JPH11101967A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH11101967A
JPH11101967A JP10213645A JP21364598A JPH11101967A JP H11101967 A JPH11101967 A JP H11101967A JP 10213645 A JP10213645 A JP 10213645A JP 21364598 A JP21364598 A JP 21364598A JP H11101967 A JPH11101967 A JP H11101967A
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JP
Japan
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signal
signal line
liquid crystal
voltage
circuit
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Application number
JP10213645A
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English (en)
Inventor
Takeshi Ito
伊藤  剛
Haruhiko Okumura
治彦 奥村
Hisao Fujiwara
久男 藤原
Katsuya Tsuchida
勝也 土田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示品質の高い表示を行うことができ、消費
電力が低く、電磁障害が少ない液晶表示装置を提供す
る。 【解決手段】 画素電極20がマトリクス状に配設され
たアレイ基板10と対向電極41が配設された対向基板
40との間に液晶層44を挟持した液晶表示装置におい
て、第1の表示信号を第1の信号線14に供給する第1
の信号線線駆動回路11と、第2の表示信号を信号線1
5に供給する第2の信号線駆動回路12と、第1の表示
信号を選択して画素電極20に印加する第1の薄膜トラ
ンジスタ21と、第2の表示信号を選択して画素電極2
0に印加する第2の薄膜トランジスタ22とを具備す
る。そして第1の信号線駆動回路11、第1の信号線1
4、第1のTFT21はの電流供給能力は、第2の信号
線駆動回路12、第2の信号線15、第2のTFT22
の電流供給能力よりも大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置に関
し、特に表示画面を構成する各画素を独立に駆動するア
クティブマトリクス型液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータ、ワードプロセ
ッサ、EWS等の表示装置、電卓、電子ブック、電子手
帳用の表示装置、携帯テレビ、携帯電話、携帯FAX等
の表示装置は、携帯性が重視される。したがって小形、
軽量であることが望まれる。またこれらの装置は携帯時
にはバッテリー駆動する必要があるので、消費電力が低
いことが望まれる。薄型の表示装置としては、液晶表示
装置(LCD)、プラズマディスプレイ、フラットCR
T等が知られている。このうち、低消費電力の要求に対
しては液晶表示装置が最も適しており、実用化が進んで
いる。また近年では、液晶表示装置はCRTを置き換え
つつあり、大型化、高精細化も望まれている。
【0003】従来のアクティブマトリクス型液晶表示装
置では、画素がマトリクス状に配列されており、各画素
に付き1個のスイッチング素子を具備している。スイッ
チング素子はアドレス線に接続され、スイッチング素子
の制御によって信号線より表示信号が供給される。この
場合、列方向に配列した画素へは同列方向に沿って延び
る1本の信号線が対応し、さらに行方向に配列した信号
線へは同行方向に配置された信号線駆動回路が備わって
いる。1つの画素への表示信号供給は、1本の信号線及
び1つの信号線駆動回路によって行われる。液晶表示装
置が大型化すると、信号線とゲート線間、信号線とコモ
ン電極間、あるいは信号線と画素電極間などに生じる寄
生容量が大きくなる。このため、信号線容量と配線抵抗
に規定される時定数が長くなる。これにより信号線の立
ち上がりがなまるため、画素への表示信号供給が充分に
行われない。
【0004】また、高精細化すると1フィールド期間内
に駆動する画素数が増えることになる。このため、1画
素あたりの書込み時間が短くなり画素への電圧供給が不
充分になってしまう。特に信号線駆動回路から離れた画
素についてはコントラストの低下が生じる。
【0005】一方、液晶材料に誘電率の大きい液晶材料
を用いた場合も同様に書込み時間が不充分となる。例え
ば強誘電性液晶材料のように極性反転時の自発分極によ
る誘電率が大きい材料については、リセット期間と表示
信号書込み期間とが必要となる。さらに、リセット電圧
が表示信号の書込み電圧より大きい場合には、信号線駆
動回路にはリセット電圧に相当する耐圧を備えることが
要求される。また、水平ライン反転、ドット反転を行っ
た場合は、信号線駆動回路の極性反転周波数が高くな
る。このため、消費電力も増大する。
【0006】一方、信号線駆動回路及びアドレス線駆動
回路を画素電極及びコモン電極が備わっているガラスな
どの絶縁性基板上に一体的に配設した液晶表示装置も提
案されている。このような液晶表示装置では、画素選択
用のTFTと、駆動回路を構成するTFTとを、多結晶
質シリコン(poly−Si)(微結晶質シリコン(μ
c−Si)を含む)をチャネル半導体膜として構成する
ものもある。駆動回路を表示部と一体的に形成したこの
ような液晶表示装置では、クロック及び表示信号の伝送
線からの電磁ノイズ(EMI)が問題となる。電磁ノイ
ズは電圧の2乗に比例するため、駆動電圧を小さくする
か、駆動周波数を下げることによって許容し得る範囲に
まで改善することができる。
【0007】また、基板上に表示部のアレイと駆動回路
とを一体的に形成する場合、駆動回路に不良が生じるこ
とが生産性低下の大きな原因の一つになっている。
【0008】また固有のあるいは電場を印加することに
より誘起される自発分極を有する液晶材料が電極間に挟
むまれた液晶表示素子(例えば、反強誘電性液晶、DH
F液晶、ねじれFLC、電傾効果、強誘電性液晶などを
用いた表示モード)は、広視野角、高速応答可能な表示
モードとして注目されている。図33は自発分極を有す
る液晶の例として、反強誘電性液晶の電場と配向との関
係を模式的に示す図である。
【0009】電圧無印加時には液晶分子は互い違いに並
んで、自発分極を打ち消している。このとき平均的な分
子の光軸は図33の縦方向となり、これと水平および垂
直となるように2枚の偏光板をクロスニコルに配置する
と、暗状態(ノーマリーブラック)となる。正電圧ある
いは負電圧を印加すると、液晶は一方向に配列して光軸
が偏光板の偏光方向からずれるため明状態となる。TN
モードの液晶と異なる点は、正電圧印加と負電圧印加で
液晶の配列が違うことである。
【0010】また、電極間に印加する電圧の強度によっ
て、電圧無印加状態、正電圧印加状態、負電圧印加状態
という3つの配向だけでなく、これら状態の中間の任意
の配向をとることができる。したがって、メモリー性は
乏しいもしくは無いが、TFT、TFD(薄膜ダイオー
ド)、MIMなどのスイッチング素子を各画素に形成し
たアクティブマトリクス方式を採用し、非選択期間中も
上記任意の配向状態をとる電圧を保持するようにすれ
ば、階調表示を行うことができる。
【0011】しかし、自発分極成分は常誘電成分に比べ
大きいため、特に極性反転時に画素電圧の供給が十分に
行われない場合がある。つまりノーマリブラックモード
の反強誘電性液晶表示措置において、極性反転を行う場
合は、画素電圧が一旦0[V]の状態となるため、黒表
示を経由してから反対極性の画像を表示することにな
る。よって、書込みが不十分な場合は極性反転を行った
走査線に配列した画素の輝度が下がり、黒縞(以下、妨
害縞と呼ぶ)が生じる。この妨害縞が視覚の時空間周波
数特性で視認される領域に入ってくると、大幅に画質劣
化を生じさせることになる。特に表示画面の一部を極性
反転する場合には、隣接画素によって補間が十分に行わ
れず、その表示部分の輝度低下が視認されやすい。
【0012】また、応答性が速い材料においても書込み
期間内に応答が終らない場合は、所望の画像表示状態に
は至らない。このため、次フィールドでは正確な表示が
行われないことになる。とくに動画表示においてが、十
分な表示が行われないことになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点を解決するためになされたものである。すなわち本
発明は、画素への書込みを充分に行うととともに消費電
力を低減することができる液晶表示装置を提供すること
を目的とする。
【0014】また、本発明は信号線駆動回路の駆動電圧
を低減することにより電磁ノイズ及び消費電力を低減し
た液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0015】また本発明は、例えば強誘電性液晶など誘
電率の高い液晶層を用いた液晶表示装置の駆動能力をた
かめ、表示品質を向上することを目的とする。
【0016】また、本発明は画素と駆動回路とが一体的
に形成された液晶表示装置の生産性を向上することを目
的とする。
【0017】また本発明は、大画面、高精細で、表示品
質の高い液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0018】また本発明は、自発分極を有する液晶表示
の駆動方法において、画素への書込みが充分に行われな
い画素に対し、書込み不足による画質劣化を改善するこ
とを目的とする。
【0019】また、高い電圧印加を必要とする液晶材料
においても、異なる電源電圧で駆動される信号線駆動回
路を複数有することで、消費電力を大幅に軽減すること
を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、本発明の液晶表示装置は以下に説明するような
構成を備えたものである。
【0021】本発明の液晶表示装置の第1のアスペクト
は、第1の基板と第2の基板との間に挟持された液晶層
と、前記第1の基板上に配設された第1の電極と、第1
の表示信号を前記第1の電極に供給する第1の供給手段
と、第2の表示信号を前記第1の電極に供給する第2の
供給手段と、前記第1の信号または前記第2の信号を選
択的に前記第1の電極に印加する手段とを具備したこと
である。
【0022】また、本発明の液晶表示装置の第2のアス
ペクトは、第1の基板と第2の基板との間に挟持された
液晶層と、前記第1の基板上に配設された第1の電極
と、正極性の第1の表示信号を供給する第1の供給手段
と、負極性の第2の表示信号を供給する第2の供給手段
と、前記第1の信号または前記第2の信号を選択的に前
記第1の電極に印加する手段とを具備したことである。
【0023】また本発明の液晶表示装置の第3のアスペ
クトは、第1の基板と第2の基板との間に挟持され、メ
モリ性を有する液晶層と、前記第1の基板上に配設され
た第1の電極と、前記液晶層をリセットする第1の表示
信号を供給する第1の供給手段と、第2の表示信号を供
給する第2の供給手段と、前記第1の信号または前記第
2の信号を選択的に前記第1の電極に印加する手段とを
具備したことである。また本発明の液晶表示装置の第4
のアスペクトは、表示領域にマトリクス状に配列された
画素電極と、信号線に表示信号を供給する信号線駆動回
路と、アドレス線に走査信号を供給するアドレス線駆動
回路と、前記アドレス信号により前記表示信号を選択し
て前記画素電極に印加する複数系統の表示信号印加手段
とを具備したことである。
【0024】前記画素電極には、それぞれ第1のスイッ
チング素子と第2のスイッチング素子が接続され、これ
らスイッチング素子へはそれぞれ第1の信号線と第2の
信号線によりそれぞれ表示信号を供給するようにしても
よい。また、信号線へ印加される信号は複数系統の信号
供給手段から選択できるようにしてもよい。この場合、
第1のスイッチング素子と前記第1のスイッチング素子
へ接続された第1の信号線と、第1の信号線に表示信号
を供給する複数の信号線駆動回路とを具備し、前記画素
電極へは同一の信号線に接続された複数の信号線駆動回
路より表示信号を供給するようにしてもよい。また前記
画素電極に同一のスイッチング素子と、同一の信号線
と、前記信号線に接続された少なくとも2つ以上の複数
の信号線駆動回路とを具備し、前記画素電極に接続され
前記複数の信号線駆動回路より駆動電圧を供給する状態
と、供給しない状態とを切り換えられるスイッチング手
段を信号線と信号線駆動回路間との間に介在させるよう
にしてもよい。
【0025】すなわち本発明の液晶表示装置は、第1の
基板と第2の基板との間に挟持された液晶層と、前記第
1の基板上に配設された第1の電極と、前記第1の電極
に対する複数系統の信号供給系を備えたものである。こ
れら信号供給系としては、例えば信号線駆動回路をあげ
ることができる。信号線駆動回路は複数備えるようにし
てもよい。さらに複数の信号線駆動回路を1つの領域に
集積化してもよい。
【0026】第1の基板としては例えば画素電極がマト
リクス型に配設されたアレイ基板をあげることができ
る。第2の基板としては例えばコモン電極(対向電極)
が配設された対向基板をあげることができる。第1の基
板を対向基板とし、第2の基板をアレイ基板とするよう
にしてもよい。第1の基板、第2の基板としては例えば
ガラス、無アルカリガラス、石英、アクリル樹脂等など
の透明で、少なくとも表面が絶縁性を呈する基板を用い
ることができる。なお、反射型液晶表示装置に本発明を
適用する場合には、一方の基板は透明である必要はな
い。
【0027】第1の電極は例えば画素電極である。液晶
層への入射光は、この画素電極により形成される電界に
応答する液晶層の配向状態、相転移状態などにより変調
される。液晶層に印加される電界は、画素電極に印加さ
れる表示信号電圧により制御される。したがって、画素
電極をマトリクス状に配設することで、入射光を2次元
的に変調することができる。
【0028】また第2の基板に例えばコモン電極などの
第2の電極を配設し、第1の電極と第2の電極との間に
形成される電界により液晶層を応答させるようにしても
よい。 さらに、第2の電極を第1の基板上に配設し、
第1の電極と第2の電極により基板面と略平行な横方向
電界を形成し、この横方向電界により液晶層を駆動する
いわゆるin−planeモードを採用するようにして
もよい。
【0029】第1の供給手段および第2の供給手段とし
ては、例えば表示信号を信号線に供給する信号線駆動回
路をあげることができる。信号線に供給された表示信号
は、選択的に前記画素電極に印加される。表示信号を選
択的に画素電極に印加するには、例えば薄膜トランジス
タ(TFT:Thin Film Transisto
r)、MIM(Metal Insulater Me
tal)などの非線形スイッチング素子と、このスイッ
チング素子の駆動手段、例えばアドレス線駆動回路、を
用いるようにすればよい。
【0030】信号線および信号線駆動回路は複数系統備
えるようにしてもよく、スイッチング素子も信号線に対
