JPH1092509A - 電気コネクタ用ホルダ及びそれを用いた電気コネクタ組立体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のコネクタに変更を加えることなく、同
時に回路基板に取り付けられるホルダの提供。 【解決手段】 ホルダ６０は、それぞれ内面７４にコネ
クタ受容キャビティ７６が画定された１対のホルダ部材
７０、７２からなり、複数のコネクタ１２、１４を保持
してそれらを単一ユニットとして取り扱うことを可能に
する。コネクタ受容キャビティ７６は、その底壁９０及
び側壁８６にコネクタ１２、１４の外表面から突出する
突起３６、４０を受容する開口８８、９２を有する。ホ
ルダ部材７０、７２は、固定ポスト８０及びポスト受容
穴８２によりコネクタ１２、１４の周囲で互いに固定さ
れる。ホルダ部材７０、７２は雌雄同形でもよい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電気コネクタ、特
にシールド（遮蔽）された電気コネクタを保持するホル
ダ及びそれを用いた電気コネクタ組立体に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ハウジ
ング内のプラグ受容キャビティに配置される１列のコン
タクトを有し、回路基板に取付られる電気コネクタが公
知である。コネクタの周囲にはシェル部材が配置されて
おり、このシェル部材は電磁及び高周波干渉（ＥＭＩ／
ＲＭＩ）に対してシールドする。かかるコネクタの１つ
は、プラグコネクタ（型番９５−８０８３−１９−１）
と嵌合するユニバーサルシリアルバスリセプタクルコネ
クタ（型番９５−８０９９−２３−１）としてＡＭＰ社
から販売されている。

【０００３】国際出願ＰＣＴ／ＵＳ９７／０２４９０
は、基板取付型であると共に、同時に１対の相手プラグ
コネクタと嵌合することができる１対のプラグ受容キャ
ビティが形成された電気コネクタを開示する。嵌合イン
タフェース周囲のコネクタ前方部のまわりにはシェル部
材が配置され、このシェル部材は、コンピュータ等の電
子装置の入出力ポートを形成するパネル開口の嵌合イン
タフェースをシールドする。このコネクタにおいて、シ
ールドの一部分は、底壁に沿って設けられているが、ハ
ウジングの底壁によりコネクタの下の回路基板の回路か
ら絶縁されている。というのは、シールド壁部がプラグ
受容キャビティの下のハウジングの水平スロット内に配
置されているからである。

【０００４】米国特許第５，３１４，３５７号公報は、
互いにインタロックすると共に、各々ケーブルコネクタ
を保持する複数のハウジングキャビティを区画する１対
の留め金体を有するコネクタ組立体を開示する。

【０００５】横並びのプラグ受容キャビティを有し、こ
れにより追加のコネクタの製造及び在庫の必要性を無く
した、シールドされたコネクタを使用することが要請さ
れている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る電気コネ
クタ用ホルダは、少なくとも１個の電気コネクタを保持
するホルダであって、１対の絶縁材料製のホルダ部材か
らなり、該１対のホルダ部材の各々は、前記１対のホル
ダ部材が互いに組み合わされる際に協働して少なくとも
１個のコネクタ受容キャビティを形成すると共に前記各
ホルダ部材の前面及び後面に連通する組み合わせ面と、
前記コネクタ受容キャビティの両側に設けられ、前記１
対のホルダ部材が互いに組み合わされる際に協働する固
定部を有するボス出し部と、を具えることを特徴とす
る。

【０００７】請求項２に係る電気コネクタ組立体は、少
なくとも１個の電気コネクタと、該電気コネクタを保持
する１対の絶縁材料製のホルダ部材を有するホルダとか
らなる電気コネクタ組立体であって、前記１対のホルダ
部材の各々は、前記１対のホルダ部材が互いに組み合わ
される際に協働して少なくとも１個のコネクタ受容キャ
ビティを形成すると共に前記各ホルダ部材の前面及び後
面に連通する組み合わせ面と、前記コネクタ受容キャビ
ティの両側に設けられ、前記１対のホルダ部材が互いに
組み合わされる際に協働する固定部を有するボス出し部
とを具え、前記１対のホルダ部材が互いに固定される際
に前記コネクタ受容キャビティ内に前記電気コネクタを
取り囲んで収容することを特徴とする。

