JPH1088076A - 接着方法およびそれに用いるゴム組成物 - Google Patents

接着方法およびそれに用いるゴム組成物

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JPH1088076A
JPH1088076A JP24810296A JP24810296A JPH1088076A JP H1088076 A JPH1088076 A JP H1088076A JP 24810296 A JP24810296 A JP 24810296A JP 24810296 A JP24810296 A JP 24810296A JP H1088076 A JPH1088076 A JP H1088076A
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忍 神戸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フッ素系ゴムまたはフッ素系樹脂からなる層
と、エピクロルヒドリン系ゴムからなる層とを容易かつ
強固に接着することができる接着方法を提供する。 【解決手段】フッ素系ゴムおよびフッ素系樹脂のいずれ
か一方からなる層と、エピクロルヒドリン系ゴムからな
る層とを直接加硫接着する接着方法である。そして、上
記エピクロルヒドリン系ゴムからなる層の形成材料とし
て、下記の(A)〜(E)成分を含有し、かつ、(B)
〜(E)成分の配合割合が、(A)成分100重量部に
対し、(B)成分が0.3〜3重量部に、(C)成分が
0.01〜0.3重量部に、(D)成分が0.1重量部
以上に、(E)成分が0.1〜5重量部にそれぞれ設定
されたゴム組成物を用いる。 (A)エピクロルヒドリン系ゴム。 (B)チオウレア化合物。 (C)硫黄。 (D)芳香族ジスルフィド化合物。 (E)1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ
ン−7またはその弱酸塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素系ゴムまた
はフッ素系樹脂からなる層と、エピクロルヒドリン系ゴ
ムからなる層とを直接加硫接着する接着方法およびそれ
に用いるゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、フッ素系ゴムまたはフッ素系
樹脂からなる層と、エピクロルヒドリン系ゴムからなる
層とを接着する場合、エピクロルヒドリン系ゴムからな
る層の形成材料として、1,8−ジアザビシクロ〔5.
4.0〕ウンデセン−7またはその弱酸塩や、オニウム
塩の一種であるテトラブチルホスホニウムベンゾトリア
ゾレートや、水酸化カルシウム等を所定量配合したゴム
組成物を用いて、上記二層を加硫接着する方法が一般に
行われている。この場合、上記エピクロルヒドリン系ゴ
ムの加硫剤としては、チオウレア化合物による加硫系が
用いられており、なかでもエチレンチオウレア(2−メ
ルカプトイミダゾリン)と、受酸剤として鉛化合物とを
併用した加硫系が汎用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記エ
ピクロルヒドリン系ゴムからなる層の形成材料を用いた
場合には、フッ素系ゴムまたはフッ素系樹脂からなる層
と、エピクロルヒドリン系ゴムからなる層との接着性が
劣るという問題がある。また、上記エチレンチオウレア
(以下「ETU」と略す)を用いた場合は、圧縮永久歪
が悪く、二次加硫が必要であるのに加えて、耐サワーガ
ソリン性に劣り、軟化する等の問題がある。さらに、受
酸剤として使用される鉛化合物の毒性等の問題もある。
【0004】そこで、上記ETU加硫系の代替加硫系と
して、2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジンを
使用することも考えられるが、この場合は、貯蔵安定性
(スコーチ性)が劣るとともに、上記と同様フッ素系ゴ
ムまたはフッ素系樹脂からなる層との接着性に劣るとい
う問題を有している。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、フッ素系ゴムまたはフッ素系樹脂からなる層
