JPH109541A - 廃棄物の焼却炉と焼却方法 - Google Patents

廃棄物の焼却炉と焼却方法

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JPH109541A
JPH109541A JP18412496A JP18412496A JPH109541A JP H109541 A JPH109541 A JP H109541A JP 18412496 A JP18412496 A JP 18412496A JP 18412496 A JP18412496 A JP 18412496A JP H109541 A JPH109541 A JP H109541A
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JP
Japan
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combustion
stoker
waste
fluidized bed
air
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JP18412496A
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Katsuyoshi Okumura
勝良 奥村
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Kurimoto Ltd
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Kurimoto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の廃棄物焼却炉の主体を占めるストーカ
燃焼炉も流動床焼却炉も互に長短があって運転上のトラ
ブルが避け難い。 【解決手段】 竪型筒状体の流動床焼却炉1の外周部を
均等に分割した位置で、放射状に外延する複数のストー
カ燃焼装置2を接続して形成し、各ストーカ燃焼装置は
外端に供給ホッパ21を開口し、内端が流動床焼却炉1
の一次燃焼室11の外縁に開口することを構成上の特徴
とする。廃棄物はストーカ上で下方から噴出する熱気に
よって水分を蒸発させ乾態化し、一部は燃焼を始めて昇
温しつつほぼ均一性状で流動床焼却炉の一次燃焼室の外
縁へ均等に供給され、ここで流動床焼却炉の長所である
早い燃焼速度と高い燃焼効率が発揮されると共に、短所
であった未燃ガスや有毒ガスの発生を抑制して課題を解
決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般廃棄物を安定
かつ効率的に処理できる焼却炉および焼却方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】我が国の都市ゴミ(一般廃棄物)の排出
量は、1992年度には1日当り13.5万トンに達
し、そのうちの約74%は焼却によって処理されてお
り、大都市を中心として大容量の焼却設備で対応してい
る。焼却処理による廃熱利用も地域暖房あるいは火力発
電による売電などで効果的な稼働を行なうために、大型
のゴミ焼却プラントの建設が随所で進められており、ゴ
ミ焼却プラントの中核となる焼却炉は、安定した効率的
な焼却処理が一層重要視される今日である。
【0003】都市ゴミの焼却炉として広く慣用化された
型式は、歴史も古く大型化されて連続運転(6ヵ月〜1
年)による大量処理に適応できるストーカ燃焼炉が挙げ
られる。この典型的な基本構成を断面の概略図として図
4に示すが、ストーカ燃焼炉101の供給ホッパ102
へ、走行クレンのバケット103でピット内に貯溜して
いる廃棄物Sを掴んで投入する。投入された廃棄物S
は、定量供給装置104で第一ストーカ105(乾燥
