JPH1087988A - 熱融着性ポリイミド樹脂フィルムおよびこれを用いた半導体装置ならびにその製法、それに用いる半導体装置用テープキャリア - Google Patents

熱融着性ポリイミド樹脂フィルムおよびこれを用いた半導体装置ならびにその製法、それに用いる半導体装置用テープキャリア

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JPH1087988A
JPH1087988A JP8241932A JP24193296A JPH1087988A JP H1087988 A JPH1087988 A JP H1087988A JP 8241932 A JP8241932 A JP 8241932A JP 24193296 A JP24193296 A JP 24193296A JP H1087988 A JPH1087988 A JP H1087988A
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JP
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heat
semiconductor device
wiring board
semiconductor chip
polyimide resin
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JP8241932A
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Satoshi Tanigawa
聡 谷川
Toku Nagasawa
徳 長沢
信彦 ▲吉▼尾
Nobuhiko Yoshio
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01L2224/10Bump connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/15Structure, shape, material or disposition of the bump connectors after the connecting process
    • H01L2224/16Structure, shape, material or disposition of the bump connectors after the connecting process of an individual bump connector
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H05K1/03Use of materials for the substrate
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性、耐湿信頼性に優れた熱融着性ポリイミ
ド樹脂フィルムを提供する。 【解決手段】熱融着性ポリイミド樹脂中に、合成樹脂製
ドメインが分散形成され海−島構造になっている熱融着
性ポリイミド樹脂フィルムである。そして、上記島を構
成する合成樹脂製ドメインの大きさが、0.01〜10
μmの範囲に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高耐熱性の熱融着
性ポリイミド樹脂フィルム、およびこれを用いたチップ
スケールパッケージ(以下「CSP」という)タイプの
半導体装置に関するものであり、詳しくは、耐湿信頼性
に優れた熱融着性ポリイミド樹脂フィルムおよびCSP
タイプの半導体装置ならびにその製法、それに用いる半
導体装置用テープキャリアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】パッケージタイプの半導体装置として、
リードフレームのダイパッドに半導体チップを搭載し、
半導体チップとリードフレームのインナーリードとをワ
イヤーボンディングし、アウターリードを除き半導体チ
ップをリードフレームとともに樹脂で封止した構造をと
るものが、一般的なものとして知られている。しかし、
このタイプの半導体装置では、半田付けの精度上、リー
ドフレームのアウターリードのピッチをかなり広くとる
必要があり、このためパッケージの大形化を避けること
ができず、高密度化実装に不利なものとなる。
【0003】この問題を解決するために、パッケージス
ケールを小さくした種々のCSPタイプの半導体装置が
開発されている。例えば、図12に示すCSPタイプの
半導体装置があげられる。図示のように、この半導体装
置において、絶縁支持板25′の板面に、半導体チップ
1′が、その電極11′を備えた回路形成面を上記絶縁
支持板25′と対面させた状態で搭載され、上記半導体
チップ1′が、これと略同等の大きさの樹脂硬化体4で
封止されたものである。上記半導体チップ1′は、その
底部に電極11′を備えている。この半導体装置では、
上記絶縁支持板25′の半導体チップ1′の搭載側の面
の所定位置に引回し導体24′が印刷形成され、この引
回し導体24′の一端と金属バンプ211′の一端とが
接合しており、またこの金属バンプ211′の他端は上
記半導体チップ1′の電極11′に固着している。そし
て、上記引回し導体24′の他端は、上記絶縁支持板2
5′の所定位置に穿孔された孔221′まで延びてお
り、この孔221′には半田222′が充填され、この
半田222′の一端と上記引回し導体24′の他端と接
合している。また、上記孔221′に充填された半田2
22′の他端は、絶縁支持板25′の半導体チップ搭載
側と反対側の面から突出し、この突出部分が半田バンプ
223′に形成され、外部電極22′となっている。そ
して、この外部電極22′を利用して、この半導体装置
が、被実装回路基板に実装されるのである。
【0004】このような構造の半導体装置では、絶縁支
持板25′に形成される引回し導体24′を自由に形成
することが可能であるため、用いる半導体チップ1′の
電極11′の配置に拘束されることなく、所定の位置に
実装用の半田バンプ223′を形成することが可能とな
る。このため、この半導体装置では、外部電極22′間
の相互の間隔を充分に広くとることができ、半田精度が
向上するようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、CSPタ
イプの半導体装置は、高密度実装が可能なものであるた
め、現在ではその需要が増加傾向にある。そして、この
需要の増加に伴い、このCSPタイプの半導体装置に対
し、信頼性の向上が求められている。具体的には、CS
Pタイプの半導体装置の導通不良発生問題を解決するこ
とである。この導通不良の発生は、封止樹脂の吸湿が原
因であると推察されている。先に述べたように、CSP
タイプの半導体装置では、半導体チップの回路形成面を
絶縁支持板と対面させた状態で搭載され、半導体チップ
と絶縁支持板との間隙が封止樹脂により封止され、上記
回路形成面や接続部が保護されている。しかし、回路基
板への半田実装時のような加熱処理を半導体装置に行う
と、上記半導体チップ裏面(回路形成面)と封止樹脂と
の界面に間隙が生じる場合がある。そして、この間隙に
封止樹脂が吸湿した水分が滞留して気化膨張し圧力を生
じて封止樹脂にクラックが発生し、このクラックが水分
やイオン等の侵入経路となる。この結果、半導体装置内
に水分等が侵入し、導通不良が発生するのである。
【0006】この問題を解決するために、従来から、様
々な措置がとられている。例えば、半田付け等の熱処理