と、エピクロルヒドリン系ゴムからなる層とを容易かつ
強固に接着することができ、しかも、圧縮永久歪、耐サ
ワーガソリン性および貯蔵安定性に優れた上記二層の接
着方法およびそれに用いるゴム組成物の提供をその目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、フッ素系ゴムおよびフッ素系樹脂のい
ずれか一方からなる層と、エピクロルヒドリン系ゴムか
らなる層とを直接加硫接着する接着方法であって、上記
エピクロルヒドリン系ゴムからなる層の形成材料とし
て、下記の(A)〜(E)成分を含有し、かつ、上記
(B)〜(E)成分の配合割合が、上記(A)成分10
0重量部に対し、上記(B)成分が0.3〜3重量部
に、上記(C)成分が0.01〜0.3重量部に、上記
(D)成分が0.1重量部以上に、上記(E)成分が
0.1〜5重量部にそれぞれ設定されたゴム組成物を用
いる接着方法を第1の要旨とする。 (A)エピクロルヒドリン系ゴム。 (B)チオウレア化合物。 (C)硫黄。 (D)芳香族ジスルフィド化合物。 (E)1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ
ン−7またはその弱酸塩。
【0007】また、本発明は、下記の(A)〜(E)成
分を含有するゴム組成物であって、上記(B)〜(E)
成分の配合割合が、上記(A)成分100重量部に対
し、上記(B)成分が0.3〜3重量部に、上記(C)
成分が0.01〜0.3重量部に、上記(D)成分が
0.1重量部以上に、上記(E)成分が0.1〜5重量
部にそれぞれ設定されているゴム組成物を第2の要旨と
する。 (A)エピクロルヒドリン系ゴム。 (B)チオウレア化合物。 (C)硫黄。 (D)芳香族ジスルフィド化合物。 (E)1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ
ン−7またはその弱酸塩。
【0008】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意
研究を重ねた。その結果、上記エピクロルヒドリン系ゴ
ムからなる層の形成材料として、上記(A)成分〜
(E)成分を、上記特定の割合で配合したゴム組成物を
用いた場合には、上記フッ素系ゴムおよびフッ素系樹脂
のいずれか一方からなる層と、エピクロルヒドリン系ゴ
ムからなる層とを、接着剤を介さず、容易かつ強固に直
接接着することができることを見いだし本発明に到達し
た。この場合の上記二層の接着機構は、つぎのように考
えられる。すなわち、加熱状態での接着時に両組成物の
界面において、フッ素系ゴムおよびフッ素系樹脂の分子
骨格からフッ素原子がフッ酸(HF)として離脱し、こ
の離脱に伴い分子骨格中の二重結合が生成する。そし
て、上記フッ酸は、予め配合されたエピクロルヒドリン
系ゴム中の金属酸化物や金属水酸化物やハイドロタルサ
イト化合物等と反応し、トラップされて安定化する。こ
の安定化作用により、フッ素系ゴムおよびフッ素系樹脂
中のフッ酸の濃度が一定以下に保たれ、フッ素系ゴムお
よびフッ素系樹脂分子骨格からのフッ素原子の離脱が連
続的におこり、これに伴い、分子骨格中の二重結合の生
成も連続的におこるようになる。そして、このフッ素系
ゴムおよびフッ素系樹脂分子骨格中で生成する二重結合
が、エピクロルヒドリン系ゴム中に配合された1,8−
ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7またはそ
の弱酸塩〔(E)成分〕の作用により、エピクロルヒド
リン系ゴム分子骨格と架橋するようになり、この結果、
フッ素系ゴムおよびフッ素系樹脂のいずれか一方からな
る層と、エピクロルヒドリン系ゴムからなる層とが接着
するようになるためと推察される。また、本発明者ら
は、上記ゴム組成物を用いた場合、エピクロルヒドリン
系ゴムからなる層の圧縮永久歪が向上し、二次加硫が不
要になることも見いだした。
【0009】そして、上記(A)〜(E)成分に加え
て、さらに上記ハイドロタルサイト化合物〔(F)成
分〕を上記特定の割合で配合したゴム組成物を用いて上
記二層を直接加硫接着すれば、上記二層の接着性を維持
