JPH1095865A - 成形体、コンクリート型枠、内装材、該成形体の製造方法、樹脂含浸紙片の製造方法、成形体の再利用方法 - Google Patents

成形体、コンクリート型枠、内装材、該成形体の製造方法、樹脂含浸紙片の製造方法、成形体の再利用方法

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JPH1095865A
JPH1095865A JP8252073A JP25207396A JPH1095865A JP H1095865 A JPH1095865 A JP H1095865A JP 8252073 A JP8252073 A JP 8252073A JP 25207396 A JP25207396 A JP 25207396A JP H1095865 A JPH1095865 A JP H1095865A
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resin
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waste
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JP8252073A
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Toru Tamai
徹 玉井
Kazuyuki Harada
和幸 原田
Taro Ito
太郎 伊藤
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TAMAI KANKYO SYST KK
Original Assignee
TAMAI KANKYO SYST KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大量に発生する廃棄熱可塑性樹脂および古紙
を利用して構成出来、かつ、釘打ち、切断、熱による2
次的変形がそれぞれ容易で、しかも、任意の形状に成形
可能で、さらなる再利用も行ない易い成形体を提供す
る。 【構成】 成形体11は、所定形状の外形を有し、しか
も、内部は熱可塑性樹脂を含浸した多数の紙片11aと
多数の空隙11bとが無規則に混在していてかつこれら
紙片11aが熱可塑性樹脂11cにより結合された状態
となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、産業廃棄物であ
る使用済みポリスチレンや古紙を再利用可能にする新規
な構造の成形体、それを用いたコンクリート型枠および
内装材、該成形体の製造方法、該成形体製造に使用する
樹脂含浸紙片の製造方法、該成形体の再利用方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】環境破壊防止、資源の有効利用等の観点
から、産業廃棄物を再利用する技術がますます重要にな
っている。包装資材として大量に使用される発泡ポリス
チレンの典型的な再利用法は、使用済みの包装資材すな
わち廃棄ポリスチレンを溶かしさらにインゴットにして
再生プラスチックとする方法である。しかし廃棄ポリス
チレンを精製するための費用がかかる。また、廃棄され
た紙類いわゆる古紙の典型的な再利用法は、再生紙とす
る方法である。しかし再生紙は新規品と比較すれば黒ず
んだ色となるし、また再生費用もかかる。然も再生紙を
製造する過程で古紙スラッジと呼ばれる使用不可能なか
すが多量に出る。これに対し例えば特開昭55−629
30号公報には、廃棄プラスチックの再利用を意識した
(例えば第2頁右下欄第17〜18行)技術として、次
のような技術が開示されている。すなわち、坪量の小さ
い紙、布等の基材に、ポリスチレン等、有機溶剤可溶性
の熱可塑性合成樹脂を含浸させて得られる樹脂加工基材
を複数枚、一体的に融着積層して成る、熱可塑性合成樹
脂含浸積層品である(例えば特許請求の範囲)。具体的
には、公開公報の例えば第2頁左下欄および右下欄の記
載ならびに図面からも分かるように、熱可塑性樹脂が含
浸され然もある程度の大きな面積を有した基材例えば新
聞紙を複数枚一体的に融着積層した積層品である。この
積層品の用途例として建材も挙げられている(第5頁右
上欄第12行)。この特開昭55−62930号公報に
開示の技術は、廃棄プラスチックや古紙の新たな再利用
