JPH1090451A - 耐プラズマ用構造部材 - Google Patents

耐プラズマ用構造部材

Info

Publication number
JPH1090451A
JPH1090451A JP8245103A JP24510396A JPH1090451A JP H1090451 A JPH1090451 A JP H1090451A JP 8245103 A JP8245103 A JP 8245103A JP 24510396 A JP24510396 A JP 24510396A JP H1090451 A JPH1090451 A JP H1090451A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plasma
sic
structural member
fibers
armor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8245103A
Other languages
English (en)
Inventor
Akio Sayano
顕生 佐谷野
Chihiro Shudo
千尋 周藤
Kouichi Ooseji
光一 大勢持
Junji Omori
順次 大森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP8245103A priority Critical patent/JPH1090451A/ja
Publication of JPH1090451A publication Critical patent/JPH1090451A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】セラミックス材料の利点に着目しつつ、破壊靭
性及び耐熱衝撃性等の特性を改善して高い信頼性を有す
る実用的な耐プラズマ用構造部材を提供する。 【解決手段】プラズマ閉じ込め装置の第一壁中のアーマ
ー(耐プラズマ用構造部材)6を、反応焼結で形成され
たSiCを主成分とするマトリックス10と、このマト
リックス10中に複合化させたSiC系繊維11とを備
えたセラミックス基繊維複合材料で構成する。この複合
材料を、その繊維配置状態を制御することにより、熱伝
導率の最も高い方向の表面F1を介してプラズマからの
熱流束(熱負荷)P1を受けるように形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、トカマク型核融
合装置等のプラズマ閉じ込め装置等で使用される耐プラ
ズマ用構造部材に係り、とくにセラミックス基繊維複合
材料で成る耐プラズマ用構造部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラズマを利用する分野には、お
よそ1億℃程度に達する超高温プラズマを磁場により真
空容器内に閉じ込めるトカマク型核融合装置等のプラズ
マ閉じ込め装置が知られている。
【0003】このようなプラズマ閉じ込め装置では、超
高温プラズマからの高い熱負荷および粒子負荷を真空容
器の内側を構成するリミター、ダイバータ板、アーマ
ー、ブランケット壁等の第一壁で受ける。特に、この第
一壁に高温プラズマ粒子が入射してスパッタリング等の
現象が生じた場合には、第一壁中の構成元素がプラズマ
側に向けてたたき出され、これが不純物としてプラズマ
を汚染し、その結果、プラズマからの放射損失が増大し
てプラズマ温度が低下する等の問題が生じる。
【0004】このような不純物の汚染によるプラズマの
放射損失は、その不純物を成す元素の原子番号の2乗に
比例して大きくなることが知られている。そこで、この
第一壁を構成する材料としては、カーボン、ベリリウ
ム、ボロン等の高融点及び低原子番号の元素が望ましい
とされている。特に、カーボン材料は、高融点及び低原
子番号であるほか、耐熱衝撃性に優れ、高い熱伝導率を
有するために最も期待されており、その実用化に向けた
検討及び改善が進められている(例えば、特公昭57−
5040号等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
カーボン材料にあっては、その特性上、1):プラズマ
中に存在するトリチウムを吸い込む、いわゆる「トリチ
ウム・イン・ベントリー」を起こしやすい、2):高温
下でガスを発生する、3):中性子照射で劣化しやす
く、特に熱伝導率の低下をまねく、4):高温プラズマ
粒子による化学的又は物理的なスパッタリング現象を避
けることができず、カーボンが化学的にC−Hの形で又
は物理的にたたき出される等の問題があった。
【0006】この改善策として、カーボン材料の表面に
炭化ボロン(B4 C)をコーティングすることも検討さ
れているが、剥がれや耐久性等の問題もあり、例えば上
記の第一壁構成材料として満足したものを得ることは困
難となっていた。
【0007】そこで、このようなカーボン材料に代わる
ものとして、近年、炭化ケイ素(SiC)を用いたセラ
