JPH1094918A - ばり取り工具 - Google Patents

ばり取り工具

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Publication number
JPH1094918A
JPH1094918A JP25334996A JP25334996A JPH1094918A JP H1094918 A JPH1094918 A JP H1094918A JP 25334996 A JP25334996 A JP 25334996A JP 25334996 A JP25334996 A JP 25334996A JP H1094918 A JPH1094918 A JP H1094918A
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JP
Japan
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tool
deburring
axial direction
blade
fitting portion
Prior art date
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Application number
JP25334996A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Yamagami
善宏 山上
Junichi Moriyama
順一 森山
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Yutaka Seimitsu Kogyo Ltd
Original Assignee
Yutaka Seimitsu Kogyo Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被加工物の肩面近傍に開口する溝や穴の開口
縁のばりを、肩面を傷つけることなく効率よく除去で
き、かつ、安価なばり取り工具を得る。 【解決手段】 刃具保持体16を工具本体14に軸方向
に移動可能に保持させ、長穴42と係合ピン44との係
合により相対回転を防止する。刃具保持体16をスプリ
ング50により軸方向に前進する向きに付勢する。刃具
保持体16の先端部には、弾性変形部62,64を軸方
向に互いに平行にかつ軸対称に形成し、それらの自由端
部にばり取り刃具18を設ける。弾性変形部62,64
の弾性変形により半径方向の移動が、また、スプリング
50の弾性変形により軸方向の移動がそれぞれ許容され
るため、ばり取り刃具18を被加工物80の肩面82に
適度な接触力で接触させることができる。ばり取り刃具
18を回転させて切刃70によりばりを除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被加工物の加工時
に発生するばりを除去するばり取り工具の改良に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】円筒状を成す被加工物の外周側あるいは
内周側の面に溝や穴等の加工を施す際、それらの開口縁
にばりが生じることがある。このばりを除去するため
に、工具本体と、ばり取り刃具と、ばり取り刃具
の工具本体に対する半径方向の相対移動を弾性的な抵抗
力を付与しつつ許容する半径方向移動許容装置とを含む
ばり取り工具が使用されるのであるが、被加工物の外周
側あるいは内周側の面の、ばりを除去すべき部分または
その近傍に段付部が形成されている場合、ばり取り工具
がこの段付部の肩面に当たって傷つけてしまうという問
題があった。この問題を解決するために、特公平7−9
4087号には、第1工程において通常のばり取り工具
により肩面から離れた部分のばりを除去し、第2工程に
おいて特殊なばり取り工具により肩面またはその近傍の
ばりを除去することが記載されている。このようにすれ
ば、肩面を傷つけることを回避しつつばり取りを行うこ
とができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、2種類
のばり取り工具とそれらを駆動する装置とを必要とする
上、作業を2工程で行うことが必要であるため、設備コ
ストが高くなり、かつ、作業能率が低下することを避け
