JPH1095803A - セルロース被膜及びその形成方法 - Google Patents

セルロース被膜及びその形成方法

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JPH1095803A
JPH1095803A JP22944596A JP22944596A JPH1095803A JP H1095803 A JPH1095803 A JP H1095803A JP 22944596 A JP22944596 A JP 22944596A JP 22944596 A JP22944596 A JP 22944596A JP H1095803 A JPH1095803 A JP H1095803A
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Japan
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cellulose
coating
bacterial cellulose
suspension
water
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Application number
JP22944596A
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English (en)
Inventor
Otohiko Watabe
乙比古 渡部
Akira Shibata
明 柴田
Yasushi Morinaga
康 森永
Kazuko Kaneko
加壽子 金子
Hiroshi Ogiya
浩 扇谷
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Bio Polymer Research Co Ltd
Original Assignee
Bio Polymer Research Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルロースを被膜として基体上に形成する為
の特定の方法を提供すること。 【解決手段】 バクテリアセルロース又は微小繊維状セ
ルロースを含有する懸濁液を基体上にスプレーすること
を特徴とする、セルロース被膜の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース生産菌
を培養することによって製造し得るセルロース性物質
(以下、「バクテリアセルロース」又は「BC」とい
う。)又は微小繊維状セルロース(以下、「MFC」と
もいう。)から成るセルロース被膜の形成方法、及び該
方法によって製造し得るセルロース被膜、及び該セルロ
ース被膜により被覆された基体に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】BC(バクテリアセルロース)は可食性
であり無味無臭であるため、食品分野で利用されるほ
か、水系分散性に優れているので食品、化粧品又は塗料
等の粘度の保持、食品原料生地の強化、水分の保持、食
品安定性向上、低カロリー添加物又は乳化安定化助剤と
しての産業上利用価値がある。BCは木材パルプ等から
製造されるセルロースに較べ、フィブリルの断片幅が2
ケタ程度も小さいことを特徴とする。従って、BCの離
解物はフィブリルのかかる構造的物理的特徴に基づき高
分子、特に水系高分子用補強剤として各種の産業用用途
がある。このようなセルロース性離解物を紙状または固
型状に固化した物質は高い引張弾性率を示すのでフィブ
リルの構造的特徴に基づくすぐれた機械特性が期待さ
れ、各種産業用素材としての応用がある。一方、MFC
は約10ミクロン程度の大きさの微小体セルロースとし
て従来から知られており、水系分散性に優れているので
食品、化粧品又は塗料等の粘度の保持、食品原料生地の
強化、水分の保持、食品安定性向上、低カロリー添加物
又は乳化安定化助剤としての産業上利用価値がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
で上記のような優れた特性を有するBC又はMFCを被
膜として基体上に形成する為の特定の方法は提案されて
こなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、バクテ
リアセルロース又はMFCを含有する懸濁液を基体上に
スプレーすることを特徴とする、セルロース被膜の形成
方法に係わる。スプレー操作は適当な時間及び間隔で連
続的又は断続的に実施することができる。懸濁液は、
水、又は、極性溶剤等の有機物質を溶媒とすることがで
きる。又、スプレーした後の乾燥は、従来公知の適当な
方法、例えば風乾等の自然乾燥、熱プレス又は赤外線、
マイクロ波等を利用した乾燥機等を使用して実施するこ
とができる。本発明は、更に、以上の方法により製造し
得るセルロース被膜に係わる。本発明のセルロース被膜
は、BC又はMFCの各種特性に応じて、基体表面に親
水性又は疎水性を付与したり、基体表面の腐食を防止す
る他、基体の内部損失を増大させ、更には基体の各種強
度を向上させたりすることができる。従って、本発明は
こうして得られる被膜に、種々の目的に応じて更に化学
処理、熱処理等の二次加工を施すセルロース被膜の形成
方法にも係わる。このような二次加工をすることによ
り、被膜の強度等のその表面特性を変化させ、例えば、
耐水性を被膜に付与させることもできる。熱処理は約1
20℃以上、好ましくは約130℃ないし約200℃の
範囲で、通常、約5分ないし約60分の範囲で実施す
る。熱処理は、スプレー後の乾燥と同一の装置及び方法
にて、温度条件を変える等して実施しても良い。
【0005】また、本発明は、本発明のセルロースの被
膜を少なくとも一層有する被覆基体にも係わる。この基
体は本発明被膜の他に、他の方法で得られたセルロース
被膜又は他の物質から成る被膜を更に有していても良
い。本発明方法で被覆しうる基体としては、あらゆる種
類の物質が考えられるが、例えば、各種紙類、不織布等
を含む布類、木板及びプラスチック製及び金属製等の板
類、並びにプラスチック製等のシート及びフィルム類、
更にこれらから成る複合基体、更には植物の葉及び茎等
の表面又は動物及び人体の皮膚等の表面を挙げることが
できる。
【0006】スプレー操作自体は従来のスプレー装置を
使用して行なうことができる。即ち、スプレーの具体的
な方法としては、例えば、加圧ノズルによるもの、2流
体ノズルによるもの等があるが、ノズル方式のものは、
2流体ノズルの方式のものに比べて粒子が粗粒となる。
噴霧のさせ方は、目的に応じて適宜選択することができ
る。また、スプレー時の平均粒径に特に制限はないが、
平均粒径が約100μm以下であるものが好適に使用さ
れる。本発明で得られるセルロースの被膜の厚さは、一
定面積にスプレーをする量によって調製することがで
き、その範囲は通常、0.02μm 〜数cm以上であ
る。本発明方法にあっては、セルロースの被膜をスプレ
ーによって形成する為に、ロール又はハケ等を使用して
基体上にセルロースを塗布した場合に比べて、斜面等の
あらゆる状態にある基体上にも均一な被膜層を容易に形
成することができる。
【0007】本発明方法に於いてセルロース性物質は離
解処理を受けたものであることが好ましい。バクテリア
セルロースの離解現象は、機械的外力等によってセルロ
ース内部に発生した応力が、これを変形・破壊すること
による現象と考えられる。従って、バクテリアセルロー
スの離解処理は、バクテリアセルロースに機械的外力を
与えることにより行なえる。更に酸加水分解、酵素加水
分解及び漂白剤によっても離解処理を行なうことができ
る。ここでいう機械的外力とは、例えば、引っ張り、曲
げ、圧縮、ねじり、衝撃及び剪断等の応力が挙げられる
が、一般的には圧縮、衝撃及び剪断応力が主体である。
実際にこれら機械的外力をバクテリアセルロースに与え
る場合は、例えば、ミキサー、ポリトロン又は自励式超
音波粉砕機のような超音波発振機等を使用することで達
成できる。
【0008】ミキサーによる離解処理においては、機械
的外力は攪拌羽根とバクテリアセルロースが衝突するこ
とによる衝撃力と、媒体の速度差によるズレ現象によっ
て発生する剪断力が主体となる。ポリトロンによる離解
処理においては、機械的外力はバクテリアセルロースが
外歯と内歯に挟まることによる圧縮力、高速に回転する
歯とバクテリアセルロースが衝突することによる衝撃
力、静止している外歯と高速に回転する内歯の隙間に存
在する媒体に発生する剪断応力が主体となる。超音波粉
砕機による離解においては、機械的外力は超音波発振部
の発振により媒体中にキャビテーション(空洞現象)が
連続的に発生し、局部的に生じる著しい剪断応力が主体
となる。本発明の離解処理は、バクテリアセルロースに