しながら、エピクロルヒドリン系ゴムからなる層の圧縮
永久歪がより一層向上するとともに、貯蔵安定性および
耐サワーガソリン性も向上し、しかも受酸剤として鉛化
合物を使用しないため、鉛化合物による毒性等の問題を
解消できることを突き止めた。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0011】本発明は、フッ素系ゴムおよびフッ素系樹
脂のいずれか一方からなる層と、エピクロルヒドリン系
ゴムからなる層とを直接加硫接着する接着方法であっ
て、上記エピクロルヒドリン系ゴムからなる層の形成材
料として、上記エピクロルヒドリン系ゴム(A成分)
と、上記チオウレア化合物(B成分)と、硫黄(C成
分)と、芳香族ジスルフィド化合物(D成分)と、1,
8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7また
はその弱酸塩(E成分)とを配合したゴム組成物を用い
るものである。
【0012】本発明におけるエピクロルヒドリン系ゴム
(A成分)としては、特に限定されるものではなく、例
えば、エピクロルヒドリン単独重合体(CO)、エピク
ロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル二元共重合体
(GCO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド二
元共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン−エチレン
オキシド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(G
ECO)等が用いられる。
【0013】上記A成分とともに用いられるチオウレア
化合物(B成分)は、加硫剤として作用するものであ
り、特に限定されるものではないが、例えば、エチレン
チオウレア系、ジアルキルチオウレア系、トリアルキル
チオウレア系等のチオウレア化合物があげられる。なか
でも、2−メルカプトイミダゾリン、1,3−ジエチル
チオウレア、1,3−ジブチルチオウレア、トリメチル
チオウレア等が好適である。
【0014】上記チオウレア化合物(B成分)の配合割
合は、上記エピクロルヒドリン系ゴム(A成分)100
重量部(以下「部」と略す)に対して、0.3〜3部の
範囲に設定することが必要であり、より好ましくは0.
5〜2部、特に好ましくは0.7〜1.2部である。す
なわち、上記B成分の配合割合が、0.3部未満であれ
ば、加硫速度が遅すぎて実用的でなく、圧縮永久歪が悪
くなり、逆に、3部を超えると、貯蔵安定性が悪くな
り、加硫速度が速すぎて実用的なゴム物性が得られない
からである。
【0015】上記A成分およびB成分とともに用いられ
る上記硫黄(C成分)の配合割合は、上記エピクロルヒ
ドリン系ゴム(A成分)100部に対して、0.01〜
0.3部の範囲に設定することが必要であり、より好ま
しくは0.05〜0.15部である。すなわち、上記C
成分の配合割合が、0.01部未満であれば、圧縮永久
歪の向上が認められず、逆に、0.3部を超えると、圧
縮永久歪が悪くなり、耐熱性も悪くなるからである。
【0016】上記A成分〜C成分とともに用いられる芳
香族ジスルフィド化合物(D成分)は、素練り促進剤と
して作用するものであり、特に限定されるものではない
が、例えば、2,2′−ジベンゾアミドジフェニルジス
ルフィド、2−ベンズアミドチオフェノールの亜鉛塩等
があげられる。
【0017】上記芳香族ジスルフィド化合物(D成分)
の配合割合は、上記エピクロルヒドリン系ゴム(A成
分)100部に対して、0.1部以上に設定する必要が
あり、より好ましくは0.5〜1.5部である。すなわ
ち、上記D成分の配合割合が、0.1部未満であれば、
圧縮永久歪や貯蔵安定性が悪くなるからである。
【0018】上記A成分〜D成分とともに用いられる
1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7
(以下「DBU」と略す)の弱酸塩(E成分)として
は、特に限定されるものではないが、DBUのカルボン
酸塩やDBUのフェノール塩が好適に用いられる。上記
