JPH1088122A - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子

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JPH1088122A
JPH1088122A JP8240885A JP24088596A JPH1088122A JP H1088122 A JPH1088122 A JP H1088122A JP 8240885 A JP8240885 A JP 8240885A JP 24088596 A JP24088596 A JP 24088596A JP H1088122 A JPH1088122 A JP H1088122A
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organic electroluminescent
electroluminescent device
layer
phenylaminopyrene
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JP8240885A
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Shinichiro Tamura
眞一郎 田村
Mari Ichimura
眞理 市村
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機EL素子等の、有機電界発光素子の輝度
および耐久性を向上する。 【解決手段】 ホール輸送材料として、N−フェニルア
ミノピレン誘導体を採用する。 【効果】 融点が高く、ホール輸送性能に優れたN−フ
ェニルアミノピレン誘導体の採用により、従来のTPD
等のホール輸送材料を用いた有機電界発光素子に比較し
て、輝度、破壊臨界電圧、繰り返し耐久性のいずれの評
価項目においても優れた性能を得ることができる。また
成膜性もよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電流の注入により発
光する発光材料および有機正孔輸送材料をその構成要素
として含む有機電界発光素子に関し、さらに詳しくは、
有機正孔輸送材料に特徴を有する有機電界発光素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、コンピュータやテレビジョン
等の情報通信端末機器の画像表示用ディスプレイとして
はブラウン管が最も普及しており、これは輝度が高く色
再現性が良い特長を有する反面、嵩高で重く、消費電力
が大きい問題点を有する。このため、軽量薄型で高効率
のフラットパネルディスプレイへの要望が大きい。現在
最も多用されているフラットパネルディスプレイはアク
ティブマトリクス駆動方式の液晶ディスプレイである
が、視野角が狭い点、自発光でないためバックライトを
使用する場合にはこのバックライトの消費電力が大きい
点、今後実用化が期待される高精細度かつ高速のビデオ
信号に対して十分な応答性を有さない点、そして大画面
サイズのディスプレイを製造する場合の均一性やコスト
高等の問題点がある。液晶ディスプレイに替わるフラッ
トパネルディスプレイの候補として発光ダイオードの可
能性もあるが、大面積の単一基板上への発光ダイオード
マトリクスの製造は困難であり、ブラウン管に置き替わ
る低コストのディスプレイとなるには至っていない。
【0003】これらの諸問題を解決する可能性を有する
フラットパネルディスプレイとして、最近有機電界発光
素子が注目されている。これは、自発光で応答速度が大
きく、視野角依存性がない長所を有する。
【0004】有機発光材料を用いた有機電界発光素子
は、透光性の陽極と金属陰極との間に、有機発光材料を
含む有機電界発光層を挟み込んだものである。C.W.Tang
and S.A.VanSlyke は、有機電界発光層をホール輸送層
と電子輸送層との2層構成とし、陽極および陰極から有
機電界発光層に注入されるホールと電子が再結合する際
に発光する素子構造を最初に報告した(Appl. Phys. Le
tt.,51(12), 913-915 (Sept.1987))。この素子構造はホ
ール輸送層または電子輸送層のいずれかが発光層を兼ね
ているものである。発光は、発光材料の基底状態と励起
状態のエネルギギャップに対応した波長帯で起きる。こ
のように有機電界発光層を2層構造としたことで、駆動
電圧の大幅な削減、発光効率の向上が図られ、これ以
来、全固体型のフラットパネルディスプレイ等への応用
を目指した研究が進められている。高発光効率を得るた
めの発光材料としては、亜鉛錯体やアルミニウム錯体
等、種々の金属錯体が現在までに提案されている。
【0005】素子構造としてはその後、C.Adachi, T.Ts
utsui and S.Saito によりホール輸送層、発光層および
電子輸送層の3層構造とした例が Jap. J. of Appl. Ph
