JPH109128A - 往復動型圧縮機 - Google Patents

往復動型圧縮機

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Publication number
JPH109128A
JPH109128A JP8158314A JP15831496A JPH109128A JP H109128 A JPH109128 A JP H109128A JP 8158314 A JP8158314 A JP 8158314A JP 15831496 A JP15831496 A JP 15831496A JP H109128 A JPH109128 A JP H109128A
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JP
Japan
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dead volume
compression chamber
compression
compression chambers
chambers
Prior art date
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Pending
Application number
JP8158314A
Other languages
English (en)
Inventor
Isato Ikeda
勇人 池田
Naoto Kawamura
川村  尚登
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Automatic Loom Works Ltd filed Critical Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication of JPH109128A publication Critical patent/JPH109128A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気筒数nに対応するトルク変動の回転n次成
分が低減されて、騒音及び振動の発生の少ない往復動型
圧縮機を提供する。 【解決手段】 一対のシリンダブロック内のシリンダボ
ア22a(21a)〜22e(21e)には、両頭ピス
トンを収容して圧縮室を区画する。両頭ピストンの頭部
を所定長さ削り取ることによって、各圧縮室のデッドボ
リュームの値を、大きく2つのグループとなるように変
更する。シリンダボア22a(21a)〜22e(21
e)の配列面内において、少なくとも2室の大デッドボ
リューム圧縮室40b1(39b1)は、連続するよう
に配列する。他の大デッドボリューム圧縮室40b2
(39b2)は、前記少なくとも2室40b1(39b
1)に対して小デッドボリューム圧縮室40a(39
a)を介して配列する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、車両空
調装置に使用される往復動型圧縮機に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種の往復動型圧縮機では、ハウジン
グの内部に駆動シャフトが支持されているとともに、ク
ランク室が形成されている。前記ハウジングの一部を構
成するシリンダブロックには、前記駆動シャフトを囲む
ように複数のシリンダボアが互いに平行に配列されてい
る。そのシリンダボア内にはピストンが往復動可能に収
容されて、圧縮室が区画形成されている。前記駆動シャ
フトには斜板が一体回転可能に装着され、その斜板の回
転に連動して前記ピストンが往復動されて、圧縮室内の
冷媒ガスが圧縮される。
【0003】この圧縮機の運転時には、前記各ピストン
に対しその圧縮動作に伴って圧縮反力が作用する。この
圧縮反力が斜板を介して駆動シャフトに作用し、トルク
変動が発生する。このトルク変動は、駆動シャフト−ク
ラッチ系のねじり振動の加振力となる。ここで、トルク
変動の総和、言い換えれば各圧縮室で発生する圧縮反力
の総和を高速フーリエ変換(FFT)解析すると、0次
からかなり高次にわたる幅広い周波数成分が得られる。
これらの周波数成分の中で主成分となるのが、気筒数n
に対応した回転n次成分である。そして、この回転n次
成分等の周波数が、圧縮機並びにそれに接続される補機
等の固有振動数と近接している場合には、共振現象によ
る騒音が発生して、車室内の騒音レベルを上昇させる原
因となっていた。
【0004】このような問題を解決するために、例えば
実開平1−160180号公報には、揺動斜板式の可変
容量圧縮機において、構造上シリンダボアの配列が不等
となる場合に、一部のシリンダボア内の圧縮室のデッド
ボリュームを変更した構成が開示されている。なお、デ
ッドボリュームとは、ピストンが上死点に達したときに
おける圧縮室の容積のことである。この往復動型圧縮機
では、前記デッドボリュームがピストンの表面を所定長
だけ削り落すことによって形成されている。このデッド
ボリュームが拡大された圧縮室においては、その容積と
圧力との推移曲線が前記のデッドボリュームの拡大に伴
って変更される。そして、その圧縮室で発生する圧縮反
力が緩和されて、揺動斜板に作用する前記圧縮反力の総
和が常に等しくなって、ねじり振動や騒音の発生が低減
されるとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記公報に
は、圧縮機のねじり振動を低減するために、単に一部の
シリンダボアのデッドボリュームを変更することが開示
されているのみである。つまり、駆動シャフトのトルク
変動を対策するための規則性は、何等開示も示唆もなさ
れていない。このため、トルク変動を十分に低減するこ
とができず、騒音及び振動の発生を十分に抑制できない
おそれがあるという問題があった。
【0006】この発明の目的は、ねじり振動の加振力で
あり、気筒数nに対応するトルク変動の回転n次成分が
低減されて、騒音及び振動の発生の少ない往復動型圧縮
機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明では、ハウジングの一部を構
成するシリンダブロックに駆動シャフトを囲むように複