DBUのカルボン酸塩としては、DBUのナフトエ酸塩
やソルビン酸塩が好ましい。これらは単独であるいは二
種以上併せて用いられる。
【0019】上記E成分の配合割合は、上記エピクロル
ヒドリン系ゴム(A成分)100部に対して、0.1〜
5部の範囲に設定することが必要であり、より好ましく
は、0.5〜1.5部である。すなわち、上記E成分の
配合割合が、0.1部未満であれば、フッ素系ゴムまた
はフッ素系樹脂からなる層と、エピクロルヒドリン系ゴ
ムからなる層との接着性が悪くなリ、逆に、5部を超え
ると、圧縮永久歪が悪くなるからである。
【0020】本発明の接着方法に用いられるゴム組成物
には、上記A成分〜E成分に加えて、さらにハイドロタ
ルサイト化合物(F成分)を適宜に配合することが可能
である。上記F成分を配合したゴム組成物を用いて上記
二層を直接加硫接着すれば、上記二層の接着性がさらに
向上するとともに、エピクロルヒドリン系ゴムからなる
層の圧縮永久歪がさらに向上するとともに、貯蔵安定性
および耐サワーガソリン性も向上するという効果が得ら
れる。また、被鉛加硫製法が可能になり、受酸剤として
鉛化合物を使用しないため、鉛化合物による毒性等の問
題も解消できる。
【0021】上記ハイドロタルサイト化合物(F成分)
は、受酸剤として作用するものであり、特に限定される
ものではないが、例えば、代表的な組成式MgAl
2 (OH)16CO3 ・4H2 Oで示されるものが好まし
く、具体的には、協和化学工業社製のDHT−4A等が
好適に用いられる。
【0022】上記ハイドロタルサイト化合物(F成分)
の配合割合は、上記エピクロルヒドリン系ゴム(A成
分)100部に対して、1〜10部の範囲に設定するこ
とが必要であり、より好ましくは、1.5〜4.5部で
ある。すなわち、上記F成分の配合割合が、1部未満で
あれば、速やかに加硫を行うことができず、耐サワーガ
ソリン性に劣り、逆に、10部を超えると、圧縮永久歪
が悪くなるからである。
【0023】本発明のゴム組成物には、上記A成分〜F
成分に加えて、さらに各種添加剤を適宜に配合すること
が可能である。このような添加剤としては、例えば、可
塑剤、老化防止剤、加工助剤、補強剤、充填剤、難燃剤
等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せ
て用いられる。
【0024】上記可塑剤としては、フタル酸ジオクチル
(DOP)等のフタレート系、ジブチルカルビトールア
ジペート等のアジペート系およびポリエーテル系等があ
げられる。
【0025】上記老化防止剤としては、ジブチルジチオ
カルバミン酸ニッケル、2−メルカプトベンゾイミダゾ
ール、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノ
ン等があげられる。
【0026】一方、本発明の接着方法において、エピク
ロルヒドリン系ゴムからなる層の接着対象となるフッ素
系ゴム(以下「FKM」と略す)からなる層の形成材料
としては、特に限定されるものではないが、例えば、フ
ッ化ビニリデンと三フッ化塩化エチレンとの共重合体、
フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンとの共重合体、
フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンと四フッ化エチ
レンとの三元共重合体、ポリフッ化ビニリデンとアクリ
ルゴムとのブレンド物等があげられる。
【0027】また、エピクロルヒドリン系ゴムからなる
層の接着対象となるフッ素系樹脂からなる層の成形材料
としては、特に限定されるものではないが、例えば、四
フッ化エチレンと六フッ化プロピレンとフッ化ビニリデ
ンとの三元共重合体(THV)、エチレンと四フッ化エ
チレンとの共重合体、四フッ化エチレンと六フッ化プロ
ピレンとの共重合体等があげられる。
【0028】つぎに、本発明の接着方法について、具体
的に説明する。
【0029】まず、エピクロルヒドリン系ゴムからなる
層の形成材料であるゴム組成物は、上記A成分〜E成分
および任意成分としてF成分、さらに各種添加剤を所定
の割合で配合し、混練することにより得られる。一方、
