JPH11102425A - 情報メディア、光記録方法、光記録装置、光読み取り方法、光読み取り装置 - Google Patents

情報メディア、光記録方法、光記録装置、光読み取り方法、光読み取り装置

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JPH11102425A
JPH11102425A JP26059097A JP26059097A JPH11102425A JP H11102425 A JPH11102425 A JP H11102425A JP 26059097 A JP26059097 A JP 26059097A JP 26059097 A JP26059097 A JP 26059097A JP H11102425 A JPH11102425 A JP H11102425A
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hologram
optical
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朗 坂本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種カードなどの情報メディアで、偽造、変
造、複写、データ改ざん、および不正使用を確実に防止
できるとともに、情報の書き替えを容易に行うことがで
きるようにする。 【解決手段】 データ情報を2次元画像として空間光変
調器23上に表示して、信号光3の強度を2次元に変調
する。認証された者の指紋を撮像素子34で2次元画像
として撮像し、その2次元画像を空間光変調器33上に
表示して、参照光4の強度を2次元に変調する。空間光
変調器23を通過した信号光3と、空間光変調器33を
通過した参照光4とを、同時にホログラム記録媒体2に
照射して、ホログラム記録媒体2に、データ情報で変調
された信号光3と指紋で変調された参照光4との干渉に
よるホログラムを記録する。認証された者は、自分の指
紋を撮像素子34に読み取らせて、記録されたデータ情
報を読み出すことができる。第三者は、自分の指紋を撮
像素子34に読み取らせても、記録されたデータ情報を
読み出すことはできない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、クレジットカー
ド、バンクカード、プリペイドカード、メモリカード、
身分証明書、小切手、通帳、株券、約束手形、乗車券、
回数券、定期券などの、偽造、変造、複写、データ改ざ
ん、または不正使用を防止するためにホログラムを利用
した情報メディア、および、これに関連した光記録方
法、光記録装置、光読み取り方法、光読み取り装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】上記のような各種の情報メディアは、偽
造、変造、複写、データ改ざん、または不正使用がなさ
れることが多い。そのため、これら情報メディアを扱う
分野ないしシステムでは、偽造、変造、複写、データ改
ざん、または不正使用を防止するために、種々の工夫が
なされている。
【0003】例えば、一般的に広く普及している磁気カ
ードは、データ記録部分がオープンで、自由にリード・
ライトすることができるため、金融や流通の分野では、
セキュリティの面で、いろいろな工夫をしている。例え
ば、銀行や信販会社では、特殊なオンラインシステムに
よって、センターまたはワークステーションレベルでト
ータルセキュリティを維持するようにしており、暗証番
号などの個人確認用データをカードの磁気記録部分に記
録しておき、このデータとカード読み取り装置を介して
入力されたデータとを照合する方法、またはカード上に
は暗証番号を書き込まずに、センターとカード使用者と
の間でテンキーを通じて暗証番号を照合する方法などが
行われている。また、サインによって本人確認を行う分
野や業界もある。
【0004】しかし、磁気カードは、便利でシンプルで
はあるものの、データの改ざんが行われやすい。そこ
で、データ部分の安全性を確保するために、磁気層を2
層構造にしたり、データを暗号化する方法が考えられて
いる。しかしながら、磁気層を2層構造にしたり、デー
タを暗号化するだけでは、リーダー・ライターが盗まれ
た場合や、その分野の専門家による場合の、デットコピ
ーや、暗号解読によるデータ改ざんなどを防止すること
は困難で、現実にそのような事件が発生している。
【0005】一方、キャッシュレス化が広まる中で、社
会的要求も多岐にわたり、例えば、少額の買物に対して
はプリペイドカードが発行され、少額の支払の便に供さ
れている。プリペイドカードは、磁気情報中に金額情報
が書き込まれ、使用の都度、使用金額を減額して、使用
可能残高を書き換えるものである。
【0006】しかしながら、磁気情報だけでは、専門的
知識を持つ者であれば、なんらかの工夫をすることによ
って、情報をリード・ライトすることが可能であり、実
際に、カードの大量偽造、複写、またはデータ改ざんな
どの事件が発生している。SRAM、EPROM、EE
PROMなどを用いた半導体メモリカードでも、磁気に
よるものと同様の問題がある。
【0007】これに対して、光記録媒体を利用した情報
メディアが提案されている。具体的に、特開平2−23
1198号には、図13に示すように、特定波長のレー
ザ光61を、ハーフミラー62を透過させて、フィルム
上に情報を記憶した情報板63に照射し、情報板63を
透過した光を、レンズ64を介し、ミラー65で反射さ
せて、物体光66として、IDカード67の光記録媒体
部分に入射させると同時に、レーザ光61を、ハーフミ
ラー62およびミラー68で反射させて、参照光69と
して、IDカード67の光記録媒体部分に入射させるこ
とによって、IDカード67の光記録媒体部分に、情報
板63に記憶された情報のホログラム70を記録する方
法が示されている。
【0008】再生時には、記録時の参照光69と同じ参
照光をホログラム70に照射して、再生光71を得、そ
の再生光71を、光学的にホログラム70を中心に情報
板63と対称に配置したホログラム再生像読み取り機7
2によって読み取って、情報板63に記憶された情報を
読み出す。
【0009】また、特開平6−222705号には、情
報を保持する物体光と無変調の参照光とによって、図1
4に示すホログラム層82にホログラムを記録した後、
同図に示すように、ホログラム層82の前面側に、ホロ
