JPH11100021A - プラスチック製ダンボール箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓋の突き合わせ部分からの異物の侵入を防止
するとともに上方向に複数積み重ねが容易なプラスチッ
ク製ダンボール箱を提供する。 【解決手段】 第１の上蓋１の先端部１ａと第２の上蓋
２の先端部２ａとを閉めた状態で重なり部分を有するよ
うに形成する。また、第１および第２の上蓋１および２
のうち少なくとも一方を、重なり部分の厚みがその他の
部分の厚みより薄くなるように形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、プラスチック製
ダンボール箱に関し、より特定的には、物品を収納して
搬送するためのプラスチック製ダンボール箱に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、工場間の部品などの物品の搬送用
として、紙製の段ボール箱またはプラスチック容器が主
として使用されている。しかし、この紙製段ボール箱
は、水に弱いという欠点があり、また、プラスチック容
器は水には強いがその重量が重く、持ち運びに不便であ
るという欠点があった。そこで、近年、耐水性に優れか
つ持ち運びにも便利な軽量のプラスチック製段ボール箱
が開発されている。

【０００３】このようなプラスチック製の段ボール箱
は、紙製の段ボール箱とは異なり、繰返し使用可能であ
る。そのため、従来では、プラスチック段ボール箱の蓋
を閉めて固定する際には、繰返し使用が容易なように、
通常の粘着テープによる貼付の代わりに面ファスナ（登
録商標マジックテープ）が使用されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような利点を有するプラスチック製の段ボール箱では、
面ファスナによって蓋を閉じた状態を固定するように構
成されているため、両開きの蓋を閉じた際に、その蓋の
突き合わせ部分に空間ができるという不都合が生じる。
このように蓋の突き合わせ部分に隙間が発生すると、そ
の隙間から埃などの異物が箱内に侵入し、その異物が箱
内の部品の品質を低下させるなどの問題点があった。

【０００５】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたものであり、この発明の１つの目的は、
蓋の突き合わせ部分から埃などの異物が侵入するのを有
効に防止し得るプラスチック製ダンボール箱を提供する
ことである。

【０００６】この発明のもう１つの目的は、防塵構造を
有しかつ突き合わせ部分の段差を低減し得るプラスチッ
ク製ダンボール箱を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１におけるプラス
チック製ダンボール箱は、物品を収納して搬送するため
のプラスチック製ダンボール箱であって、第１の上蓋と
第２の上蓋とを備えている。第１の上蓋は、第１の辺に
沿って開閉自在に設けられており、第２の上蓋は第１の
上蓋に対応して第２の辺に沿って開閉自在に設けられて
いる。第１の上蓋の先端部と第２の上蓋の先端部とは閉
めた状態で重なり部分を有するように形成されている。
また、第１および第２の上蓋のうち少なくとも一方は、
重なり部分の厚みがその他の部分の厚みより薄くなるよ
うに形成されている。請求項１に記載の発明では、この
ように、第１の上蓋の先端部と第２の上蓋の先端部とを
閉めた状態で重なり部分を有するように構成することに
よって、従来のように第１の上蓋と第２の上蓋との突き
合わせ部分に隙間が発生するのが防止される。これによ
り、第１の上蓋と第２の上蓋との突き合わせ部分から埃
などの異物が侵入して搬送される物品の品質が低下する
という不都合を解消することができる。また、請求項１
のプラスチック製ダンボール箱では、第１および第２の
上蓋のうち少なくとも一方を、重なり部分の厚みがその
他の部分の厚みより薄くなるように形成することによっ
て、第１の上蓋と第２の上蓋とを閉じた場合にその突き
合わせ部分（重なり部分）において発生する段差の高さ
が軽減される。これにより、そのようなプラスチック製
ダンボール箱を上方に複数積み重ねて搬送する場合に、
その重ね合せ部分の段差によって積重ね作業が困難にな
るという不都合をより緩和することができる。

