JP3874134B2 - 有機電界発光素子及びテトラアミン誘導体 - Google Patents

有機電界発光素子及びテトラアミン誘導体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光領域を有する有機層が陽極と陰極との間に設けられている有機電界発光素子(有機EL素子)、および新規なテトラアミン誘導体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
軽量で高効率のフラットパネルディスプレイが、例えばコンピュータやテレビジョンの画面表示用として盛んに研究、開発されている。
【0003】
まず、ブラウン管(CRT)は、輝度が高く、色再現性が良いため、現在ディスプレイとして最も多く使われているが、嵩高く、重く、また消費電力も高いという問題がある。
【0004】
また、軽量で高効率のフラットパネルディスプレイとして、アクティブマトリックス駆動などの液晶ディスプレイが商品化されている。しかしながら、液晶ディスプレイは、視野角が狭く、また、自発光でないため周囲が暗い環境下ではバックライトの消費電力が大きいことや、今後実用化が期待されている高精細度の高速ビデオ信号に対して十分な応答性能を有しない等の問題点がある。特に、大画面サイズのディスプレイを製造することは困難であり、そのコストが高い等の課題もある。
【0005】
これに対する代替として、発光ダイオードを用いたディスプレイの可能性があるが、やはり製造コストが高く、また、1つの基板上に発光ダイオードのマトリックス構造を形成することが難しい等の問題があり、ブラウン管に取って代わる低価格のディスプレイ候補としては、実用化までの課題が大きい。
【0006】
これらの諸課題を解決する可能性のあるフラットパネルディスプレイとして、最近、有機発光材料を用いた有機電界発光素子(有機EL素子)が注目されている。即ち、発光材料として有機層を用いることにより、自発光で、応答速度が高速であり、視野角依存性の無いフラットパネルディスプレイの実現が期待されている。
【0007】
有機電界発光素子の構成は、透光性の正極と金属陰極との間に発光材料を含む有機薄膜を形成したものである。C. W. Tang、S. A. VanSlyke等は Applied Physics Letters第51巻12号913〜915頁(1987年)掲載の研究報告において、有機薄膜を正孔輸送性材料からなる薄膜と電子輸送性材料からなる薄膜との2層構造として、各々の電極から有機膜中に注入されたホールと電子が再結合することにより発光する素子構造を開発した(シングルヘテロ構造の有機EL素子)。
【0008】
この素子構造では、正孔輸送材料または電子輸送材料のいずれかが発光材料を兼ねており、発光は発光材料の基底状態と励起状態のエネルギギャップに対応した波長帯で起きる。このような2層構造とすることにより、大幅な駆動電圧の低減、発光効率の改善が行われた。
【0009】
その後、C. Adachi 、S. Tokita 、T. Tsutsui、S. Saito等の Japanese Journal of Applied Physics第27巻2号L269〜L271頁(1988年)掲載の研究報告に記載されているように、正孔輸送材料、発光材料、電子輸送材料の3層構造(ダブルヘテロ構造の有機EL素子)が開発され、更に、C. W. Tang、S. A. VanSlyke、C. H. Chen等の Journal of Applied Physics 第65巻9号3610〜3616頁(1989年)掲載の研究報告に記載されているように、電子輸送材料中に発光材料を含ませた素子構造などが開発された。これらの研究により、低電圧で、高輝度の発光の可能性が検証され、近年、研究開発が非常に活発に行われている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、有機電界発光素子の実用化に向けては、解決しなければならない多くの課題を抱えているのが現状である。その中で、繰り返し使用時の安定性は大きな問題となっている。
【0011】
即ち、高い発光輝度を有し、繰り返し使用時の安定性に優れた有機電界発光素子の開発のためには、正孔輸送能力に優れ、耐久性のある正孔輸送材料、または、高い輝度を示し適切な色度を示す発光材料をその構成要素として含む有機電界発光素子の開発が望まれている。
【0012】
有機電界発光素子の初期の研究においては、正孔輸送材料として下記の構造式(α)に示すようなN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン〔N,N'-diphenyl-N,N'-bis(3-methylphenyl)1,1'-biphenyl-4,4'-diamine:以下、TPDと呼ぶ。〕が使用されてきた。
【化9】
Figure 0003874134
【0013】