グラム支持部材の一部として、特定の位相分布を有する
位相分布構造81を取り付け、位相変調型空間光変調器
92に、位相分布構造81が有する位相分布を打ち消す
ような位相分布を表示して、無変調のレーザ光91を、
位相変調型空間光変調器92によって変調し、その変調
された光を、位相分布構造81によって無変調の参照光
に戻して、ホログラム層82に照射することによって、
ホログラム層82に記録されたホログラムから物体光の
情報を、再生像93として読み取る方法が示されてい
る。
【0010】この方法では、具体的に、同図(B)に示
すように、位相分布構造81は中間層83を介してホロ
グラム層82に取り付け、ホログラム層82の背後には
保護層84を設ける。
【0011】そして、位相変調型空間光変調器92に表
示される位相分布が、位相分布構造81が有する位相分
布に対応した所定のものでないときには、ホログラム層
82に入射する参照光が、記録時の参照光と同じ波面の
ものとならないために、物体光の情報を読み取ることが
できない。
【0012】すなわち、この方法は、位相変調型空間光
変調器92に表示する位相分布を暗証キーとして、ホロ
グラム層82に記録されたホログラムから物体光の情報
を読み取るもので、暗証キーの位相分布を知らない者は
情報を読み取ることができない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述したような各種の
情報メディアのトータルセキュリティを確立するために
は、(1)情報メディアの真偽判定、(2)情報メディ
アの所有者や権利者など、認証された者の認証、(3)
データ情報の安全性ないし機密性、の三要素が同時に確
保されなければならない。
【0014】これに対して、上述した特開平2−231
198号または特開平6−222705号に記載された
発明は、固体認証用にホログラムを利用したもので、
(1)および(2)は一応確保できるが、(3)につい
ては問題がある。
【0015】例えば、特開平2−231198号または
特開平6−222705号に記載された発明を、情報の
追記および消去が可能なメモリカードに利用する場合に
は、真偽判定および認証をホログラム記録部分によって
行い、データ情報はホログラム記録部分とは別の磁気記
録部や半導体メモリ部に記録することが考えられる。
【0016】しかしながら、このようにすると、上述し
た磁気カードや半導体メモリカードと同様に、デットコ
ピーやデータ改ざんなどの恐れがあり、データ情報の安
全性を確保することができない。さらに、カードリーダ
ーが盗まれるなどして、ホログラムを利用した認証方法
が一度解読されてしまうと、カード所有者全員が不正使
用の危険にさらされ、カード発行者はすべてのカードを
回収して、新しいカードを配布する負担を負うなどの問
題がある。
【0017】そこで、この発明の目的は、偽造、変造、
複写、データ改ざん、および不正使用を確実に防止でき
るとともに、情報の書き替えを容易に行うことができ
る、情報メディア、光記録方法、および光読み取り方法
を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明の情報メディア
は、データ情報を有する第1の波面を参照用の第2の波
面と干渉させることによって、ホログラム記録領域にホ
ログラムを記録した情報メディアにおいて、特に、前記
第2の波面を、認証された者以外の者によって前記デー
タ情報が読み出されることを防止する鍵情報によって変
調したものとする。
【0019】この場合、その鍵情報は、認証された者に
固有の情報から形成した2次元画像またはコードとする
ことが望ましく、その認証された者に固有の情報は、認
証された者の指紋、サイン、印影、顔貌、虹彩、暗証番
号のいずれか、またはそれらの組合せとすることが望ま
しい。
【0020】この発明の光記録方法では、信号光と参照
光を同時に光記録媒体に照射することによって、その光
記録媒体中に前記信号光をホログラムとして記録する光
記録方法において、第1の空間光変調器によって、空間
的に変調された波面にデータ情報を保持する信号光を得
るとともに、第2の空間光変調器によって、認証された
者以外の者によって前記データ情報が読み出されること
を防止する鍵情報によって変調された波面を有する参照
光を得る。
【0021】この発明の光読み取り方法では、空間的に
変調された波面にデータ情報を保持する信号光と、認証
された者以外の者によって前記データ情報が読み出され
ることを防止する鍵情報によって変調された波面を有す
る参照光とが、同時に光記録媒体に照射されることによ
って、その光記録媒体中に記録されたホログラムを、前
記参照光と同じ波面を有する読み出し光によって読み出
して、前記信号光と同じ波面を有する回折光を得、その
回折光の波面から前記データ情報を読み取る。
【0022】
【作用】ホログラフィは、ホログラムを記録する段階
と、再生する段階に分けられる。記録段階では、図2
(A)に示すように、情報を有する信号光(Ep)3と
参照光(Ef)4とを、ホログラム記録媒体2に同時に
照射して、ホログラム記録媒体2中に、両者の干渉縞を
記録する。このときの透過率Tは、 T〜(Ap+Af)(Ap*+Af*) =|Ap|2+|Af|2+ApAf*+AfAp* …(1) で表される。ただし、Ap,Afは、それぞれ光波E
p,Efのz=0の面での複素振幅である。
【0023】再生段階では、図2(B)に示すように、
記録時の参照光(Ef)4と同じ読み出し光(Ef)5
を、ホログラム記録媒体2に照射する。このとき、ホロ
グラム記録媒体2の右方向に回折される光波(Ec)6
の電界Acは、 Ac=TAf〜(|Ap|2+|Af|2)Af +|Af|2Ap+Af2Ap* …(2) で与えられ、第2項のみがBraggの条件を満たす。
第2項は、 Ac〜|Af|2Ap …(3) であり、位相因子exp[−i(kp)・r]を有し、
z>0で信号光(Ep)3と同じ波面を持つことにな
る。
【0024】そして、情報は、特定の鍵情報により変調
された波面によってホログラム化され、干渉縞になって
いるため、単に外から見たり、無変調の波面の読み出し
光を照射しても、いかなる情報が記録されているのか、
読み取ることができない。また、ホログラムの記録で
は、信号光および参照光に用いる光源の、波長などの種
類や、参照光の角度などによって、再生像の位置などが
異なるので、そのホログラム記録の条件が、わからなけ
れば、複製が困難であって、安全性が大きく向上する。