ys.27-2, L269-L271 (1988)に報告された。さらに、電
子輸送層に発光材料を含ませ、発光層を兼ねる電子輸送
層とホール輸送層との2層構造が、C.W.Tang, S.A.VanS
lyke and C.H.Chen により、J. of Appl. Phys. 65-9,
3610-3616 (1989)に報告された。これらの報告により、
低電圧で高輝度発光の可能性が検証され、有機電界発光
素子の研究開発は近年極めて活発におこなわれている。
【0006】しかしながら、有機EL素子の実用化に向
けては、解決すべき問題がいくつか残されている。その
中の一つが繰り返し使用時の安定性である。高い発光輝
度と、経時安定性に優れた有機電界発光素子の実現のた
めには、ホール輸送能力に優れた、耐久性のあるホール
輸送材料を選択する必要がある。
【0007】有機電界発光素子の初期の研究段階におい
ては、ホール輸送材料として下式(4)に示すTPD
(N,N'- diphenyl-N,N'- bis(3-methylphenyl)-1,1'-bip
henyl-4,4'-diamineが使用されてきた。しかしながら、
TPDは融点170℃、ガラス転移点が60℃と比較的
低いので、有機電界発光素子のホール輸送材料として使
用した場合、発光駆動時に発光以外に消費される無効電
流が熱に変換されるためによる素子温度の上昇に伴い、
非発光欠陥の発生や、甚だしい場合にはホール輸送層の
融解が起こり発光が停止する場合があった。
【0008】
【化4】
【0009】これらの不都合を解決するため、式(4)
で示されるTPDのN置換基を、N,N'-naphthyl phenyl
とした化合物(米国特許第 5061569号明細書)、また式
(4)で示されるTPDの中心に位置する bipheny基を
naphthalene基とした化合物(例えば、特開平8-87122
号公報)、anthracene基とした化合物(例えば、特開平
8-53397 号公報)、あるいは phenanthlene 基とした化
合物(例えば、特開平8-20770 号公報、特開平8-20771
号公報)等が開示されている。しかしながら、いずれの
化合物も総合的に満足のゆく性能を備えたホール輸送材
料には至っていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる技術背
景に鑑み提案するものであり、耐熱性に加え、ホール輸
送性能、耐久性、そして成膜性に優れたホール輸送材料
を提供することをその課題とする。また本発明の課題
は、かかるホール輸送材料を採用することにより、有機
電界発光素子のさらなる一層の性能向上を図ることであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した課題を
達成するために提案するものである。すなわち本発明の
有機電界発光素子は、陽極および陰極との間に、有機正
孔輸送材料を含む有機電界発光層を挟持した構造を有す
る有機電界発光素子において、この有機正孔輸送材料
は、N−フェニルアミノピレン誘導体であることを特徴
とする。N−フェニルアミノピレン誘導体としては、下
記一般式(1)、(2)あるいは(3)で示される構造
を有するものが望ましい。
【0012】
【化5】
【0013】
【化6】
【0014】
【化7】 一般式(1)、(2)あるいは(3)中、R1 、R2
よびR3 は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハ
ロゲン原子、フェニル基および置換フェニル基を表し、
互いに同一でも異なっていてもよい。アルキル基として
は,メチル基、エチル基、プロピル基あるいはブチル基
等の低級アルキル基が、またアルコキシ基としてはメト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基あるいはブトキシ基
等の低級アルコキシ基が例示される。
【0015】本発明の有機電界発光素子は、陽極上に、
ホール輸送層と、発光層および電子輸送層のいずれか少
なくとも一方と、を有する有機電界発光層と、陰極と
が、この順に順次積層された構造を有することが望まし
い。有機電界発光層中に、螢光色素を含有させてもよ
い。かかる層構造を採用することにより、高輝度かつ耐
久性に優れたエレクトロルミネセンス素子を得ることが
できる。
【0016】本発明においては、ホール輸送材料として
ホール輸送能力が高く、融点が少なくとも二百数十℃以
上であるN−フェニルアミノピレン誘導体を採用するの
で、高輝度かつ耐久性に優れた有機電界発光素子を作製
することができる。またこのN−フェニルアミノピレン
誘導体は昇華性であり、真空蒸着等の手段により容易に
成膜することが可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照しつつ
さらに詳しく説明する。はじめに、本発明の有機電界発
光素子をEL素子に適用した素子構成につき、図1
