、以下の手順に従ってコーティング層を形成したこと以外は、上記の製造例1と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS8)を得た。即ち、耐火性骨材(セラビーズ#650)を、130℃でワールミキサー(遠州鉄工製)に投入し、更に、フェノールウレタン樹脂を構成するためのベンジリックエーテル型フェノール樹脂とポリイソシアネート化合物とを、質量比1:1で、それらの合計量が0.6部となる量において添加して、ミキサー中で混練を行ない、ベンジリックエーテル型フェノール樹脂とポリイソシアネート化合物とが反応して、フェノールウレタン樹脂(固形成分:0.3部)となって、100%硬化するまで撹拌、混合せしめた後に、取り出した。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表1に示されている。
−CSの製造例9−
CSの製造例1において、レゾール型フェノール樹脂Aを、ポリ酢酸ビニル樹脂溶液に代えると共に、かかるポリ酢酸ビニル樹脂溶液を、耐火性骨材(セラビーズ#650)の100部に対して0.46部(固形成分:0.3部)の割合において添加したこと以外は、上記の製造例1と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS9)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表1に示されている。
−CSの製造例10−
CSの製造例2において、耐火性骨材であるセラビーズ#650(平均粒子径:150μm、吸水率:1.5質量%、商品名:伊藤忠セラテック株式会社製)を、セラビーズ#400(平均粒子径300:μm、吸水率:2.2質量%、商品名:伊藤忠セラテック株式会社製)に代えたこと以外は、上記の製造例2と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS10)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表1に示されている。
−CSの製造例11−
CSの製造例2において、穴埋め材による穴埋め時に、界面活性剤として、市販のアニオン系界面活性剤:パイオニンA−24(商品名:竹本油脂株式会社製)を用い、これを、耐火性骨材(セラビーズ#650)の100部に対して0.02部の割合で混練時に添加したこと以外は、上記の製造例2と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS11)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表2に示されている。
−CSの製造例12−
CSの製造例5において、穴埋め材による穴埋め時に、界面活性剤として、市販のアニオン系界面活性剤:パイオニンA−24(商品名:竹本油脂株式会社製)を用いて、それを、耐火性骨材(セラビーズ#650)の100部に対して、0.02部の割合で添加したこと以外は、上記の製造例5と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS12)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表2に示されている。
−CSの製造例13−
CSの製造例12において、界面活性剤の添加量を、耐火性骨材(セラビーズ#650)の100部に対して0.1部の割合としたこと以外は、上記の製造例12と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS13)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表2に示されている。
−CSの製造例14−
CSの製造例12において、界面活性剤を、市販の非イオン系界面活性剤:オルフィンE1004(商品名:日信化学工業株式会社製)に代えたこと以外は、上記の製造例12と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS14)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表2に示されている。
−CSの製造例15−
CSの製造例12において、界面活性剤を、市販のアニオン系界面活性剤:オルフィンPD301(商品名:日信化学工業株式会社製)に代えたこと以外は、上記の製造例12と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS15)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表2に示されている。
−CSの製造例16−
CSの製造例2において、穴埋め材による穴埋め時に、カップリング剤として、シランカップリング剤:KBE903(商品名:信越化学工業株式会社製)を用い、これを、耐火性骨材(セラビーズ#650)の100部に対して0.01部の割合で添加したこと以外は、上記の製造例2と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS16)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表2に示されている。
−CSの製造例17−
CSの製造例16において、カップリング剤の添加量を、耐火性骨材(セラビーズ#650)の100部に対して0.1部の割合としたこと以外は、上記の製造例16と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS17)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表2に示されている。
