JPH1096092A - 亜鉛入り防食材料 - Google Patents

亜鉛入り防食材料

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JPH1096092A
JPH1096092A JP8251040A JP25104096A JPH1096092A JP H1096092 A JPH1096092 A JP H1096092A JP 8251040 A JP8251040 A JP 8251040A JP 25104096 A JP25104096 A JP 25104096A JP H1096092 A JPH1096092 A JP H1096092A
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JP
Japan
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zinc
zinc powder
anticorrosion
sum
particle
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Pending
Application number
JP8251040A
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English (en)
Inventor
Kazutoshi Sakakibara
和利 榊原
Minoru Kaneko
稔 金子
Kazumasa Asano
一正 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Togo Seisakusho Corp
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Togo Seisakusho Corp
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防食効果が高く、かつ低コストな犠牲防食材
料を提供する。 【解決手段】 粒径が150μm以上の大きさの亜鉛粉
末を25%以上含む亜鉛粉末を、合成樹脂の基材中に全
体として65%以上の重量比率で混入するか、あるいは
同粒径の亜鉛粉末を90%以上含む亜鉛粉末を、合成樹
脂の基材中に全体として45%以上の重量比率で混入さ
せて、鉄製品を被覆する防食材料を作成する。このよう
な防食材料は、一定厚さの皮膜内の粒子間接触数が少な
いため全体の抵抗率が低く、優れた防食効果示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属の表面に適用し
て、その腐食を防止する防食材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属製品が風雨にさらされる等の厳しい
環境下で使用された場合、その腐食による外観劣化や強
度劣化がしばしば問題となる。このため従来より、金属
製品の表面を塗装したり、キャップやテープ、あるいは
シート等で被覆する等、空気や水分に直接触れないよう
にして腐食を防止する様々な対策がなされている。犠牲
防食はこの中のひとつであり、金属製品よりもガルバニ
序列が卑な金属を金属製品の表面に接触させて、金属製
品の代わりに腐食現象を起こさせるという防食方法であ
る。
【0003】例えば鉄製品に対する犠牲防食では、公開
特許平成2年第294370号公報に記載されているよ
うに、鉄よりもガルバニ序列が卑である亜鉛を用いるこ
とができる。これは、粒径が70〜150μmの大きさ
の粒子が80%以上である亜鉛粉末を、粘着材や溶剤中
にある一定範囲の割合で混合し、これを被防食体である
鉄製品に接触させて優先的に腐食させ、被防食体の腐食
を防止するというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記した従来
の防食材料では、未だ防食効果が充分であるとはいい難
い。また、防食材料中の亜鉛濃度を高くする必要がある
ため、防食材料のコストが高くなってしまうという問題
がある。
【0005】本発明は上記諸事情に鑑みてなされたもの
であり、より防食効果が高く、かつ低コストな犠牲防食
材料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る亜
鉛入り防食材料は、金属部品の表面に適用してその金属
部品の腐食を防止するためのものであって、粒径が15
0μm以上の大きさの亜鉛粉末を25%以上含む亜鉛粉
末を合成樹脂の基材中に全体として65%以上分散させ
たところに特徴を有する。
【0007】請求項2の発明に係る亜鉛入り防食材料
は、金属部品の表面に適用してその金属部品の腐食を防
止するためのものであって、粒径が150μm以上の大
きさの亜鉛粉末を90%以上含む亜鉛粉末を合成樹脂の
基材中に全体として45%以上分散させたところに特徴
を有する。
【0008】また、請求項3の発明に係る亜鉛入り防食
材料は、請求項1または2において、亜鉛粉末の粒径が
350μm以下であり、かつ前記基材は液状又はペース
ト状であるところに特徴を有する。
【0009】
【発明の作用及び効果】請求項1の発明において、粒径
が150μm以上である亜鉛粉末を25%以上含む亜鉛
粉末を全体の65%以上分散させたのは、以下の理由に
よるものである。
【0010】犠牲防食による防食効果の程度は、防食電
流の大きさによって知ることができるが、オームの法則
(電圧=電流×抵抗)より、防食材料の抵抗率が小さい
ほど防食電流が大きくり、高い防食効果を示す事にな
る。
【0011】本発明のように分散した粒子により導電性
