JPH1088054A - 水溶性赤外蛍光インク - Google Patents

水溶性赤外蛍光インク

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JPH1088054A
JPH1088054A JP24162096A JP24162096A JPH1088054A JP H1088054 A JPH1088054 A JP H1088054A JP 24162096 A JP24162096 A JP 24162096A JP 24162096 A JP24162096 A JP 24162096A JP H1088054 A JPH1088054 A JP H1088054A
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water
ink
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concentration
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JP24162096A
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Toshiyuki Tamura
敏行 田村
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TEC CORP
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シアニン系色素を使用することで発光出力を大
きくし、また、クエンチャー等を添加することなく耐光
性を向上することでコスト的にも安価にする。 【解決手段】主成分が、水、水溶性樹脂、湿潤剤及びシ
アニン系色素からなる水溶性赤外蛍光インクにおいて、
シアニン系色素の濃度を、初期発光出力が最大になる色
素濃度よりも高くする。すなわち、シアニン系色素の濃
度を0.075重量部以上にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主成分が、水、水
溶性樹脂、湿潤剤及び蛍光物であるシアニン系色素から
なる水溶性赤外蛍光インクに関する。
【0002】
【従来の技術】水溶性赤外蛍光インクは、例えば、郵便
物の宛名情報をバーコード等の機械的読取り可能なコー
ドに変換して郵便物上に印刷し、これをコードリーダに
より読取って郵便物を宛名毎に自動的に区分したり、セ
キュリティが要求されるものにおいてID情報をコード
に変換して印刷し、これをコードリーダにより読取るな
どのシステムに使用され、このインクで印刷した内容は
通常は目視されず、赤外線を照射することで別の赤外線
を発光し、これをセンサーで読取るようにしている。
【0003】ところで、700nm〜900nmの赤外
線を照射して、励起光よりも長波長側にシフトする別の
波長を発光する蛍光材料の代表的なものとしては、シア
ニン色素やフタロシアニン、ナフタロシアニンなどの有
機系材料がある。また、無機系材料としては、NdやY
bの希土類を用いた材料がある。無機系の材料を使用し
た水溶性赤外蛍光インクは応答性が悪く、このインクを
使用して印刷したバーコードの読取り速度としては、搬
送速度が2m/秒程度で移動するものに対しては可能で
あるが、それ以上の搬送速度になると蛍光体の認識がで
きなくなる。また、発光光量が有機系の材料に比べて少
ないという問題もある。
【0004】また、フタロシアニンやナフタロシアニン
は、一般的にシアニン系色素に比べて耐光性は良いが発
光強度に劣るという問題がある。しかも、顔料系の材料
であるため、オンデマンド型のインクジェットプリンタ
に用いる場合安定した分散系が必要になり、信頼性の点
で問題があった。さらに、発光強度が弱いため、高速読
取りシステムには適さないという問題があった。
【0005】これに対し、シアニン系色素は、発光強度
は強いが耐光性が弱いという問題がある。これを解決す
る方法として、1次酸素クエンチャーなどの色素の劣化
を防止する材料を添加する方法がある。このクエンチャ
ーは色素と同程度をインク内に含有させることにより耐