一定の負荷(機械的外力)を与えることができれば、上
記具体例以外のいかなる方法でも行ない得る。その他の
離解処理条件は当業者が適宜選択することが出来る。更
に、特願平7−160173号に記載されているよう
に、かかる離解処理後に、BC離解物自体の粒度を調整
する目的で所定の目開きを有するスクリーンで篩い分け
することもできる。
【0009】以上、離解処理について説明したが、本発
明でいう離解処理が、セルロース生産菌の攪拌培養後、
培養液から分離・精製されたバクテリアセルロースに対
して行なう、独立した二次的な操作のみに限定されない
ことは、当業者には自明のことである。即ち、後述する
ように攪拌操作にはバクテリアセルロースを離解する作
用があり、本発明で採用した攪拌培養においては、培養
を目的とした攪拌作用によってもバクテリアセルロース
を離解処理することが十分に可能であるからである。更
に、攪拌培養により得たバクテリアセルロースを分離、
洗浄、精製及び輸送する操作においても同様のことが言
え、これらの操作において付加的に離解処理を行なうこ
とも本発明の離解処理に包含されることに留意された
い。
【0010】本発明におけるバクテリアセルロースの生
産に使用されるセルロース生産菌は、例えば、BPR2
001株に代表されるアセトバクター・キシリナム・サ
ブスピーシーズ・シュクロファーメンタンス(Acetobac
ter xylinum subsp. sucrofermentans)、アセトバクタ
ー・キシリナム(Acetobacter xylinum )ATCC23
768、アセトバクター・キシリナムATCC2376
9、アセトバクター・パスツリアヌス(A. pasteurianu
s )ATCC10245、アセトバクター・キシリナム
ATCC14851、アセトバクター・キシリナムAT
CC11142及びアセトバクター・キシリナムATC
C10821等の酢酸菌(アセトバクター属)、その他
に、アグロバクテリウム属、リゾビウム属、サルシナ
属、シュードモナス属、アクロモバクター属、アルカリ
ゲネス属、アエロバクター属、アゾトバクター属及びズ
ーグレア属並びにそれらをNTG(ニトロソグアニジ
ン)等を用いる公知の方法によって変異処理することに
より創製される各種変異株である。尚、BPR2001
株は、平成5年2月24日に通商産業省工業技術院生命
工学工業技術研究所特許微生物寄託センターに寄託され
(受託番号FERM P−13466)、その後199
4年2月7日付で特許手続上の寄託の国際的承認に関す
るブダペスト条約に基づく寄託(受託番号FERM B
P−4545)に移管されている。NTG等の変異剤を
用いての化学的変異処理方法には、例えば、Bio Factor
s,Vol. l, p.297−302 (1988)及び J. Gen. Microbiol,
Vol. 135, p.2917−2929(1989) 等に記載されているも
のがある。従って、当業者であればこれら公知の方法に
基づき本発明で用いる変異株を得ることができる。ま
た、本発明で用いる変異株は他の変異方法、例えば放射
線照射等によっても得ることができる。
【0011】上述の方法によって創製されるセルロース
生産菌の中でも、通気攪拌培養することによって、ポリ
スチレン換算の重量平均重合度が1.6×104 以上、
好ましくは1.7×104 以上である高重合度のバクテ
リアセルロースを製造するか、又は、静置培養すること
によって、ポリスチレン換算の重量平均重合度が2.0
×104 以上である高重合度のバクテリアセルロースを
製造する菌株が好ましい。本発明で使用し得る高重合度
のバクテリアセルロースの生産菌のうち、BPR300
1Aは、平成7年6月12日付で通商産業省工業技術院
生命工学工業技術研究所特許微生物寄託センターに寄託
され、受託番号FERM P−14982を付されてい
る。一般的に、高分子材料の強度や弾性率は、高分子の
重合度が高いほど、高いものとなることが知られてい
る。バクテリアセルロースの場合にも同様で、高重合度
のバクテリアセルロースを原料として形成させた被膜
は、相対的に低い重合度のバクテリアセルロースを原料
として形成させた被膜と比較して、その強度や弾性率が
高い。従って、本発明の被膜として、高強度や弾性率の
ものを形成させたい場合には、先に述べたような高重合
度のバクテリアセルロースを用いた方が高い効果が得ら
れる。
【0012】本発明におけるBC等の各種セルロースの
重量平均重合度は、検出器としてRIを内蔵したGPC
システム(Tosoh HLC−8020)を用いて以下のよ
うにして測定する。各種セルロース試料を発煙硝酸−五
酸化リン溶液で W.J. Alexander, R.L. Mitchell, Anal
ytical chemistry 21, 12, 1497-1500 (1949) の方法に
よりニトロ化する。コントロールとして同時にニトロ化
したコットンリンターを用いる。セルロースニトロ化物
はTHF(和光純薬 1級)に0.05%濃度で溶かし
たのち、1.0μmポアサイズのフィルターで濾過す
る。GPCの溶離液にもTHFを用いる。流速は0.5
ml/min 、圧力は10〜13kg f/cm2 、サンプル注入
量は100μl とする。カラムはTSKgel GMH
−HR(S)(7.5ID×300mm×2本)とガード
カラム(HHR(S))(Tosoh Co., Ltd.) を用い35
℃で測定する。分子量算出のためにスタンダードポリス
チレン(Tosoh) を用いポリスチレン換算の相対分子量を
求める。2×107 から2630の分子量のポリスチレ
ンを用い、溶出時間(t)と分子量の対数(logM)
について、3次式:(logM=At3 +Bt2 +Ct
+D)による近似を行いスタンダード曲線を作製する。
分子量はTosoh のデータ処理専用機(SC−8020)
に内蔵されたプログラム(ver.3,10)により重
量平均分子量を計算する。これらの分子量の値からニト
ロ化後の置換度を考慮して重量平均重合度を計算する。
【0013】培養に用いる培地の組成物中、炭素源とし
てはシュクロース、グルコース、フラクトース、マンニ
トール、ソルビトール、ガラクトース、マルトース、エ
リスリット、グリセリン、エチレングリコール、エタノ
ール等を単独或いは併用して使用することができる。更
にはこれらのものを含有する澱粉水解物、シトラスモラ
セス、ビートモラセス、ビート搾汁、サトウキビ搾汁、
柑橘類を始めとする果汁等をシュクロースに加えて使用
することもできる。 また、窒素源としては硫酸アンモ
ニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム等のア
ンモニウム塩、硝酸塩、尿素等有機或いは無機の窒素源
を使用することができ、或いはBacto−Pepto
ne、Bacto−Soytone、Yeast−Ex
tract、豆濃などの含窒素天然栄養源を使用しても
よい。有機微量栄養素としてアミノ酸、ビタミン、脂肪
酸、核酸、2,7,9−トリカルボキシ−1Hピロロ
〔2,3,5〕−キノリン−4,5−ジオン、亜硫酸パ
ルプ廃液、リグニンスルホン酸等を添加してもよい。
【0014】生育にアミノ酸等を要求する栄養要求性変
異株を使用する場合には、要求される栄養素を補添する
ことが必要である。無機塩類としてはリン酸塩、マグネ
シウム塩、カルシウム塩、鉄塩、マンガン塩、コバルト
塩、モリブデン酸塩、赤血塩、キレート金属類等が使用
される。更に、イノシトール、フィチン酸、ピロロキノ
リンキノン(PQQ)(特公平5−1718号公報;高
井光男,紙パ技協誌,第42巻,第3号,第237〜2
44頁)、カルボン酸又はその塩(特願平5−1914
67号)、インベルターゼ(特願平5−331491
号)及びメチオニン(特願平5−335764号)等の
セルロース生成促進因子を適宜培地中に添加することも
できる。例えば、酢酸菌を生産菌として用いる場合に
は、培養のpHは3ないし7に、好ましくは5付近に制
御する。培養温度は10〜40℃、好ましくは25〜3
5℃の範囲で行う。培養装置に供給する酸素濃度は1〜
100%、望ましくは21〜80%であれば良い。これ
ら培地中の各成分の組成割合及び培地に対する菌体の接
種等は培養方法に応じて当業者が適宜選択し得るもので
ある。バクテリアセルロースは、従来より、微生物を培
養する培養形式として公知の形式、即ち、静置、振盪も
しくは通気攪拌培養等、また、培養操作法として公知
の、いわゆる回分発酵法、流加回分発酵法、反復回分発
酵法及び連続発酵法等によって製造することができる。
尚、攪拌手段としては、例えばインペラー(攪拌羽
根)、エアーリフト発酵槽、発酵ブロスのポンプ駆動循
環、及びこれら手段の組合せ等が使用されている。
【0015】尚、攪拌培養とは、培養液を攪拌しながら
行なう培養法であり、当該攪拌培養中に受ける攪拌作用