法として有用と考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
55−62930号公報に開示の積層品は、樹脂加工基
材なるものを一枚づつ積層した構造のものであるため、
密な構造体といえる。したがって、例えば、該積層品に
さらに2次的に熱をかけて変形させようとしてもそれを
行ないにくいと考えられる。
【0004】さらに、この積層品はある程度面積の大き
な樹脂加工基材なるものを一枚づつ積層するものである
から、非板状の任意の形状の成形体、例えば曲面を有し
た成形体とか凹凸に富んだ成形体などを形成しずらいと
考えられる。
【0005】さらに、この従来技術では、成形品を製造
する際、樹脂を含浸させた基材を得た後これを複数枚重
ね合わせてから加圧・加熱するという手間のかかる処理
が必要である(例えば特許請求の範囲)。したがって、
成形体を工業的にかつ低コストで生産すること自体、難
しいと考えられる。廃棄プラスチックや古紙を再利用す
るに当たってはそれを低コストで行なえなければそもそ
もの目的に反するので、その点からも上記従来技術は問
題を含むと考えられる。
【0006】また、この積層品の端材や使用済み積層品
をさらに再利用することを考えたとき、好ましい簡便な
方法は該端材や使用済み積層品を加熱して流動させて新
たに所望の形に成形しなおす方法と考えられる。しか
し、このように加熱・流動を行なわせようとしても、積
層品中に含まれる樹脂加工基材なるものが大きな面積の
ものであるがゆえに支障となり、所望の流動が行なえな
い。これを回避するために、端材や使用済み積層品を細
かく裁断したり粉砕してから上記加熱・流動させること
も考えられる。しかし、該積層品自体が強固なものであ
るからその裁断・粉砕の手間も大変である。このよう
に、特開昭55−62930号公報に開示の積層品はそ
れ自体のさらなる再利用も容易でないと考えられる。
【0007】この発明はこのような点に鑑みなされたも
のであり、したがってこの発明の目的は、大量に発生す
る廃棄熱可塑性樹脂および古紙を利用して工業的かつ簡
易に構成出来る成形体であって、然も、任意の形状に成
形し易くかつ成形後の再利用も容易な成形体を提供する
ことにある。さらにこの発明の目的は、このような成形
体を用いたコンクリート型枠、内装材、さらにこのよう
な成形体を簡易に製造出来る方法、該成形体製造に用い
る樹脂含浸紙片の製法、該成形体の再利用方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明の成形
体によれば、所定形状の外形を有し、しかも、内部は熱
可塑性樹脂を含浸した多数の紙片と多数の空隙とが無規
則に混在していてかつこれら紙片が熱可塑性樹脂により
結合された状態となっていることを特徴とする。なお、
この発明の実施に当たり、古紙スラッジおよび古紙を解
繊した物(古紙解繊物)の一方または双方をさらに含む
構成としても良い。
【0009】またこの発明では、成形体を、所定形状の
外形を有し、古紙スラッジおよび熱可塑性樹脂の混合物
であって無数の空隙を無規則に有した混合物で構成され
た成形体としても良い。なおこの場合も、古紙解繊物を
さらに含む構成とする場合があっても良い。
【0010】ここでこの発明において紙片とは、これに
限られないが典型的には1辺が数mmから10数cmの
範囲にある紙片であることができる。また古紙スラッジ
とは古紙を再生する際に生じる「かす」であり、今迄は
埋め立てるとか乾燥して焼却するぐらいしか処分方法が
なかったものである。また、古紙解繊物とは古紙を綿状
にほぐしたものである。
【0011】またこの発明において所定形状の外形と
は、用途に応じた任意好適な外形を意味する。本発明の
成形体を例えば合板や建材の代替品とする場合なら、合
板や建材について規格化された外形形状すなわち、所定
厚みを有しかつ所定寸法の平面形状を有した板状形状と
できる。もちろん曲面を有した板状形状であっても良
い。また本発明の成形体を例えば、屋内、屋外の装飾品
やモニュメントなどの造形物などに使用する場合であれ
ばそれに即した任意の外形とできる。また本発明では凹
凸の表面模様を有した成形体としても良い。例えば岩石
とか樹木とかの模様を模倣した凹凸の表面模様等であ
る。
【0012】この発明の成形体の具体的な用途として、
例えば、コンクリート型枠や、建材の1種としての内装
材(化粧シート等を表面に張って使用する場合も含む)
が挙げられる。コンクリート型枠をこの発明の成形体で
構成する場合、平板状のコンクリート型枠はもちろんの