応して各画素電極に複数接続するようにすればよい。ま
たアドレス線(走査線)およびアドレス線駆動回路(走
査線駆動回路)も、信号線駆動回路と対応して複数系統
備えるようにしてもよいし、アドレス線を複数系統のス
イッチング素子で共用するようにしてもよい。例えば、
画素電極と第1の信号線との間に第1のTFTのソース
・ドレインを介挿する。アドレス線(走査線)駆動回路
からアドレス線を介して第1のTFTのゲート電極に走
査信号を印加すると第1のTFTはオン状態になる。こ
のとき第1の信号線に供給されている第1の表示信号は
選択的に画素電極に供給される。 同様に、例えば、画
素電極と第2の信号線との間に第2のTFTのソース・
ドレインを介挿する。アドレス線(走査線)駆動回路か
らアドレス線を介して第2のTFTのゲート電極に走査
信号を印加すると、第2のTFTはオン状態になる。こ
のとき第2の信号線に供給されている第2の表示信号は
選択的に画素電極に供給される。
【0031】第1のTFTのゲート電極と第2のTFT
のゲート電極は、同一のアドレス線に接続するようにし
てもよいし、異なるアドレス線に接続するようにしても
よい。また第1のTFTのゲート電極と第2のTFTの
ゲート電極とには、同一のアドレス線駆動回路から走査
信号を印加するようにしてもよいし、第1のアドレス線
駆動回路から第1のアドレス線を介して第1のTFTの
ゲート電極に第1の走査信号を印加し、第2のアドレス
線駆動回路から第2のアドレス線を介して第2のTFT
のゲート電極に第2の走査信号を印加するようにしても
よい。
【0032】このような構成により本発明の液晶表示装
置によれば複数の表示信号を画素電極に独立に供給する
ことができる。
【0033】例えば第1の表示信号として正極性の表示
信号を供給し、第2の表示信号として負極性の表示信号
を供給するようにしてもよい。このようにすれば、信号
線駆動回路には交流電圧を供給する必要がなくDCレベ
ルを供給すればよいから消費電力が大きく低減する。例
えば極性反転周期の短い反転方式の場合、一方の信号線
駆動回路については正極性の表示信号の書込みを、他方
の信号線駆動回路については負極性の表示信号の書込み
を行うようにする。このようにすればそれぞれの駆動回
路では駆動周期が長くなるから、消費電力が大幅に低減
する。つまり信号線駆動回路の駆動周波数が半分になり
消費電力が大きく低減する。また電磁障害も低減するこ
とができる。極性反転周期の短い反転方式としては、例
えば水平方向反転、ドッ卜反転などをあげることができ
る。
【0034】さらに、1個の信号線駆動回路により正極
性の表示信号と負極性の表示信号を供給する場合には、
n−chTFTとp−chTFTの両方を用いて信号線
駆動回路を構成する必要がある。例えばpoly−S
i、μc−Siなどの多結晶質シリコンをチャネル半導
体膜に用いた薄膜トランジスタは、移動度が高く優れた
スイッチング特性を有する。しかし、n−chTFTと
p−chTFTとでは特性のばらつきが大きいという問
題がある。
【0035】本発明の液晶表示装置では、一方の信号線
駆動回路をn−chTFTにより構成し、他方の信号線
駆動回路をp−chTFTにより構成することにより、
駆動回路を構成するスイッチング特性を均一にすること
ができる。また同時に駆動回路の不良が低減するから液
晶表示装置の生産性を大きく向上することができる。特
に、poly−Si、μc−Siなどの多結晶質シリコ
ンをチャネル半導体膜に用いたTFTにより、画素選択
用TFTと、信号線駆動回路およびアドレス線駆動回路
などの駆動回路部のTFTとを1枚の絶縁性基板上に一
体的に配設する画素−駆動回路一体型の液晶表示装置に
は、本発明を好適に適用することができる。例えば、p
oly−Siによってガラス基板上に各駆動回路を形成
する場合に、クロック及び表示信号の伝送線からの電磁
ノイズが問題となるが、電磁ノイズの電圧は2乗に比例
するため駆動電圧を小さくすることによって改善でき
る。このため、本発明の液晶表示装置のように正極性の
表示信号の書込みを行う駆動回路と負極性の表示信号の
書込みを行う駆動回路とを分けることにより、それぞれ
の駆動回路の駆動電圧は半分に低下する。したがって、
電磁ノイズを1/4に低減すると共に、駆動回路での消
費電力も1/4に低減できる。
【0036】第1の供給手段により画素電極に供給する
第1の表示信号と、第2の供給手段により画素電極に供
給する第2の表示信号とは、上述のように正極性の表示
信号と負極性の表示信号とに限らず、必要に応じて異な
った信号を供給するようにすればよい。また同一の信号
を供給するようにしてもよいし、ある1つの表示信号を
複数の部分に分割して供給するようにしてもよい。
【0037】例えば第1の表示信号としてリセット信号
を供給し、第2の表示信号として表示信号を供給するよ
うにしてもよい。例えば強誘電性液晶や反強誘電性液晶
などの、固有のあるいは電場を印加することにより誘起
される自発分極を有する液晶材料を用いる場合などに
は、すでに書き込まれた表示信号に対応してメモリされ
ている状態をリセットしてから、新しい表示信号を書き
込むような駆動を行う必要がある。このような場合に
は、画素電極にリセット信号を印加してから表示信号を
印加する必要がある。ところが、表示画面が大型化した
り、駆動周波数が高い場合などには、十分なリセット期
間および書き込み期間を確保することが難しい。
【0038】本発明の液晶表示装置においては、例えば
第1の信号供給手段からリセット信号を印加し、第2の
信号供給手段から新たに書き込む表示信号を印加するこ
とにより、十分な書き込み期間を確保できる。またリセ
ット期間と書き込み期間を独立に制御できるため、駆動
能力を向上しコントラストを高めることができる。した
がって例えば大表示画面の液晶表示装置においても高品
質の画像表示を実現することができる。また駆動周波数
が小さくなるから電磁障害を低減することができる。
【0039】また、例えば反強誘電性液晶等では、リセ
ット電圧を複数レベル印加する必要がある場合がある
が、本発明の液晶表示装置ではリセット信号を専用の信
号線駆動回路により供給することによりリセット信号レ
ベルを単一電源レベルだけでなく複数のレベルでも対応
することができる。さらに、リセット信号の電圧レベル
と表示信号の電圧レベルが異なる場合にも、それぞれの
信号を供給する駆動回路を別に備えることにより異なっ
た電圧レベルの電源を供給し、さらに異なった耐圧レベ
ルに駆動回路を形成することができる。したがって十分
な大きさのリセット電圧を供給することができる。また
消費電力が低減するとともに、駆動回路が最適化でき生
産性が向上する。
【0040】さらに、液晶層の応答性を改善するための
LAO駆動(Level Adaptive Over
drive)を行う場合、まず一方の信号線駆動回路か
らオーバードライブな表示信号を供給して画素電極に印
加し、つづいて第2の信号線駆動回路から画素に書き込
まれるべき表示信号を供給するようにしてもよい。この
ような構成を採用することにより、液晶層の応答性を改
善して表示品質を向上することができる。
【0041】本発明の液晶表示装置の第5のアスペクト
は、第1の電極と相互作用するように配設された液晶層
と、第1の信号を供給する第1の供給手段と、第2の信
号を供給する第2の供給手段と、第1の電流供給能力を
有し、前記第1の信号を選択して前記第1の電極に印加
するように配設された第1のスイッチング素子と、前記
第1の電流供給能力よりも小さな第2の電流供給能力を
有し、前記第2の信号を選択して前記第1の電極に印加
するように配設された第2のスイッチング素子と、を具
備したことである。
【0042】前記第1の供給手段としては、例えば前記
第1のスイッチング素子と接続された第1の信号線と、
前記第1の信号線に前記第1の信号を供給する第1の駆
動回路とを具備するようにすればよい。また前記第2の
供給手段としては、例えば前記第2のスイッチング素子
と接続された第2の信号線と、前記第2の信号線に前記
第2の信号を供給する第2の駆動回路とを具備するよう
にすればよい。また前記第1の信号線の断面積は前記第
2の信号線の断面積よりも大きくするようにしてもよ
い。すなわち、電流供給能力の大きなスイッチング素子
には、断面積の大きな信号線により信号を供給し、電流
供給能力のより小さなスイッチング素子には、断面積の
より小さな信号線により信号を供給すればよい。さら
に、前記第1の信号線は第1の抵抗率を有する第1の導
電性材料から構成し、前記第2の信号線は前記第1の抵
抗率よりも大きな第2の抵抗率を有する第2の導電性材
料から構成するようにしてもよい。
【0043】これらスイッチング素子としては、例えば
薄膜トランジスタなどの電界効果型トランジスタ、ある
いはMIM等の素子を用いることができる。前記第1の
スイッチング素子を第1のTFTにより構成し、前記第
2のスイッチング素子を第2のTFTにより構成しても
よい。そして、前記第1のTFTの相互コンダクタンス
を前記第2のTFTの相互コンダクタンスよりも大きく
設定するようにしてもよい。あるいは、前記第1のTF
Tのオン抵抗を前記第2のTFTのオン抵抗よりも小さ
く設定するようにしてもよい。
【0044】ここで相互コンダクタンスgm とはゲート
電圧を1[V]変化させたときのドレイン電流の変化量
に相当するものである。したがって相互コンダクタンス
mが大きいほど、スイッチング素子の電流供給能力は
大きくなる。
【0045】薄膜トランジスタを飽和領域で用いる場
合、 rm =1/gm =1/{(W/L)×μ×Cox×(Vgs−Vth)} と記述することができる。相互コンダクタンスgm を大
きくするには、例えば薄膜トランジスタのチャネル幅W
をチャネル長Lよりもずっと大きく設定すればよい。ま
た薄膜トランジスタのキャリア移動度μを大きくすれば
よい。またゲート電極と半導体膜とを絶縁するゲート絶
縁膜により構成されるゲート絶縁膜容量Coxを大きるす
ればよい。さらに、薄膜トランジスタの閾値電圧Vthを
小さく設定するようにしてもよい。したがって、前記第
1のTFTの移動度は前記第2のTFTの移動度よりも
大きくすればよい。また前記第1のTFTの閾値電圧は
前記第2のTFTの閾値電圧よりも低くすればよい。ま
たチャネル幅をW、チャネル長をLとしたとき、前記第
1のTFTのW/Lは前記第2のTFTのW/Lよりも
大きいくすればよい。さらに、第1のTFTのゲートと
ソース・ドレインとの間に形成される容量は、第2のT
FTのゲートとソース・ドレインとの間に形成される容
量よりも大きくすればよい。
【0046】また第1のスイッチング素子、第2のスイ
ッチング素子を複数のTFTから構成することにより、
各スイッチング素子の電流供給能力を変えるようにして
もよい。例えば信号線と画素電極との間に同じTFTを
並列に介挿すれば電流供給能力は大きくなる。一方、信
号線と画素電極との間に同じTFTを直列に介挿すれば
電流供給能力は小さくなる。
【0047】したがって、第1のスイッチング素子とし
て、第1の信号線と画素電極との間に複数のTFTを並
列に介挿すればよい。このとき第2のスイッチング素子
としては、第2の信号線と画素電極との間に1個のTF
Tを介挿すればよい。同様に第2のスイッチング素子と
して、第2の信号線と画素電極との間に複数のTFTを
直列に介挿してもよい。このとき第1のスイッチング素
子としては、第1の信号線と画素電極との間に1個のT
FTを介挿すればよい。このような構成によれば、同じ
TFTを用いながら、電流供給能力の相違する複数の信
号供給系を実現することができる。したがって液晶表示
装置の設計の自由度、生産性を向上することができる。
【0048】本発明の液晶表示装置においては、薄膜ト
ランジスタのソース・ドレインと接続される信号線同
様、薄膜トランジスタのゲートを接続されるアドレス線
についても、薄膜トランジスタの電流供給能力に応じて
配設することが好ましい。
【0049】例えば、前記第1のTFTと接続した第1
のアドレス線の断面積は、前記第2のTFTと接続した
第2のアドレス線の断面積よりも大きく設定するように
すればよい。また、前記第1のアドレス線は第3の抵抗
率を有する第3の導電性材料から構成し、前記第2のア
ドレス線は前記第3の抵抗率よりも大きな第4の抵抗率
を有する第4の導電性材料から構成するようにすればよ
い。
【0050】さらに本発明の液晶表示装置においては、
第1のスイッチング素子を介して前記第1の電極に信号
を供給する第1の駆動回路と、第2のスイッチング素子
を介して前記第1の電極に信号を供給する第2の駆動回
路とを、異なる構成にしてもよい。また第1の駆動回路
と第2の駆動回路とを、電流供給能力の異なるトランジ
スタにより構成するようにしてもよい。例えば、前記第
1の駆動回路を第3のTFTから構成し、前記第2の駆
動回路は第4のTFTから構成し、前記第3のTFTの
相互コンダクタンスを前記第4のTFTの相互コンダク
タンスよりも大きくなるように設定してもよい。
【0051】また例えば、前記第1の駆動回路を構成す
るスイッチング素子の数を、前記第2の駆動回路を構成
するスイッチング素子の数よりも少なくするようにして
もよい。また、第1の駆動回路を構成するスイッチング
素子を第2の駆動回路を構成するスイッチング素子の大
きさよりも大きく形成するようにしてもよい。
【0052】このように本発明の液晶表示装置では、画
素電極への信号供給を複数系統から行うとともに、複数
系統の信号供給系の電流供給能力を最適化している。
【0053】また本発明の液晶表示装置は、それぞれが
画素電極を有する複数の画素の行列で規定される画素マ
トリクスと、前記画素電極1つについて画像信号を供給
するための少なくとも2つ以上の信号線駆動回路と、前
記画素マトリックスの行方向画素を選択するためのアド
レス線及びアドレス線駆動回路と、それぞれが前記信号
線と前記画素電極との間に介在し且つアドレス線への印
加電圧によりオン及びオフされるスイッチング素子とを
具備し、前記複数の信号線駆動回路により1つの前記画
素へ画像信号を供給するようにしてもよい。また、1つ
の画素に具備する複数のスイッチング素子はそれぞれ、
電流駆動能力や素子サイズなどの諸特性が異なってお
り、それぞれ異なった特性の信号線駆動回路、即ち電流
供給能力の大きいスイッチング素子には電流供給能力が
大きく画像表示特性の粗い駆動回路を接続し、電流供給
能力の小さいスイッチング素子には電流供給能力が小さ
く画像表示特性の高い駆動回路を接続するようにしても
よい。また、1つの画素について電流供給能力の異なる
複数系統の信号供給系を備えることにより、1つの書き
込み期間の早い段階では大きな電流供給能力を備える信
号線駆動回路とスイッチング素子を用いて表示信号の書
き込みを行い、書き込み時間の後半では電流供給能力が
小さいが画像表示性能の高い信号線駆動回路とスイッチ
ング素子を用いて書き込みを行うようにすればよい。
【0054】このような構成を採用することにより、本
発明の液晶表示装置では、画素電極1つについて表示信
号を供給するための少なくとも2つ以上の信号線駆動回
路より表示信号を供給することができる。このため、書
き込み時間の早い段階では大きな電流供給能力を備える
信号線駆動回路と大きな電流供給能力を備えるスイッチ
ング素子を用いて書き込みを行うことができる。そし
て、書き込み時間の後半においては電流供給能力が小さ
いが画像表示性能の高い信号線駆動回路と素子サイズの