によって、バクテリアセルロースの構造が、例えば、結
晶化指数が低下して非晶部が増すように変化する。攪拌
手段としては、例えばインペラー、エアーリフト発酵
槽、発酵ブロスのポンプ駆動循環、及びこれら手段の組
合せ等を使用することができる。培養操作法としては、
いわゆる回分発酵法、流加回分発酵法、反復回分発酵法
及び連続発酵法等がある。更に、本出願人名義の特願平
6−192287号に記載された培養装置と分離装置の
間で菌体を含む培養液を循環させるセルロース性物質の
製造方法であって、該分離装置に於いて、生産物である
セルロース性物質を菌体及び培養液から分離することを
特徴とする前記方法や、同じく、本出願人名義の特願平
6−192288号に記載されたセルロース生産菌を培
養してセルロース性物質を製造する方法であって、培養
期間中、培養系からの培養液の引き抜き及び該引き抜き
量とほぼ等容量の新たな培養液の供給を連続的に行なう
ことによって、培養中の培養液に於けるセルロース性物
質の濃度を低く維持することを特徴とする前記製造方法
がある。
【0016】前記攪拌培養を行なうための槽としては、
例えば、ジャーファーメンター及びタンク等の攪拌槽、
並びにバッフル付きフラスコ、坂口フラスコ及びエアー
リフト型の攪拌槽が使用可能であるがこの限りではな
い。本発明でいう攪拌培養においては、攪拌と同時に、
必要に応じて、通気を行なっても良い。ここでいう通気
とは、例えば空気等の酸素を含有するガス、並びに例え
ばアルゴン及び窒素等の酸素を含有しないガスのいずれ
を通気しても良く、これらガスは培養系の条件に合わせ
て当業者により適宜、選択されよう。例えば、嫌気性の
微生物の場合は、不活性ガスを通気をすれば、その気泡
によって培養液を攪拌することができる。好気性の微生
物の場合には、酸素を含有するガスを通気することで微
生物の成育に必要な酸素を供給すると同時に、培養液を
攪拌することができる。
【0017】攪拌培養により得たバクテリアセルロース
を遠心分離法又は濾過法等により培養液から分離する。
バクテリアセルロースは菌体と一緒に回収してもよく、
さらに本物質中に含まれる菌体を含むセルロース性物質
以外の不純物を取り除く処理を施すことが出来る。不純
物を取り除くためには、水洗、加圧脱水、希酸洗浄、ア
ルカリ洗浄、次亜塩素酸ソーダ及び過酸化水素などの漂
白剤による処理、リゾチームなどの菌体溶解酵素による
処理、ラウリル硫酸ソーダ、デオキシコール酸などの界
面活性剤による処理、常温から200℃の範囲の加熱洗
浄などを単独及び併用して行い、セルロース性物質から
不純物をほぼ完全に除去することができる。このように
して得られた本発明でいうセルロース性物質とは、セル
ロース及び、セルロースを主鎖としたヘテロ多糖を含む
もの及びβ−1,3、β−1,2等のグルカンを含むも
のである。ヘテロ多糖の場合のセルロース以外の構成成
分はマンノース、フラクトース、ガラクトース、キシロ
ース、アラビノース、ラムノース、グルクロン酸等の六
炭糖、五炭糖及び有機酸等である。なおこれ等の多糖が
単一物質である場合もあるし2種以上の多糖が水素結合
等により混在してもよい。
【0018】さて、周知のようにセルロースは、グルコ
ースの1位と4位の炭素がβ結合してできたホモポリマ
ーである。このグルコース残基の2、3、6位には、水
酸基が結合しているが、これらの水酸基とグルコースの
ピラノース環の中の酸素原子との間に水素結合が形成さ
れる。微細繊維と微細繊維の間には、水分が存在してい
るが、乾燥の過程でこれらの水分が除去されると、微細
繊維表面にも水酸基と酸素原子が存在するために、微細
繊維間にも水素結合が形成される。バクテリアセルロー
ス又は微小繊維状セルロースのリボン状の微細繊維は、
通常のセルロース繊維、例えば、植物パルプ繊維と比較
して非常に細い分、表面積が大きいので、水素結合に寄
与する部分が多くなるので、微細繊維間の水素結合は、
通常のパルプ繊維などと比較して非常に強固なものとな
る。従って、BC又はMFCの懸濁液に水以外の第3成
分を予め加えた後、これをスプレーすることにより、乾
燥の際に形成される微細繊維間の水素結合を防止し、被
膜の多孔度(空隙率)を調整することもできる。この為
に、すでに述べたように、有機物質を水に代えて、セル
ロース懸濁液の溶媒とすることも出来る。
【0019】かかる第3成分の例としては、アルコール
及びエステル等の極性溶剤、アセトン、ヘキサン系の非
極性溶剤、親水性液体、親水性固体、水不溶性物質及び
水難溶性物質等を挙げることができる。本発明方法に於
いて、第3成分として用いる親水性液体の例として、グ
リセリン、エチレングリコール、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルホルムアミド、界面活性剤、乳酸、グルコ
ン酸及びデルタグルコノラクトン並びにそれら1つ以上
の混合物を挙げることができる。更に、第3成分として
用いることができる親水性固体には、水溶性低分子及び
水溶性高分子等の水溶性物質、並びに水不溶性物質及び
水難溶性物質が含まれる。
【0020】この中で水溶性低分子とは、例えば、糖類
(グルコース、フラクトース、ガラクトース、キシロー
ス、マンノース、アラビノース、シュクロース、ラクト
ース、セロビオース、パラチノース、マルトース、ゲン
チオビオース、トレハロース、ラムノース、オリゴ糖、
イソマルトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、フラクトオリゴ
糖、ガラクトオリゴ糖、ラクトスクロース、カップリン
グシュガー、液糖、サイクロデキストリン、、糖アルコ
ール、ソルビトール、エリスリトール、ラクチトール、
マルチトール、キシリトール、マンニット、ズルシッ
ト)、塩類(硫酸ナトリウム、硫安、食塩、塩化カルシ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ロッセル
塩)、アミノ酸、アミノ酸塩、有機酸、有機酸塩、核
酸、核酸塩、アルキルケテンダイマー、スチレンーアク
リル系サイズ剤、オレフィンー無水マレイン酸系サイズ
剤、高級脂肪酸系サイズ剤、エポキシ化合物からなる耐
水性材料、蛍光増白剤、消泡剤、帯電防止剤、顔料、染
料、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソー
ダ、塩基性塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミ
ニウム、アルミナゾル、水溶性アルミニウム化合物、硫
酸第1鉄、塩化第2鉄、及びアルケニル無水コハク酸系
サイズ剤並びにそれら1つ以上の混合物をいう。
【0021】また水溶性高分子とは、例えば、セルロー
ス誘導体(カルボキシメチルセルロース、メチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロー
ス)、キサンタンガム、キシログルカン、デキストリ
ン、デキストラン、カラギーナン、ローカストビーンガ
ム、アルギン酸、アルギン酸塩、プルラン、澱粉、かた
くり粉、クズ粉、陽性澱粉、燐酸化澱粉、コーンスター
チ、アラビアガム、ローカストビーンガム、グアガム、
ゲランガム、ポリデキストロース、ペクチン、キチン、
水溶性キチン、キトサン、カゼイン、アルブミン、大豆
蛋白溶解物、ペプトン、ポリビニルアルコール、ポリア
クリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロ
リドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミノ酸、ポリ乳酸、ポ
リリンゴ酸、ポリグリセリン、ラテックス、ロジン系サ
イズ剤、石油樹脂系サイズ剤、尿素樹脂、メラミン樹
脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド・ポリ
アミン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミン、植物ガ
ム、ポリエチレンオキサイド、親水性架橋ポリマー、ポ
リアクリル酸塩、でんぷんポリアクリル酸共重合体、タ
マリンドガム、ジェランガム、ペクチン、グァーガム及
びコロイダルシリカ並びにそれら1つ以上の混合物をい
う。
【0022】更に、水不溶性物質または水難溶性物質と
は、例えば、米粉、小麦粉、大麦粉、ライ麦粉、大豆
粉、小豆粉、ソバ粉、フスマ粉、トウモロコシ粉、炭酸
カルシウム、クレー、タルク、ガラス微粉末、炭素粉、
カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、重質炭酸カ
ルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二
酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化