数のシリンダボアを配列し、そのシリンダボア内にピス
トンを往復動可能に収容して圧縮室を区画形成した往復
動型圧縮機において、前記各圧縮室は各々所定のデッド
ボリュームを有してなり、前記シリンダボアの配列面内
における各圧縮室の少なくとも3室は同配列面内におけ
る他の圧縮室より前記デッドボリュームの値を大きく設
定した大デッドボリューム圧縮室のグループを構成する
と共に、前記他の圧縮室を小デッドボリューム圧縮室の
グループとして構成し、前記大デッドボリューム圧縮室
のデッドボリュームの値と前記小デッドボリューム圧縮
室のデッドボリュームの値との差を各デッドボリューム
圧縮室のグループ内におけるデッドボリュームの値の差
より大きく設定すると共に、前記大デッドボリューム圧
縮室の内少なくとも2室は前記シリンダボアの配列方向
に連続するように配列し、他の大デッドボリューム圧縮
室は連続するように配列された前記少なくとも2室に対
して前記小デッドボリューム圧縮室を介して配列したも
のである。
【0008】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の往復動型圧縮機において、前記ハウジングの前記シ
リンダボアの配列方向に連続するように配列された前記
大デッドボリューム圧縮室と対応する位置に外部冷媒回
路からの冷媒ガスの吸入口を設けたものである。
【0009】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の往復動型圧縮機において、前記シリンダボアの配列
方向に連続するように配列された前記大デッドボリュー
ム圧縮室の間に向けて前記吸入口を開口したものであ
る。
【0010】請求項4に記載の発明では、請求項2また
は3に記載の往復動型圧縮機において、前記他の大デッ
ドボリューム圧縮室を前記吸入口から最も離間した位置
に形成したものである。
【0011】請求項5に記載の発明では、請求項1〜4
のいずれかに記載の往復動型圧縮機において、前記大デ
ッドボリューム圧縮室のグループ内における最小デッド
ボリュームの値は、前記小デッドボリューム圧縮室のグ
ループ内における最大デッドボリュームの値の2〜7倍
となるように形成したものである。
【0012】請求項6に記載の発明では、請求項1〜5
のいずれかに記載の往復動型圧縮機において、前記各圧
縮室間における最大デッドボリュームの値と最小デッド
ボリュームの値とは、該最小デッドボリュームを有する
圧縮室の下死点時における容積の1%以上の差をもたせ
たものである。
【0013】請求項7に記載の発明では、請求項1〜6
のいずれかに記載の往復動型圧縮機において、前記各圧
縮室間における最大デッドボリュームの値と最小デッド
ボリュームの値とは、該最小デッドボリュームを有する
圧縮室の下死点時における容積の10%以下の差をもた
せたものである。
【0014】請求項8に記載の発明では、請求項1〜7
のいずれかに記載の往復動型圧縮機において、前記大デ
ッドボリューム圧縮室のグループ内におけるデッドボリ
ュームがそれぞれ異なるように形成したものである。
【0015】請求項9に記載の発明では、請求項1〜8
のいずれかに記載の往復動型圧縮機において、前記シリ
ンダボアを前後対向するように形成するとともに、前記
ピストンを両頭型に構成し、前後両側の各圧縮室に各々
所定のデッドボリュームを形成したものである。
【0016】請求項10に記載の発明では、請求項9に
記載の往復動型圧縮機において、ひとつの両頭型のピス
トンに対してフロント側のデッドボリュームとリヤ側の
デッドボリュームとを同じ大きさに形成したものであ
る。
【0017】請求項11に記載の発明では、請求項1〜
10のいずれかに記載の往復動型圧縮機において、前記
各圧縮室のデッドボリュームを前記ピストンの形状を変
更することにより形成したものである。
【0018】従って、上記のように構成された往復動型
圧縮機では、シリンダボアの配列面(一方のバルブプレ
ートに対応するシリンダボア群を指す)における各圧縮
室が、大デッドボリューム圧縮室と小デッドボリューム
圧縮室との2つのグループに分かれている。そして、大
デッドボリューム圧縮室の内少なくとも2室は前記シリ
ンダボアの配列方向に連続するように配列されている。
そして、他の大デッドボリューム圧縮室は、それらの少
なくとも2室に対して前記小デッドボリューム圧縮室を
介して配列されている。また、外部冷媒回路からハウジ
ング内への冷媒ガスの吸入口が、前記連続配列された大
デッドボリューム圧縮室の間に向けて開口されている。
さらに、前記他の大デッドボリューム圧縮室は前記吸入
口から最も離間した位置に形成されている。
【0019】また、前記2つのグループ内においても、
各圧縮室のデッドボリュームの値がわずかずつ変更され
ている(ここでは同一のデッドボリュームを含む)。こ
のとき、大デッドボリューム圧縮室のグループ内におけ
る最小デッドボリュームは、小デッドボリューム圧縮室
のグループ内における最大のデッドボリュームの2〜7
倍となるように形成されていることが望ましい。
【0020】これらのため、各デッドボリューム圧縮室
のグループ内におけるデッドボリュームの差より大きな
差をもつ大デッドボリューム圧縮室と小デッドボリュー
ム圧縮室との2つのグループにおいて、それらの圧縮室
内の容積と圧力との推移曲線が大きく変更される。しか
も、大デッドボリューム圧縮室のグループ内において
も、その吸入口との位置関係に相違があって、各大デッ
ドボリューム圧縮室内の容積と圧力との推移曲線が微妙
に変更される。つまり、各圧縮室で発生する圧縮反力に
基づくトルク変動がそれぞれ異なったものとなる。そし
て、前記トルク変動の総和の高速フーリエ変換解析によ
り得られる気筒数nに対応した回転n次成分が、各圧縮
室のデッドボリュームの変更を行わない場合に比べて低
減される。
【0021】ところで、圧縮機を構成する各部品の製造
誤差はそれぞれ異なっており、全ての製品において組み
付け公差を同じにすることは困難である。これに対し
て、上記のように構成された往復動型圧縮機では、最大
デッドボリュームの値と最小デッドボリュームの値との
間には、最小デッドボリュームを有する圧縮室の下死点
時における容積(以下、基準吸入容積とする)の1%以
上で10%以下の範囲内に相当する差が存在している。
