JPH1093134A - p型電極構造およびそれを有する半導体発光素子 - Google Patents
p型電極構造およびそれを有する半導体発光素子Info
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Abstract
作電圧が低く、歩留まりの高い発光素子とを提供する。 【解決手段】 基板52上に、nクラッド層53、活性
層54、pクラッド層55、p型半導体層56、電流狭
窄層57、n型半導体層58、金属層59を形成し、n
型半導体層58の伝導帯端は、p型半導体層56の価電
子帯端よりもエネルギー位置を深くし、金属層59のフ
ェルミレベルはn型半導体層58の伝導帯端よりエネル
ギー位置を浅くする。
Description
は半導体発光素子に関する。さらに詳しくは、ワイドギ
ャップ半導体におけるp型電極構造または半導体発光素
子に関する。
lなどの金属が用いられ、アロイ化などによりオーミッ
ク性の電極を形成している。ワイドギャップ半導体で
は、オーミック性のp型電極が得ることが困難である。
p型GaNでは電極材料にNiAuを用い抵抗の低減を
図っている。p型ZnSeでは、図9に示すように、A
u電極91とp型ZnSe層93の間にZnSe/Zn
Te超格子層92が挿入された構造が用いられ(アプラ
イド・フィジックス・レターズ、第61巻、1992
年、頁5160〜頁5162)、半導体レーザの動作電
圧が大幅に低減された(エレクトロニクス・レターズ、
第36巻、1996年、頁552)。
eやGaNのようなワイドギャップ半導体の場合には、
p型半導体上に金属電極を設けた構造ではショットキー
性の電極になってしまい、電極での抵抗が高くなってし
まうという問題があった。また、上述の超格子を金属電
極とp型半導体層との間に挿入した構造では、超格子の
僅かな層厚の変化によって抵抗が大きく変わるため再現
性に問題があった。また、上述の半導体レーザでは、p
側のクラッド層にp−ZnSSe、p−MgZnSSe
が用いられているが、これらのワイドギャップ材料の抵
抗が高いために、半導体レーザの動作電圧が高くなって
しまうという問題があった。
であり、抵抗の小さいp型電極構造を提供し、かつ、動
作電圧の低い半導体発光素子を提供することを目的とす
る。
め、本発明によれば、p型半導体層を有するp型電極構
造において、p型半導体層上にn型半導体層と金属層と
を有するとともに、そのn型半導体層の伝導帯端がp型
半導体層の価電子帯端よりもエネルギー位置が深いもの
であり、金属層に正の電位を掛け、金属層からn型半導
体層を介してp型半導体層に電流を注入して動作させる
ことを特徴とするp型電極構造が提供される。
造を有することを特徴とする半導体発光素子が提供され
る。
発光素子が、p−n接合を有する半導体レーザまたは発
光ダイオードであることを特徴とする半導体発光素子が
提供される。
レーザまたは発光ダイオードが、活性層およびn型クラ
ッド層を有し、かつその活性層に隣接して、p型半導体
層、n型半導体層、および金属層を有するものであり、
前記p型半導体層のバンドギャップが、活性層のバンド
ギャップよりも大きく、p型半導体層の厚さが発光波長
に比べて薄く、n型半導体層の伝導帯端がp型半導体層
の価電子帯端よりもエネルギー位置が深く、n型半導体
層の屈折率が活性層の屈折率よりも小さいものであり、
n型クラッド層とn型半導体層とにより光が活性層に閉
じ込められ、金属層に正の電位を掛け、金属層からn型
半導体層、p型半導体層を介して活性層に正孔を注入し
て動作させることを特徴とする半導体発光素子が提供さ
れる。
導体層が金属酸化物からなるものであることを特徴とす
るp型電極構造または半導体発光素子が提供される。
化物が、ZnOまたはBeOであることを特徴とするp
型電極構造または半導体発光素子が提供される。
導体層が、ワイドギャップ2−6族化合物半導体、ワイ
ドギャップ3−5族化合物半導体または4族ワイドギャ
ップ半導体からなるものであることを特徴とするp型電
極構造または半導体発光素子が提供される。
ドギャップ2−6族化合物半導体が、ZnSe,ZnS
SeまたはMgZnSSeであり、前記ワイドギャップ
3−5族化合物半導体が、GaN,AlGaN,InG
aN,InGaPまたはInAlPであり、前記4族ワ
イドギャップ半導体が、SiCまたはCであることを特
徴とするp型電極構造または半導体発光素子が提供され
る。
ドギャップ半導体では、金属のフェルミレベルに比べて
価電子帯端のエネルギー位置が深い。そのため、これら
のp型半導体層上に金属電極を形成するとショットキー
性のコンタクトとなってしまう。フェルミレベルがp型
半導体の価電子帯端より深い材料であれば、オーミック