ミックス材料が注目されている。このSiCセラミック
ス材料は、上記の高融点(高昇華温度)及び低原子量の
制約を満たすほか、カーボン材料と比べると上記1)〜
4)の問題も少ない。また、このセラミックス材料は、
高い熱伝導率及び高い耐スパッタリング性を有し、例え
ば化学的スパッタリングが発生せずに全体のスパッタリ
ング現象をカーボン材料の40分の1程度に抑制できる
といった利点がある。
【0008】しかしながら、上記のようなモノリシック
セラミックス材料は、一般に破壊靭性が低く、耐熱衝撃
性(耐熱応力)に劣るといった特性があるため、これを
極めて高い信頼性が要求されるプラズマ閉じ込め装置の
第一壁に適用することは、実用上、困難であった。この
ことは、第一壁に限らず、プラズマからの熱流束を受け
る他の構造体についても同様であった。
【0009】この発明は、このような従来の問題を考慮
してなされたもので、セラミックス材料の利点に着目し
つつ、特に破壊靭性及び耐熱衝撃性等の特性を改善して
高い信頼性を有する実用的な耐プラズマ用構造部材を提
供することを、目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者は、セラミックス材料の靭性強化のために
繊維を複合化させたセラミックス基繊維複合材料に着目
し、この複合材料で耐プラズマ用構造部材を構築した場
合のプラズマから受ける高い熱流束対策について種々の
検討を行ってきた。
【0011】その結果、複合材料では、繊維の配置方法
に依存して各種材料特性の異方性、例えば熱伝導率の異
方性が決定されるといった事実があり、このような熱伝
導率異方性に基づいてプラズマからの高い熱流束を受け
る表面からの温度上昇を低く抑え、その表面近傍で発生
する熱応力をより効果的に低減できる知見を得て、この
発明を完成するに至った。
【0012】即ち、この発明に係る耐プラズマ用構造部
材では、プラズマからの熱流束を受ける構成とし、Si
Cを主成分とするマトリックスと、このマトリックス中
に複合化させた繊維とを備えたセラミックス基繊維複合
材料で成り、このセラミックス基繊維複合材料は、熱伝
導率の最も高い方向の表面を介して上記プラズマからの
熱流束を受けるように形成したことを特徴とする。
【0013】前記熱伝導率の最も高い方向は、望ましく
は繊維の配置状態に基づいて制御したものとする。この
熱伝導率の最も高い方向の表面は、好ましくは熱伝導率
の最も高い方向に垂直な表面とする。
【0014】このような耐プラズマ用構造部材を用い
て、例えばプラズマ閉じ込め装置の第一壁(リミター、
ダイバータ板、アーマー、ブランケット壁等)を構成す
れば、熱伝導率の最も高い方向をより積極的に活用でき
るため、プラズマからの高い熱流束を受けたときの第一
壁の表面温度の上昇を効果的に抑制できると共に、第一
壁の表面近傍に発生する熱応力をより一層低減できる。
このことは、第一壁に限らず、他のプラズマからの熱流
束を受ける他の構造体についても同様である。
【0015】上記の繊維は、SiCマトリックスの靭性
を高めるための補強材であり、例えばSiC系(Si
C、SiC/C、Si−C−O、Si−Ti−C−
O)、窒化ケイ素系(Si3 4 、Si−O−N、Si
3 4 /C)、アルミナ系(Al23 )、ジルコニア
(ZrO2 )、ホウ化チタン(TiB2 )、炭化ボロン
(B4 C)、ボロン(B)、タングステン(W)、モリ
ブデン(Mo)、および炭素(PAN系、ピッチ系)の
いずれか1種で成る繊維、あるいはこれらの繊維を組み
合わせた複合繊維等で成るものとする。
【0016】この発明で好ましくは、SiCを主成分と
する繊維(SiC系繊維)を使用する。このSiC系繊
維は、上記繊維の中でも高融点(高昇華温度)及び低原
子量であるほか、高温強度、高温クリープ特性、熱的安
定性、弾性率、熱伝導率、耐スパッタリング性等の諸特
性に優れているためである。
【0017】この繊維の直径および長さは、複合材料の
各種特性に大きく影響を及ぼす。そこで、この発明では
望ましくは、直径が3μm以上200μm以下、長さが
100μm以上の連続繊維又は短繊維などの繊維を使用
する。繊維の直径が3μm未満の場合にはマトリックス
への靭性付与効果が少なく、200μmを超える場合に
は製品形状対応性が劣化すると共に、繊維の長さが10
0μm未満の場合には靭性改善の効果が著しく小さくな
るためである。
【0018】繊維の配合率は、望ましくは体積比率で材
料全体の5%以上50%以下とする。繊維の配合率が5
%未満の場合にはマトリックスへの靭性付与効果が少な
く、50%を超える場合には均一な複合材料を得ること
が困難になるためである。
【0019】SiCを主成分とするマトリックスの作製
方法としては、まず、常圧焼結、雰囲気加圧焼結、ホッ
トプレス、HIP(熱間静水圧プレス)等の焼結法が挙
げられるが、これらの方法は高い焼結温度が必要であ
り、一般の繊維では耐熱温度が不十分であるため、焼結
中に繊維劣化が生じてしまう場合がある。また、繊維に
よりマトリックスの焼結及びこれに伴う収縮が阻害され