しかしながら、前記構造式(α)で表されるTPDの融点(m.p.)は約170℃であり、ガラス転移温度(Tg)は60℃であるために、これを有機電界発光素子に使用した場合、駆動時に発光以外に消費される電流が熱に変換されることによる素子温度の上昇に伴い、非発光の欠陥の発生や、更に著しい場合には、TPD層の融解が起こり発光が停止するという問題を抱えている。
【0014】
現在では、このような問題点を改善するために、種々の材料が検討されている。例えば、構造式(α)におけるN置換基をN,N’−ナフチルフェニル(N,N'-naphthylphenyl )とした化合物(米国特許:USP−5061569参照)、また、中心に位置する分子団をナフタレン(naphthalene)にした化合物(日本国公開特許公報平8−87122号参照)、アントラセン(anthracene)とした化合物(日本国公開特許公報平8−53397号参照)、フェナントレン(phenanthrene)とした化合物(日本国公開特許公報平8−20770号、平8−20771号参照)が報告されている。
【0015】
また、近年、75℃以上の高いガラス転移点を有する化合物として、下記の構造式(β)や構造式(γ)で表される星状の分子形状を有するアリールアミン(日本国公開特許公報平4−308688号、平6−1972号、平6−220447号、平7−110940号、平7−53955号、平7−90256号、平7−97355号、平8−48974号、平8−291115号参照)が報告されている。
【化10】
Figure 0003874134
【化11】
Figure 0003874134
【0016】
しかしながら、これらの化合物を使用した有機電界発光素子の輝度や発光寿命はいまだ十分とは言えず、熱的安定性や発光の均一性の改善のため、さらに優れた正孔輸送材料が望まれている。
【0017】
本発明は、上述した従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、安定かつ発光強度(輝度)の大きい有機電界発光素子、およびこの有機電界発光素子に用いることができる新規なテトラアミン誘導体を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述した課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、発光領域を有する有機層が陽極と陰極との間に設けられている有機電界発光素子の前記有機層に、ビフェニル基で架橋されたナフチルフェニルテトラアミン系誘導体を含有させることによって、前記有機層における発光輝度が向上し、かつ安定な発光が得られることを見出した。
【0019】
即ち、本発明は、発光領域を有する有機層が陽極と陰極との間に設けられている有機電界発光素子において、前記有機層に下記一般式(1)で表されるテトラアミン誘導体が含まれていることを特徴とする、有機電界発光素子(以下、本発明の有機電界発光素子と称する。)に係るものである。
【化12】
Figure 0003874134
〔但し、前記一般式(1)において、
1、R2及びR3は、それぞれ独立に同一若しくは異なる基であって、水素原子、アルキル基、単環芳香族基、ビフェニル基、ターフェニル基、縮合多環芳香族基およびヘテロ芳香族基からなる群より選ばれる基であり、
Ar1、Ar2及びAr3は、それぞれ独立に同一若しくは異なる基であって、それらの少なくとも1つが、〜3つのベンゼン環が縮合してり、無置換の若しくは置換基を有する、下記一般式(a)又は(c)で表される縮合多環芳香族基である。
【化25】
Figure 0003874134
Figure 0003874134
(但し、前記一般式(a)及び(c)において、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 11 及びR 12 は、それぞれ独立に同一若しくは異なる基であって、水素原子又はアルキル基であり、R 7 はアルキル基である。)
【0020】
本発明の有機電界発光素子によれば、前記一般式(1)で表されるテトラアミン誘導体は、高いガラス転移点と高い融点とを有する化合物であって、電気的、熱的或いは化学的な安定性に優れており、さらに、非晶質でガラス状態を容易に形成し得るので、有機電界発光素子の前記有機層中で安定に存在でき、高発光輝度を達成せしめると同時に繰り返し安定性の向上に寄与している。
【0021】
特に、前記一般式(1)において、中心の窒素原子と他の窒素原子との間がビフェニル基で結合されているので安定性が高く、従って、これを前記有機層に含有させた場合、寿命が長く、高輝度の発光が得られる。また、Ar1、Ar2及びAr3が、2〜3つのベンゼン環が縮合した無置換の若しくは置換基を有する前記一般式(a)又は(c)の縮合多環芳香族基であるので、全体としては非晶質であるもののその結晶性が上がり(即ち、融点が上がり)、繰り返し安定性に優れた発光が得られる。
【0022】
なお、本発明の有機電界発光素子において、前記「縮合多環芳香族基」とは、縮合環を有する芳香族化合物であり、無置換の若しくは置換基を有し、少なくとも2つ、特に2〜3つのベンゼン環が縮合した基である。また、前記R1、R2及びR3としての単環芳香族基(特にアリール基)、ビフェニル基、ターフェニル基、縮合多環芳香族基およびヘテロ芳香族基などは無置換の基であってもよいが、置換基を有していてもよい。