光性を向上させることができる。しかし、クエンチャー
はシアニン系色素と同様に高価であり、これを使用して
耐光性を向上させるにはインクが高価になるという問題
が生じる。また、耐光性の向上という点では全てのシア
ニン系色素に効果があるわけでなく、クエンチャーによ
る耐光性の向上には限界がある。さらに、水溶性インク
の場合、クエンチャーが水に溶解しないため、乳化重合
等による分散型にする必要があり、また、フタロシアニ
ンやナフタロシアニンを用いる場合と同様に目詰まりを
起こすという問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、シアニン系色
素にクエンチャーを添加し乳化重合により分散型にした
としても以下の問題があった。すなわち、乳化重合法に
より水性エマルジョン化(蛍光材料は樹脂固溶体として
顔料化される。)して水中に分散させ、乾燥防止や粘度
・表面張力調節(2cps〜15cps程度)のために
湿潤剤を添加し、また、顔料がプリンタヘッドにおいて
硬化するのを防止するために表面張力低下界面活性剤を
添加し、さらに、必要に応じて消泡剤、防カビ剤、防腐
剤を添加する分散系インクにおいても、エマルジョンは
水濃度により分散の安定性が異なり、目詰まりが生じる
という問題があった。
【0007】また、クエンチャーとシアニン系色素との
相性があり、クエンチャーを添加したからといって必ず
しも耐光性を向上できるとは限らない。また、クエンチ
ャーが金属錯体(例えばNi錯体)のような水等に不溶
であるため、乳化重合時に色素とともに添加する必要が
あるが、色素やクエンチャーによっては乳化重合できな
い場合があった。
【0008】このように使用できる色素とクエンチャー
が限定され、また、インクとしては分散型に限定される
という問題があった。また、このインクを使用するヘッ
ドとしてはコンティニュアス方式に制約され、オンデマ
ンド方式には適さないという問題があった。また、ヘッ
ドが目詰まりを起こすという問題もあった。さらにはイ
ンクが高価になるという問題があった。
【0009】そこで、請求項1乃至4記載の発明は、シ
アニン系色素を使用することで発光出力が大きく、しか
も、クエンチャー等を添加することなく耐光性を向上で
き、従ってコスト的にも安価にできる水溶性赤外蛍光イ
ンクを提供する。
【0010】また、請求項3乃至4記載の発明は、さら
に、目詰まりを起こすおそれがない完全溶解型のインク
にでき、従ってコンティニュアス方式のヘッドは勿論、
オンデマンド方式のヘッドにも使用でき、汎用性の高い
水溶性赤外蛍光インクを提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
主成分が、水、水溶性樹脂、湿潤剤及び蛍光物であるシ
アニン系色素からなる水溶性赤外蛍光インクであって、
シアニン系色素の濃度を、初期発光出力が最大になる色
素濃度よりも高くしたことにある。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、シアニン系色素の濃度を、0.075重量
部以上としたことにある。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、水溶性樹脂として、アクリル系樹脂
を使用したことにある。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、アクリル系樹脂の濃度を、5重量部以上1
5重量部以下としたことにある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。水溶性樹脂と水溶性のシアニン系
色素を溶解した水溶性インクで、シアニン系色素の濃度
を初期発光出力が最大になる色素濃度よりも高くする。
シアニン系色素としては、NK−306、NK−337
7、NK−3761、NK−3803、NK−425
4、NK−3872(いずれも(株)日本感光色素研究
所社製)等がある。そして、このシアニン系色素を初期
発光出力が最大になる色素濃度よりも高濃度の0.07
5重量部以上添加する。好ましくは、0.1重量部程度
添加する。
