JPH11101674A - 流量計測装置 - Google Patents

流量計測装置

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JPH11101674A
JPH11101674A JP9261665A JP26166597A JPH11101674A JP H11101674 A JPH11101674 A JP H11101674A JP 9261665 A JP9261665 A JP 9261665A JP 26166597 A JP26166597 A JP 26166597A JP H11101674 A JPH11101674 A JP H11101674A
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Kenzo Ochi
謙三 黄地
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明久 足立
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 矩形比(W/H)の大きい偏平な流路の低流
量域においても、長辺方向に乱れが発生しないように
し、流量計測精度を向上する。 【解決手段】 流体の流れる矩形流路11と、長辺方向
を超音波が横断するよう上流側と下流側とに一対の超音
波送受信器12,13を対向して設け、また矩形流路の
短辺方向と流れ方向とに並行に仕切板15を設けてい
る。この構成により、長辺方向の流体の乱れが抑えら
れ、また仕切板15の超音波透過窓により送受信される
超音波が、超音波透過窓を通過しないと、他方の送受信
器に到達することができないので受信波形の乱れはなく
なり、高精度な流量計測ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は流体の流量を超音波
を用いて計測する流量計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の流量計測装置は、特開平
8−313316号公報に記載されているのが一般的で
あった。図8(a),(b)に従来の超音波流量計測装
置1を示す。図(a)は、超音波流量計測装置1の水平
断面を、(b)は側面を示す。流路2は、幅W、高さH
で構成され、矩形比(W/H)を数倍以上とし、短辺方
向の長さHを代表長さとした層流の流れを実現してい
た。上流側および下流側に設けた一対の超音波送受信器
3,4から超音波を送信,受信し、上流側から下流側、
あるいは下流側から上流側への各々の超音波伝搬時間を
計測し、その伝搬時間差から流体の流速を演算し、流体
の流量を計測する構成であった。なお、矢印5および一
点鎖線6は流体の流れる方向を、破線7は超音波の伝搬
する方向を示し、流体の流れる方向との交叉角をθで示
す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、矩形比(W/H)が数倍以上もの偏平な
流路構成であるため、低流量域において、流体の長辺方
向(W)成分に乱れが発生しやすくなるため、流体の流
速を正確に計測できなくなり、流体の流量計測において
誤差が発生していた。
【0004】また、矩形比(W/H)の大きな偏平流路
であるため、一方の送受信器から送信された超音波は、
短辺方向と直交する上面あるいは下面で反射された後、
他方の送受信器に反射波として直接波とともに受信され
る。このため受信された超音波の波形は、直接波と反射
波との合成波となり、流量により大きく依存することに
なり、超音波伝搬時間の計測精度が悪くなりやすく、流
量計測において誤差の発生する要因となっていた。従っ
て、高精度な流量計測ができなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の流量計測装置は、流体の流れる矩形流路と、前
記矩形流路の長辺方向に超音波が伝搬するよう上流側と
下流側とに一対の超音波送受波器を対向して設け、かつ
前記矩形流路の短辺方向および流れ方向に並行に仕切板
を設け、前記仕切板の超波波が伝搬する部分に超音波透
過窓を設ける構成とした。この構成により、数倍以上も
の矩形比を有する偏平な流路が、仕切板により、1以上
で2以下の適当な矩形比を有するの流路に分割される。
このため、矩形流路の長辺方向流れ成分の乱れが、前記
