JPH1099306A - 異常陰影候補の検出方法および装置 - Google Patents

異常陰影候補の検出方法および装置

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JPH1099306A
JPH1099306A JP8257978A JP25797896A JPH1099306A JP H1099306 A JPH1099306 A JP H1099306A JP 8257978 A JP8257978 A JP 8257978A JP 25797896 A JP25797896 A JP 25797896A JP H1099306 A JPH1099306 A JP H1099306A
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JP8257978A
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Hideya Takeo
英哉 武尾
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異常陰影候補の検出装置において、疑似異常
陰影の誤検出を抑制しつつ、異常陰影候補の検出を的確
に行なう。 【解決手段】 アイリスフィルター処理の出力値Iとの
比較対象たる閾値Tを閾値シフト手段13により段階的に
変化させたうえで比較判定手段14により、その各閾値T
i ごとに異常陰影候補領域を検出し、検出された各異常
陰影候補領域の面積A(Ti )の変化率S(Ti )を面
積変化率算出手段15により求め、適応的閾値算出手段16
により変化率S(Ti )の特異点に対応する適応的閾値
Tc を求め、この適応的閾値Tc とアイリスフィルター
処理による各画素ごとの出力値Iとの比較結果に基づい
て異常陰影候補領域内の画素を抽出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射線画像における
腫瘤陰影に代表される異常陰影候補の検出方法および装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、種々の画像取得方法により得
られた画像を表す画像信号に対して、階調処理や周波数
処理等の画像処理を施し、画像の観察読影性能を向上さ
せることが行われている。特に人体を被写体とした放射
線画像のような医用画像の分野においては、医師等の専
門家が、得られた画像に基づいて患者の疾病や傷害の有
無を的確に診断する必要があり、その画像の読影性能を
向上させる画像処理は不可欠なものとなっている。
【0003】このような画像処理においては、その画像
全体を処理の対象とする場合もあるが、検査や診断の目
的がある程度明確な場合は、その目的に適した所望の画
像部分だけを選択的に強調処理することもある。
【0004】通常、そのような画像部分の選択は、画像
処理が施される以前の原画像を観察読影者が観て、必要
に応じて手動で行うものであるが、選択される対象画像
部分や指定される範囲は観察者の経験や画像読影能力の
高低によって左右され客観的なものとならない虞があ
る。
【0005】例えば乳癌の検査を目的として撮影された
放射線画像においては、その放射線画像から癌化部分の
特徴の一つである腫瘤陰影を抽出することが必要である
が、必ずしも的確にその腫瘤陰影の範囲を指定できると
は限らない。このため、観察者の技量に依存せずに、腫
瘤陰影を始めとする異常陰影を的確に検出することが求
められている。
【0006】この要望に応えるため、計算機処理を用い
て異常陰影候補を自動的に検出するようにした計算機支
援画像診断(CADM;Computer Aided Diagnosis of Medi
calimages)の研究が最近進んでいる。このCADM技術の
一つとしてアイリスフィルター処理が提案されている
(小畑他「DR画像における腫瘤影検出(アイリスフィ
ルタ)」電子情報通信学会論文誌 D-II Vol.J75-D-II N
o.3 P663〜670 1992年3月参照)。このアイリスフィル
ター処理は、特に乳癌における特徴的形態の一つである