小さい、即ち電流供給能力の小さいスイッチング素子を
用いて書き込みを行うことができる。これにより、短い
書き込み時間で且つ正確な表示信号の書き込みを行うこ
とができる。
【0055】さらに、それぞれのスイッチング素子およ
び信号線駆動回路は、電流供給能力が大きい場合には精
度を粗すればよい。即ち回路を構成する素子数を少なく
すればよい。一方、電流供給能力が小さい、即ち素子サ
イズが小さい場合には精度を高くするために回路構成素
子を多くして駆動回路を構成すればよい。これにより、
短い書き込み時間で且つ精度の高い表示信号の書き込み
を行うことができる。しかも、駆動回路の規模を不必要
に大きくすることがないため、開口率の低減を最小限に
抑制することができる。また、駆動回路を複数備えるこ
とにより、冗長性が増すので、信号線駆動回路の形成不
良による歩留まり低下を抑制することができる。
【0056】本発明の液晶表示装置の第6のアスペクト
は、第1の電極と相互作用するように配設された液晶層
と、第1の伝導型を有する第1のトランジスタから構成
され、第1の極性を有する第1の表示信号を供給する第
1の駆動回路と、前記第1の伝導型とは異なる第2の伝
導型を有する第2のトランジスタから構成され、前記第
1の極性とは異なる第2の極性を有する第2の表示信号
を供給する第2の駆動回路と、前記第1の表示信号また
は前記第2の表示信号のいずれか一方を選択的に前記第
1の電極に印加する印加手段と、を具備することであ
る。すなわち、一方の駆動回路をn−ch薄膜トランジ
スタにより選択的に構成し、他方の駆動回路をp−ch
薄膜トランジスタにより選択的に構成する。
【0057】前記印加手段としては、例えば、前記第1
の駆動回路と接続された第1の信号線と、前記第1の信
号線と前記第1の電極との間に介挿された第1のスイッ
チング素子と、前記第2の駆動回路と接続された第2の
信号線と、前記第2の信号線と前記第1の電極との間に
介挿された第2のスイッチング素子とを採用することが
できる。
【0058】前記第1のトランジスタおよび前記第2の
トランジスタとしては、多結晶質シリコンからなる半導
体膜を有する薄膜トランジスタを採用することが好適で
ある。ここで多結晶質シリコンは、poly−Si、μ
c−Siを含むものとする。
【0059】本発明の液晶表示装置の第7のアスペクト
は、第1の電極と相互作用するように配設された液晶層
と、前記第1の電極と信号線との間に配設され、前記信
号線に印加される信号を選択して前記第1の電極に印加
するスイッチング素子と、第1の表示信号を供給する第
1の駆動回路と、第2の表示信号を供給する第2の駆動
回路と、前記信号線に印加される信号を前記第1の表示
信号または前記第2の表示信号から選択する選択手段
と、を具備することである。
【0060】前記選択手段としては、例えば、前記第1
の駆動回路と前記信号線との間に介挿された第1のスイ
ッチと、前記第2の駆動回路と前記信号線との間に介挿
された第2のスイッチと、前記第1のスイッチおよび前
記第2のスイッチを制御する手段とを採用することがで
きる。第1のスイッチ、第2のスイッチとして薄膜トラ
ンジスタを用いることもできる。この場合、制御手段と
しては、薄膜トランジスタのゲートに走査信号を印加す
る回路を用いるようにすればよい。
【0061】前記第1のスイッチおよび前記第2のスイ
ッチは、前記信号線ごとに独立に制御可能に構成するよ
うにしてもよい。これにより、画素マトリクスの行ご
と、あるいは列ごとに配設される複数の信号線ごとに、
第1の駆動回路からの電圧供給と、第2の駆動回路から
の電圧供給を、独立して行うことができる。例えば表示
画面の一部領域のみに動画が表示されるような場合、こ
の領域のみを第1の駆動回路、または第2の駆動回路に
より駆動することができる。例えば、第1の駆動回路と
第2の駆動回路の駆動電圧範囲を異なるように設定し、
駆動能力のより高い駆動回路により動画表示領域を駆動
するようにすればよい。
【0062】前記第1のスイッチおよび前記第2のスイ
ッチを、さらに別の信号供給系との切替えに用いるよう
にしてもよい。例えば、強誘電性液晶、反強誘電性液晶
などの場合には、駆動に際してリセット電圧を印加する
必要がある場合が一般的である。このような場合、第1
の駆動回路、第2の駆動回路とは別に、リセット電圧供
給系を備えるようにしてもよい。そして、第1のスイッ
チ、第2のスイッチにより、第1の駆動回路、第2の駆
動回路、またはリセット電圧供給系のいずれかを信号線
に接続するようにする。すなわち、前記液晶層はリセッ
ト信号によりリセットされるメモリ性を有し、前記リセ
ット信号を供給する手段をさらに具備し、前記選択手段
は前記信号線に印加される前記信号を前記第1の表示信
号と前記第2の表示信号と前記リセット信号とから選択
するようにすればよい。
【0063】また、前記第1の駆動回路は第1の駆動電
圧範囲を有し、前記第2の駆動回路は前記第1の駆動電
圧範囲とは異なる第2の駆動電圧範囲を有するようにし
てもよい。前記第1の駆動電圧範囲と前記第2の駆動電
圧範囲とは重複する部分を有するようにしてもよい。こ
の場合、前記液晶層は前記第1の駆動電圧範囲と前記第
2の駆動電圧範囲との重複する部分にあるリセット信号
によりリセットされるメモリ性を有し、前記リセット信
号を供給する手段をさらに具備し、前記選択手段は前記
信号線に印加される前記信号を前記第1の表示信号と前
記第2の表示信号と前記リセット信号とから選択するよ
うにすればよい。
【0064】なお、前記第1の駆動回路と前記第2の駆
動回路とは、別に配設するようにしてもよいし、複数の
信号供給系を有する1つの駆動回路に集積化するように
してもよい。この場合、3レベル以上の複数の電位を駆
動回路に供給すればよい。また2レベルの電位を供給
し、抵抗分割により3レベル以上の複数の電位を得るよ
うにしてもよい。
【0065】つまり、本発明の液晶表示装置の第8のア
スペクトは、第1の電極と相互作用するように配設され
た液晶層と、第1の駆動電圧範囲を有する第1の回路
と、前記第1の駆動電圧範囲とは異なる第2の駆動電圧
範囲を有する第2の回路とを有する駆動回路と、表示デ
ータに応じて前記第1の回路と前記第2の回路を選択す
る手段と、表示データに対応した電圧を前記第1の回路
または前記第2の回路から信号線に印加する手段と、前
記第1の電極と前記信号線との間に介挿され、前記信号
線に印加された電圧を選択して前記第1の電極に印加す
るスイッチング素子と、を具備することである。
【0066】前記駆動回路は、3つ以上の異なる電位か
ら2つを前記表示データに応じて選択して前記第1の回
路または前記第2の回路に供給するようにしてもよい。
また、前記駆動回路は供給された2つの電位を抵抗分割
して前記3つ以上の異なる電位を生成するようにしても
よい。
【0067】本発明の液晶表示装置の第9のアスペクト
は、第1の電極と相互作用するように配設された液晶層
と、供給されたnビットの表示データから、この表示デ
ータに対応したnビットの第1のデータと、前記表示デ
ータの上位mビットに対応した第2のデータとを生成す
る手段と、前記第1のデータに対応した第1の電圧を供
給する第1の駆動回路と、前記第2のデータに対応した
第2の電圧を供給する第2の駆動回路と、前記第1の電
圧または前記第2の電圧の一方を選択して第1の電極に
印加する印加手段と、を具備することである。
【0068】前記印加手段としては、例えば、前記第1
の駆動回路と接続した第1の信号線と、前記第2の駆動
回路と接続した第2の信号線と、前記第1の信号線と前
記第1の電極との間に介挿された第1のスイッチング素
子と、前記第2の信号線と前記第1の電極との間に介挿
された第2のスイッチング素子と、前記第1のスイッチ
ング素子と前記第2のスイッチング素子を制御する手段
とを採用することができる。
【0069】また、前記第1のスイッチング素子を第1
の相互コンダクタンスを有する第1のTFTから構成
し、前記第2のスイッチング素子は、前記第1の相互コ
ンダクタンスよりも小さな第2のコンダクタンスを有す
る第2のTFTから構成するようにしてもよい。
【0070】前記第1の信号線の断面積は前記第2の信
号線の断面積よりも大きくするようにしてもよい。ま
た、前記第1の駆動回路を構成するスイッチング素子の
数は、前記第2の駆動回路を構成するスイッチング素子
の数よりも少なくしてもよい。また前記第1の駆動回路
を第3のTFTから構成し、前記第2の駆動回路を第4
のTFTから構成し、前記第3のTFTの相互コンダク
タンスを前記第4のTFTの相互コンダクタンスよりも
大きくなるように形成してもよい。
【0071】例えば8ビットの表示データが供給される
場合、この8ビットの表示データを第1のデータとし、
供給された表示データの上位4ビットを第2のデータと
する。そして、第1のデータを第1の駆動回路へ、第2
のデータを第2の駆動回路へ分配する。このとき、前述
のように、第1の駆動回路は高精細用に、第2の駆動回
路は低精細用に構成するようにしてもよい。第1のデー
タを上位4ビットとし、第2のデータを全8ビットとす
るようにしてもよい。
【0072】このように本発明の液晶表示装置は、単位
画素に対して複数の信号供給系を備えたものである。こ
のような構成を採用することにより、本発明の液晶表示
装置によれば、単位画素への信号書込みを十分に行うこ
とができ、表示品質を向上することができる。また、駆
動周波数を低減することにより、消費電力、電磁障害
(EMI)を低減することができる。さらに、複数系統
の信号供給系の信号供給能力を異なるように構成するこ
とにより、寄生容量の増加を抑制し、表示品質を向上す
ることができる。
【0073】また本発明の液晶表示装置では、固有のあ
るいは電場を印加することにより誘起される自発分極を
有する液晶材料が電極間に挟まれた液晶表示素子の駆動
方法において、表示する画像信号もしくは極性反転動作
に応じて使用する信号線駆動回路を変えて電圧を印加す
るようにしてもよい。また、画素毎で駆動に関わる信号
線駆動回路を2つ以上備えており、どちらの信号線駆動
回路でも駆動が可能な場合は、より低消費電力で駆動で
きる信号線駆動回路を選択する構成になっていてもよ
い。つまり本発明の液晶表示装置によれば、複数の信号
線駆動回路から表示信号の供給を行うことができるた
め、表示信号に応じて適切な信号線駆動回路を選択する
ことができる。
【0074】これにより、表示画像に応じて最適な駆動
が行える信号線駆動回路を使用することができ、極性反
転時の妨害縞や書込み不足に伴なう応答不足を大幅に改
善できる。さらに、極性反転を行う画素については反転
に伴なう電荷供給も行う必要がある。同極性間での書き
換えを行う場合、より書込み期間を長くするか、電圧を
高くすることで対応することもできる。
【0075】しかしながら、より高精細表示装置におい
ては書込み期間が限られるため、高電圧信号線駆動回路
を選択するのがよい。また、動画表示の場合に相関の低
い表示画面を高速に書き換えが必要となるため、上述と
同じく、高電圧信号線駆動回路を選択するのがよい。一
方、静止画及び相関の高い表示画像、同極性間の書き換
えを行う場合は、高電圧信号線駆動回路を使用すること
もできるが、より低消費電力化のために、低電圧信号線
駆動回路を選択するのがよい。動画と静止画で信号線駆
動回路を使い分けることにより、静止画部は低消費電力
の信号線駆動回路を使用し、動画部は高速の信号線駆動
回路を使用することにより、高画質で消費電力の低い表
示装置を提供することができる。
【0076】本発明の液晶表示装置は、電源電圧の異な
る信号線駆動回路を選択する場合に、次に選択される信
号線駆動回路の電源電圧より、切り換え前の信号線電位
が高い場合に生じるラッチアップを回避する構成とする
ことができる。これにより、駆動耐圧より高い電圧が信
号線より印加されることがないため、信号線駆動回路を
保護することができる。
【0077】また、信号線駆動回路を切り換える前の信
号線電位を参照して、前記信号線電位が次に選択される
信号線駆動回路の駆動範囲内にある場合はリセット動作
を行わない構成とするのがよい。また、信号線駆動回路
を切り換える前の信号線電位を参照して、先に選択され
た信号線電位が次に選択される信号線駆動回路の駆動範
囲より高い場合には、次に選択される信号線駆動回路の
駆動範囲の上限にリセット電位を設定し、先に選択され
た信号線電位が次に選択される信号線駆動回路の駆動範
囲より低い場合には、次に選択される信号線駆動回路の
駆動範囲の下限にリセット電位を設定する構成とするの
がよい。このように、不必要な信号線電位変動を抑制す
ることにより、消費電力を低減することができる。
【0078】本発明の液晶表示装置は、2つ以上の複数
の信号線駆動回路から画素の書き換えを行うことができ
る場合に、前記信号線駆動回路の電源電圧を異ならせて
設定することにより、表示信号に応じて信号線駆動回路
を選択するようにしてもよい。 また、前記信号線駆動
回路は同耐圧のドライバを使用し、一方の信号線駆動回
路の駆動範囲と他方の信号線駆動回路の駆動範囲をずら
して設定することで、同種類の信号線駆動回路を用いな
がら画素電位にかかる駆動電圧範囲を広げる構成となっ
ているのがよい。
【0079】これにより、例えば、階調数が少なくてよ
い白黒表示などにおいては、一方の信号線駆動回路で白
表示を、他方の信号線駆動回路で黒表示を行えばよく、
消費電力を抑え且つコントラストの高い表示を行うこと
ができる。
【0080】本発明の液晶表示装置は、2つ以上の複数
の信号線駆動回路から画素の書き換えを行うことができ
る場合に、前記各信号線駆動回路の駆動電圧範囲の一部
を共通とし、ラッチアップ防止のためのリセット電位を
前記共通の駆動電圧範囲に設定することで、表示信号に
関わらず常に一定のリセット電位から信号線を駆動する
ようにしてもよい。これにより、信号線の立ち上がり特
性を常に一定にすることができるため、前フィールドの
表示信号の影響を受け難くすることができる。また、2
つ以上の複数の信号線駆動回路から画素の書き換えを行
うことができる場合に、前記信号線駆動回路の電源電圧
を表示信号に応じてシフトさせるようにしてもよい。こ
れにより、低耐圧且つ低消費電力信号線駆動回路を用い
て、駆動電圧範囲を広くすることができる。
【0081】
【発明の実施の形態】以下、本発明の液晶表示装置につ
いてさらに詳細に説明する。
【0082】(実施形態1)図1は本発明の液晶表示装
置の構成を概略的に示す図であり、図2はそのアレイ基
板の構成の例を概略的に示す図である。この液晶表示装
置は、表示領域にマトリクス状に配設された画素電極
と、画素電極に画像データと対応した表示信号を供給す
るための、1個の画素電極について、表示信号を供給す
るためのチャンネルが少なくとも2つ以上設けられたも
のである。
【0083】この液晶表示装置は、画素電極20および
画素電極20と接続した複数の薄膜トランジスタ21、
22とがマトリクス状に配設されたアレイ基板10と、
コモン電極が配設された対向基板(図示せず)との間に
液晶層を挟持したものである。アレイ基板10は、画素
電極20に第1の表示信号を第1の信号線14を介して
供給する第1の信号線駆動回路11と、画素電極20に
第2の表示信号を第2の信号線15を介して供給する第
2の信号線駆動回路12と、薄膜トランジスタ21、2
2のオン・オフを制御する信号をアドレス線16を介し
