JPH1099340A - 医療用処置具 - Google Patents

医療用処置具

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JPH1099340A
JPH1099340A JP8254839A JP25483996A JPH1099340A JP H1099340 A JPH1099340 A JP H1099340A JP 8254839 A JP8254839 A JP 8254839A JP 25483996 A JP25483996 A JP 25483996A JP H1099340 A JPH1099340 A JP H1099340A
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JP
Japan
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shaft
sheath
pressing member
handle
superelastic
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Ryuta Sekine
竜太 関根
Hideyuki Adachi
英之 安達
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、柔らかい生体組織を把持・固定する
ために十分な把持力量を得ることができ、処置部の操作
力量が大きくても確実に処置部の開閉が可能な医療用処
置具を提供することを最も主要な特徴とする。 【解決手段】超弾性部材によって操作軸19を形成し、
シース5内に、操作軸19と略平行に、且つシース5の
軸心に沿って前後動自在に配置され、操作ハンドル4の
開操作時に操作軸19が撓んだ際に処置部3に押し当て
られて処置部3を開操作する押し当て部材31を設けた
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば生体組織を
把持する等の処置部を備えた医療用処置具に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば把持鉗子等の医療用処置
具には中空管状のシースを備えた挿入部の先端側に処置
部が設けられている。この処置部には開閉自在な一対の
把持部材が設けられている。さらに、挿入部の基端側に
は操作ハンドルが配設されている。
【0003】また、シース内には操作軸がその軸心に沿
って前後動自在に設けられている。この操作軸の一端部
は操作ハンドル、他端部は処置部にそれぞれ連結されて
いる。ここで、処置部と操作軸との連結部には処置部の
把持部材間を開閉操作するリンク機構等の開閉駆動機構
が配設されている。そして、操作ハンドルの操作にとも
ないこの操作ハンドルの操作力を操作軸を介して処置部
の開閉駆動機構に伝達し、この開閉駆動機構によって処
置部の把持部材間を開閉操作するようになっている。
【0004】また、この種の医療用処置具として特開平
7−265326号公報には、操作軸に擬弾性、または
超弾性を示す形状記憶合金を用いた構成の把持鉗子が示
されている。この把持鉗子では操作ハンドルの操作力が
必要以上に大きくなった場合に操作軸に弾性体的な動作
をさせることによって処置部を開閉操作する操作力量の
規制を行うようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平7−26532
6号公報の把持鉗子では、把持力量(処置部の操作力
量)の最大値が操作軸を構成する弾性体の弾性率に比例
する。そのため、例えば肺等の柔らかい生体組織を把持
する場合には、より弾性率の小さい、伸び易い操作軸が
必要となる。
【0006】また、操作軸の弾性率を小さくするために
は、操作軸を構成する弾性体のヤング率を小さくする、
または操作軸の断面積を小さくする必要がある。ここ
で、弾性体として形状記憶合金を操作軸に用いる場合に
は、操作軸のヤング率を大きく変える事は困難である。
そのため、この場合には操作軸の細径化が必要となる。
そして、操作軸を細径にする事により、処置部の把持部
材間の最大把持力量を下げる事は可能である。
【0007】ところで、上記従来構成のものにあっては
把持鉗子の使用中、汚れ等により、処置部の開閉駆動機
構のリンク機構の摺動性が低下し、把持部材間を開操作
する際の把持鉗子の操作力量が増加する場合がある。ま
た、癒着した生体組織間に把持鉗子の処置部の一対の把
持部材を挿入した状態で、把持部材間の開閉動作を行う
ことにより、癒着組織の剥離を行う手技等を行う場合に
も把持部材間を開操作する際の把持鉗子の操作力量が大
きくなる。
【0008】しかしながら、操作軸を細径にした場合に
は操作軸が撓み易くなるので、把持部材間を開閉操作す
る操作力量が大きくなった場合に、把持部材間を開操作
する際に細径の操作軸を押し出し操作しても操作軸がた
わんでしまい把持部材間を開操作することが出来なくな
るおそれがある。
【0009】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的は、柔らかい生体組織を把持・固定するた
めに十分な把持力量を得ることができるとともに、処置
部の操作力量が大きくても確実に処置部の開閉が可能な
医療用処置具を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、中空管状のシ
ースを備えた挿入部と、この挿入部の先端側に開閉自在
に設けられた処置部と、前記挿入部の基端側に配設され
た操作ハンドルと、前記シース内にその軸心に沿って前
後動自在に設けられ、且つ一端部が前記操作ハンドル、
他端部が前記処置部にそれぞれ連結され、前記操作ハン
ドルの操作力を前記処置部に伝達し、前記操作ハンドル
の操作にともない前記処置部を開閉操作する操作軸とを
備えた医療用処置具において、室温下で擬弾性または超
弾性を示す超弾性部材によって前記操作軸の少なくとも
一部を形成するとともに、前記シース内に、前記操作軸
と略平行に、且つ前記シースの軸心に沿って前後動自在
に配置され、前記操作ハンドルの開操作時に前記操作軸
が撓んだ際に前記処置部に押し当てられて前記処置部を
開操作する押し当て部材を設けたことを特徴とする医療
用処置具である。上記構成により、操作ハンドルの開操
作時に操作軸を押し出し操作した際に操作軸が撓んだ場
合には押し当て部材を処置部に押し当てることにより、
処置部を開操作することができるようにしたものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を図1乃至図4を参照して説明する。図1は本実施の形
態の医療用処置具である把持鉗子1の概略構成を示すも
のである。本実施の形態の把持鉗子1には図示しないト
ラカール等を通して体腔内に挿入される挿入部2が設け
られている。この挿入部2の先端部には処置部3が配設
されている。さらに、挿入部2の基端部には処置部3を
操作する操作ハンドル4が配設されている。
【0012】また、挿入部2には、図2(A),(B)
に示すように細長い中空管状のシース5が設けられてい
る。このシース5には例えばステンレス鋼等の金属材料
からなるシース本体6aの外周面側に高分子材料等の絶
縁材料からなる被覆チューブ6bが設けられている。
【0013】また、処置部3には体腔内の臓器(例えば
胆嚢等)を把持する一対の把持部材7,8が設けられて
いる。ここで、シース5の先端部には把持部材7,8を
保持する保持部9が設けられている。この保持部9には
図3に示すように離間対向配置された一対の保持アーム
9a,9bが設けられている。そして、図3および図4
に示すように保持アーム9a,9bの先端部間に設けら
れた支持軸10に把持部材7,8がそれぞれ回動自在に
支持されている。
【0014】また、操作ハンドル4には固定ハンドル1
1と可動ハンドル12とが設けられている。ここで、固
定ハンドル11および可動ハンドル12の基端部(下端