【0023】
また、本発明は、本発明の有機電界発光素子の前記有機層(特に、正孔輸送層)に使用できる化合物として、下記一般式(1)で表されるテトラアミン誘導体(以下、本発明のテトラアミン誘導体と称する。)を提供するものである。
【化13】
Figure 0003874134
〔但し、前記一般式(1)において、
1、R2及びR3は、それぞれ独立に同一若しくは異なる基であって、水素原子、アルキル基、単環芳香族基、ビフェニル基、ターフェニル基、縮合多環芳香族基およびヘテロ芳香族基からなる群より選ばれる基であり、
Ar1、Ar2及びAr3は、それぞれ独立に同一若しくは異なる基であって、それらの少なくとも1つが、〜3つのベンゼン環が縮合してり、無置換の若しくは置換基を有する、下記一般式(a)又は(c)で表される縮合多環芳香族基である。
【化26】
Figure 0003874134
Figure 0003874134
(但し、前記一般式(a)及び(c)において、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 11 及びR 12 は、それぞれ独立に同一若しくは異なる基であって、水素原子又はアルキル基であり、R 7 はアルキル基である。)
【0024】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の有機電界発光素子に用いるテトラアミン誘導体について説明する。
【0025】
本発明の有機電界発光素子及びテトラアミン誘導体において、前記一般式(1)で表されるテトラアミン誘導体における前記Ar1、Ar2及びAr3は、ベンゼン環がつ以下縮合した縮合多環芳香族基である。
【0026】
即ち、ベンゼン環の縮合数が多くなると、結晶性が上がり、耐熱性等は向上するが、このテトラアミン誘導体を有機電界発光素子の例えば正孔輸送層として形成するに際し、分子量が多くなりすぎて蒸着しにくくなるので、ベンゼン環の縮合数はつ以下とする
【0027】
また、本発明の有機電界発光素子及びテトラアミン誘導体において、前記一般式(1)における前記Ar1、Ar2及びAr3 として、下記一般式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)及び(j)でそれぞれ表される基からなる群より選ばれる1種の基の中で、特に下記一般式(a)又は(c)の基が選択される
【化14】
Figure 0003874134
【化15】
Figure 0003874134
〔但し、前記一般式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)及び(j)において、
4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32及びR33は、それぞれ独立に同一若しくは異なる基であって、水素原子、アルキル基、単環芳香族基、ビフェニル基、ターフェニル基、縮合多環芳香族基、ヘテロ芳香族基、1級、2級又は3級アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルコキシル基およびチオエーテル基からなる群より選ばれる1種の基であ、これらの各官能基は、置換基を有していてもよく、またR 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 11 及びR 12 は、それぞれ独立に同一若しくは異なる基であって、水素原子又はアルキル基であり、R 7 はアルキル基である。〕
【図15】
Figure 0003874134
〔但し、前記一般式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)及び(j)において、
4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32及びR33は、それぞれ独立に同一若しくは異なる基であって、アルキル基、単環芳香族基、アリル基、ビフェニル基、ターフェニル基、縮合多環芳香族基、ヘテロ芳香族基、1級、2級又は3級アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルコキシル基およびチオエーテル基からなる群より選ばれる1種の基である。なお、これらの各官能基は、置換基を有していてもよい。〕
【0028】
本発明の有機電界発光素子及びテトラアミン誘導体において、前記一般式(1)における前記Ar1、Ar2及びAr3の少なくとも1つが、前記一般式(a)又は(c)で表される縮合多環芳香族基である。
【0029】
即ち、前記Ar1 、Ar2 及びAr3 の少なくとも1つが前記一般式(a)又は(c)で表される前記テトラアミン誘導体は、特に高いガラス転移点と高い融点とを有する化合物であって、電気的、熱的或いは化学的な安定性に優れており、これを前記有機層に用いると高輝度かつ安定性に優れた発光が得られる。