て、緻密な焼結体が得られにくい。その他の作製法とし
ては、有機金属化合物を用いるプリカーサ法やCVI法
などもあるが、これらの方法では十分に緻密化すること
ができず、装置コストも含めて製造コストが非常に高く
なる。
【0020】そこで、この発明で好ましくは、SiCを
主成分とするマトリックスの作製方法として反応焼結法
を使用する。この方法は焼結温度が低いため、焼結中に
繊維劣化が起こりにくく、また殆ど収縮しないため、ク
ラックや割れ等も殆ど発生しないといった利点があり、
大型形状物や複雑形状物でも容易に加工できるためであ
る。
【0021】また、上記の反応焼結法は、溶融Siを含
浸させる方法であるため、気孔が殆ど存在しない緻密な
焼結体を容易に形成できるといった利点もある。この焼
結体の緻密度は、プラズマ閉じ込め装置の第一壁等にと
っては特に重要な意味をもつ。焼結体の緻密度が十分で
なく気孔が残存している場合には、焼結体の比表面積が
増大して、上述したトリチウム・イン・ベントリーを起
こしやすく、高温下でのガス発生も生じやすいためであ
る。このことは、実験においても確認された。
【0022】上記のセラミックス基繊維複合材料は、例
えば下記の製造方法で作製するものとする。
【0023】即ち、繊維から2次元繊維織物等を積層し
たプリフォームを作製すると共に、セラミック原料粉末
(SiC微粉)等を溶媒中に分散させてスラリーを調整
し、このスラリーを鋳込成形法(常圧鋳込、加圧鋳込、
および減圧鋳込)、押出し成形法、射出成形法などによ
りプリフォームに充填含浸することにより、所定形状の
成形体を作製する。この成形体は、特に鋳込成形法など
を使用することにより、最終形状に近い、いわゆるニア
ネットシェイプのものとなる。
【0024】次いで、この成形体を真空中あるいは窒素
ガスやアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で反応焼結
法、常圧焼結法、HIP法、ホットプレス焼結法、雰囲
気加圧焼結法などを用いて1200℃〜2300℃の範
囲で0又は1〜10時間程度、焼結して、マトリックス
中に繊維を複合化させた焼結体を得る。
【0025】特に、この発明で望ましい反応焼結法を用
いた場合を具体的に説明すると、繊維で成形したプリフ
ォームを作製すると共に、SiC粉末とC粉末との混合
物を溶媒中に分散させてスラリーを調整し、このスラリ
ーを鋳込成形法等でプリフォームに充填含浸させること
により、所定形状の成形体を得る。この成形体中に14
00℃〜1600℃の温度で溶融Siを含浸及び焼結さ
せることにより、含浸Siと成形体中のC成分とを互い
に反応させ、二次的に生成したSiCと残留Siとで空
隙部を埋めた緻密な焼結体を得る。
【0026】なお、上記のセラミックス基繊維複合材料
として、繊維とマトリックスとの界面に少なくともマト
リックスに対して繊維のすべりを発現可能な窒化ホウ素
(BN)等のすべり層が存在するものを用いてもよい。
この理由は、すべり層により繊維とマトリックスとの結
合を弱めて繊維のすべりを発現させ、ブリッジングやプ
ルアウト等の複合効果をより一層発揮させることができ
るためである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る耐プラズマ
用構造部材の実施形態を図面を参照して具体的に説明す
る。
【0028】(第1実施形態)この実施形態は、この発
明に係る耐プラズマ用構造部材をトカマク型核融合装置
(プラズマ閉じ込め装置)の第一壁中のアーマー(高熱
流防護板)に適用したものである。
【0029】図1は、プラズマ閉じ込め装置の第一壁周
辺の要部構成を示すものである。このプラズマ閉じ込め
装置は、図示の如く、円筒状の真空容器1内に磁場によ
り超高温プラズマPを閉じ込め、このプラズマPからの
熱負荷(熱流束)P1を受ける真空容器1の内壁部に第
一壁2を配置したものである。
【0030】第一壁2は、図2に示すように、真空容器
1のプラズマP側に固定されるベースを成すアーマー取
付部材3と、この取付部材3のプラズマP側で円周方向
の例えば32分割された位置に真空容器1の軸方向に沿
って配設されたアーマー支持座4と、このアーマー支持
座4のプラズマP側にアーマー取付ボルト5で固定され
たアーマー(この発明の耐プラズマ用構造部材を成す)
6とを備え、アーマー取付部材3の内部に冷却材用の複
数の往路7および復路8を形成し、その往復路7、8内
の冷却材を利用して、プラズマPからの熱負荷P1を受
けるアーマー6を除熱するようになっている。
【0031】アーマー6は、図3に示すように、反応焼
結で形成されたSiCを主成分とするマトリックス10
と、このマトリックス10中に複合化させた2次元繊維
織物の積層体から成るSiC系繊維11とを備えたセラ
ミックス基繊維複合材料で成り、上述した反応焼結法を
用いて作製したものである。
【0032】ここで、この実施形態のアーマ6を成す複
合材料中の繊維配置状態の設定例を説明する。
【0033】一般に、SiC系繊維はSiCマトリック