【0025】さらに、この発明では、以下のような方法
によって、認証された者(以下では「本人」という)以
外の者はカードにアクセスできないという、究極のセキ
ュリティシステムを実現することができる。
【0026】すなわち、この発明の光記録方法では、信
号光の光路中に、第1の空間光変調器を配置して、これ
に、金額などの書き換える必要のあるデータ情報を、コ
ード化または2次元画像化して表示するとともに、参照
光の光路中に、第2の空間光変調器を配置して、これ
に、本人の指紋やサインなど、本人に固有の情報から形
成した2次元画像またはコードなどの鍵情報を表示す
る。
【0027】そして、第1の空間光変調器を通過した光
を、信号光としてホログラム記録媒体に照射すると同時
に、第2の空間光変調器を通過した光を、参照光として
ホログラム記録媒体に照射する。これによって、ホログ
ラム記録媒体中で信号光と参照光が干渉して、ホログラ
ムが記録される。
【0028】再生時には、記録時の参照光と同じ波面を
有する、すなわち本人の指紋やサインなど、本人に固有
の情報から形成した2次元画像またはコードなどの鍵情
報によって変調された波面を有する読み出し光を、ホロ
グラム記録媒体に照射する。これによって、ホログラム
記録媒体からは、信号光と同じ波面を有する回折光が得
られる。この回折光をCCDなどの光検出器により検出
することによって、信号光が有するデータ情報を読み取
ることができる。
【0029】この発明の光記録方法によれば、再生時、
本人の指紋やサインなど、本人に固有の情報から形成し
た2次元画像またはコードなどの鍵情報によらないかぎ
り、記録されたデータ情報を読み出すことができない。
したがって、第三者がカードとリーダー・ライターを同
時に手に入れ、そのデータ記録のメカニズムを明らかに
したとしても、カードに記録されているデータの読み出
しは、本人以外は不可能である。
【0030】すなわち、この発明の情報メディアは、上
記の鍵情報によってメディアごとに鍵がかけられた状態
でデータ情報が記録されたものとなり、認証された者ご
とにデータ情報の安全性を確保することができる。同時
に、その鍵情報によって、情報メディアの真偽判定、お
よび認証された者の認証も、確保される。したがって、
この発明によれば、情報メディアの偽造、変造、複写、
データ改ざん、および不正使用を完全に防止することが
できる。
【0031】また、この発明の情報メディアは、そのホ
ログラム記録領域を形成するホログラム記録媒体が、ホ
ログラムの消去および追記が可能なものであれば、情報
メディアを扱うシステムにおいて、前のデータ情報を保
持するホログラムを消去した上で、新たなデータ情報に
より信号光を変調し、上記の鍵情報により参照光を変調
して、新たにホログラムを記録することによって、デー
タ情報の書き替えを容易に行うことができ、プリペイド
カードなどのように使用の都度、金額などのデータ情報
を書き替える必要があるものについても、容易に対応可
能となる。
【0032】このように、この発明では、すべてのデー
タを、本人に固有の情報である指紋やサインなどから形
成した参照光を用いてホログラム記録するため、偽造、
変造、複写、データ改ざん、および不正使用を確実に防
止することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
[情報メディアとしての実施形態]図1は、この発明の
情報メディアの一例を示し、その情報メディア1は、ク
レジットカードやプリペイドカードなどに代表されるカ
ードの一部領域に、ホログラム記録媒体からなるホログ
ラム記録領域2を設け、そのホログラム記録領域2に、
上述した方法によってホログラムを記録したものであ
る。
【0034】ホログラム記録媒体2は、ホログラム記録
できるものであれば、どのようなものでもよい。例え
ば、光異性化を示す高分子材料、フォトリフラクティブ
材料、光退色を示す色素を含む高分子材料、フォトポリ
マー、液晶、などを用いることができる。ただし、情報
の消去・追記を行う場合には、光異性化を示す高分子材
料やフォトリフラクティブ材料が好適である。ホログラ
ム記録媒体については、後述する実施例のところで、さ
らに詳細に示す。
【0035】[光記録方法および光記録装置の実施形
態]図5は、この発明の光記録方法および光記録装置の
一実施形態を示す。光源10は、ホログラム記録媒体2
に感度のある波長のコヒーレント光を発するものであれ
ばよい。図の例は、アルゴンイオンレーザの発振線51
5nmを用いた場合である。
【0036】この光源10からのレーザ光を、ハーフミ
ラー11を透過させ、ミラー21で反射させ、レンズ2
2で平行光にして、空間光変調器23に入射させる。空
間光変調器23としては、電圧アドレス型の液晶パネル
や、電気光学結晶にマトリックス電極を付けたものなど
を用いることができる。
【0037】この例では、空間光変調器23として、図
7に示すような液晶空間光変調器40を用いる。液晶空
間光変調器40は、液晶層41が透明電極42および4
3によって挟まれ、その外側に互いにクロスした偏光板
44および45が配されたもので、入射光の振幅ないし
強度を変調することができる。
【0038】ホログラムに記録すべきデータ情報は、コ
ンピュータ24で、コード化して2次元デジタルデータ
とし、またはアナログの2次元画像情報として、コンピ
ュータ24から空間光変調器23に出力して、空間光変
調器23上に表示し、記録すべきデータ情報に応じて、
空間光変調器23に入射する光の強度、位相または偏光
などを2次元に変調する。ただし、この例は、空間光変
調器23として、図7に示した液晶空間光変調器40を
用いるので、強度のみが変調される。
【0039】このようにデータ情報に応じて強度が2次
元に変調された、空間光変調器23を通過した光を、信
号光3として、フーリエ変換レンズ25によってフーリ
エ変換して、ホログラム記録媒体2に照射する。
【0040】一方、光源10からのレーザ光を、ハーフ
ミラー11およびミラー31で反射させ、レンズ32で
平行光にして、空間光変調器33に入射させる。この例
では、空間光変調器33としても、空間光変調器23と
同様に、図7に示したような液晶空間光変調器40を用
いる。
【0041】鍵情報として、本人の指紋から形成した2
次元画像を用いる例を示す。「本人」は、所定の位置に
所定の指の指紋を押す。その指紋を、CCDやフォトデ
ィテクタアレイなどの撮像素子34によって撮像して、
