JPH11100292A - 結晶成長装置 - Google Patents

結晶成長装置

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JPH11100292A
JPH11100292A JP26130497A JP26130497A JPH11100292A JP H11100292 A JPH11100292 A JP H11100292A JP 26130497 A JP26130497 A JP 26130497A JP 26130497 A JP26130497 A JP 26130497A JP H11100292 A JPH11100292 A JP H11100292A
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JP
Japan
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pressure vessel
vessel
pressure
container
movable
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JP26130497A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Uehara
一浩 上原
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体封止チョクラルスキー法での結晶成長に
用いられる高圧単結晶成長装置において、圧力容器内に
高圧ガスを導入したときの軸力に抗する密閉状態の保持
と、圧力容器を開放する際の可動容器の昇降を許容する
状態との切換えが容易で、結晶成長操作における全体的
な作業性を向上し得る装置を提供する。 【解決手段】 圧力容器2を開閉すべく上下動される上
部容器5の昇降移動経路に干渉しない側方の退避位置か
ら、上部容器5が閉位置に位置するときに退避位置から
圧力容器2側に移動させることにより圧力容器2を上下
から挟み込んでこれを閉状態で保持する支持フレーム2
3を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧ガス雰囲気下
での例えば化合物単結晶などの結晶成長に用いられる結
晶成長装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種単結晶成長方法の中で、現在工業生
産で用いられている方法としてチョクラスキー法と呼ば
れる引上げ法がある。シリコン単結晶は、この方法によ
って大気圧雰囲気下で結晶成長が行われている。一方、
ガリウム砒素(GaAs)のような化合物半導体においては、
構成元素、例えばAsの蒸気圧が高く、GaAs多結晶からな
る原料を融解すると融液が分解・蒸発してしまうため、
融液表面を例えば酸化ホウ素(B2O3)などの液体封止材で
覆い、かつ、高圧ガス雰囲気下で結晶成長させる液体封
止チョクラルスキー法(LEC法)が用いられている。
【0003】この方法を実施するための装置の一例が、
特開平8-267879号公報に記載されている。その装置は、
図13に示すように、圧力容器51内に、原料を収容するル
ツボ52と、ルツボ52内の原料を加熱融解するヒータ53
と、これらを囲う断熱筒54とを設けて構成され、また、
圧力容器51の上壁を気密に貫通する結晶引上げ軸55と、
底壁を気密に貫通すると共にルツボ52を支持する下軸56
とが設けられている。
【0004】上記装置にて例えばGaAsの単結晶を成長さ
せる場合、GaAsの原料融液57が揮発しないように、その
表面をB2O3融液(液体封止材)58で覆い、かつ、圧力容
器51内にArなどの不活性ガスを導入して10気圧程度の高
圧ガス雰囲気にし、これによって、融液表面を加圧した
状態としてGaAs単結晶の結晶成長が行われる。なお、圧
力容器51は、通常、図示のように上部容器61と下部容器
62とに上下に分割され、上部容器61の下端と下部容器62
の上端との各フランジ部61a・62aを相互に当接させ
て、多数の締結ボルト(図示せず)によって緊締され
る。これに、内圧が上部容器61と下部容器62とを上下に