スよりも低い熱伝導率を有しているため、複合材料の熱
伝導率は、SiC系繊維の配置方法で決定される異方性
を示し、例えば繊維の配合割合が高い方向では低く、そ
の繊維の配合割合が低い方向では高くなる。特に、上記
のように2次元繊維織物の積層体で繊維を構成する場合
には、その積層方向が材料全体の熱伝導率の最も低い方
向となり、この方向に直交する方向が熱伝導率の最も高
い方向となる。
【0034】そこで、この実施形態では、上記の熱伝導
率の異方性に基づいて、その熱伝導率の最も高い方向の
表面を介してプラズマからの熱負荷P1を受けるように
繊維配置状態を設定した。具体的には、2次元繊維織物
の積層面L1がプラズマからの高い熱負荷P1に代表さ
れる入射方向(図中のZ軸方向)に平行となる状態でS
iC系繊維11を積層配置することにより、プラズマか
らの熱負荷P1を受ける表面F1に垂直な方向に熱伝導
率の最も高い方向を設定した。この場合の熱伝導率の最
も低い方向は、SiC系繊維11の積層方向(図中のY
軸方向)となる。
【0035】このように複合材料を熱伝導率の最も高い
方向の表面を介してプラズマからの高い熱負荷を受ける
ように形成すれば、SiC系繊維の複合化により材料全
体の破壊靭性を高めると共に、複合材料中の熱伝導率の
最も高い方向を積極的に活用できることから、プラズマ
からの高い熱負荷による第一壁の表面温度上昇をより効
果的に低く抑え、第一壁の表面近傍で発生する熱応力を
大幅に低減し、耐熱衝撃性を高めることができる。
【0036】また、この実施形態によれば、反応焼結で
形成されたSiCを主成分とするマトリックスを有する
繊維複合材料を用いたため、高融点及び低原子量である
と同時に、トリチウム・イン・ベントリー、高温下での
ガス発生、および中性子照射による劣化をより一層効果
的に低減し、かつ、高い熱伝導率で耐熱衝撃性および耐
スパッタリング性に優れたプラズマ閉じ込め装置の第一
壁を構築できる。
【0037】(第2実施形態)この実施形態は、上記と
同様のプラズマ閉じ込め装置の第一壁を対象とし、特に
第一壁中のアーマーを成す複合材料における繊維配置状
態を一部変更して実施したものである。
【0038】図4に示すアーマー6を成す複合材料は、
上記と同様のマトリックス10及びSiC系繊維11に
加え、この繊維11の積層方向に直交する方向(図中の
Y軸方向)に沿ってヤーンを成すSiC系繊維11aを
配置したものである。この積層方向とその垂直方向との
繊維配合割合は、他の方向と比較しておよそ20%程度
である。このように繊維積層方向に直交する方向に繊維
を配置すれば、上記と同等の効果に加え、繊維積層方向
の剥離強度をより一層高めたプラズマ閉じ込め装置の第
一壁を構築できる。
【0039】(第3実施形態)この実施形態は、この発
明に係る耐プラズマ用構造部材をプラズマ閉じ込め装置
の第一壁中のダイバータ板に適用したものである。
【0040】図5に示すダイバータ板20は、銅製の基
板21と、この基板21内の軸方向に挿通された冷却管
22と、基板21のプラズマ側にろう付け等で接合配置
した、この発明の耐プラズマ用構造部材を成す板状体2
3とを備え、冷却管22内に冷却水を供給することによ
り、プラズマからの熱負荷P1を受ける板状体23の温
度を適性範囲内で維持するようになっている。ここで、
基板21と板状体23との接合部は、過大な負荷を受け
ないような構造となっている。
【0041】板状体23は、図6に示すように、反応焼
結で形成されたSiCを主成分とするマトリックス24
と、このマトリックス24中に複合化させた2次元繊維
織物から成るSiC系繊維25とを備えたセラミックス
基繊維複合材料で成り、上記の反応焼結法を用いて作製
したものである。
【0042】SiC系繊維25は、上述した熱伝導率の
異方性に基づく繊維配置状態に設定されており、具体的
には、プラズマからの高い熱負荷P1に代表される入射
方向(図中のZ軸方向)に平行な状態で帯状の2次元繊
維織物を切れ目なく連続的に(渦巻状に)積層配置した
ものである。この場合には、プラズマからの高い熱負荷
P1を受ける表面F1に垂直なSiC系繊維25の積層
軸方向(図中のZ軸方向)が熱伝導率の最も高い方向と
なり、その積層軸方向に直交する方向(図中のX軸及び
Y軸方向)が熱伝導率の最も低い方向となる。
【0043】従って、このような繊維配置構造で複合材
料を形成することにより、熱伝導率の最も高い方向の表
面を介してプラズマからの高い熱流束を受けるダイバー
タ板を構築できるため、上記第2実施形態のプラズマ閉
じ込め装置の第一壁(アーマー)と同等の効果を発揮さ
せることができる。
【0044】なお、上記第1〜第3実施形態では、プラ
ズマ閉じ込め装置の第一壁中のアーマーおよびダイバー
タ板を適用部材としてあるが、この発明に係る耐プラズ
マ用構造部材はこれに限定されるものではなく、その他
としてリミターやブランケット壁等の第一壁を構成する
他の部材でもよく、また第一壁に限らず、上述した他の
構造体でも適用可能である。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、SiCをマトリックスの主成分とするセラミックス