得ない。そこで、本願請求項1に係る第一発明の課題
は、ばり取り装置の複雑化と被加工物の肩面が傷つくこ
ととを共に回避し、かつ、ばり取り作業の能率向上を図
り得るばり取り工具を得ることであり、請求項2に係る
第二発明の課題は、簡単な構成で第一発明の課題を解決
することであり、請求項3に係る第三発明の課題は、第
二発明に係るばり取り工具において、刃具保持体の工具
本体に対する傾き防止と両者の軸方向の相対移動限度の
規定とを簡単な構成で実現することである。
【0004】
【課題を解決するための手段,作用および発明の効果】
第一発明は、上記課題を解決するために、前記の工具
本体,のばり取り刃具およびの半径方向移動許容装
置を含むばり取り工具において、ばり取り刃具の工具本
体に対する軸方向の相対移動を弾性的な抵抗力を付与し
つつ許容する軸方向移動許容装置を設けたことを特徴と
する。
【0005】このように軸方向移動許容装置を設けるこ
とにより、ばり取り刃具を被加工物の外周側あるいは内
周側に形成された肩面に適度な接触力で接触させること
ができるため、肩面を傷つけることを回避しつつ肩面あ
るいはその近傍に発生したばりを確実に除去することが
できる。なお、肩面は平面でも曲面でもよく、ばり取り
刃具はできる限り広い面で肩面に接触する形状とするこ
とが望ましい。本発明に係るばり取り工具は、1個のば
り取り工具が半径方向移動許容装置と軸方向移動許容装
置とを両方備える構成であるため、1個のばり取り工具
とそれを駆動する装置とにより、1工程で肩面近傍のば
り取り作業を行うことができるため、設備コストを低減
し得るとともに作業の能率向上を図ることができる。
【0006】第二発明は、工具本体と軸方向に相対移動
可能かつ相対回転不能に嵌合した刃具保持体にばり取り
刃具を保持させ、軸方向移動許容装置を、工具本体と刃
具保持体との嵌合部と、工具本体と刃具保持体との間に
配設した弾性部材とを含むものとしたことを特徴とす
る。このようにすれば、軸方向移動許容装置を簡単な構
成で安価に実現することができる。
【0007】第三発明は、工具本体と刃具保持体との互
いに嵌合される本体側嵌合部と刃具保持体側嵌合部との
断面形状を共に円形とし、それら本体側嵌合部と刃具保
持体側嵌合部との一方にその一方を直径方向に貫通する
とともに軸方向に長く延びる長穴を形成し、他方にその
他方を直径方向に貫通する係合ピンを固定し、その係合
ピンを長穴と係合させることにより、本体側嵌合部と刃
具保持体側嵌合部との相対回転を防止するとともに軸方
向の相対移動限度を規定したことを特徴とする。本体側
嵌合部と刃具保持体側嵌合部との断面形状を共に円形と
すれば、両嵌合部を容易に高い精度で加工することがで
き、刃具保持体の工具本体に対する傾きを良好に防止す
ることができる。しかし、両嵌合部は相対回転可能であ
るため、係合ピンと長穴との係合により相対回転を防止
する。係合ピンの加工および取付けと長穴の形成とは共
に容易であるため、装置コストの上昇を抑えることがで
き、かつ、本体側嵌合部と刃具保持体側嵌合部との軸方
向の相対移動限度を規定することもできて好都合であ
る。
【0008】
【発明の補足説明】本発明は、前記請求項に記載の態様
の他に、以下の態様でも実施可能である。各実施態様は
便宜上、請求項と同じ形式の実施態様項で記載する。 (1)前記弾性部材が、前記本体側嵌合部と前記刃具保
持体側嵌合部とのうち外側に嵌合される外側嵌合部の内
側に配設され、一端がその外側嵌合部内の肩面に支持さ
れる一方、他端が本体側嵌合部と刃具保持体側嵌合部と
のうち内側に嵌合される内側嵌合部に支持された圧縮コ
イルスプリングである請求項3に記載のばり取り工具。 (2)前記刃具保持体が、先端部に軸方向に平行に延び
る少なくとも1個の弾性変形部を備え、その弾性変形部
の自由端部において前記ばり取り刃具を保持しており、
その弾性変形部が前記半径方向移動許容装置を構成して
いる請求項2,3,実施態様項1のいずれか1つに記載
のばり取り工具。 (3)前記弾性変形部が互いに平行にかつ軸対称に複数
本延びており、各弾性変形部にそれぞれ前記ばり取り刃
具が軸対称に保持されている実施態様項2に記載のばり
取り工具。 (4)前記刃具保持体が、先端部から半径方向外向きに
突出した外向き突出部を備え、その外向き突出部に前記
ばり取り刃具が設けられている請求項2,3,実施態様