帯)に送られ、第二ストーカ106(燃焼帯)を経て最
終の第三ストーカ107(おき燃焼帯)へと、各ストー
カの揺動作用によって傾斜面に沿って順次送り込まれ、
バーナ108と各ストーカの下部から噴出する燃焼用空
気によって焼却している。しかし、ストーカ燃焼炉の構
成上、燃焼速度が遅いために未燃ガスの大量発生が避け
られないことから、二次空気A2を給気して完全燃焼ガ
スとして、次工程である廃熱ボイラなどへ循環して有効
利用を図り、廃棄物の焼却処理を行なっている。
【0004】焼却炉において代表される別の従来技術と
しては、中型で准連続式の流動床焼却炉があり、その概
略の断面図を図5に示す。この型式の炉の特徴は、竪型
筒状の流動床焼却炉201の底部に設けた空気室202
から、一次空気A1を炉床203を通じて噴出させ供給
口204から投入された廃棄物Sは、あらかじめ昇温バ
ーナによって加熱されている流動媒体Cと該一次空気A
1を混合して流動層Fを形成し、流動層内で激しくバブ
リング現象を起こして急速に燃焼し、一次燃焼室205
において完全に燃焼され、未燃ガスは二次燃焼室206
において二次空気A2を給気し、燃焼用空気を充足する
ことで完全燃焼ガスとなり有毒ガスの発生が抑制され、
能率的な急速処理が可能であると評価されている。
【0005】ゴミ焼却プラントに適用される焼却炉の型
式は以上に述べたストーカ燃焼炉、流動床焼却炉の二つ
に大別されるが、それぞれの炉型式には構成上、固有の
課題が残され、また、その課題を解決するために多数の
改良技術も提案されているが、個々の課題の解決には有
効であるとしても、なお、全体の課題を克服するには不
十分であると言わざるを得ない。図4で代表されるスト
ーカ燃焼炉について言えば、特に安定した燃焼運転、未
燃ガス(有毒ガス)の無害化およびプラスチック類の高
カロリゴミが大量に投入された場合のトラブルに対する
解決方法が望まれている。このうち、特公平7−520
02号公報の従来技術では、ストーカ燃焼炉の燃焼帯の
上部に中間天井を設けて未燃ガスと燃焼ガスを混合し、
さらに煙道に導入してきた混合ガスに旋回流を与えて完
全燃焼するのに必要な滞留時間を生じさせて、有毒ガス
(たとえばNOx、ダイオキシン)の発生を抑制してい
る。さらにストーカ燃焼炉では未燃物が残る可能性が高
く、その完全燃焼を行なうのにキルン焼却炉を連設さ
せ、未燃物の解消と有毒ガスの発生を抑制するのに有効
であったとしている。
【0006】一方、流動床焼却炉について言えば、高温
の流動媒体が燃焼の立ち上がりと停止に要する時間を大
幅に短縮し、かつ、熱媒体に被燃焼物を混入させること
により、燃焼速度が早く燃焼効率も高いという利点が顕
著な反面、廃棄物の投入量に燃焼速度が比例するという
特質があるため、一度に大量の廃棄物が投入されると空
気供給量が追い付かず、不完全燃焼状態となって有毒ガ
スの発生を誘発する。この課題を解決するためには、流
動層に廃棄物を定量供給し安定燃焼を継続する必要があ
るが、特公平7−111245号公報の従来技術では、
流動床焼却炉上部に設けた廃棄物投入部を二分割、また
は四分割して順次廃棄物を炉床部に投下する一方、流動
床焼却炉下部の炉床部も同じように二分割、または四分
割した散気板(散気管)から一次空気の噴出に強弱の差
を与え、流動化に大小の差を発生させる。廃棄物を投入
する時、炉床部の空気の噴出を弱めて燃焼反応を遅速と
し廃棄物の熱分解、ガス化そして燃焼を緩やかに行なわ
せ、順次空気噴出量を強化して流動化を大とする。この
強弱を順次各投入部に応じて繰り返し作動させて流動層
を定量化、均一化して爆発的な燃焼を阻止し完全燃焼を
達成し、有毒ガスの発生を抑制するのに有効であったと
している。
【0007】
【発明が解決しょうとしている課題】特公平7−520
02公報の提唱している内容は、未燃ガスという課題の
