JPH1097907A - R−tm−b系永久磁石の製造方法 - Google Patents

R−tm−b系永久磁石の製造方法

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JPH1097907A
JPH1097907A JP8250605A JP25060596A JPH1097907A JP H1097907 A JPH1097907 A JP H1097907A JP 8250605 A JP8250605 A JP 8250605A JP 25060596 A JP25060596 A JP 25060596A JP H1097907 A JPH1097907 A JP H1097907A
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Masahiro Takahashi
昌弘 高橋
Kimio Uchida
公穂 内田
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Hitachi Metals Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
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    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保磁力および残留磁束密の高い、優れた磁気
特性を有する希土類焼結磁石の製造方法を提供する。 【解決手段】 0.01〜1.0wt%のCuおよび
1.0〜15.0wt%のDyを含有したR−TM−B
系(RはYを含む希土類元素の内の1種類または2種類
以上、TMはFeまたはFeの一部を10wt%以下の
Coで置換したもの)永久磁石焼結体に対して、460
℃〜700℃において熱処理を行った後、さらに440
℃〜540℃において熱処理を行うR−TM−B系永久
磁石の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、R−TM−B系(Rは
Yを含む希土類元素の内の1種または2種以上、TMは
FeまたはFeの一部をCoで置換したもの)永久磁石
の製造方法であって、特に優れた磁気特性を有するR−
TM−B系永久磁石の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】R−TM−B系永久磁石は、原料金属を
溶解し、得られたインゴットを粉砕、成形、焼結、熱処
理、加工して製造される。粉砕は、不活性高圧ガス雰囲
気中で粒子どうしを衝突させ乾粉を得るジェットミル粉
砕法、ボ−ルミル、振動ミル等を用い、有機溶媒中で原
料粉を粉砕しその後有機溶媒を乾燥させて乾粉を得る湿
式粉砕法で行われるのが一般的である。磁場配向させて
行う成形は、乾粉を使用する乾式成形のほか、粉砕後の
非常に活性な磁石粉の酸化を防止するため湿式成形が行
われる(例えば特開昭58−157924号、特開昭6
1−114505号、特開平1−303710号、特開
平3−1504号、特開平4−83319号)。焼結
は、1000℃〜1150℃の温度範囲で真空中あるい
は不活性ガス中で行われ、得られた焼結体はさらに適当
な温度で熱処理を施すのが一般的である。
【0003】磁気特性、特に残留磁束密度および最大エ
ネルギ−積の向上は、R−TM−B系永久磁石用原料粉
の配向性の改善あるいは主相であるR2TM14B磁性相
の相対比率の増加により達成される。磁性相の相対比率
の増加には、高密度化・保磁力の維持に寄与する粒界相
(Rリッチ相)を最低限維持しつつR量を低減する必要
があり、このため高密度化・保磁力の維持に寄与しない
R酸化物を形成してしまう酸素の混入を低減する手段が
講じられる。
【0004】一方、保磁力を向上する手段としては、R
をDyなどの磁気異方性の大きい重希土類で置換する方
法や微量元素を添加する方法などがあるほか、焼結体の
結晶粒径を微細化する方法、焼結体を適当な温度で一段
あるいは二段以上で熱処理する方法(例えば特公平5−
49737号)などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年OA・FA機器の
高性能化に伴い、それに使用される永久磁石にも実用上
必要とされる保磁力を維持しつつ残留磁束密度、最大エ
ネルギ−積を高めたものが要求されている。上記手段に
よってR−TM−B系永久磁石の高性能化が図られる
が、残留磁束密度の向上のためにR量を低減すると、同
時に保磁力は低下する傾向を示す。保磁力向上のためD
y等の重希土類量を添加すると残留磁束密度が低下す
る。R量を低減して残留磁束密度を可能な限り高めた高
性能材ではその特徴を生かすため、特に、少ない残留磁
束密度の低下で保磁力を向上する方法が望まれる。従来
から適用されている焼結体を一段あるいは二段以上で熱
処理する方法は、残留磁束密度が低下することなく保磁
力を向上する効果を示すが、従来の特性水準を大きく上
回る高性能R−TM−B磁石を得るためには不十分であ
り、さらに効率の良い特性改善方法が必要であった。し
たがって本発明は、残留密度を低下することなく効率良
く保磁力を改善し、従来の特性水準を大きく上回る高性
能なR−TM−B永久磁石を提供することを目的とし
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、1.0〜15.0
wt%、好ましくは7.5wt%〜15.0wt%のD
yを添加し、かつ保磁力向上元素として0.01〜1.