撮像素子34から2次元画像情報を得、その2次元画像
情報を、空間光変調器33に出力して、空間光変調器3
3上に表示し、鍵情報の2次元画像に応じて、空間光変
調器33に入射する光の強度を2次元に変調する。
【0042】この鍵情報に応じて強度が2次元に変調さ
れた、空間光変調器33を通過した光を、参照光4とし
て、フーリエ変換レンズ35によってフーリエ変換し
て、上記の信号光3と同時にホログラム記録媒体2に照
射する。
【0043】これによって、ホログラム記録媒体2中
で、データ情報によって変調された信号光3と、鍵情報
によって変調された参照光4とが干渉して、データ情報
を保持する信号光3がホログラムとして記録される。
【0044】図8は、この場合の信号光3と参照光4の
例を示す。参照光4は、上述したように本人の指紋によ
って変調されたものである。ただし、この場合、参照光
4の画像は、ポジ画像である必要がある。参照光4がネ
ガ画像であると、再生時、後述するように第三者の指紋
が用いられたときでも、読み出し光の指紋部分の外側の
明度の高い部分によって、信号光3が有するデータ情報
が読み取られてしまう恐れがある。ただし、指紋の中心
部のみの画像を取り込み、指紋部分の外側に高明度の部
分を生じなければ、参照光4をネガ画像としてもよい。
信号光3についても、同図の左側に示すように、文字画
像などであって、ネガ画像とするときには外側に高明度
の部分を生じる場合には、ポジ画像にする。
【0045】上記の例は、本人に固有の情報として指紋
を用いる場合であるが、そのほか、サイン、印影(印
鑑)、顔貌(顔写真)、虹彩(アイリス)、暗証番号な
どを用いることができる。サインや印影については、指
紋と同様で、撮像素子34によって撮像すればよい。
【0046】顔貌や虹彩については、本人が所定方向を
向いた状態で、ビデオカメラなどによって撮像すればよ
い。暗証番号については、これを本人が書くようにする
場合には、その書かれたものを撮像すればよい。また
は、文字認識などによって認識して番号を確定し、その
番号に応じた2次元デジタルデータまたは2次元画像情
報を生成し、または記憶装置から読み出して、空間光変
調器33上に表示すればよい。暗証番号をテンキーによ
って入力する場合も、同様である。
【0047】認証された者は、個人にかぎらず、家族や
グループなどであることもある。その場合には、その構
成員に共通の絵柄や図柄などを定めて、各人がそれをサ
インの代わりに描き、または構成員に共通の暗証番号を
入力するなどの方法をとることができる。
【0048】[光読み取り方法および光読み取り装置の
実施形態]図6は、この発明の光読み取り方法および光
読み取り装置の一実施形態を示す。ホログラム記録媒体
2には、上述した方法によってデータ情報が記録されて
いる。
【0049】光源10としては、記録時のものと同じも
のを用いる。記録時の参照光光学系と同様に、この光源
10からのレーザ光を、ハーフミラー11およびミラー
31で反射させ、レンズ32で平行光にして、空間光変
調器33に入射させる。記録時に指紋を用いた場合であ
れば、記録時と同様に「本人」が指紋を押すことによっ
て、空間光変調器33上に記録時と同じ2次元画像情報
が表示され、空間光変調器33を通過した光として、記
録時の参照光4と同一の波面を有する読み出し光5が得
られる。
【0050】この読み出し光5を、フーリエ変換レンズ
35によってフーリエ変換して、ホログラム記録媒体2
に照射する。このように記録時の参照光4と同一の波面
を有する読み出し光5をホログラム記録媒体2に入射さ
せると、式(3)から明らかなように、ホログラム記録
媒体2の右方向に回折される光波6は、信号光3と同じ
波面を有するものとなる。そして、ホログラム記録媒体
2中の信号光3はフーリエ変換レンズ25によってフー
リエ変換されているので、回折光6をフーリエ変換レン
ズ36により逆フーリエ変換することによって、フーリ
エ変換レンズ36の焦点面で信号光3の再生像を観察す
ることができる。この再生像を、CCDやフォトディテ
クタアレイなどの光検出器37によって検出して、信号
光3が有するデータ情報を読み取る。
【0051】この発明では、記録時の参照光4と異なる
波面の読み出し光によってホログラムを照射すると、位
相整合条件を満たさないため、信号光3は正確に再生さ
れない。すなわち、本人以外の第三者がホログラムから
データ情報を読み取ろうとしても、本人の指紋やサイン
などを再現できないので、データ情報を読み出すことは
できない。
【0052】図9および図10は、その様子を示したも
ので、図9は、本人が自分の指紋によって、回折光6と
して信号光3を読み出し、データ情報を得た場合であ
る。これに対して、図10は、記録時の本人と異なる他
人が自分の指紋によって、信号光3を読み出そうとした
場合で、指紋が異なるために信号光3は読み出されず、
再生像としては、光スポットの大きさで幾分明るい部分
を生じる。
【0053】上記の実施形態では、記録時には、信号光
3および参照光4をフーリエ変換してホログラム記録媒
体2に照射し、再生時にも、読み出し光5をフーリエ変
換してホログラム記録媒体2に照射するので、再生時、
指紋やサインなどの位置ずれがあっても、フーリエ変換
面では読み出し光5の空間周波数に変化はなく、指紋や
サインなどの位置ずれによる再生劣化の影響を無視でき
る利点がある。
【0054】[体積多重ホログラム記録の実施形態]体
積ホログラムでは、光源の波長変化、参照光の角度変
化、参照光の波面変化などによって、同一体積内に複数
のホログラムを記録でき、記録の大容量化が可能であ
る。それぞれの多重方式は、波長多重、角度多重、位相
コード多重と呼ばれている。
【0055】角度多重方式の一種に、シフト多重方式
(SPIE Vol.2514,355)がある。これ
は、参照波に球面波を用いて、ホログラム記録媒体の移
動によって、角度多重方式と同じ効果を得、同一体積内
に複数のホログラムを記録するものである。また、参照
波に球面波ではなく、ファイバによって作られたスペッ
クルパターンを用いる方法もある(OPTICS LE
TTERS Vol.22,(1997)739)。い
ずれのシフト多重方式でも、数mmφの記録領域中に、
ホログラム記録媒体または入射光を数μm移動させて、
複数のホログラムを多重記録することができる。この移
動量は、ホログラム媒体の厚み、屈折率変化量、参照光
の波面形状に依存する。
【0056】図5に示して上述した、この発明の光記録