こと、曲面用のコンクリート型枠や、凹凸の表面模様を
有するコンクリート化粧型枠を容易に構成出来る。内装
材の場合も曲面用の内装材や凹凸の表面模様を有する内
装材を容易に構成できる。
【0013】この発明の成形体は、熱可塑性樹脂を含浸
した多数の紙片が熱可塑性樹脂によって結合され、しか
も、多数の空隙を有した成形体である。または、古紙ス
ラッジおよび熱可塑性樹脂の混合物であって無数の空隙
を無規則に有した混合物で構成された成形体である。空
隙を有する分、成形体への釘うちや、その切断が行ない
易い。また空隙率は、紙片の使用量や成形圧力などによ
り制御できる。
【0014】また、この発明の成形体は紙片が無規則に
存在する内部構造をもつ成形体である。紙片は小さいか
ら成形時の形を決める際の支障にはならない。よって、
非板状のかつ任意の形状の成形や、表面に凹凸を持つ成
形体の形成も容易に行なえる。また古紙スラッジは典型
的には泥状であり、また古紙解繊維物も綿状であるの
で、これらを用いる場合も、成形形状の自由度は妨げら
れない。
【0015】また、紙片は小さいので成形体を2次的に
軟化点程度の温度で加熱して変形させる際、特開昭55
−62930号公報に開示の積層品に比べ、変形させ易
い。また古紙スラッジおよびまたは古紙解繊維物を用い
る場合も、それらが上記したように泥状であったり綿状
であるので、成形体を加熱変形させる際の妨げにはなら
ない。
【0016】また、この発明の成形体は紙片が無規則に
存在する内部構造をもつ成形体であるから、これを再利
用するために流動温度程度で加熱した場合、該成形体は
紙片単位にほぐれ変形が容易な可塑性を持った物になる
と考えられる。よって、例えば再利用のための成形を行
なう場合それが容易である。また古紙スラッジおよびま
たは古紙解繊維物を用いる場合も、それらが上記したよ
うに泥状であったり綿状であるので、これらを用いた成
形体を再利用するために流動温度程度で加熱した場合、
紙片を用いた場合と同様の可塑性が得られる。
【0017】また、成形体の製造方法に関する発明によ
れば、熱可塑性樹脂を含浸させてなる樹脂含浸物を得る
工程と、該樹脂含浸紙物を多数集合させた後それを圧縮
および加熱する工程とを含む方法を主張する。
【0018】この発明の製造方法では樹脂含浸物(典型
的には樹脂含浸紙片)を特別に意識して配列することな
くランダムに多数集合させこれを加熱下で圧縮すること
で、目的の成形体が得られる。すなわち多数の樹脂含浸
紙片は圧縮という行為により成形型に即した形に自然に
集合される。しかも、各樹脂含浸紙片からは加熱時の熱
により熱可塑性樹脂がにじみ出てそれにより各紙片が結
合される。特開昭55−62930号公報に開示の技術
では、樹脂を含浸させた基材を得た後これを複数枚重ね
合わせるという面倒な処理が必要であった点を考える
と、この発明の製造方法は成形体を簡易に製造できる方
法といえる。
【0019】また樹脂含浸物の1種として樹脂含浸紙片
の製造に当たっては例えば以下の各方法を用いることが
できる。
【0020】(i).加熱して液状化させた熱可塑性樹脂中
に紙片を漬け、その後、該紙片を取り出し冷却して樹脂
含浸紙片を得る方法。
【0021】(ii). 熱可塑性樹脂を有機溶媒に溶かした
溶液を調製し、該溶液中に紙片を漬け、その後、該紙片
を取り出し前記有機溶媒を蒸発させて樹脂含浸紙片を得
る方法。
【0022】(iii).紙片に有機溶媒を吹きつけ、かつ、
該有機溶媒が蒸発する前に該紙片に熱可塑性樹脂粉末ま
たは熱可塑性樹脂片を付着させて該樹脂粉末または樹脂
片の一部を前記有機溶媒の作用で溶解させて前記紙片に
含浸させる処理を、必要回数繰り返すことにより樹脂含
浸紙片を得る方法。ここで、必要回数は、紙片への樹脂
の含浸率をどの程度とするかで決められる。
【0023】(iv). 上記(i) 〜(iii) において、紙片の
代わりに裁断または粉砕前の状態の古紙を用い、これに
上記(i) 〜(iii) のいずれかの方法で前記樹脂を含浸さ
せ、該樹脂を含浸させた古紙を裁断または粉砕して樹脂
含浸紙片を得る方法。
【0024】これら(i) 〜(iv)の方法によれば、この発
明の成形体製造に用いる樹脂含浸紙片を容易に製造する
ことができる。特に、(iii)の方法は、例えば紙片を舞
い上がらせたり落下させた状態にて有機溶媒を吹きつ
け、さらに樹脂粉末を付着させるなどの手段がとれるの
で、紙片のハンドリングが上記(i)、(ii)に比べ容易と考