項1〜3のいずれか1つに記載のばり取り工具。 (5)前記刃具保持体が、先端部から半径方向内向きに
突出した内向き突出部を備え、その内向き突出部に前記
ばり取り刃具が設けられている請求項2,3,実施態様
項1〜3のいずれか1つに記載のばり取り工具。 (6)前記ばり取り刃具が、前記軸方向にほぼ平行な軸
方向切刃と前記半径方向にほぼ平行な半径方向切刃とを
有している請求項1〜3,実施態様項1〜5のいずれか
1つに記載のばり取り工具。肩面と、内周面または外周
面の肩面に近接した部分とのばりを一挙に除去すること
ができる。 (7)前記ばり取り刃具が、前記軸方向切刃と前記半径
方向切刃とを滑らかにつなぐ曲線状切刃を有する実施態
様項6に記載のばり取り工具。肩面が曲面である場合に
その肩面のばりを取るのに好適である。 (8)前記ばり取り刃具が、軸方向に直角な平面で切断
した場合の断面形状が前記工具本体の軸線を中心とする
円弧状でかつ30度以上の中心角に対応するガイド面を
有する請求項1〜3,実施態様項1〜7のいずれか1つ
に記載のばり取り工具。ガイド面が被加工物の外周側ま
たは内周側の面に面接触することにより、切刃が溝や穴
の内部に入り込んでばり以外の部分をも削り取ることを
防止する。したがって、例えば、内周面や外周面に軸方
向に平行に延びている溝や、肩面に半径方向に延びてい
る溝の開口縁のばり取り用として好適である。 (9)前記ばり取り刃具が前記刃具保持体と一体に形成
されている請求項1〜3,実施態様項1〜8のいずれか
1つに記載のばり取り工具。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、第一ないし第三発明に共通
の一実施形態であるばり取り工具について図面に基づい
て詳細に説明する。図1において、10はばり取り装置
のスピンドルである。スピンドル10は図示しない回転
駆動装置に連結されており、それにより回転させられ
る。スピンドル10は中心に先端面から後端側に向かっ
て形成された有底の中心穴12を備えており、この中心
穴12に工具本体14が挿入される。工具本体14は、
刃具保持体16を介してばり取り刃具18を保持してい
る。スピンドル10は、中心穴12の底面から工具本体
14に向かって軸方向に突出する雄ねじ部20を備えて
おり、これに工具本体14の後端面に形成された雌ねじ
穴22が螺合される。
【0010】工具本体14は、中空円筒状であり、スピ
ンドル10の中心穴12に同軸に嵌合されている。工具
本体14の外周面にはキー溝24が形成され、キー26
が取り付けられている。スピンドル10の内周面には軸
方向に延びるキー溝28が形成されており、キー溝28
にキー26が嵌合されることにより工具本体14のスピ
ンドル10に対する回転が防止される。工具本体14の
外周面において、キー溝24から直径方向に隔たった位
置には、後端側に向かうに従って浅くなる傾斜切欠30
が形成されている。止めねじ32がスピンドル10を貫
通して半径方向内向きに突出し、その止めねじ32の先
端が傾斜切欠30に係合することにより、工具本体14
の軸方向に前進する向きの移動が阻止されている。
【0011】工具本体14の内側には刃具保持体16が
軸方向に摺動可能に嵌合されている。刃具保持体16は
真っ直ぐな円柱部を備え、その円柱部の後端部が嵌合部
40とされて工具本体14に嵌合されている。嵌合部4
0には直径方向に貫通するとともに軸方向に長く延びる
長穴42が形成されている。工具本体14には長穴42
を直径方向に貫通する係合ピン44が設けられており、
長穴42と係合ピン44との係合により刃具保持体16
が軸方向に移動可能かつ回転不能に工具本体14に保持
される。工具本体14の外周面に係合ピン44の抜止め
用の止め輪46が嵌合され、止め輪46が係合ピン44
の両側端部を両側から押さえることにより、係合ピン4
4の直径方向の移動が阻止されている。長穴42の端面
と係合ピン44との当接により刃具保持体16の軸方向
の移動限度が規定されている。
【0012】工具本体14と刃具保持体16との間に
は、圧縮コイルスプリング50(以下、スプリング50
と略称する)が配設されている。スプリング50の一端
が雄ねじ部20の受け面52に支持され、他端が刃具保
持体16の後端面54に支持されることにより、刃具保
持体16は常に軸方向に前進する向きに付勢されてい
る。ただし、前述の長穴42と係合ピン44との当接に