腫瘤陰影を検出するのに有効な手法として研究されてい
るが、対象画像としては、このようなマンモグラムにお
ける腫瘤陰影に限るものではなく、その画像を表す画像
信号(濃度等)の勾配が集中しているものについては、
いかなる画像部分に対しても適用することができる。
【0007】以下、腫瘤陰影の検出処理を例にして、こ
のアイリスフィルターによる腫瘤陰影候補の検出処理の
概要について説明する。
【0008】例えばX線フイルム上における放射線画像
(高濃度高信号レベルの画像信号で表される画像)にお
いては、腫瘤陰影は周囲の画像部分に比べて濃度値がわ
ずかに低いことが知られており、その濃度値の分布は概
略円形の周縁部から中心部に向かうにしたがって濃度値
が低くなるという濃度値の勾配を有している。したがっ
て腫瘤陰影においては、局所的な濃度値の勾配が認めら
れ、その勾配線は腫瘤の中心方向に集中する。
【0009】アイリスフィルターは、この濃度値に代表
される画像信号の勾配を勾配ベクトルとして算出し、そ
の勾配ベクトルの集中度を出力するものであり、アイリ
スフィルター処理とはこの勾配ベクトルの集中度を基に
腫瘤陰影を検出するものである。
【0010】すなわち例えば図5(1)に示すようなマ
ンモグラムにおいて腫瘤陰影P1 内の任意の画素におけ
る勾配ベクトルは同図(2)に示すように腫瘤陰影の中
心付近を向くが、血管陰影や乳腺等のように細長い陰影
P2 では同図(3)に示すように勾配ベクトルが特定の
点に集中することはないため、局所的に勾配ベクトルの
向きの分布を評価し、特定の点に集中している領域を抽
出すれば、それが腫瘤陰影となる。なお、同図(4)に
示すような乳腺等の細長い陰影同士が交差した陰影P3
については勾配ベクトルが特定の点に集中する傾向があ
り疑似異常陰影となりうる。
【0011】以上がアイリスフィルター処理の基本的な
考え方である。以下に具体的なアルゴリズムのステップ
を示す。
【0012】(ステップ1)勾配ベクトルの計算 対象となる画像を構成する全ての画素について、各画素
jごとに、下記式(1)に示す計算式に基づいた画像デ
ータの勾配ベクトルの向きθを求める。
【0013】
【数1】
【0014】ここでf1 〜f16は、図6に示すように、
その画素jを中心とした例えば縦5画素×横5画素の大
きさのマスクの外周上の画素に対応した画素値(画像デ
ータ)である。
【0015】(ステップ2)勾配ベクトルの集中度の算
出 次に、対象となる画像を構成する全ての画素について、
各画素ごとに、その画素を注目画素とする勾配ベクトル
の集中度Cを次式(2)にしたがって算出する。
【0016】
【数2】
【0017】ここでNは注目画素を中心に半径Rの円内
に存在する画素の数、θj は、注目画素とその円内の各
画素jとを結ぶ直線と、その各画素jにおける上記式
(1)で算出された勾配ベクトルとがなす角である(図
7参照)。したがって上記式(2)で表される集中度C
が大きな値となるのは、各画素jの勾配ベクトルの向き
が注目画素に集中する場合である。
【0018】ところで、腫瘤陰影近傍の各画素jの勾配
ベクトルは、腫瘤陰影のコントラストの大小に拘らず、
略その腫瘤陰影の中心部を向くため、上記集中度Cが大
きな値を採る注目画素は、腫瘤陰影の中心部の画素とい
うことができる。一方、血管などの線状パターンの陰影
は勾配ベクトルの向きが一定方向に偏るため集中度Cの
値は小さい。したがって、画像を構成する全ての画素に
ついてそれぞれ注目画素に対する上記集中度Cの値を算
出し、その集中度Cの値が予め設定された閾値を上回る
か否かを評価することによって、腫瘤陰影を検出するこ
とができる。すなわち、このフィルターは通常の差分フ
ィルターに比べて、血管や乳腺等の影響を受けにくく、
腫瘤陰影を効率よく検出できる特長を有している。
【0019】さらに実際の処理においては、腫瘤の大き
さや形状に左右されない検出力を達成するために、フィ
ルターの大きさと形状とを適応的に変化させる工夫がな
される。図8に、そのフィルターを示す。このフィルタ
ーは、図7に示すものと異なり、注目画素を中心として
2π/M度の角度間隔で隣接するM種類の方向(図8に