FKM(またはフッ素系樹脂)からなる層の形成材料を
準備する。つぎに、上記ゴム組成物およびFKM(また
はフッ素系樹脂)形成材料をシート状に成形し、両者を
直接貼り合わせたものを金型に挟み、面圧5〜50kg
f/cm2 、150〜170℃×20〜90分の条件で
加圧加硫を行う方法があげられる。
【0030】また、上記ゴム組成物と上記FKM(また
はフッ素系樹脂)形成材料とを、例えば、同時押出法に
より、上記ゴム組成物と上記FKM(またはフッ素系樹
脂)とを互いに隣接させて成形し、これを加硫する方法
等があげられる。この場合の加硫条件としては、150
〜170℃×20〜90分が好ましい。
【0031】以上のようにして、FKM(またはフッ素
系樹脂)からなる層と、エピクロルヒドリン系ゴムから
なる層とを、接着剤等を用いることなく、直接加硫接着
することが可能となる。
【0032】このような接着方法を用いて、例えば、図
1に示すような2層構造のホースを容易に作製すること
ができる。すなわち、まず、FKM(またはフッ素系樹
脂)からなる管状内層1と、エピクロルヒドリン系ゴム
からなる管状外層2とを、同時押出法により押出成形し
て2層構造の未加硫状態のホースを作製する。ついで、
これを接着剤を介さずに、直接加硫接着することによ
り、2層構造のホースを作製する。
【0033】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0034】まず、実施例および比較例に先立ち、下記
の表1に示す各材料(*1〜11)をそれぞれ準備し
た。
【0035】
【表1】
【0036】
【実施例1〜18、比較例1〜8】上記表1に示した各
材料(*1〜11)および下記の表2〜表6に示すその
他の材料を同表に示す割合で配合してゴム組成物を作製
した。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】このようにして得られた実施例品および比
較例品のゴム組成物を用いて、下記の基準に従い、貯蔵
安定性、初期物性、圧縮永久歪および耐サワーガソリン
性について比較評価を行った。これらの結果を後記の表
7〜表11に併せて示す。
【0043】〔貯蔵安定性(スコーチ性)〕貯蔵安定性
の評価は、JIS K 6300に記載の方法に準じて
行った。すなわち、初期、乾熱後(40℃×72時間)
および湿熱後(50℃×24時間×95%RH)のそれ
ぞれについて、ML 121℃(1+3)およびスコー
チタイム(St.5p)を測定した。
【0044】〔初期物性〕初期物性は、上記ゴム組成物
を160℃×45分プレスした後の加硫ゴムの初期性能
を示す物性値であり、JIS K 6301に記載の方
法に準じて測定した。なお、TBは引張強度、EBは引
張破断伸び、HsはJIS A 硬度をそれぞれ示す。
【0045】〔圧縮永久歪〕JIS K 6301に記
載の方法に準じ、1次加硫(100℃×72時間)を行
った場合の圧縮永久歪を測定した。なお、比較例1品の
ゴム組成物については、2次加硫(150℃×2時間)
を行った場合の圧縮永久歪も測定した。
【0046】〔耐サワーガソリン性〕耐サワーガソリン
性の評価は、JIS K 6301に記載の方法に準じ
て行った。すなわち、上記ゴム組成物をシート状に成形
した後、160℃×45分間の条件で加硫した。つい
で、引張強度、伸び、硬さ変化を測定する場合、このシ
ート状加硫物から、ダンベル状3号試験片を打ち抜き、
ラウロイルパーオキサイド(LPO)を3重量%添加し
たFuel B〔イソオクタン/トルエン=70/30
(容量%)〕に浸漬して、40℃で72時間放置した。
なお、試料3個に対し液量150mlとした。また、体
積変化率を測定する場合、幅20mm、長さ50mm、
厚み2.00±0.15mmの試験片3個を液量100
mlの液に浸漬した。また、表において、△TBは浸漬
後の引張強度の常態時引張強度に対する変化率、△EB
は浸漬後の破断伸びの常態時破断伸びに対する変化率、
△Hsは浸漬後の硬度の常態時硬度に対する変化率、△
Vは浸漬後の体積変化率をそれぞれ示す。なお、外観に
ついても評価を行った。
【0047】
【表7】
【0048】
【表8】
【0049】
【表9】
【0050】
【表10】
【0051】
【表11】