このデッドボリュームの拡大量は、各部品の加工精度か
ら最大限に見積った組み付け公差によるデッドボリュー
ムの変動量を十分上回るとともに、圧縮機の圧縮効率を
極端に低下させないものとなっている。このため、各部
品の製造誤差に関わらず前記デッドボリュームの変更が
確保されるとともに、前記デッドボリュームの変更によ
る圧縮機の圧縮性能の低下を低く抑えることができる。
【0022】さらに、上記のように構成された両頭ピス
トン式圧縮機では、前記のようなデッドボリュームの変
更に加えて、同一の両頭ピストンに対しては、そのフロ
ント側のデッドボリュームとリヤ側のデッドボリューム
とが同じ大きさとなるように形成されている。この両頭
ピストン式圧縮機における圧縮反力の位相は、フロント
側の総和とリヤ側の総和との間で180゜のずれが存在
している。ここで、ねじり振動の加振力となるトルク変
動の気筒数nに対応した回転n次成分は、両頭ピストン
式圧縮機では偶数次成分となる。この偶数次成分は、そ
の位相が駆動シャフトの1回転に相当する時間内に同一
変位を偶数回繰り返すものとなっている。このため、回
転n次成分のフロント側の総和とリヤ側の総和とは、位
相が一致して重畳される。
【0023】しかし、前記のようにデッドボリュームの
変更を行うことによって、回転n次成分のフロント側の
総和及びリヤ側の総和がそれぞれ低減される。そして、
そのフロント側の総和とリヤ側の総和とが重畳された圧
縮機全体の回転n次成分も低減される。しかも、回転n
/2次成分が奇数次成分となっても、その奇数次成分は
駆動シャフトの1回転に相当する時間内に同一変位を奇
数回繰り返すものであり、フロント側とリヤ側とでその
波形が互いに反転した状態となる。このため、その回転
n/2次成分は同一のピストンのフロント側とリヤ側と
で互いに打ち消し合って消滅する。
【0024】しかも、上記のように構成された両頭ピス
トン式圧縮機では、各圧縮室のデッドボリュームの設定
が、ピストンの形状を変更することによって行われてい
る。このため、デッドボリュームの設定において、その
設定値の許容幅を大きくすることができて、各圧縮室の
デッドボリュームの変更を確保することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)以下に、この発明を10気筒タイプ
の両頭ピストン式圧縮機に具体化した第1の実施形態に
ついて、図1〜図10に基づいて説明する。
【0026】図1に示すように、フロント側のシリンダ
ブロック21とリヤ側のシリンダブロック22とは、中
央部において接合されている。シリンダブロック21の
フロント側端面にはバルブプレート23を介してフロン
トハウジング25が、シリンダブロック22のリヤ側端
面にはバルブプレート24を介してリヤハウジング26
が、それぞれ接合されている。
【0027】前記シリンダブロック21(22)とバル
ブプレート23(24)との間には、吸入弁27a(2
8a)を形成する吸入弁形成板27(28)が介在され
ている。バルブプレート23(24)とフロント(リ
ヤ)ハウジング25(26)との間には、吐出弁29a
(30a)を形成する吐出弁形成板29(30)が介在
されている。吐出弁形成板29(30)とフロント(リ
ヤ)ハウジング25(26)との間には、前記吐出弁2
9a(30a)の最大開口を規制するリテーナプレート
31(32)が介在されている。
【0028】前記シリンダブロック21、22、フロン
トハウジング25、リヤハウジング26、バルブプレー
ト23、24、吸入弁形成板27、28及び吐出弁形成
板29、30は、複数の通しボルト33により互いに締
付固定されて、圧縮機のハウジングが形成されている。
【0029】前記フロントハウジング25及びリヤハウ
ジング26内の外周には吐出室34、35が形成され、
中心側には吸入室36、37が区画形成されている。図
1〜図3に示すように、前記シリンダブロック21、2
2には、複数のシリンダボア21a〜21e、22a〜
22eが互いに平行をなすように貫通形成され、それら
の内部には両頭ピストン38が挿入されている。ここ
で、この実施形態の圧縮機は、5本の両頭ピストン38
を備えた10気筒タイプの往復動型圧縮機となってい
る。なお、図3は、後述する斜板44、スラストベアリ
ング47及びピストン38を省略した図となっている。
【0030】前記シリンダボア21a〜21e、22a
〜22e内には、前後一対の圧縮室39、40が区画形
成される。この圧縮室39、40は、バルブプレート2
3、24に形成された吸入ポート23a、24aを介し
て吸入室36、37に、また、同様にバルブプレート2
3、24に形成された吐出ポート23b、24bを介し
て吐出室34、35に連通されている。
【0031】前記両シリンダブロック21、22の中央
部には、クランク室41が形成されている。両シリンダ
ブロック21、22の軸孔21g、22gには、駆動シ
ャフト42が一対のラジアルベアリング43を介して回
転可能に支持されている。この駆動シャフト42は、図
示しないクラッチを介して車両エンジン等の外部駆動源
により回転される。前記駆動シャフト42の中間外周部
には、カムプレートとしての斜板44が嵌合固定されて
いる。この斜板44には、前記両頭ピストン38がシュ
ー45、46を介して係留され、斜板44の回転により
両頭ピストン38が駆動シャフト42を囲むように配置
されたシリンダボア21a〜21e、22a〜22e内
で往復動される。
【0032】前記斜板44のボス部44aは、スラスト
ベアリング47、48を介して前記クランク室41を形
成するシリンダブロック21、22の前後両側壁面に支
持されている。
【0033】前記クランク室41は、シリンダブロック
21、22に形成した吸入通路49、50により吸入室
36、37と連通されている。クランク室41は、シリ
ンダブロック22に形成した吸入口51を介して、図示
しない外部冷媒回路に接続されている。さらに、前記吐
出室34、35は、バルブプレート23、24及びシリ
ンダブロック21、22に形成した吐出通路52、5
3、及び、シリンダブロック22に形成した吐出口54
を介して外部冷媒回路に接続されている。
【0034】さて、この実施形態においては、前記各シ
リンダボア21a〜21e、22a〜22eは、いずれ