(a)〜(d)に示す概略断面図を参照して説明する。
これらのうち、図1(a)は透過型の有機電界発光素
子、図1(b)は反射型の有機電界発光素子の素子構成
を示す。いずれの素子構造においても、符号1はガラ
ス、プラスチックス等の透明材料やその他適宜の材料か
らなる基板である。有機電界発光素子を他の表示素子や
駆動回路等と組み合わせて使用する場合には、基板1を
共用することができる。符号2は陽極であり、ITO(I
ndium Tin Oxide)やSnO2 等の透明導電材料からな
る。符号3は有機電界発光層であり、この層構成につい
ては後述する。符号4は陰極であり、電極材料としては
例えばLi、Mg、Ca等の低仕事関数の活性な金属
と、Ag、Al、In等との合金あるいは積層構造を採
用することができる。図1(a)に示す透過型の有機電
界発光素子の場合には、この陰極4の厚さを調節するこ
とにより、用途に合った光透過率を得ることができる。
また陰極4の導電性を補完するために、さらにITOや
SnO2 等の透明導電膜4aを積層して用いてもよい。
符号5は保護層であり、気密性を満たす材料であればプ
ラスチックス等の有機材料やSiO2 等の無機材料を問
わずいずれも採用できる。
【0018】有機電界発光層3の構成は、有機電界発光
を得ることができる層構成であれば、従来から提案され
ているいずれの構造をも採用できる。すなわち、図1
(c)に示すように、陽極2/ホール輸送層6/発光層
7/電子輸送層8/陰極4の順に積層した3層構造が基
本であるが、ホール輸送層6および電子輸送層8のいず
れかが発光性を有する場合には、発光層7をこれらの層
で兼用し、図1(d)に示すように、陽極2/ホール輸
送層6/電子輸送層8/陰極4の2層構造とすることも
可能である。ホールあるいは電子の電荷輸送性能を向上
するためには、ホール輸送層6と電子輸送層8のいずれ
か一方あるいは両方が、複数種の材料を積層した構造、
あるいは複数種の材料を混合した構造であってもよい。
また発光性能を向上するために、ホール輸送層6、発光
層7および電子輸送層8のいずれか一つの層あるいは複
数の層に、螢光材料を含有させてもよい。かかる螢光材
料としては特に限定されないが、例えばキナクリドンや
下記構造式(5)で示されるDCM(4−ジシアノメチ
レン−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−2−メチ
ル4H−ピラン)等が例示される。これらの場合には、
発光効率をさらに改善するために、ホールまたは電子の
輸送を制御するための薄膜をその層構成に含ませること
も可能である。
【0019】
【化8】
【0020】図1(c)に示したEL素子においては、
陽極2と陰極4の間に直流電圧を印加することにより、
陽極2から注入されたホールがホール輸送層6を経て、
また陰極4から注入された電子が電子輸送層8を経て、
それぞれ発光層7に到達する。この結果、発光層7にお
いては電子/ホールの再結合が生じ、ここから所定波長
の発光を発生する。図1(d)に示す発光層を省略した
層構成の場合には、ホール輸送層6と電子輸送層8の界
面から所定波長の発光を発生する。これらの発光は基板
1側から観測される。また図1(a)に示した透過型の
EL素子の場合には保護層5側からも観測される。
【0021】本発明の発光素子を実際の有機EL素子に
適用した具体例を、図2の概略斜視図に示す。図2のE
L素子は、ホール輸送層6と、発光層7および電子輸送
層8のいずれか少なくとも一方からなる積層体を、陰極
4と陽極2の間に配設したものである。陰極4と陽極2
は、ともにストライプ状にパターニングするとともに互
いにマトリクス状に直交させ、シフトレジスタ内蔵の制
御回路9および10により時系列的に信号電圧を印加
し、その交叉位置で発光するように構成されたものであ
る。かかる構成のEL素子は、文字・記号等のディスプ
レイとしては勿論、画像再生装置としても使用できる。
また陰極4と陽極2のストライプ状パターンを赤
(R)、緑(G)、青(B)の各色毎に配し、マルチカ
ラーあるいはフルカラーの全固体型フラットパネルディ
スプレイを構成することが可能となる。
【0022】以下、本発明の有機電界発光素子につき、
適宜比較例を加えながら詳細に説明を加える。本発明の
ホール輸送層に適用されるN−フェニルアミノピレン誘
導体は、対応するピレンのアミノ誘導体あるいはハロゲ
ン化物と、ハロベンゼン誘導体とを、銅、酸化銅、ハロ
ゲン化銅等の触媒の存在下での縮合反応により得ること
ができる。このとき、副反応生成物であるハロゲン化水
素を中和するためにアルカリ塩を十分に加え、溶媒中あ
るいは無溶媒下で、不活性ガス雰囲気中で150〜25
0℃で加熱することにより反応が進行する。
【0023】実施例1 1,8−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)ピレンの
合成 1,8−ジアミノピレン1.4g、ヨードベンゼン1
9.58g、炭酸カリウム4.98gおよび銅粉0.3