えられる。また(iv)の方法の場合は樹脂含浸対象物が紙
片より大きなものとなるので樹脂含浸対象物のハンドリ
ングが上記(i) 〜(iii) の方法に比べ容易と考えられ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの出願の
各発明の実施の形態について説明する。しかしながら説
明に用いる各図はこの発明を理解出来る程度に各構成成
分を概略的に示してある。
【0026】1.第1の実施の形態 図1は第1の実施の形態の成形品11を説明する図であ
る。特に図1の(A)図は該成形品11の全体の様子を
示した斜視図である。また、図1の(B)図は該成形体
11の内部を模式的に示した図であって、図1(A)の
P部分をI−I線に沿って切った断面の模式図である。
【0027】この成形体11は、所定厚さtを有し平面
形状が長方形状の外形を有し、しかも、内部は熱可塑性
樹脂を含浸した多数の紙片11a(樹脂含浸紙片11
a)と多数の空隙11bとが無規則に混在していてかつ
これら紙片11aが熱可塑性樹脂11cにより結合され
た状態となっている。紙片11aは特に限定されない
が、古紙の再利用を考慮して、古紙を裁断または粉砕し
た紙片であって熱可塑性樹脂を含浸した紙片とするのが
良い。また、熱可塑性樹脂11cも特に限定されない
が、耐水性を有するものが好ましく、しかも、産業廃棄
物の再利用を考慮するのが好ましい。これらの点を考え
ると、熱可塑性樹脂11cの原材料として、廃棄ポリス
チレン(例えば使用済みの発泡ポリスチレン製容器)
や、廃棄塩化ビニルなどを用いるのが良い。
【0028】ここで、紙分と樹脂分との配合比である
が、樹脂分があまり多すぎると、成形体が重くなった
り、成形体に釘を打つ時に成形体にひび割れが生じ易く
なる等の不具合が生じ、また樹脂分が少なすぎると紙片
同士の接着が悪くなるので成形体の曲げ強度や耐水性が
低下する。釘うちをも良好に行なう点を考えるといまま
での試験の結果、樹脂分と紙分との配合比は、重量比で
いって、4:6程度が好ましかった。また、空隙率につ
いては約30%程度が好ましかった。もちろん、これら
配合比や空隙率はこの発明の範囲の一例にすぎず、成形
体の用途や要求される仕様により変更できる。
【0029】この成形体11では樹脂含浸紙片11a同
士の間に空隙11bが存在する。この空隙11bは、こ
の成形体11に対する釘打ちや、該成形体11の切断を
容易にする。
【0030】また、この成形体は多数の紙片11aが無
規則に存在する内部構造をもつ成形体であるから、この
成形体11をそれが(実際は熱可塑性樹脂11cが)軟
化するような温度で加熱した場合、特開昭55−629
30号公報に開示されている基材を積層したタイプのも
のに比べて、変形させ易いと考えられる。そのため、も
しこの成形体を二次的に変形させる際もそれが行ない易
い。
【0031】また、この成形体は多数の紙片11aが無
規則に存在する内部構造をもつ成形体であるから、この
成形体11を熱可塑性樹脂11cが流動する程度の温度
で加熱した場合、この成形体11は紙片11a単位にほ
ぐれ流動が容易な可塑性を持つ物になると考えられる。
これは、この成形体11を使用した後に再利用のために
再び成形しなおす際にその成形が容易に行なえることを
意味する。
【0032】また、この発明の成形体は、目的の使用を
終えたり例えば端材等の形で不用となった場合それ自体
を熱的あるいは機械的にほぐすか粉砕するかすること
で、この発明の成形体を製造するための中間材料である
樹脂含浸物として再利用できる。こうする場合であって
も、この発明の成形体が紙片や古紙スラッジをベースと
するものであるので、特開昭55−62930号公報に
開示の積層品に比べ、粉砕等が容易と考えられるから、
再利用の手間も少ないと考えられる。なお、ここでいう
使用を終えた成形体とはコンクリート型枠等も含む。ま
た、この発明の成形体は何度も再利用した後は、最終的
には焼却処理も可能なものである。
【0033】またこの成形体11は、樹脂含浸紙片11
aを予め用意し、そしてこの樹脂含浸紙片11aを多数
集合させた後、それらを加熱及び圧縮することで製造で
きる。具体的には、ヒータや加熱ランプなどを具えたプ
レス装置や圧延ローラなどを用いれば良い。この際の加
熱温度は、一般に行なわれている温度と出来る。圧縮の
際の圧力は成形体に要求される強度や空隙率などを考慮
した任意好適な圧力とする。なお、成形において高温・
高圧の蒸気を用いても良い。高温・高圧の蒸気を用いる