方法の好ましい実施形態では、指紋やサインなど、本人
に固有の情報から形成した2次元画像やコードのフーリ
エ変換像を参照光4に用いるので、参照光4の波面は平
面波と大きく異なり、シフト多重記録に適している。こ
れに対して、通常のホログラム記録では、参照光に平面
波を用いるため、ホログラム記録媒体の移動による体積
多重記録は不可能である。
【0057】体積多重記録する場合には、図5に示した
方法で1枚目のデータをホログラム記録した後、図6に
示した方法でデータを読み出す。このとき、ホログラム
からの回折光6が消えるまで、ホログラム記録媒体2
を、矢印2aで示す方向、ないし読み出し光5の光軸に
垂直な方向に移動させる。このときの移動量をδとする
と、このδの間隔でホログラム記録媒体2を移動させる
ことによって、新しいデータを同一領域中に複数記録で
きる。すなわち、記録領域中に、ホログラム記録媒体2
をわずかに移動させるだけで、複数のホログラムを多重
記録できる。ホログラム記録媒体2の代わりに、信号光
3および参照光4を移動させてもよい。
【0058】このように、この発明では、ホログラム記
録媒体2の移動のみで、ホログラム記録の特徴の一つで
ある体積多重による記録の大容量化を実現することがで
きる。
【0059】〔データ情報の書き替え〕この発明では、
ホログラム記録媒体2として、後述するようにデータの
消去および追記が可能なものを用いることによって、デ
ータ情報を書き替えることができる。この場合には、光
記録装置および光読み取り装置を含むシステムにおい
て、ホログラム記録媒体2を備える情報メディアを使用
する者が「本人」であることを確認した上で、例えばプ
リペイドカードの場合であれば、使用金額を減額して使
用可能残高を算出するなどの演算処理を行い、次いで、
ホログラム記録媒体2に全面的に光を照射し、または熱
を加えるなど、ホログラム記録媒体2の材料に応じて定
められた方法によって、ホログラム記録媒体2に記録さ
れているデータ情報を消去する。
【0060】次いで、システムでは、ホログラム記録媒
体2に新たに書き込むべき、使用可能残高などのデータ
情報を、上述したのと全く同じ方法で、ホログラム記録
媒体2にホログラムとして記録する。これによって、デ
ータの書き替えを行うことができる。前のデータ情報を
残して、これに新たなデータ情報を加える場合にも、前
のデータ情報を読み出した段階で、これを一旦、システ
ム内に保存しておくことによって、書き替えと同じよう
に追記することができる。
【0061】ちなみに、図14に示して上述した特開平
6−222705号の発明は、もともと書き替えを意図
したものではないが、この特開平6−222705号の
記録媒体で、書き替えを行おうとすると、図14に示し
た位相分布構造81をホログラム層82から剥がした上
で、ホログラム層82内のホログラムを消去し、新たな
ホログラムを記録した上で、再び位相分布構造81をホ
ログラム層82に貼り付けなければならず、書き替えは
困難であると推測される。
【0062】
【実施例】ホログラム記録媒体として、具体的には、
(a)図3に示すような、側鎖にシアノアゾベンゼンを
有するポリエステル、(b)図4(A)に示すメチルオ
レンジを分散させたPVA(ポリビニルアルコール)
膜、(c)図4(B)に示すメチルレッドを分散させた
PMMA(ポリメチルメタクリレート)膜、(d)鉄ド
ープLiNbO3、(e)BaTiO3、(f)図4
(C)に示すエリトロシンBを含有したPVA膜、
(g)図4(D)に示すエオシンYを含有したPVA
膜、(h)図4(E)に示すウラニンを含有したPVA
膜、(i)フォトポリマー、などを用いる。
【0063】側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエ
ステル、メチルオレンジ分散PVA膜、およびメチルレ
ッド分散PMMA膜、などのアゾ系の分子を有する高分
子膜は、アゾ分子の光異性化によって複屈折性を示すた
め、書き換え可能なホログラム記録媒体として用いるこ
とができる。これらは、ホログラム記録媒体に全面的に
光を照射し、または熱を加えることによって、データ情
報を消去した上で、上述した方法によって新たなデータ
情報を書き込むことができる。
【0064】鉄ドープLiNbO3、BaTiO3、およ
び「NATURE Vol.371(1994)67
1」に記載の複合高分子、などのフォトリフラクティブ
材料は、書き換え可能なホログラム記録媒体として広く
知られている。これも、光の照射または加熱によって、
データ情報を消去した上で、新たなデータ情報を書き込
むことができる。
【0065】エリトロシンB含有PVA膜、エオシンY
含有PVA膜、ウラニン含有PVA膜、などのキサンテ
ン系色素分散高分子膜は、キサンテン系色素のフォトク
ロミズムによって吸収係数および屈折率の変化を生じる
ため、ホログラム記録媒体として用いることができる。
【0066】フォトポリマーは、光重合反応によって屈
折率変化を生じるため、ライトワンスのホログラム記録
媒体として用いることができる。
【0067】ここでは、光異性化を示す高分子材料の一
つである、図3に示した、側鎖にシアノアゾベンゼンを
有するポリエステルを用いた場合の、実際に行った例を
示す。この材料がホログラム記録可能であることを、図
11に示す光学系によって確認した。
【0068】光源10には、側鎖にシアノアゾベンゼン
を有するポリエステルに感度のあるアルゴンイオンレー
ザの発振線515nmを用いた。光源10からのレーザ
光の偏光は、s偏光(紙面に垂直)である。
【0069】記録時には、同図(A)に示すように、光
源10からのレーザ光を、ハーフミラー11を透過さ
せ、ミラー21で反射させて、信号光3’として試料
2’に入射させると同時に、光源10からのレーザ光
を、ミラー31で反射させて、参照光4’として試料
2’に入射させて、試料2’中にホログラムを記録す
る。再生時には、同図(B)に示すように、信号光3’
をシャッタ51で遮断し、参照光4’のみを試料2’に
入射させて、試料2’からホログラム回折光6を得、光
検出器52で検出する。
【0070】信号光3’と参照光4’の光パワーを、と
もに100mWとして、記録時間を変えて、上記の記録
および再生を交互に行った。信号光3’と参照光4’の
ビーム径は、ともに約100μmである。
【0071】始めに、信号光3’と参照光4’とによっ
て5秒間、ホログラム記録を行い、その後、参照光(読