相互に離反させるように作用するときの押動力(以下、
軸力という)を担持させ、密閉状態を保持するようにな
っている。
【0005】結晶成長を終えると、上記した締結ボルト
を外し、上部容器61を上昇させて圧力容器51が開放され
る。そして、成長結晶やルツボ52の取り出し、ヒータ53
の点検などが行われ、次いで、新たな結晶成長のため
に、結晶引上げ軸55の下端部への種結晶59の取付けや、
ルツボ52内への原料投入などが行われる。その後、上部
容器61が下降され、締結ボルトによって各フランジ部61
a・62aを相互に緊締して圧力容器51が密閉状とされ、
新たな結晶成長操作が開始される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来装置においては、結晶成長操作の終了毎に圧力容
器51を開閉するに当たり、前記したフランジ部61a・62
aに沿う円周上に配列された多数の締結ボルトを着脱す
る作業を行わねばならず、その作業が煩雑で、例えば一
回の着脱作業に1時間程度を要するものとなり、このた
めに、全体的な作業性が著しく低下するという問題を生
じている。
【0007】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みな
されたもので、結晶成長操作を行うに当たっての全体的
な作業性を向上し得る結晶成長装置を提供することを目
的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の請求項1の結晶成長装置は、ルツボおよび
ルツボ内の原料を加熱溶融するヒータを内部に収容する
圧力容器と、圧力容器内に加圧ガスを供給するガス供給
手段と、圧力容器の上壁面を気密に貫通して下端部に種
結晶が装着される昇降自在な結晶引上げ軸とを備える結
晶成長装置において、上記圧力容器が、少なくとも一つ
の可動容器部品を含む複数の容器部品に上下に分割され
ると共に、上記可動容器部品を昇降させて圧力容器を開
閉する容器開閉駆動手段が設けられる一方、上記可動容
器部品の昇降移動経路に干渉しない側方の退避位置と、
可動容器部品が閉位置に位置するときに退避位置から圧
力容器側に移動させることにより圧力容器に係合して圧
力容器を閉状態で保持する係合位置との間を移動可能な
ロック部材が設けられていることを特徴とする。
【0009】上記構成によれば、圧力容器の開閉に当た
り、ロック部材を退避位置と係合位置との間で移動させ
るだけで、圧力容器の内部に高圧ガスを導入したときの
前記軸力に抗する密閉状態の保持と、圧力容器を開放す
る際の可動容器部品の昇降を許容する状態との切換えを
行うことができ、したがって、従来の締結ボルトによっ
て圧力容器の気密を保持する構成に比べ、結晶成長操作
における全体的な作業性が向上する。
【0010】請求項2の結晶成長装置は、上記ロック部
材が、結晶引上げ軸を挟んで両側に各々設けられて水平
方向に移動可能な一対のフレーム部材からなり、これら
フレーム部材には、係合位置において圧力容器の上面に
沿って位置する上部フレームと圧力容器の下面に沿って
位置する下部フレームとが設けられていることを特徴と
する。
【0011】すなわち、上記構成によれば、退避位置か
ら係合位置に位置させたときのフレーム部材で、圧力容
器の全体が上下から挟み込まれて軸力が担持される。こ
の場合、フレーム部材を圧力容器の外周縁から、より中
心側の位置に上部フレームと下部フレームとを位置させ
ることが可能であり、これによって、圧力容器の全体に
わたる気密性を安定して保持することができる。
【0012】つまり、例えば前記した従来装置における
圧力容器外周面に設けられているフランジ部61a・62a
の箇所を軸方向に挟み込むような構成では、圧力容器の
上壁面を厚くして強固にしていないと、この上壁面が内
圧によって変形し、これによって、この上壁面を結晶引
上げ軸が貫通する部位でのシール性が損なわれる恐れが
生じるが、上記構成では、圧力容器の上壁面と下面とが
フレーム部材によって直接的に挟み込まれる構成である
ので、上記のような上壁面の変形も極力抑えられ、これ
によって、圧力容器の全体にわたる気密性を安定して維
持することができる。
【0013】しかも、フレーム部材は結晶引上げ軸を挟