性のコンタクトが得られるが、そのような金属は存在し
ない。これに対し、ZnOなどの半導体の伝導帯端は金
属のフェルミレベルよりも深く、n型の高濃度ドーピン
グも可能である。本発明では、このn型半導体層を、p
型半導体層と金属電極との間に挿入した構造となってい
る。このn型半導体層の導入により形成されるp−n接
合は通常のp−n接合とは異なっている。n型半導体層
の伝導帯端がp型半導体層の価電子帯端よりもエネルギ
ー位置が深いため、接合部では空乏層は形成されず、ダ
イオード特性を持たない。n型半導体層の印加電圧が正
負いずれの場合も電流は容易に接合部を流れる。一方、
金属電極のフェルミレベルはこのn型半導体層の伝導帯
端よりエネルギー位置が浅いため、金属電極とn型半導
体層との接合はオーミック性となる。その結果、本発明
のp型電極構造は抵抗が低いオーミックのものとなる。
参照して具体的に説明する。図1は、第1の実施の形態
を示す模式図であり、図2は、そのバンド図である。こ
の半導体発光素子は、GaAs半導体からなるバイポー
ラトランジスタである。n型GaAsからなるコレクタ
12とエミッタ16、p型GaAs(層厚0.2μm、
ドーピング濃度1×1018cm-3)からなるベース13、
AuGeNiからなるコレクタ電極11とエミッタ電極
17とを有する。ベース電極は、n型CdO(層厚10
0nm、ドーピング濃度1×1020cm-3)からなるn型半
導体層14とAu電極15とからなる構造となってい
る。半導体膜は有機金属気相成長法によって、金属電極
は高周波スパッタリングによって形成した。コレクタ電
極11とエミッタ電極17とは成膜後400℃に加熱
し、アロイ化を行った。
における価電子帯端21と、伝導帯端22の位置、およ
びAu電極15のフェルミレベル23の位置を示したも
のである。n型半導体層14に用いたCdOの伝導帯端
22は、ベース13に用いたGaAsの価電子帯端21
よりもエネルギー位置が深い。そのため、ベース13と
n型半導体層14との界面では、通常のp−n接合とは
違って空乏層はできず、ダイオード特性を持たない。電
流は容易にn型半導体層14からベース13へと流れ込
む。また、Au電極15のフェルミレベル23はn型半
導体層14の伝導帯端22よりエネルギー位置が浅いた
め、その接合はオーミック性となった。この電極構造
は、電極抵抗が小さく、加熱によるアロイ化も必要とし
ないため、信頼性が大幅に改善された。
dOを用いたが、これに限らずn型ZnOやn型BeO
など、他の半導体を用いても良い。また、p型半導体に
p型GaAsを用いたがこれに限らず、p型ZnSeや
p型SiCやp型GaNなど、他の半導体を用いても良
い。上述の実施形態では半導体素子をバイポーラトラン
ジスタとしたが、これに限らずFETやフォトダイオー
ドなどの他の半導体素子に用いても良い。
図4は、そのバンド図である。この半導体発光素子は、
赤色発光ダイオード(LED)であり、n型GaAsか
らなる基板32上に、n型In0.5 (Ga0.3 Al
0.7 )0.5 P(ドーピング濃度n=5×1017cm-3、厚
さ0.5μm)からなるnクラッド層33、In0.5 G
a0.5 P(厚さ0.2μm)からなる活性層34、p型
In0.5 (Ga0.3 Al0. 7 )0.5 P(ドーピング濃度
p=3×1017cm-3、厚さ0.5μm)からなるpクラ
ッド層35をMOCVD法により結晶成長した後、多結
晶のn型ZnO(ドーピング濃度n=1×1020cm-3、
厚さ1μm)からなるn型半導体層36をMOCVD法
で作製し、Auからなる金属層37とAu/Ge/Ni
とからなるn電極31を蒸着により作製した。
ら活性層34へ電子と正孔が注入され、波長670nmの
発光が得られた。pクラッド層35を構成するIn0.5
(Ga0.3 Al0.7 )0.5 Pのドーピング濃度が低いた
め、金属のみによる電極では電極抵抗が大きくなってし
まう。n型半導体層36と金属層37とからなる電極構
造を用いることにより、電極抵抗を大幅に減らすことが
できた。
いたZnOの伝導帯端22は、pクラッド層35に用い
たIn0.5 (Ga0.3 Al0.7 )0.5 Pの価電子帯端2
1よりもエネルギー位置が深い。そのため、pクラッド
層35とn型半導体層36の界面では、通常のp−n接
合とは違って空乏層はできず、ダイオード特性を持たな
い。電流は容易にn型半導体層36からpクラッド層3
5へと流れ込む。また、金属層37のフェルミレベル2
3はn型半導体層36の伝導帯端22よりエネルギー位
置が浅いため、その接合はオーミック性となった。その
結果、pクラッド層35に対する電極抵抗は小さなもの
となった。
は、電気抵抗が低く、発光波長に対して透明であるた