仕切板の整流効果により抑えられ、流量計測装置測にお
ける誤差が小さくなり、計測精度が向上する。また、前
記仕切板に超音波透過窓が設けられているため、上流側
あるいは下流側に設けられた一対の超音波送受信器から
送信された超音波は、前記超音波透過窓を透過しない
と、他方の送受信器に到達することができない。このた
め、例えば、一方の送受信器から短辺方向と直交する上
面,下面の方向に送信された超音波は、前記超音波透過
窓を通過することができないで、前記流体仕切板で反射
され、他方の超音波送受信器に到達することができなく
なる。従って、他方の送受信器では、短辺方向と直交す
る上面,下面で反射した超音波を受信することがなく、
直接波だけを受信することになり、超音波の受信波形
が、直接波だけの波形となり、正確に超音波の伝搬時間
を計測することができる。この結果、流量計測の精度が
大幅に向上することになる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、流体の流れる矩形流路
と、前記矩形流路の長辺方向に超音波が伝搬するよう上
流側と下流側とに一対の超音波送受波器を対向して設
け、かつ、前記矩形流路の短辺方向および流れ方向に並
行に流体仕切板を設け、前記流体仕切板の超波波が伝搬
する部分に超音波透過窓を設ける構成とした。この構成
により、数倍以上もの矩形比を有する偏平な流路が、仕
切板により、1以上の適当な矩形比を有するの流路に分
割される。このため、矩形流路長辺方向の乱れ成分が、
前記流体仕切板の整流効果により抑えられる。従って、
流量計測における誤差が小さくなり、計測精度が向上す
る。また、前記仕切板に超音波透過窓が設けられている
ため、上流側あるいは下流側に設けられた一対の超音波
送受信器から送信された超音波は、前記超音波透過窓を
透過しないと、他方の送受信器に到達することができな
くなり、例えば、一方の送受信器から短辺方向と直交す
る上面,下面の方向に送信された超音波は、前記超音波
透過窓を通過することができないで、前記仕切板で反射
され、他方の超音波送受信器に到達することができなく
なる。従って、他方の送受信器では、短辺方向と直交す
る上面,下面で反射した超音波を受信することがなく、
直接波だけを受信することになり、超音波の受信波形が
乱れなくなる。このため、正確に超音波の伝搬時間を計
測することができ、流量計測の精度が大幅に向上するこ
とになる。
【0007】また、本発明は、前記仕切板で仕切られた
矩形流路の数nは、前記矩形流路の矩形比(W/H)以
下とする構成とした。この構成により、流路の代表長さ
は、仕切られる前の流路高さHのままとなり、ほとんど
圧損を増加させないで、整流効果をあげることができ、
計測精度が向上する。
【0008】また、本発明は、前記仕切板に設けられた
超音波透過窓の有効面積が、前記一対の超音波送受波器
の有効面積以下である構成とした。この構成により、超
音波の伝搬による拡散を防止、すなわち、拡散した超音
波は前記仕切板で反射され、他方の送受波器に到達でき
なくなる。よって、送受波器から送信された超音波の直
進成分のみが、他方の超音波送受波器で受信されること
になり、上面,下面での反射波によるS/N比の劣化が
なくなり、計測精度が向上する。
【0009】また、本発明は、前記一対の超音波送受波
器を円形で構成し、かつ前記仕切板に設けられた超音波
透過窓が、楕円形である構成とした。この楕円の軸比を
交叉角に依存する大きさとし、超音波伝搬路から見て円
形となるよう設定した。このため、超音波の透過率が大
きく、超音波を有効に利用することができ、計測精度が
向上する。
【0010】また、本発明は、前記一対の超音波送受波
器を矩形で構成し、前記仕切板に設けられた超音波透過
窓が、矩形である構成とした。この矩形比を交叉角に依
存する大きさとし、超音波伝搬路から見て超音波送受信
器と同形の矩形となるよう設定した。このため、超音波
の透過率が大きく、超音波を有効に利用することがで
き、計測精度が向上する。
【0011】また、本発明は、前記仕切板に設けられた
超音波透過窓に、メッシュを設けてなる構成とした。こ
の構成により、流体が仕切板の超音波透過窓の端面で乱
されることが無くなり、渦などの乱れの発生がなくな
り、計測精度が向上する。
【0012】また、本発明は、前記一対の超音波送受波
器と流体の流れる流路との間に、超音波送受波器の有効
面積以下の超音波絞り窓を設けてなる構成とした。この