方法であると、加熱および圧縮を同時にしかも迅速に行
える。もちろん、樹脂含浸紙片11aを形成すること
と、形成された樹脂含浸紙片11aを集合させること
と、これら樹脂含浸紙片11aを圧縮・加熱することと
を連続的に行なっても良い。
【0034】ここで樹脂含浸紙片11aの製造は、例え
ば以下の(i) 〜(iv)のうちの1の方法またはそれらの2
以上を組み合わせた方法で行なえる。
【0035】(i).加熱して液状化させた熱可塑性樹脂中
に紙片を漬け、その後、該紙片を取り出し冷却して樹脂
含浸紙片を得る方法。
【0036】(ii). 熱可塑性樹脂を有機溶媒に溶かした
溶液を調製し、該溶液中に紙片を漬け、その後、該紙片
を取り出し前記有機溶媒を蒸発させて樹脂含浸紙片を得
る方法。
【0037】(iii).紙片に有機溶媒を吹きつけ、かつ、
該有機溶媒が蒸発する前に該紙片に熱可塑性樹脂粉末ま
たは熱可塑性樹脂片を付着させて該樹脂粉末または樹脂
片の一部を前記有機溶媒の作用で溶解させて前記紙片に
含浸させる処理を、必要回数繰り返すことにより樹脂含
浸紙片を得る方法。
【0038】(iv). 上記(i) 〜(iii) において、紙片の
代わりに裁断または粉砕前の状態の古紙を用い、これに
上記(i) 〜(iii) のいずれかの方法で前記樹脂を含浸さ
せ、該樹脂を含浸させた古紙を裁断または粉砕して樹脂
含浸紙片を得る方法。
【0039】用いる熱可塑性樹脂としては、ポリスチレ
ンまたは塩化ビニルが好適である。これらは産業廃棄物
として多量に発生するので、これらを用いれば資源の再
利用および環境保護の点で好ましいからである。また、
成形体11の耐水性も確保されるからである。また材料
の調達も安価に行なえるからである。一方、紙片として
は古紙を裁断または粉砕した紙片を用いるのが好適であ
る。古紙を用いれば資源の再利用および環境保護の点で
好ましいからである。また材料の調達も安価に行なえる
からである。また、有機溶媒を用いる場合は、それは任
意好適なものとできる。用いる有機溶媒として、例えば
メチレンクロライドが挙げられる。
【0040】上記(ii)の方法の具体的な処理手順として
例えば次の様な手順をとることができる。
【0041】メチレンクロライド等の溶媒にポリスチレ
ンを溶解させた液に、古紙を裁断または粉砕した紙片を
漬ける。この溶液から紙片を引き上げた後、これを温風
により乾燥する。乾燥時に蒸発する溶媒を、再利用のた
めに、冷却器を通して回収する。上記の温風乾燥をベル
トコンベア上で行う。溶媒のほぼ飛んだポリスチレン含
浸紙片群を、ベルトコンベヤを進む間に一定の高さにな
らし、そして圧延ローラに送り込む。ポリスチレン含浸
紙片群は圧延ローラにて加熱圧縮されて連続した板状で
圧延ローラ外部に送り出されてくる。これを冷却した後
一定の長さに裁断することにより、成形体11が得られ
る。
【0042】ところで、図1(A)に示した例は平板状
の成形体の例であった。しかし、この発明の成形体は一
部または全部が曲面となっている成形体であったり、凹
凸の表面模様を有した成形体であったり、非板状の任意
の形状の成形体であることも出来る。
【0043】例えば、コンクリート造形物では曲線部分
を持つ造形物も多々作製される。このような造形物を作
製する場合は、そのためのコンクリート型枠として前記
曲線部分に対応する曲面を有したコンクリート型枠が必
要になる。この発明の成形体はこのような曲面用のコン
クリート型枠を容易に構成出来る。なぜなら、予め造形
物の曲面部分に対応する曲面を有したプレス型等を用意
しておいて、これに樹脂含浸紙片を投入して加熱成形す
れば容易に曲面用のコンクリート型枠が得られるからで
ある。或は、図1(A)に示したような平面板のコンク
リート型枠を規格品として用意しておいて、これを熱可
塑性樹脂11bの軟化温度を満たす温度で加熱しかつ目
的の曲面となるように再変形させることで曲面用のコン
クリート型枠が容易に得られるからである。また、凹凸
の表面模様を持つコンクリート造形物、例えば岩目模様
を表面に有するコンクリート造形物を建築する際は、コ
ンクリート型自体に岩目模様の凹凸を設ける場合があ
る。この発明の成形体はこのよう凹凸模様をもつ化粧型
枠をも容易に構成出来る。またこの発明の成形体は、成
形が容易であること等から、平板状の内装材や、曲面を
有した内装材や、凹凸の表面模様を有した内装材なども
容易に構成出来る。
【0044】2.第2の実施の形態 図2(A)は第2の実施の形態の成形体21の内部を模