て供給するアドレス線駆動回路13とを具備している
(図14参照)。そしてこのアレイ基板10と対向基板
を配設した対向基板との間に液晶層を挟持することによ
り画素ごとに液晶層へ入射する光の強度を透過、散乱、
吸収、複屈折等により変調して表示を行う。
【0084】この例では第1の信号線駆動回路11、第
2の信号線駆動回路12、アドレス線駆動回路13とも
アレイ基板10と一体的に形成している。これらの駆動
回路はアレイ基板とは別に配設するようにしてもよい。
【0085】薄膜トランジスタ21のソース・ドレイン
は第1の信号線14と画素電極20との間に介挿され、
そのゲート電極はアドレス線16(例えばGn+1 )と接
続されている。また薄膜トランジスタ22のソース・ド
レインは第2の信号線15と画素電極20との間に介挿
され、そのゲート電極はアドレス線16(例えばGn)
と接続されている。したがって、薄膜トランジスタ21
のオン・オフはアドレス線16(Gn+1 )に印加される
走査信号により制御され、薄膜トランジスタ21がオン
状態になったとき第1の信号線14に供給された表示信
号が選択されて画素電極20に印加される。同様に、薄
膜トランジスタ22のオン・オフはアドレス線16(G
n )に印加される走査信号により制御される。薄膜トラ
ンジスタ22がオン状態になったとき、第2の信号線1
5に供給された表示信号が選択されて画素電極20に印
加される。
【0086】このような構成を採用することにより、本
発明の液晶表示装置においては、複数の表示信号を独立
に画素電極に供給することができる。なお、後述するよ
うに、薄膜トランジスタ21の電流供給能力と、薄膜ト
ランジスタ22の電流供給能力とを異ならせてもよい。
例えば薄膜トランジスタ21を、薄膜トランジスタ22
よりも大きな相互コンダクタンスを有するように形成し
てもよい。
【0087】また、例えば第1の表示信号として正極性
の表示信号を供給し、第2の表示信号として負極性の表
示信号を供給するようにしてもよい。このようにすれ
ば、信号線駆動回路には交流電圧を供給する必要がなく
なり消費電力を大きく低減することができる。また電磁
障害も低減することができる。また例えば第1の表示信
号としてリセット信号を供給し、第2の表示信号として
表示信号を供給するようにしてもよい。このようにする
ことにより、各信号の書き込み期間を独立に制御するこ
とができ、表示品質を向上することができる。また電磁
障害も低減することができる。
【0088】(実施形態2)図1、図2に例示した本発
明の液晶表示装置において、第1の信号線駆動回路11
から表示信号を供給し、第2の信号線駆動回路12から
はリセット信号を供給する場合について説明する。なお
ここでは、例えば強誘電性液晶材料、反強誘電性液晶材
料などのリセット駆動を必要とする液晶層を用いた場合
について説明する。
【0089】図3は、第1の信号線駆動回路11、第2
の信号線駆動回路12、アドレス線駆動回路13から供
給される信号の波形の例を概略的に示す図である。図3
(A)は、アドレス線16(Gn )に供給される走査信
号波形を、図3(B)はアドレス線16(Gn+1 )に供
給される走査信号波形を、図3(C)は第1の信号線1
4に供給される表示信号Vsig の波形を、図3(D)は
第2の信号線15に供給されるリセット信号Vr の波形
を、図3(E)は画素電極20に印加される電圧の波形
をそれぞれ示している。
【0090】アドレス線16(Gn )に印加される走査
信号(図3(A))により薄膜トランジスタ22がON
すると、第2の信号線15より画素電極20にリセット
電圧Vr (図3(C))が印加され、すでに画素に書き
込まれている状態がリセットされる。引き続き、アドレ
ス線16(Gn+1 )24に印加される走査信号(図3
(B))により薄膜トランジスタ21がONすると、第
2の信号線15より画素電極20に表示信号Vsig (図
3(D))が印加される。したがって画素電極20に
は、新たな表示信号が書き込まれることになる。
【0091】図4は、本発明の液晶表示装置のアレイ基
板の構成の別の例を概略的に示す図である。図2に例示
した構成では、1個の画素電極20につき2本のアドレ
ス線が配置されているが、図4の例では一本のアドレス
線で薄膜トランジスタ21、薄膜トランジスタ22とも
に駆動することによりアドレス線数を半分に低減するこ
とができる。
【0092】図5は、本発明の液晶表示装置のアレイ基
板の構成の別の例を概略的に示す図である。この例で
は、第2の信号線駆動回路12により行方向に配列され
た画素電極20について表示信号を供給する構成となっ
ている。すなわち、アドレス線16(Gn )により選択
されオン状態になった行方向の画素電極20について、
リセット電圧Vr を第2の信号線15より印加する。次
に引き続きアドレス線16(Gn+1 )により薄膜トラン
ジスタ21をオンさせ、第1の信号線14から表示信号
Vsig を印加することによってリセット駆動と画像書込
み駆動を行っている。 なお、実施形態1、実施形態2
では第1の信号線駆動回路11によりリセット信号Vr
を供給し、第2の信号線駆動回路12により表示信号V
sig を供給する構成について説明したが、例えばリセッ
ト信号の代わりにオーバードライブのための表示信号V
LAO を供給するようにしてもよい。液晶層(例えばTN
液晶等)を駆動する場合に、表示信号印加初期の液晶層
の応答性のなまりを補償するため、過渡応答(LAO:
Level Adaptive Overdrive)
と呼ばれる駆動を行うことがある。これは、画素電極2
0に表示信号Vsig を書き込む際に、まず書き込むべき
表示信号電圧レベルより高いレベルの過渡表示信号VLA
O を印加することにより、液晶層の応答性を改善するも
のである。
【0093】図19(A)、図19(B)、図19
(C)、図19(D)、図19(E)は、第1の信号線
駆動回路11、第2の信号線駆動回路12、アドレス線
駆動回路13から供給される信号の波形の例を概略的に
示す図である。図19(A)は、アドレス線16(Gn
)に供給される走査信号波形を、図19(B)はアド
レス線16(Gn+1 )に供給される走査信号波形を、図
19(C)は第1の信号線14に供給される表示信号V
sig の波形を、図19(D)は第2の信号線15に供給
されるオーバードライブ信号VLAO の波形を、図19
(E)は画素電極20に印加される電圧の波形をそれぞ
れ示している。
【0094】アドレス線16(Gn )に印加される走査
信号(図19(A))により薄膜トランジスタ22がO
Nすると、第2の信号線15より画素電極20にオーバ
ードライブ電圧VLAO (図19(C))が印加される。
引き続き、アドレス線16(Gn+1 )24に印加される
走査信号(図19(B))により薄膜トランジスタ21
がONすると、第1の信号線14より画素電極20に表
示信号Vsig (図19(D))が印加される。したがっ
て画素電極20には、立上がりなまりのない表示信号が
書き込むことができる。
【0095】このように本発明の液晶表示装置では、例
えば図1乃至図5に例示した構成により、第1の信号線
駆動回路11から過渡表示信号(VLAO )を供給し、第
2の信号線駆動回路12から表示信号Vsig を供給し、
液晶層の駆動能力を向上することができる。
【0096】(実施形態3)つぎに2つの信号線駆動回
路から正極性の表示信号と負極性の表示信号を別々に画
素電極へ供給する例について説明する。図6は本発明の
液晶表示装置の構成の別の例を概略的に示す図である。
1つの画素電極20に薄膜トランジスタ21、22と第
1の信号線14、15を備えることにより、極性反転周
期の短い反転方式、例えば水平方向反転、ドット反転に
おいても、信号線駆動回路については正極性書込みを、
他方の信号線駆動回路については負極性書込みを行わせ
ることにより、同一駆動回路においては極性の反転周期
を長くする。
【0097】この液晶表示装置は、液晶表示パネルと、
正極性の表示信号を第1の信号線14に供給する第1の
信号線駆動回路11と、負極性の表示信号を第2の信号
線15に供給する第2の信号線駆動回路12、アドレス
線駆動回路13と、供給される画像信号の極性を反転さ
せる極性反転回路31と、極性反転回路により反転した
画像信号をシーケンシャルに第1の信号線駆動回路11
と第2の信号線駆動回路12とに分配する分配スイッチ
31aとを具備する。極性反転回路31及び分配スイッ
チ31aでの処理はどのようなものであってもよいが、
外部より入力された表示信号のうち正極性書込みの表示
信号については正極性で第1の信号線駆動回路11へ、
負極性書込みの表示信号については負極性で第2の信号
線駆動回路12へそれぞれ入力するように構成するよう
にすればよい。
【0098】図7は、図6に例示した本発明の液晶表示
装置のアレイ基板10の構成を概略的に示す図である。
例えば、アドレス線駆動回路13により、アドレス線1
6をインターレースで上から下へ(Gn からGn+1 方向
へ)走査していく。すなわち第1フィールドでは奇数番
目のアドレス線16を、第2フィールドでは偶数番目の
アドレス線16を駆動する。それぞれのアドレス線16
にゲート電極が接続された薄膜トランジスタのうちON
状態となった薄膜トランジスタについては、第1の信号
線14または15より表示信号が印加される。これによ
り、水平方向極性反転方式の駆動を行う際においても、
各第1の信号線駆動回路11、12の極性は常に一定に
することができる。また、垂直方向極性反転方式の駆動
を行う場合には、所定のアドレス線のみを走査するよう
にすればよい。
【0099】(実施形態4)図8は本発明の液晶表示装
置のアレイ基板のさらに別の構成を概略的に示す図であ
り、ドット反転駆動を行う場合の構成の例である。すな
わち正極性の表示信号を供給する第1の信号線駆動回路
11と、負極性の表示信号を供給する第2の信号線駆動
回路12とにより表示領域にマトリクス状に配設された
画素電極20のドッド反転駆動を行う場合には、行方向
に隣接する画素電極20間で接続する信号線を異ならせ
るようにすればよい。
【0100】図9は図8に例示した本発明の液晶表示装
置において、各アドレス線16を選択した際の画素電極
20の極性パターンを説明するための図である。すなわ
ち、図9(A)は、画素電極20aと画素20dには薄
膜トランジスタ22を介して第2の信号線駆動回路12
から負極性の表示信号が供給されており、画素電極20
bと画素電極20cには薄膜トランジスタ21を介して
第1の信号線駆動回路11から正極性の表示信号が供給
されている状態を示している。また図9(B)は、画素
電極20aと画素電極20dには薄膜トランジスタ21
を介して第1の信号線駆動回路11から正極性の表示信
号が供給されており、画素電極20bと画素電極20c
には薄膜トランジスタ22を介して第2の信号線駆動回
路12から負極性の表示信号が供給されている状態を示
している。
【0101】このように本発明の液晶表示装置によれ
ば、正極性の表示信号を供給する第1の信号線駆動回路
11と、負極性の表示信号を供給する第2の信号線駆動
回路12とにより表示領域にマトリクス状に配設された
画素電極20のドッド反転駆動を行うことができる。し
たがって、信号線駆動回路の駆動周波数を大幅に低減
し、電磁障害を低減するとともに、消費電力を低減する
ことができる。
【0102】図10は図8に例示した本発明の液晶表示
装置をドット反転駆動する場合の駆動波形の例を概略的
に示す図である。図10(A)は薄膜トランジスタ21
のゲート電極に供給される走査信号Vgの波形を、図1
0(B)は薄膜トランジスタ22のゲート電極に供給さ
れる走査信号Vg の波形を、図10(C)は第1の信号
線駆動回路11から供給される正極性の表示信号Vsig
の波形を、図10(D)は第2の信号線駆動回路12か
ら供給される負極性の表示信号Vsig の波形をそれぞれ
示している。
【0103】また、図11は従来の液晶表示装置につい
て説明するための図である。図11(A)は従来の液晶
表示表示装置の構成を示す図であり、図11(B)は従
来の液晶表示装置によりドット反転駆動を行った場合の
駆動波形の例を示す図である。 従来のアクティブマト
リクス型液晶表示装置では、アドレス線駆動回路91に
より走査信号Vg を供給して薄膜トランジスタ92を選
択してオン状態にし、このとき信号線駆動回路93から
表示信号Vsig を供給することにより画素電極94に表
示信号を印加していた。このため信号線駆動回路は正極
性の表示信号と負極性の表示信号とを供給する必要があ
り、駆動回路に供給しなければならない電圧範囲が大き
く、駆動周波数も高かった。
【0104】これに対し本発明の液晶表示装置では、正
極性の表示信号と負極性の表示信号とを専用の、第1の
信号線駆動回路11、第2の信号線駆動回路12とによ
り供給する構成を採用しているため、ドット反転駆動及
び水平方向極性反転駆動を行う場合にも、各駆動回路の
電圧範囲を従来の半分に、さらに反転周期も大幅に低減
することができる。
【0105】(実施形態5)図12は本発明の液晶表示
装置のアレイ基板のさらに別の構成の例を概略的に示す
図である。この液晶表示装置は、1個の画素電極20に
と1本の第1の信号線14との間に薄膜トランジスタ2
1を備えており、1本の第1の信号線14には第1の信
号線駆動回路11と第2の信号線駆動回路12の複数系
統の信号線駆動回路から表示信号を供給するものであ
る。
【0106】アドレス線駆動回路13は線順次にアドレ
ス線をGn からGn+1 の方向へ走査していく。また、第
1の信号線駆動回路11及び第2の信号線駆動回路12
からは第1の信号線14に同一の表示信号(正極性と負
極性の交流電圧)を与えており、したがって1個の画素
電極20には同時に2つの信号線駆動回路によって表示
信号が供給されて駆動される。
【0107】従来の液晶表示装置では表示画面を大きく
しようとすると、第1の信号線14の配線容量が大きく
なり、単一の信号線駆動回路では画素電極を充分に駆動
することができず、コントラストが低下し、劣悪な表示
しかできないという問題があった。これに対し、本発明
の液晶表示装置では、1本の信号線に複数の信号線駆動
回路から表示信号を供給することで駆動能力を2倍に高
めている。したがって、大型の液晶表示装置のように配
線容量が大きくなっても、高い品質の画像を表示するこ
とができる。なお、図12に例示した構成の本発明の液
晶表示装置では、信号線電圧の変化の大きさに応じて、
1つの駆動回路による駆動と2つの駆動回路による駆動
を切り換えられることもできる。図13はこのような構
成を有する本発明の液晶表示装置のアレイ基板の構成の
例を概略的に示す図である。シフトレジスタ+コントロ
ール回路32は、例えば図12に示した液晶表示装置の
第1の信号線駆動回路11および第2の信号線駆動回路
12に配設されているものとする。また画像信号は伝送
線路33により供給される。
【0108】表示信号の書込み系統の選択は、シフトレ
ジスタ+コントロール回路33によって薄膜トランジス
タ34と薄膜トランジスタ35のON/OFFを選択す
ることにより行われる。すなわち、薄膜トランジスタ3
4及び薄膜トランジスタ35が両方ともオン状態の場合
には第1の信号線14は第1の信号線駆動回路11と第
2の信号線駆動回路12の2つの駆動回路によって駆動
される。また、薄膜トランジスタ34または薄膜トラン
ジスタ35の一方がオン状態の場合には、第1の信号線