構成により、超音波送受信器は、超音波の強度の大きい
直進成分のみを送信したり、受信したりするようにな
り、計測精度が向上する。
【0013】また、本発明は、前記絞り窓を、超音波送
受信器の前面から超音波の2波長以上遠く離れた位置に
設置する構成とした。この構成により、例えば、一方の
超音波送受波信から送信された超音波が、前記絞り窓で
反射され、送受信器に戻り、さらにまた送受信器で反射
され他方の送受信器へ送信される超音波は、直接送信さ
れる超音波に対し、前記絞り窓までの距離の2倍以上、
すなわち4波長以上遅れることになり、他方の送受信器
で受信される超音波信号を乱すことがなくなる。このた
め、さらに計測精度が向上する。
【0014】また、本発明は、前記一対の超音波送受信
器の前面に、送受信される超音波が直進成分からなるよ
うハニカム状の超音波収束部を設ける構成とした。この
構成により、送受信器で送信,受信される超音波は、超
音波伝搬路に沿った平行成分からなる直進成分のみとな
り、拡散成分がおさえられ、超音波送受信のS/N比が
向上し、計測精度が向上する。
【0015】また、本発明は、超音波伝搬路と流路との
交叉面に設けた超音波透過窓にメッシュを設けてなる構
成とした。この構成により、交叉面における渦などの乱
れの発生を抑えることができ、計測精度が向上する。ま
た、前記メッシュを導電性で構成し接地することによ
り、防爆構造とすることも可能となる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面にもとづいて説
明する。
【0017】(実施例1)図1(a),(b)は、本発
明の実施例1の流量計測装置10の概略図を示す。図1
(a)は、流量計測装置10の水平断面図を、図1
(b)は側面図を示す。11は流体の流れる流路を、1
2および13は流路11の上流側および下流側に設けら
れた超音波送受信器を示す。14は流体の流れる方向を
示す矢印。実線15a,15b,15cは、流路11内
に設けた3枚の仕切板を示す。仕切板は、流路幅、W
(約45mm)に比べて充分薄い0.5mmの板厚の金
属板で構成した。なお、流路高さ、Hは、矩形比(W/
H)が、数倍以上となるよう、10mmに設定した。な
お、超音波送受信器12および13は、直径8mmの円
形もしくは、一辺8mmの正方形で構成した。また、流
体の流れ方向と超音波の伝搬方向との交叉角θは、45
度とした。図1(c)は、超音波送受信器を8mmの円
形で構成したときの仕切板15bの平面図を示す。中央
部に短径、4mm、長径5.7mmの楕円形の貫通孔1
6を設け、超音波透過窓とした。なお、上記長径は、超
音波伝搬方向から見たときに、半径4mmの円形に見え
るように楕円形に設定した。図1(d)は、超音波送受
信器を8mmの方形で構成したときの仕切板15bの平
面図を示す。中央部に短辺、4mm、長辺5.7mmの
矩形状の貫通孔17を設け、超音波透過窓とした。な
お、上記短辺は4mm、長辺は、超音波伝搬方向から見
たときに、一辺4mmの方形に見えるように長方形に設
定した。
【0018】図2に超音波伝搬の特性を示す。横軸に流
体の流量を、縦軸に超音波の受信強度を示す。実線は本
発明による仕切板を設けた場合の結果、点線は仕切板の
ない場合の結果をそれぞれ示す。仕切板の無い従来の場
合には、超音波の受信強度が流量とともに大幅に減少
し、流量の多いところでは(1/2)以下の受信強度た
なる。このため、超音波の伝搬時間計測において、その
S/N比が非常に低下し、流量計測精度が悪くなってい
た。しかしながら、本発明のように、仕切板を設けた場
合には、その減少幅が小さくなる。これは、本発明の仕
切板を用いることにより、流れが整流され乱れの発生が
抑えられるとともに、仕切板に超音波透過窓を設けたた
め、超音波送受信器から送信された超音波は、仕切板の
超音波透過窓を通過した超音波だけが、他方の超音波送
受信器で受信されることになり、超音波の受信波におい
て、反射波の影響を受けることがなくなったためと考え
られる。この結果、超音波の受信強度が安定し、超音波
伝搬時間計測のS/N比が改善され、流量計測精度が向
上すると考えられる。
【0019】なお、上記実施例1において、流体の圧損
は矩形流路の短辺長さ、Hでほとんど決まるため、本発
明の仕切板は、細分化された矩形流路の幅が、元の偏平
流路の高さ、Hよりも大きくなるよう設定した。このた