より、刃具保持体16の前進限度は規定されている。
【0013】スプリング50が弾性部材を、刃具保持体
16の嵌合部40が刃具保持体側嵌合部を、工具本体1
4において嵌合部40が嵌合される部分が本体側嵌合部
をそれぞれ構成しており、これら弾性部材,刃具保持体
側嵌合部および本体側嵌合部が軸方向移動許容装置を構
成している。軸方向移動許容装置は、刃具保持体16の
スプリング50の付勢力に抗する向きの移動を弾性的な
抵抗力を付与しつつ許容する。
【0014】図2ないし図4に示すように、刃具保持体
16の先端部(前端部)には、刃具保持体16の断面形
状である円の弦(図示の例では特殊な弦としての直径)
に沿った少なくとも1つのすり割り溝60が形成され、
その結果、複数の弾性変形部62,64が軸方向に互い
に平行にかつ軸対称に延びる状態で形成されている。図
示の例においては、1つのすり割り溝60が、刃具保持
体16の一直径に沿ってかつ先端面に開口する状態で形
成されており、その結果、一対の弾性変形部62,64
が軸対称の状態で形成されている。弾性変形部62,6
4の断面形状は、上記一直径に平行な弦と円弧とに囲ま
れた弓形を成しており、弦に平行な方向の寸法(幅と称
する)が弦に直角な方向の寸法(厚さと称する)よりも
大きくなっている。したがって、刃具保持体16は、厚
さ方向の曲げ剛性が小さく、幅方向の曲げ剛性が大きい
ため、厚さ方向には容易に湾曲し、幅方向には実質的に
湾曲しない。
【0015】弾性変形部62,64の自由端部には半径
方向外向きに突出した外向き突出部66,68がそれぞ
れ一体に設けられている。外向き突出部66,68の前
側(刃具保持体16の前端側)の側面は、図2に示すよ
うに、刃具保持体16の軸線から遠ざかるに従って前方
(刃具保持体16の前方)へ向かう向きに傾斜してい
る。外向き突出部66,68にはばり取り刃具18がそ
れぞれ一体に形成されている。ばり取り刃具18は、切
刃70,逃げ面72およびすくい面74を備えている。
切刃70は、軸方向にほぼ平行な軸方向切刃と、半径方
向にほぼ平行な半径方向切刃と、それら軸方向切刃と半
径方向切刃とを滑らかにつなぐ曲線状切刃とを備えてい
る。すくい面74は、刃具保持体16の軸線を含む平面
上に形成された平面であり、このすくい面74と曲面で
ある逃げ面72との交線が切刃70となっている。弾性
変形部62,64が半径方向移動許容装置を構成してお
り、ばり取り刃具18の半径方向の移動を弾性的な抵抗
力を付与しつつ許容する。
【0016】図1に二点鎖線で示す被加工物80の内周
側には肩面82を有する段付部84が形成されており、
この肩面82は被加工物80の内周面と滑らかにつなが
る曲面を含んでいる。外周側から被加工物80の中心軸
線に向かって斜めに貫通穴86,88が形成され、上記
肩面82の曲面の部分に開口している。貫通穴86,8
8は外周側からドリルにより加工され、貫通穴86,8
8の肩面82側の開口縁にばりが生じる。本ばり取り工
具はこのばりを除去するために使用される。ばり取り工
具は、被加工物80の中心線から偏心した状態で被加工
物の内周側の面、特に肩面82に接触させられ、前記回
転駆動装置によりスピンドル10を介して回転させられ
る。その際、上記半径方向移動許容装置を構成する弾性
変形部62の弾性変形によりばり取り刃具18の半径方
向内向きの移動が、また、上記軸方向移動許容装置によ
りばり取り刃具18の軸方向に後退する向きの移動が弾
性的な抵抗力を付与しつつ許容されることによって、ば
り取り刃具18が肩面82に適度な接触力で接触させら
れる。また、本実施形態においては、被加工物80がば
り取り工具の回転方向に対して反対向きに回転させられ
る。
【0017】ばり取り刃具18は図4に二点鎖線で示す
旋回軌跡を描いて回転し、2枚の切刃70が貫通穴8
6,88の開口縁に生じたばりを除去する。切刃70の
曲線状切刃は段付部84の肩面82の曲面と対応してお
り、逃げ面72の切刃70に隣接した部分が広い面積で
肩面82に接触してばり取り刃具18の肩面82に沿っ
た回転を案内するため、切刃70が貫通穴86,88内
に入り込むことはなく、ばりのみが良好に除去される。
また、前述のように、外向き突出部66,68の前側の
側面は外周側ほど前方へ向かう向きに傾斜しているた
め、曲線状切刃が段付部84の肩面82に確実に接触す
ることが保証される。