【０００８】請求項２は、請求項１の構成において、第
３の上蓋と、第４の上蓋と、第１の面ファスナと、第２
の面ファスナと、第３の面ファスナと、第４の面ファス
ナとをさらに備えるように構成する。第３の上蓋は、第
３の辺に沿って開閉自在に設けられており、第４の上蓋
は、第３の上蓋に対応して第４の辺に沿って開閉自在に
設けられている。第１の面ファスナは第１の上蓋の下面
に配置されており、第２の面ファスナは第２の上蓋の下
面に配置されている。また、第３の面ファスナは第３の
上蓋の上面の、第１の面ファスナに対応する位置に配置
されている。第４の面ファスナは、第４の上蓋の上面
の、第２の面ファスナに対応する位置に配置されてい
る。そして、第１、第２、第３および第４の面ファスナ
は、平面的にみて、第１および第２の上蓋の重なり部分
以外の位置に配置されている。請求項２では、このよう
に第１〜第４の面ファスナを重なり部分以外の位置に配
置することによって、重なり部分において第１の上蓋の
上面と第２の上蓋の下面とに面ファスナを配置してそれ
により第１および第２の上蓋を固定する場合に比べて、
重なり部分における段差をより低減することが可能とな
る。これにより、搬送する際に複数のプラスチック製ダ
ンボール箱を上方に積み重ねることがより容易になる。

【０００９】請求項３は、上記請求項１または２の構成
において、上記第１の上蓋の先端部はその下面が所定の
厚み分除去された第１の薄肉部を含み、上記第２の上蓋
の先端部はその上面が所定の厚み分除去された第２の薄
肉部を含むように構成する。そして、その第１の薄肉部
と第２の薄肉部との合計の厚みは、第１および第２の上
蓋のそれぞれの重なり部分以外の厚みとほぼ等しくなる
ように構成する。このように構成することによって、第
１および第２の上蓋を閉じた場合に第１の上蓋の上面と
第２の上蓋の上面とがほぼ同一平面上になり、これによ
り、重なり部分の段差をほぼなくすことができる。その
結果、複数のプラスチック製ダンボール箱を容易に上方
向に積み重ねることが可能となる。

【００１０】請求項４は、請求項１または２の構成にお
いて、第１の上蓋の先端部の下面を一定の角度の第１の
傾斜面を有するように構成し、第２の上蓋の先端部の上
面を第１の傾斜面とほぼ同じ角度の第２の傾斜面を有す
るように構成する。そして、重なり部分において第１の
傾斜面と第２の傾斜面とが突き合わされている。これに
より、重ね合わせ部分において容易に防塵構造を達成す
ることができるとともに、重なり部分の段差をほぼなく
すことができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。

【００１２】（実施の形態１）図１は、本発明の実施の
形態１によるプラスチック製段ボール箱の開いた状態を
示した斜視図であり、図２は閉じた状態を示した斜視図
である。また、図３は、閉じた状態を上から見た平面図
である。図４は、図１のＡ部分の拡大図である。また、
図５は、本発明の実施の形態１による第１の上蓋と第２
の上蓋との重なり部分を示した正面図である。

【００１３】図１〜図５を参照して、本発明の実施の形
態１によるプラスチック製段ボール箱では、第１の上蓋
１の先端部分１ａと第２の上蓋２の先端部分２ａとに、
第１の上蓋１と第２の上蓋２とが閉じた場合に重なり部
分を有するように形成する。これにより、図２および図
４に示すように、第１の上蓋１と第２の上蓋２とを閉じ
た場合に、第１の上蓋１と第２の上蓋２との突き合わせ
部分に隙間が発生するのを有効に防止することができ
る。その結果、その隙間から塵などの異物が侵入してプ
ラスチック製段ボール箱内の部品などの品質が低下する
のを有効に防止することができる。

【００１４】また、実施の形態１によるプラスチック製
段ボール箱では、第１の上蓋１の先端部（重なり部分）
１ａの厚みをそれ以外の部分の厚みよりも薄くなるよう
に構成している。これにより、第１の上蓋１の先端部分
１ａの厚みが他の部分と同じ場合に比べて、重なり部分
における段差を軽減することができる。その結果、複数
のプラスチック製段ボール箱を上方向に積み重ねる場合
に、重ね合わせ部分によって積み重ね作業が困難になる
という不都合をより緩和することができる。

