JPH11101582A - 復水器 - Google Patents

復水器

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JPH11101582A
JPH11101582A JP26323797A JP26323797A JPH11101582A JP H11101582 A JPH11101582 A JP H11101582A JP 26323797 A JP26323797 A JP 26323797A JP 26323797 A JP26323797 A JP 26323797A JP H11101582 A JPH11101582 A JP H11101582A
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JP
Japan
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cooling
steam
pipe
condenser
cooling water
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JP26323797A
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Inventor
Fumio Takahashi
文夫 高橋
Akira Kobanawa
章 小塙
Shigeo Oda
繁夫 織田
Mitsuru Sudo
充 数藤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、冷却水温度が変化しても、蒸
気中の不凝縮ガスを安定して抽出できるコンパクトな復
水器を提供することにある。 【解決手段】蒸気流入口4と、蒸気を凝縮する複数の冷
却管1及び蒸気に混入した不凝縮ガスを抽出する複数の
ノズル孔6を設けた抽出管5を有する管巣と、凝縮液を
流出させる凝縮液出口7と、管巣を取り囲む容器20
と、冷却水流入側の水室2と、冷却水流出側の水室3と
を備えた復水器において、抽出管5は水室2内を貫通す
るように配置され、管巣は、冷却管1の軸方向に所定間
隔で設けられた複数の支持板8により複数のスパン9に
区分され、抽出管5内部の蒸気圧力を水室2の冷却水流
入温度における飽和蒸気圧近くまで低下させるように、
スパン毎のノズル孔6の総断面積を分布させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蒸気を凝縮する復水
器に係り、特に原子力プラント,火力プラント等の各種
プラントに用いるのに好適な復水器に関する。
【0002】
【従来の技術】復水器は、タービンから排出される蒸気
を凝縮して真空状態を作り出す熱交換器である。復水器
には通常1000〜10000本の冷却管が用いられ、
冷却管の集まりとして管巣が形成される。蒸気に混入す
る不凝縮ガスを抽出するために、管巣の内部には抽出管
が設けられる。蒸気は管巣に導かれ、冷却管の外表面で
凝縮し、未凝縮の蒸気と不凝縮ガスが抽出管より抽出さ
れ、エジェクター等の真空ポンプにより系外へ排気され
る。
【0003】復水器の冷却管は、通常その軸方向に所定
距離を隔てて配置された10枚前後の支持板により支持
される。管巣は、この支持板で区分された複数のスパン
を有し、一つのスパン内での蒸気流は2次元的となる。
冷却水は冷却管の中を軸方向に流れるため、冷却水温度
は冷却水流出側のスパンほど高い。この結果、冷却水と
蒸気の温度差がスパン毎に異なるため、蒸気の凝縮量も
スパン毎に異なる。
【0004】復水器に関する第1の従来技術としては、
特開昭59−29977 号公報に、複数のスパン毎にオリフィ
スから空気抽出管に流入した未凝縮蒸気及び空気を、冷
却水入口水室内を貫通している空気抽出管を介して排出
する構成が記載されている。また、第2の従来技術とし
ては、USP5,465,784に、抽出管の周りに冷却管を配置し
て空気冷却部を形成し、空気冷却部の周りに均圧領域を
設けた構成が記載されている。同公報には、更に不凝縮
ガスの抽出量が抽出管の内部と周辺の圧力差に依存する
ことを考慮して、抽出管の側面のオリフィスの断面積を
決めることも記載されている。
【0005】第3の従来技術としては、“CONDENSERS A
ND CONDENSATION”:Proceedingsof the Second Intern
ational Symposium,University of Bath,United Kingdo