もその内径が同一に形成されている。そして、シリンダ
ボア21a、21b、21d、22a、22b、22d
内に収容されている3つの両頭ピストン38のフロント
側及びリヤ側の頭部は、所定の長さだけ削り取られてい
る。従って、各ピストン38が上死点位置に達したとき
において、ピストン38の頭部端面とシリンダボア21
a〜21e、22a〜22eの外端面との間の距離(い
わゆるトップクリアランス)が、シリンダボア21a〜
21e、22a〜22eの配列面内(フロント側なら2
1a〜21eのみ、リヤ側なら22a〜22eのみ)に
おいて、ピストン38の頭部を削り取ったグループと削
り取らないグループとの間で異なる。これにより、各圧
縮室39、40内のデッドボリュームが、大小2つの異
なった値に設定されている。ここで、デッドボリューム
とは、ピストン38が上死点位置に達したときにおける
圧縮室39、40の容積のことである。
【0035】また、図3に示すように、前記吸入口51
は、シリンダボア21a〜21eの配列方向に連続する
ように配列された2つのシリンダボア21a、21bの
間に向かって開口されている。
【0036】ここで、リヤ側の各圧縮室40のデッドボ
リュームについて説明する。図2及び図4に示すよう
に、シリンダボア22c、22eには、頭部が削り取ら
れていない両頭ピストン38が収容されており、圧縮室
40のデッドボリュームが小さくなっている。つまり、
シリンダボア22c、22e内には、デッドボリューム
の値が小さく設定された小デッドボリューム圧縮室40
a(他の圧縮室)が形成されている。また、シリンダボ
ア22a、22b、22dには、頭部が削り取られた両
頭ピストン38が収容されており、圧縮室40のデッド
ボリュームが大きくなっている。つまり、シリンダボア
22a、22b、22dには、デッドボリュームの値が
大きく設定された大デッドボリューム圧縮室40bが形
成されている。そして、各シリンダボア22a〜22e
内の圧縮室40が、大デッドボリューム圧縮室40bの
グループと、小デッドボリューム圧縮室40aのグルー
プとに、区分される。
【0037】また、前記大デッドボリューム圧縮室40
bの内2室、ここではシリンダボア22a、22b内の
第1の大デッドボリューム圧縮室40b1は、シリンダ
ボア22a〜22eの配列方向に連続するように配列さ
れている。このシリンダボア22a〜22eの配列方向
に連続配列された第1の大デッドボリューム圧縮室40
b1の間に向かって、吸入口51を介して外部冷媒回路
から冷媒ガスが流入するようになっている。そして、前
記大デッドボリューム圧縮室40bの内他の1室、ここ
ではシリンダボア22d内の第2の大デッドボリューム
圧縮室40b2は、前記第1の大デッドボリューム圧縮
室40b1に対してシリンダボア22c、22e内の小
デッドボリューム圧縮室40aを介するように配列され
ている。この第2の大デッドボリューム圧縮室40b2
は、前記吸入口51に対して最も離間した位置となる。
【0038】また、前記大デッドボリューム圧縮室40
bのデッドボリュームの値と、小デッドボリューム圧縮
室40aのデッドボリュームの値との差は、各グループ
内におけるデッドボリュームの値の差より大きくなるよ
うに設定されている。この実施形態では、大デッドボリ
ューム圧縮室40bのデッドボリューム間には差がな
く、同様に小デッドボリューム圧縮室40aのデッドボ
リューム間にも差がない。そして、大デッドボリューム
圧縮室40bのグループ内における最小デッドボリュー
ム(3つとも同じ)は、小デッドボリューム圧縮室40
aの最大デッドボリューム(2つとも同じ)の2〜7
倍、好ましくは2.5〜6倍、さらに好ましくは3〜
5.5倍となるように設定されている。
【0039】さらに、前記各圧縮室40間において、最
大デッドボリュームの値と最小デッドボリュームの値と
の間には、最小デッドボリュームを有する圧縮室40の
下死点時における容積(以下、基準吸入容積とする)を
基準として、1%以上で10%以下の範囲内に相当する
差が存在するように設定される。なお、この設定値は3
〜7%の範囲内が好ましく、3.5〜5.5%の範囲内
がさらに好ましい。この実施形態の圧縮機では、前記基
準吸入容積を例えば20ccとして、大デッドボリュー
ム圧縮室40bにおいては、小デッドボリューム圧縮室
40aに比べて、デッドボリュームが例えば0.8cc
拡大されている。このデッドボリュームの変更量は、前
記基準吸入容積の4%に相当する。
【0040】しかも、前記両頭ピストン38は、そのフ
ロント側及びリヤ側の削り取り量が同一となるように形
成されている。このため、ひとつの両頭ピストン38に
対してそのフロント側の圧縮室39のデッドボリューム
と、リヤ側の圧縮室40のデッドボリュームとが、同じ
大きさとなっている。言い換えると、両頭ピストン38
を介して駆動シャフト42の軸線方向に対向するシリン
ダボア21a内の圧縮室39と、シリンダボア22a内
の圧縮室40とは、同一の大きさのデッドボリュームと
なるように設定されている。同様に、シリンダボア21
bと22b、21cと22c、21dと22d、21e
と22eとにおいても、それぞれの圧縮室39と圧縮室
40とのデッドボリュームは同一の大きさとなってい
る。従って、フロント側の大デッドボリューム圧縮室3
9b及び小デッドボリューム圧縮室39aの配置は、リ
ヤ側の大デッドボリューム圧縮室40b及び小デッドボ
リューム圧縮室40aの配置と駆動シャフト42の回転
方向において同じになる。
【0041】次に、前記のように構成した往復動型圧縮
機について動作について説明する。車両エンジン等の外
部駆動源により駆動シャフト42が回転されると、クラ
ンク室41内の斜板44が回転され、シュー45、46
を介して複数の両頭ピストン38がシリンダボア21a
〜21e、22a〜22e内で往復動される。この両頭
ピストン38の運動により、図示しない外部冷媒回路か
ら吸入口51を経てクランク室41に導かれた冷媒ガス
は、クランク室41から吸入通路49、50を経て吸入
室36、37に導かれる。両頭ピストン38が上死点か
ら下死点に向かう再膨張・吸入行程においては、圧縮室
39、40の圧力低下に伴い吸入弁27a、28aが開
放され、吸入室36、37内の冷媒ガスは、吸入ポート
23a、24aを通って圧縮室39、40内に吸入され
る。