0wt%のCuを添加したR−TM−B系永久磁石の焼
結体に、460℃〜700℃、好ましくは460℃〜5
60℃において一段目の熱処理を行った後、さらに44
0℃〜540℃において二段目の熱処理を行うことで大
幅に磁気特性が改善されることを見出したものである。
上記460℃〜700℃の一段目の熱処理の前にさらに
800℃〜1000℃の熱処理を施した三段熱処理をす
ることによってさらに磁気特性を改善することができ
る。また、本発明におけるR−TM−B系永久磁石に対
して、Nb0.1〜 2.0wt%、Al0.02〜
2.0wt%、Ga0.01〜0.5wt%の一種また
は二種以上を添加し、且つ/または27.0wt%〜3
1.0wt%のR、0.5〜2.0wt%のB、0.0
2〜0.15wt%のN、0.25wt%以下のO、
0.15wt%以下のC、残部TMとすることで磁気特
性を大幅に改善することが可能である。
【0007】以下本発明について詳述する。本発明にお
けるR−TM−B系焼結体は、一般的に溶解、粉砕、成
形、焼結と進む粉末冶金法によって得られるものである
が、焼結体を得るまでの工程は特にこれを限定するもの
ではない。最終的に得られる焼結体が所定の組成を有し
ていれば本発明の効果を得ることができる。
【0008】以下組成の限定理由について述べる。Cu
およびDyを所定量添加することにより本発明の熱処理
の効果が発現する。Cuは、保磁力の向上の効果があ
り、0.01〜1.0wt%添加される。0.01wt
%未満では、保磁力向上効果および本発明における熱処
理の効果が得られず、1.0wt%を越えると保磁力向
上の効果が飽和し、また残留磁束密度の低下が大きくな
るため添加量は0.01〜1.0wt%とする。Dyも
保磁力向上元素として添加し、その添加量は1.0wt
%〜15.0wt%とするが、さらに本発明の熱処理の
効果を十分に引き出すためには、好ましくは7.5wt
%〜15.0wt%とする。1.0wt%未満では本発
明における熱処理の効果が得られない。また15.0w
t%を越えると残留磁束密度の低下が大きくなるため好
ましくない。Nb0.1〜2.0wt%、Al0.02
〜2.0wt%、Ga0.01〜0.5 wt%の一種
または二種以上を添加することによりさらに磁気特性を
改善することが可能である。Nbは粒成長抑制・保磁力
向上の観点から添加されるが、0.1wt%未満ではそ
の効果が十分に発揮されず2.0wt%を越えると残留
磁束密度の低下が著しくなる。Alは保磁力向上の効果
を示すが、0.02wt%未満ではその効果が十分でな
く、2.0wt%を越えると残留磁束密度が低下が大き
く好ましくない。Gaも同様にその添加によって保磁力
が向上するが、0.01wt%未満ではその効果が不十
分であり、0.5wt%を越えると保磁力向上の効果が
飽和するとともに残留磁束密度の低下が顕著になる。ま
た、27.0wt%〜31.0wt%のR、0.5〜
2.0wt%のB、0.02〜0.15wt%のN、
0.25wt%以下のO、0.15wt%以下のC、残
部TMの組成とすることで特性が大幅に改善される。R
の量が31.0wt%を越えると焼結体内部のRリッチ
相の量が多くなり、かつ形態も粗大化するため、残留磁
束密度の低下および耐食性の悪化をまねく。一方、Rの
量が27.0wt%未満であると焼結体の緻密化に必要
な液相量が不足して焼結体密度が低下し、同時に残留磁
束密度および保磁力が低下する。Bの量が0.5wt%
未満であると磁気的にソフトな相が生じ保磁力が低下
し、2.0wt%を越えると非磁性相の比率が増加し残
留磁束密度が低下する。Nの量が0.02wt%未満で
あると耐食性が劣化し、0.15wt%を越えると窒化
物形成により有効な希土類元素Rの減少が生じ、保磁力
が急激に減少する。Oが0.25wt%を越えると希土
類元素Rの一部が酸化物を形成し、有効な希土類元素R
が減少し保磁力が低下する。通常溶解によって作製する
インゴットのO量の水準は最大0.04wt%であるた
め、最終焼結体のO量をこの値以下とすることは困難で
あり、O量は0.05wt%〜0.25wt%とするこ
とが好ましい。Cの量が0.15wt%を越える場合に