8gとを窒素雰囲気下で共沸しながら、210℃で5時
間撹拌して反応させた。反応終了後、室温まで放冷し、
セライトを用いて濾過し濾液にクロロホルムを加えて抽
出し、クロロホルム層を水洗後、乾燥した。このクロロ
ホルム溶液を減圧濃縮後、トルエンとn−ヘキサンとの
混合溶媒を用いたカラムクロマトグラフィにより分離し
た後、再結晶して下式(6)に示す、目的とする1,8
−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)ピレンを得た。
真空昇華を繰り返して精製した1,8−ビス(N,N’
−ジフェニルアミノ)ピレンの融点は280℃であっ
た。
【0024】
【化9】
【0025】有機電界発光素子の作製 真空蒸着装置中に、ITOからなる陽極が一表面に形成
されたガラスの基板を、蒸着源の上方25cmの位置に
セッティングした。蒸着マスクとして、複数の2.0m
m×2.0mmの単位開口を有する金属マスクを基板に
近接して配置し、抵抗加熱法により10-4Pa以下の真
空下で、先に精製した1,8−ビス(N,N’−ジフェ
ニルアミノ)ピレンを例えば50nmの厚さに蒸着し、
ホール輸送層を形成した。蒸着レートは、水晶振動子に
よる膜厚モニタにより0.2〜0.4nm/secの間
に制御した。電子輸送層と発光層とを兼ねる材料とし
て、Tris−(8−hydroxyquinolin
e)aluminium(以下、Alqと略記する)を
ホール輸送層に接して蒸着した。Alqの層厚も50n
mとし、蒸着レートも0.2〜0.4nm/secの間
に制御した。陰極材料としてはアルミニウムを採用し、
これも蒸着により200nmの厚さに形成し、実施例1
による有機電界発光素子の基本形を作製した。
【0026】発光特性の評価 このように作製した実施例1の有機電界発光素子に、窒
素雰囲気下で電圧を加えて発光特性を評価した。発光色
は緑色であり、分光測定をおこなった結果、図3に示す
540nmに発光ピークを有するスペクトルを得た。分
光測定は、大塚電子製のフォトダイオードアレイを検出
器とした分光器を用いた。図3のスペクトルはAlqの
発光スペクトルと一致し、EL素子の発光はAlqによ
るものであることが確認された。印加電圧を漸増し、輝
度計により輝度の測定をおこなったところ、印加電圧1
0Vで1200cd/m2 の輝度が得られた。さらに電
圧を増加すると、臨界電圧20.0Vで輝度が激減し
た。
【0027】耐久性の評価 同様に作製した実施例1の有機電界発光素子に電圧を印
加し、10Vに達した時点で0Vに戻す過程を1サイク
ルとし、この過程を繰り返して素子劣化を評価した。耐
久性は、有機電界発光素子の非発光点が発光面積の50
%となるサイクル数で評価した。本実施例による有機電
界発光素子は、320回の耐久性が得られた。
【0028】実施例2 1−メチル−8−アミノピレンと、ヨードベンゼンを用
い、他は前実施例1に準拠して下式(7)に示すN−フ
ェニルアミノピレン誘導体を合成した。
【0029】
【化10】
【0030】式(7)に示すN−フェニルアミノピレン
誘導体をホール輸送材料に用い、実施例1に準じて実施
例2の有機電界発光素子を作製した。
【0031】実施例3 1−メチル−8−アミノピレンと、4−ヨードトルエン
を用い、他は前実施例1に準拠して下式(8)に示すN
−フェニルアミノピレン誘導体を合成した。
【0032】
【化11】
【0033】式(8)に示すN−フェニルアミノピレン
誘導体をホール輸送材料に用い、実施例1に準じて実施
例3の有機電界発光素子を作製した。
【0034】実施例4 1,8−ジアミノピレンと、4−ヨードトルエンを用
い、他は前実施例1に準拠して下式(9)に示すN−フ
ェニルアミノピレン誘導体を合成した。
【0035】
【化12】
【0036】式(9)に示すN−フェニルアミノピレン
誘導体をホール輸送材料に用い、実施例1に準じて実施
例4の有機電界発光素子を作製した。
【0037】実施例5 1,3,6,8−テトラアミノピレンと、ヨードベンゼ
ンを用い、他は前実施例1に準拠して下式(10)に示
すN−フェニルアミノピレン誘導体を合成した。
【0038】
【化13】
【0039】式(10)に示すN−フェニルアミノピレ
ン誘導体をホール輸送材料に用い、実施例1に準じて実
施例5の有機電界発光素子を作製した。
【0040】実施例6 1,3,6,8−テトラアミノピレンと、4−ヨードト
ルエンを用い、他は前実施例1に準拠して下式(11)
に示すN−フェニルアミノピレン誘導体を合成した。
【0041】
【化14】
【0042】式(11)に示すN−フェニルアミノピレ
ン誘導体をホール輸送材料に用い、実施例1に準じて実
施例6の有機電界発光素子を作製した。
【0043】比較例 比較のため、ホール輸送材料として下式(4)に示すT
PDを採用し、実施例1に準じて比較例の有機電界発光
素子を作製した。
【0044】
【化15】
【0045】比較例の有機電界発光素子も実施例1と同