部)側にはリング状の指掛け部11a,12aがそれぞ
れ設けられている。
【0015】さらに、固定ハンドル11の先端部(上端
部)側には挿入部取付け部13が設けられている。この
挿入部取付け部13には挿入部2のシース5の基端部が
取付けられる挿入部取付け穴13aと、この挿入部取付
け穴13aに連通された操作軸挿通孔13bとが形成さ
れている。そして、挿入部2のシース5の基端部はこの
挿入部取付け穴13aに挿入された状態で固定ネジ14
により固定ハンドル11の挿入部取付け部13に固定さ
れている。なお、操作軸挿通孔13bは挿入部取付け部
13の壁部を貫通し、この挿入部取付け部13の後面に
開口されている。
【0016】また、固定ハンドル11には挿入部取付け
部13と指掛け部11aとの間の適宜の位置に可動ハン
ドル支持部15が設けられている。この支持部15には
支軸16を介して可動ハンドル12が回動自在に連結さ
れている。
【0017】また、可動ハンドル12の先端部(上端
部)側には操作軸取付け部17が設けられている。この
操作軸取付け部17には図2(A)に示すように操作軸
取付け溝18が形成されている。この操作軸取付け溝1
8には図2(C)に示すように溝幅が大きい広幅部18
aと、この広幅部18aよりも溝幅が小さい狭幅部18
bとが設けられている。そして、操作軸取付け溝18の
狭幅部18bは操作軸取付け部17の前面(先端部)側
に配置され、この狭幅部18bの奥に広幅部18aが配
置されている。
【0018】また、シース5内には処置部3の操作軸1
9がその軸心に沿って前後動自在に設けられている。こ
の操作軸19は室温下で擬弾性または超弾性を示す例え
ばNi−Ti系の形状記憶合金等の超弾性合金からなる
細径の棒状部材(超弾性部材)によって構成されてい
る。
【0019】さらに、操作軸19の基端部側は、ロウ付
け等の固定方法により後端連結部材20の前端部に固定
されている。この後端連結部材20の後端部には略球状
の連結ボール21が形成されている。そして、この後端
連結部材20は固定ハンドル11の操作軸挿通孔13b
を通して固定ハンドル11の後方側に延出されている。
さらに、この後端連結部材20の連結ボール21は図2
(C)に示すように可動ハンドル12の操作軸取付け溝
18の広幅部18aに係合されている。そして、操作軸
19は可動ハンドル12の操作軸取付け溝18に後端連
結部材20の連結ボール21を中心に揺動自在に保持さ
れている。
【0020】また、操作軸19の先端部は、ロウ付け等
の固定手段によりリンク連結部材22の後端部に固定さ
れている。このリンク連結部材22の前端部には操作軸
19の進退動作を処置部3の一対の把持部材7,8の開
閉動作に変換するパンタグラフ式のリンク機構23が配
設されている。
【0021】このリンク機構23には図3および図4に
示すように一対の把持部材7,8の基端部にそれぞれ支
持軸10の後方に向けて延出された一対の後方延出部2
4,25と、一対のリンク26,27とが設けられてい
る。
【0022】ここで、図4中で上側に配置された把持部
材7の後方延出部24は支持軸10の下方に延出されて
いる。そして、この後方延出部24の後端部には一方の
リンク26の前端部が連結ピン28を介して回動自在に
連結されている。また、図4中で下側に配置された把持
部材8の後方延出部25は支持軸10の上方に延出され
ている。そして、この後方延出部25の後端部には他方
のリンク27の前端部が連結ピン29を介して回動自在
に連結されている。さらに、一対のリンク26,27の
後端部はリンク連結部材22の前端部に連結ピン30を
介してそれぞれ回動自在に連結されている。
【0023】そして、操作ハンドル4の固定ハンドル1
1に対して可動ハンドル12が支軸16を中心に時計回
り方向に回動される可動ハンドル12の閉操作時にはこ
のときの可動ハンドル12の回動動作にともない操作軸
19を介してリンク機構23の連結ピン30が図2
(A)中で、右側に引っ張り操作されるようになってい
る。さらに、このときの連結ピン30の移動動作にとも
ないリンク機構23が変形動作し、このリンク機構23
の変形動作によって処置部3の一対の把持部材7,8が
支持軸10を中心に閉方向に回動駆動されるようになっ
ている。また、操作ハンドル4の固定ハンドル11に対
して可動ハンドル12が支軸16を中心に反時計回り方
向に回動される可動ハンドル12の開操作時にはこのと
きの可動ハンドル12の回動動作にともない操作軸19
を介してリンク機構23の連結ピン30が図2(A)中
で、左側に押出し操作されるようになっている。さら
に、このときの連結ピン30の移動動作にともないリン
ク機構23が変形動作し、このリンク機構23の変形動
作によって処置部3の一対の把持部材7,8が支持軸1
0を中心に開方向に回動駆動されるようになっている。
【0024】また、操作軸19の長さは、操作ハンドル
4の可動ハンドル12を閉じ、かつ処置部3の一対の把
持部材7,8が完全に閉じた状態で、この操作軸19を
弾性的に伸長させた際の歪みが約2〜10%以下程度と
なる長さに設定されている。
【0025】また、シース5内には図2(A),(B)
に示すように操作軸19の周囲にSUS等の剛性体から
なるパイプ状の押し当て部材31が配設されている。こ
の押し当て部材31は操作軸19と略平行に、且つシー
ス5の軸心に沿って前後動自在に配置されている。
【0026】また、この押し当て部材31の外径寸法は
操作軸19の前後の連結部材22,20の外径寸法(後
端連結部材20の前端部の外径寸法およびリンク連結部
材22の後端部の外径寸法)より細径に設定されてい
る。さらに、この押し当て部材31の内径寸法は操作軸
19の外径寸法より太径に設定されている。
【0027】そして、操作ハンドル4の可動ハンドル1
2の開操作時には操作軸19が撓んだ際にこの押し当て
部材31が処置部3のリンク連結部材22に押し当てら
れて処置部3の一対の把持部材7,8を開操作するよう
になっている。
【0028】次に、上記構成の本実施の形態の把持鉗子
1の作用を説明する。本実施の形態の把持鉗子1では操
作ハンドル4の可動ハンドル12が開状態で保持されて
いる場合には、処置部3の把持部材7,8は開状態で保
持される。
【0029】そして、可動ハンドル12の閉操作時には
操作ハンドル4の固定ハンドル11に対して可動ハンド
ル12が支軸16を中心に時計回り方向に回動される。
このときの可動ハンドル12の回動動作にともない操作
軸19が図2(A)中で右方向に引っ張られ、この操作
軸19を介してリンク機構23の連結ピン30が図2
(A)中で、右側に引っ張り操作される。
【0030】さらに、このときの連結ピン30の右移動
動作にともないリンク機構23が変形動作し、このリン
ク機構23の変形動作によって処置部3の一対の把持部
材7,8が支持軸10を中心に閉方向に回動駆動されて
一対の把持部材7,8により体内臓器等の生体組織の把
持が行われる。
【0031】また、操作ハンドル4の閉操作時に過大な
操作力が可動ハンドル12に加えられた場合には操作軸
19の超弾性合金が弾性的に伸長することにより可動ハ
ンドル12に加えられた過大な操作力が吸収される。そ
のため、可動ハンドル12に加えられた過大な操作力が
一対の把持部材7,8を閉操作する操作力として直接伝
達されることが防止される。
【0032】また、可動ハンドル12が閉じられ、処置
部3の一対の把持部材7,8が閉じている状態から可動
ハンドル12を開操作する場合には操作ハンドル4の固
定ハンドル11に対して可動ハンドル12が支軸16を
中心に反時計回り方向に回動される。このとき、弾性的
に伸長されていた操作軸19の超弾性合金が可動ハンド
ル12の回動動作にともない元の長さに復元する。
【0033】続いて、このときの可動ハンドル12の反
時計回り方向の回動動作にともない操作軸19および押
し当て部材31が可動ハンドル12に押圧され、図2
(A)中で左側へ移動する。そして、操作軸19を介し