を得る材料の抵抗率は、粒子内の内部抵抗と粒子接触部
の接触抵抗の和で示される。しかし、亜鉛のような金属
粒子の内部抵抗は小さいので、実際には接触抵抗の和が
全体の抵抗率の大小に最も影響を与える。
【0012】ところが、従来のように粒径の小さい粒子
を基材に混入したもので防食皮膜を形成する場合には、
一定厚さの皮膜内に粒子が密に詰まった状態となって粒
子間の接触数が増加するため、全体の接触抵抗の和が大
きくなる。つまり全体の抵抗率が大きくなるため防食電
流が小さくなってしまい、高い犠牲防食効果を得ること
ができない。
【0013】これに対し、粒径が150μm以上という
比較的大きい亜鉛粉末を25%以上含む亜鉛粉末を基材
中に65%以上分散させれば、それよりも粒径が小さい
粒子を同じ濃度で混入する場合と比べて一定厚さの皮膜
内に並ぶ亜鉛粒子の数が減少するため、接触抵抗の和は
小さくなる。つまり全体の抵抗率が充分小さくなって防
食電流が増加し、その結果優れた犠牲防食効果が得られ
るのである。
【0014】また、請求項2の発明のように粒径が15
0μm以上の亜鉛粉末の濃度を90%以上とした亜鉛粉
末の場合、基材中の亜鉛粉末の濃度が45%以上であれ
ば優れた犠牲防食効果を示す。これは、粒径の大きい亜
鉛粉末の割合が増加することにより、少ない粒子数でも
導電経路が確保される上、接触抵抗の和がより小さくな
るためである。
【0015】さらに請求項3の発明のように、基材が液
状またはペースト状の場合において混入する亜鉛の粒径
を350μm以下としたのは、これよりも粒径が大きく
なると、亜鉛粒子間の隙間が大きくなりすぎてその間に
基材を保持することができず、基材が流れ出して分離、
沈殿が起こり易くなってしまうためである。また、35
0μm以上の粒子が多くなると、塗膜やテープ状とした
場合の膜厚を必然的に厚くせざるを得ないため、コスト
アップにつながるためである。
【0016】<粒径について>表1に示す様々な粒度分
布の亜鉛粉末を重量比率が亜鉛粉末:エポキシ樹脂=
9:1の割合になるようにそれぞれ混合し、0.5mm厚
さの亜鉛−エポキシシールを成形した。このシールを2
枚の鉄片の間にはさみ、これを試験片とした。
【0017】これらの試験片を3%の塩化ナトリウム水
溶液中に30分間浸漬した後の腐食電位を測定するとと
もに、鉄の防食電位である−770mVでの防食電流
を、定電位法を用いて測定した。
【0018】また亜鉛−エポキシテープの電着塗装性を
調べるために、カチオン電着塗装を行った。電着塗装前
後の亜鉛含有率をEPMA(電子線マイクロアナライザ
ー)で測定し、表面の塗装カバー率を計算した。
【0019】表2及び図1にこれらの結果を示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】 表2に示すように、粒径の大きい亜鉛粉末(表1−a)
を混合した亜鉛−エポキシシールは他のものに比べて腐
食電位が低く、防食電流が大きい。この結果をよりわか
りやすくするため、それぞれの亜鉛粉末のメジアン径
と、防食効果の指標となる防食電流との関係をグラフ
(図1)に示した。
【0022】図1からもわかるように、メジアン径が大
きいほど、すなわち粒径が大きいものほど防食電流が大
きく、このことはすなわち犠牲防食効果が高いことを示
している。これは、粒径が大きい方が基材中の亜鉛粒子
同士の接触数が少なく、接触抵抗の和が減少して全体の
抵抗率が下がり、大きな防食電流が得られるためと考え
られる。また、電着塗装を行った結果、塗装カバー率は
粒径が小さいもの(表1−c,d,e)の方が高い値を
示すものの、粒径が大きいものも充分な値を示してお
り、電着塗装性にも問題がないことがわかった。
【0023】このように、粒径の大きい粒子を多く含む
亜鉛粉末を、基材であるエポキシ樹脂に混入すると、粒
径が小さい亜鉛粉末を混入する場合に比べ、同濃度でも
より防食効果の高い防食材料が得られることがわかっ
た。
【0024】<亜鉛の重量比率について>次に、表3に
示す亜鉛粉末を同表記載の重量比率でエポキシ樹脂中に
混入し、様々な亜鉛−エポキシペーストを作成した。ま
た、上記実験と同様に2枚の鉄片の間にそれぞれの亜鉛
−エポキシペーストを0.5mm厚さに塗布し、試験片を
作成した。これらを3%塩化ナトリウム水溶液中に30
分間浸漬した後の腐食電位を測定するとともに、鉄の防
食電位である−770mVでの防食電流を、定電位法を
用いて測定した。
【0025】表3にこれらの結果を示す。
【0026】
【表3】 表3に示すように、同じ種類の亜鉛粉末をエポキシ樹脂
中に重量比率を変えて混合した場合、粒径が150〜3
50μmの亜鉛粉末が25%未満のものでは、必ずしも
亜鉛の重量比率が高い方が防食電流が大きくなるとはい
えない。これは、亜鉛の重量比率が高くても粒子同士の
接触抵抗の和が大きくなってしまうため、結果的に防食
電流が小さくなるのが理由と考えられる。
【0027】一方、粒径が150〜350μmの亜鉛粉
末が25%以上のものでは、亜鉛の重量比率が高い方が
防食電流が大きくなるといえる。これは、粒径の大きい
粒子が増加すると隣り合う粒子との接触数が減り、接触
抵抗の和が小さくなるため、亜鉛濃度がそのまま防食電
流に反映されるためと考えられる。
【0028】また、粒径が150〜350μmの亜鉛粉
末の濃度が25%以上90%未満の亜鉛粉末の場合(サ
ンプルA〜I)、基材中の亜鉛の重量比率が60%では
防食効果を示さない。従って亜鉛の重量比率を65%以
上にすることが必要である。一方、粒径が150〜35
0μmの亜鉛粉末の濃度が90%以上になると、基材中
の亜鉛の重量比率が45%以上であれば、優れた犠牲防
食効果を示すことがわかる。(サンプルJ〜L)