み出し光)4’によってホログラムを読み出した。読み
出し時の参照光4’の光パワーも、100mWとした。
ホログラムの読み出しは、記録されたホログラムを壊す
恐れがあるので、0.5秒程度の十分短い時間で行い、
以下これを繰り返した。
【0072】図12は、この実験による場合の、回折光
6’の強度のホログラム記録時間に対する依存性を示し
たもので、試料2’がホログラム記録可能であることが
わかる。回折光強度は、約80秒間の記録で定常状態に
なることがわかる。また、記録されたホログラムは室温
に保存しておいて、数か月以上たっても、記録が保持さ
れていることを確認した。
【0073】同様に、メチルオレンジ分散PVA膜、メ
チルレッド分散PMMA膜、鉄ドープLiNbO3、B
aTiO3、フォトリフラクティブポリマー、エリトロ
シンB含有PVA膜、エオシンY含有PVA膜、ウラニ
ン含有PVA膜、フォトポリマーについても、ホログラ
ム記録可能であることを確認した。
【0074】これらの材料を用いて、図5に示した光記
録装置によって、データの記録を行った。光源10に
は、上述したアルゴンイオンレーザの発振線515nm
を用いた。
【0075】データ情報として、図8の左側に示すよう
な「FUJI XEROX」の2段の文字列を、空間光
変調器23上に表示し、参照光4を変調する鍵情報とし
て、発明者の一人「河野」の指紋を、空間光変調器33
上に表示した。データ情報「FUJI XEROX」
は、コンピュータ24によって作成して、空間光変調器
23に入力し、参照光4の指紋は、撮像素子34を構成
するCCDによって撮像して、空間光変調器33に入力
した。これによって、上述した方法でホログラム記録媒
体2にホログラムを記録した。なお、指紋の入力には、
米国特許第3716301号明細書に記載の、プリズム
による指紋入力方法を使うこともできる。
【0076】図6に示した光読み取り装置によって、上
記のように記録したホログラムからデータ情報「FUJ
I XEROX」を読み出すことを試みた。光源10に
は、記録時と同じアルゴンイオンレーザの発振線515
nmを用いた。読み出し光光学系の配置は、記録時の参
照光光学系の配置と同じである。読み出し光光学系の空
間光変調器33には、記録時と同じ、発明者の一人「河
野」の指紋を表示した。指紋の入力には、記録時と同様
に、撮像素子34を構成するCCDを用いた。
【0077】図9の左側は、このとき、ホログラムから
得られて光検出器37で検出された回折光6を示し、デ
ータ情報「FUJI XEROX」が忠実に再生される
ことを確認した。
【0078】次に、読み出し光5の位置ずれの影響を調
べるために、図6中の空間光変調器33を光軸に対して
垂直な方向に移動させた。その結果、数mm程度の移動
量では、再生像に影響はなく、データ情報「FUJI
XEROX」を忠実に再生できることを確認した。
【0079】第三者はデータ情報「FUJI XERO
X」を読み出せないことを確認するために、記録時とは
違う他の発明者の指紋を、空間光変調器33に表示し
て、ホログラムを照明した。その結果、光検出器37で
検出された回折光6は、図10の左側に示すようなもの
となって、データ情報「FUJI XEROX」は全く
読み出せなかった。
【0080】シフト多重方式により、体積多重ホログラ
ム記録を行った。図5に示した光記録装置によって、第
1のデータ情報を、1枚目のホログラムとして記録した
後、図6の光読み取り装置によって、回折光6を得た。
このときの参照光4および読み出し光5には、発明者の
一人「河野」の指紋を用いた。光検出器37で、その再
生像を観察しながら、像が消えるまで、ホログラム記録
媒体2を矢印2aの方向に平行移動させた。ホログラム
記録媒体2として、膜厚が約60μmの、側鎖にシアノ
アゾベンゼンを有するポリエステルを用いた場合、この
とき、およそ30μm移動させると、再生像が消失し
た。
【0081】移動後に、第2のデータ情報を、1枚目と
同じく、参照光4に発明者の一人「河野」の指紋を用い
て、2枚目のホログラムとして記録した。その後、同様
に、第3、第4のデータ情報を、30μmずつ移動させ
て、ホログラム記録した。記録後に、図6に示した光読
み取り装置で、ホログラム記録媒体2を記録時と同様に
平行移動させると、およそ30μmごとに、第1、第
2、第3、第4のデータ情報が、それぞれ読み出され
た。信号光3と参照光4が重なるホログラム記録領域は
1mmφ程度であるのに対して、30μmごとに4枚の
データ情報が記録できることから、シフト多重方式によ
り、体積多重ホログラム記録が可能なことがわかる。
【0082】
【発明の効果】上述したように、この発明の情報メディ
アによれば、情報は、特定の鍵情報により変調された波
面によってホログラム化され、干渉縞になっているた
め、単に外から見たり、無変調の波面の読み出し光を照
射しても、いかなる情報が記録されているのか、読み取
ることができない。また、ホログラムの記録では、信号
光および参照光に用いる光源の、波長などの種類や、参
照光の角度などによって、再生像の位置などが異なるの
で、そのホログラム記録の条件が、わからなければ、複
製が困難であって、安全性が大きく向上する。
【0083】さらに、指紋やサインなど、認証された者
に固有の情報から形成した2次元画像やコードに対応し
た参照光を用いることによって、たとえカードとカード
・リーダーが同時に盗まれた場合でも、他人がカードを
利用することを防ぐことができる。参照光に指紋やサイ
ンを用いれば、暗証番号などを記憶しておくという面倒
な負担がなくなるというメリットもある。
【0084】また、この発明の情報メディアによれば、
クレジットカードやキャッシュカードにプリペイド機能
を持たせたり、スタンプ機能を持たせたりすることが可
能となり、セキュリティの高い多機能カードとして運用
することができる。このような多機能カードとして使え
ば、従来のプリペイドカードのように、料金額面金額を
使い切ってしまうと、ただの紙切れかプラスチックでし
かなく、捨ててしまうというような無駄がなくなり、カ
ードに再入金すれば、何度でも同じカードを使って反復
使用が可能となる。
【0085】このように、この発明の情報メディアは、
偽造、変造、複写、データ改ざん、および不正使用を完
全に防止できるだけでなく、用途や利便性などの点で
も、非常に優れたものである。しかも、その効果は、各
種カードに限らず、各分野での重要書類などについても