てリンク機構23の連結ピン30が図2(A)中で、左
側に押出し操作され、このときの連結ピン30の移動動
作にともないリンク機構23が変形動作し、このリンク
機構23の変形動作によって処置部3の一対の把持部材
7,8が支持軸10を中心に開方向に回動駆動される。
【0034】また、この可動ハンドル12の開操作時に
処置部3の一対の把持部材7,8の開き動作が重い(一
対の把持部材7,8の開操作の抵抗が大きい)場合には
操作軸19は圧縮力により撓んでしまい操作軸19で処
置部3の一対の把持部材7,8間を開くことができなく
なる。この場合には操作軸19の周囲の押し当て部材3
1によりリンク連結部材22が前方に押し出され、処置
部3の一対の把持部材7,8が開く。
【0035】そこで、上記構成の本実施の形態の把持鉗
子1では次の効果を奏する。すなわち、処置部3の操作
軸19を超弾性合金材料によって形成したので、操作ハ
ンドル4の可動ハンドル12を閉じる際の操作力が必要
以上に大きくなった場合には操作軸19に弾性体的な伸
長動作を行わせることによって処置部3の一対の把持部
材7,8を閉操作する操作力量の規制を行うことがで
き、一対の把持部材7,8間に把持される生体組織の潰
れや、把持鉗子1自体の破損を確実に防止することがで
きる。そのため、把持鉗子1で柔らかい生体組織を把持
・固定するために十分な把持力量を得ることができる。
【0036】さらに、シース5内に操作軸19と略同等
の長さの剛性のパイプからなる押し当て部材31を操作
軸19の周囲に外装して設けたので、把持鉗子1の可動
ハンドル12の開操作時に操作軸19が圧縮力により撓
んでしまい操作軸19で処置部3の一対の把持部材7,
8間を開くことができない場合であっても押し当て部材
31によりリンク連結部材22を前方に押し出し操作す
ることにより、確実に処置部3の一対の把持部材7,8
間を開くことができる。そのため、把持鉗子1の可動ハ
ンドル12の開操作時に処置部3の一対の把持部材7,
8の開き動作が重い(一対の把持部材7,8の開操作の
抵抗が大きい)場合であっても従来のように弾性をもた
せた操作軸19が撓んでしまい処置部3の一対の把持部
材7,8間を開くことができなくなることを防止するこ
とができる。
【0037】また、図5(A),(B)は第1の実施の
形態(図1乃至図4参照)の把持鉗子1の第1の変形例
を示すものである。本変形例では第1の実施の形態の把
持鉗子1における押し当て部材31のパイプの周壁に軸
心方向に沿って切れ込み部41を形成したものである。
この切れ込み部41の隙間Sは操作軸19の外径寸法よ
り若干小さい寸法に設定されている。なお、その他の部
分の構成は第1の実施の形態の把持鉗子1と同様であ
る。
【0038】そこで、本変形例では押し当て部材31に
切れ込み部41を設けたので、押し当て部材31を操作
軸19から外す場合に、押し当て部材31の切れ込み部
41を操作軸19に押し当ててることにより、切れ込み
部41の隙間Sを広げる状態に押し当て部材31を弾性
変形させ、操作軸19から押し当て部材31を簡単に取
外すことができる。そのため、把持鉗子1の洗浄、消毒
作業時には操作軸19から押し当て部材31を取外すこ
とにより、簡単に操作軸19の洗浄、消毒を行うことが
できるので、パイプ状の押し当て部材31内に操作軸1
9を挿通させたままの状態で操作軸19の洗浄、消毒作
業を行う場合のように、操作軸19と押し当て部材31
との間に狭く、かつ長い隙間が生じる場合に比べて操作
軸19の洗浄、消毒の作業性を大幅に向上させることが
できる。
【0039】また、押し当て部材31の切れ込み部41
の隙間Sは操作軸19の外径寸法より小さいので、操作
軸32の周囲に押し当て部材33を装着した状態で、押
し当て部材31は操作軸19から外れるおそれはない。
【0040】また、図6は第1の実施の形態(図1乃至
図4参照)の把持鉗子1の第2の変形例を示すものであ
る。本変形例では第1の実施の形態の把持鉗子1におけ
る操作軸19の後端部に雄ねじ部51が形成されてい
る。さらに、後端連結部材20の前端部には操作軸19
の雄ねじ部51と螺合するねじ穴部52が形成されてい
る。
【0041】そして、本変形例では操作軸19の雄ねじ
部51を後端連結部材20のねじ穴部52に螺着するこ
とにより、パイプ状の押し当て部材31を操作軸19の
周囲に着脱自在に装着する構成になっている。
【0042】そこで、本変形例では押し当て部材31を
操作軸19から外す場合には、操作軸19の雄ねじ部5
1と後端連結部材20のねじ穴部52とのねじ込み方向
とは逆方向に両者を相対的に回転させ、操作軸19と後
端連結部材20とのねじ込み固定を外すだけで操作軸1
9から押し当て部材31を簡単に取外すことができる。
そのため、本変形例でも第1の変形例(図5(A),
(B)参照)と同様に把持鉗子1の洗浄、消毒作業時に
は操作軸19から押し当て部材31を取外すことによ
り、簡単に操作軸19の洗浄、消毒を行うことができる
ので、操作軸19の洗浄、消毒の作業性を大幅に向上さ
せることができる。
【0043】また、図7(A),(B)は第1の実施の
形態(図1乃至図4参照)の把持鉗子1の第3の変形例
を示すものである。本変形例では第1の実施の形態の把
持鉗子1における操作軸19の後端部に図7(B)に示
すように固定部材61がロウ付け等の固定手段で固定さ
れている。この固定部材61の外径寸法は押し当て部材
31の内径寸法より細径に設定されている。
【0044】さらに、この固定部材61の外周面には雄
ねじ部62が形成されている。また、後端連結部材20
の前端部には図7(A)に示すように操作軸19の固定
部材61の雄ねじ部62と螺合するねじ穴部63が形成
されている。
【0045】そして、本変形例では操作軸19の固定部
材61の雄ねじ部62を後端連結部材20のねじ穴部6
3に螺着することにより、パイプ状の押し当て部材31
を操作軸19の周囲に着脱自在に装着する構成になって
いる。
【0046】そこで、本変形例では押し当て部材31を
操作軸19から外す場合には、操作軸19の固定部材6
1の雄ねじ部62と後端連結部材20のねじ穴部63と
のねじ込み方向とは逆方向に両者を相対的に回転させ、
操作軸19の固定部材61と後端連結部材20とのねじ
込み固定を外すだけで操作軸19から押し当て部材31
を簡単に取外すことができる。そのため、本変形例でも
第1の変形例と同様に把持鉗子1の洗浄、消毒作業時に
は操作軸19から押し当て部材31を取外すことによ
り、簡単に操作軸19の洗浄、消毒を行うことができる
ので、操作軸19の洗浄、消毒の作業性を大幅に向上さ
せることができる。
【0047】さらに、本変形例では特に、本来加工が困
難な超弾性合金の操作軸19に雄ねじ部62のネジ加工
を行う必要がないので、操作軸19の製作が容易となる
効果がある。
【0048】また、図8は本発明の第2の実施の形態を
示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図
1乃至図4参照)の把持鉗子1のパイプ状の押し当て部
材31に代えて剛性体からなる棒状の押し当て部材71
を設けたものである。
【0049】さらに、本実施の形態では操作軸19の後
端連結部材20の前端部に押し当て部材71の後端部を
挿入する挿入穴72が形成されている。また、リンク連
結部材22の後端部には押し当て部材71の前端部を挿
入する挿入穴73が形成されている。そして、棒状の押
し当て部材71の前端部はリンク連結部材22の挿入穴
73内に遊嵌状態で挿入されるとともに、同様に押し当
て部材71の後端部は後端連結部材20の挿入穴72内
に遊嵌状態で挿入され、操作軸19と平行に配置されて
いる。なお、押し当て部材71の長さは把持鉗子1の使
用下、操作軸19が最大長さに伸長した時に生じるリン
ク連結部材22と後端連結部材20との間の間隔より長
くなるように設定されている。
【0050】そして、本実施の形態では開いた状態の可
動ハンドル12を閉操作する作業時には操作ハンドル4