様の緑色の発光を呈した。分光測定の結果、スペクトル
は実施例1の有機電界発光素子のスペクトルと一致し、
Alqの発光によるものであることが確認された。
【0046】以上のように作製した実施例2〜6および
比較例の有機電界発光素子の評価をおこなった。各有機
電界発光素子の評価は、実施例1の有機電界発光素子の
評価方法と同一の評価方法により、輝度、臨界電圧およ
び耐久性を調べた。評価結果を実施例1の有機電界発光
素子の評価結果と併せ、〔表1〕にまとめて示す。
【0047】
【表1】
【0048】〔表1〕に示した評価結果から明らかなよ
うに、N−フェニルアミノピレン誘導体をホール輸送材
料として用いた本発明の有機電界発光素子は、TPDを
ホール輸送材料とした従来の有機電界発光素子に比較し
て、輝度、熱的破壊に至る臨界電圧、繰り返し耐久性の
いずれの評価項目においても優れた結果を得ることがで
きる。
【0049】以上本発明の有機電界発光素子について詳
細な説明を加えたが、本発明はこれら実施例によりなん
ら限定されるものではない。例えば、N−フェニルアミ
ノピレン誘導体として実施例にあげた構造の化合物の他
に、ピレン骨格を有する各種フェニルアミノ誘導体を採
用してよい。またホール輸送層のホール輸送材料とし
て、N−フェニルアミノピレン誘導体の他に、従来公知
の他のホール輸送材料を混合して用いてもよい。また有
機電界発光層の層構成や電極構造も、従来既知の構造は
いずれも採用できる。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、輝度、耐久性、成膜性に優れた有機電界発光
素子を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機電界発光素子を、EL素子に適用した素子
構成を示す概略断面図である。
【図2】有機電界発光素子を、実際のEL素子に適用し
た素子構成を示す概略斜視図である。
【図3】実施例1の有機電界発光素子の発光スペクトル
である。
【符号の説明】
1…基板、2…陽極、3…有機電界発光層、4…陰極、
4a…透明導電膜、5…保護層、6…ホール輸送層、7
…発光層、8…電子輸送層、9,10…制御回路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極および陰極との間に、ホール輸送材
    料を含む有機電界発光層を挟持した構造を有する有機電
    界発光素子において、 前記ホール輸送材料は、N−フェニルアミノピレン誘導
    体を含むことを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 【請求項2】 前記N−フェニルアミノピレン誘導体
    は、下記一般式(1)で示されることを特徴とする請求
    項1記載の有機電界発光素子。 【化1】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、水素原子、アルキル
    基、アルコキシ基、ハロゲン原子、フェニル基および置
    換フェニル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよ
    い。)
  3. 【請求項3】 前記N−フェニルアミノピレン誘導体
    は、下記一般式(2)で示されることを特徴とする請求
    項1記載の有機電界発光素子。 【化2】 (式中、R2 およびR3 は、水素原子、アルキル基、ア
    ルコキシ基、ハロゲン原子、フェニル基および置換フェ
    ニル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。)
  4. 【請求項4】 前記N−フェニルアミノピレン誘導体
    は、下記一般式(3)で示されることを特徴とする請求
    項1記載の有機電界発光素子。 【化3】 (式中、R2 およびR3 は、水素原子、アルキル基、ア
    ルコキシ基、ハロゲン原子、フェニル基および置換フェ
    ニル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。)
  5. 【請求項5】 陽極上に、 ホール輸送層と、発光層および電子輸送層のいずれか少
    なくとも一方と、を有する有機電界発光層と、 陰極とが、 この順に順次積層された構造を有することを特徴とする
    請求項1記載の有機電界発光素子。
  6. 【請求項6】 前記有機電界発光層は、 さらに螢光色素を含むことを特徴とする請求項1記載の
    有機電界発光素子。
  7. 【請求項7】前記有機電界発光素子は、エレクトロルミ
    ネセンス素子であることを特徴とする請求項1ないし6
    いずれか1項記載の光学素子。
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Cited By (15)

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