【００１５】なお、厚みの薄い先端部１ａは、熱圧着に
よってリブの段目を押しつぶすことによって容易に形成
することができる。

【００１６】また、実施の形態１によるプラスチック製
段ボール箱では、図１および図３に示すように、第１の
上蓋１の下面に配置された面ファスナ５および６と、第
２の上蓋２の下面に配置された面ファスナ７および８
と、第３の上蓋３の上面に、面ファスナ５および７にそ
れぞれ対応して配置された面ファスナ９および１０と、
第４の上蓋４の上面に、面ファスナ６および８にそれぞ
れ対応して配置された面ファスナ１１および１２とによ
って、第１の上蓋１および第２の上蓋２の閉じた状態が
固定される。このように面ファスナ５〜１２を用いるこ
とによって、従来のテープで第１の上蓋１と第２の上蓋
２との突き合わせ部分を貼付していた場合に比べて、繰
返し使用することができるとともに、ワンタッチで開閉
が可能となる。また、面ファスナ５〜８を、第１の上蓋
１と第２の上蓋２との重なり部分には配置しないことに
よって、重なり部分において第１の上蓋１の下面と第２
の上蓋２の上面とに面ファスナを設けた場合に比べて、
重なり部分における段差を軽減することができる。これ
により、複数のプラスチック製段ボール箱の上方向への
積み重ね作業がより容易になる。

【００１７】なお、図６は図１に示した実施の形態１に
よるプラスチック製段ボール箱のＢ部分の拡大図であ
り、図７は図６の第２の上蓋２を閉じた状態を示した斜
視図である。図６および図７を参照して、第２の上蓋２
の折曲げ部分にＶ字状の溝を形成することによって、上
蓋２の折曲げ部分が図８に示すように２７０°しか回動
せず、上からの力を受けることが可能となる。また、第
１の上蓋１、第３の上蓋３および第４の上蓋４にも同様
にＶ字状の溝５０を形成しているので、第３の上蓋３お
よび第４の上蓋４も２７０°しか動かず、面ファスナ９
〜１２に、面ファスナ５〜８を貼り合わせる際の貼り合
わせ作業をより容易に行なうことができる。

【００１８】（実施の形態２）図８は、本発明の実施の
形態２による第１の上蓋と第２の上蓋との重ね合わせ部
分の構造を示した正面図である。図８を参照して、この
実施の形態２では、第１の上蓋２１の先端部２１ａと第
２の上蓋２２の先端部２２ａとの両方の厚みを薄くして
いる。より詳細には、先端部２１ａと先端部２２ａとの
厚みの合計が、第１の上蓋２１および第２の上蓋２２の
それぞれの厚みとほぼ等しくなるように形成する。これ
により、第１の上蓋２１と第２の上蓋２２とを閉じた場
合に、第１の上蓋２１の上面と第２の上蓋２２の上面と
がほぼ同一平面上に位置することになる。その結果、プ
ラスチック製段ボール箱の上面が全体的にフラットな状
態となり、それにより、実施の形態１に比べてプラスチ
ック製段ボール箱を上方に積み重ねる場合の安定性をよ
り向上させることができる。

【００１９】（実施の形態３）図９は、本発明の実施の
形態３による第１の上蓋と第２の上蓋との重ね合わせ部
分の構造を示した正面図である。図９を参照して、この
実施の形態３では、第１の上蓋３１の先端部３１ａの下
面を所定の角度傾斜した傾斜面を有するように構成する
とともに、第２の上蓋３２の先端部３２ａの上面を先端
部３１ａの傾斜面に対応する傾斜面を有するように構成
する。これにより、第１の上蓋３１と第２の上蓋３２と
を閉じた場合に、第１の上蓋３１と第２の上蓋３２との
上面をほぼフラットな形状にすることができる。その結
果、図８に示した実施の形態２と同様、複数のプラスチ
ック製段ボール箱を上方に積み重ねる場合、積み重ねた
プラスチック製段ボール箱の安定性をより向上させるこ
とができる。

【００２０】なお、今回開示された実施の形態はすべて
の点で例示であって制限的なものではないと考えられる
べきである。本発明の範囲は上記した実施の形態の説明
ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許
請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更
が含まれる。たとえば、上記実施の形態ではプラスチッ
ク製段ボール箱を例にとって説明したが、本発明はこれ
に限らず、プラスチック製段ボール箱以外の樹脂製の箱
にも同様に適用可能である。