の固定ハンドル11に対して可動ハンドル12が支軸1
6を中心に時計回り方向に回動される。このときの可動
ハンドル12の回動動作にともない操作軸19が図8中
で右方向に引っ張られ、この操作軸19を介してリンク
機構23の連結ピン30が図8中で、右側に引っ張り操
作される。
【0051】さらに、このときの連結ピン30の右移動
動作にともないリンク機構23が変形動作し、このリン
ク機構23の変形動作によって処置部3の一対の把持部
材7,8が支持軸10を中心に閉方向に回動駆動されて
一対の把持部材7,8により体内臓器等の生体組織の把
持が行われる。
【0052】また、操作ハンドル4の閉操作時に過大な
操作力が可動ハンドル12に加えられた場合には操作軸
19の超弾性合金が弾性的に伸長することにより可動ハ
ンドル12に加えられた過大な操作力が吸収される。そ
のため、処置部3の把持部材7,8は体内臓器等の生体
組織を把持した状態からそれ以上閉まらず、操作軸46
が伸長することにより、可動ハンドル12の閉操作のみ
が行われる。その結果、可動ハンドル12に加えられた
過大な操作力が一対の把持部材7,8を閉操作する操作
力として直接伝達されることが防止される。
【0053】また、可動ハンドル12を閉じきった状態
では押し当て部材71の前端部はリンク連結部材22の
挿入穴73内、押し当て部材71の後端部は後端連結部
材20の挿入穴72内にそれぞれ引っかかった状態で保
持されるので、押し当て部材71が前後の連結部材2
2,20間から外れるおそれはない。
【0054】また、可動ハンドル12が閉じられ、処置
部3の一対の把持部材7,8が閉じている状態から可動
ハンドル12を開操作する場合には操作ハンドル4の固
定ハンドル11に対して可動ハンドル12が支軸16を
中心に反時計回り方向に回動される。このとき、弾性的
に伸長されていた操作軸19の超弾性合金が可動ハンド
ル12の回動動作にともない元の長さに復元する。
【0055】続いて、このときの可動ハンドル12の反
時計回り方向の回動動作にともない操作軸19および押
し当て部材71が可動ハンドル12に押圧され、図8中
で左側へ移動する。そして、操作軸19を介してリンク
機構23の連結ピン30が図8中で、左側に押出し操作
され、このときの連結ピン30の移動動作にともないリ
ンク機構23が変形動作し、このリンク機構23の変形
動作によって処置部3の一対の把持部材7,8が支持軸
10を中心に開方向に回動駆動される。
【0056】また、この可動ハンドル12の開操作時に
処置部3の一対の把持部材7,8の開き動作が重い(一
対の把持部材7,8の開操作の抵抗が大きい)場合には
操作軸19は圧縮力により撓んでしまい操作軸19で処
置部3の一対の把持部材7,8間を開くことができなく
なる。この場合には操作軸19の周囲の押し当て部材7
1の前端部はリンク連結部材22の挿入穴73の内底
面、押し当て部材71の後端部は後端連結部材20の挿
入穴72の内底面にそれぞれ突き当たるので、この押し
当て部材71によりリンク連結部材22が前方に押し出
され、処置部3の一対の把持部材7,8が開く。
【0057】そこで、上記構成の本実施の形態の把持鉗
子1でも第1の実施の形態と同様に操作ハンドル4の可
動ハンドル12を閉じる際の操作力が必要以上に大きく
なった場合には操作軸19に弾性体的な伸長動作を行わ
せることによって処置部3の一対の把持部材7,8を閉
操作する操作力量の規制を行うことができ、一対の把持
部材7,8間に把持される生体組織の潰れや、把持鉗子
1自体の破損を確実に防止することができる。そのた
め、把持鉗子1で柔らかい生体組織を把持・固定するた
めに十分な把持力量を得ることができる。
【0058】さらに、把持鉗子1の可動ハンドル12の
開操作時に操作軸19が圧縮力により撓んでしまい操作
軸19で処置部3の一対の把持部材7,8間を開くこと
ができない場合であっても押し当て部材71によりリン
ク連結部材22を前方に押し出し操作することにより、
確実に処置部3の一対の把持部材7,8間を開くことが
できる。そのため、把持鉗子1の可動ハンドル12の開
操作時に処置部3の一対の把持部材7,8の開き動作が
重い(一対の把持部材7,8の開操作の抵抗が大きい)
場合であっても従来のように弾性をもたせた操作軸19
が撓んでしまい処置部3の一対の把持部材7,8間を開
くことができなくなることを防止することができる。
【0059】さらに、本実施の形態では特に、細棒状の
押し当て部材71を設けたので、製作を容易にするとと
もに、第1の実施の形態のパイプ状の押し当て部材31
のように洗浄しにくいパイプ内腔を無くすことができ、
洗浄性を一層高めることができる。
【0060】また、図9(A),(B)は第2の実施の
形態(図8参照)の変形例を示すものである。本変形例
では図9(A)に示すように第2の実施の形態の後端連
結部材20の前端部に操作軸19の固定部材81が着脱
可能に取付けられている。
【0061】この固定部材81には図9(B)に示すよ
うにその軸心部に操作軸19の基端部がロウ付け固定さ
れている。さらに、この固定部材81には第2の実施の
形態の押し当て部材71を挿通可能な貫通孔82が形成
されている。
【0062】また、この固定部材81の後端部軸心位置
には雄ねじ部83が突設されている。さらに、後端連結
部材20の前端部には図9(A)に示すように固定部材
81の雄ねじ部83と螺合するねじ穴部84が形成され
ている。なお、その他の部分の構成は第2の実施の形態
の把持鉗子1と同様である。
【0063】そして、本変形例では把持鉗子1の洗浄時
には固定部材81から後端連結部材20を外したのち、
固定部材81の貫通孔82より押し当て部材71を抜き
取ることができる。このように、押し当て部材71を貫
通孔82より取り除くことで固定部材81の貫通孔82
内の洗浄が容易となり、洗浄性が向上する。
【0064】また、図10(A),(B)は本発明の第
3の実施の形態を示すものである。本実施の形態では第
2の実施の形態(図8参照)の把持鉗子1における棒状
の押し当て部材71に代えて図10(B)に示すように
剛性体からなる細長い板状の押し当て部材91が設けら
れている。
【0065】さらに、操作軸19の後端連結部材20の
前端部外周面には押し当て部材91の後端部を挿入する
挿入溝92が形成されている。また、リンク連結部材2
2の後端部外周面には押し当て部材91の前端部を挿入
する挿入溝93が形成されている。ここで、挿入溝9
2,93の溝深さは、後端連結部材20とシース5の内
周面との間のクリアランス、およびリンク連結部材22
とシース5の内周面との間のクリアランスよりも大きい
深さにそれぞれ設定されている。
【0066】そして、本実施の形態では後端連結部材2
0の挿入溝92およびリンク連結部材22の挿入溝93
に挿入された押し当て部材91の挿入部分が、後端連結
部材20とシース5の内周面との間のクリアランス、お
よびリンク連結部材22とシース5の内周面との間のク
リアランスよりも大きいため、把持鉗子1の使用中に押
し当て部材91が挿入溝92,93より外れるおそれは
ない。
【0067】また、シース5内よりリンク連結部材22
および後端連結部材20、操作軸19、押し当て部材9
1をシース5の外部に引き抜くことにより、押し当て部
材91を挿入溝92,93から自然に取外すことができ
る。そのため、本実施の形態でも把持鉗子1の洗浄、消
毒作業時には押し当て部材91を取外すことにより、簡
単に操作軸19の洗浄、消毒を行うことができるので、
操作軸19の洗浄、消毒の作業性を大幅に向上させるこ
とができる。
【0068】また、図11は本発明の第4の実施の形態
を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態
(図1乃至図4参照)の把持鉗子1の形状記憶合金等の
超弾性合金からなる細径の操作軸19に代えて形状記憶
合金からなる中空状の操作パイプ101を設けるととも
に、第1の実施の形態のパイプ状の押し当て部材31に