14は第1の信号線駆動回路11と第2の信号線駆動回
路12のいずれか一方の駆動回路によって駆動される。
例えば薄膜トランジスタ34がオン、薄膜トランジスタ
35がオフの場合には、第1の信号線14には第1の信
号線駆動回路11のみにより駆動される。
【0109】(実施形態6)図14は本発明の液晶表示
装置の構造の例を概略的に示す断面図である。この液晶
表示装置は、表示領域にマトリクス状に配設された画素
電極20と、この画素電極20に表示信号を供給する複
数系統の第1の信号線駆動回路11および第2の信号線
駆動回路12とを有するアレイ基板10と、コモン電極
41およびコモン電極41を駆動するコモン電極駆動回
路42とを有する対向基板40と、これらの基板間に挟
持された液晶層44とにより構成されたものである。ア
レイ基板10には図示しない第1の信号線14、15ア
ドレス線駆動回路13、アドレス線16、薄膜トランジ
スタ21、22も配設されている。また45は液晶層4
4を封止するシール部材である。コモン電極41は例え
ばITO(Indium Tin Oxide)などの
透明導電性材料により形成するようにすればよい。なお
アレイ基板10は例えば実施形態1乃至実施形態5で例
示したように、複数系統の表示信号供給手段が配設され
たものであれば用いることができる。
【0110】この液晶表示装置では、画素選択用に薄膜
トランジスタ21、22からなる薄膜トランジスタアレ
イと、第1の信号線駆動回路11、第2の信号線駆動回
路12、アドレス線駆動回路13とがどちらも同一のア
レイ基板10に形成されている。そして、これらのトラ
ンジスタアレイを構成する薄膜トランジスタのチャネル
半導体膜には、poly−Si、μc−Si等の多結晶
質シリコンを用いて形成している。
【0111】このような構成を例えば実施形態3、実施
形態4、実施形態5で説明した本発明の液晶表示装置に
適用することにより、例えば一方の信号線駆動回路をn
−chTFTにより構成し、他方の信号線駆動回路をp
−chTFTにより構成することができる。したがっ
て、駆動回路を構成するスイッチング特性を均一にする
ことができる。さらに同時に駆動回路の不良が低減する
から液晶表示装置の生産性を大きく向上することができ
る。
【0112】(実施形態7)図15は、本発明の液晶表
示装置のアレイ基板のさらに別の構成の例を概略的に示
す図である。この液晶表示装置では、画素電極20へは
第1の信号線駆動回路11a、第2の信号線駆動回路1
1b、第3の信号線駆動回路回路11c、第4の信号線
駆動回路12a、第5の信号線駆動回路12b、第6の
信号線駆動回路12cの6系統の信号線駆動回路から表
示信号を供給する構成となっている。また、信号線14
aへは第1の信号線駆動回路11aと第4の信号線駆動
回路12aから表示信号を供給するようになっており、
信号線14bへは第2の信号線駆動回路11bと第5の
信号線駆動回路12bから表示信号を供給するようにな
っており、信号線14cへは第3の信号線駆動回路11
cと第6の信号線駆動回路12cから表示信号を供給す
るようになっている。
【0113】また、図13に例示したように、信号線選
択回路51により信号線14a、14b、14cのう
ち、どの信号線を用いて画素電極20への表示信号電圧
の供給を行うかを選択できるようになっている。信号線
選択回路51での処理方法は画素電極20へ表示信号の
入力系統の切り換えが行えれば必要に応じて構成するよ
うにすればよい。なおいずれの場合でも画素電極20に
表示信号を充分印加できるような構成にする必要があ
る。また本実施例において、信号線駆動回路をp−Si
で形成し、第1から第6までのいずれかの信号線駆動回
路に不良が生じた場合は、信号線選択回路によって不良
の信号線駆動回路からの電圧供給を行わないようにする
ことができる。つまり、画素マトリックスを駆動する信
号線駆動回路を2セット以上有する構成となるため、ア
レイ形成段階1セットの信号線駆動回路において不良が
生じた場合においても、その他の信号線駆動回路によっ
て画素電極への電圧供給が可能となる。
【0114】このような構成を採用する場合、信号線の
本数及び薄膜トランジスタなどのスイッチング素子の数
の増加に伴って開口率が低下することになるが、画素電
極20を反射率の高い金属を用いた反射画素電極として
構成し、アドレス線16、信号線14a、14b、14
c、薄膜トランジスタ21a、21b、21c、22
a、22b、22c等の画素電極20へ表示信号を選択
的に印加する手段を、反射画素電極の裏面側に配設した
反射型液晶表示装置とすることによって、開口率の低下
を防止することができる。
【0115】(実施形態8)図16は本発明の液晶表示
装置のさらに別の構成の例を概略的に示す図である。
この液晶表示装置も画素電極20への複数系統の表示信
号供給系を備えており、この例では画素電極20へは第
1の信号線駆動回路11a、第2の信号線駆動回路11
b、第3の信号線駆動回路11cから表示信号を供給す
る構成となっている。また第1の信号線駆動回路11
a、第2の信号線駆動回路11b、第3の信号線駆動回
路11cはともにディジタルな表示信号を各信号線14
a、14b、14cへ供給するようにしてもよい。この
場合、信号線14a、14b、14cを表示信号のビッ
ト数などに対応させて必要に応じて複数本備えるように
すればよい。
【0116】画素電極20と信号線14a、14b、1
4cとの間には論理回路51が介挿されている。この論
理回路51は、信号線14a14b14cにディジタル
な表示信号が供給される場合、アドレス線16に供給さ
れる走査信号(例えばクロック信号と制御信号)により
信号線14a、14b、14cから表示信号をサンプリ
ングするサンプリング回路と、サンプリングした表示信
号を保持するメモリ手段と、メモリした表示信号をD/
A変換して画素電極20へ印加するD/A変換手段とを
有している。このような論理回路は例えば10入力AN
Dゲートと、データラッチと、D/Aコンバータにより
構成するようにしてもよい。
【0117】さらに論路回路51内に抵抗と容量により
構成された分圧回路を備えるようにしてもよい。このよ
うな分圧回路を備えることにより例えば信号線14a、
14b、14cから供給されるディジタルな表示信号の
中間値の表示信号電圧を生成して画素電極20に印加す
ることにより中間調表示を行うことができる。
【0118】なお、第1の信号線駆動回路11a、第2
の信号線駆動回路11b、第3の信号線駆動回路11c
からディジタルな表示信号を各信号線14a、14b、
14cへ供給し、論理回路51でD/A変換する場合に
は、抵抗分割を行う必要はない。しかしながら、第1の
信号線駆動回路11a、第2の信号線駆動回路11b、
第3の信号線駆動回路11cからアナログな表示信号が
各信号線14a、14b、14cへ供給される場合に
は、抵抗分割は必要である。例えば論理回路51内に信
号線14a、14b、14cを選択する選択スイッチを
備えるようにすればよい。これにより駆動電圧範囲の異
なる複数の駆動回路により画素電極20に表示信号を書
込むことができる。また論理回路内にバッファ回路を備
えるようにしてもよい。
【0119】また第1の信号線駆動回路11a、第2の
信号線駆動回路11b、第3の信号線駆動回路11cに
供給する電源電圧は、例えば、電源電圧V1 と電源電圧
V2とを抵抗R1 、抵抗R2 、抵抗R3 により分圧して
複数レベルの電源電圧を供給するようにしてもよい。例
えば、第1の信号線駆動回路11aの低電位側電源電圧
をVSS1 、高電位側電源電圧をVDD1 、第2の信号線駆
動回路11bの低電位側電源電圧をVSS2 、高電位側電
源電圧をVDD2 、第3の信号線駆動回路11cの低電位
側電源電圧をVSS3 、高電位側電源電圧をVDD3 とし、
VSS1 =V2 、VDD1 =VSS2 =V4、VDD2 =VSS3
=V3 、VDD5 =V1 とすることができる。
【0120】図17は第1の信号線駆動回路11a、第
2の信号線駆動回路11b、第3の信号線駆動回路11
cに供給する電源電圧をレベルシフトした電圧波形の例
を示す図である。いま、電源電圧V1 を+15Vから0
Vへ、電源電圧V2 を0Vから−15Vへとレベルシフ
トして抵抗R1 、抵抗R2 、抵抗R3 により分圧するこ
とにより、電源電圧V3 を+10Vから−5Vへ、電源
電圧V4 を+5Vから−10Vへとレベルシフトして4
つの異なる電源電圧により第1の信号線駆動回路11
a、第2の信号線駆動回路11b、第3の信号線駆動回
路11cを駆動することができる。このような分圧回路
は例えば論理回路51内に備えるようにしてもよいし、
信号線駆動回路に備えて信号線にはアナログな表示信号
電圧を供給するようにしてもよい。
【0121】図18は第1の信号線駆動回路11a、第
2の信号線駆動回路11b、第3の信号線駆動回路11
cに供給する電源電圧をレベルシフトした電圧波形の別
の例を示す図である。この例では1水平期間(1H期
間)中に、電源電圧V1 と電源電圧V2 としてランプ波
形を印加し、抵抗R1 、抵抗R2 、抵抗R3 により分圧
することにより第1の信号線駆動回路11a、第2の信
号線駆動回路11b、第3の信号線駆動回路11cの電
源電圧を変化させることができる。このように、各信号
線駆動回路に供給する電源電位V1 、電源電位V2 、電
源電位V3 、電源電位V4 をレベルシフトさせることに
より、各信号線14a、14b、14cに供給する信号
電圧のレベルをシフトさせることができる。したがっ
て、画素電極20へ印加する表示信号電圧も電源電圧V
1 と電源電圧V2 とに応じて変化させることができる。
これにより消費電力を低減することができる。また、例
えば高電圧駆動を必要とする液晶材料を液晶層として用
いる場合でも、信号線駆動回路として低耐圧の信号線駆
動回路を用いることができる。例えば図16の構成で
は、5Vの耐圧の信号線駆動回路を3段階に用いること
により、15V駆動が必要な液晶層を用いることができ
る。
【0122】なお、この例では第1の信号線駆動回路1
1a、第2の信号線駆動回路11b、第3の信号線駆動
回路11cを個別にした構成を説明したが、これら複数
の信号線駆動回路を単一の集積回路として形成するよう
にしてもよい。
【0123】図34は本発明の液晶表示装置の構成の別
の例を概略的に示す図である。この信号線駆動回路11
は、複数の信号供給系統を有する1つの駆動回路であ
る。そして、この信号線駆動回路11に、3レベル以上
の複数の電位を供給するか、内部に電源回路を備えるよ
うにすればよい。この例では0[V]、5[V]、10
[V]、15[V]の4レベルの電位を供給している。
そして供給される表示データに応じて電源切替えスイッ
チ52を切り換えている。表示データはラッチ53に保
持され、出力バッファ54によりアナログ電圧として信
号線に印加される。
【0124】また、信号線駆動回路11には、2レベル
の電位を供給し、抵抗分割により3レベル以上の複数の
電位を得るようにしてもよい。そして、駆動電圧範囲の
異なる複数の信号供給系を備え、表示データに対応した
書き込み電圧を駆動電圧範囲に含む信号供給系から表示
信号を信号線に出力するようにすればよい。本発明の液
晶表示装置では、このように表示データに応じて電源を
切り換えて用いることもできる。
【0125】なお、本発明は透過型液晶表示装置にも、
反射型液晶表示装置にも適用することができる。また例
えばスイッチング素子としては薄膜トランジスタを用い
た例について説明したが、例えばMIMなど他のスイッ
チング素子を用いるようにしてもよい。
【0126】(実施形態9)図20は本発明の液晶表示
装置の構成の別の例を概略的に示す図である。この液晶
表示装置は例えば図1に例示したように、複数の信号線
駆動回路を備えたものである。
【0127】画素電極20には、大きさの異なる2個の
TFT21、TFT22が接続している。TFT21の
ゲートはアドレス線23に接続しており、ソース・ドレ
インは信号線14に接続している。一方、TFT22の
ゲートはアドレス線24に接続しており、ソース・ドレ
インは信号線15に接続している。アドレス線駆動回路
13により、TFT21、22のオンオフを制御するこ
とにより、第1の駆動回路11または第2の駆動回路1
2から供給される表示信号を画素電極20に選択的(同
時を含む)に印加することができる。
【0128】図21は図20に例示した液晶表示装置の
画素の等価回路を示す図である。スイッチング素子とし
て用いているTFTは、一般的にゲート・ソース間およ
びゲート・ドレイン間に寄生容量を持つ。TFT21に
は、ゲート・ソース間の寄生容量(Cgs)28、ゲート
・ドレイン間の寄生容量(Cds)27、が等価的に図2
1に示すように寄生している。同様にTFT22にも、
ゲート・ソース間の寄生容量(Cgs)30、ゲート・ド
レイン間の寄生容量(Cds)29が寄生している。
【0129】これら寄生容量の中で、画素電極20への
書き込み信号に対する影響が最も強いのはゲート・ソー
ス間の寄生容量(Cgs)である。この寄生容量の影響は
突き抜け電圧として表示信号へ現れる。
【0130】突き抜け電圧の値をΔVs とし、ゲート信
号の振幅値をVg 、1画素の液晶容量をCLC、蓄積補助
容量をCs とすると、 ΔVs ={(Cgs×Vg )/(CLC+CS +Cgs)} となる。
【0131】この式から、Cgsが大きいほど本来画素電
極に書き込むべき表示信号の信号電圧から、実際に画素
に書き込まれる信号電圧がずれて行くことがわかる。し
たがって、画素電極に書き込むべき信号電圧と、実際に
書込まれる信号電圧との差を少なくするためには、寄生
容量Cgsを小さく、即ちTFTサイズを小さくすればよ
い。しかしながら、TFTサイズを小さくすることは、
TFTの電流供給能力を小さくすることである。電流供
給能力が小さいと、書き込み期間内で表示信号の書き込
みが完了しない場合もある。この問題は、画素数の多い
高精細な液晶表示装置では顕著である。したがって、1
つの画素に接続されている2つのTFT21、22のど
ちらか一方の電流供給能力を大きくし、他方のTFTの
電流供給能力をより小さくすればよい。この例では、T
FT21をTFT22よりも大きく形成することにより
電流供給能力を大きくしている。
【0132】図22(A)、図22(B)、図22
(C)、図22(D)はTFT21のサイズをより大き
くし、TFT22のサイズをより小さくした場合の、ア
ドレス線波形、信号線波形および画素電位波形の例を示
す図である。図22(A)はTFT21のゲートに印加
されるアドレス線波形(Vgn)、図22(B)はTFT
22のゲートに印加されるアドレス線波形(Vgn+1)、
図22(C)は信号線14および15に印加される信号
線つまり表示信号波形、図22(D)は前述の各波形が
印加された場合の画素電極の電位(Vpix )をそれぞれ
表している。この例では、第1の信号線駆動回路11と
第2の信号線駆動回路12から、同じレベルの電位を信
号線14、15にそれぞれ印加している。
【0133】サイズが大きく電流供給能力が大きいTF
T21ではゲートに印加されるアドレス線波形(Vgn)
がONすることにより信号線14の表示信号電圧が急速
に書き込まれて行く。しかしながら、ゲート・ソース間
の寄生容量(Cgs)28とアドレス線波形(Vgn)OF
F時の立ち下がりで生じる突き抜け電圧ΔVs(21) によ