は、希土類元素Rの一部が炭化物を形成し、有効な希土
類元素Rが減少して保磁力が低下する。通常溶解によっ
て作製するインゴットのC量の水準は最大0.008w
t%であり、最終焼結体のC量をこの値以下にすること
は困難であり、焼結体のC量は0.01〜0.15wt
%とすることが好ましい。キュリ−点の向上および耐食
性の向上の目的からCoを添加することが有効である
が、添加量が10.0wt%を越えると残留磁束密度お
よび保磁力が急激に低下するのでその添加量は10.0
wt%以下とする。また、このほか工業的製造上混入が
不可避な不純物は許容できる
【0009】0.05wt%〜0.25wt%の低い水
準の焼結体酸素量を達成する方法は特にこれを限定する
ものではないが、例えば特開平6−322469号に示
されるような、鉱物油、合成油を用いて酸素の混入を防
止した湿式プロセスが有効である。
【0010】本発明における焼結体の熱処理は以下の要
領で行われる。R−TM−B系永久磁石は酸化され易い
ため、熱処理は真空中または不活性ガス雰囲気等で行
う。460℃〜700℃、好ましくは460℃〜560
℃において一段目の熱処理を行った後、440℃〜54
0℃において二段目の熱処理を行う。これらの熱処理に
よって十分な熱処理の効果を得ることができるが、一段
目の熱処理の前にさらに800℃〜1000℃の熱処理
を行なうことにより、さらに保磁力、減磁曲線の角型性
などの磁気特性を改善することができる。一段目の熱処
理温度はDyの添加量に応じて選択されるが、460℃
〜700℃の温度範囲からはずれると、この熱処理の効
果が現れない。また、保磁力向上の効果を十分に引き出
すためには、460℃〜560℃で熱処理することが望
ましい。二段目の熱処理は、440℃〜540℃の温度
範囲で行われるが、この温度範囲からはずれると保磁力
が低下する。一段目の熱処理後、二段目の熱処理温度以
下に冷却することなく二段目の熱処理を行うことも可能
であるが、本発明の効果を十分に発揮するためには46
0℃〜700℃の一段目の熱処理後、200℃以下まで
冷却することが好ましい。熱処理後の冷却速度は保磁力
および減磁曲線の角形性の低下を防ぐため、1℃/mi
n以上とする。各熱処理温度での保持時間は特に限定し
ないが、短時間では安定した磁気特性を得ることが困難
であり、また長時間に及ぶと工業上好ましくないので、
0.1〜10時間とすることが好ましい。また、本発明
における二段または三段の熱処理の前後にさらに熱処理
工程を付加することも可能である。本発明ににおける4
60℃〜700℃の熱処理および 440℃〜540℃
の熱処理の二段熱処理による磁気特性向上の理由は明ら
かではないが、Cu添加により粒界のRリッチ相の融点
が大きく低下するとともに粒界相中のCuが不均一に分
布していることから、CuとDyの組合せにより、粒界
中に融点の異なる相が混在していることに起因している
可能性がある。
【0011】
【発明の実施の態様】以下、本発明を実施例をもって具
体的に説明するが、本発明の内容はこれによって限定さ
れるものではない。 (実施例1)重量百分率でNd24.0%、Pr6.0
%、Dy1.5%、B1.0%、Nb1.0%、Co
2.0%、Al0.5%、Cu0.1%、残部Feの組
成を有するR−TM−B系合金インゴットを破砕して原
料粗粉とした。原料粗粉を窒素気流中で微粉砕を行い、
平均粒径が4.7μmの磁石粉とした。得られた磁石粉
は、10kOeの配向磁界を印加し、1.0ton/c
2の成形圧で成形した。成形体は、真空中において1
100℃で2時間の焼結を行った。得られた焼結体にA
r気流中にて520℃×1時間の熱処理を行った後、さ
らに480℃×1時間の熱処理を施した。また、比較の
ために480℃×1時間の熱処理を施したものを作製し
た。得られた焼結体の磁気特性を測定した結果、表1に
示すように本発明による熱処理の効果により良好な値が
得られた。
【0012】(実施例2)実施例1で得られた焼結体
に、Ar気流中にて900℃×2時間、520℃×1時
間、480℃×1時間の順に熱処理を施した。得られた
焼結体の磁気特性を測定した結果、表1に示すような良