【0030】
次に前記一般式(1)におけるR1、R2、及びR3を具体的に説明する。前記R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に同一若しくは異なる基であって、水素原子、アルキル基、単環芳香族基、ビフェニル基、ターフェニル基、縮合多環芳香族基及びヘテロ芳香族基からなる群より選ばれる基である。
【0031】
例えば、前記アルキル基としては、一般式Cn 2n+1(n≧1)で表されるメチル基(CH3 )、エチル基(C2 5 )、n−プロピル基(n−C3 7 )、i(イソ)−プロピル基(i−C3 7 )、n−ブチル基(n−C4 9 )、i−ブチル基(i−C4 9 )等の脂肪族鎖式化合物、一般式Cn 2n-1(n≧1)で表される
【化16】
Figure 0003874134
などの脂肪族環式化合物などが挙げられる。
【0032】
また、前記単環芳香族基(アリール基)としては、下記構造式(k)に示すフェニル基や、下記構造式(l)、(m)、(n)に示すフェニル基の置換体などが挙げられる。
【化17】
Figure 0003874134
【0033】
また、前記ビフェニル基、前記ターフェニル基の構造式を下記に示す。なお、これらの基は、無置換の若しくは置換基を有する基であってよい。
【化18】
Figure 0003874134
【0034】
また、前記縮合多環芳香族基としては、下記構造式(o)、(p)、(q)、(r)で表されるナフチル基やアントリル基などが挙げられる。但し、この縮合多環芳香族基は、無置換の基であってもよいが、置換基を有していてもよい。
【化19】
Figure 0003874134
【0035】
さらに、前記ヘテロ芳香族基(複素環式基)としては、下記構造式(s)、(t)、(u)で表される化合物などが挙げられる。但し、このヘテロ芳香族基は、無置換の基であってもよいが、置換基を有していてもよい。
【化20】
Figure 0003874134
【0036】
次に、前記一般式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)及び(j)にける
4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32及びR33を具体的に説明する。
これらの基は、それぞれ独立に同一若しくは異なる基であって、アルキル基、単環芳香族基、アリル基(CH2=CHCH2−)、ビフェニル基、ターフェニル基、縮合多環芳香族基、ヘテロ芳香族基、1級アミノ基、2級アミノ基又は3級アミノ基、シアノ基(−CN)、ニトロ基(−NO2)、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、アルコキシル基およびチオエーテル基からなる群より選ばれる1種の基である。
【0037】
前記アルキル基、単環芳香族基、縮合多環芳香族基、ヘテロ芳香族基等は、前述した前記一般式(1)におけるR1 、R2 及びR3 と同様の官能基であってよい。また、前記アルコキシル基としては、−OCH3 、−OC2 5 、−OC3 7 、−OC4 9 など、前記チオエーテル基としては、−SCH3 、−SC2 5 、−SC3 7 、−SC4 9 などが使用できる。
【0038】
次に、本発明のテトラアミン誘導体の製造方法を説明する。
【0039】
前記一般式(1)で表されるテトラアミン誘導体は、下記一般式(2)で表されるアミンのハロゲン化誘導体と下記一般式(3)で表されるアミンとを、遷移金属或いはその錯化合物からなる触媒存在下、合成反応中に生じるハロゲン化水素を中和するのに十分な量のアルカリ塩を加え、溶媒中或いは無溶媒下で、不活性ガス雰囲気中、120〜250℃で縮合反応させることによって得られる(例えば、Synthesis,383−385(1987)、第72回日本化学会学会春季年会予稿集II、1313頁参照)。このとき、アルカリ塩の解離を促進することを目的として、相間移動触媒を加えてもよい。
【化21】
Figure 0003874134
〔但し、前記一般式(3)において、Arnは前記Ar1、Ar2及びAr3からなる群より選ばれる1種の基であり、Rnは前記R1、R2及びR3から選ばれる1種の基である。〕
【0040】
この場合、前記遷移金属あるいは錯化合物としては、例えば、酢酸パラジウム、銅粉、塩化第一銅等が挙げられる。また、前記アルカリ塩としては、ナトリウムブトキサイド、苛性ソーダ、苛性カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどを挙げることができる。また、前記相間移動触媒としては、クラウンエーテル、クリプタントなど、アルカリイオンと錯形成し、水酸化物イオンや炭酸イオンを解離させる機能を有するものが挙げられる。さらに、前記反応溶媒としては、キシレン、ニトロベンゼン、ジクロロベンゼン、キノリン、N,N’−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどを挙げることができる。
【0041】