り、最終的に画素電極に書き込まれる電圧は信号線14
から供給される信号電圧から大きくずれてしまう。
【0134】しかしながら、次にTFTサイズの小さい
TFT22がアドレス線波形(Vgn+1)でONされる
と、先の突き抜け電圧ΔVs(21) で不足していた電圧か
ら再度、信号線15の表示信号電圧が書き込まれて行
く。このとき、TFT22は電流供給能力が小さい。こ
のため、画素電位の書き込み波形の傾きはTFT21の
場合の書き込み画素電位の傾きよりも小さいが、既にT
FT21により書き込みの殆どが終了しているため、十
分に最終画素電位、つまり書き込むべき表示信号電位ま
で到達することができる。
【0135】また、TFT22の場合はサイズがTFT
21よりも小さく、寄生容量(Cgs)30も小さい。こ
のため、アドレス線波形(Vgn+1)がOFFする時に
生じる突き抜け電圧ΔVs(22) も極めて小さくすること
が出来る。
【0136】以上のような構成を採用することにより、
電流供給能力を大きなTFTを用いて短時間で表示信号
の書き込みを行っても、突き抜け電圧による電位変動を
極めて小さく抑えることができる。したがって、大画
面、高精細な液晶表示装置の表示品質を向上することが
できる。
【0137】また、上述の式から、画素電極への書き込
み信号電圧の誤差、即ち突き抜け電圧ΔVs はゲート・
ソース間の寄生容量Cgsと、画素容量CLCとの比に依存
している。つまり画素容量CLCに比較してゲート・ソー
ス間の寄生容量Cgsが小さければ突き抜け電圧も小さく
なる。したがって、本発明の液晶表示装置のように、書
き込み終了時点の等価的な寄生容量を小さく抑制するこ
とにより、画素容量を小さくしても、突き抜け電圧を小
さいままにおさえることができる。つまり、画素容量を
大きくするために付加している蓄積容量(Cs )を小さ
くできる。このため、Cs を縮小した分だけ画素の開口
率を高くすることができ、表示品質を向上することがで
きる。
【0138】図23(A)は本発明の液晶表示装置の画
素の平面構成を概略的に示す図であり、図23(B)は
図23(A)に示した画素のAA方向の断面構造を概略
的に示す図である。前述のようにTFT21はTFT2
2よりも大きく形成されている。
【0139】TFT21は、無アルカリガラスなどの絶
縁性の基板21aと、この基板上に配設されたゲート電
極21gと、ゲート電極21gを覆って配設されたゲー
ト絶縁膜21iと、ゲート絶縁膜上に配設された半導体
膜21cと、半導体膜21cとオーミック接合したソー
ス電極21s、ドレイン電極21dと、から構成されて
いる。21eはエッチングストッパである。ゲート電極
21gはアドレス線23の一部として形成されている。
またドレイン電極21d信号線14と接続され、ソース
電極21sはITOなどから形成された画素電極20と
接続している。TFT22も同様の構造を有している。
【0140】この画素では、下部電極19により、画素
電極20との間に蓄積容量Cs が形成される。この下部
電極19により画素の開口率は低下する。本発明の液晶
表示装置では、蓄積容量を小さくしても、突き抜け電圧
の影響を小さく抑制することができるため、下部電極1
9を小さくすることができる。したがって、画素の開口
率を大きくし明るい表示を実現することができる。
【0141】図24は本発明の液晶表示装置の画素の平
面構成の別の例を概略的に示す図である。この例でも、
TFT21はTFT22よりも大きく形成されている。
そして信号線駆動回路11から画素電極20へいたる信
号供給経路は、信号線駆動回路12から画素電極駆動回
路20へいたる信号供給経路よりも、より電流供給能力
が高くなるように配設されている。例えば信号線14は
信号線15よりも断面積が大きくなるように配設されて
いる。
【0142】このような構成を採用することにより、複
数の信号供給系をより効率的に用いることができ、表示
品質を向上することができる。
【0143】なお、第1のスイッチング素子、第2のス
イッチング素子を複数のTFTから構成してもよい。こ
のようにしても、各スイッチング素子の電流供給能力を
変えることができる。例えば信号線と画素電極との間に
同じTFTを並列に介挿すれば電流供給能力は大きくな
る。一方、信号線と画素電極との間に同じTFTを直列
に介挿すれば電流供給能力は小さくなる。
【0144】図44は本発明の液晶表示装置の画素の構
成例を概略的に示す図である。ここでは、第1のスイッ
チング素子21aとして、第1の信号線14と画素電極
20との間に複数のTFTを並列に介挿すている。また
第2のスイッチング素子22aとしては、第2の信号線
15と画素電極20との間に1個のTFTを介挿してい
る。この場合、画素電極20と接続しているTFTはす
べて同じTFTである。このようにすることにより、T
FTのW/Lが実質的に2倍になったのと同様の効果を
得ることができる。なお第1のスイッチング素子21a
を構成する2個のTFTのゲート電極は共用してもよ
い。
【0145】図45は本発明の液晶表示装置の画素の構
成例を概略的に示す図である。ここでは、第2のスイッ
チング素子22bとして、第2の信号線15と画素電極
20との間に複数のTFTを直列に介挿している。この
場合、TFTのW/Lが実質的に1/2になったのと同
様の効果を得ることができる。また第1のスイッチング
素子21bとしては、第1の信号線14と画素電極20
との間に1個のTFTを介挿している。この場合も、画
素電極20と接続しているTFTはすべて同じTFTで
ある。
【0146】このような構成を採用することにより、画
素アレイをすべて同じ薄膜トランジスタから構成するこ
とができる。したがって、設計の自由度、生産性を向上
することができる。
【0147】図25は、アドレス線駆動回路13の構成
の例を示す図である。図25に示すアドレス線駆動回路
13は、垂直走査開始(STV)信号を順次シフトして
アドレス信号を発生させるシフトレジスタ133、シフ
トレジスタ133の出力をON/OFF制御するAND
ゲート134、135、ANDゲート出力を実際のTF
Tのゲートヘ印加する信号レベルに変換するレベルシフ
タ136、などから主として構成された回路である。ま
た132は、アドレス線駆動回路内の走査信号を、13
8はTFT21のアドレス線駆動時間可変信号を、13
9はTFT22のアドレス線駆動時間可変信号を、14
0はアドレス線駆動回路用シフトパルスをそれぞれ示し
ている。
【0148】図25に例示したようなアドレス線駆動回
路13を用いることにより、サイズの大きなTFT21
のゲートに印加するアドレス信号(Vgn)と、サイズの
小さなTFT22に印加するアドレス信号(Vgn+1)と
を、それぞれ最適なタイミングでON/OFFすること
が可能となる。つまり、サイズの大きなTFT22のゲ
ートに印加するアドレス信号(Vgn)は、ANDゲート
134に印加されている出力制御信号(OE2)を任意
に可変することにより、最適なアドレス信号印加時間を
設定することができる。同様に、サイズの小さなTFT
22に印加するアドレス信号(Vgn+1)は、ANDゲー
ト35に印加する出力制御信号(OE1)を任意に可変
することにより、最適なアドレス信号印加時間を設定す
ることができる。
【0149】図26(A)、図26(B)、図26
(C)、図26(D)、図26(E)、図26(F)は
TFT21、TFT22の駆動波形の例を示す図であ
る。ここではTFT21ゲートに印加するアドレス信号
(Vgn)と、TFT22に印加するアドレス信号(Vgn
+1)の印加時間を可変とした場合の波形の例を示す。
図26(A)〜図26(F)に示す例では、サイズの大
きいTFT21へのアドレス信号(Vgn)を長くし、書
き込み時間をより短くする例を示している。この場合に
も、TFT21により表示信号を急速に画素電極に書き
込むが、TFTのサイズが大きいため大きな寄生容量C
gs28を有している。このため大きな突き抜け電圧ΔV
s(21) が生じる。しかしその後、サイズの小さなTFT
22により最終的な、つまり正しい表示信号まで書き込
みが行われる。このTFT22の寄生容量(Cgs)28
は十分小さく、突き抜け電圧による画素電位変動ΔVs
(22) を小さく抑えることができる。この場合にも、書
き込み時間を短くしたことによる書き込み不足や、TF
Tサイズを大きくしたことによる突き抜け電圧ΔVs の
増大による画素電位の変動を小さく抑えることができ
る。したがって、大画面、高精細な液晶表示装置のよう
に、書き込み時間が短縮される場合の駆動能力を向上す
ることができる。
【0150】図27(A)、図27(B)、図27
(C)、図27(D)、図27(E)、図27(F)は
TFT21、TFT22の駆動波形の例を示す図であ
る。ここでは、サイズの大きなTFT21のゲートに印
加するアドレス信号(Vgn)と、サイズの小さなTFT
22に印加するアドレス信号(Vgn+1)の、それぞれ
のTFTへの印加時間を可変とし、さらに双方のアドレ
ス信号をオーバーラップさせた場合の例を示す。
【0151】図27(A)〜図27(F)の場合には、
オーバーラップ期間の開始時刻でサイズの小さなTFT
22へ印加されるアドレス信号(Vgn+1)(図27
(C))の立ち上がり波形と、TFT22の寄生容量
(Cgs)30とにより、画素電位を押し上げる方向の突
き抜け電圧が発生する。ところが、寄生容量(Cgs)3
0が小さいこと、およびサイズの大きなTFT21とサ
イズの小さいTFT21とが同時に1つの画素電極を駆
動することによる駆動能力の増大とにより、オーバーラ
ップ期間の開始時刻の突き上げの影響を小さく抑制する
ことができる。
【0152】オーバーラップ期間が終了するときには、
サイズの大きなTFT21の寄生容量(Cgs)28によ
る大きな突き抜け電圧ΔVs 28が生じる。しかしその
後、サイズの小さなTFT22により最終的な、つまり
正しい表示信号まで書き込みが行われ、なおかつ書き込
み終了時のTFT22の寄生容量(Cgs)30は十分小
さい。これにより、突き抜け電圧による画素電位変動Δ
Vs(22) を小さく抑えることができる。
【0153】この例でも、書き込み時間を短くしたこと
による書き込み不足や、TFTサイズを大きくしたこと
による突き抜け電圧ΔVs の増大による画素電位の変動
が小さく抑えることができる。そして書き込み時間をオ
ーバーラップさせることによりさらに書き込み時間を短
縮することができる。したがって、大画面で高精細な液
晶表示装置の表示品質を向上することができる。
【0154】(実施形態10)次に、本発明の液晶表示
装置の構成の別の例について説明する。この例では、1
画素について複数系統の信号供給系を備えるとともに、
それぞれのスイッチング素子、信号線、信号線駆動回路
の特性が系統により異なる構成について説明する。
【0155】液晶表示装置の基本的な構成は図1の構成
と同様であるが、信号線駆動回路11と、信号線駆動回
路12の特性が異なっている。例えば、サイズの大きな
TFT21に接続されている第1の信号線駆動回路11
の画像表示能力、つまり表現可能な階調数を制限するこ
とで信号線駆動回路11を構成する回路素子数を少なく
する。また、信号線駆動回路11の出力部の素子サイズ
を大きくし電流駆動能力を大きくする。
【0156】さらに、サイズの小さなTFT22に接続
されている第2の信号線駆動回路12の画像表示能力、
つまり表現可能な階調数を必要十分として信号線駆動回
路12を構成する回路素子数を十分な数とする。そし
て、信号線駆動回路12を構成する素子の電流駆動能力
を小さく、つまり回路を構成する素子サイズを小さくす
る。このような構成を採用することにより、サイズの大
きなTFT21に供給する表示信号とサイズの小さなT
FT22に供給する表示信号とを最適化することができ
る。
【0157】また第2の信号線駆動回路12を、第1の
信号線駆動回路11よりも高精度に形成するようにして
もよい。この場合、第2の信号線駆動回路12を構成す
る素子(TFT、受動素子など)を、第1の信号線駆動
回路11を構成する素子よりも大きく形成する。個々の
素子をより大面積に形成することにより、製造時のマス
クずれ等の影響を小さく抑制することができる。したが
って、駆動回路を構成する個々の素子のばらつきが小さ
くなり、より精度の高い信号供給を行うことができる。
【0158】さらに第1の信号線駆動回路11に関わる
TFT21を大きく、第2の信号線駆動回路12に関わ
るTFT22を小さく形成することが好適である。なぜ
なら、TFT21、TFT22は主としてアナログスイ
ッチとして動作するため、飽和領域での動作が中心とな
る。このためゲート・ドレイン間の寄生容量を小さくす
ることでさらなる信号供給の高精度化を図ることができ
るからである。
【0159】また信号線駆動回路11の駆動能力を、信
号線駆動回路12の駆動能力よりも低く形成するように
してもよい。この場合、信号線駆動回路11に用いるT
FTの相互コンダクタンス(gm )を信号線駆動回路1
2に用いるTFTの相互コンダクタンスよりも小さくな
るようにすればよい。相互コンダクタンスを大きくする
には、例えばTFTのチャネル長Lをより短く、チャネ
ル幅Wをより長くすればよい。
【0160】このように本発明の液晶表示装置では、複
数系統の信号供給系の電流供給量を異ならせている。す
なわち、よりサイズが大きく、電流供給能力が高いTF
Tをより大きな電流の制御に用いる。またよりサイズが
小さく、電流供給能力が低いTFTをより小さな電流の
制御に用いる。同時に、電流供給量が大きい信号供給系
のアドレス線および信号線の断面積を大きくしてもよ
い。またより抵抗の低い材料から構成するようにしても
よい。さらにより高いゲート電極を印加するようにして
もよい。一方、電流供給量がより小さい信号供給系のア
ドレス線および信号線の断面積を小さくしてもよい。ま
たより抵抗の高い材料から構成するようにしてもよい。
さらにより低いゲート電極を印加するようにしてもよ
い。
【0161】図28(A)、図28(B)、図28
(C)、図28(D)、図28(E)は第1の信号線駆
動回路11と第2の信号線駆動回路12との特性を異な
らせた場合の駆動波形の例を示す図である。
【0162】図28(A)〜図28(E)に示す波形の
場合は、前述のように、サイズの大きなTFT21に接
続されている第1の信号線駆動回路11の階調数を制限
し電流駆動能力を大きくし、さらにサイズの小さなTF
T22に接続されている第2の信号線駆動回路12の階
調数を必要十分とし電流駆動能力を小さくした場合の波
形例を示している。
【0163】つまり、第1の信号線駆動回路11の階調
数は少ないから、入力される表示データの上位ビットの
みで動作させる。その一方で、十分な階調数を表現でき
る第2の信号線駆動回路12は入力された表示信号の全
ビットを用いて動作させることになる。
【0164】例えば、入力表示信号が8ビットであった
場合は、第1の信号線駆動回路11は入力表示信号の上
位4ビットで動作させ、第2の信号線駆動回路12は8
ビットで動作させればよい。したがって、階調数の少な
い第1の信号線駆動回路11は回路を構成する素子数
を、十分な階調数を表現できる第2の信号線駆動回路1
2に比べて、少なく構成することができる。
【0165】例えばこのことは、第1の信号線駆動回路
11、第2の信号線駆動回路12やアドレス線駆動回路
13をpoly−Siなどで画素アレイと一体形成した