−CSの製造例18−
CSの製造例16において、カップリング剤を、シランカップリング剤:KBM403(商品名:信越化学工業株式会社製)に代えたこと以外は、上記の製造例16と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS18)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表2に示されている。
−CSの製造例19−
CSの製造例2において、穴埋め材による穴埋めを行わないこと以外は、上記の製造例2と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS19)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表2に示されている。
−CSの製造例20−
CSの製造例3において、穴埋め材による穴埋めを行わないこと以外は、上記の製造例3と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS20)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表2に示されている。
−CSの製造例21−
CSの製造例1において、穴埋め材としての有機化合物を、レゾール型フェノール樹脂Aからノボラック型フェノール樹脂に代え、混練時にヘキサメチレンテトラミン15%/フェノール樹脂を加え、この穴埋め材による穴埋めを行って、鋳型用骨材を形成した後、かかる鋳型用骨材を酸素濃度10%以下で500℃×2時間加熱して、穴埋めしたノボラック型フェノール樹脂を炭化させる工程を加えて、ノボラック型フェノール樹脂を炭化させたこと以外は、上記の製造例1と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS21)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表2に示されている。
−CSの製造例22−
CSの製造例10において、穴埋め材による穴埋めを行わないこと以外は、上記の製造例10と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS22)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表2に示されている。
−CSの製造例23−
CSの製造例1において、耐火性骨材であるセラビーズ#650を、再生砂(平均粒子径:150μm、吸水率:2.8質量%、旭有機材株式会社製の再生砂A5)に代え、水溶性無機粘結剤たる水ガラス水溶液を、かかる再生砂の100部に対して3.5部(固形成分:1.44部)の割合にて添加したこと以外は、上記の製造例1と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS23)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表3に示されている。
なお、再生砂とは、ケイ砂を用いて形成された鋳型の鋳ばらし後に集められた鋳型塊を用い、それをクラッシャー等の公知の粉砕機で粉砕して、その得られた砂粒体に、所定の再生処理を施したものである。
−CSの製造例24−
CSの製造例2において、耐火性骨材であるセラビーズ#650を、再生砂(平均粒子径:150μm、吸水率:2.8質量%、旭有機材株式会社製の再生砂A5)に代え、水溶性無機粘結剤たる水ガラス水溶液を、かかる再生砂の100部に対して3.5部(固形成分:1.44部)の割合にて添加したこと以外は、上記の製造例2と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS24)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表3に示されている。
−CSの製造例25−
CSの製造例24において、水溶性無機粘結剤たる水ガラス水溶液を、再生砂の100部に対して3.3部(固形成分:1.35部)の割合にて添加したこと以外は、上記の製造例24と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS25)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表3に示されている。
−CSの製造例26−
CSの製造例6において、耐火性骨材であるセラビーズ#650を、再生砂(平均粒子径:150μm、吸水率:2.8質量%、旭有機材株式会社製の再生砂A5)に代え、水溶性無機粘結剤たる水ガラス水溶液を、かかる再生砂の100部に対して3.5部(固形成分:1.44部)の割合にて、添加したこと以外は、上記の製造例6と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS26)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表3に示されている。
−CSの製造例27−
CSの製造例24において、穴埋め材による穴埋め時に、界面活性剤として、市販のアニオン系界面活性剤:パイオニンA−24(商品名:竹本油脂株式会社製)を用い、これを、耐火性骨材(再生砂)の100部に対して0.02部の割合で添加したこと以外は、上記の製造例24と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS27)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表3に示されている。
−CSの製造例28−