【0016】また、水溶性樹脂としては、アンモニアや
モノエタノールアミン等で中和したスチレン・アクリル
樹脂(例えば、ジョンソンポリマー(株)社製)やアン
モニアで中和したスチレンマレイン酸樹脂等がある。そ
して、この水溶性樹脂を全インクに対して、5重量部以
上15重量部以下の範囲で添加する。好ましくは、10
重量部以上12.5重量部以下の範囲で添加する。
【0017】湿潤剤としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール等の多価アルコール類を10重量部〜50
重量部添加し、界面活性剤1重量部と、必要に応じて消
泡剤、防カビ剤、防腐剤等を添加する。なお、残りは純
水となる。純水と湿潤剤の量はインクの物性値粘性及び
表面張力(接触角)により決定する。
【0018】このようにして製造した蛍光インクは、郵
便物の宛名情報をバーコード等のコードに変換して郵便
物上に印刷したり、セキュリティが要求されるものにお
いてID情報をコードに変換して印刷するのに使用さ
れ、実用レベルの耐光性が得られ、また、オンデマンド
型のインクジェットプリンタに使用した場合にヘッドが
目詰まりするのを極力防止できる。
【0019】次に具体例について述べる。各種の水溶性
赤外蛍光インクを製造し、このインクの粘度を東京計器
(株)社製のE型粘度計(Visconic ELD)を使用して測
定する。また、このインクで年賀はがきにバーコードを
印刷し、この印刷したバーコードを光量測定器を使用し
て測定する。
【0020】光量測定器は、図1に示すように、レーザ
波長が810nmで出力が1mWの半導体レーザ1から
のレーザ光をレンズ2及び図2の波長透過率特性を有す
るSPF800フィルタ3を介してバーコードを印刷し
た年賀はがき4のバーコード上に照射する。そして、バ
ーコードの発光出力をIR−80フィルタ5、図3の波
長透過率特性を有するLPF850フィルタ6及びレン
ズ7を介してフォトダイオードからなるセンサ8で受光
し、このセンサ8の出力をデジタルボルチメータ9で測
定するようになっている。
【0021】また、バーコード読取り評価を、図4に示
すロングバーa、ハーフバーb、タイミングバーcから
なる4ステート3本バーと呼ばれる特殊バーコードを年
賀はがきに印刷して行う。このバーコードは3本1組で
数字又は英数字を表わし、郵便番号等の情報をバーコー
ドで表わしている。そして、バーコードを印刷した年賀
はがきに出力が50mWの半導体レーザを使用してレー
ザ光を照射し、このとき年賀はがきを3m/秒の搬送速
度で搬送しバーコード読取りを行うことで行った。
【0022】また、年賀はがきに対するバーコードの印
刷は、例えば、図5に示すようなピエゾを用いたオンデ
マンド型ヘッドを使用した。すなわち、後端部にピエゾ
素子11を配置し、このピエゾ素子11の前面に金属板
12を配置し、この金属板12の前面に圧力増幅室13
を配置している。そして、圧力増幅室13の前面にメタ
ルダイヤフラム14を配置し、このメタルダイヤフラム
14の前面にインク供給室15を形成するとともにイン
ク吐出口16を形成している。そして、前記ピエゾ素子
11と金属板12との間に電力源17から矩形波電力を
供給してピエゾ素子11を歪み動作させ、これにより生
じる圧力変化を圧力増幅室13で増幅した後メタルダイ
ヤフラム14に伝達し、このメタルダイヤフラム14の
変動をインク供給室15に与えることでインク吐出口1
6からインク滴18を飛翔させるようになっている。
【0023】シアニン系色素は、添加する水溶性樹脂の
種類により多少異なるが、図6に示すように、初期発光
出力を最大にする最適な濃度を有する。なお、初期発光
出力とは、この種のインクは耐光性の関係から光を照射
し続けると発光出力が次第に低下するので、このような
低下が生じる前の発光出力を言う。図6において、実線
のグラフg1 、破線のグラフg2 及び点線のグラフg3
は水溶性樹脂としてアクリル系樹脂を使用したものであ
り、また、1点鎖線のグラフg4 は水溶性樹脂としてオ
レフィン系樹脂を使用したものである。
【0024】実線のグラフg1 で示すアクリル系樹脂を
使用したものでは、シアニン系色素の濃度が0.075