おいては、11.25 度ごとの32方向を例示)の放射状の方
向線上の画素のみで上記集中度の評価を行うものであ
る。
【0020】ここでi番目の方向線上にあって、かつ注
目画素からn番目の画素の座標([x],[y])は、
注目画素の座標を(k,l)とすれば、以下の式
(3),(4)で与えられる。
【0021】
【数3】
【0022】ただし、[x],[y]は、x,yを越え
ない最大の整数である。
【0023】さらに、その放射状の方向線上の各方向線
ごとに最大の集中度が得られる画素までの出力値をその
方向についての集中度Cimaxとし、その集中度Cimaxを
すべての方向線について平均し、この平均値を注目画素
についての勾配ベクトル群の集中度Cとする。
【0024】具体的には、まずi番目の放射状の線上に
おいて注目画素からn番目の画素までで得られる集中度
Ci (n)を下記式(5)により求める。
【0025】
【数4】
【0026】すなわち式(5)は、始点を注目画素、終
点をRmin からRmax までの範囲内で変化させて、集中
度Ci (n)を算出するものである。
【0027】ここでRmin とRmax とは、抽出しようと
する腫瘤陰影の半径の最小値と最大値である。
【0028】次に、勾配ベクトル群の集中度Cを下記式
(6)および(7)により計算する。
【0029】
【数5】
【0030】ここで式(6)のCimaxは、式(5)で得
られた放射状の方向線ごとの集中度Ci (n)の最大値
であるから、注目画素からその集中度Ci (n)が最大
値となる画素までの領域が、その方向線の方向における
腫瘤陰影の候補領域となる。
【0031】そしてすべての放射状の方向線について式
(6)の計算をしてその各方向線上における腫瘤陰影の
領域の輪郭(辺縁点)を求め、この各方向線上における
腫瘤陰影の領域の隣接する辺縁点を、直線または非線形
曲線で結ぶことにより、腫瘤陰影の候補となり得る領域
の輪郭を特定することができる。
【0032】そして、式(7)では、この領域内の式
(6)で与えられた集中度の最大値Cimaxを放射状の方
向線の全方向(式(7)では32方向の場合を例示)につ
いて平均した値を求める。この求められた値がアイリス
フィルター処理の出力値Iであり、この出力値Iを、腫
瘤陰影であるか否かを判別するのに適した予め設定した
一定の閾値Tと比較し、I≧Tであればこの注目画素を
中心とする領域が異常陰影候補(腫瘤陰影候補)であ
り、I<Tであれば腫瘤陰影候補ではない、と判定す
る。
【0033】これを図示すると、例えば図9(1)に示
すようなマンモP0 を被写体とした放射線画像(フイル
ムに記録されたネガ画像)Pについてアイリスフィルタ
ー処理を施すと、同図(2),(3)に示すように、腫
瘤陰影P1 の出力値はI1 となり、この出力値I1 が閾
値Tで切り取られた断面形状Aを腫瘤陰影候補の領域と
して検出していることになる。
【0034】なお、式(7)の勾配ベクトル群の集中度
Cを評価する領域が勾配ベクトルの分布に応じて大きさ
と形状が適応的に変化する様子が、外界の明るさに応じ
て拡大、縮小する人間の目の虹彩(iris)の様子に似て
いることから、勾配ベクトルの集中度を利用した腫瘤陰
影の候補領域を検出する上述の手法はアイリスフィルタ
ー(iris filter )処理と称されている。
【0035】なお、前述の集中度Ci (n)の計算は式
(5)の代わりに、下記式(5′)を用いてもよい。
【0036】
【数6】
【0037】すなわち式(5′)は、抽出しようとする
腫瘤陰影の半径の最小値Rmin に対応した画素を始点と
して、終点をRmin からRmax までとした範囲内で集中
度Ci (n)を算出するものである。
【0038】上述のステップにより、アイリスフィルタ
ーは放射線画像から所望とする大きさの腫瘤陰影だけを
効果的に検出することができ、特にマンモグラムにおけ
る癌化部分の検出を主目的として研究されている。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述したアイ
リスフィルター処理の出力値Iは常に図9(2)に示し
たような1つのピークを持つ山型の分布となるとは限ら
ない。