んで両側に設けられているので、軸力に抗する担持力も
圧力容器の全体にわたってより均等に作用することにな
り、これによっても全体的な気密性が安定して保持され
る。請求項3の結晶成長装置は、上記各フレーム部材
が、圧力容器の側方に設置されたフレーム支持部材に、
一側縁側を中心として水平方向に回動自在に各々軸支さ
れていることを特徴とする。
【0014】この場合、各フレーム部材は一側縁側を中
心として回動自在に軸支された構成であるので、退避位
置と係合位置との間を切換移動させるに際し、例えば平
行移動させる構成等に比べて、形状が大形になっても過
大な移動力を必要とせずに、例えば手動によっても簡単
に切換移動させることができ、したがって、これによっ
ても作業性が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態について、図
面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態
の結晶成長装置では、フロアーに固定されたベッド1の
上面中央に、圧力容器2が設けられている。この圧力容
器2は、ベッド1の上面に沿って固定された下蓋3と、
この下蓋3上に立設された円筒状の下部容器4と、この
下部容器4上に同軸状に載置された上部容器5との三部
品から構成されている。
【0016】下部容器4は、下蓋3の上面に形成された
円形凸状部を下端開口に嵌入させて、この下端開口が密
閉されている。この円形凸状部の嵌入部位は、Oリング
などのシール材6で気密にシールされている。上部容器
5は、その上端を覆う上壁と、この上壁の外周縁部から
垂下する円筒状の側壁とを有するキャップ状に形成され
ており、この側壁の下端面が当接する下部容器4の上端
面にも、これら各面(以下、合わせ面という)間の気密
性を保持するために、Oリングなどからなる開閉面シー
ル材7が装着されている。
【0017】前記ベッド1の中央下面には、後述するル
ツボ9を回転および昇降駆動するためのルツボ昇降装置
8が取付けられている。この昇降装置8は、ベッド1お
よび下蓋3に各々形成されている各中心穴を貫通して圧
力容器2内へと上方に延びるルツボ昇降軸8aを備えてい
る。このルツボ昇降軸8aの上端に、上面が開口したカッ
プ形状のルツボ9が取付けられている。なお、下蓋3の
中心穴には、気密性を保持してルツボ昇降軸8aの回転お
よび昇降動作を許容する下部シール部材11が嵌着されて
いる。
【0018】一方、圧力容器2の上方には、後述するス
ライドプレート20が配設されている。このスライドプレ
ート20の中央位置に引上げ装置12が取付けられており、
この装置12は、前記ルツボ昇降軸8aと同軸上の位置を下
方に延びる結晶引上げ軸12aを備えている。この引上げ
軸12aは、引上げ装置12によって回転および昇降駆動さ
れる。結晶引上げ軸12aの下端部は、上部容器5に形成
されている中心穴を貫通して圧力容器2内に位置し、こ
の貫通穴には、前記と同様に、気密性を保持して結晶引
上げ軸12aの回転および昇降動作を許容する上部シール
部材13が嵌着されている。
【0019】圧力容器2内には、下部容器4の上端面と
略同等の高さ位置から下側の領域に、ルツボ9を囲う環
状のヒータ14が複数段(図の場合には三段)設けられて
いる。また、これらヒータ14の外側を囲う略円筒状の下
部断熱材15が、下蓋3上への載置状態で配設されると共
に、この下部断熱材15上に、圧力容器2内の上方空間を
囲う略円筒状の上部断熱材16が載置されている。なお、
下部容器4の壁面には、図示してはいないが、圧力容器
2内を真空排気するための真空排気配管と、圧力容器2
内にArなどの不活性ガスを供給するためのガス供給配管
(ガス供給手段)とが接続されている。
【0020】前記ベッド1の両端側には、各々上方に延
びる棒状のタイロッド17・17が立設されている。これら
タイロッド17・17の各上端部間に、水平梁状のトッププ
ラテン18が架設され、このトッププラテン18に、一対の
油圧シリンダ等から成るスライドプレート昇降シリンダ
19・19が中心対称位置に各々設けられている。これらシ
リンダ19・19からそれぞれ下方に延びるシリンダロッド
19a・19aの下端部に、前記した引上げ装置12が中央に