【0042】次に、両頭ピストン38が下死点から上死
点に向かう圧縮・吐出行程においては、圧縮室39、4
0内の冷媒ガスは圧縮される。そして、冷媒ガスが所定
の圧力に達すると、高圧の圧縮冷媒ガスが吐出弁29
a、30aを押し退けて、吐出ポート23b、24bを
経て吐出室34、35に吐出される。さらに、吐出室3
4、35内の圧縮冷媒ガスは、吐出通路52、53及び
吐出口54を経て外部冷媒回路をなす凝縮器、膨張弁、
蒸発器に供給され、車両室内の空調に供される。
【0043】さて、図10に示すように、デッドボリュ
ームが均一の10気筒タイプの両頭ピストン式圧縮機に
おいては、各圧縮室39、40の圧縮反力の位相は、フ
ロント側の総和とリヤ側の総和とで180゜ずれたもの
となる。ここで、各圧縮室39、40の圧縮反力の総和
の高速フーリエ変換解析によって得られる回転n次成分
としての回転10次成分は、駆動シャフト42の1回転
分の時間において同一変位を10回つまり偶数回繰り返
す規則正しい波形を有している。このため、回転10次
成分のフロント側の総和の位相とリヤ側の総和の位相と
が一致し、各圧縮室の圧縮反力に由来するトルク変動の
回転10次成分は完全に重畳されて、駆動シャフト42
と図示しないクラッチとの間のねじり振動の加振力の主
成分となる。
【0044】この場合、回転n/2次成分としての回転
5次成分は、駆動シャフト42の1回転分の時間におい
て同一変位を5回つまり奇数回繰り返すものとなってい
る。この回転5次成分は、フロント側の総和とリヤ側の
総和との間に180゜の位相のずれがあり、互いに打ち
消し合っている。
【0045】ここで、前記回転10次成分を低減するた
めに、両頭ピストン38のフロント側とリヤ側とでデッ
ドボリュームを異ならせた場合には、図9に示すよう
に、回転10次成分は、フロント側の総和とリヤ側の総
和とで位相にずれが生じて低減される。ところが、回転
5次成分も回転10次成分と同様にフロント側とリヤ側
とで位相のずれが生じて、新たに重畳部分が発生する。
このため、トルク変動の回転5次成分が新たな騒音の発
生要因となることがある。
【0046】これに対して、この実施形態の圧縮機で
は、フロント側及びリヤ側において、各圧縮室39、4
0のデッドボリュームの値が大きく2つのグループをな
すように変更されている。そして、前述のように、各シ
リンダボア21a〜21e、22a〜22eの配列面内
において、大デッドボリューム圧縮室39b、40bと
小デッドボリューム圧縮室39a、40aとが配列され
ている。この各圧縮室39、40のデッドボリュームの
変更に伴って、それらの圧縮室39、40の容積と圧力
との推移の曲線がそれぞれ大きく異なったものとなる。
すなわち、図5に示すように、デッドボリュームが小さ
いものと、デッドボリュームが大きいものとの間では、
再膨張行程及び圧縮行程において、圧縮室39、40内
の圧力変化のタイミングに差が生じる。また、圧縮行程
における過圧縮時の圧力についても差が生じる。
【0047】しかも、大デッドボリューム圧縮室39
b、40bのグループ内においても、吸入口51との位
置関係が相違する2種類の大デッドボリューム圧縮室3
9b、40bに分けられている。つまり、吸入口51に
近接した第1の大デッドボリューム圧縮室39b1、4
0b1と、吸入口51と最も離間した第2のデッドボリ
ューム圧縮室39b2、40b2とに分けられている。
このため、各大デッドボリューム圧縮室39b、40b
内の容積と圧力との推移曲線がさらに微妙に変更され
る。
【0048】これにより、図6に示すように、デッドボ
リュームが小さいものと、デッドボリュームが大きいも
のとの間では、1つの圧縮室39、40あたりの圧縮ト
ルクの推移曲線において、トルクのピーク位置に差が生
じる。このため、図7に示すように、10個分の圧縮室
39、40の圧縮トルクを重畳した圧縮機全体の圧縮ト
ルクについては、デッドボリュームを変更しない場合に
比べて、デッドボリュームを変更した場合には、トルク
変動の曲線の規則性が失われるとともに、全体のレベル
が低下する。従って、図8に示すように、圧縮反力の総
和の高速フーリエ変換解析により得られる気筒数に対応
したトルク変動の回転10次成分が低減される。
【0049】ところで、一般に圧縮機を構成する各部品
の製造誤差はそれぞれ異なっており、全ての製品におい
て組み付け公差を同じくすることは困難である。この組
み付け公差によるデッドボリュームの変動量は、各部品
の加工精度から最大に見積ったとしても、前記基準吸入
容積に対して1%に満たない程度のものである。これに
対して、この実施形態の圧縮機では、前記最大デッドボ
リュームの値と最小デッドボリュームの値との間に、基
準吸入容積の4%に相当する差が存在している。このた
め、前記の組み付け公差を考慮しても、前記デッドボリ
ュームの変更が確保される。また、この程度のデッドボ
リュームの拡大量は、圧縮機の圧縮効率を極端に低下さ
せないものである。
【0050】さらに、ひとつの両頭ピストン38のフロ
ント側の圧縮室39とリヤ側の圧縮室40とのデッドボ
リュームが同一となるように形成されている。このた
め、回転5次成分は、そのフロント側の総和とリヤ側の
総和との間に180゜の位相のずれが保たれたままとな
って、互いに打ち消し合って消滅する。
【0051】以上のように構成されたこの実施形態によ
れば、以下の優れた効果を奏する。 (a) フロント側及びリヤ側において、それぞれ各圧
縮室39、40のデッドボリュームの値が、大きく2つ
のグループをなすように変更されている。大デッドボリ
ューム圧縮室39b、40bの内2室、つまり第1の大
デッドボリューム圧縮室39b1、40b1は、シリン
ダブロック21a〜21e、22a〜22e配列方向に
連続するように配置されている。他の大デッドボリュー
ム圧縮室39b、40b、つまり第2の大デッドボリュ
ーム圧縮室39b2、40b2は、前記第1の大デッド
ボリューム圧縮室39b1、40b1に対して、小デッ
ドボリューム圧縮室39a、40aを介して配列されて
いる。これによって、10気筒タイプの両頭ピストン式
圧縮機において、ねじり振動の加振力となるトルク変動
の主成分である回転10次成分が低減される。従って、
前記ねじり振動によって、圧縮機並びにそれに接続され
る補機等の共振現象による騒音の発生が低減されて、車