次に、本発明に基づくテトラアミン誘導体の具体的な構造例として、以下の構造式(B)及び(C)を構造式(A)と共に示す。
【化22】
Figure 0003874134
【化23】
Figure 0003874134
【化24】
Figure 0003874134
【0042】
なお、前記構造式(A)で表される化合物(以下、化合物Aとする)は、前記一般式(1)におけるR1、R2及びR3がそれぞれフェニル基、Ar1、Ar2及びAr3がそれぞれナフチル基〔前記一般式(a)においてR4、R5、R6及びR7がそれぞれ水素原子〕の化合物であり、
前記構造式(B)で表される化合物(以下、化合物Bとする)は、前記一般式(1)におけるR1、R2及びR3がそれぞれフェニル基、Ar1、Ar2及びAr3がそれぞれ前記一般式(a)で表される化合物(但し、R4、R5及びR6はそれぞれ水素原子であり、R7はメチル基である)の化合物であり、
前記構造式(C)で表される化合物〔以下、化合物Cとする。〕は、前記一般式(1)におけるR1、R2及びR3がそれぞれフェニル基、Ar1、Ar2 及びAr 3がそれぞれアントリル基〔前記一般式(c)においてR11及びR12がそれぞれ水素原子〕の化合物である。
【0043】
上述した本発明のテトラアミン誘導体は、正孔(ホール)の輸送性を有しており、有機電界発光素子の正孔輸送材料として有効に利用することができる。特に、このテトラアミン誘導体は、高いガラス転移点、高い融点を有しており、電気的、熱的、或いは化学的に安定であって、さらに、非晶質でガラス状態を容易に形成し得るために、有機電界発光素子中で安定に使用することができ、感度や繰り返し安定性の向上に寄与できる。
【0044】
次に、本発明の有機電界発光素子を説明する。
【0045】
本発明の有機電界発光素子において、前記有機層が、正孔輸送層と電子輸送層とが積層された有機積層構造(シングルヘテロ構造)を有しており、前記正孔輸送層の形成材料として前記テトラアミン誘導体が用いられていることが望ましく、特に、前記電子輸送層は発光層であってよい。
【0046】
或いは、前記有機層が、第2正孔輸送層と第1正孔輸送層と電子輸送層とが順次積層された有機積層構造(ダブルヘテロ構造)を有しており、前記第2正孔輸送層の形成材料として前記テトラアミン誘導体が用いられていてもよい。
【0047】
前述した各有機積層構造を有する有機電界発光素子の一例を図1及び図2に示す。
【0048】
図1は、透光性の基板1上に、透光性の陽極2と、正孔輸送層6と電子輸送性発光層7とからなる有機層5aと、陰極3とが順次積層された積層構造を有し、この積層構造が保護膜4によって封止されてなる、シングルヘテロ構造の有機電界発光素子Aである。
【0049】
また、図2は、透光性の基板1上に、透光性の陽極2と、第2正孔輸送層10と第1正孔輸送層11と電子輸送層12とからなる有機層5bと、陰極3とが順次積層された積層構造を有し、この積層構造が保護膜4によって封止されてなる、ダブルヘテロ構造の有機電界発光素子Bである。
【0050】
上述した各有機電界発光素子A、Bにおいて、基板1は、例えば、ガラス、プラスチック等の光透過性の材料を適宜用いることができる。また、他の表示素子と組み合わせて用いる場合や、図1及び図2に示した積層構造をマトリックス状に配置する場合等は、この基板を共用としてよい。
【0051】
また、陽極2は、透明電極であり、ITO(indium tin oxide)やSnO2 等が使用できる。この陽極2と正孔輸送層6(又は第2正孔輸送層10)との間には、電荷の注入効率を改善する目的で、有機物若しくは有機金属化合物からなる薄膜を設けてもよい。なお、保護膜6が金属等の導電性材料で形成されている場合は、陽極2の側面に絶縁膜が設けられていてもよい。
【0052】
また、有機電界発光素子Aにおける有機層5aは、正孔輸送層6と電子輸送性発光層7とが積層された有機層であり、有機電界発光素子Bにおける有機層5bは、第1正孔輸送層11と電子輸送層12とが積層された有機層であるが、その他、種々の積層構造を取ることができる。例えば、正孔輸送層と電子輸送層のいずれか若しくは両方が発光性を有していてもよい。
【0053】
また、特に、正孔輸送層6や第2正孔輸送層11が本発明のテトラアミン誘導体からなる層であることが望ましいが、これらの正孔輸送層を前記テトラアミン誘導体のみで形成してもよく、或いは、前記テトラアミン誘導体と他の正孔輸送材料(例えば、芳香族アミン類)との共蒸着によって形成してもよい。さらに、これらの正孔輸送層において、正孔輸送性能を向上させるために、複数種の正孔輸送材料を積層した正孔輸送層を形成してもよい。
【0054】
また、有機電界発光素子Aにおいて、発光層は電子輸送性発光層7であってよいが、電源8から印加される電圧によっては、正孔輸送層6やその界面で発光される場合がある。同様に、有機電界発光素子Bにおいて、発光層は電子輸送層12であってもよいが、第1正孔輸送層11、第2正孔輸送層10であってもよい。さらに、発光性能を向上させるために、少なくとも1種の蛍光性材料を用いて、これを正孔輸送層と電子輸送層との間に挟持させた構造であってもよく、または、この蛍光性材料を正孔輸送層又は電子輸送層、或いはこれら両層に含有させた構造を構成してよい。このような場合、発光効率を改善するために、正孔又は電子の輸送を制御するための薄膜(ホールブロッキング層やエキシトン生成層など)をその層構成に含ませることも可能である。