【０００８】ホルダは、絶縁材料で成形された、１以上
のコネクタを改造することなくそれらコネクタの周囲に
互いに固定できる１対の対向部分を有し、ホルダ組立体
はコンピュータ等の電子装置の入出力ポート等で回路基
板に取り付けられうる。それら対向部分は異形部品の在
庫を減らすと共に製造コストを最小にするために雌雄同
形であってもよい。それら対向部分は一体の固定手段を
有するのが好ましく、これにより更にコストを低減する
と共に組立を簡単にし、少なくとも２箇所で互いに固定
する。固定する箇所を複数にすると、延長タイプのホル
ダに好適である。

【０００９】本発明は、少なくとも１個の電気コネクタ
を保持するためのホルダに関するものであり、以下を具
備する。即ち、ホルダは１対の絶縁材料製ホルダ部材か
らなり、１対のホルダ部材は協働して少なくとも１個の
コネクタ受容キャビティを形成すると共に前面及び後面
に連通する対向組み合せ面と、コネクタ受容キャビティ
の両側に設けられ、互いに協働する固定部を有するボス
出し部とを具備する。これらの構成により、ホルダ部材
はコネクタ受容キャビティ内に配置されたコネクタの一
部分を取囲むと共に、他の電気装置と電気的に接続する
ためにコネクタの両端面を露出させた状態で互いに固定
し、コネクタの取扱いを容易にするために少なくとも１
個のコネクタを保持するようになっている。

【００１０】本発明は、その一側面では、少なくとも２
個のコネクタを共に固定するために各々単一のプラグ受
容キャビティを並列関係で有するホルダを提供する。こ
れら２個のコネクタは形状が互いに異形でも同形でもよ
いし、現在ＡＭＰ社から販売されているシールドコネク
タであるユニバーサルシリアルバスコネクタ（型番７８
７６１６−１又は７８７６１６−２）等であってもよ
い。

【００１１】本発明の利点は、コネクタのシールド底壁
の下に絶縁物を配置でき、２個のコネクタのシールドの
間に壁を含むことができ、コネクタ組立体の高さを下
げ、そして、２個のコネクタを単一のユニットとして取
扱うことで基板への取付けを容易にすることである。

【００１２】

【発明の好適な実施の形態】以下、添付図面を参照して
本発明の好適実施形態について説明する。図１は、本発
明のホルダ及び１対のシールドされたコネクタの組立体
の斜視図である。図２は、図１の組立体の分解斜視図で
ある。図３は、図１の組立体の右側面図である。

【００１３】これらの図に示されたコネクタ組立体１０
は、ホルダ６０内に取付けられた１対のリセプタクルコ
ネクタ１２、１４を含み、これらコネクタの嵌合面１６
はホルダ６０の共通の前面６２に沿って配置される。ホ
ルダ６０は、図示されているようにコネクタの前方部分
を取囲むのが好ましい。各コネクタは、嵌合面１６から
後方へ延びて相手プラグコネクタ（図示せず）と嵌合す
るプラグ受容キャビティ１８を画定する。コネクタのコ
ンタクト（図３参照）はプラグ受容キャビティ１８内に
露出する接触部を有するが、コネクタの底面２０から垂
下する半田テール部５４を更に有してもよい。半田テー
ル部５４は、ホルダ６０の後面６４の後方のコネクタ後
方部にあり、対応するスルーホール内に挿入されて半田
付けされるか、又は回路基板（図示せず）の対応するパ
ッドに表面実装半田付けされる。

【００１４】各コネクタ１２、１４は、絶縁ハウジング
３０の周囲に配置されプラグ受容キャビティ１８を画定
する上壁２４、底壁２６及び側壁２８を有するシールド
部材２２を具備する。シールド部材２２の壁２４、２
６、２８の前端は、入出力ポートのちょうど内側にコネ
クタ１２、１４の取付けの後にキャビティ入口及びパネ
ル開口の間に残る小さな隙間を効果的に閉塞するため
に、プラグ受容キャビティ１８の入口で外方に向かって
湾曲する短いフランジ３２を有するように形成されるの
が好ましい。