設けられた水平梁状のスライドプレート20が取付けられ
ている。このスライドプレート20は、スライドプレート
昇降シリンダ19・19により、引上げ装置12と共に上下に
昇降される。なお、このスライドプレート20は、その両
端側を各々貫通する前記タイロッド17・17の案内によっ
て、水平状態を保持した状態で上記の昇降動作を生じる
ように構成されている。
【0021】トッププラテン18には、さらに一対の容器
開閉シリンダ(容器開閉駆動手段)21・21が、上記した
スライドプレート昇降シリンダ19・19よりも外側にそれ
ぞれ取付けられている。これら容器開閉シリンダー21・
21の各シリンダロッド21a・21aは、スライドプレート
20を貫通して下方に延び、各下端部は、前記圧力容器2
における上部容器5の側壁外周に設けられている突片部
5a・5aに、それぞれ連結されている。したがって、容器
開閉シリンダー21・21の作動によって、上部容器5は、
その下端面(合わせ面)が図示のように下部容器4の合
わせ面に当接した位置、すなわち、圧力容器2の閉位置
と、下部容器4から上方に離間した位置、すなわち、圧
力容器2の開位置との間を上下に昇降される。
【0022】前記ベッド1の側方フロアー上には、さら
にL字状のフレームサポート22が立設されている。この
フレームサポート22には、図2に示すように、ロック部
材としての一対の支持フレーム23・23が取付けられてい
る。これら支持フレーム23・23は、四角形の外周形状を
有する所定厚さの平板中央に、矩形状の容器挿通開口23
a・23aを設けて形成されている。
【0023】フレームサポート22には、その垂直壁22a
における上下左右の4箇所に、この垂直壁22aから突出
する突出片22b…が形成されている。一方、各支持フレ
ーム23・23における一側縁には、その上下端にこの側縁
からの突出形状で取付部23b…が各々形成されている。
これら取付部23b…を上記突出片22b…上に載置すると
共に、各突出片22b…の上面に設けられているピン状の
枢軸22c…を、各取付部23b…の上下貫通穴に嵌挿させ
た組立状態とすることにより、各支持フレーム23・23は
各々垂直に、かつ、上記枢軸22c…回りに水平に回動し
得るように軸支されている。
【0024】上記フレームサポート22における突出片22
b…の左右の間隔は、図3に示すように、前記ベッド1
の幅寸法Bよりもわずかに広く設定されている。一方、
前記圧力容器2は、その外径が上記幅寸法Bより大き
く、したがって、各支持フレーム23・23を、図中実線で
示すように圧力容器2から離れた位置(以下、この位置
を退避位置という)から、ベッド1側に各々回動させ
て、図中二点鎖線で示すように、ベッド1の側縁とほぼ
平行となる位置(以下、この位置を係合位置という)に
位置させたときには、これら支持フレーム23・23は、図
4に示すように、圧力容器2におけるベッド1の両側か
らはみ出す領域(以下、これら領域を側部領域という)
と各々交差する。
【0025】このように、各支持フレーム23・23を、上
記した側部領域と交差する係合位置へと各々回動させ得
るように、図5に示すように、前記容器挿通開口23a
は、支持フレーム23の回動動作に伴って側部領域が挿通
し得る形状に設定されている。そして、これら容器挿通
開口23aの上下方向の寸法、すなわち、図6に示すよう
に、支持フレーム23における容器挿通開口23aの上方に
水平に位置する上部フレーム23cと、下方に水平に位置
する下部フレーム23dとの間隔が、圧力容器2の高さ寸
法にほぼ合致するように設定されている。
【0026】次に、上記構成の装置を用いて、例えばGa
As単結晶を成長させる場合の操作手順について説明す
る。図7には、結晶成長の準備作業を行うときの装置状
態を示している。このとき、支持フレーム23は前記した
退避位置に位置すると共に、上部容器5は上方位置に位
置して圧力容器2は開放されている。また、スライドプ
レート20はその上限位置に位置し、これによって、結晶
引上げ軸12aは所定の高さに引上げられて保持されてい
る。一方、前記上部断熱材16は下部断熱材15上から取り
外されており、この状態でルツボ昇降軸8aを上限位置に
