JPH109852A - 真直度測定方法 - Google Patents

真直度測定方法

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JPH109852A
JPH109852A JP8159301A JP15930196A JPH109852A JP H109852 A JPH109852 A JP H109852A JP 8159301 A JP8159301 A JP 8159301A JP 15930196 A JP15930196 A JP 15930196A JP H109852 A JPH109852 A JP H109852A
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measurement
displacement
measured
displacement meter
shape
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Yutaka Uda
豊 宇田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実時間に近い迅速な測定処理により、連続し
た高精度な真直度の測定及び評価を可能とする。 【解決手段】 変位計を用いて測定物51の真直度を測定
するに際し、1つのテーブル11に取り付けた2台の変位
計15,17により測定物51の形状を測定し、一方の変位計1
5は測定物51の形状を検出し、他方の変位計17はテーブ
ル11の誤差運動を検出するとの役割分担を決め、テーブ
ル11の移動に合わせて連続的に測定を行い、2台の変位
計15,17の計測値を計算機41により演算処理することに
よって測定物51の真直度を求める真直度測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、測定物の直線性を
高精度に測定する方法に関するものである。尚詳しく
は、例えば工作機械や計測機に使用されるテーブル案内
面のような直線の構造部材の真直度測定方法や、直線の
基準となるストレートエッジなどの真直度を評価する真
直度測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、真直度の測定は、測定基準となる
直線からのずれ量を変位計により測定して行っている。
即ち、変位計が取り付けられているテーブルの直線運動
を測定基準の直線と見なしている。この測定方法では、
測定基準の誤差が直接測定精度に影響をおよぼすため、
測定基準の補正が必要となる。
【0003】従来の測定基準の補正を行った測定方法の
例としては、逐次点測定法や反転法などがある。この逐
次測定法は、図5に示すように、複数の変位センサなど
で測定物の測定面を同時に測定し、ついで各変位センサ
の隔移だけ移動させ、再び各点を測定するものである。
そしてこのとき、1点を除き他の点は前回の測定点に重
ね合わせるように各センサを移動させて測定を行うもの
である。これを繰り返し、各点間の相対変位から全体の
プロフィルを計算する方法である。
【0004】即ち、逐次2点測定法は、図5の(a)に
示すように、2個の変位センサA,Bを用いる。そし
て、変位センサBの位置まで変位センサAを移動させ、
前回の変位センサBの測定値と変位センサAの新たな測
定値との差がテーブルを移動させたことによるテーブル
誤差運動の値であるとし、変位センサBの新たな測定値
を補正する。この補正を加えた新たな測定値と変位セン
サBによる前回の測定値とにより測定面の真直度を測定
し、評価するものである。
【0005】このように、逐次2点測定法は、テ−ブル
直線誤差運動が、測定方向の並進運動のみで、ピッチン
グ、ヨ−イング等の回転誤差運動が無いものと仮定して
いる。従って、簡便な測定方法によりデ−タ処理を容易
とし、実時間に近い測定を可能としているものである。
又、逐次3点測定法は、図5の(b)に示すように、3
個の変位センサA,B,Cを等間隔に配置して用い、前
回の変位センサBの位置を変位センサAにより、且つ、
前回の変位センサCの位置を変位センサBにより測定す
ると共に、変位センサCにより新たな測定点を測定する
ことを繰り返すものである。
【0006】従って、逐次3点測定法は、前回に変位セ
ンサB及び変位センサCにより測定した測定点を再度変
位センサA及び変位センサBにより測定する故、テ−ブ
ルの回転誤差運動も検出でき、逐次2点測定法に比べ、
精度良く測定ができる。尚、図5の(c)に示す逐次4
点測定法は、4個の等間隔に配置した変位センサを用