マグネシウム、水酸化カルシウム、珪酸マグネシウム、
珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、アルミノ珪酸塩、シ
リカ、セリサイト、セライト、ベントナイト、スメクタ
イト、ポリスチレン微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒
子、微小中空粒子、セルロース粒子、ラウロイルリジ
ン、珪藻土及びバクテリアセルロース被膜の二次加工用
の各種有機物質並びにそれら1つ以上の混合物をいう。
【0023】以上述べた第3成分は、被膜の多孔度の調
整に加えて、本発明のセルロース被膜の使用目的によ
り、当該業者によって選択されるものである。固体成
分、低分子可溶成分、高分子成分などを組み合わせて用
いることもある。例えば、製紙分野において無機粉体シ
ートを作成する際に、BCの無機粉体の結着特性と、無
機粉体の機能(例えば、磁性粉など)を、できた無機粉
体シート表面で効率よく発現させるためには、原料とな
る本発明の被膜は、BC離解物、磁性無機粉体、アクリ
ルアミド(凝集剤)、カチオン化澱粉(糊料)を、例え
ば、100:15:1:3程度の比率で混合して用いれ
ばよい。また別な例として、食品分野で光沢増強剤とし
て用いる場合には、キシログルカン、食塩、シュクロー
スなどを、例えば、10:5:50の比率で、組み合わ
せで用いる場合がある。特に、食品に用いる場合に無
味、無臭、無色、無害のものが求められる場合には、第
3成分としては、可食性可溶性の高分子が望ましい。更
に、被膜の表面を疎水性にする為には第3成分としてポ
リスチレンラテックス等を添加したり、又、第3成分と
して、各種薬剤成分を加えることも可能である。これら
第3成分の添加量は、当業者であれば物質の種類等に応
じて適宜選択することができ、通常BC又はMFCの重
量に対して2〜1,000重量%である。又、これらの
第3成分は、セルロースの懸濁中に予め混合させる他に
も、別途、他の方法によって基体上に適用することもで
きる。更に、第3成分が含まれるバクテリアセルロース
懸濁液の例として、セルロース生産菌の培養液そのもの
を使用することもできる。
【0024】尚、本発明で使用するMFCは、従来公知
の方法、例えば、パルプ繊維等のセルロース繊維のボー
ルミル等による打砕・粉砕、水中での加圧粉砕、液体窒
素中での粉砕及び音波による粉砕、又は特開昭56−1
00801に記載された方法等によって製造することが
できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を詳細
に説明するが、これは本発明を限定するものではない。
【0026】
【実施例】
実施例1 バクテリアセルロースの製造及び離解処理 (1) シード菌液の調製(菌体の増殖) セルロース生産菌をフラスコ培養法によって菌体を増殖
させた。フラクトース40g/L、リン酸−カリウム
1.0g/L、硫酸マグネシウム0.3g/L、硫酸ア
ンモニウム3g/L、バクト−ペプトン5g/L、乳酸
1.4ml/L、初発pH5.0の組成の基本培地100
mlを張り込んだ750ml容Rouxフラスコに、BPR
2001株(FERM BP−4545)の凍結保存菌
液1mlを植菌し、定温培養器内で28℃で3日間静置培
養を行なった。このシード培養後、前記Rouxフラス
コをよく振盪した後、無菌条件下で内容物をガーゼ濾過
し、シード菌液を得た。
【0027】(2) 攪拌培養によるバクテリアセルロ
ースの製造 上記シード菌液60mlを滅菌済みの後述する攪拌培養用
の培地540mlを張り込んだ小型ジャーファーメンター
(全容量1000ml)に無菌的に植菌し、30℃で20
時間又は30時間、pHを1N NaOH又は1N H
2 SO4 で5.0にコントロールしながら、また、攪拌
回転数を初発400rpm で、溶存酸素量(DO)が3.
0〜21.0%内に入るように回転数を自動制御しなが
らジャーファーメンターで攪拌培養を行なった。攪拌培
養には、以下の組成の培地を用いた。 フラクトース 40g/L、 KH2 PO4 1.0g/L、 MgSO4 0.3g/L、 (NH4)2 SO4 3g/L、 Bacto-Soytone (Difco社製) 5g/L 及び 豆濃(大豆蛋白質の酸加水分解濃縮液) 5g/L 初発pH 5.0 培養終了後、ジャーファーメンター内の固形物を集積
し、水洗して培地成分を除去した後、1%NaOH水溶
液中で110℃、20分間処理して菌体を除去した。さ
らに、洗浄液が中性付近になるまで生成セルロースを水
洗してバクテリアセルロースを得た。
【0028】(3) カルボキシメチルセルロースを添
加した攪拌培養 (2)に記載した攪拌培養において、培地成分として、
さらに、カルボキシメチルセルロースを5g/l添加し
て培養を行った。得られた培養物は、(2)で得られた
培養物よりも粘性の高いものであった。 (4) 静置培養によるバクテリアセルロース(比較
例)の製造 (2)に記載した組成の培地600mlを30mlずつ無菌
シャーレに分取し、30℃の条件下に静置し、7日間静
置培養した。培養終了後、シャーレ表面に形成されたバ
クテリアセルロースを水洗し、培地成分を除去した。
【0029】(5) バクテリアセルロースの離解処理 (2)の攪拌培養法により得られた洗浄バクテリアセル
ロースに水を加え、約0.2重量%の離解処理濃度(バ
クテリアセルロース乾燥重量/容量)の懸濁液を調製し
た。同様にして、(4)の静置培養により得られたバク
テリアセルロースに水を加え、約0.2重量%の離解処
理濃度(バクテリアセルロース乾燥重量/容量)の懸濁
液を調製した。次いで、これらの懸濁液を攪拌機(オー
スター社製ブレンダー)により25℃で3分間離解し
た。攪拌機の回転数は最高レベルに設定した。この離解
処理により、攪拌培養からBC離解物(A)、静置培養
からBC離解物(B)を得た。(2)および(3)の攪
拌培養終了後のバクテリアセルロースを含有するジャー
ファーメンター内の培養液に水を加え、バクテリアセル
ロースの含有量を0.2%に調製した。次いでこれを攪
拌機(オースター社製ブレンダー)を用いて25℃で3
分間離解した。攪拌機の回転数は、最高レベルに設定し
た。この離解処理により、それぞれの培養液の希釈液か
ら、BC離解物(C)および(D)を調製した。なお、
上記におけるBCの濃度は、培養液から遠心分離で湿潤
状態の固形分を取りだした後に、この固形分の20倍量
の0.2規定の水酸化ナトリウム溶液中で100℃で1
時間浸漬することで、バクテリアセルロース以外の菌体
や培地成分を取り除いた後に、十分水洗乾燥して測定し
た乾燥重量から計算した。
【0030】実施例2 上質紙(ゼロックス製コピーペーパー)の表面に、実施
例1で作成した離解物(A)、(B)、(C)または
(D)(但し、それぞれのBCの濃度を0.4%とし
た)をハンドスプレーを用いて噴霧した。そして、これ
らの紙を緊張下で80℃で3時間乾燥した。4種類のい
ずれの場合も、上質紙の表面にBCの被膜を形成させる
ことがわかった。形成された被膜の厚さは、平均約5μ
m であることが、坪量の変化から推察された。なお、平
均厚さの算出のために用いた被膜の比重は、便宜的に
1.2とした。以下の実施例でも特に指定しないかぎ
り、厚さの算出には、この値を用いた。
【0031】実施例3 市販の新聞紙の表面に2流体ノズル型の噴霧装置を用い
て、実施例1で調製した離解物(A)を噴霧した。離解
物(A)中に含まれるBCの濃度は、0.2%であっ
た。噴霧後の新聞紙を50℃で乾燥することで、平滑で
透明な被膜が新聞紙表面に形成された。形成された被膜
は新聞紙からはがれなかった。被膜の厚さは、平均して
15μm であった。 実施例4 離解物(A)にカチオン化澱粉0.05%濃度で添加し
て得た混合液を100℃で30分間攪拌しながら加えた
澱粉を糊化した。この混合液をハンドスプレーを用い
て、新聞紙の表面に噴霧してから乾燥し、表面に透明の
薄い被膜を形成させた。被膜の厚さは平均して20μm
であった。
【0032】実施例5 実施例1で調製した離解物(A)、(B)、(C)及び
(D)を薄手のナイロンタフタの表面に噴霧することで
塗布した。これに120℃の気流中で乾燥することで、
ナイロンタフタの表面に4種類の被膜を形成したものを
得た。塗布前のナイロンタフタの重量と塗布乾燥後の重
量の差と、塗布された部分の面積から被膜の厚さを計算
した結果、表1に示すような厚さが計算された。被膜の
比重はすべて便宜的に1.2とした。
【0033】
【表1】
【0034】いずれの場合も表面の形状は、平滑であっ
た。被膜を形成させた基体であるナイロンタフタ自体に
は、親水性はなく、水をはじく性質が認められのに対し
て、被膜を形成させた場合には、いずれも親水性が付与
されているのが認められた。