【0040】すなわち、放射線画像に例えば図3(1)
に示すような2つの濃度極小部を持つ濃度分布の異常陰
影P1 が記録されている場合は、この画像のアイリスフ
ィルター処理出力値は2つのピーク(極大部)を有する
山型の分布I1 を持つものとなる(同図(2))。この
場合、アイリスフィルター処理の出力値の分布の裾野の
部分を切り取るような大きさに設定された閾値T2によ
って判定処理する場合(同図(3))は、その切断面の
形状は1つの領域Aとして抽出することができるが、分
布の頂部付近を切り取るような大きさに設定された閾値
T1によって判定処理する場合(同図(4))は、その
切断面の形状は2つの領域A1,A2として抽出される
ことになる。
【0041】そして同図(4)に示す2つの領域として
抽出された異常陰影候補について強調処理を施せば、同
図(3)に示す本来の領域の形状(輪郭)とは全く異な
る印象を与える画像が形成されることになり、診断支援
の観点から好ましくない。
【0042】そこで上記閾値Tを上記分布の裾野の部分
を切り取るような大きさに設定すればよいが、閾値を小
さく設定すれば、同図(3)に示すように腫瘤陰影では
ない多くの疑似的な陰影の領域Bまで検出されることに
なり、医師等の画像読影者に腫瘤陰影か疑似的な陰影か
の無駄な判断労力を強いることになり、好ましくない。
また、上記のような特殊な形状の陰影に合わせて閾値を
常に予め適切に設定することは実際上不可能である。
【0043】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、特殊な濃度分布を有する形状の異常陰影候補につ
いても適切にその輪郭形状を検出することができる異常
陰影候補の検出方法および装置を提供することを目的と
するものである。
【0044】
【課題を解決するための手段】本発明の異常陰影候補の
検出方法および装置は、アイリスフィルター処理の出力
値Iとの比較対象たる閾値Tを変化させ、その変化に対
応して検出される異常陰影候補領域の面積の変化率に基
づいて、異常陰影候補領域の形状を検出するのに適切な
閾値(適応的閾値)を求め、この適応的閾値に基づいて
異常陰影候補領域を的確に検出するようにしたものであ
る。
【0045】すなわち、本発明の異常陰影候補の検出方
法は、被写体の放射線画像を読み取って得られた画像信
号に対してアイリスフィルター処理を施し、該アイリス
フィルター処理による各画素ごとの出力値と予め設定さ
れた閾値とを比較し、該比較の結果、前記閾値を上回っ
た出力値に対応した画素を異常陰影候補領域内の画素と
して抽出する異常陰影候補の検出方法において、前記閾
値を段階的に変化させて、対応する前記異常陰影候補領
域の面積の変化率を求め、該求められた前記閾値と前記
異常陰影候補領域の面積の変化率との対応関係に基づい
て前記面積の変化率の特異点に対応する閾値を適応的閾
値として求め、該適応的閾値と前記アイリスフィルター
処理による各画素ごとの出力値との比較結果に基づいて
前記異常陰影候補領域内の画素を抽出することを特徴と
するものである。
【0046】ここで異常陰影候補領域の面積とは、図3
(3)、(4)に示すように閾値Tで切り取られた断面
形状(異常陰影候補領域)A,B,A1,A2の各面積
A,B,A1,A2を意味する。
【0047】またこの面積の変化率としては例えば次式
(8)で定義されるS(Ti )を適用することができ
る。
【0048】
【数7】
【0049】ここでTi は、i を変化させたときの閾
値、A(Ti )は閾値Ti に対応する異常陰影候補領域
の面積を意味する。
【0050】また特異点とは、上記面積の変化率を例え
ば式(8)で定義されるS(Ti )を用いた場合、図4
(1)のグラフに示す閾値Ti と異常陰影候補領域の面
積の変化率S(Ti )との対応関係に基づく面積の変化
率S(Ti )の変曲点S(Tc )を意味する。したがっ
てこの例の場合における適応的閾値は面積の変化率S
(Ti )がS(Tc )を採るときの閾値Tc を意味す
る。具体的には、図4(1)に示す面積の変化率S(T
i )を閾値Ti で微分したときの第1階微分係数S′
(Ti )が最大値S′max を採るときの閾値Tc を求め