【００１５】図示のシールド部材２２は、側壁２８から
後方かつプラグ受容キャビティ１８内に向かって外向き
に傾斜した自由端３６まで延びて相手プラグコネクタの
外側シールドと係合するシェル係合ばねアーム３４を有
する。また、図示の保持アーム３８は、上壁２４及び底
壁２６から前方かつプラグ受容キャビティ１８内に向か
ってボス出しされた外向きの傾斜自由端４０まで延び、
コネクタの嵌合の際にプラグの外表面の凹部内に着座し
てプラグ及びリセプタクルコネクタの嵌合状態を保持す
る。コネクタの嵌合の際、ばねアーム３４の自由端３６
は、外方に向かって変形し、側壁２８の残余部分を超え
て若干突出する。コネクタが嵌合している間、保持アー
ム３８の自由端４０は、相手プラグコネクタの凹部内に
着座するまでは上壁２４及び底壁２６の残余部分を超え
て外方に突出する。

【００１６】さらに、各シールド部材２２は、コネクタ
の底面即ち基板取付面２０から垂下してホルダ６０の底
面６６を超えて下方に延びる１対の基板取付脚４２を有
する。基板取付脚４２は、回路基板の対応する取付穴内
に受容される。図示のシールド部材２２は、ハウジング
３０のラッチ突起４４がシールド部材２２の各側壁２８
の凹部４６内に着座することにより、ハウジング３０に
固定される。図示のリブ４８は、シールド部材２２の各
側壁２８の溝５０を貫通して外方に突出しているので、
シールド部材２２の保持を補助すると共にシールド部材
２２内でのハウジング３０の方向を安定させる。

【００１７】ホルダ６０は１対のホルダ部材７０、７２
を有する。１対のホルダ部材７０、７２は図示されるよ
うに雌雄同形であることが好ましい。各ホルダ部材７
０、７２は各コネクタ１２のシールド部材２２の前方部
の外表面部に沿い且つ隣接して延びる内面７４を有し、
コネクタ１２、１４のシールド部材２２の上壁２４又は
底壁２６のいずれか一方と各側壁２８の半分とが入るコ
ネクタ受容凹部７６の半分を有する。シールド部材２２
の壁２４、２６、２８の前方端のフランジ３２は、組立
の際にホルダ６０の前面６２の前方に配置される。ホル
ダ６０は、好ましくは雌雄同形であるホルダ部材７０、
７２、即ち、コネクタの周囲を互いに協働して固定する
ようになっている全く同形の２つの部材であるホルダ部
材７０、７２が例示されている。エンボス（ボス出し
部）７８は２つのコネクタ受容凹部７６の間及びホルダ
部材７０、７２の両端に配置されている。

【００１８】各ホルダ部材７０、７２の固定ポスト８０
は、内面（組み合わせ面）７４を超えて延びると共に、
コネクタの周囲で互いに押圧される際に対向するホルダ
部材７２、７０のポスト受容穴８２と協働して圧入係合
する。その結果、ホルダ部材７０、７２は互いを保持し
てホルダ６０を形成する。好ましくは、穴８２は断面六
角形であり、対向する平坦な側壁部間の距離は固定ポス
ト８０の直径より小さい。変形可能なリブ８４がコネク
タ受容キャビティ７６の側壁８６に沿って延びて製造誤
差を吸収すると共に中心位置出しのために組立時にコネ
クタと横方向に干渉係合することが好ましい。一方、ホ
ルダは、コネクタのシールド部材の上壁２４及び底壁２
６にきつく当接した状態で可能な限り互いに接近するよ
うに押圧される。

【００１９】ホルダ部材７０、７２は、さらにコネクタ
１２、１４と相補的になっている。即ち、開口８８が凹
底壁９０に形成され、相手プラグコネクタ（図示せず）
と嵌合している間、プラグコネクタの凹部内に十分に着
座するまでリセプタクルコネクタ１２、１４の保持アー
ム３６の自由端４０を開口８８内に受容する隙間を形成
する。また、窪み９２が凹側壁８６に形成され、コネク
タが嵌合している間、ばねアーム２６の自由端２８を窪
み９２内に受容する。各ホルダは、前方及び後方に対称
的に配置された開口８８及び窪み９２を有するので、好
適には雌雄同形である性質と符合していずれかのホルダ
をホルダ６０の上部又は底部として用いることができ
る。更に、好ましくは各開口対８８の前方及び後方の間
に浅い溝９４が形成され、先端４０から離間した保持ア
ーム３８を溝９４内に受容できる。