式的に示した断面図である。この第2の実施の形態の成
形体21の、第1の実施の形態のものとの違いは、成形
体の構成成分として、古紙スラッジ21aおよび古紙解
繊物21bをさらに用いた点である。古紙スラッジは古
紙再生時に大量に発生しその処分に困っているものであ
るので、これを利用するこの第2の実施の形態は資源再
利用および環境保護の点それぞれで一層好ましい。ま
た、古紙解繊物21bは原料の状態では綿状であるので
これを成形体に入れると網目状に熱可塑性樹脂中に取り
込まれる。そのため、例えば補強材として機能する。な
お、古紙解繊物21bを用いる場合は、あくまで補助材
として用いるのが良い。古紙解繊物21b自体が特別な
処理で製造されるものである。これを多量に使用するこ
とは、紙とプラスチックとを簡単にリサイクルするとい
う本発明の目的から外れるからである。
【0045】なお、この第2の実施の形態の成形体21
を製造する場合は、例えば第1の実施の形態の成形体1
1を形成した手順における加熱圧縮工程の前に古紙スラ
ッジおよびまたは古紙解繊物を混合する工程を追加すれ
ば良い。古紙スラッジおよび古紙解繊物も予め熱可塑性
樹脂を含浸させたものとしておくのが良い。
【0046】3.第3の実施の形態 図2(B)は第3の実施の形態の成形体31の内部を模
式的に示した断面図である。この第3の実施の形態の成
形体31の、第1の実施の形態のものとの違いは、成形
体の構成成分として、紙片は用いずに、古紙スラッジお
よび熱可塑性樹脂の混合物31aとした点である。すな
わち、所定形状の外形を有し、古紙スラッジおよび熱可
塑性樹脂の混合物31aであって無数の空隙11bを無
規則に有した混合物31aで構成された成形体31であ
る。
【0047】この第3の実施の形態の成形体31の場
合、処分に困っている古紙スラッジを積極的に使用する
ので、材料費自体を安くできると考えられるため、第1
の実施の形態に比べ安価な成形体が期待出来る。
【0048】
【発明の効果】上述した説明から明らかなように、この
発明の成形体は、熱可塑性樹脂を含浸した多数の紙片と
多数の空隙とが無規則に混在していてかつこれら紙片が
熱可塑性樹脂により結合された状態となっている成形体
である。または、古紙スラッジおよび熱可塑性樹脂の混
合物であって無数の空隙を無規則に有した混合物で構成
された成形体である。このため、従来品に比べ、釘打ち
がし易い、切断がし易い、2次的な変形をさせ易いとい
う効果を示すものとなる。しかも、板状の成形体はもち
ろん、例えば曲面を有した形状とか凹凸に富んだ形状の
成形体が容易に実現される。また該成形品を再利用する
ために再成形することも行ない易いものとなる。
【0049】また、この発明の成形体は、樹脂含浸紙物
を特別に意識して配列するようなことをすることなくラ
ンダムに多数集合させこれを加熱下で圧縮することで、
容易に得られるので、工業的にかつ安価に製造できるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1の実施の形態の成形体の説明図であ
り、特に(A)図は全体を示した斜視図、(B)図はそ
の内部構造を模式的に示した断面図である。
【図2】図2は他の実施の形態の説明図であり、(A)
図は第2の実施の形態の成形体の内部構造を模式的に示
した図、(B)図は第3の実施の形態の成形体の内部構
造を模式的に示した図である。
【符号の説明】
11:第1の実施の形態の成形体 11a:樹脂含浸紙片(熱可塑性樹脂を含浸した紙片) 11b:空隙 11c:熱可塑性樹脂 21:第2の実施の形態の成形体 21a:古紙スラッジ 21b:古紙解繊物 31:第3の実施の形態の成形体 31a:古紙スラッジおよび熱可塑性樹脂の混合物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 31:58

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定形状の外形を有し、然も、内部は熱
    可塑性樹脂を含浸した多数の紙片と多数の空隙とが無規
    則に混在していてかつこれら紙片が熱可塑性樹脂により
    結合された状態となっていることを特徴とする成形体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の成形体において、 古紙スラッジおよび古紙を解繊した物(古紙解繊物)の