液晶表示装置の場合などに、画素アレイ周辺に配置され
た駆動回路を最適化することができることを意味する。
このため、液晶表示装置を構成する基板サイズを表示画
面を縮小することなく小さくすることができる。
【0166】図28(A)〜図28(E)の例では、T
FTサイズが大きく電流供給能力が大きいTFT21に
印加される表示信号(Vsig 15)(図28(C))は
階調数が少ない。このため、最終的に書き込む表示信号
であるVsig 14よりは大きな信号振幅となってしま
う。しかし、TFT21のゲート・ソース間の寄生容量
(Cgs)28とアドレス線波形(Vgn)OFF時の立ち
下がりで生じる突き抜け電圧ΔVs(21) により、画素電
位が最終的に書き込むべき画素電位方向へ変動するこ
と、およびサイズの小さいTFT22と十分な階調数を
有する第2の信号線駆動回路12からの表示信号(Vsi
g 14)(図28(D))により、最終的に正しい表示
信号を書き込むことができる。
【0167】図29は対向電極電位に対して電位が低い
負極性の表示信号を書き込む場合の各部の波形例を示す
図である。
【0168】図29の場合も図28の場合と同様に、電
流供給能力が大きいTFT21に印加される表示信号
(Vsig 15)(図29(C))は階調数が少ない。こ
のため、最終的に書き込む表示信号であるVsig 14と
は多少異なる信号Vsig 15が画素電極に印加される。
また図28の正極性の表示信号書き込みの場合と異なっ
て、最終的に書き込まれる表示信号に対して、低レベル
にシフトした表示信号を第1の信号線駆動回路11から
出力させる。これにより、サイズの大きなTFT21の
ゲートに印加されるアドレス線波形(Vgn)が、OFF
時の立ち下がりで生じるゲート・ソース間の寄生容量
(Cgs)28とアドレス線波形(Vgn)突き抜け電圧Δ
Vs(21) により書き込み不足電圧を補正する方向に作用
する。更に、サイズの小さいTFT22と十分な階調数
を有する第2の信号線駆動回路12からの表示信号(V
sig 14)(図29(D))により、最終的に正しい表
示信号が書き込まれる。
【0169】以上のように、電流供給能力の高い信号供
給系には出力階調数の少ない駆動回路を用い、電流供給
能力の低い信号供給系には出力階調数の多い駆動回路を
用いることにより、駆動回路の構成素子数を低減するこ
とができる。
【0170】なお、この実施形態では、TFT21のゲ
ート電極とTFT22のゲート電極とは別のアドレス線
に接続した例を示したが、同じアドレス線に接続するよ
うにしてもよい(図4参照)。このような構成を採用す
ることにより、さらに開口率を高くし、またアドレス線
駆動回路13を小さくすることができる。したがって、
液晶表示装置を小形化し、消費電力を低減することがで
きる。
【0171】このように本発明の液晶表示装置によれ
ば、画素電極1つについて複数の信号供給系を備えるこ
とにより、またそれぞれの信号供給系の電流供給能力を
最適化することにより、画素の開口率を低下させること
なく、短時間での信号書き込みを実現することができ
る。また、突き抜け電圧による画素電位の変動を最小に
抑え、表示品質を向上することができる。
【0172】また、画素電極に具備している複数のスイ
ッチング素子のうち、サイズの大きなスイッチング素子
に接続されている信号線駆動回路の電流供給能力を大き
くするとともに出力可能な階調数を減らして構成素子数
を低減させることにより、信号線駆動回路の回路規模の
増加を抑えながら十分な書き込みを行うことができる。
また、1つの画素に具備している複数のスイッチング素
子のうちサイズの小さなスイッチング素子に接続されて
いる信号線駆動回路の電流供給能力を小さくするととも
に、十分な出力階調数をもたせることより、画素電極へ
の正しい表示信号書き込みを行うことができる。このよ
うな構成にすることにより、特に周辺回路をpoly−
SiTFTで構成した場合に、画素の開口率低下を抑
え、なおかつ周辺回路の増加も抑えた液晶表示装置を構
成することができる。
【0173】このように本発明の液晶表示装置によれ
ば、TFTを1画素に複数具備した場合でも開口率の低
下を抑えることができる。また駆動時間を短くした場合
にも画素電極への表示信号書き込みを正しく行うことが
できる。
【0174】(実施形態11)図30は本発明の液晶表
示装置の構成を概略的に示す図である。この例では、前
述のように、第1の信号線駆動回路11と第2の信号線
駆動回路に供給される表示データのビット数がことなる
液晶表示装置を説明する。なおこの例では供給される表
示データが8ビットの場合について説明するが、表示デ
ータのビット数は必要に応じて増減すればよい。
【0175】表示コントローラ100は、供給された8
ビットの表示データから、上位4ビットのみを取り出し
て第1の表示データとして第1の信号線駆動回路に供給
する。また供給された8ビットの表示データをフルビッ
トの第2の表示データとして第2の信号線駆動回路12
へ供給する。この場合、前述のように第1の信号線駆動
回路11の出力階調数を減らして構成素子数を低減する
ことができる。
【0176】図31は表示コントローラ100の構成の
例を示す図である。入力した表示データはラッチ回路1
01に保持される。同時に入力同期信号は表示タイミン
グ制御回路へ入力する。ラッチ回路100に入力された
8ビットの表示データはラッチ回路102へと送られ
る。一方上位4ビットの表示データはラッチ回路103
へと送られる。すなわち上位4ビットのデータはラッチ
回路102、103へと送られ、下位4ビットのデータ
はラッチ回路102にのみ送られる。そして、ラッチ回
路102に保持された8ビットの表示データは第2の信
号線駆動回路12へ送られる。また4ビットの表示デー
タは第1の信号線駆動回路11へと送られる。これらの
動作は入力同期信号のタイミングにしたがって行われ
る。
【0177】図32は供給された表示データと、第1の
信号線駆動回路11、第2の信号線駆動回路へ供給され
る表示データの関係の例を示す図である。このように第
1の信号線駆動回路11からは粗い階調表示を行う表示
信号が、第2の信号線駆動回路では精細な階調表示を行
う表示信号が供給される。
【0178】(実施形態12)図35は本発明の液晶表
示装置の構成の例を概略的に示す図であり、図36はそ
のアレイ基板の構成例を概略的に示す図である。この液
晶表示装置は、表示領域にマトリクス状に配設された画
素電極20と、画素電極20に表示データと対応した表
示信号を供給するための駆動回路が1個の画素電極につ
いて少なくとも2つ以上設けられたものである。この例
では、第1の信号線駆動回路11、第2の信号線駆動回
路12、アドレス線駆動回路13とにより表示信号を画
素電極20へ供給している。
【0179】基本的なアレイ構成は、画素電極20と、
画素電極20と信号線14との間に介挿されたスイッチ
ング素子であるTFT21と、TFT21のオンオフを
制御するアドレス線駆動回路24と、画素電極20へ表
示信号を供給する信号線14及び2つ以上の信号線駆動
回路11、12と、信号線駆動回路と信号線との接続を
制御するスイッチであるTFT222、TFT223と
を具備している。これにより、TFT222をON、T
FT223をOFFにした場合は信号線駆動回路11か
ら信号線へ表示信号が供給され、TFT222をOF
F、TFT223をONにした場合は信号線駆動回路1
2から信号線へ表示信号が供給される。この時のTFT
制御は信号線選択処理回路27から行う。または、それ
ぞれの信号線駆動回路内にTFTを兼ね備えることもで
きる。そしてこのアレイ基板と対向電極を配設した対向
基板との間に、固有のあるいは電場を印加することによ
り誘起される自発分極を有する液晶材料を狭持し、光の
透過強度を変調して表示を行う。
【0180】ここで液晶材料として反強誘電性液晶材料
を用いた場合の例について説明をする。反強誘電性液晶
材料は図33に図示したように電圧無印加時に黒表示を
行い、電圧印加時では(+)書込み極性での白表示と
(一)書込み極性での白表示の2種類が存在する。この
ため、交流駆動を行った場合は一旦黒を経由して異なる
極性の白表示を行うことになる。よって1フィールド期
間中に所望の表示信号を十分に印加できない場合にはコ
ントラストの低下もしくはフリッカが生じることにな
る。
【0181】このような本画質劣化を改善する方法とし
て、極性の反転周期を長くする方法がある。具体的には
極性を反転する画素を限定し、例えば1フィールド期間
内にある1本のアドレス線に備わっている画素のみを反
転し、残りのアドレス線に備わっている画素は前フィー
ルド同じ極性で書込みを行う。しかし、この方法を採用
した場合にも、反転するラインの書込み特性が十分でな
い場合には妨害縞となって視認される。
【0182】図37はこのような従来の液晶表示装置の
画質劣化を説明するための図である。書込みが十分でな
いと、静止画においては妨害縞231が、動画において
はコントラストの低下もしくはエッジぼけ232が生じ
る。静止画においては極性反転時の輝度低下が画質劣化
の主な原因である。動画においては書込み不足が画質劣
化の主な原因である。このような問題に対する改善案と
して、表示に必要な電圧よりも高レベル目の電圧を印加
する(オーバドライブ)駆動法が考えられる。しかし、
1つの信号線駆動回路でオーバドライブを行おうとする
と、オーバードライブに対応した耐圧の大きいドライバ
が必要となる。例えばオーバードライブ量も含めて10
[V]信号振幅が必要な場合には、表示画像に関係な
く、電源電圧が10[V]以上の信号線駆動回路を用い
る必要がある。このため、消費電力も大きくなる。
【0183】図38は本発明の液晶表示装置の構成の別
の例を概略的に示す図である。この液晶表示装置では、
高電圧信号線駆動回路241(ここでは耐圧10
[V])と低電圧信号線駆動回路242(例えば耐圧5
[V])を備えている。例えば、動画もしくは極性反転
時のオーバドライブにおいては高電圧信号線駆動回路2
41を使用し、静止画での保持期間(表示画像が変わら
ない期間)においては低電圧信号線駆動回路242を使
用するようにすればよい。
【0184】このような構成を採用することにより、画
質を改善するだけでなく消費電力を低減することができ
る。また前述したように、例えば8ビットの表示データ
が供給される場合、上位4ビットのデータが変化したと
きには高電圧信号線駆動回路241を用い、上位4ビッ
トに変化がなければ、低電圧信号線駆動回路242を用
いるようにしてもよい。
【0185】図39は信号線に印加される表示信号の信
号波形と、表示信号を信号線に印加する信号線駆動回路
の対応の例を示す図である。例えばフレーム間の変化の
大きい画像(動画など)が表示される期間には高電圧信
号線駆動回路241を用い、フレーム間の変化が小さい
画像(静止画など)が表示される期間には、低電圧信号
線駆動回路242を用いるようにしてもよい。また動
画、静止画の区別は、表示データに含めるようにしても
よい。
【0186】(実施形態13)図40は本発明の液晶表
示装置の構成の別の例を概略的に示す図である。この液
晶表示装置は、固有の、あるいは電場を印加することに
より誘起される自発分極を有する液晶層を用いるもので
ある。そして、このような液晶層をリセットするための
リセット電圧供給系を、第1の信号線駆動回路225、
第2の信号線駆動回路226とは別に備えている。そし
て、第1の信号線駆動回路225、と信号線14との間
にはスイッチ222が介挿されている。同様に、第2の
信号線駆動回路226と信号線14との間にもスイッチ
223が介挿されている。
【0187】スイッチ222、223は選択回路により
制御され、第1の信号線駆動回路225、第2の信号線
駆動回路226、またはリセット電圧供給系260を選
択し、信号線14へ所定の電位を印加する。このスイッ
チ222、223は信号線ごとに配設されており、各信
号線14に印加される信号は独立して制御される。
【0188】図41は本発明の液晶表示装置の信号線電
位の波形の例を示す図であり、高電圧信号線駆動回路と
低電圧駆動回路との切替えの際に、リセット電圧を供給
する場合の例である。表示画面の上部に高電圧信号線駆
動回路を使用して動画を表示し、表示画面の下部に低電
圧信号線駆動回路を使用して静止画を表示した場合を考
える。このような場合、駆動回路の切り換え時に信号線
に印加されている電圧によって、低電圧信号線駆動回路
がラッチアップする可能性がある。本発明では、駆動回
路の切替えの際に、一旦リセット電圧(ここでは0
[V])が印加されるため、ラッチアップを回避するこ
とができる。
【0189】図42は本発明の液晶表示装置の信号線に
印加される波形の別の例を示す図である。この例では、
駆動回路切り換えの際の信号線電圧に応じて、リセット
電圧を印加するかどうかを決めている。またこの例で
は、リセット電圧を低電圧信号線駆動回路の駆動電圧範
囲の上限に設定している。
【0190】動画Aの表示期間と静止画の表示期間との
間の信号線電圧は不連続であるため、駆動回路の切替え
の際にリセット電圧を印加する。一方、静止画の表示期
間と動画Bの表示期間との間では、静止画表示期間の最
後の電位が、高電圧信号線駆動回路と低電圧信号線駆動
回路の駆動電圧範囲の重なる部分にある。この例では、
リセット電圧を低電圧信号線駆動回路の駆動範囲の上限
に設定している。このため、静止画の表示期間と動画B
の表示期間との間にはリセット電圧を印加することな
く、そのまま高電圧信号線駆動回路へ切り換えている。
【0191】(実施形態14)第1の信号線駆動回路2
25の駆動電圧範囲と、第2の信号線駆動回路226の
駆動電圧範囲とはシフトさせるようにしてもよい。この
ような構成により、画素電極に印加することができる電
圧の範囲を広くすることができる。
【0192】例えば、第1の信号線駆動回路225の駆
動範囲(a[V]≦V1 ≦b[V])と第2の信号線駆
動回路226の駆動範囲(c[V]≦V2 ≦d[V])
をシフトさせて設定する。これにより、実際に画素にか
かる駆動範囲を広く設定される。ここで例えば以下に説
明する2つの設定方法により実際にかかる駆動範囲V3
を変えることができる。
【0193】例えばb<cの時には、 a[V]≦V3 ≦b[V] c[V]≦V3 ≦d[V] のように設定する(設定1)。
【0194】また例えばd≧b≧c≧aの時には、 a[V]≦V3 ≦d[V] (共通部分Vc :c[V]≦Vc ≦b[V]])のよう
に設定する(設定2)。
【0195】これらの設定は表示する画像に応じて変え
ることができる。例えば白黒表示を中心としたテキスト
表示などにおいては設定1を用いる。このとき、黒表示
時には第1の信号線駆動回路225を、白表示時には第
2の信号線駆動回路226を使用するようにすればよ
い。
【0196】(実施形態15)図42に例示した駆動方
法を、上述した設定2と組み合わせるようにしてもよ
い。すなわち、2つの信号線駆動回路の駆動電圧範囲と
して設定2を使用する。そして図42に例示したリセッ
ト電圧を、2つの信号線駆動回路の駆動電圧範囲の共通
部分(Vc )に設定する。
【0197】このような構成を採用することにより、リ
セット電圧はそれぞれの信号線駆動回路の駆動電圧範囲
に含まれることになる。このため、2つの信号線駆動回
路の切り換えを行った時にも、ラッチアップを起こすこ
となく実際の駆動範囲を大きくすることができる。さら