【0052】上記表7〜表11の結果から、実施例1〜
18品のゴム組成物は、比較例品のゴム組成物に比べ
て、貯蔵安定性、初期物性、圧縮永久歪および耐サワー
ガゾリン性の評価結果のバランスが優れていることがわ
かる。なかでも、実施例10〜18品のゴム組成物は、
A成分〜E成分に加えて、さらにハイドロタルサイト化
合物(F成分)を所定の割合で配合しているため、実施
例1〜9品よりも、貯蔵安定性および圧縮永久歪がより
一層向上することもわかる。
【0053】つぎに、上記実施例品および比較例品のゴ
ム組成物と、二元系FKMとの接着性について比較評価
を行った。これらの結果を、後記の表12〜表16に示
す。なお、実施例10品のゴム組成物については、三元
系FKMとの接着性および三元系THVとの接着性につ
いても比較評価を行った。
【0054】〔二元系FKM〕二元系FKMとして、下
記の組成のものを用いた。 ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロペン二元共重合体 (バイトン E430、デュポン社製) 100部 カーボンSRF 13部 MgO♯150 3部 Ca(OH)2 6部
【0055】〔三元系FKM〕バイトン E430に代
えて、フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンと四フッ
化エチレンとの三元共重合体(ダイエル G555、ダ
イキン社製)を用いた。それ以外は、上記二元系FKM
と同様の組成のものを用いた。
【0056】〔三元系THV〕三元系THVとして、テ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロペン−ビニ
リデンフルオライド三元共重合体(THV 500G、
3M社製)を用いた。
【0057】二元系FKM(または三元系FKM、三元
系THV)とエピクロルヒドリン系ゴムとの接着性は、
初期、熱老化後(120℃×72時間)および浸漬後
(Fuel D、40℃×48時間)のそれぞれの場合
について、下記の剥離力および界面状態について比較評
価を行った。
【0058】〔剥離力〕厚み1.2mmのFKM板(ま
たはTHV板)と、厚み2.2mmの未加硫エピクロル
ヒドリンゴム板とを貼り合わせたものを厚み3mmの金
型に挟み、面圧20kgf/cm2 、160℃×45分
の条件で加圧加硫を行った後、得られた加硫シートを2
5mm幅で短冊状に切断した。つぎに、この短冊状の加
硫シートをストログラフを用いて、剥離速度50mm/
分で引き離した際の上記FKM板(またはTHV板)
と、未加硫エピクロルヒドリンゴム板との剥離力(kg
f/25mm)を測定した。
【0059】〔界面状態〕界面状態は、上記剥離力の試
験において、FKM板(またはTHV板)と未加硫エピ
クロルヒドリンゴム板とが接着しているかどうかを肉眼
で観察した。そして、FKM板(またはTHV板)とエ
ピクロルヒドリンゴム板との剥離面において全面がゴム
破壊の状態を「R破壊」、ある部分がゴム破壊で、残り
の部分が界面剥離の状態を「部分R」として表に示し
た。
【0060】
【表12】
【0061】
【表13】
【0062】
【表14】
【0063】
【表15】
【0064】
【表16】
【0065】上記表12〜表16の結果から、実施例品
のゴム組成物を用いた場合は、二元系FKM(または三
元系FKM等)との接着性が良好であるのに対して、比
較例品のゴム組成物を用いた場合は、二元系FKMとの
接着性が劣ることがわかる。
【0066】
【発明の効果】以上のように、本発明は、フッ素系ゴム
およびフッ素系樹脂のいずれか一方からなる層と、エピ
クロルヒドリン系ゴムからなる層とを直接加硫接着する
接着方法であって、上記エピクロルヒドリン系ゴムから
なる層の形成材料として、上記エピクロルヒドリン系ゴ
ム(A成分)、チオウレア化合物(B成分)、硫黄(C
成分)、芳香族ジスルフィド化合物(D成分)およびD
BUまたはその弱酸塩(E成分)をそれぞれ所定の割合
で含有したゴム組成物を用いる。したがって、接着剤等
を使用することなく、上記フッ素系ゴムまたはフッ素系
樹脂からなる層と、エピクロルヒドリン系ゴムからなる
層とを容易かつ強固に直接接着することができる。ま