CSの製造例27において、界面活性剤を、市販の非イオン系界面活性剤:オルフィンE1004(商品名:日信化学工業株式会社製)に代えたこと以外は、上記の製造例27と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS28)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表3に示されている。
−CSの製造例29−
CSの製造例24において、穴埋め材による穴埋め時に、カップリング剤として、シランカップリング剤:KBE903(商品名:信越化学工業株式会社製)を用い、これを、耐火性骨材(再生砂)の100部に対して0.01部の割合で添加したこと以外は、上記の製造例24と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS29)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表3に示されている。
−CSの製造例30−
CSの製造例24において、穴埋め材による穴埋めを行って、穴埋め材を硬化率100%まで硬化させた後、得られた鋳型用骨材をボールミルに入れて、20分間、研磨した。その後、200メッシュの篩で1分間の篩分けを行ったこと以外は、上記の製造例24と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS30)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表3に示されている。
−CSの製造例31−
CSの製造例24において、穴埋め材による穴埋めを行わないこと以外は、上記の製造例24と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS31)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表3に示されている。
−CSの製造例32−
CSの製造例25において、穴埋め材による穴埋めを行わないこと以外は、上記の製造例25と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS32)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表3に示されている。
−鋳型の造型例I (実施例1〜26、比較例1〜6)−
上記した各手順に従って製造されたCS1〜32を、それぞれ、150℃に加熱された成形金型内に充填した後、成形金型内で保持し、かかる成形型内に充填された各CSを硬化させることにより、鋳型強度の試験片(2.54×2.54×20cm)として用いられる鋳型を、作製した。そして、その得られた試験片を用いて、先の測定方法に従って、充填率及び鋳型強度を測定して、その結果を、下記表1〜表3に示した。なお、実施例1〜26、比較例1〜6の各々に係る鋳型(試験片)を作製する際に使用したCSは、下記表1〜表3に示す通りである。
Figure 2019177402
Figure 2019177402
Figure 2019177402
かかる表1〜表3の結果より明らかな如く、本発明に従って、耐火性骨材(セラビーズ/再生砂)の表面の開口穴を所定の穴埋め材にて穴埋めして得られた鋳型用骨材を用いて、所定の粘結剤と組み合わせて、形成されたCS1〜CS18及びCS23〜CS30から造型された、実施例1〜26に係る各鋳型は、何れも、充填率が高く、また鋳型強度においても、優れた結果が得られているのである。
これに対して、穴埋め材にて穴埋めされていない耐火性骨材を用いて、所定の粘結剤と組み合わせて得られたCS19〜CS20及びCS22やCS31〜CS32を造型して得られた、比較例1〜2、4〜6に係る各鋳型にあっては、何れも、その充填率が充分でなく、且つ鋳型強度においても、劣るものであることが認められる。また、比較例3に示される如く、耐火性骨材の表面の開口穴に穴埋めされた穴埋め材が炭化せしめられてなるCS21を用いて造型された鋳型にあっても、充填率や鋳型強度は、何れも、充分なものとは認めることが出来ないものであった。
−CSの製造例33−
耐火性骨材として、市販のセラビーズ#650(平均粒子径:150μm、吸水率:1.5質量%、商品名:伊藤忠セラテック株式会社製)を準備すると共に、穴埋め材となる無機化合物として、水ガラス水溶液を準備した。そして、セラビーズ#650を約130℃の温度に加熱した後、ワールミキサー(遠州鉄工製)に投入し、更に水ガラス水溶液を、セラビーズ#650の100部に対して0.73部(固形成分:0.3部)の割合において添加して、3分間の混練を行ない、水分を蒸発せしめる一方、砂粒塊が崩壊するまで撹拌、混合せしめた後に取り出すことにより、耐火性骨材の表面の開口穴の穴埋めを行い、更にロータリーキルンを用いて窒素雰囲気中で900℃で30分加熱することにより、水ガラスの硬化を促進して、硬化率が100%となるようにして、目的とする鋳型用骨材を形成した。この穴埋めして得られた鋳型用骨材における穴埋め材の硬化率、更に鋳型用骨材の吸水率、圧縮強度、安息角、溶出量からなる特性について、先の測定方法に従って、それぞれ測定し、その結果を、それぞれ、下記表4に示す。
次いで、水溶性無機粘結剤たる水ガラスとして、市販品:2号ケイ酸ナトリウム(商品名:富士化学株式会社製、SiO2 /Na2O のモル比:2.4)を準備し、これを用いて、固形成分(濃度)が41%の水ガラス水溶液を準備した。そして、先に形成された鋳型用骨材を、常温でワールミキサー(遠州鉄工製)に投入し、更に上記準備した水ガラス水溶液を、セラビーズ#650の100部に対して2.5部(固形成分:1.03部)の割合にて添加して、3分間の混練を行ない、均一になるまで撹拌、混合せしめた後に取り出すことにより、鋳型用骨材と水ガラス水溶液との混和物にて構成される湿態のコーテッドサンド(CS33)を得た。