ればよい。
【0051】本発明の異常陰影候補の検出装置は、被写
体の放射線画像を読み取って得られた画像信号に対して
アイリスフィルター処理を施すアイリスフィルター処理
手段、および該アイリスフィルター処理手段の出力値と
予め設定された閾値とを比較し、該比較の結果、前記閾
値を上回った出力値に対応した画素を異常陰影候補領域
内の画素として抽出する比較判定手段とを備えた異常陰
影候補の検出装置において、前記閾値を段階的に変化さ
せる閾値シフト手段と、前記変化された閾値ごとの、前
記異常陰影候補領域の面積の変化率を求める面積変化率
算出手段と、該求められた前記閾値と前記異常陰影候補
領域の面積の変化率との対応関係に基づいて前記面積の
変化率の特異点に対応する閾値を適応的閾値として求め
る適応的閾値算出手段とをさらに備え、前記比較判定手
段は、前記出力値と前記適応的閾値とに基づいて前記比
較および判定を行なうものであることを特徴とするもの
である。
【0052】
【発明の効果】本発明の異常陰影候補の検出方法および
異常陰影候補の検出装置は、アイリスフィルター処理の
出力値との比較対象たる閾値を段階的に変化させ、その
各閾値ごとに検出される異常陰影候補領域の面積をそれ
ぞれ求め、この面積の変化率の特異点に対応する適応的
閾値を求め、この適応的閾値とアイリスフィルター処理
による各画素ごとの出力値との比較結果に基づいて前記
異常陰影候補領域内の画素を抽出する。
【0053】面積の変化率の特異点は、例えば図3
(4)に示す2つの異常陰影候補領域A1,A2を1つ
の異常陰影候補領域Aとして切り取るように変化したと
き(同図(5))であるから、その特異点に対応した適
応的閾値Tc に基づいてアイリスフィルター処理出力値
Iとの比較を行えば、アイリスフィルター処理出力値が
2つのピークを有する山型の分布I1 等のような特殊な
濃度分布を有する形状の異常陰影候補についても適切に
その輪郭形状を的確に検出することができる。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、本発明の異常陰影候補の検
出装置の具体的な実施の形態について説明する。
【0055】図1は本発明の異常陰影候補の検出装置の
一実施形態の概略構成を示すブロック図、図2は図1に
示した異常陰影候補の検出装置を用いた計算機支援画像
診断装置の一例を示すブロック図である。
【0056】図示の計算機支援画像診断装置100 は、入
力された画像信号(以下、全体画像信号という)Sを記
憶する記憶手段20と、この記憶手段20に記憶された全体
画像信号Sを読み出して、階調処理、周波数処理等の画
像処理を施す全体画像処理手段30と、記憶手段20に記憶
された全体画像信号Sを読み出して、この全体画像信号
Sのうち異常陰影(腫瘤陰影)候補を表す画像信号(以
下、局所画像信号という)を抽出する異常陰影候補検出
装置10と、この抽出された局所画像信号に対して抽出し
た異常陰影候補を強調処理する局所画像処理手段40と、
全体画像処理手段30により画像処理された全体画像と局
所画像処理手段40により画像処理された異常陰影候補と
を可視像として表示する表示手段50とを備えた構成であ
る。
【0057】ここで、計算機支援画像診断装置100 に入
力される全体画像信号Sは、例えば図3(1)に示すよ
うな患者のマンモグラムを表す画像Pが蓄積記録してな
る蓄積性蛍光体シートに、励起光を照射することにより
発生せられた輝尽発光光を光電的に読み取り、その後に
デジタル変換して得られた画像信号(高濃度高信号レベ
ルの信号)である。またこの画像には、2つの極小部を
含む濃度分布の腫瘤陰影P1 および乳腺の陰影P2 等が
記録されている。
【0058】また表示手段50は、全体画像と異常陰影と
を表示面上に各別に表示してもよいが、本実施形態にお
いては、全体画像を表示しつつこの全体画像のうち異常
陰影候補の画像部分だけは局所画像処理手段40により画
像処理された異常陰影候補の画像に置き換えて表示する
ものとする。
【0059】異常陰影候補検出装置10は詳しくは図1に
示すように、全体画像信号Sに対して前述したアイリス
フィルター処理を施すアイリスフィルター処理手段11