【0035】実施例6 実施例5で調製した4種類の被膜を形成させたナイロン
タフタを直径45mmの円型状に切りとった。これを、直
径45mmの吸引濾過装置に備え付けてから、150mlの
n−プロパノールの真空濾過試験を行い、被膜を形成さ
せた場合と、被膜を形成させない場合との濾過試験を行
った。被膜を形成させない場合には、ナイロンタフタの
織り目の隙間を通して、ジエチルエーテルが容易に通過
してしまった。これに対して、4種類の被膜を形成させ
たいずれの場合も、ナイロンタフタの表面に薄い被膜が
形成されているために、ジエチルエーテルの濾過面から
の漏れはほとんど認められなかった。また、いずれの場
合も濾過面の濡れは観察された。
【0036】実施例7 離解物(A)、(B)を、150℃に熱した厚さ3mm、
表面積625cm2 の鉄板の片面上に、2流体ノズル型の
噴霧装置を用いて噴霧した。但し、離解物(A)、およ
び(B)に含まれるバクテリアセルロースの濃度は、
0.1%であった。噴霧を1分毎に5秒ずつ行うこと
で、鉄板の温度の低下を防止した。最終的に得られた被
膜の厚さを、ノギスで測定した結果、90〜120μm
であることがわかった。得られた被膜付きの鉄板を10
規定の塩酸をいれた大型ガラスデシケータ中に室温で1
2時間放置することで、塩化水素ガスで暴露試験をし
た。暴露試験終了後に、被膜の形成されていた側の被膜
を剥離してから鉄板表面の観察を行った。その結果、鉄
板表面の腐食はほとんどおこっていなかった。これに対
して、被膜の形成されていない側の鉄板の表面は、塩化
水素ガスで腐食がすすんでいた。バクテリアセルロース
の被膜により、塩酸の浸透が阻害されることで、塩化水
素ガスの鉄板に対する腐食作用が低減されたものと考え
られる。
【0037】実施例8 厚さ150μm のアルミニウム板(長さ5cm、幅5mm)
を水中で120℃20分間オートクレーブ処理して、表
面にアルミナ層を形成させた。このアルミナ層を形成さ
せたアルミニウム板を80℃に熱しながら、実施例1で
調製した離解物(B)をハンドスプレーを用いて、1分
間に2秒の間隔で断続的に噴霧することで、アルミニウ
ム板上に被膜を形成させた。被膜の形成は、アルミニウ
ム板の両面ともに行った。このアルミニウム板の内部損
失を振動リード法を用いて測定した。結果を表2に示
す。
【0038】
【表2】 表2 ───────────────────── 試料 内部損失(−) ───────────────────── アルミニウム板 0.0019 アルミナを形成させた 0.0020 アルミニウム板 被膜を形成させた 0.009 アルミニウム板 ─────────────────────
【0039】表面に被膜を形成させることで、アルミニ
ウム板の内部損失の値が大きくなることがわかった。内
部損失が大きくなるということは、材料の中を伝わる音
波エネルギーの減衰が大きくなることを意味する。した
がって、このような被膜を内部損失の小さな金属板表面
に形成させることで、制振鋼板などに応用できる。
【0040】実施例9 ポリエチレン製のシートの上に離解物(A)または離解
物(D)を噴霧した。噴霧にはハンドスプレーを用い
た。但し、離解物に含まれるBCの濃度は、1.0%と
した。それぞれの噴霧塗布したポリエチレンのシートを
風乾することで、ポリエチレンシート上に被膜が形成さ
れることがわかった。
【0041】実施例10 実施例1で調製した離解物(A)をエタノールへの懸濁
と遠心分離と繰り返して、水分を完全にエタノールに置
換した。次に、これをアセトンに懸濁と遠心分離を繰り
返し、アセトン置換物を得た。さらに、これを酢酸エチ
ルに懸濁し遠心分離を繰り返しバクテリアセルロース5
%と酢酸エチル95%を含む離解物懸濁液を得た(以下
これを離解物EAと称す)。この離解物EA10部にブ
ロックイソイソシアネート(タケネートB−830、武
田薬品製)酢酸ブチル溶液の1部を混合したものを、ナ
イロンタフタに噴霧しながら被膜を形成させた。これを
170℃雰囲気下に3分間放置してイソシアネートの保
護基をはずし、イソシアネートとセルロースの水酸基の
反応による架橋を行わせた。コントロールとして、ブロ
ックイソシアネートを加えない場合の離解物EAを用い
てナイロンタフタ上に噴霧を行い被膜を形成させた。コ
ントロールの場合には、水に1時間浸漬することにより
被膜の剥離が観察されたが、架橋処理を行った場合に
は、被膜の剥離が起こらなかった。また、ナイロンタフ
タの冷たくべたつき感のある肌触りから、あたたかくさ
らさらした肌触りに改善された。さらに、架橋処理をお
こなった場合のナイロンを洗濯試験(JIS L021
7の絵表示の方法 103をおこなったところ、洗濯に
よってバクテリアセルロースの被膜の脱落はなくタフタ
の風合いに変化が認められなかった。
【0042】実施例11 ポリ酢酸ビニルラテックス懸濁液(市販木工用接着剤)
と離解物(A)を遠心分離を用いて濃縮したBC濃度3
%のものを等量ずつ混合した。さらに、この混合液を水
で2倍に希釈した。これを、ハンドスプレーを用いて、
クラフト紙表面にスプレーしてから、緊張下で50℃で
4時間乾燥した。被膜の厚さをノギスを用いて測定した
ところ、100μm であった。
【0043】実施例12 実施例1で調製した離解物(A)または(B)(但し、
それぞれ、BCの濃度0.2%)にポリスチレンラテッ
クス懸濁液(平均粒径0.3μm 、シグマ製)を混合し
た。混合液中のラテックス濃度は、約0.1%であっ
た。これを、2流体ノズル型の噴霧装置を用いて杉板の
表面に噴霧した。噴霧後に70℃雰囲気下で乾燥し被膜
を形成させた。被膜付きの板を卓上熱プレス機(テスタ
ー産業株製)を用いて180℃、10分間、ゲージ圧1
0気圧で熱プレスした。熱プレスにより、被膜の中に含
まれるポリスチレンラテックスがセルロース繊維と融合
した。被膜の厚さは、約0.2mmであった。冷却後に水
滴を被膜表面に塗布したが、被膜の表面が疎水性になっ
ているおり、水滴が玉状になることが観察された。一
方、被膜をつけていない場合には、板の表面が親水性で
あった。
【0044】実施例13 実施例1で調製した離解物(B)を90℃に熱した縦1
0cm、横10cm、厚さ5mmのステンレス板上に断続的に
噴霧しながら被膜を形成させた。噴霧の間隔は、2分毎
に10秒とした。噴霧回数を調製することで、できる被
膜の厚さを調製した。被膜の厚さはノギスで測定した。
最終的に、厚さ5mmの被膜を形成させた。被膜は、バク
テリアセルロースのフィブリルが密に結着した板状のも
のであった。バクテリアセルロースのフィブリルの面内
での異方性は認められなかった。この被膜をステンレス
板から剥離後に、短冊状の試験片を調製し、インストロ
ン型の引張試験機を用いて、引張試験を行った。試験片
の長さは5cm、幅1cm、引張速度は毎分1cmとした。そ
の結果、破断強度120MPa 、引張弾性率15GPaの板
状の被膜が得られていることがわかった。
【0045】実施例14 実施例10で行ったのと同様に遠心分離を用いて、実施
例1で調製した離解物(A)の水をイソプロパノール、
酢酸エチル、水が3:2:1の比率で混合した溶媒に置
換した。最終的に得られた混合溶媒中に含まれるBCの
含量は、重量%で0.7%であった。このBC懸濁液を
2流体ノズル型の噴霧装置を用いて、80℃に加熱した
スライドガラス上に噴霧した。また、比較例として、離
解物(A)を遠心分離して得られた0.7%のBC濃度
の離解物懸濁液を同様にスライドガラス板上に噴霧し
た。それぞれ得られた被膜の厚さは、10μm 以下であ
った。工学顕微鏡で形成された被膜の観察を行ったとこ
ろ、前者の方法で得られたBCの被膜が多孔質であるの
に対して、後者のものは均一で密な構造であった。
【0046】実施例15 ポリビニルピロリドン2gを実施例1で調製した離解物
(A)に溶解させた。この混合液を、実施例5と同様に
ナイロンタフタ上にスプレーして被膜を形成させた。被
膜の形成の結果、ナイロンタフタの通気性が失われてい
ることがわかった。さらに、この被膜付きのナイロンタ
フタをメタノール中に静かに浸漬して、2日間静置し
た。さらに、この後メタノールを交換し、再び5日間静
置した。ナイロンタフタをメタノールから静かに取りだ
した後に風乾してから、通気性を調べたところ、被膜が
形成されているにもかかわらず、通気性があることがわ
かった。比較例として、ポリビニルピロリドンを添加せ
ずに被膜を形成させた場合には、同様の処理をしても通
気性の被膜がえられなかった。ポリビニルピロリドンを
添加した場合に通気性が得られたのは、被膜に含まれて
いたポリビニルピロリドンがメタノールで溶解除去さ
れ、被膜が多孔質のものになったためと考えられる。
【0047】実施例16 実施例1で調製した攪拌培養法で得られた洗浄バクテリ
アセルロースに水を加え、0.5%濃度の懸濁液を調製