代えて剛性体からなる棒状の押し当て部材102を設け
たものである。
【0069】さらに、本実施の形態では操作パイプ10
1の基端部側は、ロウ付け等の固定方法により後端連結
部材20の前端部外周面に固定されている。また、操作
パイプ101の先端部は、ロウ付け等の固定手段により
リンク連結部材22の後端部外周面に固定されている。
【0070】さらに、後端連結部材20の前端面の軸心
部には押し当て部材102の後端部を挿入する挿入穴1
03が形成されている。また、リンク連結部材22の後
端面の軸心部には押し当て部材102の前端部を挿入す
る挿入穴104が形成されている。そして、棒状の押し
当て部材102の前端部はリンク連結部材22の挿入穴
104内に遊嵌状態で挿入されるとともに、同様に押し
当て部材102の後端部は後端連結部材20の挿入穴1
03内に遊嵌状態で挿入され、操作パイプ101と平行
に配置されている。なお、押し当て部材102の長さは
把持鉗子1の使用下、操作パイプ101が最大長さに伸
長した時に生じるリンク連結部材22と後端連結部材2
0との間の間隔より長くなるように設定されている。な
お、その他の部分の構成は第1の実施の形態の把持鉗子
1と同様である。
【0071】そして、本実施の形態では開いた状態の可
動ハンドル12を閉操作する作業時には可動ハンドル1
2の回動動作にともない操作パイプ101が図11中で
右方向に引っ張られ、この操作パイプ101を介してリ
ンク機構23が変形動作し、このリンク機構23の変形
動作によって処置部3の一対の把持部材7,8が支持軸
10を中心に閉方向に回動駆動されて一対の把持部材
7,8により体内臓器等の生体組織の把持が行われる。
【0072】また、操作ハンドル4の閉操作時に過大な
操作力が可動ハンドル12に加えられた場合には操作パ
イプ101の形状記憶合金(超弾性合金)が弾性的に伸
長することにより可動ハンドル12に加えられた過大な
操作力が吸収される。そのため、処置部3の把持部材
7,8は体内臓器等の生体組織を把持した状態からそれ
以上閉まらず、操作軸46が伸長することにより、可動
ハンドル12の閉操作のみが行われる。その結果、可動
ハンドル12に加えられた過大な操作力が一対の把持部
材7,8を閉操作する操作力として直接伝達されること
が防止される。
【0073】また、可動ハンドル12を閉じきった状態
では押し当て部材102の前端部はリンク連結部材22
の挿入穴104内、押し当て部材102の後端部は後端
連結部材20の挿入穴103内にそれぞれ引っかかった
状態で保持されるので、押し当て部材102が前後の連
結部材22,20間から外れるおそれはない。
【0074】また、可動ハンドル12が閉じられ、処置
部3の一対の把持部材7,8が閉じている状態から可動
ハンドル12を開操作する場合には操作ハンドル4の固
定ハンドル11に対して可動ハンドル12が支軸16を
中心に反時計回り方向に回動される。このとき、弾性的
に伸長されていた操作パイプ101の形状記憶合金(超
弾性合金)が可動ハンドル12の回動動作にともない元
の長さに復元する。
【0075】続いて、このときの可動ハンドル12の反
時計回り方向の回動動作にともない操作パイプ101お
よび押し当て部材102が可動ハンドル12に押圧さ
れ、図11中で左側へ移動する。そして、操作パイプ1
01を介してリンク機構23が変形動作し、このリンク
機構23の変形動作によって処置部3の一対の把持部材
7,8が支持軸10を中心に開方向に回動駆動される。
【0076】また、この可動ハンドル12の開操作時に
処置部3の一対の把持部材7,8の開き動作が重い(一
対の把持部材7,8の開操作の抵抗が大きい)場合には
操作パイプ101は圧縮力により撓んでしまい操作パイ
プ101で処置部3の一対の把持部材7,8間を開くこ
とができなくなる。この場合には操作パイプ101の内
部の押し当て部材102の前端部はリンク連結部材22
の挿入穴104の内底面、押し当て部材102の後端部
は後端連結部材20の挿入穴103の内底面にそれぞれ
突き当たるので、この押し当て部材102によりリンク
連結部材22が前方に押し出され、処置部3の一対の把
持部材7,8が開く。
【0077】そこで、上記構成の本実施の形態の把持鉗
子1では操作ハンドル4の可動ハンドル12を閉じる際
の操作力が必要以上に大きくなった場合には操作パイプ
101に弾性体的な伸長動作を行わせることによって処
置部3の一対の把持部材7,8を閉操作する操作力量の
規制を行うことができ、第1の実施の形態と同様に一対
の把持部材7,8間に把持される生体組織の潰れや、把
持鉗子1自体の破損を確実に防止することができる。そ
のため、把持鉗子1で柔らかい生体組織を把持・固定す
るために十分な把持力量を得ることができる。
【0078】さらに、把持鉗子1の可動ハンドル12の
開操作時に操作パイプ101が圧縮力により撓んでしま
い操作パイプ101で処置部3の一対の把持部材7,8
間を開くことができない場合であっても押し当て部材1
02によりリンク連結部材22を前方に押し出し操作す
ることにより、確実に処置部3の一対の把持部材7,8
間を開くことができる。そのため、把持鉗子1の可動ハ
ンドル12の開操作時に処置部3の一対の把持部材7,
8の開き動作が重い(一対の把持部材7,8の開操作の
抵抗が大きい)場合であっても従来のように弾性をもた
せた操作パイプ101が撓んでしまい処置部3の一対の
把持部材7,8間を開くことができなくなることを防止
することができる。
【0079】また、本実施の形態では特に、操作パイプ
101の両端部が連結部材20,22にそれぞれロウ付
け固定されているため、操作パイプ101の内部を水密
状態に密閉することができる。そのため、押し当て部材
102と操作パイプ101との間の隙間、および押し当
て部材102と挿入孔103,104との間の隙間が外
部に露出せず、洗浄性が向上する効果がある。
【0080】なお、第1の実施の形態の把持鉗子1にお
いて処置部3の把持部材7,8に把持している生体組織
の硬さを認識する硬さ検知手段を設けても良い。この硬
さ検知手段は、把持鉗子1の把持部材7,8における生
体組織と接触する接触面側に対向して設けられた1組以
上の電極からなる容量センサーと、操作ハンドル4に設
けられた可動ハンドル12の開き角検知手段とからな
る。
【0081】そして、容量センサーの値から処置部3の
把持部材7,8に把持した生体組織の厚みを検知し、可
動ハンドル12の開き角検知手段からどのくらい操作者
が可動ハンドル12を握り込んだか判断するとともに、
生体組織の厚みの測定データと、可動ハンドル12の握
り込み量の測定データとの差から操作軸19の変形量を
推測し、把持部材7,8間に把持した生体組織からどの
程度操作軸19が応力を受けているか判断し、生体組織
の硬さを判断するようになっている。
【0082】また、第1の実施の形態の把持鉗子1の操
作軸19に歪みセンサー等を設けて操作軸19の変形量
を直接検知し、把持部材7,8間に把持した生体組織の
硬さを検知する構成にしても良い。
【0083】また、図12および図13(A)〜(D)
は第1の実施の形態(図1乃至図4参照)の把持鉗子1
とは異なる構成の湾曲機能付きの把持鉗子111を示す
ものである。この把持鉗子111は内視鏡下外科手術に
用いられる。
【0084】図13(A)はこの把持鉗子111の概略
構成を示すものである。この把持鉗子111には患者1
13の腹腔114内に挿入される挿入部115が設けら
れている。この挿入部115の先端部には処置部116
が配設されている。さらに、挿入部115の基端部には
処置部116を操作する操作部117が配設されてい
る。
【0085】また、挿入部115には細長い中空管状の
硬性のシース118が設けられている。このシース11
8内には第1の超弾性パイプ119が収納されている。
さらに、この第1の超弾性パイプ119内には第2の超
弾性パイプ120が収納されている。ここで、シース1
18と第1の超弾性パイプ119との間、および第1の