【００２０】図３において、コネクタ１２、１４は、フ
ランジ３２がホルダの前面６２に当接することによっ
て、後方の相対移動に抗してホルダ６０内に保持され
る。一方、後面６４は、ハウジング３０の後方部の前面
５２がシェルの底壁２６より低く延びることにより画定
される停止面でハウジング３０に当接する。図示のコネ
クタのコンタクトの半田テール部５４は、回路基板のス
ルーホール内に挿入され半田付けされるために、コネク
タの後方部から垂下する。コネクタは各キャビティの対
向する側壁８６に沿ってリブ８４を潰すことにより、各
キャビティ７６内の中心に保持される。これにより、ホ
ルダ６０は、コネクタが取り付けられる回路基板の穴と
整合した公知の選択された位置でコネクタを維持する。

【００２１】本発明は、非嵌合及び嵌合の両状態でコネ
クタの寸法のみならずコネクタの構造と相補的な少なく
とも１個のコネクタ用のホルダを提供する。このホルダ
は、複数のコネクタを同時に取り扱うこと及び取り付け
ることにおいて便宜を図るために複数のコネクタを収容
できる。もし、複数のコネクタが同形ならば、ホルダ部
材は雌雄同形とすることができる。さらに、ホルダが絶
縁材料製なので、回路基板の回路から隣接するシールド
部材までコネクタのシールド部材を絶縁し、必要なら
ば、コネクタの下の回路基板上に回路を設けることがで
きる。

【００２２】本発明は、必要に応じて種々の変形、変更
が可能である。

【００２３】

【発明の効果】請求項１に係る発明によれば、ホルダを
構成する１対の絶縁材料製のホルダ部材の各々がホルダ
部材の組み合わせの際にコネクタ受容キャビティを形成
する組み合わせ面と固定部とを有するので、コネクタを
変更することなく、１以上のコネクタの周囲に固定でき
る利点がある。また、複数のコネクタを同時に回路基板
に取り付けることができる利点がある。

【００２４】請求項２に係る発明によれば、上記利点の
他に１対のホルダ部材がコネクタの全周を実質的に囲む
ので、ホルダの絶縁材料がコネクタのシールド部材と回
路基板の回路とを絶縁し、コネクタの下の回路基板上に
回路を形成することが可能になる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のホルダ及びコネクタ組立体を示す
斜視図である。

【図２】 図１のコネクタ組立体の分解斜視図であ
る。

【図３】 図１のコネクタ組立体の右側面図である。

【符号の説明】

１０ 電気コネクタ組立体 １２、１４ 電気コネクタ ６０ ホルダ ６２ 前面 ６４ 後面 ７０、７２ ホルダ部材 ７４ 内面（組み合せ面） ７６ コネクタ受容キャビティ ７８ エンボス（ボス出し部） ８０、８２ 固定部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも１個の電気コネクタを保持する
   ホルダであって、 １対の絶縁材料製のホルダ部材からなり、 該１対のホルダ部材の各々は、前記１対のホルダ部材が
   互いに組み合わされる際に協働して少なくとも１個のコ
   ネクタ受容キャビティを形成すると共に前記各ホルダ部
   材の前面及び後面に連通する組み合わせ面と、前記コネ
   クタ受容キャビティの両側に設けられ、前記１対のホル
   ダ部材が互いに組み合わされる際に協働する固定部を有
   するボス出し部と、 を具えることを特徴とする電気コネクタ用ホルダ。
2. 【請求項２】少なくとも１個の電気コネクタと、該電気
   コネクタを保持する１対の絶縁材料製のホルダ部材を有
   するホルダとからなる電気コネクタ組立体であって、 前記１対のホルダ部材の各々は、前記１対のホルダ部材
   が互いに組み合わされる際に協働して少なくとも１個の
   コネクタ受容キャビティを形成すると共に前記各ホルダ
   部材の前面及び後面に連通する組み合わせ面と、前記コ
   ネクタ受容キャビティの両側に設けられ、前記１対のホ
   ルダ部材が互いに組み合わされる際に協働する固定部を
   有するボス出し部とを具え、 前記１対のホルダ部材が互いに固定される際に前記コネ
   クタ受容キャビティ内に前記電気コネクタを取り囲んで
   収容することを特徴とする電気コネクタ組立体。