した。この懸濁液に塩酸を2規定になるように加えた後
に、100℃で3時間処理し、不均一酸加水分解を行っ
た。この加水分解後の懸濁液に含まれるバクテリアセル
ロースを遠心分離を用いて濃縮、再び水に懸濁して遠心
を繰り返しバクテリアセルロースの酸加水分解物を得
た。この参加水分解物を平均粒径6.7μm のスチレン
ジビニルベンゼンラテックス(シグマ社製)の懸濁液と
混合した。混合液に含まれるバクテリアセルロースとス
チレンジビニルベンゼンの濃度は、1%及び5%であっ
た。この混合液をハンドスプレーを用いて木綿布の表面
に噴霧、乾燥させ、木綿布表面に被膜を形成させた。次
に、被膜を形成させた木綿布を窒素気流中で150℃で
3分間処理して即座に、150℃の熱プレス機(テスタ
ー産業製)で30秒間、ゲージ圧5kgで圧力をかけ
た。その直後に、圧力をかけながら水で急冷した。室温
まで冷却後に木綿布を取り出して水に浸漬した結果、布
に疎水性が付与されていることがわかった。
【0048】実施例17 市販の新聞紙の表面に実施例1で調製した離解物(A)
を噴霧した。噴霧後に緊張下で新聞紙を乾燥し、新聞紙
の表面に被膜を形成させた。形成された被膜の厚さは、
坪量に換算して約1.5g/m2であった。被膜形成後に
120℃の乾熱器の中に10日間処理した。次に、被膜
形成させた新聞紙の耐折強度、引き裂き強さを測定し
た。試験は、相対湿度65%、温度25℃で行った。比
較例として、新聞紙に水のみを噴霧して乾燥させたもの
を用いた。結果を表3に示す。
【0049】
【表3】 表3 ─────────────────────────────────── 試料 耐折強度(100gf ) 引き裂き強さ(mN) ─────────────────────────────────── 被膜を形成させた新聞紙 6200 190 新聞紙 910 151 ───────────────────────────────────
【0050】被膜を形成させることにより、新聞紙の耐
折強度、引き裂き強さが改善されることがわかった。
【0051】実施例18 2-Methoxy-4H-1,3,2-benzodioxaphosphorin-2-sulfide
(商品名サリチオン)を有効成分25%含有する乳剤
を、BCを0.2%含有する実施例1で調製した離解物
(A)で80倍に希釈した(以下、薬液(A)とす
る)。この希釈液を神奈川県川崎市内でユリ、バラに噴
霧した。噴霧にはハンドスプレーを用いて3回噴霧し
た。比較例として希釈を水のみで行った液を用いた(以
下、薬液(B))。天気は晴であった。薬液を噴霧後に
ユリに対する薬液の展着状況を目視で調べた。結果を表
4に示す。
【0052】
【表4】 表4 ユリに対する薬液の展着状況 ────────────────────────── 薬液種類 茎、葉に対する展着度合い 薬液だれ ────────────────────────── 薬液(A) ◎ − 薬液(B) ○ + ────────────────────────── 展着度合い: ◎均一に展着、○展着するも不均一 薬液だれ : +液だれあり、−液だれまったくなし
【0053】バクテリアセルロースを薬液中に配合して
噴霧することで、ユリの茎、葉に被膜が形成された結
果、薬液の展着度合いの改善、液だれの防止に役だっ
た。
【0054】実施例19 実施例18と同様にバラに薬液を噴霧した。噴霧後約5
時間乾燥させた後に夕方から1時間当たり最高4mm程度
の雨量を観測した。雨中にバラを3時間暴露した後に、
薬液の展着度合いを目視で調べた。薬液(A)の場合に
は、降雨後にも被膜が維持され薬液が展着していたのに
対して、薬液(B)の場合には、薬液が展着していなか
った。 実施例20 山茶花についたチャドクガの幼虫に対してアレスリン、
テトラクロルイソフタルニトリル配合の殺虫・殺菌剤の
スプレー(カダンD、フマキラー製)を噴霧すると同時
に、実施例1で調製したBC濃度0.2%の離解物
(B)をハンドスプレーを用いて約5秒間噴霧した。両
方の噴霧液の噴霧量はほぼ同量とした。また、比較例と
して、殺虫・殺菌剤のスプレーと水を同時に噴霧した。
散布後のチャドクガの様子を肉眼で観察した。その結
果、離解物(B)を用いた場合には散布後チャドクガの
体表面にバクテリアセルロース被膜が形成された結果、
殺虫・殺菌剤がチャドクガによく付着したため、チャド
クガの動作が即座に停止してから死に至った。これに対
して、比較例の場合には、動作が停止せず、チャドクガ
の幼虫は葉の裏側に逃走し死に至ったがどうかは確認で
きなかった。
【0055】実施例21 実施例1で調製した離解物(D)を離解物(A)の代わ
りに用いて、実施例19と同様の試験を行った。その結
果、実施例19と同様の効果が得られた。 実施例22 実施例1で調製したBC濃度0.2%の離解物(A)
を、2流体ノズル型のスプレーを用いて、断続的に杉板
(幅7cm、長さ35cm、厚さ5mm)に70℃雰囲気下で
噴霧しながら乾燥させ、杉板の全ての表面にまんべんな
く被膜を形成させた。被膜形成後に被膜の厚さをノギス
で測定した結果0.2〜0.5mmであった。被膜付きの
板の弾性率を引張試験で測定した。結果を表5に示す。
【0056】
【表5】 表5 ─────────────────────────────── 測定方向 繊維 放射 接線 ─────────────────────────────── 被膜を形成させた杉板 8.1 2.0 1.9 被膜を形成させなかった杉板 6.9 0.5 0.2 ─────────────────────────────── 数字の単位は、全てGPa。測定値は、3点の平均値。
【0057】バクテリアセルロースの被膜を形成させた
結果、被膜を形成させない場合と比べて板が著しく補強
されることがわかった。
【0058】実施例23 実施例1で調製した離解物(A)を遠心分離を用いてB
Cの濃度を2.4%まで濃縮した。この濃縮物と市販の
ポスターカラーを1:1の割合で混合した。この混合液
を、ハンドスプレーを用いて、直角に立てたベニヤ板面
に噴霧した。その結果、噴霧液はベニヤ板表面によく展
着し、かつ、液だれがなかった。乾燥後に形成された塗
料を含む被膜は、ムラがなく均一なものであった。これ
に対して、ポスターカラーと水を1:1に混合して噴霧
した場合には、展着性がわるく、かつ、液だれがあり、
乾燥後の塗装面にムラが認められた。 実施例24 実施例1で調製した離解物(B)をハンドスプレーを用
いて手の甲の部分に噴霧した。数10分間静置した後に
乾燥した被膜が皮膚上に形成された。そして、この被膜
を剥離することで、手の甲の毛穴の汚れが除去された。
また、手の甲に薄く噴霧することにより、皮膚に密着し
た被膜が形成され、手触りがよくなり、皺が伸びること
がわかった。
【0059】実施例25 実施例1で調製した離解物(A)をエタノールへの懸濁
と遠心分離と繰り返して、水分を完全にエタノールに置
換した。次に、これをアセトンに懸濁と遠心分離を繰り
返し、アセトン置換物を得た。さらに、これを酢酸エチ
ルに懸濁し遠心分離を繰り返しバクテリアセルロース5
%と酢酸エチル95%を含む離解物懸濁液を得た(以下
これを離解物EAと称す)。実施例1で調製した離解物
(B)をナイロンタフタ上に噴霧してから乾燥し、被膜
を形成させた。この被膜に、ブロックイソイソシアネー
ト(タケネートB−830、武田薬品製)酢酸ブチル溶
液の1部と酢酸エチル10部を混合したものを、ナイロ
ンタフタに噴霧した。これを30分間密閉容器内に放置
後に乾燥させた。そして、170℃雰囲気下に3分間放
置してイソシアネートの保護基をはずし、イソシアネー
トとセルロースの水酸基の反応による架橋を行わせた。
コントロールとして、架橋を行わせない場合の実験も行
った。コントロールの場合には、水に浸漬して液を攪拌
することで、被膜の剥離が観察されたが、架橋処理を行
った場合には、被膜の剥離が起こらなかった。さらに、
架橋処理をおこなった場合のナイロンを、実施例10と
同様に洗濯試験(JISL0217の絵表示の方法 1
03)をおこなったところ、洗濯によってバクテリアセ
ルロースの被膜の脱落はなくタフタの風合いに変化が認
められなかった。
【0060】実施例26 実施例1で調製した離解物(A)を用いて皮膚保湿剤の
試験を行った。試験方法としては、5名のパネラーが洗
顔後同一の化粧水、下地クリーム、ファンデーション、
おしろいの順でメイクをした。メイク後、顔左半分に
0.2%BC水懸濁液をハンドスプレーで2回スプレー
し、右半分に水のみをハンドスプレーで2回スプレーし
た。5 分後表6に示す各項目について実使用評価を行っ
た。なお、離解物の場合は各パネラーの評価を記した
が、比較例である水のスプレーの評価に関してはパネラ
ー全員が各項目同評価であったので、結果を一括して記
した。
【0061】
【表6】 評価記号 ◎:きわめて良好、○:良好、△:普通、×:不良、−:評価せず