超弾性パイプ119と第2の超弾性パイプ120との間
はそれぞれ軸心方向に相対的に移動可能に保持されてい
る。
【0086】さらに、第1,第2の超弾性パイプ11
9,120は超弾性材料であるNiTi系の合金からな
り、通常の金属より弾性変形を示す範囲が数倍大きい。
そして、両超弾性パイプ119,120とも予め熱処理
により湾曲形状に予成形されている。
【0087】また、第2の超弾性パイプ120の基端部
は操作部117のフレーム121に固定されている。さ
らに、この第2の超弾性パイプ120の先端部には処置
部116の保持部材122が固定されている。
【0088】また、図13(B)に示すように第1,第
2の超弾性パイプ119,120には長細い係合穴11
9a,120aがそれぞれ形成されている。これらの係
合穴119a,120aにはシース118の内周面に内
方向に向けて突設されたピン123が係合されている。
そのため、このシース118のピン123と係合穴11
9a,120aとの係合部によってシース118と第
1,第2の超弾性パイプ119,120との間の回転を
防ぐようになっている。そして、第1,第2の両超弾性
パイプ119,120は予成形された湾曲方向がそれぞ
れ反対向きに取付けられるように設定されている。ここ
で、第1の超弾性パイプ119は例えば図13(D)に
示すように左下向きの湾曲方向に向けた湾曲形状に予成
形された状態で取付けられ、第2の超弾性パイプ120
は例えば図13(C)に示すように左上向きの湾曲方向
に向けた湾曲形状に予成形された状態で取付けられてい
る。
【0089】また、処置部116には生体組織を把持す
る一対の把持部材124,125が設けられている。こ
れらの把持部材124,125は第2の超弾性パイプ1
20の先端の保持部材122に支軸126を中心に回動
自在に連結されている。さらに、これらの把持部材12
4,125の基端部にはパンタグラフ構造のリンク式開
閉駆動機構127が配設されている。この開閉駆動機構
127には第2の超弾性パイプ120内に挿通された操
作ロッド128の先端部が連結されている。そして、こ
の操作ロッド128の押し引きによって開閉駆動機構1
27が駆動され、把持部材124,125が開閉駆動さ
れるようになっている。
【0090】また、操作部117にはシース118の進
退を操作する第1の操作ノブ129と、第1の超弾性パ
イプ119の進退を操作する第2の操作ノブ130と、
操作ロッド128の進退を操作する操作ハンドル131
とが装着されている。
【0091】ここで、シース118の基端部には雄ねじ
状のウォーム132が形成されている。さらに、第1の
操作ノブ129にはこのウォーム132と噛合するウォ
ームホイール133が設けられている。そして、第1の
操作ノブ129によってウォームホイール133が回転
駆動され、このウォームホイール133とウォーム13
2との噛合部を介してウォームホイール133の回転が
シース118の軸心方向の進退動作に変換されてシース
118が軸心方向に進退駆動されるようになっている。
【0092】また、第1の超弾性パイプ119の基端部
にも同様に雄ねじ状のウォーム134が形成されてい
る。さらに、第2の操作ノブ130にはこのウォーム1
34と噛合するウォームホイール135が設けられてい
る。そして、第2の操作ノブ130によってウォームホ
イール135が回転駆動され、このウォームホイール1
35とウォーム134との噛合部を介してウォームホイ
ール135の回転が第1の超弾性パイプ119の軸心方
向の進退動作に変換されて第1の超弾性パイプ119が
軸心方向に進退駆動されるようになっている。
【0093】また、操作ハンドル131には固定ハンド
ル136と、この固定ハンドル136に対して開閉可能
な可動ハンドル137とが設けられている。この可動ハ
ンドル137には操作ロッド128の基端部が連結され
ている。そして、可動ハンドル137の開閉操作に応じ
て操作ロッド128が軸心方向に進退駆動され、開閉駆
動機構127を介して把持部材124,125が開閉駆
動されるようになっている。
【0094】次に、上記構成の作用について説明する。
図12は内視鏡下外科手術における把持鉗子111の使
用状態を示すものである。この内視鏡下外科手術では把
持鉗子111や、硬性内視鏡112や、他の処置具がそ
れぞれ別個に経皮的に患者113の腹腔114内に挿入
された状態で、その処置が行われる。
【0095】また、内視鏡下外科手術中に、把持鉗子1
11の挿入部115の先端の向きを変更して処置部11
6を対象部位に向けたい場合にはまず、第1の操作ノブ
129が回転操作される。
【0096】この第1の操作ノブ129の回転操作時に
はウォームホイール133が回転駆動され、このウォー
ムホイール133とウォーム132との噛合部を介して
ウォームホイール133の回転がシース118の軸心方
向の進退(後退)動作に変換されてシース118が軸心
方向に沿って後退する。そのため、図13(D)に示す
ように第1の超弾性パイプ119の先端部が外部側に露
出される。このとき、第1の超弾性パイプ119内には
第2の超弾性パイプ120が収納されているが、第2の
超弾性パイプ120よりも第1の超弾性パイプ119の
方が断面積が大きいので、予成形された湾曲形状への復
原力が大きい。そのため、シース118の外部側に露出
された部分は第1の超弾性パイプ119の湾曲形状、す
なわち図13(D)に示すように左下向きの湾曲方向に
向けた湾曲形状に湾曲されるので、処置部116を図1
3(D)中で、左下向きの対象部位に向けることができ
る。
【0097】また、処置部116の向きを図13(D)
とは反対方向に向ける場合には、図13(D)の状態か
ら第2の操作ノブ130を回転させる。この第2の操作
ノブ130の回転操作時にはウォームホイール135が
回転駆動され、このウォームホイール135とウォーム
134との噛合部を介してウォームホイール135の回
転が第1の超弾性パイプ119の軸心方向の進退(後
退)動作に変換されて第1の超弾性パイプ119が軸心
方向に沿って後退する。そのため、図13(C)に示す
ように第2の超弾性パイプ120の先端部が外部側に露
出され、このとき外部側に露出される第2の超弾性パイ
プ120の先端部分が第2の超弾性パイプ120の湾曲
形状に復原される。その結果、第2の超弾性パイプ12
0の先端部分が図13(C)に示すように左上向きの湾
曲方向に向けた湾曲形状に湾曲されるので、処置部11
6を図13(C)中で、左上向きの対象部位に向けるこ
とができる。
【0098】なお、図13(C)の湾曲状態、或いは図
13(D)の湾曲状態のうちのいずれの状態でも操作ハ
ンドル131の固定ハンドル136に対して可動ハンド
ル137を閉じることにより、操作ロッド128が軸心
方向に牽引駆動され、開閉駆動機構127を介して把持
部材124,125を閉じることができる。
【0099】また、挿入部115の先端部の湾曲を解除
する場合には上述した湾曲操作とは逆の手順で、第1の
操作ノブ129および第2の操作ノブ130を回転操作
すれば良い。
【0100】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、挿入部115の先端部の異なる
2方向の湾曲をどちらも超弾性合金の第1,第2の超弾
性パイプ119,120で実現できたので、どちらの方
向も大きな湾曲角を得ることができる。
【0101】さらに、挿入部115の先端部の異なる2
方向の湾曲を実現できたので、挿入部115の先端部の
1方向の湾曲動作と挿入部115の軸回り方向の回転動
作とを組み合わせた場合に比べて、狭い空間内でも体内
臓器を傷つけることなく容易に操作できる。
【0102】なお、図12および図13(A)〜(D)
に示す把持鉗子111の挿入部115に第3、第4の超
弾性パイプをさらに配設し、3方向、或いは4方向に挿
入部115の先端部を湾曲させる構成にしてもよい。
【0103】また、図14(A)〜(C)は図13
(A),(B)とは異なる構成の湾曲機能付きの把持鉗