m,March 28th-30th 1990, pages 135-145, Elliot Spen
cer and Edwin W. Hewittに、管巣の一部を仕切り、抽
出管の後段の空気冷却部として用いた構造が記載されて
いる。同資料には、更に各スパンに設けたオリフィスの
断面積を、各スパンにおける蒸気の凝縮量に比例させる
ことも記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】第2及び第3の従来技
術では、管巣内に空気冷却部が設けてあるため、管巣形
状の自由度が損なわれ、凝縮性能向上の妨げになる。ま
た、第2の従来技術では、均圧領域が設けられているた
め、管巣のコンパクト化の妨げになる。
【0007】更に、各スパンに設けるオリフィスの断面
積に関しては、第1の従来技術には開示がなく、第2の
従来技術では定性的記載があるだけで、具体的な目安は
開示されていない。また、第3の従来技術では、各スパ
ンにおける蒸気の凝縮量に応じて管巣で圧力損失が生
じ、抽出管の周りの圧力が冷却水の流入側のスパンほど
低くなることを考慮していない。
【0008】一方、復水器の冷却水には海水や河川水が
使われ、これらの温度は気象条件に影響される。蒸気の
凝縮温度は冷却水温度によって決まるが、復水器に流入
する蒸気は飽和状態となっているため、蒸気の圧力は冷
却水温度に影響される。従って、復水器では、冷却水温
度が変化しても不凝縮ガスの抽出系が作動することが要
求される。
【0009】本発明の目的は、冷却水温度が変化して
も、蒸気中の不凝縮ガスを安定して抽出できるコンパク
トな復水器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、蒸気を流入させる流入口と、該流入口か
ら流入した蒸気を凝縮する複数の冷却管及び蒸気に混入
した不凝縮ガスを抽出する複数の孔を設けた抽出管を有
する管巣と、前記複数の冷却管で凝縮された凝縮液を流
出させる流出口と、前記管巣を取り囲む容器と、前記複
数の冷却管に冷却水を供給する第1の水室と、前記複数
の冷却管から排出された冷却水を外部に排出する第2の
水室と、を備えた復水器において、前記抽出管は前記第
1の水室内を貫通するように配置され、前記管巣は、前
記冷却管の軸方向に所定間隔で設けられた複数の支持板
により複数のスパンに区分され、前記抽出管内部の蒸気
圧力を前記第1の水室の冷却水流入温度における飽和蒸
気圧近くまで低下させるように、スパン毎の前記孔の総
断面積を分布させる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の復水器の第1実施
例を図1及び図2を用いて説明する。図1は第1実施例
の冷却管の軸方向の縦断面図、図2は図1のA−A断面
図である。本復水器は、蒸気を流入させるための蒸気流
入口4,冷却水を導入する冷却水流入側の水室2,冷却
水を排出する冷却水流出側の水室3,水室2からの冷却
水を内部に流すことにより蒸気流入口4から流入した蒸
気を凝縮する冷却管1,蒸気流入口4から流入した蒸気
中に混入した不凝縮ガスを抽出する抽出管5,冷却管1
で凝縮された凝縮液を流出させるための凝縮液出口7な
どを備える。
【0012】複数の冷却管1及び抽出管5が管巣10を
構成し、容器20が管巣10を取り囲んでいる。凝縮液
出口7は、容器20の底部に設けてある。冷却管1はそ
の軸方向に所定距離を隔てて配置された複数の支持板8
により支持され、管巣は複数の支持板8により10個の
スパン9に区分されている。抽出管5の側面には複数の
ノズル孔6が設けられており、スパン毎のノズル孔6の
総断面積を、後述するように、冷却管1の軸方向に分布
させている。また、抽出管5は、支持板8及び水室2を
貫通し、水室2の外側で排気管16に接続されている。
抽出管5の水室3側の端部は閉塞されている。
【0013】管巣10は、図2に示すように、抽出管5
を取り囲むように冷却管1を密集して配置した密集領域
と、この密集領域の外周から外側に向かって長く伸びた
複数の流路を形成するように冷却管1を配置した放射領
域とを有する。図2では、管巣10のうち冷却管1が配
置されている領域を、簡単のために網かけで示してい
る。放射領域の流路は、蒸気流入口4に向かって長く伸
び容器20の側壁にほぼ平行に形成された複数の流路1
0a,容器20の側壁に向かって水平方向(図2の横方
向)に形成された複数の流路10b,容器20の底部に
向かって容器20の側壁にほぼ平行に形成された複数の
流路10cからなる。