解決には成果を挙げたとしても、ストーカ燃焼炉が抱え
る他の主要な課題である高カロリゴミの焼却処理に伴う
異常な現象の解決には無縁である。燃焼速度が緩慢であ
ることはストーカ燃焼炉の本質的な特徴であり、炉内へ
高カロリゴミ、たとえばゴミの一方の主体となったプラ
スチック類が投入されると、遅い燃焼速度のために溶融
化が避け難く、その結果、ストーカに目詰りが起こって
通気性悪化に伴う運転不能というトラブルに巻き込ま
れ、さらに燃焼帯のストーカを中心とする高温腐食の進
行が、ストーカを減肉して寿命を縮めることは避けられ
ない。高温腐食の進行を阻止する一策として、ストーカ
下部から噴出する燃焼用空気を低温にしてストーカの昇
温防止を図れば未燃物の増加に繋がり、通風量を増やし
てストーカの冷却を図れば酸素量の増加によって燃焼が
促進され、局部的に燃焼温度が上昇し逆効果となり、か
つ、ゴミ切れ現象が発生し鎮火するなど、本質的にスト
ーカ燃焼炉の構成から、これらの課題を解決しなければ
安定した焼却運転をすることはできない。
【0008】特公平7−111245公報の技術につい
ては、流動床焼却炉の特質を引出すための方法を提唱し
ているが、都市ゴミの性状は含水量の多少とか、プラス
チックなどの高カロリゴミの混入量のバラツキなど性状
が一定していないと言う要因を取り除き、さらには魂状
のゴミを裁断、あるいは分別するなどの極めて至難で高
コストの前処理をしなければ満足する成果は得られない
し、前処理した廃棄物を焼却炉の頂上より投下すること
は、燃焼速度の過大化と爆発的燃焼に伴う有毒ガス発生
を阻止するために、燃焼状態に即応する空気供給量の切
り替えとコントロールという複雑で高価な制御システム
が絶対的な条件となり、設備費の高騰やメンテナンスの
負担が大きな課題として提起される。
【0009】その他の従来技術として、焼却炉内の燃焼
状態を診断する装置を設けることによって、ゴミ切れ、
ゴミ山盛りの異常状態を検知してゴミの投入量、ストー
カの速度、圧力、温度、空気量などを制御し、安定的な
燃焼が維持できたとする特公平7−54171号公報、
一般ゴミとは別にプラスチックなどの高カロリゴミだけ
を、燃焼状態に応じた適切量を二次燃焼室内へ吹込み、
安定した燃焼によりダイオキシンの発生を制御する特公
平3−37090号公報などもあるが、複雑な構造や多
元的な制御機構を必要とし、安定した運転を維持するた
めに多くのメンテナンスが必要であり、ランニングコス
トが安価で有毒ガスの発生を抑制し、稼働の立ち上がり
と停止が短時間で完了し、大量処理が可能なゴミ焼却と
いう大都市向けの要件を残念ながら満たしているとは言
い難い。
【0010】本発明は、以上に述べた課題を解決するた
めに、我が国の都市ゴミの特質としては、含水量が多く
性状のバラツキ大なるゴミ処理の装置及び方法につい
て、大容量のゴミ焼却能力を具え、稼働のスタートおよ
び運転停止が短時間に完結し、燃焼速度が早く燃焼効率
のよい利点を有する流動床焼却炉の特質を発揮できるよ
うに廃棄物を定量、かつ、均一な性状に転換して燃焼部
へ供給し、安定的な燃焼を維持することによって、完全
燃焼と有毒ガスの発生を抑制する利点も同時に両立する
廃棄物の焼却炉の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明による廃棄物焼却炉は、竪型筒状体の流動床焼
却炉1の外周部を均等に分割した位置で、放射状に外延
する複数のストーカ燃焼装置2を接続して形成し、各ス
トーカ燃焼装置2はそれぞれ外端に開閉自在とする供給
ホッパ21を有し、内端が流動床焼却炉1の一次燃焼室
11の外縁に開口し、ストーカの下方から噴出する燃焼
用空気A0によって廃棄物を乾燥、一部は予備燃焼しつ
つゴミの性状を均一化し、焼却部へ定量供給することで
流動層部において、安定した焼却を行なわせることを構