−CSの製造例34−
CSの製造例33において、水溶性無機粘結剤たる水ガラス水溶液を、耐火性骨材(セラビーズ#650)の100部に対して2.3部(固形成分:0.94部)の割合にて添加したこと以外は、上記の製造例33と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS34)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表4に示されている。
−CSの製造例35−
CSの製造例33において、水ガラス水溶液からなる穴埋め材の使用量を、耐火性骨材(セラビーズ#650)の100部に対して1.95部(固形成分:0.8部)の割合としたこと以外は、上記の製造例33と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS35)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表4に示されている。
−CSの製造例36−
CSの製造例33において、耐火性骨材であるセラビーズ#650(平均粒子径:150μm、吸水率:1.5質量%、商品名:伊藤忠セラテック株式会社製)を、セラビーズ#400(平均粒子径:300μm、吸水率:2.2質量%、商品名:伊藤忠セラテック株式会社製)に代えたこと以外は、上記の製造例33と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS36)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表4に示されている。
−CSの製造例37−
CSの製造例33において、穴埋め材による穴埋め時に、界面活性剤として、市販のアニオン系界面活性剤:パイオニンA−24(商品名:竹本油脂株式会社製)を用い、これを、耐火性骨材(セラビーズ#650)の100部に対して0.02部の割合で添加したこと以外は、上記の製造例33と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS37)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表4に示されている。
−CSの製造例38−
CSの製造例37において、界面活性剤の添加量を、耐火性骨材(セラビーズ#650)の100部に対して0.1部の割合で添加したこと以外は、上記の製造例37と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS38)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表4に示されている。
−CSの製造例39−
CSの製造例37において、界面活性剤を、市販の非イオン系界面活性剤:オルフィンE1004(商品名:日信化学工業株式会社製)に代えたこと以外は、上記の製造例37と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS39)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表4に示されている。
−CSの製造例40−
CSの製造例37において、界面活性剤を、市販のアニオン系界面活性剤:オルフィンPD301(商品名:日信化学工業株式会社製)に代えたこと以外は、上記の製造例37と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS40)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表5に示されている。
−CSの製造例41−
CSの製造例33において、穴埋め材による穴埋め時に、カップリング剤として、シランカップリング剤:KBE903(商品名:信越化学工業株式会社製)を用い、これを、耐火性骨材(セラビーズ#650)の100部に対して0.01部の割合で添加したこと以外は、上記の製造例33と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS41)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表5に示されている。
−CSの製造例42−
CSの製造例41において、カップリング剤の添加量を、耐火性骨材(セラビーズ#650)の100部に対して0.1部の割合としたこと以外は、上記の製造例41と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS42)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表5に示されている。
−CSの製造例43−
CSの製造例41において、カップリング剤を、シランカップリング剤:KBM403(商品名:信越化学工業株式会社製)に代えたこと以外は、上記の製造例41と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS43)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表5に示されている。
−CSの製造例44−
CSの製造例33において、穴埋め材による穴埋めを行わないこと以外は、上記の製造例33と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS44)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表5に示されている。
−CSの製造例45−