い、逐次3点測定法などと同様に変位センサの間隔だけ
テーブルを移動させて順次測定を繰り返すものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この様に、逐次点測定
法では変位センサなどの変位計を複数個使用し、同一測
定点での測定結果により変位計を取り付いているテ−ブ
ルの直線誤差運動を補正している。しかし、変位センサ
の間隔だけテーブルを移動させて同一点の測定を繰り返
すため、変位計の間隔より空間周波数が高い領域のテ−
ブル直線誤差運動を補正する事ができず、測定面の連続
した直線性を評価するには不十分となる欠点があった。
又、実時間での補正が困難である、等の問題点もあっ
た。
【0008】即ち、逐次2点測定法は、簡便な測定方法
で、デ−タ処理が容易なため、比較的短時間で測定評価
ができるが、変位センサの間隔毎に測定を行うため、精
度良く直線誤差運動を補正できない欠点があった。又、
逐次3点測定法は、デ−タ処理が複雑になり、実時間測
定が非常に困難である。更に、変位計が4台以上の逐次
多点測定法は、逐次3点測定法より更に直線誤差運動を
補正できるが、デ−タ処理が一層複雑になるため、ほぼ
実時間測定は不可能である。さらに、個々の変位計特性
の差がデ−タ処理の誤差に影響をおよぼすため、変位計
台数を増やしても、テ−ブル直線誤差運動のさらなる補
正効果は期待できない欠点があった。
【0009】本発明は、変位計を2台使用する簡単な構
成で、変位計間のテ−ブル直線誤差運動を補正し、さら
に実時間に近い測定結果が得られるようにすることを目
的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するために鋭意研究した結果、第一の変位計は測定物の
真直度を検出し、第二の変位計はテ−ブル直線誤差運動
を検出するとし、測定デ−タに基づいて簡単な演算処理
を行うことにより、ほぼ実時間で測定デ−タを測定物の
真直度とテ−ブル直線誤差運動とに分離することによっ
て、上記問題点を解決することができることを見出し、
本発明をなすに至った。
【0011】即ち、本願発明は、変位計を用いて測定物
の真直度を測定する際に、1つのテーブルに取り付けた
2台の変位計により測定物の形状を測定し、一方の変位
計は測定物の形状を検出し、他方の変位計はテーブルの
誤差運動を検出するとの役割分担を決め、テーブルの移
動に合わせて連続的に測定を行い、2台の変位計の計測
値を演算処理することによって測定物の真直度を求める
真直度の測定方法とするものである。
【0012】このように、一方の変位計は測定物の形状
を検出するものとした故、テーブル誤差運動を含んだ値
であっても、テーブルの移動に合わせて連続した測定面
の形状測定を行うことができる。そして、他方の変位計
はテーブル誤差運動を検出するものとした故、従来の2
点測定法と同様に、誤差補正を行うことが可能であり、
実時間で連続した測定面の形状測定を行うことができ
る。
【0013】又、一方の変位計を第一の変位計としてこ
の第一の変位計により測定物の形状を測定し、他方の変
位計を第二の変位計としてこの第二の変位計の出力値か
ら第一の変位計により求めた既知の形状の値を引くこと
によりテーブル誤差運動を求めることとし、求めたテー
ブル誤差運動の値と1未満の係数との積を第一の変位計
の出力値から引くことにより、測定形状を求めることが
好ましい。
【0014】この様に、一方の変位計の出力値と他方の
変位計の出力値との演算を行うに際し、1未満の係数を
テーブル誤差運動の値に乗じて第一の変位計の出力値か
ら引くことにより、テーブル誤差運動による測定誤差を
徐々に小さくし、連続的に測定を繰り返すことにより測
定値を真値に近い値に収束させることができる。更に、
先行する変位計を測定物の形状測定を行う第一の変位計
とし、進行方向後方の変位計をテーブル誤差運動の測定
を行う第二の変位計とすることがある。
【0015】この様に、先行する変位計を第一の変位計
として測定物の形状を測定するものとすれば、極めて小
さなテーブル誤差運動の値を含みつつ測定物の真直度の
測定を開始することができ、測定を繰り返して連続する
ことにより、テーブル誤差運動による測定誤差を小さく
して高精度の真直度の測定評価を行うことが可能とな
る。
【0016】そして、テーブルを往復移動させ、テーブ
ルの進行時に少なくとも測定物の後半位置の形状を求
め、テーブルの後退時に少なくとも測定物の前半位置の
形状を求めることがある。この様に、テーブルを往復移
動させることとし、テーブルの前進時に測定物の後半位
置の形状を求めることとすれば、テーブル誤差運動を補