好な値が得られた。
【0013】(実施例3)重量百分率でNd(29.5
−x)%、Dyx%(x=0.5、1.5、3.1、
5.1、5.6、7.7)、B1.0%、Co2.0
%、Cu0.1%、Ga0.1%、残部Feの組成を有
するR−TM−Bインゴットを破砕して原料粗粉とし
た。原料粗粉を酸素量10ppm以下の窒素気流中で微
粉砕を行い、同雰囲気中で鉱物油中に回収した。磁石粉
の平均粒径はそれぞれ4.0μm、3.8μm、4.2
μm、4.6μm、4.2μm、4.3μmであった。
得られた磁石粉と鉱物油の混合物(スラリ−)は、その
まま10kOeの配向磁界を印加し、1.0ton/c
2の成形圧で湿式成形した。成形体は、真空中200
℃×1時間の脱溶媒処理を施した後、真空中において1
080℃または1090℃で2時間の焼結を行った。焼
結体中のO、N、Cの分析値は0.14〜0.20wt
%、0.03〜0.08wt%、0.05〜0.08w
t%であった。得られた焼結体にAr気流中にて900
℃×2時間、前記各xに対して500℃〜550×1時
間の熱処理を行った後、さらに480℃×1時間の三段
熱処理を施した。また、比較のために900℃×2時
間、480℃または500℃×1時間の二段熱処理を施
したものを作製した。得られた焼結体の磁気特性を測定
した結果、図1に示すようにDy1.0wt%以上の領
域で本発明の三段熱処理が従来の二段熱処理に比べて保
磁力が増加し、特にDy7.5wt%以上で大幅な保磁
力の増加を示していることがわかる。また例として
(1)Dy1.5%および(2)Dy7.7%のものに
ついての磁気特性の水準を表1に示すが、良好な磁気特
性が得られていることがわかる。
【0014】(実施例4)実施例3で得られたDy3.
1%の焼結体に対して900℃×2時間、400℃〜7
50×1時間、460℃×1時間の熱処理を施した。ま
た、同時に900℃×2時間、480℃×1時間の熱処
理を施した試料も作製した。得られた焼結体の磁気特性
を測定した結果、図2に示すように460℃〜700℃
の範囲において本発明の三段熱処理が効果を示し、特に
460℃〜560℃の範囲でその効果が大きいことがわ
かる。なお、(1)900℃×2時間、650℃×1時
間、460℃×1時間の熱処理と(2)900℃×2時
間、540℃×1時間、460℃×1時間の熱処理の場
合の磁気特性を表1に示すが、良好な磁気特性が得られ
ていることがわかる。また、比較のため、900℃×2
時間、480℃×1時間の熱処理を施したものを作製
し、得られた焼結体の磁気特性を表1に示す。表1よ
り、本発明による熱処理を施した場合、良好な磁気特性
となることがわかった。
【0015】(比較例1)重量百分率でNd28.0
%、Dy1.5%、B1.0%、Co2.0%、Ga
0.1%、残部Feの組成を有するR−TM−Bインゴ
ットを破砕して原料粗粉とした。原料粗粉を酸素量10
ppm以下の窒素気流中で微粉砕を行い、同雰囲気中で
鉱物油中に回収した。磁石粉の平均粒径は4.0μmで
あった。得られた磁石粉と鉱物油の混合物(スラリ−)
は、そのまま10kOeの配向磁界を印加し、1.0t
on/cm2の成形圧で湿式成形した。成形体は、真空
中200℃×1時間の脱溶媒処理を施した後、真空中に
おいて1080℃で2時間の焼結を行った。焼結体中の
O、N、Cの分析値は0.16wt%、0.05wt
%、0.07wt%であった。得られた焼結体にAr気
流中で(1)900℃×2時間、620℃×1時間、5
20℃×1時間の熱処理を施した。また、同時に(2)
900℃×2時間、520℃×1時間の熱処理を施した
試料も作製した。得られた焼結体の磁気特性を測定した
結果、表1に示すように実施例3のDy1.5%の試料
に比べて保磁力が低く、また二段熱処理の効果は確認さ
れなかった。
【0016】(比較例2)重量百分率でNd22.0
%、Pr6.0%、Dy4.0%、B1.0%、Nb
1.0%、Co2.0%、Al0.5%、Ga0.1
%、残部Feの組成を有するR−TM−Bインゴットを
破砕して原料粗粉とした。原料粗粉を窒素気流中で微粉
砕を行い、平均粒径が4.8μmの磁石粉とした。得ら