位置させることで、ルツボ9は、その上端開口が下部断
熱材15の上端面よりもやや上方に位置している。
【0027】この状態で、ルツボ9内にGaAs多結晶から
成る結晶成長用原料24が所定量投入され、その上に、B2
O3から成る液体封止材25が投入される。一方、結晶引上
げ軸12aの下端部には、GaAs単結晶より成る種結晶26が
取付けられる。その後、図8に示すように、ルツボ9を
ヒータ14で囲われる空間内へと下降させる操作が行わ
れ、また、下部断熱材15上に上部断熱材16がセットされ
る。
【0028】次いで、スライドプレート昇降シリンダ19
・19と容器開閉シリンダ21・21とが同時に作動され、ス
ライドプレート20と上部容器5とが下降される。これに
より、図9に示すように、結晶引上げ軸12aは、その下
端部の種結晶26がルツボ9の直上に位置するまで下降し
て保持される。同時に、上部容器5は下部容器4上に位
置するまで下降され、圧力容器2が密閉状とされる。
【0029】なお、上部容器5には、後述する真空排気
の過程でこれを下方に押圧する力が作用するので、この
段階での上部容器5は、その合わせ面が開閉面シール材
7に当接した状態、例えば、容器開閉シリンダ21・21に
よる下方への押動力を解除し、上部容器5が自重にて開
閉面シール材7上に載置され圧力容器2が密閉されてい
る状態とすれば良い。したがって、上部容器5を昇降さ
せる容器開閉シリンダ21・21としては、開閉面シール材
7にさらに弾性変形を生じさせて上部容器5の合わせ面
を下部容器4の合わせ面に密着させるまでの押動力は必
要でなく、したがって、上部容器5の自重に抗してこれ
を昇降し得る程度の小形・小出力のシリンダで構成する
ことができる。
【0030】上記のように上部容器5を下降させ、圧力
容器2を密閉状とした後、前記した真空排気配管を通し
て、圧力容器2内の真空排気が開始される。この真空排
気に伴い、外圧(大気圧)の作用によって、上部容器5
は下部容器4側に押し付けられる。これによって、上部
容器5は開閉面シール材7に弾性変形を生じさせながら
下部容器4側に移動し、上部容器5と下部容器4との合
わせ面が相互に完全に密着することになる。
【0031】このとき、圧力容器2全体の高さ寸法は最
小になり、この状態で、前述の図3に示したように、支
持フレーム23・23を退避位置から回動させる操作が行わ
れて、これら支持フレーム23・23が、図4〜図6に示し
た前記係合位置に移動され保持される。このとき、支持
フレーム23における容器挿通開口23aの高さ寸法は、上
記した圧力容器2の最小高さ寸法に対してはわずかに大
きく設定されており、したがって、このときの回動動作
においては、支持フレーム23における上部フレーム23c
と圧力容器2上面との間、および下部フレーム23dと圧
力容器2の下面との間に、それぞれわずかな隙間が形成
される。これにより、これら支持フレーム23の回動操作
をスムーズに行うことができる。
【0032】このように支持フレーム23・23をそれぞれ
係合位置に位置させた後、圧力容器2内に、前記ガス供
給配管を通してArガスが供給され、圧力容器2内が不活
性ガス雰囲気に置換されると共に、この雰囲気圧力が10
気圧程度の所定の圧力まで上昇されて保持される。この
内圧の上昇に伴い、上部容器5を下部容器4から上方に
離反させるような押動力(以下、軸力という)が生じ
る。これに伴い、上部容器5はわずかに上方に移動する
が、その上面がすぐに支持フレーム23の上部フレーム23
cに当接し、さらに、その後の上部容器5の上方への移
動に伴って支持フレーム23全体が、前記フレームサポー
ト22の各枢軸22c…に沿ってわずかに上昇し、下部フレ
ーム23dが圧力容器2の下面にも当接する状態となる。
【0033】すなわち、圧力容器2の高さ寸法はわずか
に大きくなるものの、その上下両面が上部フレーム23c
および下部フレーム23dに当接することで、上記軸力に
伴う上部容器5の移動が阻止される。そして、このよう
な上部容器5の移動に伴って下部容器4との合わせ面間
にわずかな隙間が生じても、この間に装着されている前
記開閉面シール材7は充分な弾性変形状態で維持される
ように、上部フレーム23cと下部フレーム23dとの間の