CSの製造例34において、穴埋め材による穴埋めを行わないこと以外は、上記の製造例34と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS45)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表5に示されている。
−CSの製造例46−
CSの製造例36において、穴埋め材による穴埋めを行わないこと以外は、上記の製造例36と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS46)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表5に示されている。
−CSの製造例47−
CSの製造例33において、耐火性骨材であるセラビーズ#650を、再生砂(平均粒子径:150μm、吸水率:2.8質量%、旭有機材株式会社製の再生砂A5)に代え、水溶性無機粘結剤たる水ガラス水溶液を、再生砂の100部に対して3.5部(固形成分:1.44部)の割合にて添加したこと以外は、上記の製造例33と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS47)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表6に示されている。
−CSの製造例48−
CSの製造例47において、水溶性無機粘結剤たる水ガラス水溶液を、耐火性骨材(再生砂)の100部に対して3.3部(固形成分:1.35部)の割合にて添加したこと以外は、上記の製造例47と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS48)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表6に示されている。
−CSの製造例49−
CSの製造例47において、穴埋め材による穴埋め時に、界面活性剤として、市販のアニオン系界面活性剤:パイオニンA−24(商品名:竹本油脂株式会社製)を用い、これを、耐火性骨材(再生砂)の100部に対して0.02部の割合で添加したこと以外は、上記の製造例47と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS49)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表6に示されている。
−CSの製造例50−
CSの製造例49において、界面活性剤を、市販の非イオン系界面活性剤:オルフィンE1004(商品名:日信化学工業株式会社製)に代えたこと以外は、上記の製造例49と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS50)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表6に示されている。
−CSの製造例51−
CSの製造例47において、穴埋め材による穴埋め時に、カップリング剤として、シランカップリング剤:KBE903(商品名:信越化学工業株式会社製)を用い、これを、耐火性骨材(再生砂)の100部に対して0.01部の割合で添加したこと以外は、上記の製造例47と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS51)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表6に示されている。
−CSの製造例52−
CSの製造例47において、穴埋め材による穴埋めを行って、穴埋め材を硬化率100%まで硬化させた後、得られた鋳型用骨材をボールミルに入れて、20分間、研磨した。その後、200メッシュの篩で1分間の篩分けを行ったこと以外は、上記の製造例47と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS52)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表6に示されている。
−CSの製造例53−
CSの製造例47において、穴埋め材による穴埋めを行わないこと以外は、上記の製造例47と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS53)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表6に示されている。
−CSの製造例54−
CSの製造例48において、穴埋め材による穴埋めを行わないこと以外は、上記の製造例48と同様の手順に従って、湿態のコーテッドサンド(CS54)を得た。なお、ここで得られた鋳型用骨材の特性の測定結果は、下記表6に示されている。
−鋳型の造型例II(実施例27〜43、比較例7〜11)−
上記した各手順に従って製造されたCS33〜54を、150℃に加熱された成形金型内に充填した後、成形金型内で保持して、かかる成形型内に充填されたCSを、各々、硬化させることにより、鋳型強度の試験片(2.54×2.54×20cm)として用いられる鋳型を、作製した。そして、その得られた試験片を用いて、先の測定方法に従って、充填率及び鋳型強度を測定して、その結果を、下記表4〜表6に示した。なお、実施例27〜43、比較例7〜11の各々に係る鋳型(試験片)を作製する際に使用したCSは、下記表4〜表6に示す通りである。
Figure 2019177402
Figure 2019177402
Figure 2019177402