同様に得られ、この発明の工業的価値は、極めて大なる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の情報メディアの一例を示す図であ
る。
【図2】ホログラムの記録再生方法を示す図である。
【図3】側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステ
ルの化学式を示す図である。
【図4】メチルオレンジ、メチルレッド、エリトロシン
B、エオシンYおよびウラニンの化学式を示す図であ
る。
【図5】この発明の光記録方法および光記録装置の一例
を示す図である。
【図6】この発明の光読み取り方法および光読み取り装
置の一例を示す図である。
【図7】この発明で用いる空間光変調器の一例を示す図
である。
【図8】ホログラム記録時の信号光と参照光の一例を示
す図である。
【図9】読み出し時の読み出し光および回折光の一例を
示す図である。
【図10】データ情報を読み出せない場合の説明に供す
る図である。
【図11】実験に用いた光学系を示す図である。
【図12】実験結果のホログラム記録時間に対する回折
光強度の関係を示す図である。
【図13】従来のIDカードの説明に供する図である。
【図14】従来のホログラムおよびホログラム再生装置
を示す図である。
【符号の説明】
1 情報メディア 2 ホログラム記録領域(ホログラム記録媒体) 3 信号光 4 参照光 5 読み出し光 6 回折光 10 光源 23,33 空間光変調器 25,35,36 フーリエ変換レンズ 34 撮像素子 37 光検出器 40 液晶空間光変調器 51 シャッタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 33/12 C08L 33/12 67/02 67/02 G02F 1/13 505 G02F 1/13 505 G03F 7/004 G03F 7/004 G03H 1/02 G03H 1/02 1/16 1/16 1/18 1/18 1/22 1/22 G06K 17/00 G06K 17/00 T 19/06 G11B 7/24 501Z G07F 7/08 G06K 19/00 D G11B 7/24 501 G07F 7/08 Z

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】データ情報を有する第1の波面を参照用の
    第2の波面と干渉させることによって、ホログラム記録
    領域にホログラムを記録した情報メディアにおいて、 前記第2の波面が、認証された者以外の者によって前記
    データ情報が読み出されることを防止する鍵情報によっ
    て変調されていることを特徴とする情報メディア。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の情報メディアにおいて、 前記鍵情報が、認証された者に固有の情報から形成され
    た2次元画像またはコードであることを特徴とする情報
    メディア。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の情報メディアにおいて、 前記認証された者に固有の情報が、認証された者の指
    紋、サイン、印影、顔貌、虹彩、暗証番号のいずれか、
    またはそれらの組合せであることを特徴とする情報メデ
    ィア。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の情報メデ
    ィアにおいて、 前記ホログラム記録領域が、側鎖に光異性化する基を有
    する高分子または高分子液晶であることを特徴とする情
    報メディア。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載の情報メデ
    ィアにおいて、 前記ホログラム記録領域が、光異性化する分子を分散さ
    せた高分子であることを特徴とする情報メディア。
  6. 【請求項6】請求項4または5に記載の情報メディアに
    おいて、 前記光異性化する基または分子が、アゾベンゼン骨格を
    含むものであることを特徴とする情報メディア。
  7. 【請求項7】請求項4〜6のいずれかに記載の情報メデ
    ィアにおいて、 前記高分子または高分子液晶が、ポリエステル群から選
    ばれた少なくとも1種のモノマー重合体であることを特
    徴とする情報メディア。
  8. 【請求項8】請求項1〜3のいずれかに記載の情報メデ
    ィアにおいて、 前記ホログラム記録領域が、キサンテン系色素を分散さ
    せた高分子であることを特徴とする情報メディア。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の情報メディアにおいて、 前記キサンテン系色素が、エリトロシンB、エオシン
    Y、ウラニンのいずれかであることを特徴とする情報メ
    ディア。
  10. 【請求項10】請求項5または8に記載の情報メディア
    において、 前記高分子が、ポリメチルメタクリレート、ポリビニル
    アルコールのいずれかであることを特徴とする情報メデ
    ィア。
  11. 【請求項11】請求項1〜3のいずれかに記載の情報メ
    ディアにおいて、 前記ホログラム記録領域が、フォトリフラクティブ材料
    であることを特徴とする情報メディア。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の情報メディアにおい
    て、 前記フォトリフラクティブ材料が、LiNbO3、Ba
    TiO3、フォトリフラクティブポリマーのいずれかで
    あることを特徴とする情報メディア。
  13. 【請求項13】請求項1〜3のいずれかに記載の情報メ
    ディアにおいて、 前記ホログラム記録領域が、光重合反応によって屈折率
    変化を生じるフォトポリマーであることを特徴とする情
    報メディア。
  14. 【請求項14】信号光と参照光を同時に光記録媒体に照
    射することによって、その光記録媒体中に前記信号光を
    ホログラムとして記録する光記録方法において、 第1の空間光変調器によって、空間的に変調された波面
    にデータ情報を保持する信号光を得るとともに、 第2の空間光変調器によって、認証された者以外の者に
    よって前記データ情報が読み出されることを防止する鍵
    情報によって変調された波面を有する参照光を得ること