【0014】各流路の幅は冷却管1の直径よりも大き
く、流路10b及び流路10cの幅に比べて流路10a
の幅が大きくなるように構成している。このような構成
にすることにより、蒸気流入口4から流入した蒸気の大
部分を流路10a内に導くことができるので、少ない圧
力損失で凝縮性能を向上できる。容器20の横幅に対す
る管巣10の横幅の比(横幅比)は、0.5〜0.8の範
囲となるように設定されている。これにより、管巣10
の外周と容器20の側壁との距離が流路10aの幅より
も大きくなるように構成している。
【0015】冷却水流入口2aから水室2に流入した冷
却水は、複数の冷却管1内を流れて水室3に至り、冷却
水流出口3aから排出される。蒸気流入口4から流入し
た蒸気は、管巣10を構成する冷却管1の外表面で凝縮
され、凝縮された凝縮液14が凝縮液出口7から流出す
る。一方、冷却管1の外表面で凝縮されない未凝縮の蒸
気及び蒸気中に混入している不凝縮ガスは、スパン9毎
に、ノズル孔6を通して抽出管5で抽出され、排気管1
6に導かれる。この際、抽出管5内の未凝縮の蒸気は、
冷却水流入側の水室2内で再度冷却されることにより凝
縮される。
【0016】蒸気流入口4から流入する蒸気は飽和状態
にあるため、蒸気の圧力は蒸気の温度で決まる。従っ
て、抽出管5の周りの蒸気の圧力は、抽出管5の周りの
冷却管1の外表面における蒸気の凝縮温度で決まる。管
巣10での圧力損失は小さく設計されており、抽出管5
の周りの冷却管1でも多くの蒸気が凝縮されるので、抽
出管5の周りの蒸気の凝縮温度は、冷却水流入口2aに
おける冷却水の流入温度よりも高くなる。従って、抽出
管5のノズル孔6から抽出される蒸気の温度は冷却水の
流入温度より高く、水室2内で流入冷却水に晒される抽
出管5の内表面で未凝縮の蒸気が凝縮する。
【0017】復水器に流入する不凝縮ガスは微量であり
ノズル孔6は絞られているため、ノズル孔6から抽出管
5内に流入する未凝縮蒸気の量は少ないので、抽出管5
の内表面における蒸気の凝縮量は少ない。また、抽出管
5内の蒸気温度は冷却水の流入温度に近いため、抽出管
5の内部における蒸気圧力は、冷却水の流入温度に対応
する飽和蒸気圧に近い。一方、不凝縮ガスの分圧は、経
験的に多くても蒸気圧の数十%と見込まれる。従って、
抽出管5の内部の蒸気と不凝縮ガスの混合ガスの圧力
は、冷却水の流入温度の飽和蒸気圧に近い。
【0018】次に、スパン9毎のノズル孔6の総断面積
の決め方を説明する。ノズル孔6の等価直径を抽出管5
の直径よりも十分小さくとれば、ノズル孔6を通過する
蒸気流れの流動抵抗係数は近似的に定数とみなせる。こ
の場合、蒸気の流量は、ノズル孔6の断面積の1乗に比
例し、ノズル孔6の内部領域と外部領域の圧力差の1/
2乗に比例する。抽出管5の外周における圧力は、蒸気
流入口4における圧力から管巣10での圧力損失分だけ
低下する。
【0019】図3に示すように、冷却水温度は冷却水の
流入側から流出側に向けて上昇する。図3は、復水器の
冷却管の軸方向における蒸気温度と冷却水温度の温度差
の分布、及び抽出管の内部と外部の圧力差の分布の説明
図である。図3の横軸はスパンの番号で示しており、冷
却水流入側のスパンの番号が1に、冷却水流出側のスパ
ンの番号が10に、それぞれ対応している。
【0020】蒸気温度及び冷却管1での熱伝達率はほぼ
一定と近似できるので、冷却水流入側を起点にして冷却
管1の軸方向に距離xをとると、蒸気と冷却水の温度差
δTはxの増加に伴い指数関数的に減少する。冷却管1
の外表面における蒸気の凝縮量は温度差δTとほぼ比例
関係にあるので、スパン毎の蒸気の凝縮量はxの増加に
伴い指数関数的に減少する。スパン毎の不凝縮ガス量は
蒸気の凝縮量に比例するので、スパン毎の不凝縮ガス量
もxの増加に伴い指数関数的に減少する。
【0021】一方、各スパンに同数のノズル孔6を設け
た場合(スパン毎のノズル孔6の総断面積が同じ場
合)、抽出管5の内部と外部の圧力差δPは、図3に示
すように、抽出すべき不凝縮ガス量が最も多い冷却水流
入側で最小となる。即ち、冷却水流入側のスパンでは、
多量の蒸気を凝縮できる温度条件を有しているものの、
抽出管5での圧力差δPが小さいために、十分な凝縮性
能を発揮できない。
【0022】本実施例では、冷却水流入側のスパンほど
ノズル孔6の総断面積を大きくすることにより、抽出管
5の内部圧力を低下させ、冷却水流入側のスパンにおけ
る抽出管5での圧力差δPを増加させている。即ち、図
4に示すように、スパン毎のノズル孔6の総断面積Sが
xと指数関数的相関にある直線Lに比べて、冷却水流入