【0055】
また、電子輸送性発光層7又は電子輸送層12に用いる材料としては、アルミニウムや亜鉛等からなる金属錯体化合物、芳香族炭化水素化合物、オキサジアゾール系化合物等が挙げられる。
【0056】
また、陰極3に用いる材料としては、Li、Mg、Ca等の活性な金属とAg、Al、In等の金属との合金を使用でき、これらの金属層が積層した構造であってもよい。なお、陰極の厚みや材質を適宜選択することによって、用途に見合った有機電界発光素子を作製できる。
【0057】
また、保護膜4は、封止として作用するものであり、有機電界発光素子全体を覆う構造とすることで、電荷注入効率や発光効率を向上できる。なお、その気密性が保たれれば、アルミニウム、金、クロム等の単金属又は合金など、適宜その材料を選択できる。
【0058】
次に、図3は、本発明の有機電界発光素子を用いた平面ディスプレイの構成例である。図示の如く、例えばフルカラーディスプレイの場合は、赤(R)、緑(G)及び青(B)の3原色を発光可能な有機層17が、陰極16と陽極18との間に配されている。陰極16及び陽極18は、互いに交差するストライプ状に設けることができ、輝度信号回路14及びシフトレジスタ内蔵の制御回路15により選択されて、それぞれに信号電圧が印加され、これによって、選択された陰極16及び陽極18が交差する位置(画素)の有機層が発光するように構成される。
【0059】
【実施例】
以下、本発明を実施例について具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0060】
<化合物Aの調製>
まず、テトラアミン誘導体として、前記構造式(A)で表されるトリ〔4’−(1−ナフチルフェニルアミノ)−4−ビフェニル〕アミン(化合物A)を調製した。
【0061】
まず、前記一般式(2)で表される化合物として、10.3g(11.8mmol)のトリ(4’−ヨード−4−ビフェニル)アミンと、
前記一般式(3)で表される化合物として、7.76g(35.4mmol)の1−ナフチル−フェニルアミンと、
24.5g(177mmol)の無水炭酸カリウム粉末とをo−ジクロロベンゼン50mL中に混合した。
【0062】
さらに、この混合溶液に、11.2g(177mmol)の有機合成用銅触媒と、層間移動触媒として4.68g(17.1mmol)の18−クラウン−6とを添加し、窒素雰囲気下、50時間還流した。次いで、反応溶液に水を加え、減圧濾過して不溶物を除去した。
【0063】
次いで、得られた有機層をトルエンで抽出し、水、次に飽和食塩水でよく洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
【0064】
次いで、これをエバポレートし、得られたオイル状残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、0.664g(収率5%)のテトラアミン誘導体を得た。さらに、真空昇華を繰り返してこれを精製した。
【0065】
得られたテトラアミン誘導体は、構造式(A)で表されるトリ〔4’−(1−ナフチルフェニルアミノ)−4−ビフェニル〕アミン(化合物A)であることを同定した。
【0066】
<化合物B及びCの調製>
7.76g(35.4mmol)の1−ナフチル−フェニルアミンの代わりに、8.26g(35.4mmol)の4−メチルナフチル−フェニルアミンを用いた以外は、上述した化合物Aの調製方法と同様に、前記構造式(B)で表される化合物Bを調製した。
【0067】
同様に、7.76g(35.4mmol)の1−ナフチル−フェニルアミンの代わりに、9.53g(35.4mmol)の1−アントル−フェニルアミンを用いた以外は、上述した化合物Aの調製方法と同様に、前記構造式(C)で表される化合物Cを調製した。
【0068】
<有機電界発光素子の作製及びその評価>
次に、実施例として化合物B及びCを用い、また、参考例として化合物(A)を用い、比較例として構造式(β)で表される化合物βや構造式(γ)で表される化合物γを用いて、有機電界発光素子を作製し、その輝度、繰り返し安定性について評価した。
【0069】
参考例1
化合物Aを正孔輸送材料とし、図1に示したシングルヘテロ構造の有機電界発光素子を作製した。
【0070】
まず、30mm×30mmのガラス基板1上に、透光性の陽極2として、ITO層(膜厚約100nm)を設け、次いで、SiO2 の蒸着により、2mm×2mmの発光領域以外をマスクした有機電界発光素子作製用のセルを作製した。
【0071】
次に、このセル上に、正孔輸送材料として化合物Aを、真空蒸着法により、真空下で膜厚300Åに蒸着(蒸着速度<4Å/sec)して正孔輸送層6を形成した後、電子輸送性発光層7としてAlq3 (8-hydroxy quinoline aluminum)を膜厚500Åに蒸着して、発光領域を有する有機層5aを設けた。