め、電流を活性層全体に注入することができ、光も効率
よく外部に取り出すことができた。n型半導体層36は
多結晶であり製作が容易なため、製造コストを低減する
ことができた。
ZnOを用いたが、これに限らずn型BeOなど、他の
半導体を用いても良い。また、発光素子として、InG
aAlP系LEDを用いたが、これに限らず、ZnSe
系やGaN系などの、他の半導体材料のLEDや半導体
レーザ(LD)を用いても良い。
図6は、そのバンド図である。この半導体発光素子は、
ZnSe系緑青色LDである。n型GaAsからなる基
板52上に、n型Mg0.1 Zn0.9 S0.15Se0.85(ド
ーピング濃度n=5×1017cm-3、厚さ1μm)からな
るnクラッド層53、ZnSe(厚さ100nm)からな
る活性層54、p型Mg0.1 Zn0.9 S0.15Se
0.85(ドーピング濃度p=1×1017cm-3、厚さ1μ
m)からなるpクラッド層55、p型ZnSe(ドーピ
ング濃度p=1×1018cm-3、厚さ0.1μm)からな
るp型半導体層56をMBE法により結晶成長した後、
SiO2 からなる電流狭窄層57をCVD法で形成し、
これをストライプ状にエッチングし、その上に多結晶の
n型ZnO(ドーピング濃度n=1×1020cm-3、厚さ
0.2μm)からなるn型半導体層58をMBE法で作
製し、Auからなる金属層59とAu/Ge/Niとか
らなるn電極51を蒸着により作製した。最後にへき開
により反射面を形成した。
ら活性層54へ電子と正孔が注入され、波長460nmの
レーザ発光が得られた。pクラッド層55を構成するM
g0. 1 Zn0.9 S0.15Se0.85のドーピング濃度を高く
することができないため、高濃度ドーピング層としてp
型半導体層56を挿入した。その上にn型半導体層58
と金属層59からなる電極構造を作製して、電極抵抗を
大幅に低減した。
なっている。n型半導体層58に用いたZnOの伝導帯
端22は、p型半導体層56に用いたZnSeの価電子
帯端21よりもエネルギー位置が深い。pクラッド層5
5の価電子帯端21はp型半導体層56に比べてややエ
ネルギー位置が深いが、その差は小さく、両者のヘテロ
界面での抵抗は小さい。p型半導体層56とn型半導体
層58の界面では、通常のp−n接合とは違って空乏層
はできず、ダイオード特性を持たない。電流は容易にn
型半導体層58からp型半導体層56へと流れ込む。ま
た、金属層59のフェルミレベル23はn型半導体層5
8の伝導帯端22よりエネルギー位置が浅いため、その
接合はオーミック性となった。その結果、p型半導体層
56と金属層59間の抵抗は小さくなった。レーザ発振
時の動作電圧は5Vと良好な特性を示した。n型半導体
層58は多結晶であり製作が容易なため、素子の歩留ま
りを大幅に改善できた。
ZnOを用いたが、これに限らずn型BeOなど、他の
半導体を用いても良い。また、発光素子として、ZnS
e系LDを用いたが、これに限らず、ZnCdSe系や
GaN系などの、他の半導体材料のLEDやLDを用い
ても良い。
図8は、そのバンド図である。この半導体発光素子は、
GaN系青色LDである。n型SiCからなる基板72
上に、n型GaN(ドーピング濃度n=5×1017c
m-3、厚さ1μm)からなるnクラッド層73、In0.1
Ga0.9 N(厚さ3nm)/GaN(厚さ3nm)5層の
多重量子井戸(MQW)からなる活性層74、p型Ga
N(ドーピング濃度p=2×1017cm-3、厚さ50nm)
からなるp型半導体層75をMOCVD法により結晶成
長した後、SiO2 からなる電流狭窄層76をCVD法
で形成し、これをストライプ状にエッチングし、その上
にn型BeO(ドーピング濃度n=1×1020cm-3、厚
さ1μm)からなるn型半導体層77をスパッタ法で作
製し、ドライエッチングにより反射面を形成し、最後に
Auからなる金属層78とn電極71を蒸着により作製
した。得られたレーザは、波長420nm、閾値電流密度
2kA/cm2、動作電圧10Vという良好な特性が得られ
た。
なっている。p型半導体層75は層厚が50nmと薄いた
めクラッドとしては機能しない。n型半導体層77は1
μmと厚く、屈折率が活性層74の屈折率より小さいた
め、クラッド層として機能する。nクラッド層73とn
型半導体層77に挟まれて、光は活性層74に閉じ込め
られる。
端22は、p型半導体層75に用いたGaNの価電子帯
端21よりもエネルギー位置が深い。p型半導体層75
とn型半導体層77の界面では、通常のp−n接合とは
違って空乏層はできず、ダイオード特性を持たない。n
型半導体層77からp型半導体層75へと電流が流れ込
み、p型半導体層75から活性層74へ正孔が注入され