寸法が設定されている。この結果、圧力容器2内の雰囲
気圧力を上昇させても、このときの軸力は上記支持フレ
ーム23で担持され、圧力容器2内は所定の高圧圧力状態
で気密に保持される。
【0034】上記のように支持フレーム23を係合位置に
位置させ、圧力容器2内を所定圧力の不活性ガス雰囲気
として結晶成長の準備作業が終了する。その後、前記ヒ
ータ14への通電が開始され、ルツボ9内の結晶成長用原
料24および液体封止材25が加熱され、この加熱の過程
で、まず液体封止材25が融解し、続いて、結晶成長用原
料24が融解して原料融液が形成される。こうして原料融
液が形成された時点で、図10に示すように、前記スライ
ドプレート昇降シリンダ19・19の作動により、スライド
プレート20と共に結晶引上げ軸12aが下降され、この引
上げ軸12a下端部の種結晶26をルツボ9内の原料融液2
4’表面に接触させる種付け操作が行われる。
【0035】次いで、引上げ装置12とルツボ昇降装置8
とを作動し、結晶引上げ軸12aとルツボ9とをそれぞれ
回転させながら、結晶引上げ軸12aを所定の速度で上昇
させることで、前記図1に示すように、種結晶26に連な
るGaAs単結晶27を成長させる操作が行われる。原料融液
24’がなくなり、結晶成長が終了すると、ヒータ14への
通電が停止され、圧力容器2内の雰囲気ガスを排出して
常圧に復帰させる操作が行われる。このとき、圧力容器
2内のガスを完全に排気すべく一旦真空排気する際に、
それまで前記係合位置に位置していた支持フレーム23
が、前記とは逆に、退避位置へ回動される。そして、圧
力容器2内に不活性ガスを再度供給して大気圧に復帰し
た状態で、図11に示すように、スライドプレート20と上
部容器5とがそれぞれ上昇され、これにより、圧力容器
を開放した状態で、成長結晶27の取り出しが行われる。
【0036】その後、次回の結晶成長を行うために、上
部断熱材16を下部断熱材15上から取り外してヒータ14の
点検等が行われ、次いで、ルツボ9を交換して、これに
結晶成長用原料や液体封止材が新たに投入され、また、
結晶引上げ軸12の下端部に種結晶を取付ける作業が、前
記同様に繰返される。以上のように、本実施形態の結晶
成長装置においては、圧力容器2の側方に、圧力容器2
に係合してこれを閉状態で保持する係合位置と、退避位
置との間を移動可能な支持フレーム23が設けられている
ので、圧力容器2の内部に高圧ガスを導入したときの軸
力に抗する密閉状態の保持と、圧力容器2を開放する際
の上部容器5の昇降を許容する状態との切換えを、上記
支持フレーム23を移動させるだけで簡単に行うことがで
きる。したがって、前記した従来装置における締結ボル
トによって圧力容器の気密を保持する構成に比べ、結晶
成長操作における全体的な作業性が向上する。
【0037】また、上記の支持フレーム23によって、圧
力容器2の上壁面と下面とが直接的に挟み込まれる構成
であるので、内圧の上昇に伴う上壁面の変形が極力抑え
られる。このため、この上壁面を結晶引上げ軸12aが貫
通する部位でのシール性が損なわれることがなく、圧力
容器2の全体にわたる気密性を安定して維持することが
できる。また、支持フレーム23は、結晶引上げ軸12aを
挟んで両側に設けられているので、軸力に抗する担持力
も圧力容器2の全体にわたってより均等に作用すること
になり、これによっても全体的な気密性が安定して保持
される。
【0038】さらに、上記支持フレーム23は、一側縁側
を中心として水平方向に回動自在にフレームサポート22
に各々軸支されているので、退避位置と係合位置との間
を切換移動させるに際し、例えば平行移動させる構成等
に比べて、形状が大形になっても過大な移動力を必要と
せず、例えば手動によっても簡単に切換移動させること
ができ、これによっても作業性が向上する。
【0039】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能であ
る。例えば、上記実施形態では、圧力容器2を下蓋3と
下部容器4と上部容器5との三つの容器部品に分割し、
そのうち、圧力容器2の開閉のために上部容器5を可動
容器部品として上下に昇降させる構成としたが、例えば
図12に示すように、上部容器5を上端が開口した円筒状