重量部のとき発光出力が最大になり、濃度がそれ以上に
なると発光出力が徐々に低下する。すなわち、発光出力
はある濃度のとき最大値を有する。このときの濃度を最
適濃度とすれば、この最適濃度は樹脂の種類や樹脂濃度
により多少異なるがシアニン系色素濃度が略0.075
重量部程度の濃度のときと言える。
【0025】具体的実施例では、シアニン系色素とし
て、NK−3377を使用し、水溶性樹脂として、スチ
レン・アクリル酸共重合物をアンモニアで中和させた樹
脂を使用する。また、湿潤剤として、ジプロピレングリ
コールを使用する。その他として、アニオン系の界面活
性剤と消泡剤と純水を使用した。インクの製造方法は、
インクが約10cps、約35dyn/cmになるよう
に湿潤剤と水の量で調節した。
【0026】先ず、スチレン・アクリル水溶液(水溶液
の状態で固形分30%)を必要な量まで水で希釈する。
必要量のNK−3377(シアニン系色素)を測定し、
その色素を希釈した樹脂水溶液と混ぜ、マグネットスタ
ーラで攪拌する。さらに、必要量の湿潤剤をかき混ぜな
がら添加し、界面活性剤1%と防腐剤を添加する。最後
に、ゆっくりと攪拌しながら消泡剤を必要量添加する。
なお、消泡剤は0.1重量部〜1重量部の範囲である。
【0027】インク1は、 水溶性樹脂量 5 重量部 湿潤剤 38 重量部 水 55.7重量部 界面活性剤 1 重量部 消泡剤 0.1重量部 防腐剤+色素 0.2重量部 とし、インク1−1として色素濃度を0.05重量部
(比較例1)、インク1−2として色素濃度を0.07
5重量部(実施例1)、インク1−3として色素濃度を
0.1重量部(実施例2)、インク1−4として色素濃
度を0.125重量部(実施例3)として比較評価を行
った。
【0028】インク2は、 水溶性樹脂量 10 重量部 湿潤剤 34.4重量部 水 54.3重量部 界面活性剤 1 重量部 消泡剤 0.1重量部 防腐剤+色素 0.2重量部 とし、インク2−1として色素濃度を0.05重量部
(比較例2)、インク2−2として色素濃度を0.07
5重量部(実施例4)、インク2−3として色素濃度を
0.1重量部(実施例5)、インク2−4として色素濃
度を0.125重量部(実施例6)として比較評価を行
った。
【0029】インク3は、 水溶性樹脂量 15 重量部 湿潤剤 21.5重量部 水 62.2重量部 界面活性剤 1 重量部 消泡剤 0.1重量部 防腐剤+色素 0.2重量部 とし、インク3−1として色素濃度を0.05重量部
(比較例3)、インク3−2として色素濃度を0.07
5重量部(実施例7)、インク3−3として色素濃度を
0.1重量部(実施例8)、インク3−4として色素濃
度を0.125重量部(実施例9)として比較評価を行
った。
【0030】インク4は、 水溶性樹脂量 16 重量部 湿潤剤 15.5重量部 水 67.2重量部 界面活性剤 1 重量部 消泡剤 0.1重量部 防腐剤+色素 0.2重量部 とし、インク4−1として色素濃度を0.05重量部
(比較例4)、インク4−2として色素濃度を0.07
5重量部(実施例10)、インク4−3として色素濃度
を0.1重量部(実施例11)、インク4−4として色
素濃度を0.125重量部(実施例12)として比較評
価を行った。
【0031】さらに、水溶性樹脂として、PVP(ポリ
ビニルピロリドン)を使用したものをインク7(比較例
5)とし、PVAを使用したものをインク8(比較例
6)として比較評価を行った。なお、評価は、図1に示
す光量測定器を使用し、図4の特殊バーコードを年賀は
がきに印刷し、これを搬送速度3m/秒で搬送し、光量
測定器で読取った結果で判断した。また、インク滴の飛
翔性の安定判断はCCDカメラとストロボにより実際に
飛翔しているところをモニタ上で観察し目視で判断し
た。
【0032】以上の比較評価の結果を示すと表1に示す
ようになった。
【0033】
【表1】
【0034】表1において、相溶性とは水溶性樹脂と色
素との相性を示し、相溶性が悪いと色素の凝集が生じ発
光が得られない。従って、比較例5、6の水溶性樹脂と
してPVP及びPVAを使用したものは使用できないこ
とが分かる。ここではシアニン系色素としてNK−33