め、細分化された流路においても、その流体定数として
の代表長さHは、元の偏平流路の代表長さHのままとな
り、圧損の増加はほとんど認められなかった。なお、超
音波透過窓は、超音波送受信器の有効径以下であれば良
いのであるが、さらに有効径よりも若干小さくする(直
径で、5〜10%減)方が、超音波伝搬路の中心部分を
通過するより一層強い超音波のみを用いることになり、
流量を大きく変化させても、その受信強度はほとんど変
化することなく受信されより効果的である。
【0020】(実施例2)図3(a),(b)は、本発
明の実施例2に用いた仕切板の平面図。図3(a)は楕
円形のメッシュ付き超音波透過窓20の場合を、図3
(b)は矩形のメッシュ付き超音波透過窓21の場合を
示す。実施例1と異なるところは、仕切板15bの超音
波透過窓にメッシュを設けたところにある。メッシュ
は、ステンレスあるいはナイロンを用い、100〜30
0メッシュとした。この構成により、実施例1の図2に
示した超音波特性の高流量域での超音波受信強度の低下
がより減少した。これは、超音波透過窓にメッシュを設
けることにより、超音波透過窓の端面が引き起こす渦な
どの流れの乱れが減少するためと考えられる。
【0021】なお、この種の流量計測装置に用いられる
超音波は波長が、0.5〜2.0[mm]であることが
多い。このため、超音波透過窓に用いるメッシュの線径
は、用いる波長の(1/5)以下、すなわち100[μ
m]以下となるように設定した。線径が太くなると、超
音波がメッシュを構成する線で反射、あるいは散乱さ
れ、超音波の透過率が著しく減少し、超音波の受信強度
が大幅に低下し、流量計測のS/N比が劣化する。
【0022】また、メッシュ番号が大きくなれば、線径
は細くなり、超音波の散乱,反射が非常に小さくなる
が、非常に高価となり実用上不適となる。
【0023】(実施例3)図4(a)は、本発明の実施
例3に用いた流量計測装置の超音波送受信器の要部断面
を示す。実施例1と異なるところは、超音波送受信器1
2と流体の流れる流路11との間に、絞り窓22,2
3,26を設けたところにある。図4(b),(c),
(d)は絞り板の平面図を示す。22,23は円柱状の
超音波送受信器12の前面に設けた円形の孔24,25
を持つ絞り板を示し、超音波伝搬方向を示す破線7に対
し、垂直になるよう設置した。26は、超音波伝搬路2
7と流路11との交叉面に設けた絞り板を示す。交叉面
に設けた絞り板26は、流体の流れる方向と平行に設置
したので、前記仕切板と同様に楕円形の貫通孔28を設
けた。
【0024】この構成により、超音波送受信器から送信
され広がろうとする超音波は、前記絞り板で反射し、直
進することができなくなる。したがって、送信される超
音波のうち、より強い直進成分だけが流路11内に放出
される結果となる。このため、超音波の送受信において
S/N比が向上し、計測精度が向上する。また、逆に受
信する場合にも、直進して来た超音波のみを通過させる
ことになり、送信時と同様にS/Nが向上する。
【0025】(実施例4)図5(a),(b)は、本発
明の実施例4を説明するための図であり、超音波送受信
器12と、超音波送受波器の最も手前に設置された絞り
板22との関係を図5(a)に、送信波形29および受
信波形30を図5(b)に示す。図5(a)の、dは超
音波送受信器12と最も手前に設置された絞り板21と
の距離を示し、破線7は超音波の伝搬方向を示す。図5
(b)はオシロスコープで観測されたの波形を示す。送
信波形29は、超音波送受信器12に印加される超音波
送受信器の駆動波形を示し、Ttは超音波送受信器12
から超音波を送信する送信開始時間を、受信波形30の
Trは他方の超音波送受信器13で超音波を受信する時
間を示す。これらの時間差(Tr−Tt)は超音波が、
超音波送受信器12から超音波送受信器13へ到達する
間の伝搬時間となる。
【0026】この時、超音波送受信器12から送信され
た超音波の大半は直進し、他方の超音波送受信器13に
向かって伝搬するが、送信された超音波の一部は手前の
絞り板22に当たり、超音波送受信器12に反射し戻っ
て来る。この反射された超音波は、超音波送受信器12
の表面でさらに反射し、他方の超音波送受信器13に向
かって伝搬することになる。この場合、絞り板22で反
射した超音波は、絞り板まで距離dを往復する時間だけ
遅れて送信されることになる。送信される超音波の周波
数をFr、超音波の波長をλ、超音波伝搬速度をVs、