かかる表4〜表6の結果より明らかな如く、本発明に従って穴埋め材にて穴埋めされてなる鋳型用骨材を用いて、所定の粘結剤と組み合わせて、得られた実施例27〜実施例43に係るCS33〜CS43及びCS47〜CS52を用いて造型して得られた鋳型にあっては、その充填率及び鋳型強度において、優れた結果を示しているのに対して、穴埋め材にて穴埋めされていない、耐火性骨材からなる鋳型用骨材を用いて、所定の粘結剤と組み合わせて得られたCS44〜CS46及びCS53〜CS54を造型して得られた鋳型にあっては、比較例7〜9及び10〜11において示される如く、充填率及び鋳型強度において、共に、充分な特性を有するものでないことが認められる。
2 鋳型用骨材粒子 4 加圧板

Claims (20)

  1. 表面に開口する穴が存在し、吸水率が0.2質量%を超える耐火性骨材において、かかる表面の開口穴が、有機化合物又は無機化合物を主成分とする穴埋め材にて穴埋めされていることにより、吸水率が0.2質量%以下となるように構成されてなることを特徴とする鋳型用骨材。
  2. 前記有機化合物が、熱可塑性樹脂及び架橋硬化性樹脂からなる群より選ばれてなる請求項1に記載の鋳型用骨材。
  3. 前記架橋硬化性樹脂が、フェノール樹脂及びフェノールウレタン樹脂からなる群より選ばれてなる請求項2に記載の鋳型用骨材。
  4. 前記有機化合物が、架橋硬化性樹脂の硬化物である請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の鋳型用骨材。
  5. 前記無機化合物が、水ガラス、セメント、石膏及びベントナイトからなる群より選ばれてなる請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の鋳型用骨材。
  6. 前記無機化合物が、硬化物の形態において、用いられている請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の鋳型用骨材。
  7. 前記穴埋め材が、界面活性剤を更に含んでいる請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の鋳型用骨材。
  8. 前記穴埋め材が、カップリング剤を更に含んでいる請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の鋳型用骨材。
  9. 前記耐火性骨材の平均粒子径が、10〜1000μmである請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の鋳型用骨材。
  10. 前記穴埋め後の耐火性骨材粒子の圧縮強度が、穴埋め前の耐火性骨材粒子の圧縮強度の1.1倍以上である請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の鋳型用骨材。
  11. 前記穴埋め材が、前記耐火性骨材の100質量部に対して、0.4質量部以下である請求項1乃至請求項10に記載の鋳型用骨材。
  12. 前記鋳型用骨材の表面に、前記耐火性骨材が少なくとも露出せしめられている請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の鋳型用骨材。
  13. 前記鋳型用骨材が、その50gを濃度3.0%の液状の水ガラス水溶液50gに添加して、20℃の温度で24時間保持したときの溶出量が、該鋳型用骨材に存在する前記穴埋め材の固形分の30質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載の鋳型用骨材。
  14. 表面に開口する穴が存在して、吸水率が0.2質量%を超える耐火性骨材を用い、この耐火性骨材を予め加熱した後、25℃での粘度が3〜1000cPの有機化合物を主成分とする穴埋め材の溶液を混和せしめて、かかる溶液を蒸発させることにより、該耐火性骨材の表面の開口穴を、前記有機化合物で穴埋めして、吸水率が0.2質量%以下の鋳型用骨材を得ることを特徴とする鋳型用骨材の製造方法。
  15. 表面に開口する穴が存在して、吸水率が0.2質量%を超える耐火性骨材を用い、この耐火性骨材を予め加熱した後、有機化合物を主成分とする固体状の穴埋め材を混和せしめて、かかる穴埋め材を溶融させることにより、該耐火性骨材の表面の開口穴を、前記有機化合物で穴埋めして、吸水率が0.2質量%以下の鋳型用骨材を得ることを特徴とする鋳型用骨材の製造方法。
  16. 前記有機化合物が架橋硬化性樹脂であり、加熱により、及び/又は硬化剤の添加により、該架橋硬化性樹脂が硬化せしめられるようにした請求項14又は請求項15に記載の鋳型用骨材の製造方法。
  17. 表面に開口する穴が存在して、吸水率が0.2質量%を超える耐火性骨材を用い、この耐火性骨材に対して、25℃での粘度が3〜1000cPの液体の架橋硬化性樹脂と硬化剤とを混和せしめて、反応硬化させることにより、かかる耐火性骨材の表面の開口穴を、前記架橋硬化性樹脂の硬化物で穴埋めして、吸水率が0.2質量%以下の鋳型用骨材を製造することを特徴とする鋳型用骨材の製造方法。
  18. 表面に開口する穴が存在して、吸水率が0.2質量%を超える耐火性骨材を用い、この耐火性骨材を予め加熱した後、25℃での粘度が3〜1000cPの無機化合物を主成分とする穴埋め材の水溶液又はエマルジョンを混和せしめて、かかる水溶液を蒸発させることにより、該耐火性骨材の表面の開口穴を、前記無機化合物で穴埋めして、吸水率が0.2質量%以下の鋳型用骨材を製造することを特徴とする鋳型用骨材の製造方法。
  19. 前記無機化合物が、加熱により、及び/又は硬化剤の添加により、硬化せしめられる請求項18に記載の鋳型用骨材の製造方法。
  20. 前記鋳型用骨材が、更に研磨されることを特徴とする請求項14乃至請求項19の何れか1項に記載の鋳型用骨材の製造方法。
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