【0072】
次いで、陰極(カソード電極)3としてAlを膜厚約2kÅに蒸着し、その後、電源8の接続及び保護膜4の形成を行って、図1に示した構造の有機電界発光素子を作製した。
【0073】
こうして作製された有機電界発光素子の特性を測定したところ、緑色発光を呈し、これは電子輸送性発光層7(Alq3 層)からの発光であることを確認した。その発光輝度は、印加電圧9Vで915cd/m2 であり、測定時間中、安定に発光した。
【0074】
実施例1
化合物Bを正孔輸送材料とし、図1に示したシングルヘテロ構造の有機電界発光素子を作製した。
【0075】
まず、参考例1と同様の方法で、有機電界発光素子作製用のセルを作製した。次いで、このセル上に、正孔輸送材料として化合物Bを、真空蒸着法により、真空下で膜厚300Åに蒸着(蒸着速度<4Å/sec)して正孔輸送層6を作製した後、電子輸送性発光層7としてAlq3(8-hydroxy quinoline aluminum)を500Å蒸着して、発光領域を有する有機層5aを設けた。
【0076】
次いで、参考例1と同様に、陰極(カソード電極)3としてAlを膜厚約2kÅに蒸着し、その後、電源8の接続及び保護膜4の形成を行って、図1に示した構造の有機電界発光素子を作製した。
【0077】
こうして作製された有機電界発光素子の特性を測定したところ、緑色発光を呈し、これは電子輸送性発光層(Alq3 )7からの発光であることを確認した。また、発光輝度は、印加電圧8.5Vで720cd/m2 であり、測定時間中、十分安定な発光であった。
【0078】
実施例2
化合物Cを正孔輸送材料とし、図1に示したシングルヘテロ構造の有機電界発光素子を作製した。
【0079】
まず、参考例1と同様の方法で、有機電界発光素子作製用のセルを作製した。次いで、このセル上に、正孔輸送材料として化合物Cを、真空蒸着法により、真空下で膜厚300Åに蒸着(蒸着速度<4Å/sec)して正孔輸送層6を作製した後、電子輸送性発光層7としてAlq3(8-hydroxy quinoline aluminum)を500Å蒸着して、発光領域を有する有機層5aを設けた。
【0080】
次いで、参考例1と同様に、陰極(カソード電極)3としてAlを膜厚約2kÅに蒸着し、その後、電源8の接続及び保護膜4の形成を行って、図1に示した構造の有機電界発光素子を作製した。
【0081】
こうして作製された有機電界発光素子の特性を測定したところ、緑色発光を呈し、これは電子輸送性発光層(Alq3 )7からの発光であることを確認した。また、発光輝度は、印加電圧9Vで875cd/m2 であり、測定時間中、十分安定に発光した。
【0082】
参考例2
化合物Aを正孔輸送材料とし、図2に示したダブルヘテロ構造の有機電界発光素子を作製した。
【0083】
まず、30mm×30mmのガラス基板1上に、透光性の陽極2として、ITO層(膜厚約100nm)を設け、次いで、SiO2 の蒸着により、2mm×2mmの発光領域以外をマスクした有機電界発光素子作製用のセルを作製した。
【0084】
次に、このセル上に、第2の正孔輸送材料として化合物Aを、真空蒸着法により、真空下で膜厚300Åに蒸着(蒸着速度<4Å/sec)して第2正孔輸送層10を形成した後、第1正孔輸送層11としてTPDを膜厚200Åに蒸着(蒸着速度<4Å/sec)し、さらに、電子輸送層12としてAlq3 (8-hydroxy quinoline aluminum)を膜厚500Åに蒸着して、発光領域を有する有機層5bを設けた。
【0085】
次いで、陰極(カソード電極)3としてAlを膜厚約2kÅに蒸着し、その後、電源8の接続及び保護膜4の形成を行って、図2に示した構造の有機電界発光素子を作製した。
【0086】
こうして作製された有機電界発光素子の特性を測定したところ、緑色発光を呈し、これは電子輸送層(Alq3 )12からの発光であることを確認した。また、発光輝度は、印加電圧9Vで1380cd/m2 であり、測定時間中、十分安定に発光した。これは、特に、第1正孔輸送層と第2正孔輸送層とのエネルギーレベルのマッチングが良いことによるものと思われる。
【0087】
比較例1
正孔輸送材料として、前記構造式(β)で表される化合物βを使用した以外は、参考例1と同様にして、シングルヘテロ型の有機電界発光素子を作製した。
【0088】
比較例2
正孔輸送材料として、前記構造式(γ)で表される化合物γを使用した以外は、参考例1と同様にして、シングルヘテロ型の有機電界発光素子を作製した。
【0089】
以上の各例による有機電界発光素子の発光輝度を下記の表1にまとめた。
【0090】
表1
Figure 0003874134
*但し、正孔輸送層構成における「単層」は、図1に示したシングルヘテロ構造の層構成を示し、「積層」は、図2に示したダブルヘテロ構造の層構成を示す。
【0091】