と、初期的に設定された閾値(初期閾値)T0 が記憶さ
れたメモリ12と、この初期閾値T0 を段階的な大きさの
閾値Ti にシフトさせる閾値シフト手段13と、アイリス
フィルター処理手段11の出力値Iと入力される閾値とを
比較し、この比較の結果、各閾値を上回った出力値を有
する画素(アイリスフィルター処理における注目画素)
を異常陰影候補領域内の画素として抽出する比較判定手
段14と、前記段階的な大きさの閾値Ti とアイリスフィ
ルター処理手段11の出力値Iとの、比較判定手段14によ
る比較結果に基づいて抽出された画素によって画される
異常陰影候補領域の各面積を求めるとともに、閾値を段
階的に変化させたことによるこの各面積の変化率S(T
i )を下記式(8)により求める面積変化率算出手段15
と、面積変化率算出手段15により求められた、閾値Ti
と異常陰影候補領域の面積の変化率S(Ti )との対応
関係に基づいて、この面積の変化率S(Ti )の変曲点
S(Tc )を特異点として求め、この特異点S(Tc )
に対応した閾値Tc を適応的閾値として求め、この適応
的閾値Tc を比較判定手段14に入力する適応的閾値算出
手段16とを備えた構成である。
【0060】
【数7】
【0061】ここでTi は、i を変化させたときの段階
的な閾値、A(Ti )は閾値Ti に対応する異常陰影候
補領域の面積を意味する。
【0062】次に本実施形態の異常陰影候補検出装置10
の作用について説明する。
【0063】記憶手段20から異常陰影候補検出装置10に
入力された全体画像信号Sは、アイリスフィルター処理
手段11に入力される。
【0064】ここでアイリスフィルター処理手段11は、
入力された全体画像信号Sに対して1画素ずつ注目画素
を代えて、式(6)にしたがった濃度勾配ベクトルの集
中度の最大値Cimaxを求め、さらに式(7)にしたがっ
て、異常陰影の注目画素から放射状に延びる複数の方向
線について最大値Cimaxの平均値を求め、得られた平均
値をアイリスフィルター処理手段11の出力値Iとして比
較判定手段14に入力する。
【0065】
【数5】
【0066】すなわち図3(1)に示すような腫瘤陰影
1 および乳腺の陰影P2 についての各アイリスフィル
ター処理出力値はそれぞれ同図(2)に示すような分布
のI1 ,I2 となる。
【0067】一方、メモリ12に記憶された初期閾値T0
を閾値シフト手段13が読み出し、閾値シフト手段13はこ
の初期閾値T0 を例えば-100ずつシフトさせ、複数の段
階的な閾値Ti を設定し、この段階的な閾値Ti を比較
判定手段14に入力する。
【0068】比較判定手段14は、アイリスフィルター処
理手段11から入力されたアイリスフィルター処理出力値
Iと閾値シフト手段13から入力された段階的な大きさの
各閾値Ti とをそれぞれ比較し、この各比較の結果、閾
値を上回った出力値を有する画素(アイリスフィルター
処理における注目画素)を各閾値Ti ごとに、異常陰影
候補領域内の画素として抽出する。
【0069】すなわち、図3(4)に示す比較的大きな
閾値T1により比較判定したときには、異常陰影候補領
域A1,A2の内部に存在する画素が抽出され、同図
(3)に示す閾値T2(<T1)により比較判定したと
きには、異常陰影候補領域A,Bの内部に存在する画素
が抽出される。
【0070】比較判定手段14により、各閾値Ti ごとに
抽出された、異常陰影候補領域内の画素は、それぞれ面
積変化率算出手段15に入力され、面積変化率算出手段15
は各閾値Ti ごとに抽出された、異常陰影候補領域内の
画素によって画される異常陰影候補領域ごとの各面積A
(Ti )を求める。
【0071】さらに面積変化率算出手段15は、式(8)
にしたがって、閾値を段階的に変化させたことによるこ
の各面積の変化率S(Ti )を図4(1)に示すように
求める。
【0072】次いで適応的閾値算出手段16が、面積変化
率算出手段15により求められた、閾値Ti と異常陰影候
補領域の面積の変化率S(Ti )との対応関係に基づい
て、この面積の変化率S(Ti )の変曲点S(Tc )を
特異点として求める。
【0073】この特異点S(Tc )は、具体的には、図