【0029】本実験の結果より、粒径が150μmから
350μmの亜鉛粉末を25%以上含む亜鉛粉末を、エ
ポキシ樹脂中に65%以上の重量比率で混入するか、あ
るいは同粒径の亜鉛粉末を90%以上含む亜鉛粉末を、
エポキシ樹脂中に45%以上の重量比率で混入したもの
が、優れた犠牲防食効果を示す事がわかる。この実験結
果を基に、防食材料の作業性や防食効果を考慮して、所
望の防食材料を調整して得ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
<自動車ドア部への適用>自動車のドア部は、図2に示
すように、鋼鉄製の外装板10、内装板11の2枚のパ
ネルを接合させたヘミング構造によりなっている。これ
らの接合部に、本発明の防食ペースト12を適用するこ
とができる。
【0031】表1(a)の亜鉛粉末をエポキシ樹脂中に
亜鉛の重量比率が70%になるように混合し、亜鉛−エ
ポキシペーストを作成した。これを鋼鉄板の接合部に塗
布し、鋼鉄板を折り曲げて加熱硬化させた。鉄の防食電
位である−770mVでの防食電流を定電位法にて測定
したところ2.2mA/cm2であり、良好な防食効果を示す
ことがわかった。このように、本実施形態の亜鉛−エポ
キシペーストでは、分散させる亜鉛の粒径を大きくする
ことによって、亜鉛の重量比率が従来ほど高くなくても
良好な防食効果を得ることが可能となった。また、亜鉛
濃度が低いためコストが安く、成形性、柔軟性にも優れ
る。
【0032】なお、本発明は上記記述及び図面によって
説明した実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸
脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メジアン径と防食電流の関係を示すグラフ
【図2】自動車ドアのヘミング構造を示す側断面図
【符号の説明】
10…外装板 11…内装板 12…防食ペースト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 一正 大阪府茨木市下穂積一丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属部品の表面に適用してその金属部品
    の腐食を防止するためのものであって、粒径が150μ
    m以上の大きさの亜鉛粉末を25%以上含む亜鉛粉末を
    合成樹脂の基材中に全体として65%以上分散させたこ
    とを特徴とする亜鉛入り防食材料。
  2. 【請求項2】 金属部品の表面に適用してその金属部品
    の腐食を防止するためのものであって、粒径が150μ
    m以上の大きさの亜鉛粉末を90%以上含む亜鉛粉末を
    合成樹脂の基材中に全体として45%以上分散させたこ
    とを特徴とする亜鉛入り防食材料。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記亜鉛粉
    末の粒径が350μm以下であり、かつ前記基材は液状
    又はペースト状であることを特徴とする亜鉛入り防食材
    料。
JP8251040A 1996-07-19 1996-09-24 亜鉛入り防食材料 Pending JPH1096092A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8251040A JPH1096092A (ja) 1996-09-24 1996-09-24 亜鉛入り防食材料
US08/791,943 US5985957A (en) 1996-07-19 1997-01-31 Method of corrosion prevention and corrosion preventive material suitable for use therein
DE19704138A DE19704138A1 (de) 1996-07-19 1997-02-04 Verfahren zum Korrosionsschutz und geeignetes Korrosionsschutz-Material für dieses Verfahren

Applications Claiming Priority (1)

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JP8251040A JPH1096092A (ja) 1996-09-24 1996-09-24 亜鉛入り防食材料

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JPH1096092A true JPH1096092A (ja) 1998-04-14

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JP (1) JPH1096092A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013202872A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Sumitomo Light Metal Ind Ltd アルミニウム合金塗装板

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013202872A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Sumitomo Light Metal Ind Ltd アルミニウム合金塗装板

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