前に、半導体装置を予備乾燥して封止樹脂が吸湿した水
分を除去する方法がある。また、半田付け等の熱処理の
直前まで、半導体装置を防湿袋で梱包し、封止樹脂の吸
湿を防止する方法がある。しかし、上記予備乾燥法で
は、回路基板に半導体装置を複数回にわたって半田付け
する場合、その都度予備乾燥処理の必要があって煩雑と
なり、しかも、予備乾燥後、半田付けするまでの可使時
間の管理の問題を生じる。一方、防湿袋で梱包する方法
は、この防湿袋に大きな費用がかかり、半導体装置のコ
ストが向上するという問題がある。この他の方法とし
て、封止樹脂自身の吸湿性を改善する方法があるが、封
止樹脂のクラックを完全に防止するような封止樹脂の吸
湿性改善方法は、完成されるに至っていないのが実情で
ある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、耐熱性、耐湿信頼性に優れた熱融着性ポリイミ
ド樹脂フィルムおよびこれを用いた半導体装置ならびに
その製法、それに用いる半導体装置用テープキャリアの
提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、熱融着性ポリイミド樹脂中に、合成樹脂
製ドメインが分散形成され海−島構造になっている熱融
着性ポリイミド樹脂フィルムであって、上記島を構成す
る合成樹脂製ドメインの大きさが、0.01〜10μm
の範囲に設定されている熱融着性ポリイミド樹脂フィル
ムを第1の要旨とする。
【0009】また、本発明は、補助配線板片の板面に、
電極を備えた半導体チップが、その電極側を対面させた
状態で搭載され、上記補助配線板片の内部に引回し導体
が配設され、この引回し導体の一端が上記補助配線板片
の上記半導体チップ搭載側の面から突出する内側電極に
形成され、上記引回し導体の他端が上記補助配線板片の
上記半導体チップ搭載側と反対側の面から突出する外側
電極に形成され、上記内側電極と半導体チップの電極と
が接合している半導体装置であって、少なくとも上記半
導体チップと補助配線板片との間隙が、熱融着性ポリイ
ミド樹脂層により封止され、かつ、この熱融着性ポリイ
ミド樹脂層の少なくとも一部が、上記熱融着性ポリイミ
ド樹脂フィルムによって構成されている半導体装置を第
2の要旨とする。
【0010】そして、本発明は、半導体チップを搭載す
る補助配線板片であり、その内部に引回し導体が配設さ
れ、この引回し導体の一端が上記補助配線板片の上記半
導体チップ搭載側の面から突出する内側電極に形成さ
れ、上記引回し導体の他端が上記補助配線板片の上記半
導体チップ搭載側と反対側の面から突出する外側電極に
形成された補助配線板片と、電極を備えた半導体チップ
と、上記熱融着性ポリイミド樹脂フィルムとを準備し、
上記補助配線板片の板面に、上記半導体チップを、その
電極側を対面させた状態で上記熱融着性ポリイミド樹脂
フィルムを介して搭載し、この状態で加熱しながら上記
補助配線板片と半導体チップとを相互に圧接して上記熱
融着性ポリイミド樹脂フィルムを融解した後固化するこ
とにより熱融着性ポリイミド樹脂層を形成して上記補助
配線板片と半導体チップとの間隙を封止し、この封止の
際あるいは上記封止の後、上記補助配線板片の内側電極
と上記半導体チップの電極とを接合する半導体装置の製
法を第3の要旨とし、半導体チップを搭載する補助配線
板片であり、その内部に引回し導体が配設され、この引
回し導体の一端が上記補助配線板片の上記半導体チップ
搭載側の面から突出する内側電極に形成され、上記引回
し導体の他端が上記補助配線板片の上記半導体チップ搭
載側と反対側の面から突出する外側電極に形成され、上
記半導体チップ搭載側の面に上記熱融着性ポリイミド樹
脂フィルムを備えた補助配線板片と、電極を備えた半導
体チップとを準備し、上記補助配線板片の熱融着性ポリ
イミド樹脂フィルムの上に、上記半導体チップを、その
電極側の面を対面させた状態で搭載し、この状態で加熱
しながら上記補助配線板片と半導体チップとを相互に圧
接して上記熱融着性ポリイミド樹脂フィルムを融解した
後固化して熱融着性ポリイミド樹脂層を形成することに
より上記補助配線板片と半導体チップとの間隙を封止
し、この封止の際あるいは上記封止の後、上記補助配線
板片の内側電極と上記半導体チップの電極とを接合する
半導体装置の製法を第4の要旨とする。
【0011】さらに、本発明は、高分子フィルムの内部
に引回し導体が配設され、この引回し導体の一端が上記
高分子フィルムの表面から突出する内側電極に形成さ
れ、上記引回し導体の他端が上記高分子フィルムの裏面
から露呈する外側電極に形成され、上記内側電極の表面
を含む上記高分子フィルムの表面の少なくとも一部が、
上記熱融着性ポリイミド樹脂フィルムで被覆されている
半導体装置用テープキャリアを第5の要旨とする。
【0012】本発明者らは、封止樹脂と、半導体チップ
および補助配線板片との接着性の向上を中心課題とし、
一連の研究を重ねた。これは、従来から行われている、
半導体装置の吸湿を防止したり封止樹脂の吸湿性を改善
する等の解決法は、根本的な解決法ではないと判断した
からである。すなわち、半導体装置にクラックが発生す
るのは、半導体チップと封止樹脂との間に間隙が発生す
るからであり、封止樹脂の接着力を高め、この間隙の発
生を防止すれば、水分の滞留が発生せず、加熱処理によ
るクラックの発生が防止できるからである。そこで、こ
の着想に基づき、研究を続行したところ、半導体チップ
と補助配線板片との空隙を熱融着性ポリイミド樹脂層の
形成により封止した半導体装置は、上記ポリイミド樹脂
層が半導体チップと補助配線板片とに対し強固に接着す
ることを突き止めた。そして、この熱融着性ポリイミド
樹脂層の形成材料についてさらに研究を重ねた結果、熱
融着性ポリイミド樹脂中に、合成樹脂製ドメインが分散
形成され海−島構造になっている熱融着性ポリイミド樹
脂フィルムであって、上記島を構成する合成樹脂製ドメ
インの大きさが、0.01〜10μmの範囲に設定され
た熱融着性ポリイミド樹脂フィルムを開発し、この熱融
着性ポリイミド樹脂フィルムを用いて、上記半導体装置
の熱融着性ポリイミド樹脂層の少なくとも一部を構成す
れば、半導体装置の信頼性が優れることを見いだし本発
明に到達した。この理由は明らかではないが、つぎのよ
うに推察される。すなわち、従来の熱融着性ポリイミド
樹脂は、可塑性成分を添加し、これによりガラス転移温
度を下げて融着性を確保しているため、耐熱・耐湿信頼
性が低下する。しかし、本発明における熱融着性ポリイ
ミド樹脂は、ドメインが可塑性成分を含んでいるためガ
ラス転移温度を下げることなく融着性を確保でき、その
結果、耐熱・耐湿信頼性に優れることに起因すると推察
される。
【0013】また、半導体チップと補助配線板片との間
隙に熱融着性ポリイミド樹脂層を形成する方法として、
上記2種類の製法も開発した。すなわち、半導体チップ
を補助配線板片の上に搭載する際に、上記特殊な熱融着
性ポリイミド樹脂フィルムを上記両者の間に介在させる
方法と、半導体チップ搭載側の面に上記熱融着性ポリイ
ミド樹脂フィルムを備えた補助配線板片を使用する方法
である。
【0014】そして、上記製法の開発に加え、本発明者
らは、半導体チップと補助配線板片との間隙が熱融着性
ポリイミド樹脂層で封止された半導体装置をより一層効
率よく作製するために、半導体装置用テープキャリアも
開発した。このテープキャリアは、引回し導体が埋設さ
れた高分子フィルムの一面を上記特殊な熱融着性ポリイ
ミド樹脂フィルムで被覆したものである。この半導体装
置用テープキャリアの熱融着性ポリイミド樹脂フィルム