【００２１】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、第１の
上蓋と第２の上蓋との突き合わせ部分において隙間が発
生するのを防止することができるとともに、その重なり
部分において段差を低減することができる。その結果、
搬送される部品などの品質の低下を防止でき、かつ、複
数のプラスチック製ダンボール箱を上方向に容易に積み
重ねて搬送することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１によるプラスチック製段
ボール箱の開いた状態を示した斜視図である。

【図２】本発明の実施の形態１によるプラスチック製段
ボール箱の閉じた状態を示した斜視図である。

【図３】図２に示した閉じた状態のプラスチック製ダン
ボール箱の平面図である。

【図４】図１に示したＡ部分の拡大図である。

【図５】本発明の実施の形態１によるプラスチック製ダ
ンボール箱の重なり部分の構造を示した正面図である。

【図６】本発明のプラスチック製ダンボール箱の上蓋の
折曲げ部分の構造を示した斜視図である。

【図７】図６に示した上蓋を折曲げた状態を示した斜視
図である。

【図８】本発明の実施の形態２によるプラスチック製ダ
ンボール箱の重なり部分の構造を示した正面図である。

【図９】本発明の実施の形態３によるプラスチック製ダ
ンボール箱の重なり部分の構造を示した正面図である。

【符号の説明】

１：第１の上蓋 １ａ：先端部 ２：第２の上蓋 ２ａ：先端部 ３：第３の上蓋 ４：第４の上蓋 ５〜１２：面ファスナ ２１：第１の上蓋 ２２：第２の上蓋 ２１ａ：先端部分 ２２ａ：先端部分 ３１：第１の上蓋 ３１ａ：先端部分 ３２：第２の上蓋 ３２ａ：先端部分

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 物品を収納して搬送するためのプラスチ
   ック製ダンボール箱であって、 第１の辺に沿って開閉自在に設けられた第１の上蓋と、 前記第１の上蓋に対応して第２の辺に沿って開閉自在に
   設けられた第２の上蓋とを備え、 前記第１の上蓋の先端部と前記第２の上蓋の先端部とは
   閉めた状態で重なり部分を有するように形成されてお
   り、 前記第１および第２の上蓋のうち少なくとも一方は、前
   記重なり部分の厚みがその他の部分の厚みより薄くなる
   ように形成されている、プラスチック製ダンボール箱。
2. 【請求項２】 第３の辺に沿って開閉自在に設けられた
   第３の上蓋と、 前記第３の上蓋に対応して第４の辺に沿って開閉自在に
   設けられた第４の上蓋と、 前記第１の上蓋の下面に配置された第１の面ファスナ
   と、 前記第２の上蓋の下面に配置された第２の面ファスナ
   と、 前記第３の上蓋の上面の、前記第１の面ファスナに対応
   する位置に配置された第３の面ファスナと、 前記第４の上蓋の上面の、前記第２の面ファスナに対応
   する位置に配置された第４の面ファスナとをさらに備
   え、 前記第１、第２、第３および第４の面ファスナは、平面
   的にみて、前記第１および第２の上蓋の重なり部分以外
   の位置に配置されている、請求項１に記載のプラスチッ
   ク製ダンボール箱。
3. 【請求項３】 前記第１の上蓋の先端部は、その下面が
   所定の厚み分除去された第１の薄肉部を含み、 前記第２の上蓋の先端部は、その上面が所定の厚み分除
   去された第２の薄肉部を含み、 前記第１の薄肉部と前記第２の薄肉部との合計の厚み
   は、前記第１および第２の上蓋のそれぞれの前記第１お
   よび第２の薄肉部以外の厚みとほぼ等しい、請求項１ま
   たは２に記載のプラスチック製ダンボール箱。
4. 【請求項４】 前記第１の上蓋の先端部の下面は一定の
   角度の第１の傾斜面を有し、 前記第２の上蓋の先端部の上面は、前記第１の傾斜面と
   ほぼ同じ角度の第２の傾斜面を有し、 前記重なり部分において前記第１の傾斜面と前記第２の
   傾斜面とが突き合わされる、請求項１または２に記載の
   プラスチック製ダンボール箱。