に、このような構成によれば、リセット電圧供給系およ
びスイッチ222、223を個別に設ける必要がなくな
る。また、リセット電圧を印加しない構成も可能にな
る。
【0198】(実施形態16)図43は本発明の液晶表
示装置の信号線に印加される波形の別の例を示す図であ
る。この例では、それぞれの信号線駆動回路の駆動電圧
範囲として上述した設定1もしくは設定2を使用してい
る。そして、それぞれの駆動電圧範囲は、表示する画像
に応じて動的にシフトさせている。
【0199】例えば極性反転駆動を行う場合を説明す
る。図43に示したように、設定1ではV2 を黒表示、
V1 を白表示にした後、極性反転によってV1 を黒表
示、V2を白表示とする。つまり黒表示が0[V]、白
表示が±5[V]ならば、{V2=0[V],V1=5
[V]}と{V2=−5[V],V1=0[V]}との
間でそれぞれの信号線駆動回路の電源電圧がシフトす
る。
【0200】以上、本発明の液晶表示装置について説明
したが、各実施形態に限定せれるものではなく、その要
旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施するようにし
てもよい。例えば、各信号線駆動回路をp−Siを用い
て形成することにより、パネル幅を大きくしないばかり
でなく、それぞれの駆動電圧範囲に応じて製造条件を最
適化することができる。
【0201】このように本発明の液晶表示装置によれ
ば、動画と静止画など、表示画像の性質や書き換え頻度
などに応じてで信号線駆動回路を使い分けることができ
る。これにより、静止画表示の際には低消費電力の信号
線駆動回路を使用し、動画表示の際には高速の高電圧信
号線駆動回路を使用することができる。したがって、高
画質で消費電力の低い表示装置を提供することができ
る。また表示画像に応じて最適な駆動が行えるように信
号線駆動回路を選択するために、極性反転時の妨害縞や
書込み不足に伴なう応答不足を大幅に改善することがで
きる。
【0202】
【発明の効果】以上説明したように本発明の液晶表示装
置によれば、1個の画素電極に表示信号を供給する手段
を複数系統備えることにより、画素電極への表示信号の
書込みを充分に行うとともに表示品質を大幅に向上する
ことができる。
【0203】また、本発明の液晶表示装置によれば、例
えば信号線駆動回路を複数備えることにより駆動周波数
を低減し、消費電力、電磁障害を大幅に低減することが
できる。
【0204】また本発明の液晶表示装置によれば、画素
電極1つについて表示信号を供給するための少なくとも
2つ以上の信号線駆動回路より表示信号を供給すること
ができるため、リセット駆動を必要とする液晶材料にお
いて、一方の信号線駆動回路よりリセット電圧を、他方
の信号線駆動回路より書込み電圧を印加することができ
る。したがって表示品質を向上することができるととも
に消費電力、電磁障害の発生を大幅に低減することがで
きる。
【0205】また、本発明の液晶表示装置によれば、極
性反転を必要とする液晶材料を用いて、一方の信号線駆
動回路より正極性の表示信号の書込みを、他方の信号線
駆動回路より負極性の表示信号の書込みを行うことがで
きる。したがって各駆動回路には交流電圧を供給する必
要がなくなり、消費電力を大幅に低減することができ
る。また信号線駆動回路の駆動周波数、駆動電圧を低減
することにより電磁障害の発生を大きく低減することが
できる。
【0206】また本発明の液晶表示装置によれば、電流
供給能力の異なる複数の信号供給系を採用することによ
り、表示信号の書き込み時間を短縮することができる。
したがって、高精細、大画面な液晶表示装置の表示品質
を向上することができる。また、突き抜け電圧による画
素電位の変動を最小に抑え、表示品質を向上することが
できる。さらに、各画素に複数のスイッチング素子を備
えることによる画素の開口率の低下を小さく抑制するこ
とができる。
【0207】また、画素電極に具備している複数のスイ
ッチング素子のうち、サイズの大きなスイッチング素子
に接続されている信号線駆動回路の電流供給能力を大き
くするとともに出力可能な階調数を減らして構成素子数
を低減させることにより、信号線駆動回路の回路規模の
増加を抑えながら十分な書き込みを行うことができる。
また、1つの画素に具備している複数のスイッチング素
子のうちサイズの小さなスイッチング素子に接続されて
いる信号線駆動回路の電流供給能力を小さくするととも
に、十分な出力階調数をもたせることより、画素電極へ
の正しい表示信号書き込みを行うことができる。このよ
うな構成にすることにより、特に周辺回路をpoly−
SiTFTで構成した場合に、画素の開口率低下を抑
え、なおかつ周辺回路の増加も抑えた液晶表示装置を構
成することができる。
【0208】また、本発明の液晶表示装置によれば、電
源電圧の異なる信号線駆動回路を選択する場合に、ラッ
チアップが生じるのを回避することができる。
【0209】また、本発明によれば、耐圧の低い信号線
駆動回路を複数用いるとともに、それぞれの駆動電圧範
囲をずらして設定することにより、信号線に印加する電
圧の範囲を拡大することができる。このため、高コント
ラスト、低消費電力の液晶表示装置を提供することがで
きる。また、用いる信号線駆動回路の耐圧も低くするこ
とができるため、用いるドライバの設計の自由度が大き
くなる。
【0210】また、本発明の液晶表示装置によれば、ラ
ッチアップ防止のためのリセット電位を、前記複数の信
号線駆動回路の駆動電圧範囲の重なる部分に設定するこ
とができる。このため、表示信号によらず常に一定のリ
セット電位を信号線に印加することができる。これによ
り、表示信号の立ち上がり特性を常に一定にすることが
でき、前フィールドの表示信号の影響を小さくすること
ができる。したがって表示品質を向上することができ
る。
【0211】また、本発明の液晶表示装置によれば、そ
れぞれの信号線駆動回路の電源電圧を表示信号に応じて
シフトさせることができる。したがって、低耐圧且つ低
消費電力信号線駆動回路を用いて、駆動電圧範囲を広く
することができる。また、複数の信号線駆動回路の駆動
電圧範囲の重なり部分の電圧をリセット電圧とすること
により応答特性、書込み不足を改善し、表示品質を大幅
に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置の構成を概略的に示す
図。
【図2】図1に例示した液晶表示装置のアレイ基板の構
成の例を概略的に示す図。
【図3】第1の信号線駆動回路、第2の信号線駆動回
路、アドレス線駆動回路から供給される駆動信号の波形
の例を概略的に示す図。
【図4】本発明の液晶表示装置のアレイ基板の構成の別
の例を概略的に示す図。
【図5】本発明の液晶表示装置のアレイ基板の構成の別
の例を概略的に示す図。
【図6】本発明の液晶表示装置の構成の別の例を概略的
に示す図。
【図7】本発明の液晶表示装置のアレイ基板の構成の例
を概略的に示す図。
【図8】本発明の液晶表示装置のアレイ基板のさらに別
の構成を概略的に示す図。
【図9】ドット反転駆動時の画素電極の極性パターンを
説明するための図。
【図10】本発明の液晶表示装置をドット反転駆動する
場合の駆動波形の例を概略的に示す図。
【図11】従来の液晶表示装置とこの液晶表示装置によ
りドット反転駆動を行った場合の駆動波形の例を示す
図。
【図12】本発明の液晶表示装置のアレイ基板のさらに
別の構成の例を概略的に示す図。
【図13】本発明の液晶表示装置のアレイ基板の構成の
例を概略的に示す図。
【図14】本発明の液晶表示装置の構造の例を概略的に
示す断面図。
【図15】本発明の液晶表示装置のアレイ基板のさらに
別の構成の例を概略的に示す図。
【図16】本発明の液晶表示装置のさらに別の構成の例
を概略的に示す図。
【図17】複数系統の信号線駆動回路に供給する電源電
圧をレベルシフトした電圧波形の例を示す図。
【図18】複数系統の信号線駆動回路に供給する電源電
圧をレベルシフトした電圧波形の別の例を示す図。
【図19】本発明の液晶表示装置によりLAO駆動を行
う場合の駆動波形の例を概略的に示す図。
【図20】本発明の液晶表示装置の構成の別の例を概略
的に示す図。
【図21】図20に例示した液晶表示装置の画素の等価
回路を示す図。
【図22】本発明の液晶表示装置において、TFT21
のサイズをより大きくし、TFT22のサイズをより小
さくした場合の、アドレス線波形、信号線波形および画
素電位波形の例を示す図。
【図23】本発明の液晶表示装置の画素の構成の例を概
略的に示す図。
【図24】本発明の液晶表示装置の画素の構成の別の例
を概略的に示す図。
【図25】アドレス線駆動回路の構成の例を示す図。
【図26】本発明の液晶表示装置において、TFT2
1、TFT22の駆動波形の例を示す図。
【図27】本発明の液晶表示装置において、TFT2
1、TFT22の駆動波形の例を示す図。
【図28】本発明の液晶表示装置において、第1の信号
線駆動回路11と第2の信号線駆動回路12との特性を
異ならせた場合の駆動波形の例を示す図。
【図29】本発明の液晶表示装置において、対向電極電
位に対して電位が低い負極性の表示信号を書き込む場合
の各部の波形例を示す図。
【図30】本発明の液晶表示装置の構成を概略的に示す
図。
【図31】本発明の液晶表示装置において、表示コント
ローラの構成の例を示す図。
【図32】本発明の液晶表示装置において、供給された
表示データと、第1の信号線駆動回路、第2の信号線駆
動回路へ供給される表示データの関係の例を示す図。
【図33】反強誘電性液晶の電場と配向との関係を模式
的に示す図。
【図34】本発明の液晶表示装置の構成の別の例を概略
的に示す図。
【図35】本発明の液晶表示装置の構成の例を概略的に
示す図。
【図36】図35に例示した液晶表示装置のアレイ基板
の構成の例を概略的に示す図。
【図37】従来の液晶表示装置の画質劣化を説明するた
めの図。
【図38】本発明の液晶表示装置の構成の別の例を概略
的に示す図。
【図39】本発明の液晶表示装置において、信号線に印
加される表示信号の信号波形と、表示信号を信号線に印
加する信号線駆動回路の対応の例を示す図。
【図40】本発明の液晶表示装置の構成の別の例を概略
的に示す図。
【図41】本発明の液晶表示装置の信号線電位の波形の
例を示す図。
【図42】本発明の液晶表示装置の信号線に印加される
波形の別の例を示す図。
【図43】本発明の液晶表示装置の信号線に印加される
波形の別の例を示す図。
【図44】本発明の液晶表示装置の画素の構成の別の例
を概略的に示す図。
【図45】本発明の液晶表示装置の画素の構成の別の例
を概略的に示す図。
【符号の説明】
10…………アレイ基板 11…………第1の信号線駆動回路 12…………第2の信号線駆動回路 13…………アドレス線駆動回路 14…………第1の信号線 15…………第2の信号線 16…………アドレス線 19…………Cs線 20…………画素電極 21…………薄膜トランジスタ 21c………半導体膜 21g………ゲート電極 21s………ソース電極 21d………ドレイン電極 21e………エッチングストッパ 21i………ゲート絶縁膜 22…………薄膜トランジスタ 31…………極性反転回路 31a………分配スイッチ 40…………対向基板 41…………対向電極 42…………対向電極駆動回路 44…………液晶層 51…………論理回路 52…………電源切換スイッチ 54…………出力バッファ 27、28、29、30………寄生容量 100…………表示コントローラー 101、102、103…………ラッチ回路 104…………表示タイミング制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土田 勝也 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33 株式会 社東芝生産技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電極と相互作用するように配設さ
    れた液晶層と、 第1の信号を供給する第1の供給手段と、 第2の信号を供給する第2の供給手段と、 第1の電流供給能力を有し、前記第1の信号を選択して
    前記第1の電極に印加するように配設された第1のスイ
    ッチング素子と、 前記第1の電流供給能力よりも小さな第2の電流供給能
    力を有し、前記第2の信号を選択して前記第1の電極に
    印加するように配設された第2のスイッチング素子と、 を具備したことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 第1の電極と相互作用するように配設さ
    れた液晶層と、 第1の伝導型を有する第1のトランジスタから構成さ
    れ、第1の極性を有する第1の表示信号を供給する第1
    の駆動回路と、 前記第1の伝導型とは異なる第2の伝導型を有する第2
    のトランジスタから構成され、前記第1の極性とは異な
    る第2の極性を有する第2の表示信号を供給する第2の
    駆動回路と、 前記第1の表示信号または前記第2の表示信号のいずれ
    か一方を選択的に前記第1の電極に印加する印加手段
    と、 を具備したことを特徴とする液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 第1の電極と相互作用するように配設さ
    れた液晶層と、 前記第1の電極と信号線との間に配設され、前記信号線
    に印加される信号を選択して前記第1の電極に印加する
    スイッチング素子と、 第1の表示信号を供給する第1の駆動回路と、 第2の表示信号を供給する第2の駆動回路と、 前記信号線に印加される信号を前記第1の表示信号また
    は前記第2の表示信号から選択する選択手段と、 を具備したことを特徴とする液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 第1の電極と相互作用するように配設さ
    れた液晶層と、第1の駆動電圧範囲を有する第1の回路
    と、前記第1の駆動電圧範囲とは異なる第2の駆動電圧
    範囲を有する第2の回路とを有する駆動回路と、 表示データに応じて前記第1の回路と前記第2の回路を
    選択する手段と、 表示データに対応した電圧を前記第1の回路または前記
    第2の回路から信号線に印加する手段と、 前記第1の電極と前記信号線との間に介挿され、前記信
    号線に印加された電圧を選択して前記第1の電極に印加
    するスイッチング素子と、 を具備したことを特徴とする液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 第1の電極と相互作用するように配設さ
    れた液晶層と、 供給されたnビットの表示データから、この表示データ
    に対応したnビットの第1のデータと、前記表示データ
    の上位mビットに対応した第2のデータとを生成する手
    段と、 前記第1のデータに対応した第1の電圧を供給する第1
    の駆動回路と、 前記第2のデータに対応した第2の電圧を供給する第2
    の駆動回路と、 前記第1の電圧または前記第2の電圧の一方を選択して
    第1の電極に印加する印加手段と、 を具備したことを特徴とする液晶表示装置。
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