絞り板22までの往復距離を2*dとすると、遅れ時間
dTは、dT=(2*d)/Vsとなる。
【0027】また、超音波の周波数Fr、伝搬速度V
s、波長λとの関係は、Fr*λ=Vsであるから、例
えば、絞り板22を、超音波の波長の2倍以上離して設
置してあると、すなわち距離d>2λとなる。この時、
前記の遅れ時間dTは、dT=(2*d)/Vs>(2
*2*λ)/Vs=4/Frとなる。従って、この反射
波が受信されるのは、受信時間Trから、4周期遅れた
Tr’時間以降に受信されることになる。通常の場合、
受信時間Trの計測には、第1のピークが雑音に埋もれ
ている場合が多いため、第2あるいは第3のピークは、
もしくはそれらのピーク後のゼロクロス点から計測する
場合が多い。
【0028】従って、本発明の場合のように、絞り板2
を、超音波送受波器から、用いる超音波の2波長以上離
して設置しておけば、最も近い絞り板22からの反射波
でさえも、受信時間の計測に影響を及ぼすことがなくな
り、時間計測が正確になり、流量計測の精度が向上す
る。なお、もっと遠くに設置されている絞り板23など
からの反射波は、さらに遅れることになり、無視するこ
とができる。
【0029】(実施例5)図6(a)は、本発明の実施
例5に用いた流量計測装置の超音波送受信器の要部断面
を示す。実施例1と異なるところは、超音波送受信器1
2と、流体の流れる流路11との間に、ハニカム状の超
音波収束部31を設けたところにある。図6(b)は、
ハニカム状の超音波収束部31を超音波送受信器12か
ら見た平面図を示す。ハニカム状の超音波収束部31の
細分化された有効径32は、用いる超音波の波長とほぼ
同じになるように設定した。この構成により、超音波送
受信器から送信される超音波は、直進する超音波だけが
ハニカム状の超音波収束部31を通り抜けることがで
き、広がろうとする超音波は通り抜けることができない
ので、送信される超音波のうち、直進成分だけが流路1
1内に放出される結果となる。また、逆に、受信する場
合にも、直進して来る超音波だけを通すことになるた
め、超音波の送受信においてS/N比が向上し、計測精
度が向上する。
【0030】(実施例6)図7は、本発明の実施例6に
おける流量計測装置10の断面を示す。実施例1と異な
るところは、流路11と超音波伝搬路24との交叉面に
メッシュ33,34を設けたところにある。メッシュは
実施例2で用いたのと同じものを用いた。この構成によ
り、前記交叉面における流量が増加したときに見られる
流体の乱れが抑えられ、流量計測におけるS/N比の劣
化が抑えられ、精度が安定した。さらにまた、前記メッ
シュを導電性で構成し、接地しておくことにより、超音
波送受信器を防爆構成にすることができ、この種の超音
波送受信器を高電圧で駆動する流量計測装置10を可燃
性流体に使用することもできる。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
流量計測装置によれば次の効果が得られる。
【0032】(1)偏平な流路内に、仕切板を設けたの
で、整流効果が得られ、乱れの発生が抑えられる。
【0033】(2)仕切板に超音波透過窓を設けたの
で、受信波から反射波を取り除くことができ、S/N比
が向上する。
【0034】(3)上記の結果、超音波の受信強度が流
量の増加とともに著しく低下することがなくなり、流量
計測精度が向上する。
【0035】(4)仕切板の数を、(W/H)以下とし
たので、流路の圧損を大きく増加させることなく、整流
効果が得られる。
【0036】(5)仕切板の超音波透過窓を超音波送受
信器の有効径以下としたので、超音波を効率よく透過さ
せることができる。
【0037】(6)超音波送受信器を円形で、かつ仕切
板の超音波透過窓を楕円形で構成したので、超音波の直
進成分のみを効率よく利用することができ、流量計測精
度が向上する。
【0038】(7)超音波送受信器を方形で、かつ仕切
板の超音波透過窓を矩形で構成したので、超音波の直進
成分のみを効率よく利用することができ、流量計測精度
が向上する。
【0039】(8)仕切板の超音波透過窓にメッシュを
設けたので、仕切板の超音波透過窓の端面による乱れの
発生を抑えることができ、超音波送受信器の前面に絞り
板を設けたので、送受信される超音波を直進成分のみと
することができ、流量計測の精度が向上する。
【0040】(9)超音波送受信器の前面に絞り板を設