に形成し、この上端開口を、別体の上壁部品5'で塞ぐ構
成等とすることも可能である。
【0040】この場合、結晶成長を終了した後には、ま
ず、トッププラテン18に設けた上壁昇降シリンダ31を作
動して上壁部品5'を上昇させると共に、スライドプレー
ト20も上昇させて、結晶引上げ軸12aを上限位置に位置
させる。このとき、前記実施形態では、図11に示すよう
に、成長結晶27の取り出しを容易に行うために、結晶引
上げ軸12aは、その下端を上部容器5における円筒状側
壁の下面とほぼ同等高さに位置させて保持することが必
要であるが、図12の構成では、上記の円筒状側壁で結晶
引上げ軸12aが囲われてはいないので、その分、この結
晶引上げ軸12aをさらに上昇させることが可能となる。
これにより、装置全体の形状を大形化することなく、よ
り長さの長い単結晶を成長させることができる。
【0041】そして、成長結晶を結晶引上げ軸12aから
取り外した後、容器昇降シリンダ21を作動して円筒状の
上部容器5を上昇させ、次いで上部断熱材16を取り外す
ことで、ヒータ14などのメンテナンスも前記同様に行う
ことができる。一方、前記実施形態においては、圧力容
器2内を真空排気することによって下部容器4と上部容
器5との各合わせ面を相互に密着させて圧力容器2の高
さ寸法を最小とし、この状態で支持フレーム23の回動操
作を行う構成としたが、例えば、より駆動力の大きな容
器開閉シリンダにて上記各合わせ面が相互に密着するま
で上部容器5を下降し、この状態で支持フレーム23を回
動させる構成とすることも可能である。
【0042】また、前記実施形態では、支持フレーム23
を手動にて回動させるように構成した例を挙げたが、フ
レームサポート22と各支持フレーム23との間に油圧シリ
ンダなどのアクチュエータを連結した構成とし、この操
作によって各支持フレーム23を回動させる構成とするこ
とも可能であり、これによって、さらに作業性が向上す
る。
【0043】さらに、本発明の請求項1および2の範囲
においては、支持フレーム23を回動させる構成に替え
て、支持フレーム23を圧力容器2の両側部でそれぞれ退
避位置と係合位置との間を平行に移動させる構成等とす
ることも可能であり、また、請求項1の範囲において
は、例えば圧力容器2における下部容器5と上部容器4
との各合わせ面近傍において径方向外方に突出させたフ
ランジ部を、上下から挟み込んで上下方向に係合するよ
うな断面コ字状のロック部材を用いて、これを退避位置
と係合位置との間で移動させる構成等とすることもでき
る。
【0044】また、上記では、GaAsの単結晶成長を例に
挙げたが、本発明は、高圧ガス雰囲気中で結晶成長を行
うその他の結晶を成長させる装置に適用することが可能
である。
【0045】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明の請求項1
の結晶成長装置においては、圧力容器を開閉する際の可
動容器部品の昇降移動経路に干渉しない側方の退避位置
と、退避位置からの移動により圧力容器に係合して圧力
容器を閉状態で保持する係合位置との間を移動可能なロ
ック部材が設けられている。これにより、このロック部
材を移動させるだけで、圧力容器の内部に高圧ガスを導
入したときの軸力に抗する密閉状態の保持と、圧力容器
を開放する際の可動容器部品の昇降を許容する状態との
切換えを行うことができ、したがって、従来の締結ボル
トによって圧力容器の気密を保持する構成に比べ、結晶
成長操作における全体的な作業性が向上する。
【0046】請求項2の結晶成長装置は、上記ロック部
材が、結晶引上げ軸を挟んで両側に各々設けられた一対
のフレーム部材からなり、これらフレーム部材に、係合
位置において圧力容器の上面に沿って位置する上部フレ
ームと圧力容器の下面に沿って位置する下部フレームと
が設けられている。すなわち、圧力容器の上壁面と下面
とがフレーム部材によって直接的に挟み込まれる構成で
あるので、内圧の上昇に伴う上壁面の変形が極力抑えら
れ、これによって、この上壁面を結晶引上げ軸が貫通す
る部位でのシール性が保持され、圧力容器の全体にわた
る気密性を安定して維持することができる。また、フレ
ーム部材は結晶引上げ軸を挟んで両側に設けられている