側に近いほどSが急激に大きくなるように構成してい
る。図4は、本実施例のスパン毎のノズル孔の総断面積
の分布を示す図で、第1スパン〜第10スパンにおける
ノズル孔の総断面積Sを○印で示してある。図4で、直
線Lはxの増加に伴い指数関数的に減少する直線を、右
縦軸はスパン毎のノズル孔の総断面積Sの相対値を、左
縦軸はS(相対値)の常用対数Log(S)を、それぞれ示
している。具体的には、冷却水流出側の第10スパンに
おけるノズル孔6の総断面積を1とすると、第1スパン
〜第9スパンにおけるノズル孔6の総断面積が、それぞ
れ40.6,19.9,11.7,6.9,4.4,3.2,
2.3,1.6,1.3 となるように、ノズル孔6を分布
させている。この場合、各ノズル孔6の断面積は変えず
にスパン毎のノズル孔6の数を変化させても良いし、ス
パン毎に、ノズル孔6の数は変えずにノズル孔6の断面
積を変化させても良い。
【0023】このように、スパン毎のノズル孔6の総断
面積Sを冷却水流入側ほど急激に大きくすることによ
り、抽出管5の内部圧力を冷却水の流入温度における飽
和蒸気圧近くまで低下することができる。この結果、全
てのスパンにおいて抽出管5での圧力差δPを十分大き
くでき、抽出管5の外表面における蒸気の凝縮性能を十
分に向上できる。また、この圧力差δPの増大に伴い、
不凝縮ガスの抽出性能も向上できる。従って、本実施例
によれば、冷却水温度が変化した場合でも、抽出管5で
の圧力差δPを十分大きくとれるので、不凝縮ガスの抽
出性能を安定して維持できる。
【0024】抽出管5の内部圧力を冷却水の流入温度に
おける飽和蒸気圧近くまで低下させるための、スパン毎
のノズル孔6の総断面積Sの配分について、更に説明す
る。上記したように、スパン毎の総断面積Sが図4の直
線Lに比べて冷却水流入側に近いほど急激に大きくなる
ようにするためには、例えば、次のように総断面積Sを
分布させれば良い。即ち、スパン毎に総断面積Sの常用
対数Log(S)を定義し、隣合うスパン間のLog(S)の勾
配(スパンの間隔に対する勾配)が、冷却水流入側に近
いほど大きくなるようにノズル孔6を分布させれば良
い。これは、スパンの間隔が全て等しい場合、隣合うス
パン間のLog(S)の差が、冷却水流入側に近いほど大き
くなるようにノズル孔6を分布させることに相当する。
【0025】また、本実施例によれば、図2のように、
従来の空気冷却部や均圧領域がない分、管巣のコンパク
ト化即ち復水器のコンパクト化を図ることができる。こ
のように、空気冷却部や均圧領域を設ける必要がない管
巣構造を実現できることにより、管巣形状の自由度が増
える。管巣形状の自由度が増えることにより、管巣の放
射領域に設ける流路の数を更に増やすことができるの
で、管巣での圧力損失を更に低減できる。これは凝縮性
能の更なる向上に寄与する。
【0026】次に、図5を用いて本発明の復水器の第2
実施例を説明する。図5は第2実施例の冷却管の軸方向
の縦断面図である。本実施例が第1実施例と異なる点
は、抽出管5が冷却水流入側の水室2を出た位置に液滴
溜まり5aを設けて排気管16に接続した構成と、液滴
溜まり5aの底部と容器20の底部とを配管18で接続
した構成である。その他の構成は第1実施例と同じであ
る。
【0027】即ち、本実施例でも、スパン毎に図4に示
した総断面積のノズル孔6を抽出管5に設けている。従
って、本実施例でも、第1実施例と同じ効果を得ること
ができる。更に、本実施例の場合、抽出管5の中で未凝
縮蒸気が凝縮された凝縮液を液滴溜まり5aにトラップ
できるので、抽出管5又は排気管16がこの凝縮液によ
って閉塞することを防止することもできる。
【0028】次に、図6を用いて本発明の復水器の第3
実施例を説明する。図6は第3実施例の冷却管の軸方向
の縦断面図である。本実施例は、第2実施例で、冷却水
流入側の水室2の中で、抽出管5を複数の細管に分岐さ
せた例である。即ち、抽出管5は、水室2の入口の分配
部11で複数の細管12に分岐され、水室2を出た位置
で合流部13により一つに合流され、排気管16に接続
される。合流部13には液滴溜まり5aが設けられてい
る。その他の構成は第2実施例と同じである。本実施例
でも、第2実施例と同じ効果を得ることができる。更
に、本実施例の場合、抽出管5を複数の細管12に分岐
させることにより、水室2の中で冷却水に接触する管の
表面積が増えるので、第2実施例に比べて、凝縮温度は
冷却水の流入温度により近くなる。この分、細管12中
における蒸気の凝縮性能を向上することができる。
【0029】次に、図7を用いて本発明の復水器の第4