の上に半導体チップを配置し、加熱しながら上記半導体
装置用テープキャリアと半導体チップとを相互に圧接す
れば、上記熱融着性ポリイミド樹脂フィルムが溶融し、
上記半導体チップと補助配線板片に融着する。ついで、
上記溶融した熱融着性ポリイミド樹脂フィルムを冷却等
により固化すれば熱融着性ポリイミド樹脂層が形成さ
れ、これにより、半導体チップと補助配線板片との間隙
が封止されるのである。
【0015】また、本発明の熱融着性ポリイミド樹脂フ
ィルム、半導体装置、半導体装置の製法、半導体装置用
テープキャリアにおいて、特定の化学構造を有する熱融
着性ポリイミド樹脂を用いることにより、さらに封止樹
脂(熱融着性ポリイミド樹脂層)と半導体チップおよび
補助配線板片との接着力を向上させることが可能とな
り、半導体装置の導通不良の発生が効果的に防止される
ようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明を詳しく説明す
る。
【0017】最初に、本発明の熱融着性ポリイミド樹脂
フィルムについて説明する。本発明の熱融着性ポリイミ
ド樹脂フィルムは、熱融着性ポリイミド樹脂の連続相中
に、合成樹脂製ドメインの分散相が独立した海−島構造
となっている。
【0018】上記島を構成する合成樹脂製ドメインは、
その大きさが0.01〜10μmの範囲に設定されてい
ることが必要であり、特に好ましくは、0.02〜1μ
mである。すなわち、上記合成樹脂製ドメインの大きさ
が0.01μm未満であれば、ガラス転移温度の低下を
招き、半田リフロー時等の高温下における接着性が低下
し、逆に、10μmを超えると、部分的に不均一構造と
なり、例えば、微細配線(数10μmピッチ)用基板に
は使用できないからからである。ここに、上記合成樹脂
製ドメインの大きさとは、熱融着性ポリイミド樹脂の連
続相中に、分散して島を構成している合成樹脂製ドメイ
ンの直径をいうが、熱融着性ポリイミド樹脂の連続相中
には多数の島が存在するため、個々の島を構成している
合成樹脂製ドメインの直径を求め、その平均値を表す趣
旨である。そして、この合成樹脂製ドメインの大きさ
は、例えば、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡(超
薄切片法)等を用いて測定することができる。なお、上
記直径とは、合成樹脂製ドメインが真円形の場合はその
直径をいい、略だ円形の場合はその長径をいう。
【0019】本発明の熱融着性ポリイミド樹脂フィルム
の形成材料としては、ガラス転移温度が200℃以上の
熱融着性ポリイミド樹脂が好ましく、より好ましくはガ
ラス転移温度が200〜300℃、特に好ましくは、2
30〜280℃のものである。すなわち、上記熱融着性
ポリイミド樹脂のガラス転移温度が200℃未満であれ
ば、耐熱性の低下に伴い、耐湿信頼性が低下する傾向が
見られるからである。
【0020】また、本発明の熱融着性ポリイミド樹脂フ
ィルムの形成材料としては、上記のようなガラス転移温
度を有し、かつ、下記の一般式(1)〜(5)からなる
群から選ばれる少なくとも一つの熱融着性ポリイミド樹
脂が最適である。この熱融着性ポリイミド樹脂フィルム
は、熱融着性ポリイミド樹脂の連続相(繰り返し部分
a)中に、シリコーン樹脂の分散相(繰り返し部分b)
が独立した海−島構造となっている。なお、シリコーン
変性熱融着性ポリイミド樹脂からなるフィルムであって
も、シリコーン樹脂が熱融着性ポリイミド樹脂の連続相
中に溶解し、シリコーン樹脂が島を実質的に構成しない
場合は、ガラス転移温度の低下を招き、半田リフロー時
等の高温下における接着性が低下することになる。
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】また、本発明の熱融着性ポリイミド樹脂フ
ィルムは、海−島構造の島部分が上記シリコーン樹脂
(繰り返し部分b)以外の可塑性成分で構成されていて
もよい。この可塑性成分としては、例えば、耐熱アクリ
ル樹脂、フェノキシ樹脂、オレフィン樹脂、ポリアミド
樹脂等があげられる。なお、本発明の熱融着性ポリイミ
ド樹脂フィルムは、前述のように、上記シリコーン樹脂
(繰り返し部分b)によって島部分が構成されているの
が特に好ましい。
【0027】つぎに、本発明の熱融着性ポリイミド樹脂
フィルムの製法について説明する。上記一般式(1)〜
(5)からなる群から選ばれる少なくとも一つの熱融着
性ポリイミド樹脂から形成された熱融着性ポリイミド樹
脂フィルムは、例えば、つぎのようにして作製すること
ができる。
【0028】まず、上記一般式(1)〜(5)で表され
る熱融着性ポリイミド樹脂は、例えば、その前駆体であ
るシリコーン変性ポリアミド酸あるいは未変性ポリアミ
ド酸を、加熱等によりイミド転化することにより作製す
ることができる。そして、上記シリコーン変性ポリアミ
ド酸あるいは未変性ポリアミド酸は、下記に示す酸無水
物、ケイ素含有ジアミン、ケイ素不含ジアミンを、常法
により、反応させて調製されるものである。
【0029】上記酸無水物としては、例えば、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサ
フルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジ
カルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
1,1′−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタ
ン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,6,8−アントラセンテ
トラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナント
レンテトラカルボン酸二無水物をあげることができる。
【0030】上記ケイ素含有ジアミンとしては、例え
ば、下記の一般式(15)で表されるジアミノシロキサ
ンをあげることができる。具体的には、ビス(3−アミ
ノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(3−ア
ミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス
(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、およ
びジメチルシロキサンの両末端に1級アミンを有するも
のをあげることができる。また、式中nの値は、1〜1
00が好ましく、特に好ましくは、10〜50である。
【0031】
【化11】
【0032】上記ケイ素不含ジアミンとしては、例え
ば、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕プロパン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕エーテル、2,2−ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、
ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホ
ン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ス
ルホン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフ
ェニル、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフ
ェニル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
4,4′−ジアミノフェニルエーテル、3,4′−ジア
ミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニ
ルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、
4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3′−
ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノベ
ンツアニリド、p−フェニレンジアミン、m−フェニレ
ンジアミンがあげられる。このなかで、2,2−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、
ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテ
ル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プ
ロパン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼンを使用することが好ましい。
【0033】また、上記酸無水物、ケイ素含有ジアミン
およびケイ素不含ジアミンの好適組合わせは以下のとお
りである。 (イ) ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホ
ン二無水物と、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチ
ルジシロキサンと、ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕スルホンとの組合わせ。 (ロ) ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテ
ル二無水物と、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチ
ルジシロキサンと、ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕エーテルとの組合わせ。 (ハ) 2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニ
ル)プロパン二無水物と、ビス(3−アミノプロピル)
テトラメチルジシロキサンと、2,2−ビス〔4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンとの組合わ
せ。 (ニ) 2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン二無水物と、ビス(3−ア
ミノプロピル)テトラメチルジシロキサンと、2,2−
ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサ
フルオロプロパンとの組合わせ。
【0034】そして、本発明の熱融着性ポリイミド樹脂
フィルムは、上記のようにして得られた熱融着性ポリイ
ミド樹脂を用いて、例えば、つぎのようにして作製する
ことができる。すなわち、まず、有機性セパレータや金
属箔等の支持体を準備する。つぎに、熱融着性ポリイミ
ド樹脂の前駆体であるポリアミド酸ワニスあるいはワニ
ス状態で加熱することにより得られたポリイミドワニス
を、上記支持体の上にキャスティング法等により塗工
し、これを乾燥、キュア等することにより得られる。そ
して、単体フィルムは、上記支持体を剥離、エッチング
等により除去することにより得られる。
【0035】このようにして得られた本発明の熱融着性
ポリイミド樹脂フィルムは、厚みが5〜100μmであ
るのが好ましく、より好ましくは、5〜50μm、特に
好ましくは、5〜30μmである。
【0036】つぎに、本発明の熱融着性ポリイミド樹脂
フィルムを用いた本発明の半導体装置について説明す
る。
【0037】図1(イ)〜(ニ)に本発明の半導体装置
の一例を示す。同図(イ)〜(ハ)は、半導体装置の構
成を示す断面図であり、同図(ニ)は、その一部切り欠
き図であり、同一部分には同一符号を付している。図示
のように、この半導体装置は、CSPタイプのものであ
り、補助配線板片2の板面に、半導体チップ1が、その
電極11側(回路形成面側)を上記補助配線板2面に対
面させた状態で搭載されている。上記補助配線板片2
は、絶縁層24,25を積層したものであり、この絶縁
層24,25には、ポリイミドフィルムを使用すること
が、耐熱性の観点から好ましい。そして、上記半導体チ
ップ1の電極11が、補助配線板片2の内側電極21に
接合されている。この内側電極21は、絶縁層24の所
定位置に穿孔された孔212に金属213が充填され、
この充填金属の一端は、半導体チップ1搭載面からバン
プ状に突出(同図において上方)して金属バンプ211
に形成されたものである。そして、上記充填された金属
213の他端は、補助配線板片2の内部に配設された引
き回し導体23の一端と接続している。また、この引回
し導体23の他端は、外側電極22と接続されている。
この外側電極22は、上記内側電極21と同様に、絶縁
層25の所定の位置に穿孔された孔221に金属222
が充填されており、この充填金属222の一端が、上記
引回し導体23の一端と接続し、充填金属222の他端
は、半導体チップ1搭載側と反対側の面からバンプ状に
突出(同図において下方)して金属バンプ223が形成
されたものである。このように、補助配線板片2の内側
電極21、引回し導体23、外側電極22を通じて、半
導体チップ1の外部に対する電気的な接続がとれるので
ある。また、この半導体装置の特徴としては、引回し導
体23を任意に形成することができることから、内側電
極21と外側電極22の形成位置を自由に選択できる点
があげられる。これにより、半導体チップ1の種類にか
かわらず、半導体装置を標準化することが可能となり、
被実装回路基板への適用が広範囲なものとなる。図1
(ロ)には、上記同図(イ)に示された半導体装置とは
異なった電極位置を有する半導体装置の一例を示す。同
図において、図1(イ)と同一部分には同一符号を付し
ている。
【0038】また、この半導体装置では、半導体チップ
1の回路形成面(電極11側の面)を除く全面が、樹脂
4により封止されている。この樹脂4としては、通常の
パッケージに使用されるエポキシ樹脂等が使用される
が、上述の熱融着性ポリイミド樹脂を用いてもよい。そ
して、この半導体装置において注目すべき点は、半導体
チップ1と補助配線板片2との間隙が熱融着性ポリイミ
ド樹脂層3により封止されている点である。この熱融着
性ポリイミド樹脂層3は、半導体チップ1および補助配
線板片2に対し強固に接着しているため、回路基板への
半田実装時のような熱処理の際、半導体チップ1と熱融
着性ポリイミド樹脂層3との間等の空隙の発生が防止さ
れるようになる。
【0039】上記熱融着性ポリイミド樹脂層3の形成材
料としては、前述した本発明の熱融着性ポリイミド樹脂
フィルムが用いられる。
【0040】そして、本発明の半導体装置では、上記熱
融着性ポリイミド樹脂フィルムから形成された熱融着性
ポリイミド樹脂層3と補助配線板片2との間に、プライ
マー層を形成することが好ましい。すなわち、上記半導
体装置において、図1(イ)のX部分の拡大断面図であ
る同図(ハ)に示すように、熱融着性ポリイミド樹脂層