4(1)に示す面積の変化率S(Ti )を閾値Ti で微
分して第1階微分係数S′(Ti )(同図(2)参照)
を求め、この第1階微分係数S′(Ti )が最大値S′
max を採るときを探索することによって求める。そして
この特異点は、図3(4)に示す2つの異常陰影候補領
域A1,A2を1つの異常陰影候補領域Aとして切り取
るように面積変化率S(Ti )が変化したとき(同図
(5))である。
【0074】適応的閾値算出手段16はさらに、この特異
点S(Tc )に対応する閾値Tc を適応的閾値として求
め、比較判定手段14に入力する。
【0075】比較手段14は、適応的閾値算出手段16から
入力された適応的閾値Tc とアイリスフィルター処理手
段11から入力されたアイリスフィルター処理出力値Iと
について再度の比較判定を行い、(出力値I)≧(適応
的閾値Tc )であった場合は、その出力値Iを得た画素
を異常陰影候補領域内に含まれる画素として、局所画像
処理手段40に出力し、一方、(出力値I)<(適応的閾
値Tc )であればその出力値Iを得た画素を出力しな
い。
【0076】この結果、図3(4)に示す2つの異常陰
影候補領域A1,A2が1つの異常陰影候補領域Aとし
て切り取られたとき(同図(5))に、その異常陰影候
補領域Aに含まれる画素が局所画像処理手段40に出力さ
れることになる。
【0077】すなわち、本来1つの異常陰影P1 を、2
つの異常陰影候補領域A1,A2として誤検出すること
なく、1つの異常陰影候補領域Aとして的確に検出する
とともに、閾値が極端に小さくなることがないため、異
常陰影ではない乳腺の陰影P2 を異常陰影候補領域とし
て誤検出することもない。
【0078】したがって、医師等の画像読影者に、異常
陰影候補領域か疑似的な陰影かの無駄な判断労力を強い
ることがない。
【0079】このように異常陰影候補検出装置10により
的確に抽出された異常陰影候補領域を表す画素が局所画
像処理手段40に入力され、局所画像処理手段40はこれら
の画素に定義された信号値に対して、腫瘤陰影を観察す
るのに最適な強調処理を施したうえで表示手段50に入力
する。
【0080】一方、全体画像処理手段30により階調処
理、周波数処理等の、全体画像を観察するのに適した画
像処理が施された全体画像信号も表示手段50に入力さ
れ、表示手段50は、全体画像を表示しつつこの全体画像
のうち異常陰影候補の画像部分だけは局所画像処理手段
40により画像処理された異常陰影候補の画像に置き換え
て表示し、医師等の画像観察読影者による異常陰影の診
断に供される。
【0081】なお、閾値シフト手段13によりシフトさせ
る閾値の変動幅ΔT(例えば100 )よりも大きい一定の
ステップ量Δαで予め閾値を変動させ、7個ないし10個
の異常陰影候補領域を検出したときの閾値を、上記初期
閾値T0 として設定してもよい。
【0082】また上記各実施形態においては、対象画像
をマンモグラムとしたものについて説明したが本発明の
異常陰影候補の検出方法および装置においては、対象画
像はマンモグラムに限るものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異常陰影候補の検出装置の一実施形態
の概略構成を示すブロック図
【図2】図1に示した異常陰影候補の検出装置を用いた
計算機支援画像診断装置の一例を示すブロック図
【図3】(1)は図2に示した計算機支援画像診断装置
による処理の対象となる画像(マンモグラム)を示す
図、(2)は(1)に示した腫瘤陰影P1 および乳腺の
陰影P2 、の各アイリスフィルター処理出力値I1 ,I
2 を示す図、(3)、(4)および(5)は(2)に示
したアイリスフィルター処理出力値I1 ,I2 を閾値T
により切り取ったときの異常陰影候補領域を示す図
【図4】(1)段階的な閾値Ti と異常陰影候補領域の
面積の変化率S(Ti )との対応関係を示すグラフ、
(2)(1)に示したグラフの第1階微分係数を示すグ
ラフ
【図5】マンモグラムにおける濃度勾配の集中度を示す
概念図
【図6】アイリスフィルター処理における勾配ベクトル
を算出するマスクを示す図