    を特徴とする光記録方法。
  15. 【請求項15】請求項14に記載の光記録方法におい
    て、 前記鍵情報を、認証された者に固有の情報から形成した
    2次元画像またはコードとすることを特徴とする光記録
    方法。
  16. 【請求項16】請求項15に記載の光記録方法におい
    て、 前記認証された者に固有の情報を、認証された者の指
    紋、サイン、印影、顔貌、虹彩、暗証番号のいずれか、
    またはそれらの組合せとすることを特徴とする光記録方
    法。
  17. 【請求項17】請求項14〜16のいずれかに記載の光
    記録方法において、 前記信号光と前記参照光のいずれか一方、または両方を
    フーリエ変換して、前記光記録媒体に入射させることを
    特徴とする光記録方法。
  18. 【請求項18】請求項14〜17のいずれかに記載の光
    記録方法において、 前記鍵情報を2次元画像として撮像し、その撮像した画
    像を前記第2の空間光変調器に表示して、前記参照光を
    得ることを特徴とする光記録方法。
  19. 【請求項19】請求項14〜18のいずれかに記載の光
    記録方法において、 前記光記録媒体、または前記信号光および前記参照光
    を、回転または平行移動させることによって、前記光記
    録媒体中にホログラムを多重記録することを特徴とする
    光記録方法。
  20. 【請求項20】コヒーレント光を発する光源と、 データ情報に応じて前記光源からの光を変調して、その
    波面により前記データ情報を保持する信号光を得る第1
    の空間光変調器と、 前記信号光を光記録媒体に照射する第1の結像光学系
    と、 認証された者以外の者によって前記データ情報が読み出
    されることを防止する鍵情報によって前記光源からの光
    を変調して、その波面により前記鍵情報を保持する参照
    光を得る第2の空間光変調器と、 前記参照光を前記光記録媒体に照射する第2の結像光学
    系と、 を備える光記録装置。
  21. 【請求項21】請求項20に記載の光記録装置におい
    て、 前記鍵情報を、認証された者に固有の情報から形成した
    2次元画像またはコードとすることを特徴とする光記録
    装置。
  22. 【請求項22】請求項21に記載の光記録装置におい
    て、 前記認証された者に固有の情報を、認証された者の指
    紋、サイン、印影、顔貌、虹彩、暗証番号のいずれか、
    またはそれらの組合せとすることを特徴とする光記録装
    置。
  23. 【請求項23】請求項20〜22のいずれかに記載の光
    記録装置において、 前記信号光と前記参照光のいずれか一方、または両方を
    フーリエ変換して、前記光記録媒体に入射させることを
    特徴とする光記録装置。
  24. 【請求項24】請求項20〜23のいずれかに記載の光
    記録装置において、 当該光記録装置は、さらに、前記鍵情報を2次元画像と
    して撮像し、その撮像した画像を前記第2の空間光変調
    器に表示して、前記第2の空間光変調器から前記参照光
    を出力させる撮像素子を備えることを特徴とする光記録
    装置。
  25. 【請求項25】請求項20〜24のいずれかに記載の光
    記録装置において、 前記光記録媒体、または前記信号光および前記参照光
    を、回転または平行移動させることによって、前記光記
    録媒体中にホログラムを多重記録することを特徴とする
    光記録装置。
  26. 【請求項26】請求項20〜25のいずれかに記載の光
    記録装置において、 前記第1および第2の空間光変調器が液晶空間光変調器
    であることを特徴とする光記録装置。
  27. 【請求項27】空間的に変調された波面にデータ情報を
    保持する信号光と、認証された者以外の者によって前記
    データ情報が読み出されることを防止する鍵情報によっ
    て変調された波面を有する参照光とが、同時に光記録媒
    体に照射されることによって、その光記録媒体中に記録
    されたホログラムを、前記参照光と同じ波面を有する読
    み出し光によって読み出して、前記信号光と同じ波面を
    有する回折光を得、その回折光の波面から前記データ情
    報を読み取る光読み取り方法。
  28. 【請求項28】請求項27に記載の光読み取り方法にお
    いて、 前記読み出し光をフーリエ変換して、前記ホログラムに
    照射することを特徴とする光読み取り方法。
  29. 【請求項29】請求項27または28に記載の光読み取
    り方法において、 前記回折光をフーリエ変換して、前記データ情報を読み
    取ることを特徴とする光読み取り方法。
  30. 【請求項30】空間的に変調された波面にデータ情報を
    保持する信号光と、認証された者以外の者によって前記
    データ情報が読み出されることを防止する鍵情報によっ
    て変調された波面を有する参照光とが、同時に光記録媒
    体に照射されることによって、その光記録媒体中に記録
    されたホログラムに、読み出し光を照射する読み出し光
    光学系と、 前記ホログラムからの回折光の波面を検出する光検出器
    とを備え、 前記読み出し光として前記参照光と同じ波面を有する光
    が照射されたとき、前記光検出器により前記データ情報
    が読み取られることを特徴とする光読み取り装置。
  31. 【請求項31】請求項30に記載の光読み取り装置にお
    いて、 前記読み出し光光学系は、読み出し用の情報を2次元画
    像として撮像する撮像素子と、この撮像素子によって撮
    像された画像を表示して、前記読み出し光の波面を形成
    する空間光変調器と、を備えることを特徴とする光読み
    取り装置。
  32. 【請求項32】請求項30または31に記載の光読み取
    り装置において、 前記読み出し光をフーリエ変換して、前記ホログラムに
    照射することを特徴とする光読み取り装置。
  33. 【請求項33】請求項30〜32のいずれかに記載の光
    読み取り装置において、 前記回折光をフーリエ変換して、前記光検出器に入射さ
    せることを特徴とする光読み取り装置。
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