【0018】本実施形態のばり取り工具は、半径方向移
動許容装置および軸方向移動許容装置を備えているた
め、肩面82を傷つけることを回避しつつ確実にばりを
除去することができる。軸方向移動許容装置は、上記の
ように簡単な構成で安価に製造することができる。ま
た、前述の従来例とは異なり、1つのばり取り工具が半
径方向移動許容装置と軸方向移動許容装置とを両方備え
る構成であるため、1つのばり取り工具により1工程で
ばり取り作業を行うことができ、ばり取り作業の能率向
上を図ることができる。また、装置全体を小形化して設
備コストを低減することもできる。
【0019】工具本体14と刃具保持体16との前記各
嵌合部は共に円形であるため、両嵌合部を容易に高い精
度で加工することができ、刃具保持体16の工具本体1
4に対する傾きを防止することができる。また、係合ピ
ン44と長穴42という簡単な構成で、刃具保持体16
の工具本体14に対する回転を防止できるため、装置コ
ストの上昇を抑えることができ、かつ、刃具保持体16
の工具本体14に対する軸方向の移動限度を規定するこ
ともできる。
【0020】本実施形態におけるばり取り刃具18の逃
げ面72に代えて、軸方向に直角な平面で切断した場合
の断面形状が工具本体14の軸線を中心とする円弧状で
かつ30度以上の中心角に対応する面を形成し、これを
ばり取り刃具18の回転の際のガイド面とすることも可
能である。このようにガイド面を形成すれば、被加工物
の内周面において軸方向に延びる溝や、肩面において半
径方向に延びる溝の開口縁のばりも確実に除去すること
ができる。上記ガイド面が被加工物の内周面や肩面に広
い面で接触することにより、切刃が溝の内部に入り込ん
でばり以外の部分をも削り取ることが防止されるのであ
る。
【0021】本実施形態においては、ばり取り刃具18
と刃具保持体16とが一体とされているためその形成が
容易であるが、これらばり取り刃具と刃具保持体とを別
体とすることも可能である。例えば、別体の刃具を刃具
保持体にろう付け等適宜の固定手段により固定するので
ある。また、弾性変形部は2本に限らず、軸対称に複数
本延びる構造とすることも可能である。本実施形態のよ
うにばり取り時に被加工物も一定速度で連続回転させら
れる形態は、被加工物の内周面あるいは外周面に多数の
溝や穴が形成されている場合に特に有効であるが、これ
は不可欠ではない。例えば、溝や穴が1個である場合に
はばり取り工具のみ回転させてもよく、溝や穴が少ない
場合には被加工物に割出し回転のみを与えてもよい。ま
た、ばり取り工具を被加工物に同心的に接触させる場合
には、被加工物とばり取り工具とのいずれか一方を回転
させればよい。
【0022】第一ないし第三発明を図5ないし図7に示
す形態で実施することも可能である。図5に本実施形態
における刃具保持体を示すが、この刃具保持体は、軸方
向に延びる円柱状の本体部100と、その先端からさら
に軸方向に延びるばり取り部102とが一体に形成され
たものであり、本体部100において、図1ないし図4
に示した実施形態における工具本体14と同様の工具本
体に保持される。ばり取り部102には、弾性変形部1
04,106が互いに平行にかつ軸対称に形成され、そ
れら弾性変形部104,106の先端側にはそれぞれば
り取り刃部108,109が一体に設けられている。
【0023】弾性変形部104,106は、円柱状部1
10に、その円柱状部110の横断面形状である円の一
直径に沿って貫通穴112が形成されるとともに、その
貫通穴112のばり取り刃部108,109に隣接する
壁部114に、上記一直径を含む平面に沿って壁部11
4を貫通するすり割り溝115が形成されて成るもので
ある。貫通穴112は円柱状部110を、その円柱状部
110の中心線と直交して貫通する穴であり、その両側
に一対の壁部116,117が形成される。貫通穴11
2の断面形状は、図5に示すように概して四角形であ
り、かつ、その四角形の2辺が円柱状部110の軸方向
に平行であるため、壁部116,117は断面形状が軸
方向に関して一定である板状部となっている。図6に示
すように、これら壁部116,117の断面形状は弓形
を成し、上記一直径に平行な方向の寸法(幅と称する)
が上記一直径に直角な方向の寸法(厚さと称する)より
も大きくなっている。そのため、壁部116,117
は、厚さ方向の曲げ剛性が小さく、幅方向の曲げ剛性が