77を使用したが他のシアニン系色素を使用しても同様
の結果であった。
【0035】飛翔性は、実際にヘッドで印刷するときの
インクの飛翔状態を観察した結果で、飛翔状態は安定性
で評価し、図5に示す構成のヘッドを駆動周波数5KH
z で駆動したとき、サテライトや飛翔方向性が悪いもの
を×として評価した。初期発光出力は、光量測定器の出
力値で0.7V以上あれば搬送速度が3m/秒のもとで
も読取りが可能であるので、0.7Vを越えるものを
○、0.7Vを△、0.7V未満を×として評価した。
【0036】また、変化率とは発光出力の減衰率で、こ
の評価は光量測定器の半導体レーザ1をインクの蛍光体
に照射し続けたときの発光出力の計時変化を記録して行
った。このときの経時変化をグラフで示すと図7に示す
ような4つのタイプになった。すなわち、1点鎖線で示
すグラフg11はタイプ1で、このタイプ1のインクは経
時変化が10分間のレベルではほとんど発光出力の減衰
はない。また、点線で示すグラフg12はタイプ2で、こ
のタイプ2のインクは発光出力の減衰はあるがその減衰
は10分間で30%以内であり、はがき等の郵便物から
バーコードを読取って自動区分するために使用する蛍光
インクとしては実用上問題ないと判断できる。また、破
線で示すグラフg13はタイプ3、実線で示すグラフg14
はタイプ4で、これらはいずれも発光出力の経時変化が
大きく実用的でないと判断できる。以上のことから、タ
イプ1及びタイプ2に属する蛍光インクを○、タイプ3
及びタイプ4に属する蛍光インクを×として評価した。
また、初期読み取り結果は、印刷したバーコードを経時
変化を起こす前に読み取った結果を示し、この初期読み
取りにおいては水溶性樹脂としてアクリル系樹脂を使用
したものは全てバーコードの読み取りが可能であった。
【0037】以上の評価結果をまとめると以下のように
なる。アクリル系樹脂はシアニン系色素との相溶性がよ
く実用的である。これに対しPVPやPVAは色素の凝
集が生じて実用は困難である。また、アクリル系樹脂の
濃度が15重量部以下であればインクは実用上問題無い
程度に安定して飛翔するが、濃度が16重量部になると
インクの方向性にばらつきが生じ、またオリフィス間で
インク飛翔速度にばらつきが生じてインクは安定して飛
翔できなくなる。従って、アクリル系樹脂の濃度として
は、15重量部以下が望ましい。さらには12.5重量
部以下がより望ましい。
【0038】また、初期発光出力は、アクリル系樹脂濃
度が5重量部未満の場合には0.7V未満となり、読み
取りに支障が生じる。従って、アクリル系樹脂の濃度と
しては、5重量部以上が望ましい。従って、飛翔の安定
性及び初期発光出力の両方を満足するにはアクリル系樹
脂の濃度としては、5重量部以上15重量部以下が望ま
しく、さらには、5重量部以上12.5重量部以下がよ
り望ましい。
【0039】また、アクリル系樹脂濃度がどの濃度にお
いても色素濃度が0.05重量部程度のとき初期発光出
力が略最大であった。そして色素濃度が0.05重量部
以下では発光出力が低下する。色素濃度が0.05重量
部以下の場合、発光出力の減衰率のカーブが図7のグラ
フg13、すなわち、タイプ3となり、実用上問題が生じ
る。また、初期発光出力が最大となるときの色素濃度に
対し、色素濃度がそれ以下の場合は発光出力の減衰率の
カーブが図7のグラフg13やg14のようになり、それ以
上の場合は発光出力の減衰率のカーブが図7のグラフg
11やg12のようになる。
【0040】すなわち、タイプ3及び4の場合は初期発
光時において半導体レーザの光で色素がやられ、それに
より光が直ちに減衰する。色素濃度が0.05重量部の
場合、タイプ3になり、それ以下の色素濃度ではタイプ
4のようにさらに光の減衰が速くなる。また、タイプ1
及び2の場合は半導体レーザの照射開始からしばらくは
発光出力が増加する。タイプ2は色素濃度が0.075
重量部の場合で、グラフg12に示すように発光出力が約
20秒で減衰し始めているが、タイプ3及び4の場合に
比べて減衰率は小さい。タイプ1は色素濃度が0.1重
量部の場合で、グラフg11に示すように10分程度では
発光出力の減衰はほとんどない。
【0041】従って、色素濃度について実用レベルで考