【0062】実施例27 実施例1で調製した離解物(A)を、実施例28と同様
のパネラーが、洗顔後メイク前に、顔左半分に0.2%
BC水懸濁液をハンドスプレーで2回スプレーし、右半
分に水のみをハンドスプレーで2回スプレーした。次
に、同一の化粧水、下地クリーム、ファンデーション、
おしろいの順でメイクをした。5 分後表7に示す各項目
について実使用評価を行った。離解物の場合は各パネラ
ーの評価を記したが、比較例である水のスプレーの評価
に関してはパネラー全員が各項目同評価であったので、
結果を一括して記した。
【0063】
【表7】 評価記号 ◎:きわめて良好、○:良好、△:普通、×:不良、−:評価せず
【0064】このように、離解物を皮膚にスプレーして
被膜を形成させることにより、皮膚からの水分蒸発や乾
燥による皺の発生の防止、肌のしっとり感やしなやかさ
を保持、すでに出来た皺を浅くすることなどが可能にな
った。さらに、通常のメイクの前、または後にBC水懸
濁液をスプレー等で塗布することにより、メイクをそこ
なう事なく、皮膚の乾燥を防ぐ事ができる。
【0065】実施例28 斜度40%の家屋屋根の上に、土壌面積50cm×50cm
を有する栽培ベッドを設置し、屋根の傾斜と平行になる
ように鹿沼土で満たした。回転式ミキサーで離解処理を
施したバクテリアセルロース3g(乾燥重量)、アルフ
ァルファ種子500粒を水1L中に懸濁し、本発明の組
成物を調製した。この組成物を前記土壌表面に噴霧し、
被膜層を形成させた。2週間後に発芽率を視察し、1カ
月後に成長度を測定した。単純にアルファルファ種子5
00粒を水1L中に懸濁したものをブランクとして同様
に発芽率、成長率を測定した。ただし、これら二つの栽
培ベッドは、互いに接触するように並べて設置し、日照
時間、雨量等に条件の差はない。結果を表8に示す。
【0066】
【表8】 表8 ───────────────────────────── 発芽率 成長度(平均草丈) ───────────────────────────── 本発明の組成物を 84% 8.3cm 用いた栽培系 ───────────────────────────── 対照 43% 5.5cm ─────────────────────────────
【0067】表8の結果より、本発明の組成物は、傾斜
した土地にあっても種子を安定して保持し発芽させた。
また、発芽後の支持性にも優れ、良好な成長も得られ
た。
【0068】実施例29 実施例1で調製した離解物(A)を水で0.05%に希
釈したものを85℃に熱したスライドガラス上にスプレ
ーし乾燥した試料及び常温のスライドガラス上にピペッ
トで滴下した後に85℃で乾燥した試料をそれぞれ、暗
視野光学顕微鏡で観察した。スプレーしたバクテリアセ
ルロースはスライドガラス上で均一に分散して乾燥し、
被膜を形成しているのに対して、滴下したバクテリアセ
ルロースは不均一に乾燥し凝集体を形成し、被膜を形成
していなかった。(図1,2) 実施例30 実施例29で調製したバクテリアセルロース試料の表面
を走査型電子顕微鏡で観察した。スプレーして形成させ
たバクテリアセルロース被膜の表面は非常に均一である
のに対して、滴下して形成させたバクテリアセルロース
凝集体の表面は不均一で、多数の塊や凹凸が観察され
た。(図3,4)
【0069】実施例31 実施例1で調製した離解物(A)(バクテリアセルロー
ス0.2%水懸濁液)を切り花(インパチェンス)にハ
ンドスプレーで全体に3回スプレーしたものと、切り取
ったままの切り花に水をスプレーしたものを同条件で室
内に放置した。その結果切り取り後3時間後には、水の
みをスプレー処理した切り花は花びら、葉ともしおれ始
めた。これに対して、離解物をスプレー処理した切り花
は、花びらと葉の表面に被膜が形成されたために、各部
分とも切り取った直後のままでしおれなかった。なお、
形成された被膜は透明であった。5時間後には、水のみ
をスプレー処理した切り花の各部分は完全にしおれた
が、離解物をスプレー処理したものは、ひきつづき切り
取った直後の形態を保ちしおれていなかった。離解物を
スプレー処理した切り花の花びらの一部がしおれ始めた
のは切り取り8時間後であった。
【0070】実施例32 高重合度セルロース生産菌の
静置培養とセルロース(BC)の調製 BPR3001Aをグリセロールストックより培地10
0mlを仕込んだ750ml容のルーフラスコに1%濃度で
植菌し28℃で3日間静置培養した。培養後ルーフラス
コをよく振り菌体をセルロース膜よりはがした後、菌液
3mlをCSL−Fru培地27mlを入れたシャーレ(直
径90mm)に植菌し、28℃、10日間培養した。培養
終了後、各菌のセルロース膜を流水で洗浄後、それぞれ
約500mlの水中で80℃、20分間加熱した。加熱後
各セルロース膜をさらに流水で洗浄しその後、約500
mlの0.1NのNaOH中で80℃、20分間加熱する
ことにより溶菌させた。溶菌後、各セルロース膜を約5
00mlの蒸留水中で80℃、20分間加熱することによ
り洗浄した。同様の洗浄を蒸留水を交換しつつ3〜5回
行うことにより精製BCを得た。
【0071】実施例33 高重合度セルロース生産菌の
通気攪拌培養とセルロース(BC)の調製 BPR3001AをグリセロールストックよりCSL−
Fru培地100mlを仕込んだ750ml容ルーフラスコ
に1%植菌し28℃で3日間静置培養した。培養後ルー
フラスコをよく振って菌体をセルロース膜よりはがした
後、菌液12.5mlを112.5mlの培地を含む500
mlフラスコに植菌し、28℃、180rpm 、3日間培養
した。培養物をブレンダーにより無菌的に離解し、その
60mlを540mlのCSL−Fru培地を仕込んだ11
ジャーに植菌し、pHをNH3 ガスおよび1規定H2
4 で4.9〜5.1に制御しながら、溶存酸素量(D
O)が3.0%以上になるように回転数を自動制御しな
がら、メイン培養を行った。終了後、得られた培養液を
酢酸緩衝液で約5倍に希釈した後、遠心分離し沈殿物を
回収した。沈殿を蒸留水で最初の培養液量の約8倍に希
釈後、80℃、20分間加熱し、加熱後遠心分離により
沈殿物を回収した。沈殿物を同じく8倍量の0.1N
NaOHに懸濁し80℃、20分間加熱することにより
溶菌し、溶菌後遠心分離により沈殿物を回収した。この
後、さらに8倍量の蒸留水に沈殿を懸濁し80℃、20
分間加熱し、加熱後遠心分離し沈殿物を回収することに
よりセルロースの洗浄を行った。同様の洗浄を3回行う
ことにより精製BCを得た。
【0072】尚、以上の実施例で用いたCSL−Fru
の組成は以下に示すとおりである。
【0073】
【表9】
【0074】
【表10】
【0075】
【表11】塩類混合液 FeSO4 ・7H2 O 360mg/L CaCl2 ・2H2 O 1470mg/L Na2 MoO2 ・2H2 O 242mg/L ZnSO4 ・7H2 O 173mg/L MnSO4 ・5H2 O 139mg/L CuSO4 ・5H2 O 5mg/L
【0076】実施例34 実施例32及び33で得られた精製BCを実施例1記載
の離解物(A)の場合と同様に離解することによって離
解物を得た。これを夫々、離解物(E)及び(F)と称
す。この離解物(E)及び(F)を用いて、実施例23
に述べたのと同様の試験を行った結果、離解物(A)と
同様の結果を得た。 実施例35 離解物(A)、離解物(B)、離解物(E)及び離解物
(F)を80℃で12時間減圧乾燥することにより分子
量分析用の試料を調製した。これらの試料についてすで
に記載した方法に従って、ニトロ化後に、重量平均分子
量を測定し、重量平均重合度を計算した。その結果、重
量平均重合度は、ポリスチレン換算で夫々、10,60
0、14,900、22,500および17,400で
あった。
【0077】実施例36 実施例1で得られた0.1%濃度の攪拌培養からのBC
離解物にカルボキシメチルセルロース(以下CMC、ナ
カライ化学製)、キサンタンガム(大日本製薬製)を溶
解し混合溶液を調製した。それぞれの濃度は、0.05
%、0.1%とした。この混合液をハンドスプレーを用
いて濾紙(アドバンテック東洋 No.2)および、フッ素
樹脂繊維の平織りメッシュ(300メッシュ)の表面に
噴霧することによりコーティングしてから80℃で乾燥
させて表面に被膜を形成させた。この被膜を、105
℃、10分間、または、132℃、60分間の条件で乾
燥してから熱処理した。熱処理の後に、被膜を基材(濾
紙とメッシュ)につけたまま、水に浸漬した。浸漬処理
は、300ml容のバッフル付きの三角フラスコで200
rpm で攪拌しながら1日間おこなった。浸漬処理被膜の
剥離状態を肉眼で観察した。添加物の濃度を0.05%
の場合の結果を表12に、添加物の濃度を0.1%の場
合の結果を表13に示す。
【0078】