正した高精度の測定により測定物の真直度を測定評価す
ることができる。同様に、テーブルの後退時には計測の
後半で測定する測定物の前半位置の形状を高精度で測定
して真直度を測定評価することができる。従って、テー
ブルを一往復させることにより、測定物の全体を高精度
で測定した真直度の評価が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
用いて詳細に説明する。図1に本発明に係る方法を実施
する装置の基本的構成を示す。本実施の形態は、直線性
の高いテーブル案内面13に沿って移動するテーブル11に
2台の変位計を取り付けるものである。そして、リニア
エンコーダなどのテーブル位置検出器21をこのテーブル
11に設け、モータなどのテーブル駆動装置19によりテー
ブル11を移動させる際のテーブル位置を検出し得るよう
にしている。
【0018】又、テーブル11に取り付けた第一の変位計
15及び第二の変位計17は、テーブル11の移動方向と平行
に固定する測定物51の測定面とテーブル11との距離を検
出して測定物51の測定面形状を測定するものである。そ
して、第一の変位計15及び第二の変位計17の出力は、各
々変位計アンプ31,32及びアナログデジタル変換器35,36
を介して演算処理回路である計算機41に入力するものと
している。
【0019】即ち、テーブル11の移動に基づく各変位計
15,17と測定面との相対変化量を計算機41に入力し、測
定物51の真直度を測定するものとしている。更に、テー
ブル位置検出器21により検出するテーブル位置の情報
も、逐次テーブル位置検出器出力装置23を介して計算機
41に入力するものである。尚、テーブル11の進行方向に
よって、先行する第一の変位計15と後方の第二の変位計
17とは変わり、進行方向前方の変位計を第一の変位計15
とし、進行方向の後方にして第一の変位計15に追従して
移動する変位計を第二の変位計17としている。
【0020】この様に、1個のテーブル11に2台の変位
計を設けている故、両変位計15,17は、テーブル11を駆
動することにより、測定物51と各変位計15,17の相対変
動を検出して信号を出力する。この信号は、変位計アン
プ31,32により所定電圧の信号とし、アナログデジタル
変換器35,36を通すことによりデジタル信号とする。そ
して、このデジタル信号を計算機41に取り込むものであ
る。又、テーブル11の位置は、例えばリニアエンコーダ
のような検出器で検出し、同様に計算機41に取り込むも
のである。そして、テーブル11の移動に合わせて変化す
る第一の変位計15及び第二の変位計17の出力に基づい
て、計算機41で行う演算処理の測定結果は、実時間に近
い状態で表示装置45に表示するものである。
【0021】そして、本実施の形態における演算処理と
しては、テーブル11がxの位置での先行する第一の変位
計15の検出量Sa(x)により測定物51の形状を検出
し、第二の変位計17によりテーブル誤差運動を検出する
ものとする。即ち、第一の変位計15の検出量Sa(x)
は、測定物51の形状F(x)、テーブル誤差運動E
(x)、オフセット量Caとすると、 Sa(x)=F(x)+E(x)+Ca (式1) となるものである。そして、後方の第二の変位計17の検
出量Sb(x)は、先行する第一の変位計15より変位計
間隔xg後方の測定物形状を測定しているから、 Sb(x)=F(x−xg)+E(x)+Cb (式2) となるものである。尚、Cbは後方の第二の変位計17に
おける出力のオフセット量である。
【0022】そして、両変位計15,17における出力のオ
フセット量は、各変位計15,17による測定面の検出開始
点で0とする。これより、両変位計15,17のオフセット
量Ca、Cbを0として取り扱うことができる。更に、
本実施の形態では、先行する第一の変位計15による測定
値を測定物51の形状を検出するものとし、後方の第二の
変位計17による測定値によりテーブル誤差運動を検出す
るものとしている。従って、本測定法により求まる測定
物形状FI(x)は、式1により式3のように表すこと
ができる。
【0023】 FI(x)=Sa(x)−EI(x) (式3) 又、測定したテーブル11の誤差運動EI(x)は、後方
の第二の変位計17の出力Sb(x)から、既に本測定法
で求めた測定形状FI(x−xg)を引くことによって
求めることができ、以下の式で表せる。 EI(x)=Sb(x)−FI(x−xg) (式4) 従って、テーブル11の移動に伴ってこの測定法で求まる
測定物形状FI(x)の形状は、式3と式4とによる式