基繊維複合材料を用いたため、高融点及び低原子量であ
ると同時に、トリチウム・イン・ベントリー、高温下で
のガス発生、および中性子照射による劣化をより一層低
減し、高い熱伝導率を有し、耐熱衝撃性および耐スパッ
タリング性に優れたプラズマ閉じ込め装置の第一壁等の
耐プラズマ用構造部材を構築できる。この効果は、特に
SiCを主成分とするマトリックスを反応焼結で形成し
た場合に最大限に発揮させることができる。
【0046】また、この発明によれば、セラミックス基
繊維複合材料を熱伝導率の最も高い方向の表面を介して
プラズマからの高い熱流束を受けるように形成したた
め、熱伝導率の最も高い方向を積極的に活用して、プラ
ズマからの高い熱流束を受ける表面からの温度上昇をよ
り低く抑え、その表面近傍で発生する熱応力を効果的に
低減させることができ、これにより、高い信頼性を有す
る実用的な耐プラズマ用構造部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る耐プラズマ用構造部材を適用し
たプラズマ閉じ込め装置の要部構成を示す概略断面図。
【図2】図1中のA−A線に沿って第一壁周辺を見た概
略斜視図。
【図3】アーマーを成す複合材料の繊維配置状態を説明
する模式図。
【図4】第2実施形態のアーマーを成す複合材料の繊維
配置構造を説明する模式図。
【図5】第3実施形態のダイバータ板の要部構成を示す
概略斜視図。
【図6】ダイバータ板を成す複合材料の繊維配置状態を
説明する模式図。
【符号の説明】
1 真空容器 2 第一壁 3 アーマー取付部材 4 アーマー支持座 5 アーマー取付ボルト 6 アーマー(この発明の耐プラズマ用構造部材を成
す) 7 冷却材用の往路 8 冷却材用の復路 10 SiC系マトリックス(アーマー用) 11、11a SiC系繊維(アーマー用) 20 ダイバータ板 21 基板 22 冷却管 23 板状体(この発明の耐プラズマ用構造部材を成
す) 24 SiC系マトリックス(ダイバータ板用) 25 SiC系繊維(ダイバータ板用)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大森 順次 神奈川県横浜市鶴見区末広町2の4 株式 会社東芝京浜事業所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマからの熱流束を受ける耐プラズ
    マ用構造部材において、SiCを主成分とするマトリッ
    クスと、このマトリックス中に複合化させた繊維とを備
    えたセラミックス基繊維複合材料で成り、このセラミッ
    クス基繊維複合材料は、熱伝導率の最も高い方向の表面
    を介して上記プラズマからの熱流束を受けるように形成
    したことを特徴とする耐プラズマ用構造部材。
  2. 【請求項2】 前記熱伝導率の最も高い方向は、前記繊
    維の配置状態に基づいて制御した熱伝導率の最も高い方
    向である請求項1記載の耐プラズマ用構造部材。
  3. 【請求項3】 前記繊維は、SiCを主成分とする繊維
    である請求項1又は2記載の耐プラズマ用構造部材。
  4. 【請求項4】 前記SiCを主成分とするマトリックス
    は、反応焼結で形成されたSiCを主成分とするマトリ
    ックスである請求項1乃至3のいずれか1項記載の耐プ
    ラズマ用構造部材。
JP8245103A 1996-09-17 1996-09-17 耐プラズマ用構造部材 Pending JPH1090451A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8245103A JPH1090451A (ja) 1996-09-17 1996-09-17 耐プラズマ用構造部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8245103A JPH1090451A (ja) 1996-09-17 1996-09-17 耐プラズマ用構造部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1090451A true JPH1090451A (ja) 1998-04-10

Family

ID=17128664

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8245103A Pending JPH1090451A (ja) 1996-09-17 1996-09-17 耐プラズマ用構造部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1090451A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007145638A (ja) * 2005-11-28 2007-06-14 Toshiba Corp 水素製造システム及び水素製造方法