大きくなっており、厚さ方向には容易に湾曲し、幅方向
には実質的に湾曲しない。これら壁部116,117の
弾性係数は、円柱状部110全体または一部の外周面を
旋削することにより調節することができる。図示の例で
は円柱状部110の本体部100に近い側の部分の外径
が小さくされており、主としてこの外径が小さい部分に
よって壁部116,117の弾性係数が決まっている。
弾性変形部104,106が半径方向移動許容装置を構
成している。
【0024】ばり取り刃部108,109は、弾性変形
部104,106の各先端から本体部100の軸線に平
行に延びる2個の部分円筒部120,121と、それら
部分円筒部120,121の先端部から、半径方向内向
きにかつ互いに軸対称に突出する内向き突出部122,
123とから成っている。図7に示すように、各内向き
突出部122,123は、その内周側に形成されたガイ
ド面124,125と、ガイド面124,125の先行
側エッジから成る切刃126,127とを備えている。
ガイド面124,125は、本体部100の軸線に直角
な平面で切断した場合の断面形状がその軸線を中心とす
る円弧状で、かつ、その円弧の中心角が30度以上(図
示の例ではほぼ90度)をなす面である。切刃126,
127はそれぞれ、軸方向にほぼ平行な軸方向切刃と、
半径方向にほぼ平行な半径方向切刃と、それら軸方向切
刃と半径方向切刃とを滑らかにつなぐ曲線状切刃とを備
えている。
【0025】本ばり取り工具は、被加工物130の外周
側に形成された肩面132に近接した位置に開口する溝
や穴の開口縁に生じたばりを除去するために使用される
ものであり、切刃126,127の形状は被加工物13
0の外周側に形成された肩面132の断面形状と対応し
ている。使用に際しては、半径方向移動許容装置および
軸方向移動許容装置によりばり取り刃部108,109
を図5に二点鎖線で示す被加工物130の肩面132に
適度な接触力で接触させ、図示しない回転駆動装置によ
りばり取り工具を回転させる。それにより、被加工物1
30の肩面132を傷つけることを回避しつつ確実にば
りを除去することができる。ガイド面124,125が
被加工物130の外周面および肩面132に面接触して
ばり取り刃部108,109を案内するため、切刃12
6,127が溝や穴の内部に入り込んでばり以外の部分
をも削り取ったり、あるいは、ばり取り工具と被加工物
130との少なくとも一方が破損することが防止され
る。また、切刃126,127の形状は被加工物130
の肩面132の曲面と対応しているため、肩面132と
それに近接した部分とのばりを一挙に除去することがで
きる。なお、ばり取り時に、ばり取り工具とともに、あ
るいはそれに代えて被加工物130を回転させることも
可能であり、ばり取り工具を、被加工物の中心線に対し
て偏心した状態で肩面に接触させることも可能である。
【0026】上記実施形態においては、円柱状部110
に直径に沿った貫通穴112が1個形成され、壁部11
4に1個のすり割り溝が形成されることにより2個の弾
性変形部104,106が形成されたが、貫通穴および
すり割り溝を複数本形成して弾性変形部を3個以上形成
することも可能である。例えば、図8および図9に示す
ように、円柱状部140に、その円柱状部140の横断
面形状である円の軸対称の3本の弦、すなわちその円の
内側に同心に描いた円142に外接し、互いに60度の
角度をなして交差する3本の直線144に沿って横断面
形状が概して四角形である3本の貫通穴146を形成す
るとともに、それら3本の貫通穴146のばり取り刃部
147側の壁部148に上記3本の弦に平行なすり割り
溝150を形成することにより3個の弾性変形部152
を形成するのである。本実施形態の観点からすれば、上
記実施形態において貫通穴112が沿って形成された一
直径は、円柱状部140の中心線を通る特殊な弦である
と考えることができる。なお付言すれば、図1ないし図
4に示した実施形態においても、同様に3本以上の弦に
沿ってすり割り溝を形成することにより3個以上の弾性
変形部を形成することができる。また、図1ないし図4
に示した実施形態において、工具保持体16の円柱部の
少なくとも先端部を円筒部に変更するとともに、その円
筒部の複数の半径に沿ってすり割り溝を形成することに
よっても3個以上の弾性変形部を形成することができ