5で求めることができる。
【0024】
【数1】
【0025】そして、後方の第二の変位計17が、測定面
を検出できるテーブル11の位置まで移動を行う間は、後
方の変位計の出力Sb(x)は存在しないため、テーブ
ル誤差運動EI(x)を0として取り扱うこととした。
即ち、測定開始位置からテーブル11の移動距離が第一の
変位計15及び第二の変位計17の間隔距離xgに満たない
ときは、 EI(x)=0 (式6) とする。従って、測定形状の式5は式7となり、この式
に基づいて演算を行って測定物51の形状の値とするもの
である。
【0026】 FI(x)=Sa(x) (式7) 又、後方の第二の変位計17が測定面を検出できるテーブ
ル11の位置に達した後は、第一の変位計15による測定値
及び第二の変位計17による測定値に基づいて式5の演算
処理を行うことにより求める。このように、第一の変位
計15による測定値に基づいて測定面の形状を測定し、第
二の変位計17が前に第一の変位計15で測定した値との差
をテーブル11の移動によるテーブル誤差運動EI(x)
とし、このテーブル誤差運動EI(x)の値を引いた値
により第一の変位計15が測定している点を直前に第一の
変位計15が測定した点との変化量を算出する故、測定開
始と共に実時間をもって測定面の連続した測定すること
ができる。
【0027】しかし、後方の第二の変位計17が測定面を
検出できるテーブル位置までは、本測定法で求まるテー
ブル誤差運動EI(x)を0と見なしているため、第一
の変位計15により測定した測定物形状FI(x)はテー
ブル誤差運動EI(x)による誤差を含んだ値となる。
このため、式5による演算処理を続けると、0と見なし
た最初のテーブル誤差運動EI(x)の影響が、全測定
範囲におよんでしまうことになる。
【0028】従って、この影響を小さくするため、本実
施の形態では、式3での測定法で求まるテーブル誤差運
動EI(x)の値に1未満の係数mを乗じて演算処理を
行うこととした。従って、第二の変位計17が測定面の検
出を開始した後は次の式8により演算処理を行う。
【0029】 FI(x)=Sa(x)−mEI(x) (式8) この様に、テーブル誤差運動による誤差を含んだ測定物
形状FI(x)に基づいて算出されるテーブル誤差運動
EI(x)に1未満の係数mを乗じて演算処理を行え
ば、テーブル誤差運動EI(x)により測定物形状FI
(x)を算出し、この測定物形状FI(x)によりテー
ブル誤差運動EI(x)を求め、更に、テーブル誤差運
動EI(x)により測定物形状FI(x)を求めること
を繰り返すと、測定物形状FI(x)に含まれるテーブ
ル誤差運動EI(x)による誤差を徐々に小さくするこ
とができる。
【0030】図2は、このように1未満の係数mを用い
ることにより、テーブル誤差運動が測定結果におよぼす
影響が小さくなる様子を示す図である。図2の細線がテ
ーブル誤差運動E(x)を示し、太線はテーブル誤差運
動E(x)と本測定法により求まるテーブル誤差運動E
I(x)との差を示している。また、太線は測定形状F
(x)と本測定法により求まる測定形状FI(x)の
差、すなわち本測定法における測定誤差を表している。
【0031】尚、図2はテーブル誤差運動E(x)をフ
ーリエ展開した正弦波成分として模式的に修正量を示す
ものである。この測定方法では、測定開始時の過渡的な
影響とゼロ点ずれが生じているが、式8のように係数m
を用いているために変動量そのものは収束するように小
さくなる。そして、収束後はテーブル誤差運動の形状測
定におよぼす影響が大幅に改善されていることが確認で
きた。
【0032】図3は本測定法により測定におよぼす影響
がどの程度改善できるかをまとめたものである。この図
3は、テーブル誤差運動E(x)をフーリエ展開して種
々の周期λの正弦波成分とし、両変位計15,17間の距離
xgとテーブル誤差運動E(x)の周期λとの比を横軸
とし、テーブル誤差運動E(x)の振幅に対する収束後
のテーブル誤差運動E(x)と本測定法により求まるテ
ーブル誤差運動EI(x)との差の振幅との比Mの値を
示すものである。
【0033】即ち、mの値を小さくすると全体として補
正量を大きくすることができる。そして、mの値により
両変位計15,17間の距離xgの2分の1の周期の正弦波は
大きく補正され、両変位計15,17間の距離xgに近い周期
の正弦波成分の補正量は小さくなるものである。尚、m
の値を小さくすると、測定物形状FI(x)に含まれる
テーブル誤差運動EI(x)による誤差を小さくするこ
とができるも、図2に示した安定するまでの距離又は収
束するまでの時間は長くなる。