実施例を説明する。図7は第4実施例の冷却管の軸方向
の縦断面図である。本実施例が第1実施例と異なる点
は、抽出管5が冷却水流入側の水室2を出た位置に熱交
換器19を設けて排気管16に接続した構成である。そ
の他の構成は第1実施例と同じである。
【0030】本実施例でも、第1実施例と同じ効果を得
ることができる。更に、本実施例の場合、復水器本体に
外付けした熱交換器19に冷媒入口19aから冷媒出口
19bに向けて十分な冷却能力を有する冷媒を流すことに
より、抽出管5の中に存在する未凝縮蒸気を確実に凝縮
することができる。熱交換器19に供給する冷媒として
は、復水器本体の水室2に供給する冷却水を共用するこ
とも可能である。
【0031】次に、図8及び図9を用いて本発明の復水
器の第5実施例を説明する。図8は第5実施例の冷却管
の軸方向の縦断面図、図9(a)は図8のA−A断面
図、図9(b)は図9(a)の抽出管周りの詳細図であ
る。図9(a)は、図2と同様に、管巣10の断面の概
略形状を示したものである。本実施例は、第1実施例
で、抽出管5の内部にも冷却管1aを配置した例であ
る。
【0032】図9(b)に示すように、本実施例の抽出
管5は六角筒状の断面形状をしており、抽出管5の内部
に複数の冷却管1aを2層に配置している。尚、図9
(b)では、各冷却管の中心が正三角形の各頂点に位置
するように配置したことを判り易くするために、各中心
間を結んだ正三角形も一緒に表示している。また、図8
に示すように、抽出管5は冷却水流入側の水室2との境
界壁の位置で、抽出管5よりも直径が細い排気管16に
接続されている。その他の構成は第1実施例と同じであ
る。本実施例では、抽出管5の内部に流入した未凝縮の
蒸気は冷却管1aで凝縮され、残った不凝縮ガスが排気
管16より排気される。
【0033】本実施例でも、第1実施例と同じ効果を得
ることができる。更に、本実施例の場合、抽出管5の中
で未凝縮蒸気が冷却水に接触する管の表面積が増えるの
で、第1実施例に比べて、凝縮温度は冷却水の流入温度
により近くなる。この分、抽出管5の中における蒸気の
凝縮性能を向上することができる。
【0034】次に、図10を用いて、本発明の復水器を
沸騰水型原子力発電プラント(BWRプラント)に用いた
実施例を説明する。本BWRプラントは、炉心30を設
けた圧力容器31,圧力容器31で発生された蒸気を用
いて発電機42を回転させる高圧タービン40及び低圧
タービン41,低圧タービン41から排出された蒸気を
凝縮して復水を生成する復水器21などから構成され
る。復水器としては、本発明の第1〜第5実施例の何れ
かのものを用いる。
【0035】炉心30で発生した蒸気は、高圧タービン
40,低圧タービン41を経て復水器21に流入する。
復水器21に流入した蒸気は凝縮されて復水(凝縮水)
となり、この復水が給水として再び炉心30に戻され
る。蒸気は高圧タービン40と低圧タービン41で膨張
して復水器21に流入するが、膨張した多量の蒸気を凝
縮するために、復水器21には大きな凝縮能力が要求さ
れる。復水器21から排気管16を通して排気される不
凝縮ガスは、エジェクター17に導かれる。
【0036】本BWRプラントの復水器として、第1〜
第5実施例の何れかを用いることにより、コンパクトな
復水器で大きな凝縮能力を得ることができるので、BW
Rプラント全体をコンパクトにして建設コストを低減す
ることができる。また、本復水器では蒸気の圧力損失が
小さいため、タービンの排気圧力を低下できるので、タ
ービンの前後での圧力比を大きく取って発電効率を向上
することもできる。
【0037】尚、本実施例ではBWRプラントの復水器
に本発明を用いた例について説明したが、BWRプラン
ト以外にも、火力プラントの復水器や、化学プラントの
凝縮器などに用いても、同様な効果を得ることができ
る。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、コンパクトな復水器
で、冷却水温度が変化した場合でも、蒸気に混入した不
凝縮ガスを安定して抽出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の復水器の第1実施例の縦断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】復水器の蒸気温度と冷却水温度の温度差の分布
及び抽出管の内部と外部の圧力差の分布の説明図。
【図4】第1実施例のスパン毎のノズル孔の総断面積の
分布を示す図。
【図5】本発明の復水器の第2実施例の縦断面図。