る。電子はnクラッド層73から活性層74へ注入され
る。p型半導体層75は正孔の注入層として機能してい
る。一方、金属層78のフェルミレベル23はn型半導
体層77の伝導帯端22よりエネルギー位置が浅いた
め、その接合はオーミック性となった。この結果、金属
層78に正の電位をかけることにより、活性層74へ正
孔と電子を注入できた。
子の抵抗を低くすることができた。p側電極部での抵抗
も小さく、動作電圧も低くなった。n型半導体層77は
多結晶であっても良いため、素子の歩留まりを大幅に改
善できた。この実施の形態では、n型半導体層にn型B
eOを用いたが、これに限らずn型ZnOなど、他の半
導体を用いても良い。また、LD材料として、GaN系
を用いたが、これに限らず、ZnSe系やInGaAl
P系などの、他の材料系を用いても良い。
抵抗が低く信頼性の高いp型電極を、また動作電圧が低
く、歩留まりの高い半導体発光素子を得ることができ
る。
図である。
図である。
図である。
図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 p型半導体層を有するp型電極構造にお
いて、p型半導体層上にn型半導体層と金属層とを有す
るとともに、そのn型半導体層の伝導帯端がp型半導体
層の価電子帯端よりもエネルギー位置が深いものであ
り、金属層に正の電位を掛け、金属層からn型半導体層
を介してp型半導体層に電流を注入して動作させること
を特徴とするp型電極構造。 - 【請求項2】 請求項1記載のp型電極構造を有するこ
とを特徴とする半導体発光素子。 - 【請求項3】 前記半導体発光素子が、p−n接合を有
する半導体レーザまたは発光ダイオードであることを特
徴とする請求項2記載の半導体発光素子。 - 【請求項4】 前記半導体レーザまたは発光ダイオード
が、活性層およびn型クラッド層を有し、かつその活性
層に隣接して、p型半導体層、n型半導体層、および金
属層を有するものであり、前記p型半導体層のバンドギ
ャップが、活性層のバンドギャップよりも大きく、p型
半導体層の厚さが発光波長に比べて薄く、n型半導体層
の伝導帯端がp型半導体層の価電子帯端よりもエネルギ
ー位置が深く、n型半導体層の屈折率が活性層の屈折率
よりも小さいものであり、n型クラッド層とn型半導体
層とにより光が活性層に閉じ込められ、金属層に正の電
位を掛け、金属層からn型半導体層、p型半導体層を介
して活性層に正孔を注入して動作させることを特徴とす
る請求項2または3記載の半導体発光素子。 - 【請求項5】 前記n型半導体層が金属酸化物からなる
ものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
項記載のp型電極構造または半導体発光素子。 - 【請求項6】 前記金属酸化物が、ZnOまたはBeO
であることを特徴とする請求項5記載のp型電極構造ま
たは半導体発光素子。 - 【請求項7】 前記p型半導体層が、ワイドギャップ2
−6族化合物半導体、ワイドギャップ3−5族化合物半
導体または4族ワイドギャップ半導体からなるものであ
ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の
p型電極構造または半導体発光素子。 - 【請求項8】 前記ワイドギャップ2−6族化合物半導
体が、ZnSe,ZnSSeまたはMgZnSSeであ
り、前記ワイドギャップ3−5族化合物半導体が、Ga
N,AlGaN,InGaN,InGaPまたはInA
lPであり、前記4族ワイドギャップ半導体が、SiC
またはCであることを特徴とする請求項7記載のp型電
極構造または半導体発光素子。
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US08/933,031 US5898190A (en) | 1996-09-18 | 1997-09-18 | P-type electrode structure and a semiconductor light emitting element using the same structure |
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JPH1093134A true JPH1093134A (ja) | 1998-04-10 |
JP2885198B2 JP2885198B2 (ja) | 1999-04-19 |
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JP (1) | JP2885198B2 (ja) |
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