成上の特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の構成を一口で言えば、従
来の流動床焼却炉の廃棄物供給部に変えて、複数のスト
ーカ燃焼装置を均等に配置したことに尽きる。すなわ
ち、流動床焼却炉1の外周部を均等に分割した位置で、
放射状に外延する複数のストーカ燃焼装置2を複数列接
続し、このストーカ燃焼装置2のそれぞれの外端に開口
する供給ホッパ21へ廃棄物を投入し、ストーカ燃焼装
置2はそれぞれ単独の炉としてそれぞれストーカの傾斜
面上に廃棄物を載せて揺動し、ストーカ下方や炉壁から
燃焼用空気を噴出して廃棄物を乾燥し、紙類など低発火
点の廃棄物は、予備燃焼を行ないながら次第に下降し続
けて流動床焼却炉1の一次燃焼室11の外縁に廃棄物を
均等に供給する。流動床焼却炉1の一次燃焼室11まで
達した廃棄物は、炉床12から噴出する一次空気A1に
よって、あらかじめ昇温バーナ17で加熱した流動媒体
Cと混合して流動層Fを形成し燃焼して灰化する。この
ようにストーカ燃焼装置2を通過する廃棄物は、ストー
カ上で下方から噴出する熱気よって含有水分を失って乾
態化し、一部は燃焼を始めて昇温しつつほぼ均一性状で
均一量づつ流動床焼却炉1の一次燃焼室11のストーカ
焼却装置の開口部の外縁へ均等に供給されるから、その
後は流動床焼却炉の特徴である早い燃焼速度と高い燃焼
効率が発揮され、総合的に流動床焼却炉の短所であった
爆発的燃焼や有毒ガス発生などの危険性が低減する。
【0013】請求項1の構成に加え請求項2について
は、一次燃焼室11の炉床12から噴出して流動層Fを
形成する一次空気の空気室13が、筒状体の炉心から外
縁に亘って複数の同心の帯状体に区画し、各区画毎にそ
れぞれ単独で調整可能な空気弁14A,14B……を介
装した給気管15A,15B,……を具えたことが望ま
しい実施の形態である。この構成によって一次燃焼室1
1に対する一次空気A1の流速(噴出力)に遅速の差を
設けたから、流動層も炉心付近と外周付近とでは大小の
差が現われることを作用上の特徴とする。ストーカ燃焼
装置のストーカ上で乾燥し、あるいは予備燃焼しつつ性
状を均一化して流動床焼却炉1の一次燃焼室11の外縁
に達した廃棄物は、最初は比較的微弱な流速を受けて小
さい流動層を形成し、炉心方向へ進行するにつれて流速
が強化されて大きな流動層を形成するので、ストーカ上
で解砕せず粗大な塊状の場合でも、流動媒体の流動層の
変化によって塊を解きほぐし被燃焼物の大きさが平均化
するので、一次燃焼室内において安定的な燃焼が図られ
る事から、未燃ガスの発生の抑制となり、燃焼効率もさ
らに向上する。
【0014】ここに特定した焼却炉を使用した廃棄物の
焼却方法は、請求項3に列挙した通り、中央に立設する
流動床焼却炉1の外周を均等に分割した位置で、外延す
る複数のストーカ燃焼装置2の外端に開口する供給ホッ
パ21へ廃棄物Sをそれぞれに投入し、該廃棄物Sはス
トーカ燃焼装置2のストーカ22の揺動作用で、傾斜面
上を降下しながら下方から噴出する熱気を受けて乾燥
し、または一部予備燃焼しつつ性状を均一化し、前記流
動床焼却炉1の一次燃焼室11の複数の外縁に到達し、
加熱した流動媒体Cと共に炉床12から噴出する一次空
気A1によって流動層Fを形成して完全燃焼し、炉内を
上昇する未燃ガスは二次燃焼室16に吹込まれる二次空
気A2によって完全燃焼する手順を経由すればよく、従
来技術で課題解決のための必須の要件と見られた複雑な
別構造や特別な作業工程、たとえば事前の廃棄物の高カ
ロリ材の分離選別などの前後工程の追加がなく、また高
価で複雑な制御機構の特設などを必要としない。
【0015】この焼却方法において、炉床12から噴出
する一次空気A1の流速は、請求項4で示しているごと
く、一次燃焼室11の外縁付近が最も遅いために流動状
態も弱く、炉心に近ずくほど流速が速いために流動状態