子141を示すものである。この把持鉗子141の挿入
部142には細長い中空管状の硬性のシース143が設
けられている。このシース143内にはコイルシース1
44が挿入されている。このコイルシース144の外周
面には略半円筒形状の第1,第2の超弾性部材145,
146が略円筒状に合わされた状態で配置されている。
ここで、第1,第2の超弾性部材145,146はとも
に内側方向に湾曲した湾曲形状に予成形されている。さ
らに、第1,第2の超弾性部材145,146はコイル
シース144に対してそれぞれ独立にその軸心方向に相
対的に移動可能に保持されている。
【0104】また、挿入部142の基端部には図13
(A)に示すような操作部117が連結されている。こ
の操作部117のフレーム121にはコイルシース14
4の基端部が固定されている。
【0105】さらに、この操作部117には第1,第2
の操作ノブ147,148が装着されている。これらの
第1,第2の操作ノブ147,148の表面にはゴム層
149が装着されている。また、第1,第2の操作ノブ
147,148はゴム層149を第1,第2の超弾性部
材145,146の後端部外周面にそれぞれ接触させた
状態で保持されている。そして、第1,第2の操作ノブ
147,148を回転操作することにより、各操作ノブ
147,148のゴム層149と第1,第2の超弾性部
材145,146との間の摩擦によって第1,第2の超
弾性部材145,146はコイルシース144に沿って
前後方向にスライド動作するようになっている。
【0106】また、挿入部142の先端部には処置部1
50が配設されている。この処置部150には生体組織
を把持する一対の把持部材151,152が設けられて
いる。これらの把持部材151,152はコイルシース
144の先端の保持部材153に図13(A)に示すよ
うな支軸126を中心に回動自在に連結されている。さ
らに、これらの把持部材151,152の基端部には図
13(A)に示すようなパンタグラフ構造のリンク式開
閉駆動機構127が配設されている。この開閉駆動機構
127にはコイルシース144内に挿通された図13
(A)に示す操作ロッド128の先端部が連結されてい
る。そして、この操作ロッド128の押し引きによって
開閉駆動機構127が駆動され、把持部材151,15
2が開閉駆動されるようになっている。
【0107】次に、図14(A)〜(C)に示す上記構
成の把持鉗子141の作用について説明する。上記構成
の把持鉗子141では図12に示すような内視鏡下外科
手術において、把持鉗子141の挿入部142の先端の
向きを変更して処置部150を対象部位に向けたい場合
には、第1の操作ノブ147、或いは第2の操作ノブ1
48のいずれか一方が回転操作される。
【0108】ここで、第1の操作ノブ147が回転操作
された場合にはこの第1の操作ノブ147の回転量に応
じて第1の超弾性部材145がコイルシース144に沿
って先端方向にスライドする。そのため、把持鉗子14
1の挿入部142の先端部分は第1の超弾性部材145
に予成形された湾曲形状、すなわち、図14(B)に示
すように左下向きの湾曲方向に向けた湾曲形状に湾曲さ
れるので、処置部150を図14(B)中で、左下向き
の対象部位に向けることができる。
【0109】また、処置部150の向きを図14(B)
とは反対方向に向ける場合には、第1の操作ノブ147
を逆方向に回転させて第1の超弾性部材145を元の位
置に戻したのち、第2の操作ノブ148が回転操作され
る。
【0110】このように第2の操作ノブ148が回転操
作された場合にはこの第2の操作ノブ148の回転量に
応じて第2の超弾性部材146がコイルシース144に
沿って先端方向にスライドする。そのため、把持鉗子1
41の挿入部142の先端部分は第2の超弾性部材14
6に予成形された湾曲形状、すなわち、図14(C)に
示すように左上向きの湾曲方向に向けた湾曲形状に湾曲
されるので、処置部150を図14(C)中で、左上向
きの対象部位に向けることができる。
【0111】なお、上記構成の把持鉗子141では第
1,第2の操作ノブ147,148の回転操作による第
1,第2の超弾性部材145,146のそれぞれのスラ
イド量に応じて湾曲角度のコントロールが可能である。
【0112】そこで、上記構成の把持鉗子141にあっ
ては次の効果を奏する。すなわち、挿入部142の先端
部の異なる2方向の湾曲をどちらも超弾性合金の第1,
第2の超弾性部材145,146で実現できたので、ど
ちらの方向も大きな湾曲角を得ることができる。
【0113】さらに、挿入部142の先端部の異なる2
方向の湾曲を実現できたので、挿入部142の先端部の
1方向の湾曲動作と挿入部142の軸回り方向の回転動
作とを組み合わせた場合に比べて、狭い空間内でも体内
臓器を傷つけることなく容易に操作できる。
【0114】また、上記構成の把持鉗子141では特
に、コイルシース144の外周面に略半円筒形状の第
1,第2の超弾性部材145,146が略円筒状に合わ
された状態で配置し、これらの半円筒形状の第1,第2
の超弾性部材145,146によって挿入部142の先
端部を異なる2方向に湾曲させるようにしたので、挿入
部142の先端部を異なる2方向に湾曲させる湾曲手段
として略円筒状の2つの超弾性部材を使用する場合に比
べて挿入部142の細径化に適している。
【0115】なお、上記構成の把持鉗子141では超弾
性パイプを2分割した半円筒形状の第1,第2の超弾性
部材145,146を挿入部142に配設し、これらの
第1,第2の超弾性部材145,146によって挿入部
142の先端部を異なる2方向に湾曲させる構成を示し
たが、超弾性パイプを3分割以上にして挿入部142の
先端部を異なる3方向以上に湾曲させる構成にしてもよ
い。
【0116】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
変形実施できることは勿論である。次に、本出願の他の
特徴的な技術事項を下記の通り付記する。 記 (付記項1) 中空管状のシースからなる挿入部と、こ
の挿入部の先端側に開閉自在に設けられた鉗子部と、前
記挿入部の基端側に一対のハンドル部材を備えて配設さ
れた操作ハンドルと、両端が各々前記把持部と前記操作
ハンドルに連結され、且つ前記シース内にその軸心に沿
って前後動自在に設けられた、少なくとも一部が室温下
で擬弾性または超弾性を示す超弾性部材からなる操作軸
とを有する鉗子において、前記シース内に、前記操作軸
と互いに前後動自在で、且つ前記操作軸と略平行に配置
した押し当て部材を具備したことを特徴とする鉗子。
【0117】(付記項2) 付記項1記載の鉗子であっ
て、前記超弾性部材は、形状記憶合金であることを特徴
とする鉗子。 (付記項3) 付記項1記載の鉗子であって、前記超弾
性部材は、棒状または管状であることを特徴とする鉗
子。
【0118】(付記項4) 中空管状のシースからなる
挿入部と、挿入部先端に開閉自在に設けられた把持部
と、挿人部基端部に一対のハンドル部材を備えて配設さ
れた操作ハンドルと、先端が把持部に、また後端が操作
ハンドルに連結され、シース内にその軸心方向に沿って
前後進自在に配設された少なくともその一部が室温下で
擬弾性または超弾性を示す形状記憶合金の棒またはパイ
プからなる操作軸とからなる把持鉗子において、シース
内に既操作軸と略同等以上の長さを有しかつ平行に設け
られ、操作軸と互いに前後進自在な押し当て部材を有し
たことを特徴とする鉗子。
【0119】(付記項1、4の目的) 操作軸に弾性体
を用いた把持鉗子において、柔らかい組織を把持・固定
するのに十分な把持力量を有するとともに、把持部の操
作力量が大きくても確実に把持部の開閉が可能な把持鉗
子を提供することである。
【0120】(付記項1、4の作用) 操作軸と平行し
て、操作軸と略同等の長さを有する剛性の押し当て部材
を設けることにより、操作軸がたわんでも押し当て部材
により把持部を押し出し把持部を開くことができる。
【0121】(付記項5) 該押し当て部材が管状であ