る。
【0027】また、上記両実施形態においては、貫通穴
112,146の横断面形状が概して四角形とされてい
たが、円形等他の形状とすることも可能である。貫通穴
の横断面形状が円形である場合には、それの側方に形成
される壁部の厚さが幅方向においてのみならず、長さ方
向においても変化することとなるが、幅が厚さより大き
い壁部であることに変わりはなく、ほぼ同様な効果が得
られる。その他、特許請求の範囲を逸脱することなく、
当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態
で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一ないし第三発明に共通の一実施形態である
ばり取り工具を示す正面(一部断面)図である。
【図2】上記ばり取り工具の要部を示す正面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】図2の右側面図である。
【図5】上記第一ないし第三発明に共通のばり取り工具
の別の実施形態の要部を示す正面(一部断面)図であ
る。
【図6】図5におけるA−A断面図である。
【図7】図5の右側面図である。
【図8】上記第一ないし第三発明に共通のばり取り工具
のさらに別の実施形態の要部を示す側面断面図である。
【図9】図8の正面(一部断面)図である。
【符号の説明】
14 工具本体 16 刃具保持体 18 ばり取り刃具 40 嵌合部 42 長穴 44 係合ピン 50 圧縮コイルスプリング 62,64 弾性変形部 66,68 外向き突出部 70 切刃 100 本体部 102 ばり取り部 104,106 弾性変形部 108,109 ばり取り刃部 110 円柱状部 112 貫通穴 115 すり割り溝 116,117 壁部 122,123 内向き突出部 124,125 ガイド面 126,127 切刃 140 円柱状部 146 貫通穴 147 ばり取り刃部 150 すり割り溝 152 弾性変形部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具本体と、ばり取り刃具と、ばり取り
    刃具の工具本体に対する半径方向の相対移動を弾性的な
    抵抗力を付与しつつ許容する半径方向移動許容装置とを
    含むばり取り工具において、 前記ばり取り刃具の前記工具本体に対する軸方向の相対
    移動を弾性的な抵抗力を付与しつつ許容する軸方向移動
    許容装置を設けたことを特徴とするばり取り工具。
  2. 【請求項2】 前記ばり取り刃具が、前記工具本体と軸
    方向に相対移動可能かつ相対回転不能に嵌合された刃具
    保持体に保持されており、前記軸方向移動許容装置が、
    前記工具本体と前記刃具保持体との嵌合部と、工具本体
    と刃具保持体との間に配設された弾性部材とを含む請求
    項1に記載のばり取り工具。
  3. 【請求項3】 前記工具本体と前記刃具保持体との互い
    に嵌合された本体側嵌合部と刃具保持体側嵌合部との断
    面形状が共に円形であって相対回転可能であり、それら
    本体側嵌合部と刃具保持体側嵌合部との一方にその一方
    を直径方向に貫通するとともに軸方向に長く延びる長穴
    が形成され、他方にその他方を直径方向に貫通する係合
    ピンが固定され、その係合ピンが前記長穴と係合させら
    れることにより、本体側嵌合部と刃具保持体側嵌合部と
    の相対回転が防止されるとともに軸方向の相対移動限度
    が規定されたことを特徴とする請求項2に記載のばり取
    り工具。
JP25334996A 1996-09-25 1996-09-25 ばり取り工具 Pending JPH1094918A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009039842A (ja) * 2007-08-10 2009-02-26 Toyota Jidosha Hokkaido Kk バリ取り工具
CN108817429A (zh) * 2018-09-03 2018-11-16 西安增材制造国家研究院有限公司 一种去毛刺的组合刀具及定偏心距螺旋制孔装置

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