も活発化し、当初塊状であった廃棄物は、外縁から炉心
に近ずくにつれて変動する流動層の働きで解砕されて分
散することにより、平均的な燃焼を維持し効率的な燃焼
作用を誘導する作用を伴うので、燃焼効率の向上に好影
響を与える望ましい実施の形態である。
【0016】
【実施例】図1は本発明の実施例を示す縦断正面図であ
り、図2は図1のX−X矢視断面図である。廃棄物焼却
炉の中央に立設するのが流動床焼却炉1であり、その下
方が一次燃焼室11に相当して流動層Fが形成される。
該一次燃焼室の外縁には複数のストーカ燃焼装置2の内
端が接続し、その態様は図2に示したように流動床焼却
炉1の外周を均等に分割して放射状に外延した構成とな
る。図2の場合は合計4列のストーカ燃焼装置が中心の
流動床焼却炉1と直角に接続するが、この列数は処理す
べき廃棄物の総量や流動床焼却炉の燃焼能力、設備費用
などの諸要素を勘案して合理的に平衡するように設定す
る必要がある。また、流動床焼却炉1の断面形状は図3
(A)では円筒形としたが、これも図3(B)で例示す
るように正方形で構築してもよく、多角形、矩形などス
トーカ燃焼装置との接続によって任意に選択できる。
【0017】ストーカ燃焼装置2の外端には供給ホッパ
21が開口し、ストーカ燃焼装置が流動床焼却炉の外周
に4列配置されているのであれば、4箇所の供給ホッパ
へ廃棄物Sを投入する供給装置が必要となる。図示しな
いが各供給ホッパの直上を結ぶ円形軌道と、その軌道上
を走行する反転式の運搬車とか周回するバケットなど、
何れかの公知技術を採用してこの機能を満足する供給装
置を具えることは容易である。供給ホッパ21に投入さ
れた廃棄物Sは、定量供給装置23の作動によってスト
ーカ22の上面に送り込まれ、ストーカ下部に設けた空
気室24から約200℃に昇温した燃焼用空気A0の噴
出を受けて乾燥し、あるいは紙類などの低発火点の廃棄
物の一部は予備燃焼しながら生ゴミ状態で供給された廃
棄物の性状を均一化して、ストーカ22の揺動作用によ
って流動床焼却炉の一次燃焼室11の外縁付近に到達す
る。
【0018】流動床焼却炉1の一次燃焼室11の斜め上
方からは、昇温バーナ17によってて、あらかじめ挿入
されている流動媒体C、たとえば砂粒子などを約500
〜700℃に加熱すると共に、炉床(散気板)12から
は約200℃に昇温した一次空気A1を下方に連結した
空気室13から噴出るすので、一次燃焼室に到達した廃
棄物Sと流動媒体Cとが混合した流動層Fを形成する。
【0019】空気室13は炉床12を挟んで接続する一
次燃焼室11の形状と同じ外周よりなるが、炉心に至る
内部を仕切り板18によって同心の幾つかの空間13
A,13B,13Cに区画する。それぞれの区画には単
独で調整できる空気弁14A,14B,14Cをそれぞ
れ介装した給気管15A,15B,15Cが配管され、
空気弁を作動して区画毎の流速(噴出力)を任意に調整
できる。図3(A)または(B)のように仕切り板18
で区切られた区画のうち、外周部の区画室13Aでは一
次空気の噴出力が最も弱く、内部の13Bではやや強
く、炉心に最も近い中央部の13Cでは最強とすると、
一次燃焼室11内の流動層も全体が均一の流勢ではな
く、外縁ほど小さく、中心に近づくほど大きく活発に流
動する作用が発現する。
【0020】ストーカ燃焼装置で乾燥と予備燃焼により
均一化した廃棄物Sは、一次燃焼室11にて、まづ流動
状態の小さい外縁から巻き込まれて流動媒体と混合しな
がら燃焼が急速に進行し、中間部から最大に活性化した
炉心部まで変化する間に完全燃焼する。このように外縁
の4箇所に分散されて供給された廃棄物が、弱い流動層
から強い流動層へ移動する間に、大きい形状は解きほぐ
されてさらに均等化し、爆発的な燃焼が起こり難い条件
に持ち込む上、流動層の強弱に誘導されて完全燃焼する
機能が働き続けて、焼却炉は安定した操業を維持する。