ることを特徴とする付記項4記載の鉗子。 (付記項6) 該押し当て部材が棒状で、かつ操作軸と
略平行に設けられていることを特徴とする付記項4記載
の鉗子。
【0122】(付記項7) 該押し当て部材が着脱自在
であることを特徴とする付記項4記載の鉗子。 (付記項4〜7の効果) 従来の把持鉗子の構造を変え
ることなく、簡易な構成で把持動作に弾性を与える把持
鉗子を提供することである。
【0123】(付記項8) 該操作軸を管状にするとと
もに、該管状の操作軸内に押し当て部材を設けたことを
特徴とする付記項4記載の鉗子。 (付記項8の効果) 従来の把持鉗子の構造を変えるこ
となく、簡易な構成で把持操作時の把持力量の上限値を
規制することのできる把持鉗子を提供することである。
【0124】(付記項9) 硬性処置具において、中空
の挿入シースと、シース内で進退する第1の超弾性部
材、これは第1の方向に湾曲形状をプリフォームされて
なる、と、シース内で進退する第2の超弾性部材、これ
は第1の方向とは異なる第2の方向に湾曲形状をプリフ
ォームされてなる、と、シース基端部に設けられて上記
第1第2の超弾性部材の進退させる操作手段と、からな
る湾曲付き硬性処置具。
【0125】(付記項9の従来技術) 遠隔的に操作し
て生体内を観察・処置するデバイスとしては、はさみ、
鉗子、縫合器、硬性内視鏡などがあるがいずれも硬性の
シースに収納されたデバイスであり臓器へのアプローチ
は直線的なものであった。そのため、作業エリアに制限
ができ処置作業を困難にするケースも少なくなっかっ
た。この問題に対し、ワイヤ牽引機構でシース先端を湾
曲させるデバイスも考えられたが湾曲部の腰がなくなり
実用的ではなかった。そして、USP5254130の
ように超弾性合金を用いた湾曲付きデバイスが提案され
ている。
【0126】(付記項9の解決しようとする課題) 問
題点は大きく湾曲する方向は超弾性合金を配置している
1方向のみであり複数の方向に大きく湾曲させることは
できない。また、異なる方向に向ける手段として回転機
構が示されているが、湾曲させた状態で回転させること
は不用意に生体を傷つける可能性があるので術者の注意
が必要となる。
【0127】(付記項9の目的) 複数方向へ大きな湾
曲が得られて、対象物へのアプローチ性の良い湾曲付き
硬性処置具の提供。 (付記項10) 前記第1第2の超弾性部材は円筒形状
であり、第2の超弾性部材は第1の超弾性部材内部に収
納される。(付記項9に従属) (付記項11) 前記第1第2の超弾性部材は半円筒形
状であり、向かい合わせて円筒状になるように配置され
ている。(付記項9に従属) (付記項12) 前記超弾性部材はNiTi系合金であ
る。(付記項9に従属)
【0128】
【発明の効果】本発明によれば、室温下で擬弾性または
超弾性を示す超弾性部材によって操作軸の少なくとも一
部を形成するとともに、シース内に、操作軸と略平行
に、且つシースの軸心に沿って前後動自在に配置され、
操作ハンドルの開操作時に操作軸が撓んだ際に処置部に
押し当てられて処置部を開操作する押し当て部材を設け
たので、柔らかい生体組織を把持・固定するために十分
な把持力量を得ることができるとともに、処置部の操作
力量が大きくても確実に処置部の開閉が可能な医療用処
置具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の把持鉗子を示す
側面図。
【図2】 (A)は第1の実施の形態の把持鉗子の縦断
面図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)は可動
ハンドルの操作軸取付け溝に操作軸の後端連結部材の連
結ボールを係合させた状態を示す横断面図。
【図3】 第1の実施の形態の把持鉗子の把持部材のリ
ンク機構を示す平面図。
【図4】 第1の実施の形態の把持鉗子の挿入部の先端
部を示す要部の縦断面図。
【図5】 (A)は第1の実施の形態の把持鉗子の第1
の変形例を示す要部の縦断面図、(B)は(A)のB−
B線断面図。
【図6】 第1の実施の形態の把持鉗子の第2の変形例
を示す要部の縦断面図。
【図7】 (A)は第1の実施の形態の把持鉗子の第3
の変形例を示す要部の縦断面図、(B)は同変形例の後
端連結部材のねじ穴部から操作軸の固定部材の雄ねじ部
を取り外した状態を示す要部の縦断面図。
【図8】 本発明の第2の実施の形態の把持鉗子の縦断
面図。
【図9】 (A)は第2の実施の形態の把持鉗子の変形
例を示す要部の縦断面図、(B)は同変形例の後端連結
部材から操作軸の固定部材を取り外した状態を示す要部
の縦断面図。
【図10】 本発明の第3の実施の形態の把持鉗子の要
部構成を示す縦断面図、(B)は(A)のB−B線断面
図。
【図11】 本発明の第4の実施の形態の把持鉗子の要
部構成を示す縦断面図。
【図12】 第1〜第4の実施の形態とは異なる構成の
把持鉗子の使用状態を示す斜視図。
【図13】 (A)は図12の把持鉗子の概略構成を示
す要部の縦断面図、(B)は(A)のB−B線断面図、
(C)は把持鉗子の挿入部の湾曲状態を示す要部の縦断
面図、(D)は(C)とは反対方向への把持鉗子の挿入
部の湾曲状態を示す要部の縦断面図。
【図14】 (A)は図13(A),(B)とは異なる
構成の把持鉗子の概略構成を示す要部の斜視図、(B)
は把持鉗子の挿入部の湾曲状態を示す要部の縦断面図、
(C)は(B)とは反対方向への把持鉗子の挿入部の湾
曲状態を示す要部の縦断面図。
【符号の説明】
2 挿入部 3 処置部 4 操作ハンドル 5 シース 19 操作軸 31、71、91 押し当て部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空管状のシースを備えた挿入部と、こ
    の挿入部の先端側に開閉自在に設けられた処置部と、前
    記挿入部の基端側に配設された操作ハンドルと、前記シ
    ース内にその軸心に沿って前後動自在に設けられ、且つ
    一端部が前記操作ハンドル、他端部が前記処置部にそれ
    ぞれ連結され、前記操作ハンドルの操作力を前記処置部
    に伝達し、前記操作ハンドルの操作にともない前記処置
    部を開閉操作する操作軸とを備えた医療用処置具におい
    て、 室温下で擬弾性または超弾性を示す超弾性部材によって
    前記操作軸の少なくとも一部を形成するとともに、 前記シース内に、前記操作軸と略平行に、且つ前記シー
    スの軸心に沿って前後動自在に配置され、前記操作ハン
    ドルの開操作時に前記操作軸が撓んだ際に前記処置部に
    押し当てられて前記処置部を開操作する押し当て部材を
    設けたことを特徴とする医療用処置具。
JP8254839A 1996-09-26 1996-09-26 医療用処置具 Withdrawn JPH1099340A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11347043A (ja) * 1998-06-05 1999-12-21 Olympus Optical Co Ltd 内視鏡下外科手術装置
JP2009112686A (ja) * 2007-11-09 2009-05-28 Hi-Lex Corporation 高剛性手術用具の腕部材及びそれを用いた高剛性手術用具
JP2015502792A (ja) * 2011-12-02 2015-01-29 アエスキュラップ アーゲー 外科用ハンドグリップ、及び、外科用ハンドグリップを備えた外科用管状シャフト器具
EP2612609B1 (de) 2012-01-04 2016-04-27 Karl Storz GmbH & Co. KG Medizinisches Instrument
CN107172470A (zh) * 2016-11-08 2017-09-15 刘凤娇 附墙式易放易找电视遥控器

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