た、上記ゴム組成物を用いた場合は、エピクロルヒドリ
ン系ゴムからなる層の圧縮永久歪が向上し、二次加硫が
不要になる。
【0067】そして、上記A成分〜E成分に加えて、さ
らに上記ハイドロタルサイト化合物(F成分)を上記特
定の割合で配合したゴム組成物を用いて上記二層を直接
加硫接着すれば、上記二層の接着性を維持しながら、エ
ピクロルヒドリン系ゴムからなる層の圧縮永久歪がより
一層向上するとともに、貯蔵安定性および耐サワーガソ
リン性も向上し、しかも受酸剤として鉛化合物を使用し
ないため、鉛化合物による毒性等の問題を解消できる。
【0068】したがって、本発明は、例えば、燃料ホー
スおよびエアホース系等の単層ホースまたは多層ホース
の成形方法に応用することができ、特にエアホース系に
関しては、上記ゴム組成物を内面ゴム形成材料として使
用可能である。さらに、本発明においては、接着剤等を
介さず、直接加硫接着することができ、製造コストの面
でも非常に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接着方法により得られる2層構造のホ
ースの構成図である。
【符号の説明】
1 フッ素系ゴム(またはフッ素系樹脂)からなる管状
内層 2 エピクロルヒドリン系ゴムからなる管状外層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 19/00 C08L 19/00 71/03 71/03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素系ゴムおよびフッ素系樹脂のいず
    れか一方からなる層と、エピクロルヒドリン系ゴムから
    なる層とを直接加硫接着する接着方法であって、上記エ
    ピクロルヒドリン系ゴムからなる層の形成材料として、
    下記の(A)〜(E)成分を含有し、かつ、上記(B)
    〜(E)成分の配合割合が、上記(A)成分100重量
    部に対し、上記(B)成分が0.3〜3重量部に、上記
    (C)成分が0.01〜0.3重量部に、上記(D)成
    分が0.1重量部以上に、上記(E)成分が0.1〜5
    重量部にそれぞれ設定されたゴム組成物を用いることを
    特徴とする接着方法。 (A)エピクロルヒドリン系ゴム。 (B)チオウレア化合物。 (C)硫黄。 (D)芳香族ジスルフィド化合物。 (E)1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ
    ン−7またはその弱酸塩。
  2. 【請求項2】 上記エピクロルヒドリン系ゴムからなる
    層の形成材料として、上記(A)〜(E)成分に加え
    て、さらに下記の(F)成分を含有し、かつ、上記
    (F)成分の配合割合が、上記(A)成分100重量部
    に対し、上記(F)成分が1〜10重量部に設定された
    ゴム組成物を用いる請求項1記載の接着方法。 (F)ハイドロタルサイト化合物。
  3. 【請求項3】 下記の(A)〜(E)成分を含有するゴ
    ム組成物であって、上記(B)〜(E)成分の配合割合
    が、上記(A)成分100重量部に対し、上記(B)成
    分が0.3〜3重量部に、上記(C)成分が0.01〜
    0.3重量部に、上記(D)成分が0.1重量部以上
    に、上記(E)成分が0.1〜5重量部にそれぞれ設定
    されていることを特徴とするゴム組成物。 (A)エピクロルヒドリン系ゴム。 (B)チオウレア化合物。 (C)硫黄。 (D)芳香族ジスルフィド化合物。 (E)1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ
    ン−7またはその弱酸塩。
  4. 【請求項4】 上記(A)〜(E)成分に加えて、さら
    に下記の(F)成分を含有し、かつ、上記(F)成分の
    配合割合が、上記(A)成分100重量部に対し、上記
    (F)成分が1〜10重量部に設定されている請求項3
    記載のゴム組成物。 (F)ハイドロタルサイト化合物。
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