室内の騒音レベルが低下される。
【0052】(b) 第1の大デッドボリューム圧縮室
39b1、40b1の間に向かって、吸入口51が開口
されている。一方、第2のデッドボリューム圧縮室39
b2、40b2は、吸入口51に対して最も離間した位
置に配置されている。従って、各大デッドボリューム圧
縮室39b、40b内の容積と圧力との推移曲線がさら
に微妙に変更されて、前記回転10次成分がさらに低減
される。
【0053】(c) 大デッドボリューム圧縮室39
b、40bのデッドボリュームの値と、小デッドボリュ
ーム圧縮室39a、40aのデッドボリュームの値との
差が、各デッドボリューム圧縮室のグループ内における
デッドボリュームの値の差より大きくなるように設定さ
れている。そして、大デッドボリューム圧縮室39b、
40bのデッドボリュームは、小デッドボリューム圧縮
室39a、40aのデッドボリュームの2〜7倍、好ま
しくは2.5〜6倍、さらに好ましくは3〜5.5倍と
なるように形成されている。さらに、最大デッドボリュ
ームの値と最小デッドボリュームの値との差が、最小デ
ッドボリュームを有する小デッドボリューム圧縮室39
a、40aにおける基準吸入容積の4%に相当するよう
に形成されている。従って、この実施形態の圧縮機で
は、組み付け公差を考慮しても、各圧縮室39、40の
デッドボリュームの変更が確保されるとともに、そのデ
ッドボリュームの変更による圧縮機の圧縮性能の低下を
低く抑えることができる。
【0054】(d) ひとつの両頭ピストン38のフロ
ント側の圧縮室39とリヤ側の圧縮室40とのデッドボ
リュームが同一となるように形成されている。このた
め、回転5次成分は、そのフロント側の総和とリヤ側の
総和とが互いに打ち消し合って、消滅する。従って、前
記(a)項及び(b)項の効果とあいまって、トルク変
動の回転10次成分を低減しつつ、回転5次成分の発生
を抑制することができる。
【0055】(e) 大デッドボリューム圧縮室39
b、40bのデッドボリュームの設定が、両頭ピストン
38の両端面を削り取ることによって行われている。こ
のため、デッドボリュームの設定において、その設定値
の許容幅を大きくすることができて、各圧縮室39、4
0のデッドボリュームの変更を容易に確保することがで
きる。
【0056】(第2の実施形態)次に、この発明を12
気筒タイプの両頭ピストン式圧縮機に具体化した第2の
実施形態について、図11に基づいて説明する。なお、
リヤ側のシリンダボア22a〜22fの圧縮室40につ
いてのみ説明する。ここで、フロント側の各圧縮室39
は、駆動シャフト42の回転方向に対してリヤ側の各圧
縮室40の配置と同様になっている。
【0057】この第2の実施形態においては、シリンダ
ボア22c、22f内には、デッドボリュームの値が小
さく設定された小デッドボリューム圧縮室40aが形成
されている。また、シリンダボア22a、22b、22
d、22eには、デッドボリュームの値が大きく設定さ
れた大デッドボリューム圧縮室40bが形成されてい
る。つまり、前記大デッドボリューム圧縮室40bの内
2室、ここではシリンダボア22a、22b内の第1の
大デッドボリューム圧縮室40b1が、シリンダボア2
2a〜22fの配列方向に連続するように配列されてい
る。また、前記大デッドボリューム圧縮室40bの内他
の2室、ここではシリンダボア22d、22e内の第2
の大デッドボリューム圧縮室40b2は、前記第1の大
デッドボリューム圧縮室40b1に対してシリンダボア
22c、22f内の小デッドボリューム圧縮室40aを
介するように配列されている。つまり、第2の大デッド
ボリューム圧縮室40b2も、シリンダボア22a〜2
2fの配列方向に連続するように配列されている。そし
て、各シリンダボア22a〜22f内の圧縮室40が、
大デッドボリューム圧縮室40bのグループと、小デッ
ドボリューム圧縮室40aのグループとに、区分され
る。
【0058】また、このシリンダボア22a〜22fの
配列方向に連続配列された第1の大デッドボリューム圧
縮室40b1の間に向かって、吸入口51を介して外部
冷媒回路から冷媒ガスが流入するようになっている。
【0059】このように構成しても、前記第1の実施形
態とほぼ同様な作用及び効果が得られる。 (第3の実施形態)次に、この発明を前記第2の実施形
態と同様に、12気筒タイプの両頭ピストン式圧縮機に
具体化した第3の実施形態について、図12に基づいて
説明する。なお、リヤ側のシリンダボア22a〜22f
の圧縮室40についてのみ説明する。ここで、フロント
側の各圧縮室39は、駆動シャフト42の回転方向に対
してリヤ側の各圧縮室40の配置と同様になっている。
【0060】この第3の実施形態においては、シリンダ
ボア22d、22f内には、デッドボリュームの値が小
さく設定された小デッドボリューム圧縮室40aが形成
されている。また、シリンダボア22a、22b、22
c、22eには、デッドボリュームの値が大きく設定さ
れた大デッドボリューム圧縮室40bが形成されてい
る。つまり、前記大デッドボリューム圧縮室40bの内
3室、ここではシリンダボア22a〜22c内の第1の
大デッドボリューム圧縮室40b1は、シリンダボア2
2a〜22fの配列方向に連続するように配列されてい
る。また、前記大デッドボリューム圧縮室40bの内他
の1室、ここではシリンダボア22e内の第2の大デッ
ドボリューム圧縮室40b2は、前記第1の大デッドボ
リューム圧縮室40b1に対してシリンダボア22d、
22f内の小デッドボリューム圧縮室40aを介するよ
うに配列されている。そして、各シリンダボア22a〜
22f内の圧縮室40が、大デッドボリューム圧縮室4
0bのグループと、小デッドボリューム圧縮室40aの
グループとに、区分される。
【0061】また、このシリンダボア22a〜22fの
配列方向に連続配列された第1の大デッドボリューム圧
縮室40b1の内、シリンダボア22aと22bとのの
間に向かって、吸入口51を介して外部冷媒回路から冷
媒ガスが流入するようになっている。
【0062】このように構成しても、前記第1の実施形
態とほぼ同様な作用及び効果が得られる。なお、この発
明は以下のように変更して具体化することもできる。
【0063】(1) 各圧縮室39、40のデッドボリ
ュームの変更を、両頭ピストン38の頭部に凹部を設け