【表12】 ───────────────────────────────── 加熱乾燥条件 基材料 添加物 浸漬処理後の剥離性 ───────────────────────────────── 105℃ 濾紙 CMC 剥離片が認められる キサンタンガム 〃 メッシュ CMC 〃 キサンタンガム 〃 132℃ 濾紙 CMC ほとんど剥離せず キサンタンガム 〃 メッシュ CMC 〃 キサンタンガム 〃 ─────────────────────────────────
【0079】
【表13】 ────────────────────────────────── 加熱乾燥条件 基材料 添加物 浸漬処理後の剥離性 ────────────────────────────────── 105℃ 濾紙 CMC 被膜がほとんど剥離する とともに被膜も濾紙も破 壊され繊維屑が浮遊 キサンタンガム 同上 メッシュ CMC 被膜がほとんど剥離し 被膜の薄片が認められる キサンタンガム 同上 132℃ 濾紙 CMC ほとんど剥離せず、 濾紙も全く破壊されず キサンタンガム 同上 メッシュ CMC 同上 キサンタンガム 同上 ──────────────────────────────────
【0080】CMC、キサンタンガム共に、105℃乾
燥物は、水中で振盪することによって被膜が部分的に剥
離することがわかった。特に、濾紙の場合は、濾紙自体
も破れ繊維状となった。一方、132℃処理物は、全く
変化なく、安定な被膜が形成された。
【0081】実施例37 実施例1で調製した0.1%濃度の攪拌培養からのBC
の離解物、実施例36と同様にして調製した0.1%の
CMC溶液、及び0.1%のキサンタンガム溶液、更に
水を、実施例36と同様の方法で濾紙に被膜を形成させ
た。被膜形成後に、実施例36と同様に105℃または
132℃で熱処理した。この濾紙を実施例36と同様の
方法で浸漬処理してから、被膜の剥離状況、濾紙の破壊
状況を肉眼で観察した。その結果、105℃乾燥物で
は、すべて被膜の剥離とともに、濾紙の破壊がおこっ
た。これに対して、132℃で処理した場合には、水、
および、0.1%BCを塗工したものについては、濾紙
が破壊したが、0.1%CMCやキサンタンガムを塗布
したものについては、被膜の剥離や濾紙の破壊が観察さ
れなかった。
【0082】実施例38 実施例1で得られた0.1%濃度の攪拌培養からのBC
の離解物にCMC、および、キサンタンガムを添加して
溶解し混合溶液を調製した。添加物の濃度は、BCに対
して順番に20%および50%とした。混合溶液を80
℃に保温したポリプロピレン板上にハンドスプレーを用
いて噴霧しながら乾燥させて被膜を形成させた。この被
膜の厚さは100μm程度であった。この被膜をカミソ
リを用いて剥離して集めてから、表14に示すような種
々の条件で熱処理を施して、水中にいれて2分間静置し
た後に、マグネチックスターラーを用いて1000rpm
で30分間攪拌して再懸濁液を調製した。なお、この懸
濁液のBCの濃度は、乾燥前の離解物の濃度と同様の
0.1%になるように調整した。得られた懸濁液の遠心
沈降度を以下の方法に従って測定した。遠心沈降度の測定方法 バクテリアセルロース(BC)濃度0.2%の懸濁液1
0mlをFalcon製の15mlのチューブにいれたものを30
00回転で15分間遠心分離した後に沈降部分の体積の
全体に対する比率で表した。沈降度の値が大きいほど沈
降しにくく、分散していることになる。また、沈降度復
元率として(乾燥後復水後の離解物の沈降度/乾燥前の
離解物の沈降度)の値を用いた。結果を表14に示す。
【0083】
【表14】 %の数字は、すべて遠心沈降度の値。 凝固したものについては、測定不可能。
【0084】実施例39 実施例2〜5に従って、MFCの0.4%濃度の懸濁液
を上質紙の表面に噴霧し被膜を形成させた。被膜の厚さ
は約10μmであった。 実施例40 実施例7、8と同様にして、種々の金属表面にMFCの
被膜を形成させた。被膜形成により、被膜を形成させな
い場合と比べて腐食の防止、制振などの効果が認められ
た。 実施例41 実施例9〜12、15と同様の方法で、MFCの被膜が
形成された。 実施例42 実施例18、19、20と同様の方法で、バクテリアセ
ルロースのかわりにMFCを用いることで効果的な被膜
が形成された。 実施例43 実施例28と同様の方法でMFCの被膜の効果が認めら
れた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 熱したスライドガラス上に離解物をスプレー
して乾燥したバクテリアセルロース被膜の組織の暗視野
光学顕微鏡写真。倍率約100倍。
【図2】 常温のスライドガラス上に離解物を滴下した
後乾燥したバクテリアセルロース凝集体の組織の暗視野
光学顕微鏡写真。倍率約100倍。
【図3】 熱したスライドガラス上に離解物をスプレー
して乾燥したバクテリアセルロース被膜表面の組織の走
査型電子顕微鏡写真。倍率約500倍。
【図4】 常温のスライドガラス上に離解物を滴下した
後乾燥したバクテリアセルロース凝集体表面の組織の走
査型電子顕微鏡写真。倍率約500倍。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 加壽子 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1号 株式会社バイオポリマー・リサーチ内 (72)発明者 扇谷 浩 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1号 株式会社バイオポリマー・リサーチ内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バクテリアセルロース又は微小繊維状セ
    ルロースを含有する懸濁液を基体上にスプレーすること
    を特徴とする、セルロース被膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 懸濁液の溶媒が水である請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 懸濁液の溶媒が有機物質である請求項1
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 基体が紙類、布類、シート類、フィルム
    類又は板類である請求項1ないし3のいずれか一項に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 バクテリアセルロースが離解処理を受け
    たものである請求項1ないし4のいずれか一項に記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 離解処理の方法が機械的剪断力、超音
    波、高圧処理、酸加水分解、酵素加水分解若しくは漂白
    剤を用いる方法又はそれらの組合せである請求項5記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 懸濁液にセルロース及び溶媒以外の第3
    成分を加えることを特徴とする請求項1ないし6のいず
    れか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 第3成分をセルロースの懸濁液とは別に
    基体上に適用する請求項1ないし6のいずれか一項に記
    載の方法。
  9. 【請求項9】 通気攪拌培養で得られた、ポリスチレン
    換算の重量平均重合度が1.6×104 以上であるバク
    テリアセルロースを用いる請求項1ないし8のいずれか
    一項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 静置培養で得られた、ポリスチレン換
    算の重量平均重合度が2.0×104 以上であるバクテ
    リアセルロースを用いる請求項1ないし8のいずれか一
    項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれか一項に
    記載の方法により得られたセルロース被膜に更に二次加
    工するセルロース被膜の形成方法。
  12. 【請求項12】 二次加工が約120℃以上で行なう熱
    処理である請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし12のいずれか一項に
    記載の方法により製造し得るセルロース被膜。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載のセルロース被膜を
    少なくとも一層有する被覆基体。
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