れた磁石粉は、10kOeの配向磁界を印加し、1.0
ton/cm2の成形圧で成形した。成形体は、真空中
において1100℃で2時間の焼結を行った。得られた
焼結体にAr気流中にて(1)900℃×2時間、56
0℃×1時間、490℃×1時間の熱処理をを施した。
また、同時に(2)900℃×2時間、490℃×1時
間の熱処理を施した試料も作製した。得られた焼結体の
磁気特性を測定した結果、表1に示すように三段熱処理
の効果は確認されなかった。
【0017】(比較例3)実施例3で得られたDy1.
5%の焼結体に、Ar気流中にて(1)900℃×2時
間、520℃×1時間、420℃×1時間、(2)90
0℃×2時間、520℃×1時間、560℃×1時間の
熱処理を施した。また同時に900℃×2時間、480
℃×1時間の熱処理を施した試料も作製した。得られた
焼結体の磁気特性を測定した結果、表1に示すように実
施例3に比べて保磁力が低く、また三段熱処理の効果は
確認されなかった。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】以上詳述したように、CuとDyを添加
した磁石組成を規定し、本発明の熱処理方法を適用する
ことにより、優れた磁気特性を有するR−TM−B系永
久磁石を製造することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】三段熱処理による保磁力向上のDy量依存性を
示した図である。
【図2】三段熱処理による保磁力向上の二段目の熱処理
温度依存性を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C22C 38/00 303 C22C 38/00 303D

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.01〜1.0wt%のCu、1.0
    〜15.0wt%のDyを含有するR−TM−B系合金
    (RはYを含む希土類元素の内の1種類または2種類以
    上、TMはFeまたはFeの一部を10.0wt%以下
    のCoで置換したもの)を粉砕、成形、焼結、熱処理す
    るR−TM−B系永久磁石の製造方法であって、前記熱
    処理が、460℃〜700℃で熱処理後、440℃〜5
    40℃で熱処理を行う2段の熱処理であることを特徴と
    するR−TM−B系永久磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】 0.01〜1.0wt%のCu、1.0
    〜15.0wt%のDyを含有するR−TM−B系合金
    (RはYを含む希土類元素の内の1種類または2種類以
    上、TMはFeまたはFeの一部を10.0wt%以下
    のCoで置換したもの)を粉砕、成形、焼結、熱処理す
    るR−TM−B系永久磁石の製造方法であって、前記熱
    処理が、800〜1000℃で熱処理後、460℃〜7
    00℃で熱処理を行い、さらに440℃〜540℃で熱
    処理を行う3段の熱処理であることを特徴とするR−T
    M−B系永久磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】 R−TM−B系永久磁石がNb0.1〜
    2.0wt%、 Al0.02〜2.0wt%、Ga
    0.01〜0.5wt%の一種または二種以上を含有す
    る請求項1または2に記載のR−TM−B系永久磁石の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 R−TM−B系永久磁石が27.0wt
    %〜31.0wt%のR、0.5〜2.0wt%のB、
    0.02〜0.15wt%のN、0.25wt%以下の
    O、0.15wt%以下のC、残部TMからなる請求項
    1ないし3のいづれかに記載のR−TM−B系永久磁石
    の製造方法。
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