3は、熱融着性ポリイミド樹脂層3aとプライマー層3
bとが積層した二層構造をとり、このプライマー層3b
が、絶縁層24と接触している。このようにすると、熱
融着性ポリイミド樹脂層3(3a,3b)と補助配線板
片2(24,25)との接着性が向上し、半導体装置の
信頼性が向上するようになる。
【0041】また、補助配線板片2の板面の面積は、半
導体チップ1の底面積(回路形成面の面積、通常3mm
〜20mm角)に等しいか、これの200%以下である
ことが好ましく、特に好ましくは130%以下である。
これは、補助配線板片2が、半導体チップ1に比べて大
きいと、パッケージ密度が低下し、CSPタイプの半導
体装置の利点が生かされないからである。
【0042】上記外部電極22の相互間隔は、被実装回
路基板への半田付けする際のブリッジを防止するため
に、可能な限り広くとることが好ましい。また、この外
部電極22相互の間隔は、通常、等間隔とされる。
【0043】つぎに、図2に、補助配線板片を3層構造
とした例を示す。同図において、110は、被実装回路
基板(図示せず)の電極を示し、これ以外は、図1と同
一部分には同一符号を付している。図示のように、上記
補助配線板片は、絶縁層aが3つ積層されており、これ
らの界面部分に引回し導体23が配設されている。この
ように、補助配線板片を多層構造とすることにより、引
回し導体23の埋設部分を多くとることが可能となり、
高集積回路を有する多電極半導体チップに適切に対応す
ることが可能である。したがって、補助配線板片は、2
層や3層構造に限定されず、搭載する半導体チップ1の
種類により、層の数は適宜決定される。
【0044】そして、本発明の半導体装置において、補
助配線板片2と封止樹脂(熱融着性ポリイミド樹脂層
3)との界面接着力を高めるために、上記補助配線板片
2の半導体チップ1搭載側の面の少なくとも上記熱融着
性ポリイミド樹脂層3と接触する部分を、所定の表面張
力の状態や所定の凹凸面にすることが好ましい。具体的
には、上記表面張力は、通常35mJ/m2 以上、好ま
しくは40mJ/m2 以上である。また、上記凹凸面
は、通常、0.005〜0.5μm径の凹凸面であり、
好ましくは、0.01〜0.2μm径の凹凸面である。
このような所定の条件にすることにより、上記界面の接
着力を90°剥離強度(室温,乾燥状態)で、300g
/cm以上、好ましくは、500g/cm以上、特に好
ましくは1000g/cm以上にすることができ、この
結果、導通不良の発生をさらに効果的に防止することが
可能となる。このような、所定の条件に補助配線板片2
を加工する方法としては、酸,アルカリ液処理、カップ
リング剤処理、グラフト処理等の化学的方法や、コロナ
放電処理、高周波プラズマ処理、イオンエッチング処理
等の物理的方法があげられる。
【0045】つぎに、このような半導体装置は、本発明
の半導体装置の製法により作製することができる。本発
明の半導体装置の製法は、第1の製法および第2の製法
の2種類がある。以下、図3に基づき第1の製法の例を
示す。
【0046】図3の(イ)〜(ヌ)に半導体装置製造の
手順を示す。
【0047】まず、同図(イ)に示すように、絶縁支持
フィルム(絶縁層)24の片面に引回し導体23を印刷
形成する。この印刷形成には、金属箔積層合成樹脂フィ
ルムの金属箔を所定の引回しパターンに化学エッチング
する方法を使用することが好ましい。この金属箔積層合
成樹脂フィルムとしては、合成樹脂フィルムに銅箔を融
着あるいはワニス溶液を塗工することにより得た二層基
材、銅箔を熱可塑性または熱硬化性接着剤で合成樹脂フ
ィルムに接着した三層基材等があげられる。また、合成
樹脂フィルムは、ワイヤーバンプ法で金属バンプを形成
する場合の耐熱性、メッキ法により金属バンプを形成す
る場合の耐薬品性を充足するものであれば、特に制限す
るものではない。例えば、合成樹脂フィルムとして、ポ
リイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルサルホ
ンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポ
リエーテルエーテルケトンフィルム、ポリテトラフルオ
ロエチレン(テフロン)フィルム等があげられる。この
なかで、先に述べたように、耐熱性が良好なポリイミド
フィルムが好ましい。なお、この合成樹脂フィルムの厚
みは、通常、10〜150μmであり、好ましくは、1
2.5〜50μmである。
【0048】そして、絶縁支持フィルム24の片面に引
回し導体23を形成した後、同図(ロ)に示すように、
上記絶縁支持フィルム24の所定の位置に孔212を穿
設する。この穿設は、一般に、ドリル加工、レーザーエ
ッチング加工等が適用される。特に、絶縁支持フィルム
24が、ポリイミドフィルムの場合は、アルカリエッチ
ング等の湿式穿孔法を適用することが可能である。また
二層基材のポリイミドフィルムの場合では、感光性ポリ
イミドを使用し、露光により穿孔することも可能であ
る。
【0049】この孔212の穿孔後、同図(ハ)に示す
ように、孔212内において、絶縁支持フィルム24を
メッキマスクとし、かつ導体23を析出原点として、メ
ッキ処理を行い、金属213を充填する。この金属とし
ては、例えば、金、銀、ニッケル、銅、パラジウム等が
あげられる。
【0050】そして、金属213の充填後、同図(ニ)
に示すように、充填金属213の露出端面(図において
上方の端面)の上に、金属バンプ211を形成する。こ
の金属バンプ211の形成には、ワイヤーボンダーを用
い、金線、銅線、半田線等の先端を溶融して球状にし、
この球状先端部を、上記金属213の露出端面に融着さ
せる方法があげられる。金線を使用する場合、銅製の引
回し導体23と金との接触を防止するために、充填金属
213をニッケルとすることが好ましい。また、このワ
イヤーボンダーを用いる方法の他に、充填金属の端面上
に湿式メッキ法で金属を盛り上げて金属バンプ211を
形成することも可能である。上記ワイヤーボンダーを用
いて金属バンプ211を形成すると、孔212周辺が溶
融金属に対する濡れ性の低い合成樹脂面であることか
ら、溶融金属の孔212周辺への付着が防止され、充填
金属213の端面上に接触角の大きい球状の金属バンプ
211を整然と形成することが可能となる。また、メッ
キ法によっても、電解メッキ、無電解メッキの種類を問
わず、金属バンプ211を整然と形成することが可能で
ある。この金属バンプ211の形成により、内側電極2
1の形成が終了する。なお、この金属バンプ211の高
さは、通常、5〜150μmであり、好ましくは10〜
100μmである。
【0051】この内側電極21の形成後、同図(ホ)に
示すように、絶縁支持フィルム24の引回し導体23の
印刷形成面に樹脂をカバーコートしてカバーコート絶縁
層25を形成し、ついで、同図(へ)に示すように、こ
のカバーコート絶縁層25の所定位置に外側電極22用
の孔221を穿設し、同図(ト)に示すように、この孔
221に金属(半田)222を充填する。これら一連の
工程は、上記内側電極21の形成と同様にして行うこと
ができる。このようにして、補助配線板片2を作製する
ことができる。上記カバーコート絶縁層25の形成材料
としては、上記絶縁層24と同様のものが使用でき、耐
熱性の観点から、ポリイミドフィルムが好ましく、特に
好ましくは、熱閉環性ポリイミドフィルムあるいは感光
閉環性ポリイミドフィルムである。
【0052】そして、同図(チ)に示すように、補助配
線板片2の内側電極21側に、本発明の熱融着性ポリイ
ミド樹脂フィルム3Aを介し、半導体チップ1を、その