【図6】本発明の復水器の第3実施例の縦断面図。
【図7】本発明の復水器の第4実施例の縦断面図。
【図8】本発明の復水器の第5実施例の縦断面図。
【図9】第5実施例の管巣の概略構成図で、(a)は図
8のA−A断面図、(b)は抽出管周りの詳細図。
【図10】本発明の復水器をBWRプラントに用いた実
施例の概略構成図。
【符号の説明】
1,1a…冷却管、2,3…水室、2a…冷却水流入
口、3a…冷却水流出口、4…蒸気流入口、5…抽出
管、5a…液滴溜まり、6…ノズル孔、7…凝縮液出
口、8…支持板、9…スパン、10…管巣、10a,1
0b,10c…流路、11…分配部、12…細管、13
…合流部、14…凝縮液、16…排気管、17…エジェ
クター、18…配管、19…熱交換器、19a…冷媒入
口、19b…冷媒出口、20…容器、21…復水器、3
0…炉心、31…圧力容器、40…高圧タービン、41
…低圧タービン、42…発電機。
フロントページの続き (72)発明者 数藤 充 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蒸気を流入させる流入口と、該流入口から
    流入した蒸気を凝縮する複数の冷却管及び蒸気に混入し
    た不凝縮ガスを抽出する複数の孔を設けた抽出管を有す
    る管巣と、前記複数の冷却管で凝縮された凝縮液を流出
    させる流出口と、前記管巣を取り囲む容器と、前記複数
    の冷却管に冷却水を供給する第1の水室と、前記複数の
    冷却管から排出された冷却水を外部に排出する第2の水
    室と、を備えた復水器において、 前記抽出管は前記第1の水室内を貫通するように配置さ
    れ、 前記管巣は、前記冷却管の軸方向に所定間隔で設けられ
    た複数の支持板により複数のスパンに区分され、前記抽
    出管内部の蒸気圧力を前記第1の水室の冷却水流入温度
    における飽和蒸気圧近くまで低下させるように、スパン
    毎の前記孔の総断面積を分布させたことを特徴とする復
    水器。
  2. 【請求項2】請求項1において、スパン毎の前記孔の総
    断面積Sの常用対数をLog(S)で表した場合、隣合うス
    パン間のLog(S)の勾配が冷却水流入側に近いほど大き
    くなるように、前記孔を分布させたことを特徴とする復
    水器。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記管巣は、前
    記抽出管を取り囲むように前記冷却管を密集して配置す
    ることにより前記抽出管の近くに形成された密集領域を
    有し、 該密集領域の外周から前記流入口に向かって長く伸び前
    記容器の側壁にほぼ平行で前記冷却管の直径よりも大き
    な幅を有する複数の流路を形成するように、前記冷却管
    が配置され、 前記管巣の外周と前記容器の側壁との距離が前記流路の
    幅よりも大きいことを特徴とする復水器。
  4. 【請求項4】請求項3において、容器幅に対する管巣幅
    の比が0.5〜0.8の範囲であることを特徴とする復水
    器。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4の何れかにおいて、前記抽
    出管は、前記第1の水室内で複数の細管に分岐している
    ことを特徴とする復水器。
  6. 【請求項6】請求項1乃至4の何れかにおいて、前記抽
    出管は、前記第1の水室を貫通後に熱交換器に接続され
    たことを特徴とする復水器。
  7. 【請求項7】請求項1乃至4の何れかにおいて、前記抽
    出管は、その内側に少なくとも1本の前記冷却管を含む
    ことを特徴とする復水器。
  8. 【請求項8】蒸気を用いて発電を行う蒸気タービンと、
    該蒸気タービンから排出された蒸気を凝縮する復水器
    と、を備えた発電プラントにおいて、 前記復水器として、請求項1乃至7の何れかの復水器を
    用いた発電プラント。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007113808A (ja) * 2005-10-19 2007-05-10 Hitachi Ltd 復水器
CN104390481A (zh) * 2014-10-29 2015-03-04 天津中能蓝天节能技术开发有限公司 供热与冷却混合式凝汽器

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