【図7】注目画素についての勾配ベクトルの集中度の概
念を示す図
【図8】輪郭形状が適応的に変化するように設定された
アイリスフィルターを示す概念図
【図9】(1)はマンモグラムを示す図、(2)および
(3)は(1)に示したマンモグラムを対象画像とした
アイリスフィルター処理出力値と閾値との関係を示す図
【符号の説明】
10 異常陰影候補検出装置 11 アイリスフィルター処理手段 12 メモリ 13 閾値シフト手段 14 比較判定手段 15 面積変化率算出手段 16 適応的閾値算出手段 20 記憶手段 40 局所画像処理手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体の放射線画像を読み取って得られ
    た画像信号に対してアイリスフィルター処理を施し、該
    アイリスフィルター処理による各画素ごとの出力値と予
    め設定された閾値とを比較し、該比較の結果、前記閾値
    を上回った出力値に対応した画素を異常陰影候補領域内
    の画素として抽出する異常陰影候補の検出方法におい
    て、 前記閾値を段階的に変化させて、対応する前記異常陰影
    候補領域の面積の変化率を求め、 該求められた前記閾値と前記異常陰影候補領域の面積の
    変化率との対応関係に基づいて前記面積の変化率の特異
    点に対応する閾値を適応的閾値として求め、 該適応的閾値と前記アイリスフィルター処理による各画
    素ごとの出力値との比較結果に基づいて前記異常陰影候
    補領域内の画素を抽出することを特徴とする異常陰影候
    補の検出方法。
  2. 【請求項2】 被写体の放射線画像を読み取って得られ
    た画像信号に対してアイリスフィルター処理を施すアイ
    リスフィルター処理手段、および該アイリスフィルター
    処理手段の出力値と予め設定された閾値とを比較し、該
    比較の結果、前記閾値を上回った出力値に対応した画素
    を異常陰影候補領域内の画素として抽出する比較判定手
    段を備えた異常陰影候補の検出装置において、 前記閾値を段階的に変化させる閾値シフト手段と、 前記変化された閾値ごとの、前記異常陰影候補領域の面
    積の変化率を求める面積変化率算出手段と、 該求められた前記閾値と前記異常陰影候補領域の面積の
    変化率との対応関係に基づいて前記面積の変化率の特異
    点に対応する閾値を適応的閾値として求める適応的閾値
    算出手段とをさらに備え、 前記比較判定手段は、前記出力値と前記適応的閾値とに
    基づいて前記比較および判定を行なうものであることを
    特徴とする異常陰影候補の検出装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011501308A (ja) * 2007-10-26 2011-01-06 コンセホ スペリオール デ インヴェスティガシオーネス シエンティフィカス フィンガープリントにおける特異点の分析のための方法およびシステム
JP2011194024A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Fujifilm Corp 異常陰影検出装置および方法ならびにプログラム
WO2018030519A1 (ja) * 2016-08-10 2018-02-15 コニカミノルタメディカルソリューションズ株式会社 乳房領域検出システム、乳房領域検出方法、及びプログラム

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JP2011194024A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Fujifilm Corp 異常陰影検出装置および方法ならびにプログラム
WO2018030519A1 (ja) * 2016-08-10 2018-02-15 コニカミノルタメディカルソリューションズ株式会社 乳房領域検出システム、乳房領域検出方法、及びプログラム

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