【0034】このように、この演算処理では、テーブル
誤差運動E(x)の周期λによる周期性はあるも、測定
形状F(x)の周波数、振幅の影響を受けずに測定物51
の形状測定を行うことができるものである。尚、両変位
計15,17の間隔xgとテーブル誤差運動E(x)の周期λ
とが、 xg=nλ (n:正整数) (式9) の関係になるとき、補正できない特異点は存在するもの
の、全体的にみれば改善されていることが判る。この補
正できない特異点は、従来の逐次点測定法においても存
在する特異点である。
【0035】又、ゼロ点ずれの原因は、両変位計15,17
の出力のオフセット量Ca、Cbに起因するものであ
る。初期条件には式6及び式7を用い、変位計間隔xg
ごとに式4及び式8による測定を行うと、n番目(n:
正整数)の変位計間隔での本測定によるテーブル誤差運
動EI(x)、測定形状FI(x)は、以下の式で表す
ことができる。
【0036】
【数2】
【0037】即ち、この両変位計出力オフセット量C
a、Cbは、測定開始時に決まる定数となる。又、ゼロ
点ずれは、式10及び式11に示されるように、測定が
変位計間隔xgづつ進む毎に生じるものである。従っ
て、第0測定面のサンプリングデータの平均値をAVe0
をゼロ点とし、先ず、第1測定面の平均値AVe1との仮
のゼロ点との差をゼロ点ずれとして(Ca−Cb)1
求めると、このゼロ点ずれは式12として表すことがで
きる。
【0038】
【数3】
【0039】そして、この値を用いて第0測定面からの
関数である測定形状FI(x)を求め直すこととする。
又、第2測定面のサンプルデータを収録したとき、第2
測定面の平均値AVe2を算出し、第0測定面の平均値AV
e0とのゼロ点ずれ(Ca−Cb)2を求めると、
【0040】
【数4】
【0041】となる。そして、式12と式13との平均
値を求め、再度、第0測定面からの測定形状FI(x)
を求め直すこととする。このように、順次ゼロ点ずれを
求めて測定形状FI(x)を求め直すことを繰り返す
と、第n測定面では、
【0042】
【数5】
【0043】となり、nを無限大とすると、
【0044】
【数6】
【0045】となる。従って、第n測定面の平均値と第
0測定面の平均値とのゼロ点ずれは、式14及び式15
から
【0046】
【数7】
【0047】となり、最終的に補正するゼロ点ずれは、
【0048】
【数8】
【0049】により算出される。このように、関数であ
る測定形状FI(x)の測定値から各測定面毎にゼロ点
ずれを求め、平均値によりゼロ点ずれの補正を行うこと
により、測定物形状とテーブル誤差運動の影響とを平均
化してゼロ点ずれの影響を低減できる。このように、ゼ
ロ点ずれの対策を行った結果、図4に示すようにゼロ点
ずれの影響を小さくしてテーブル誤差運動EI(x)の
変動量を収束させることができる。
【0050】尚、このゼロ点ずれは、デジタルフィルタ
等の処理によりその影響を低減できるものである。更
に、本実施の形態としては、この2台の変位計15,17の
出力を演算処理することによって真直度を測定するに際
し、テーブル11を往復動作させることが有る。
【0051】この方法は、図2や図4に示したように、
テーブル誤差運動EI(x)の変動量そのものが収束す
るまでにテーブル11の移動が必要なため、移動開始から
所定の移動量だけテーブル11を移動させた後に真直度の
評価を行うものである。即ち、テーブル11を前進させる
ときはテーブル11の移動開始から所定の移動量だけテー
ブル11を移動させた後に真直度の評価を行う。そして、
前進時に測定評価を行わないテーブル11の移動開始から
所定の移動範囲は、測定面の他端からテーブル11を戻す
ように移動させたとき、測定面の真直度測定を行って評
価するものである。
【0052】この様に、テーブル11の移動を開始して測
定面の形状測定を持続し、測定開始当初の測定値を真直
度の評価から外すことにより、テーブル誤差運動EI
(x)を収束させた後の高精度な測定に基づいて、測定
物51の全体にわたる真直度の評価を行うことができる。
【0053】
【発明の効果】本発明は、1つのテーブルに取り付けた
2台の変位計により測定物の形状を測定し、一方の変位
計は測定物の形状を検出し、他方の変位計はテーブルの
誤差運動を検出するとの役割分担を決め、テーブルの移
動に合わせて連続的に測定を行い、2台の変位計の計測
値を演算処理することによって測定物の真直度を求める
真直度測定方法である。
【0054】従って、変位計2台の出力信号を演算処理
することにより、変位計間のテーブル直線誤差運動を補