電極側の面を上記補助配線板片2に対面させた状態で搭
載する。そして、加熱しながら補助配線板片2と半導体
チップ1とを相互に圧接し、上記熱融着性ポリイミド樹
脂フィルム3Aを溶融して、上記両者1,2に融着さ
せ、その後、冷却等により固化する。すると、同図
(リ)に示すように、熱融着性ポリイミド樹脂層3が形
成され、半導体チップ1と補助配線板片2との間隙が封
止される。なお、この熱融着性ポリイミド樹脂層3の形
成時に、上記熱融着性ポリイミド樹脂フィルム3Aが溶
融するため、内側電極21と、半導体チップ1の電極1
1とが直接接触するようになる。そして、ホットバーや
パルスヒート等の一括圧着接続またはシングルポイント
ボンダーによる個別熱圧着接続で上記内側電極21の金
属バンプ211と半導体チップ1の電極11を金属間接
合し、半導体チップ1と補助配線板片2との電気的接続
を行う。なお、上記圧着接続において、シングルポイン
トボンダーによる個別熱圧着接続を行う場合、超音波接
合を併用して熱圧着温度を低くすることが好ましい。ま
た、内側電極21の金属バンプ211として半田バンプ
を使用し、この金属バンプ211と半導体チップ1の電
極11との接合をリフロー法により行うことも可能であ
る。この場合、半導体チップ1の電極11と補助配線板
片2の内側電極21との位置あわせにおいて多少のずれ
が生じても、溶融半田の表面張力により、自ずと修正さ
れるようになる。このため、後述するアライメントのた
めの措置が不要となる。そして、この電気的接続は、上
記熱融着性ポリイミド樹脂層3の形成時に同時に行って
もよい。
【0053】なお、補助配線板片2と熱融着性ポリイミ
ド樹脂層3との間にプライマー層3bを形成する場合
〔図1(ハ)参照〕は、上記熱融着性ポリイミド樹脂フ
ィルム3Aの代わりに、プライマー層3bが形成された
二層構造の熱融着性ポリイミド樹脂フィルム(図示せ
ず)を用いればよい。すなわち、図3(チ)の工程にお
いて、この二層構造の熱融着性ポリイミド樹脂フィルム
(図示せず)を、上記プライマー層3bが上記補助配線
板片2の半導体チップ1搭載面と対面する状態で、上記
補助配線板片2と半導体チップ1との間に介在させ、上
記半導体チップ1を搭載するのである。そして、上記と
同様にして所定の工程を経ることにより、半導体チップ
1と補助配線板片2との間隙に、プライマー層3bを備
えた熱融着性ポリイミド樹脂層3が形成されるのである
〔図1(ハ)参照〕。
【0054】また、同図(リ)に示す工程において、半
導体チップ1の電極11と補助配線板片2の内側電極2
1の金属バンプ211とをアライメントさせる方法とし
ては、図4に示すように、半導体チップ1にダミー電極
11aを設け、これにアライメント用のバンプ211a
を取り付け、補助配線板片2にアライメント用孔212
aを穿孔し、この孔212aとアライメント用バンプ2
11aとを接合させる方法があげられる。この場合、熱
融着性ポリイミド樹脂フィルム3Bには、アライメント
用バンプ211aに対応する位置を穿孔する必要があ
る。そして、アライメント用バンプ211aの高さは、
内側電極21の金属バンプ211よりもやや高くし、例
えば、金属バンプ211の高さが20μmの場合、アラ
イメント用バンプ211aの高さは50μmに設定され
る。アライメント用バンプ211aの材質については、
このバンプ211aが半導体チップ1の電極11と補助
配線板片2の金属バンプ211と接合時に加圧される場
合は、その接合温度で軟化するものが使用され、加圧さ
れない場合は、特に限定するものではない。アライメン
ト用孔212aの孔径は、半導体チップ1の電極11と
補助配線板片2の金属バンプ211との位置ずれを10
%以下に抑えるように設定することが好ましい。
【0055】また、上記熱融着性ポリイミド樹脂フィル
ム3A,3Bとしては、先に述べた本発明の熱融着性ポ
リイミド樹脂フィルムが用いられ、好ましくは、上記一
般式(1)〜(5)からなる群から選ばれる少なくとも
一つの熱融着性ポリイミド樹脂から形成された熱融着性
ポリイミド樹脂フィルムを用いると、好結果を得ること
が可能となる。
【0056】そして、上記プライマー層3bは、下記の
一般式(6)〜(8)で表されるポリイミド樹脂の少な
くとも一つを用いて形成することが好ましい。
【0057】
【化12】
【0058】
【化13】
【0059】
【化14】
【0060】これらのポリイミド樹脂は、例えば、その
前駆体であるシリコーン変性ポリアミド酸あるいは未変
性ポリアミド酸を、加熱等によりイミド転化することに
より作製することができる。そして、上記シリコーン変
性ポリアミド酸あるいは未変性ポリアミド酸は、下記に
示す酸無水物、ケイ素含有ジアミン、ケイ素不含ジアミ
ンを、常法により、反応させて調製されるものである。
【0061】上記酸無水物としては、例えば、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサ
フルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジ
カルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
1,1′−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタ
ン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,6,8−アントラセンテ
トラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナント
レンテトラカルボン酸二無水物をあげることができる。
【0062】上記ケイ素含有ジアミンとしては、例え
ば、上記一般式(15)で表されるジアミノシロキサン
をあげることができる。具体的には、ビス(3−アミノ
プロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(3−アミ
ノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス
(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、およ
びジメチルシロキサンの両末端に1級アミンを有するも
のをあげることができる。
【0063】上記ケイ素不含ジアミンとしては、例え
ば、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕プロパン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕エーテル、2,2−ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、
ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホ
ン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ス
ルホン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフ
ェニル、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフ
ェニル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
4,4′−ジアミノフェニルエーテル、3,4′−ジア
ミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニ
ルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、
4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3′−
ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノベ
ンツアニリド、p−フェニレンジアミン、m−フェニレ
ンジアミンがあげられる。このなかで、2,2−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、
ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテ
ル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プ
ロパン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼンを使用することが好ましい。
【0064】そして、これら三成分の好適組合わせとし
ては、以下のとおりである。 (ホ) 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物と、ビス(3−アミノプロピル)テトラメ
チルジシロキサンと、4,4′−ビス(4−アミノフェ
ノキシ)ビフェニルとの組合わせ。 (ヘ) 3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物と、ビス(3−アミノプロピル)テト
ラメチルジシロキサンと、1,4−ビス(4−アミノフ
ェノキシ)ベンゼンとの組合わせ。
【0065】また、上記熱融着性ポリイミド層3aの形
成材料と、上記プライマー層3bの形成材料との好適組
合わせは、上記一般式(1)で表される熱融着性ポリイ
ミド樹脂と、上記一般式(6)で表されるポリイミド樹
脂との組合わせである。
【0066】つぎに、補助配線板片2に半導体チップ1
を搭載し、両者の間隙を熱融着性ポリイミド樹脂層3の
形成により封止した後、図3(ヌ)に示すように、必要
に応じ、半導体チップ1の回路形成面(電極11側の
面)を除く全面を樹脂4で封止してもよい。この樹脂封
止には、常法であるトランスファーモールド法、ポッテ
ィング法、キャスティング法、シードラミネーション法
等を適用することができる。なお、この回路形成面(電
極側の面)を除く半導体チップ1の樹脂封止は、実装
性、信頼性等に特に不都合がなければ、行う必要はな
い。また、このように、半導体チップ1と補助配線板片
2との間隙の封止のみの半導体装置では、後述するよう
に、放熱性が向上するという利点もある。
【0067】そして、上記樹脂封止の後、内側電極21
の金属バンプ211と同様にして、外側電極22の半田
バンプ(図示せず)を形成することにより、半導体装置
の製造が終了する。
【0068】この半導体装置の回路基板への実装は、例
えば、リフロー法により行うことができ、この場合、外
部電極22が半田バンプ(図示せず)で構成されている
ことから、半導体装置の外部電極22と被実装回路基板
との導体端子との位置あわせに多少のずれがあっても、
溶融した半田の表面張力により、自ずと位置の修正がな
される。
【0069】なお、上記半導体装置の製法において、上
記製造手順は限定されるものではない。例えば、カバー
コート絶縁層25の形成後、外側電極22の形成前に、
半導体チップ1を接合し、半導体チップ1と補助配線板
片2との間を樹脂封止し、しかるのち、カバーコート絶
縁層25に外側電極22を形成してもよい。
【0070】また、帯状の合成樹脂フィルム24に引回
し導体23を長手方向に多数形成し、この合成樹脂フィ
ルム24を走行させながら、フィルム・キャリア方式で
上記工程を順次行うという、連続方式を採用することも
可能である。
【0071】つぎに、本発明において、半導体装置の樹
脂封止の形態としては、図1に示すものに限定されず、
例えば、図5(イ)〜(ホ)に示す形態があげられる。
なお、図5では、図1と同一部分には同一符号を付して
いる。
【0072】まず、図5(イ)に示す半導体装置では、
半導体チップ1と補助配線板片2との間隙が熱融着性ポ
リイミド樹脂層3で封止され、半導体チップ1の横エッ
ジ部や回路形成面と反対側の面(同図において上方の
面)がシリコーン系樹脂4で封止されている。また、同
図(ロ)に示す半導体装置では、半導体チップ1と、補
助配線板片2との間隙が熱融着性ポリイミド樹脂層3で
封止され、半導体チップ1の横エッジ部や回路形成面と
反対側の面が接着シート33(例えば、エポキシ−ゴム
系樹脂を接着剤として使用した接着シートや、熱融着性
ポリイミド樹脂フィルム等)の貼着により封止されてい
る。そして、同図(ハ)に示す半導体装置は、上記同図
(ロ)に示す半導体装置において、半導体チップ1の回
路形成面と反対側の面が一部露出したものである。この
ように半導体チップ1の回路形成面と反対側の面を露出
させることにより、放熱性が向上するようになる。そし
て、同図(ニ)および同図(ホ)に示す半導体装置で
は、補強枠34(合成樹脂製あるいは金属製)を固着し
たものである。
【0073】そして、その他の樹脂封止形態をとる半導
体装置としては、図6(イ)〜(ニ)に示す半導体装置
があげられる。これらの半導体装置は、半導体チップ1
の放熱性を向上させるために、半導体チップ1の回路形
成面と反対側の面を露出させたり、放熱フィンを使用し
たりしたものである。なお、同図において、図1と同一
部分には同一符号を付している。
【0074】まず、同図(イ)に示す半導体装置では、
半導体チップ1の回路形成面と反対側の面を完全に露出
させており、同図(ロ)に示す半導体装置では、半導体
チップ1の回路形成面と反対側の面に、熱伝導性接着剤
36により放熱フィン35が取り付けられている。ま
た、同図(ハ)に示す半導体装置では、半導体チップ1
の回路形成面と反対側の面に封止樹脂36aによりヒー
トスプレッダ35aが取り付けられている。そして、同
図(ニ)に示す半導体装置では、半導体チップ1の電極
11には接触しない内側金属充填孔371と、この充填
金属371に熱的に接続された内部導体372(引き回
し導体とは異なる)と、この内部導体372に熱的に接
続された外側金属充填孔373ならびに金属バンプ37
4を設け、これらが形成する熱伝達経路を通じて半導体
チップ1の発生熱を放熱するようにしている。また、同
図(ニ)において、図中の点線で示すように、引回し導
体23と所定の絶縁ギャップを隔てて導体(銅箔)23
aをできるだけ多く残存させて、この残存導体23aを
ヒートスプレッダとして使用することや、放熱ダミーを
設けること等が、半導体チップ1の放熱手段として有効
である。
【0075】つぎに、本発明の半導体装置の製法の第2
の製法について説明する。
【0076】この製法は、補助配線板片として、その半
導体チップ搭載面に熱融着ポリイミド樹脂層が形成され
たものを使用する方法である。この補助配線板片の一例
を、図11に示す。図示のように、この補助配線板片
は、絶縁層24の上に、熱融着性ポリイミド樹脂層3が
形成されている。同図において、図3と同一部分には同
一符号を付している。この補助配線板片は、例えば、図
3の(イ)〜(ト)に示す工程を経て補助配線板片を作
製し、この板面上(絶縁層24の上)に熱融着性ポリイ
ミド樹脂層3を形成することにより得ることができる。
上記熱融着性ポリイミド樹脂層3は、例えば、補助配線
板片を作製し〔図3(イ)〜(ト)参照〕、この板面の