【0021】一次燃焼室11では廃棄物の自燃焼によっ
て約900℃の高温が維持されているから、有毒ガスで
あるNOxの発生は抑制されており、一方、一次燃焼室
11で発生する未燃ガスは、炉内を上昇して二次燃焼室
16に達して二次空気A2の給気を受け、約800〜9
50℃で完全燃焼するから、ダイオキシンの発生を抑制
しているが、燃焼温度が950℃を超えて1000℃以
上に達すると、NOxの発生に繋がるので、冷却水Wを
適宜噴水して燃焼温度を調整する。完全燃焼したガス
は、次工程の廃熱ボイラなどへ送気して発電などに利用
すれば経済的効率を高める効果がある。
【0022】焼却炉の運転を停止する場合には、廃棄物
の新しい供給が停止するから供給ホッパ21内の廃棄物
Sがシャッタ25のレベルより低くなるが、このときに
はシャッタ25を閉鎖する必要がある。これは一次燃焼
室内の燃焼が進行して供給ホッパ内に廃棄物が残留しな
くなると、一次燃焼室内の燃焼ガスが吹き抜け現象を起
こして炉外に噴出するという危険な状態を防止するため
の措置であり、供給ホッパはこのために開閉自在として
いる。
【0023】
【発明の効果】本発明は以上述べた通り、ストーカ燃焼
炉の長所と流動床焼却炉の長所とを組合わせ、短所を補
った点に特徴がある。すなわち、ストーカ燃焼装置によ
って都市ゴミの宿命である種々雑多な性状の廃棄物を乾
燥し、一部は予備燃焼して均一化しながら流動床焼却炉
の流動層外縁付近へ均等に供給し、ここで加熱された流
動媒体と混合流動されてきわめて高い燃焼効率によって
完全燃焼し、併せて未燃ガスを完全燃焼させることによ
り有毒ガスの発生を抑制することができる。
【0024】請求項2に係る実施形態を採れば、流動床
焼却炉の短所とされる爆発的燃焼の防止が行なわれ、流
動層の大小の変動が廃棄物の安定燃焼を継続しているこ
とから完全燃焼を可能にし、当然、未燃ガスの発生を抑
制していることは、未燃ガスを完全燃焼ガス化へと容易
にすることができるので、有毒ガス発生の阻止について
もより有効に機能するので効果は大である。
【0025】請求項3、請求項4は本発明に係る焼却方
法であるが、稼働条件についても特に新たな負担となる
工程の追加、制御作業、メンテナンス作業の追加を強制
する要素は発生しないから、従来技術のように焼却処理
改善の見返りとして求められる複雑な制御機構の構築
と、その実施などの費用と労務の点での厳しい条件は不
必要であり、逆に労働条件の大きな改善が期待される。
【0026】大都市の大量ゴミ処理のためには、大型焼
却炉の連続運転が現在の必須の条件となっており、例え
ば我が国の最大炉は、一炉当たり1日600トン、3系
列備えたストーカ燃焼炉にて連続稼働し、1,800ト
ンの廃棄物を処理しているゴミ焼却プラントが稼働して
いる。流動床焼却炉については、中型装置として1日1
6時間の准連続運転で効果を発揮しているが、増大する
焼却処理の実状から、連続運転によって200トンの処
理をする流動床焼却炉も稼働している。しかし、労働条
件から言えば1日8時間の就労が労働安全衛生上の願い
であり、本発明の実施によって大量の廃棄物を、最短の
時間で高効率処理することが可能となる。
【0027】また、電力の需給から考えると、焼却炉の
運転に伴って発生する廃熱利用の発電を最も高く売電で
きるのは、最も安定電力が必要な平日の昼間であること
は断るまでもないが、廃棄物の焼却作業を土日を除く平
日の、しかも昼間を主体として組立てれば、前記の労働
条件の改善と共に経済的にも最高の条件に遭遇し、共に
副次的効果として看過できないものがある。このような
焼却処理運転は、本発明による廃棄物焼却炉によって可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す縦断正面図である。
【図2】図1におけるX−X矢視の断面図である。
【図3】(A)(B)によって空気室の断面図を2形態