て行うこと。 (2) 各圧縮室39、40のデッドボリュームの変更
を、両頭ピストン38の頭部に溝を設けて行うこと。
【0064】(3) 各圧縮室39、40のデッドボリ
ュームの変更を、シリンダボア21a〜21f、22a
〜22fの内周面に切欠部を設けて行うこと。 (4) 各圧縮室39、40のデッドボリュームの変更
を、シリンダボア21a〜21f、22a〜22fの長
さをそれぞれ変更して行うこと。
【0065】(5) 各圧縮室39、40のデッドボリ
ュームの変更を、バルブプレート23、24の板厚を変
更して行うこと。 (6) 各圧縮室39、40のデッドボリュームの変更
を、吸入弁27a、28aの板厚を変更して行うこと。
【0066】以上の(1)〜(6)のように構成して
も、簡単な構成で各圧縮室39、40のデッドボリュー
ムを変更できる。 (7) この発明を前記実施形態に記載以外の気筒数、
例えば6、8気筒の両頭ピストン式圧縮機において具体
化すること。
【0067】(8) フロント側及びリヤ側において、
大デッドボリューム圧縮室39b、40bのデッドボリ
ュームの値を、複数種類に変更して、あるいは、それぞ
れ異なるように形成すること。なお、このデッドボリュ
ームの変更は、任意に設定されたものであっても、ピス
トン38他の各部品の製作公差によって自動的に設定さ
れたものであってもよい。
【0068】(9) デッドボリュームの最小値と最大
値の差を、基準吸入容積の1%を下限とするとともに1
0%を上限として変更すること。 (10) 前記基準吸入容積を、前記各実施形態に記載
以外の値に設定すること。
【0069】以上の(7)〜(10)のように構成して
も、気筒数nに対応する回転n次成分を低減しつつ、回
転n/2次成分が奇数次成分である場合その発生を抑制
することができる。
【0070】(11) 2種類以上のデッドボリューム
の変更を、フロント側の各圧縮室39あるいはリヤ側の
各圧縮室40のどちらか一方のみにおいて行うこと。 (12) この発明を片頭ピストン式圧縮機において具
体化すること。
【0071】以上の(11)及び(12)のように構成
しても、気筒数nに対応する回転n次成分を低減するこ
とができる。 (13) この発明をウェーブカムプレートタイプの往
復動型圧縮機において具体化すること。
【0072】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれば
以下の優れた効果を奏する。シリンダボアの配列面内に
おける各圧縮室のデッドボリュームが、大きく2つのグ
ループをなすように変更されている。大デッドボリュー
ム圧縮室の内少なくとも2室は、前記シリンダボアの配
列方向に連続するように配列されている。そして、他の
大デッドボリューム圧縮室は、それらの少なくとも2室
に対して前記小デッドボリューム圧縮室を介して配列さ
れている。また、外部冷媒回路からハウジング内への冷
媒ガスの吸入口が、前記連続配列された大デッドボリュ
ーム圧縮室の間に向けて開口されている。さらに、前記
他の大デッドボリューム圧縮室は前記吸入口から最も離
間した位置に形成されている。従って、気筒数nに対応
したトルク変動の回転n次成分が大きく低減されて、駆
動シャフト−クラッチ系のねじり振動の加振力が抑制さ
れる。そして、圧縮機並びにそれに接続される補機にお
いて、前記ねじり振動によって励起される共振現象が低
減されて、車室内の騒音レベルを低下させることができ
る。
【0073】また、大デッドボリューム圧縮室のグルー
プ内における最小デッドボリュームの値は、小デッドボ
リューム圧縮室のグループ内における最大のデッドボリ
ュームの値の2〜7倍に形成されている。しかも、各圧
縮室の最大デッドボリュームの値と最小デッドボリュー
ムの値とは、基準吸入容積に対して1%以上で10%以
下の範囲内の差が存在している。このため、組み付け公
差を考慮しても、前記デッドボリュームの変更を確保す
ることができる。
【0074】さらに、両頭ピストン式圧縮機において
は、ひとつのピストンに対してフロント側のデッドボリ
ュームとリヤ側のデッドボリュームとは、同じ大きさと
なるように構成されている。このため、気筒数がnであ
る場合の回転n/2次成分は、ひとつのピストンのフロ
ント側とリヤ側とで互いに打ち消し合って消滅する。従
って、前記の発明の効果とあいまって、気筒数nに対応
する回転n次成分を低減しつつ、回転n/2次成分の発
生を抑制することができる。そして、回転n次成分対策
による新たな振動発生要因の発生が防止される。
【0075】しかも、大デッドボリューム圧縮室のデッ
ドボリュームの設定が、ピストンの形状を変更すること
によって行われている。このため、デッドボリュームの
設定において、その設定値の許容幅を大きくすることが
できて、各圧縮室のデッドボリュームの変更を確保する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の往復動型圧縮機を示す断面
図。
【図2】 図1の2−2線における断面図。
【図3】 図1の一部の部材を省略した状態での3−3
線における断面図。
【図4】 (a)はフロント側、(b)はリヤ側の各圧
縮室のデッドボリュームの変更に関する説明図。
【図5】 シャフト回転角とボア内圧力との関係を示す
説明図。
【図6】 シャフト回転角と1圧縮室あたりの圧縮トル
クとの関係を示す説明図。
【図7】 シャフト回転角と10圧縮室重畳した圧縮機
全体の圧縮トルクとの関係を示す説明図。
【図8】 圧縮トルクの次数成分に関する説明図。
【図9】 回転10次成分の低減と回転5次成分の変化
を示す説明図。
【図10】 (a)は回転5次成分の、(b)は回転1
0次成分のフロント側の総和とリヤ側の総和との重畳現
象に関する説明図。
【図11】 第2の実施形態の往復動型圧縮機の各圧縮
室のデッドボリュームの変更に関する説明図。
【図12】 第3の実施形態の往復動型圧縮機の各圧縮
室のデッドボリュームの変更に関する説明図。
【符号の説明】
21、22…ハウジングの一部を構成するシリンダブロ
ック、21a〜21f、22a〜22f…シリンダボ
ア、25…ハウジングの一部を構成するフロントハウジ
ング、26…ハウジングの一部を構成するリヤハウジン
グ、38…両頭ピストン、39、40…圧縮室、39