JP2016150873A (ja) * 2015-02-18 2016-08-22 株式会社Ihi セラミックス基複合材の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007145638A (ja) * 2005-11-28 2007-06-14 Toshiba Corp 水素製造システム及び水素製造方法
JP2016150873A (ja) * 2015-02-18 2016-08-22 株式会社Ihi セラミックス基複合材の製造方法
WO2016132821A1 (ja) * 2015-02-18 2016-08-25 株式会社Ihi セラミックス基複合材の製造方法
CN107074668A (zh) * 2015-02-18 2017-08-18 株式会社Ihi 陶瓷基复合材料的制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Binner et al. Selection, processing, properties and applications of ultra-high temperature ceramic matrix composites, UHTCMCs–a review
AU722864B2 (en) Silicon carbide reinforced silicon carbide composite
US6855428B2 (en) Boron carbide based ceramic matrix composites
US4885130A (en) Process for preparing self-supporting bodies and products produced thereby
US6284357B1 (en) Laminated matrix composites
US7318906B2 (en) Method for producing SiC fiber-reinforced SiC composite material
NZ227439A (en) Producing self-supporting ceramic bodies by infiltrating molten metal into a mass containing boron carbide
KR20150115828A (ko) 접합체 및 그 제조방법
Yano et al. Fabrication of silicon carbide fiber-reinforced silicon carbide composite by hot-pressing
WO2002081405A1 (fr) Procede de production de materiau composite sic renforce de fibres sic par presse a chaud
WO1999019273A1 (fr) Materiau composite fibreux et son procede de fabrication
US20060269683A1 (en) Silicon carbide-based, porous, lightweight, heat-resistant structural material and manufacturing method therefor
Kim et al. Nicalon-fibre-reinforced silicon-carbide composites via polymer solution infiltration and chemical vapour infiltration
JP4450919B2 (ja) 炭素繊維複合材料
JPH1090451A (ja) 耐プラズマ用構造部材
Katoh et al. Mechanical properties of advanced SiC fiber‐reinforced CVI‐SiC composites
EP0378501B1 (en) A method of bonding a ceramic composite body to a second body and articles produced thereby
JPH05186276A (ja) カーボンファイバ強化カーボン複合材を用いた受熱板材料およびその製造方法
JPH05306180A (ja) 炭素繊維強化炭素−無機化合物複合材料の製造方法
JP2006002240A (ja) 高熱伝導・低熱膨脹複合体およびその製造方法
JP4291419B2 (ja) 炭化ケイ素化した炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法
JP3574583B2 (ja) 放熱材及びその製造方法
JP3673011B2 (ja) セラミックス基繊維複合材料およびその製造方法
Petrak Ceramic matrices
JPH0850188A (ja) 高熱流束受熱板及びその製造方法