けたので、送受信される超音波を直進成分のみとするこ
とができ、流量計測の精度が向上する。
【0041】(10)また、絞り板を超音波送受信器の
前面から用いる超音波の波長の2倍以上離して設置した
ので、絞り板で反射した超音波による時間計測精度の劣
化を防ぐことができる。
【0042】(11)超音波送受信器の前面にハニカム
状の超音波収束部を設けたので、送受信される超音波を
直進成分のみとすることができ、流量計測の精度が向上
する。
【0043】(12)流体の流路と、超音波の伝搬路と
の交叉面にメッシュを設けたので、交叉面での流体の乱
れを抑えることができ、超音波送受信器の前面に絞り板
を設けたので、送受信される超音波を直進成分のみとす
ることができ、流量計測の精度が向上する。また、メッ
シュを導電性で構成し、接地することにより、防爆構成
にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施例1における流量計測装置
の断面図 (b)同装置の側面図 (c)同装置の楕円孔を有する仕切板を示す図 (d)同装置の矩形孔を有する仕切板を示す図
【図2】同装置における流量と受信強度の関係を示す特
性図
【図3】(a)本発明の実施例2における流量計測装置
の仕切板を示す図 (b)同装置における仕切板を示す図
【図4】(a)本発明の実施例3における流量計測装置
の要部断面図 (b)同装置の楕円孔を有する絞り板を示す図 (c)同装置の円孔を有する絞り板を示す図 (d)同装置の円孔を有するもう一つの絞り板を示す図
【図5】(a)本発明の実施例4における流量計測装置
の要部断面図 (b)同装置の送信波と受信波との関係を示す図
【図6】(a)本発明の実施例5における流量計測装置
の要部断面図 (b)同装置のハニカム状超音波収束部の平面図
【図7】本発明の実施例6における流量計測装置の断面
【図8】(a)従来の流量計測装置の断面図 (b)同装置の側面図
【符号の説明】
10 流量計測装置 11 流路 12,13 超音波送受信器 15 仕切板 16,17 超音波透過窓 20,21 メッシュ 22,23,26 絞り板 27 超音波伝搬路 29 送信波形 30 受信波形 31 ハニカム状超音波収束部 33,34 メッシュ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の流れる断面が矩形の流路と、前記
    矩形の流路の長辺方向でかつ上流側と下流側とに一対の
    超音波送受波器を対向して設け、かつ前記矩形の流路の
    短辺方向および流れ方向に並行に仕切板を設け、前記仕
    切板の超波波が伝搬する部分に超音波透過窓を設けてな
    る流量計測装置。
  2. 【請求項2】 仕切板で仕切られた流路の数nは、矩形
    の流路の長辺と短辺の長さの比である矩形比以下の値と
    する請求項1記載の流量計測装置。
  3. 【請求項3】 仕切板に設けられた超音波透過窓の有効
    面積は、一対の超音波送受波器の有効面積以下である請
    求項1記載の流量計測装置。
  4. 【請求項4】 一対の超音波送受波器を円形で構成し、
    かつ仕切板に設けられた超音波透過窓は、楕円形である
    請求項1記載の流量計測装置。
  5. 【請求項5】 一対の超音波送受波器を矩形で構成し、
    前記仕切板に設けられた超音波透過窓は矩形である請求
    項1記載の流量計測装置。
  6. 【請求項6】 仕切板に設けられた超音波透過窓に、メ
    ッシュを設けてなる請求項1記載の流量計測装置。
  7. 【請求項7】 一対の超音波送受波器と流体の流れる流
    路との間に、超音波送受波器の有効面積以下の絞り窓を
    設けてなる請求項1記載の流量計測装置。
  8. 【請求項8】 絞り窓を、超音波送受波器の前面から超
    音波の2波長以上遠く離れた位置に設置してなる請求項
    7記載の流量計測装置。
  9. 【請求項9】 一対の超音波送受波器の前面に、送受信
    される超音波が直進成分からなるようハニカム状のガイ
    ドを設けてなる請求項1記載の流量計測装置。
  10. 【請求項10】 超音波が伝搬する伝搬路と流路との交
    叉面にメッシュを設けてなる請求項1記載の流量計測装
    置。
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