ので、軸力に抗する担持力も圧力容器の全体にわたって
より均等に作用し、これによっても全体的な気密性が安
定して保持される。
【0047】請求項3の結晶成長装置は、上記各フレー
ム部材が、圧力容器の側方に設置されたフレーム支持部
材に、一側縁側を中心として水平方向に回動自在に各々
軸支されている。この場合、退避位置と係合位置との間
を切換移動させるに際し、例えば平行移動させる構成等
に比べて、形状が大形になっても過大な移動力を必要と
せず、例えば手動によっても簡単に切換移動させること
ができ、これによっても作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における結晶成長装置の構
成を示す一部切欠正面図である。
【図2】上記装置に設けられている支持フレームおよび
フレームサポートを示す斜視図である。
【図3】上記装置における圧力容器と支持フレームおよ
びフレームサポートとの関係を示す平面図である。
【図4】上記装置の側面図である。
【図5】上記装置の斜視図である。
【図6】上記装置における支持フレームが係合位置に位
置するときの正面図である。
【図7】上記装置での結晶成長操作時における準備作業
を行うときの状態を示す一部切欠正面図である。
【図8】図7の状態に続く結晶成長操作時の状態を示す
一部切欠正面図である。
【図9】図8の状態に続いて圧力容器を閉にしたときの
状態を示す一部切欠正面図である。
【図10】上記装置での結晶成長操作時における種付け
状態を示す一部切欠正面図である。
【図11】上記装置での結晶成長操作終了後に圧力容器
を開にした状態を示す一部切欠正面図である。
【図12】本発明の他の実施形態における結晶成長装置
の構成を示す一部切欠正面図である。
【図13】従来の結晶成長装置の構成を示す縦断面図で
ある。
【符号の説明】
2 圧力容器 3 下蓋(容器部品) 4 下部容器(容器部品) 5 上部容器(可動容器部品) 9 ルツボ 12a 結晶引上げ軸 14 ヒータ 21 容器開閉シリンダ(容器開閉駆動手段) 22 フレームサポート(フレーム支持部材) 23 支持フレーム(ロック部材、フレーム部材) 23c 上部フレーム 23d 下部フレーム 24 結晶成長用原料 26 種結晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/208 H01L 21/208 P

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ルツボおよびルツボ内の原料を加熱溶融
    するヒータを内部に収容する圧力容器と、 圧力容器内に加圧ガスを供給するガス供給手段と、 圧力容器の上壁面を気密に貫通して下端部に種結晶が装
    着される昇降自在な結晶引上げ軸とを備える結晶成長装
    置において、 上記圧力容器が、少なくとも一つの可動容器部品を含む
    複数の容器部品に上下に分割されると共に、上記可動容
    器部品を昇降させて圧力容器を開閉する容器開閉駆動手
    段が設けられる一方、 上記可動容器部品の昇降移動経路に干渉しない側方の退
    避位置と、可動容器部品が閉位置に位置するときに退避
    位置から圧力容器側に移動させることにより圧力容器に
    係合して圧力容器を閉状態で保持する係合位置との間を
    移動可能なロック部材が設けられていることを特徴とす
    る結晶成長装置。
  2. 【請求項2】 上記ロック部材が、結晶引上げ軸を挟ん
    で両側に各々設けられて水平方向に移動可能な一対のフ
    レーム部材からなり、これらフレーム部材には、係合位
    置において圧力容器の上面に沿って位置する上部フレー
    ムと圧力容器の下面に沿って位置する下部フレームとが
    設けられていることを特徴とする請求項1記載の結晶成
    長装置。
  3. 【請求項3】 上記各フレーム部材が、圧力容器の側方
    に設置されたフレーム支持部材に、一側縁側を中心とし
    て水平方向に回動自在に各々軸支されていることを特徴
    とする請求項2記載の結晶成長装置。
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