a、40a…小デッドボリューム圧縮室、39b、40
b…大デッドボリューム圧縮室、39b1、40b1…
連続するように配列された大デッドボリューム圧縮室と
しての第1の大デッドボリューム圧縮室、39b2、4
0b2…他の大デッドボリューム圧縮室としての第2の
大デッドボリューム圧縮室、41…クランク室、42…
駆動シャフト、44…カムプレートとしての斜板、51
…吸入口。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングの内部に駆動シャフトを支持
    するとともに、クランク室を形成し、前記ハウジングの
    一部を構成するシリンダブロックには前記駆動シャフト
    を囲むように複数のシリンダボアを配列し、そのシリン
    ダボア内にピストンを往復動可能に収容して圧縮室を区
    画形成し、前記駆動シャフトにはカムプレートを一体回
    転可能に装着し、そのカムプレートの回転に連動して前
    記ピストンを往復動させて、冷媒ガスを圧縮するように
    した往復動型圧縮機において、 前記各圧縮室は各々所定のデッドボリュームを有してな
    り、前記シリンダボアの配列面内における各圧縮室の少
    なくとも3室は同配列面内における他の圧縮室より前記
    デッドボリュームの値を大きく設定した大デッドボリュ
    ーム圧縮室のグループを構成すると共に、前記他の圧縮
    室を小デッドボリューム圧縮室のグループとして構成
    し、前記大デッドボリューム圧縮室のデッドボリューム
    の値と前記小デッドボリューム圧縮室のデッドボリュー
    ムの値との差を各デッドボリューム圧縮室のグループ内
    におけるデッドボリュームの値の差より大きく設定する
    と共に、前記大デッドボリューム圧縮室の内少なくとも
    2室は前記シリンダボアの配列方向に連続するように配
    列し、他の大デッドボリューム圧縮室は連続するように
    配列された前記少なくとも2室に対して前記小デッドボ
    リューム圧縮室を介して配列したことを特徴とする往復
    動型圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記ハウジングの前記シリンダボアの配
    列方向に連続するように配列された前記大デッドボリュ
    ーム圧縮室と対応する位置に外部冷媒回路からの冷媒ガ
    スの吸入口を設けたことを特徴とする請求項1に記載の
    往復動型圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記シリンダボアの配列方向に連続する
    ように配列された前記大デッドボリューム圧縮室の間に
    向けて前記吸入口を開口したことを特徴とする請求項2
    に記載の往復動型圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記他の大デッドボリューム圧縮室を前
    記吸入口から最も離間した位置に形成したことを特徴と
    する請求項2または3に記載の往復動型圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記大デッドボリューム圧縮室のグルー
    プ内における最小デッドボリュームの値は、前記小デッ
    ドボリューム圧縮室のグループ内における最大デッドボ
    リュームの値の2〜7倍となるように形成したことを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の往復動型圧縮
    機。
  6. 【請求項6】 前記各圧縮室間における最大デッドボリ
    ュームの値と最小デッドボリュームの値とは、該最小デ
    ッドボリュームを有する圧縮室の下死点時における容積
    の1%以上の差をもたせたことを特徴とする請求項1〜
    5のいずれかに記載の往復動型圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記各圧縮室間における最大デッドボリ
    ュームの値と最小デッドボリュームの値とは、該最小デ
    ッドボリュームを有する圧縮室の下死点時における容積
    の10%以下の差をもたせたことを特徴とする請求項1
    〜6のいずれかに記載の往復動型圧縮機。
  8. 【請求項8】 前記大デッドボリューム圧縮室のグルー
    プ内におけるデッドボリュームがそれぞれ異なるように
    形成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記
    載の往復動型圧縮機。
  9. 【請求項9】 前記シリンダボアを前後対向するように
    形成するとともに、前記ピストンを両頭型に構成し、前
    後両側の各圧縮室に各々所定のデッドボリュームを形成
    したことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の
    往復動型圧縮機。
  10. 【請求項10】 ひとつの両頭型のピストンに対してフ
    ロント側のデッドボリュームとリヤ側のデッドボリュー
    ムとを同じ大きさに形成したことを特徴とする請求項9
    に記載の往復動型圧縮機。
  11. 【請求項11】 前記各圧縮室のデッドボリュームを前
    記ピストンの形状を変更することにより形成したことを
    特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の往復動型
    圧縮機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7946778B2 (en) 2005-10-10 2011-05-24 L'oreal Device for packaging and applying a composition and method of using same
US8007191B2 (en) 2005-04-19 2011-08-30 L'oreal Packaging and applicator device for a composition

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