実施例1〜のように、正孔輸送材料として化合物B及び化合物Cを使用した有機電界発光素子は、正孔輸送材料として化合物β及び化合物γを用いた比較例1〜2に比べて、発光輝度に優れ、十分安定な発光であった。
【0092】
なお参考例1と実施例とを比較して分かるように、実施例に用いた化合物Bはそのナフチル基部分にメチル基を有しており、電子供与性が上がるものの、ガラス転移点が下がり、化合物A及びCに比べて、発光輝度がやや低下したものと思われる。
【0093】
【発明の作用効果】
本発明の有機電界発光素子によれば、発光領域を有する有機層が陽極と陰極との間に設けられている有機電界発光素子において、前記有機層に前記一般式(1)で表されるテトラアミン誘導体が含まれており、この一般式(1)で表されるテトラアミン誘導体は、高いガラス転移点と高い融点とを有する化合物であって、電気的、熱的或いは化学的な安定性に優れており、さらに、非晶質でガラス状態を容易に形成し得るので、有機電界発光素子の前記有機層中で安定に存在でき、高い発光輝度を達成せしめると同時に繰り返し安定性の向上に寄与する。
【0094】
また、前記一般式(1)で表される本発明のテトラアミン化合物は、高いガラス転移点と高い融点とを有する化合物であって、電気的、熱的或いは化学的な安定性に優れており、さらに、非晶質でガラス状態を容易に形成し得るので、上述した有機電界発光素子における有機層に用いて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明基づく有機電界発光素子の要部概略断面図である。
【図2】同、有機電界発光素子の他の要部概略断面図である。
【図3】同、有機電界発光素子を用いたフルカラーの平面ディスプレイの構成図である。
【符号の説明】
1…基板、2、18…透明電極(陽極)、3、16…陰極、4…保護膜、
5a、5b、17…有機積層構造部、6…正孔輸送層、
7…電子輸送性発光層、8…電源、10…第2正孔輸送層、
11…第1正孔輸送層(発光層)、12…電子輸送層、
14…輝度信号回路、15…制御回路、
A、B…有機電界発光素子

Claims (5)

  1. 発光領域を有する有機層が陽極と陰極との間に設けられている有機電界発光素子において、前記有機層に下記一般式(1)で表されるテトラアミン誘導体が含まれていることを特徴とする、有機電界発光素子。
    Figure 0003874134
    〔但し、前記一般式(1)において、
    1、R2及びR3は、それぞれ独立に同一若しくは異なる基であって、水素原子、アルキル基、単環芳香族基、ビフェニル基、ターフェニル基、縮合多環芳香族基およびヘテロ芳香族基からなる群より選ばれる基であり、
    Ar1、Ar2及びAr3は、それぞれ独立に同一若しくは異なる基であって、それらの少なくとも1つが、〜3つのベンゼン環が縮合してり、無置換の若しくは置換基を有する、下記一般式(a)又は(c)で表される縮合多環芳香族基である。
    Figure 0003874134
    Figure 0003874134
    (但し、前記一般式(a)及び(c)において、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 11 及びR 12 は、それぞれ独立に同一若しくは異なる基であって、水素原子又はアルキル基であり、R 7 はアルキル基である。)
  2. 前記有機層が、正孔輸送層と電子輸送層とが積層された有機積層構造を有しており、前記正孔輸送層の形成材料として前記テトラアミン誘導体が用いられている、請求項1に記載した有機電界発光素子。
  3. 前記電子輸送層が発光層である、請求項に記載した有機電界発光素子。
  4. 前記有機層が、第2正孔輸送層と第1正孔輸送層と電子輸送層とが順次積層された有機積層構造を有しており、前記第2正孔輸送層の形成材料として前記テトラアミン誘導体が用いられている、請求項1に記載した有機電界発光素子。
  5. 下記一般式(1)で表されるテトラアミン誘導体。
    Figure 0003874134
    〔但し、前記一般式(1)において、
    1、R2及びR3は、それぞれ独立に同一若しくは異なる基であって、水素原子、アルキル基、単環芳香族基、ビフェニル基、ターフェニル基、縮合多環芳香族基およびヘテロ芳香族基からなる群より選ばれる基であり、
    Ar1、Ar2及びAr3は、それぞれ独立に同一若しくは異なる基であって、それらの少なくとも1つが、〜3つのベンゼン環が縮合してり、無置換の若しくは置換基を有する、下記一般式(a)又は(c)で表される縮合多環芳香族基である。
    Figure 0003874134
    Figure 0003874134
    (但し、前記一般式(a)及び(c)において、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 11 及びR 12 は、それぞれ独立に同一若しくは異なる基であって、水素原子又はアルキル基であり、R 7 はアルキル基である。)
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