正することができる。更に、実時間に近い状態で迅速に
連続した測定結果を得ることができる。又、請求項2に
記載の発明は、一方の変位計を第一の変位計として測定
物の形状を測定し、他方の変位計を第二の変位計として
この変位計の出力値から第一の変位計により求めた既知
の形状を引くことによりテーブル誤差運動を求めること
とし、求めたテーブル誤差運動の値と1未満の係数との
積を第一の変位計の出力値から引くことにより、測定形
状を求めることとする真直度測定方法である。
【0055】従って、第一の変位計による測定物の形状
測定値からテーブル誤差運動の値を除去するに際し、測
定開始直後にはテーブル誤差運動の値に含まれている測
定物の変化量の値による過度の修正を行うことない。
又、測定を継続することにより、テーブル誤差運動の値
を小さくして測定値を真値に近い値に収束させる測定誤
差の修正が可能となる。
【0056】そして、請求項3に記載の発明は、先行す
る変位計を第一の変位計とし、進行方向後方の変位計を
第二の変位計とするものである。このように、先行する
変位計を測定物の形状測定を行う第一の変位計とし、後
方の変位計をテーブル誤差運動の測定を行う第二の変位
計とすれば、先行する変位計により測定物の形状測定を
直ちに開始することができる。そして、連続した測定を
行ってテーブル誤差運動を除去した高精度の真直度の測
定評価ができる。
【0057】更に、請求項4に記載の発明は、テーブル
を往復移動させ、テーブルの進行時に少なくとも測定物
の後半位置の形状を求め、テーブルの後退時に少なくと
も測定物の前半位置の形状を求める方法である。従っ
て、測定物の真直度を測定物の全体にわたって高精度な
測定をすることができ、正確な真直度の評価を行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る測定方法を実施する一実施例を示
す概略構成図である。
【図2】本測定法を用いることによりテーブル誤差運動
が測定結果におよぼす影響が小さくなっている様子を示
す図である。
【図3】本測定法によりテーブル誤差運動の影響がどの
程度改善できるかをまとめた図であ。
【図4】本測定法においてゼロ点ずれの対策を行った結
果を示す図である。
【図5】従来からの逐次点測定法の原理を示す図であ
る。
【符号の説明】
11 テーブル 13 テーブル案内面 15,17 変位計 19 テーブル駆動装置 21 テーブル位置検出器 23 テーブル位置検出器出力装置 31,32 変位計アンプ 35,36 アナログデジタル変換器 41 計算機 45 表示装置 51 測定物

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変位計を用いて測定物の真直度を測定す
    るに際し、1つのテーブルに取り付けた2台の変位計に
    より測定物の形状を測定し、一方の変位計は測定物の形
    状を検出し、他方の変位計はテーブルの誤差運動を検出
    するとの役割分担を決め、前記テーブルの移動に合わせ
    て連続的に測定を行い、前記2台の変位計の計測値を演
    算処理することによって前記測定物の真直度を求める真
    直度測定方法。
  2. 【請求項2】 前記一方の変位計を第一の変位計とし、
    この第一の変位計により測定物の形状を測定し、前記他
    方の変位計を第二の変位計とし、この第二の変位計の出
    力値から前記第一の変位計により求めた既知の形状の値
    を引くことにより前記テーブル誤差運動を求めることと
    し、求めたテーブル誤差運動の値と1未満の係数との積
    を前記第一の変位計の出力値から引くことにより、前記
    測定物の形状を求めることを特徴とする請求項1に記載
    した真直度測定方法。
  3. 【請求項3】 前記テーブルの移動により先行する変位
    計を前記第一の変位計とし、進行方向後方の変位計を前
    記第二の変位計とすることを特徴とする請求項2に記載
    した真直度測定方法。
  4. 【請求項4】 前記テーブルを往復移動させ、前記テー
    ブルの進行時に少なくとも前記測定物の後半位置の形状
    を求め、前記テーブルを戻す後退時に少なくとも前記測
    定物の前半位置の形状を求めることを特徴とする請求項
    2又は請求項3に記載した真直度測定方法。
JP8159301A 1996-06-20 1996-06-20 真直度測定方法 Withdrawn JPH109852A (ja)

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