    一方または双方をさらに含むことを特徴とする成形体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の成形体におい
    て、 前記紙片が古紙を裁断または粉砕した紙片であり、前記
    熱可塑性樹脂がポリスチレンまたは塩化ビニルであるこ
    とを特徴とする成形体。
  4. 【請求項4】 所定形状の外形を有し、古紙スラッジお
    よび熱可塑性樹脂の混合物であって無数の空隙を無規則
    に有した混合物で構成されたことを特徴とする成形体。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の成形体において、 古紙を解繊した物(古紙解繊物)をさらに含むことを特
    徴とする成形体。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の成形体におい
    て、 前記熱可塑性樹脂がポリスチレンまたは塩化ビニルであ
    ることを特徴とする成形体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の成
    形体において、 凹凸の表面模様を有したことを特徴とする成形体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の成
    形体により構成したことを特徴とするコンクリート型
    枠。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の成
    形体により構成したことを特徴とする内装材。
  10. 【請求項10】 請求項1〜7に記載の成形体を製造す
    るに当たり、 熱可塑性樹脂を含浸させてなる樹脂含浸物を得る工程
    と、 該樹脂含浸紙物を多数集合させた後それを圧縮および加
    熱する工程とを含むことを特徴とする成形体の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の成形体の製造方法
    において、 前記樹脂含浸物として樹脂含浸紙片を用いる場合は、 前記紙片として古紙を裁断または粉砕した紙片を用い、
    前記樹脂として廃棄ポリスチレンまたは廃棄塩化ビニル
    を用いることを特徴とする成形体の製造方法。
  12. 【請求項12】 熱可塑性樹脂を含浸させた紙片(樹脂
    含浸紙片)を製造するに当たり、 紙片に有機溶媒を吹きつけ、かつ、該有機溶媒が蒸発す
    る前に該紙片に熱可塑性樹脂粉末または熱可塑性樹脂片
    を付着させて該樹脂粉末または樹脂片の一部を前記有機
    溶媒の作用で溶解させて前記紙片に含浸させる処理を、
    必要回数繰り返すことにより樹脂含浸紙片を得ることを
    特徴とする樹脂含浸紙片の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の樹脂含浸紙片の製
    造方法において、 前記紙片として古紙を裁断または粉砕した紙片を用い、
    前記熱可塑性樹脂として廃棄ポリスチレンまたは廃棄塩
    化ビニルを用いることを特徴とする樹脂含浸紙片の製造
    方法。
  14. 【請求項14】 熱可塑性樹脂を含浸させた紙片(樹脂
    含浸紙片)を製造するに当たり、 裁断または粉砕前の状態の古紙に、熱可塑性樹脂を溶解
    した溶液を接触させて該熱可塑性樹脂を含浸させるか、
    または請求項12に記載の方法で熱可塑性樹脂を含浸さ
    せ、 該樹脂を含浸させた古紙を裁断または粉砕して樹脂含浸
    紙片を得ることを特徴とする樹脂含浸紙片の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜7に記載の成形体であって
    使用済みまたは不用となった成形体を熱的あるいは機械
    的にほぐすか粉砕して、請求項1〜7に記載の成形体を
    作るための中間原料としての樹脂含浸物を得ることを特
    徴とする成形体の再利用方法。
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CN116653196B (zh) * 2023-06-27 2024-02-06 北京金风科创风电设备有限公司 树脂覆层成型工艺的废料利用方法以及复合结构板

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