えると、0.075重量部以上が望ましく、さらには
0.1重量部以上がより望ましい。なお、ここでは、シ
アニン系色素としてNK−3377を使用したが他のシ
アニン系色素を使用しても同様である。以上のことか
ら、シアニン系色素を使用した赤外蛍光インクは、アク
リル系樹脂を使用し、色素濃度を0.075重量部以上
とし、アクリル系樹脂濃度を5重量部以上15重量部以
下にすることが望ましい。こうして得た赤外蛍光インク
は、発光出力が大きく、また、水溶性アクリル系樹脂を
使用することで色素がインクに溶解できて目詰まりを起
こすおそれは無い。また、色素濃度を最高発光出力の色
素濃度よりも高くしているので、急激な発光出力の低下
がなく、耐光性を向上できる。従って、クエンチャー等
を添加せずに自動区分のためにはがき等の郵便物にバー
コードを印刷して読み取るシステムに対して十分に適用
できる耐光性を持たせることができる。すなわち、コス
ト的に安価で信頼性も高く、また、コンティニュアス方
式のヘッドは勿論、オンデマンド方式のヘッドにも使用
でき、汎用性を向上できる。
【0042】また、シアニン系色素の耐光性を向上する
には、乳化重合を用いる分散型インクにおいても最高発
光出力時の色素濃度以上の濃度なるように色素濃度を混
入することによっても得られる。また、ここではアクリ
ル系樹脂を用いたが、分散系の場合にはメラミン系やア
クリロニトリル・スチレンの共重合物等各種の樹脂につ
いても耐光性を向上できる。
【0043】
【発明の効果】以上、請求項1乃至4記載の発明によれ
ば、シアニン系色素を使用することで発光出力が大き
く、しかも、クエンチャー等を添加することなく耐光性
を向上でき、従ってコスト的にも安価にできる。
【0044】また、請求項3乃至4記載の発明によれ
ば、さらに、目詰まりを起こすおそれがない完全溶解型
のインクにでき、従ってコンティニュアス方式のヘッド
は勿論、オンデマンド方式のヘッドにも使用でき、汎用
性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に使用する光量測定器の構
成を示す図。
【図2】図1の光量測定器のSPF800フィルタの特
性を示すグラフ。
【図3】図1の光量測定器のLPF850フィルタの特
性を示すグラフ。
【図4】同実施の形態の蛍光インクで印刷するバーコー
ドの構成を示す図。
【図5】同実施の形態のプリンタヘッドの構成を示す断
面図。
【図6】同実施の形態におけるシアニン系色素の濃度と
発光出力の関係を示すグラフ。
【図7】同実施の形態における蛍光インクの時間経過に
対する発光出力の減衰率を示すグラフ。
【符号の説明】
1…半導体レーザ 4…年賀はがき 8…センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分が、水、水溶性樹脂、湿潤剤及び
    蛍光物であるシアニン系色素からなる水溶性赤外蛍光イ
    ンクであって、前記シアニン系色素の濃度を、初期発光
    出力が最大になる色素濃度よりも高くしたことを特徴と
    する水溶性赤外蛍光インク。
  2. 【請求項2】 シアニン系色素の濃度を、0.075重
    量部以上としたことを特徴とする請求項1記載の水溶性
    赤外蛍光インク。
  3. 【請求項3】 水溶性樹脂として、アクリル系樹脂を使
    用したことを特徴とする請求項1又は2記載の水溶性赤
    外蛍光インク。
  4. 【請求項4】 アクリル系樹脂の濃度を、5重量部以上
    15重量部以下としたことを特徴とする請求項3記載の
    水溶性赤外蛍光インク。
JP24162096A 1996-09-12 1996-09-12 水溶性赤外蛍光インク Pending JPH1088054A (ja)

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CN109777190A (zh) * 2019-02-18 2019-05-21 深圳市美信电子有限公司 一种红外油墨、基材及胶带

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