示す。
【図4】従来技術(ストーカ燃焼炉)を示す縦断正面図
である。
【図5】別の従来技術(流動床焼却炉)の縦断正面図で
ある。
【符号の説明】 1 流動床焼却炉 2 ストーカ燃焼装置 11 一次燃焼室 12 炉床 13 空気室 14 空気弁 15 給気管 16 二次燃焼室 21 供給ホッパ 22 ストーカ C 流動媒体 F 流動層 S 廃棄物 W 冷却水

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 竪型筒状体の流動床焼却炉1の外周部を
    均等に分割した位置で、放射状に外延する複数のストー
    カ燃焼装置2を接続して形成し、各ストーカ燃焼装置2
    はそれぞれ外端に開閉自在とした供給ホッパ21を有
    し、内端が流動床焼却炉1の一次燃焼室11の外縁に開
    口していることを特徴とする廃棄物の焼却炉。
  2. 【請求項2】 請求項1において、一次燃焼室11の炉
    床12から噴出して流動層Fを形成する一次空気の空気
    室13は、筒状体の炉心から外縁に亘って複数の同心の
    帯状体に区画し、各区画毎にそれぞれ単独で一次空気A
    1の流速を調整可能な空気弁14A,14B……を介装
    した給気管15A,15B,……を具えていることを特
    徴とする廃棄物の焼却炉。
  3. 【請求項3】 中央に立設する流動床焼却炉1の外周部
    を均等に分割した位置で、外延する複数のストーカ燃焼
    装置2の外端に開口する供給ホッパ21へ廃棄物Sをそ
    れぞれに投入し、該廃棄物Sはストーカ燃焼装置2のス
    トーカ22の揺動作用で傾斜面上を降下しながらストー
    カ下方から噴出する燃焼用空気A0を受けて乾燥し、あ
    るいは一部予備燃焼しつつ性状を均一化し、前記流動床
    焼却炉1の一次燃焼室11の外縁に到達し、加熱した流
    動媒体Cと共に炉床12から噴出する一次空気A1によ
    って流動層Fを形成して完全燃焼し、炉内を上昇する未
    燃ガスは二次燃焼室16に吹込まれる二次空気A2によ
    って完全燃焼することを特徴とする廃棄物の焼却方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、炉床12から噴き上
    げる一次空気A1の流速は、一次燃焼室11の外縁付近
    が最も遅いために流動状態も弱く、炉心に近づくほど流
    速が速いために流動状態も活発化し、塊状であったスト
    ーカ上の廃棄物は外縁から炉心に近づくにつれて変動す
    る空気力に解きほぐされて分散し、安定的な燃焼作用を
    誘導することを特徴とする廃棄物の焼却方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100917928B1 (ko) 2009-04-30 2009-09-16 (주) 태종 엔이씨 쌍방향 투입 연소 복합형 소각로
CN110906338A (zh) * 2019-11-28 2020-03-24 上海锅炉厂有限公司 一种一体式流化床垃圾高效气化燃烧炉
DE112017007632T5 (de) 2017-07-12 2020-05-14 Mitsubishi Electric Corporation Aufzugsbetrieb-steuervorrichtung, aufzugsbetrieb-steuerverfahren und aufzugsbetrieb-steuerprogamm
CN113137615A (zh) * 2021-04-28 2021-07-20 杨凌锦华生态技术股份有限公司 可移动式高效低耗重金属修复植物残体综合处理装置

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