上に、本発明の熱融着性ポリイミド樹脂フィルムをラミ
ネートすることにより形成することができる。
【0077】また、プライマー層を形成する場合は、例
えば、上記一般式(6)〜(8)で表されるポリイミド
樹脂を溶媒に溶解して、ワニスを調製し、これを、補助
配線板片〔図3(ト)参照〕の板面に塗工して乾燥させ
てプライマー層を形成した後、上記方法により熱融着性
ポリイミド樹脂層を形成することにより、目的を達成す
ることができる。また、塗工の他に、プライマー層形成
用のポリイミド樹脂フィルムを補助配線板片〔図3
(ト)参照〕の板面にラミネートしてプライマー層を形
成した後、熱融着性ポリイミド樹脂層を形成する方法が
あげられる。
【0078】そして、この補助配線板片(図11参照)
の上記熱融着性ポリイミド樹脂層3の上に、半導体チッ
プ1を搭載し、この後は、前述の第1の製法と同様の工
程を経ることにより、半導体装置を作製することができ
る。したがって、第2の製法は、熱融着性ポリイミド樹
脂層3の形成方法が、一部異なるだけで、その他の工程
では、手順や条件も同様であり、熱融着ポリイミド樹脂
層3等の形成材料も同様である。
【0079】このように、この第2の製法では、半導体
チップ搭載面に熱融着性ポリイミド樹脂層3が形成され
た補助配線板片を用いることが特徴であり、これを用い
ることにより、半導体装置の連続生産が可能になる等の
効果を得ることができる。
【0080】そして、この半導体チップ搭載面に熱融着
性ポリイミド樹脂層3が形成された補助配線板片として
は、本発明者らが開発した、半導体装置用テープキャリ
アをあげることができる。
【0081】この半導体装置用テープキャリアは、内側
電極が熱融着性ポリイミド樹脂フィルムに被覆されてい
るもの(Aタイプ)と、上記内側電極が被覆されず露出
しているもの(Bタイプ)に大別することができる。そ
して、これらの半導体装置用テープキャリアの共通する
特徴として、上記一般式(1)〜(5)で表される熱融
着性ポリイミドの少なくとも一つを用いて形成された熱
融着性ポリイミド樹脂フィルムを備えていることであ
る。先に述べたように、この特殊なシリコーン変性ポリ
イミド樹脂は、半導体チップや補助配線板片(高分子フ
ィルム)の双方に対する接着力が極めて高く、また熱融
着性や耐薬品性にも優れるものである。なお、この熱融
着性ポリイミド樹脂フィルムの厚みは、通常、5〜80
μm、好ましくは10〜40μmである。
【0082】まず、上記Aタイプの半導体装置用テープ
キャリアについて説明する。
【0083】図7に、上記Aタイプの半導体装置用テー
プキャリアの一例を示す。図示のように、この半導体装
置用テープキャリアは、熱融着性ポリイミド樹脂フィル
ム3Cを除き、前述の補助配線板片2(図3参照)と同
様の構成をとるものである。すなわち、絶縁層24,2
5が積層されて2層構造の高分子フィルムが形成され、
上記絶縁層24,25の界面部の所定の位置に引回し導
体23が配設されている。なお、上記絶縁層24,25
としては、ポリイミドフィルムを使用することが、耐熱
性の観点から好ましい。そして、この引回し導体23の
一端は、内側電極21と接続されており、また上記引回
し導体23の他端は外側電極22と接続されている。そ
して、絶縁層24,25から構成される高分子フィルム
の半導体チップ搭載側の面(表面)は、特定の熱融着性
ポリイミド樹脂フィルム3Cにより被覆されている。こ
の熱融着性ポリイミド樹脂フィルム3Cは、前述の一般
式(1)〜(5)で表される熱融着性ポリイミドの少な
くとも一つから形成されたものである。そして、この熱
融着性ポリイミド樹脂フィルム3Cは、内側電極21も
被覆している。
【0084】このような、Aタイプの半導体装置用テー
プキャリアは、高分子フィルムの内部に引回し導体23
を配設し、さらに内側電極21(金属バンプ)を形成
し、この高分子フィルム表面を、上記熱融着性ポリイミ
ド樹脂フィルム3Cで被覆することにより作製すること
ができる。
【0085】すなわち、図9(イ)〜同図(ト)に示す
ようにして、内側電極21、外側電極22、引回し導体
23を備えた高分子フィルムを作製する。この高分子フ
ィルムの作製は、前述した補助配線板片2の作製方法と
同様にして行うことができる。したがって、形成条件や
用いる材料等は、同様であり、また、同図において、図
3と同一部分には同一符号を付している。そして、同図
(チ)に示すように、上記熱融着性ポリイミド樹脂フィ
ルム3Cを、高分子フィルムの表面に被覆する。この被
覆の方法は、例えば、熱ラミネート法により行われる。
また、この他に、上記熱融着性ポリイミドを溶媒に溶解
し、この溶液を上記高分子フィルムの表面に塗工後、乾
燥して熱融着性ポリイミド樹脂フィルム3Cを形成する
ことも可能である。このようにして、図7に示すAタイ
プの半導体装置用テープキャリアを作製することができ
る。
【0086】すなわち、この方法によれば、内側電極2
1(金属バンプ)の形成後に、高分子フィルム表面を熱
融着性ポリイミド樹脂フィルム3Cで被覆しているた
め、上記内側電極21も、同フィルム3Cにより被覆さ
れるのである。
【0087】つぎに、上記Bタイプの半導体装置用テー
プキャリアの一例を図8に示す。同図(イ)に示す半導
体装置用テープキャリアは、内側電極21を露出させた
以外は、上記図7に示したAタイプの半導体装置用テー
プキャリアと同様の構成のものである。また、上記Aタ
イプと同様に、絶縁層24,25は、耐熱性の観点か
ら、ポリイミドフィルムを用いることが好ましい。
【0088】このBタイプの半導体装置用テープキャリ
アは、例えば、以下のようにして作製することができ
る。すなわち、先ず、内部に引回し導体23が配設され
た高分子フィルムを準備し、この表面に、上記ラミネー
ト法や塗工により、熱融着性ポリイミド樹脂フィルム3
Dを形成する。その後、この熱融着性ポリイミド樹脂フ
ィルム3Dを含めた高分子フィルムに対し、孔の穿孔、
金属充填、金属バンプ形成等の工程(図3参照)により
内側電極21を形成する。このようにして、内側電極2
1が熱融着性ポリイミド樹脂フィルム3Dから突出する
Bタイプの半導体装置用テープキャリアを作製すること
ができる。
【0089】また、この他の製法として、上記Aタイプ
の半導体装置用テープキャリアを作製したのち、上記熱
融着性ポリイミド樹脂フィルム3Dの内側電極21に対
応する部分を加熱等により部分的に溶融除去して上記内
側電極21を露出させる方法があげられる。
【0090】また、図8(ロ)に示す半導体装置用テー
プキャリアは、高分子フィルムが絶縁層25のみからな
る単層構造のものである。なお、同図(ロ)において、
外部電極は省略しており、また、同図(イ)と同一部分
には同一符号を付している。また、上記絶縁層25は、
耐熱性の観点から、ポリイミドフィルムを使用すること
が好ましい。
【0091】そして、AタイプおよびBタイプの半導体
装置用テープキャリアにおいて、高分子フィルム(2
4、25)と熱融着性ポリイミド樹脂フィルム(3C、
3D)との間に、プライマー層が介在していることが好
ましい。このプライマー層の形成方法は、前述した方法
と同様である。すなわち、上記熱融着性ポリイミド樹脂
フィルム(3C、3D)を形成する前に、前述の塗工法
あるいはラミネート法によりプライマー層を形成するの
である。また、内側電極21(金属バンプ)の形成後
に、プライマー層および熱融着性ポリイミド樹脂フィル
ム3Cを形成すれば、Aタイプの半導体装置用テープキ
ャリアが得られ、プライマー層および熱融着性ポリイミ
ド樹脂フィルム3Dの形成後に、内側電極21(金属バ
ンプ)を形成すれば、Bタイプの半導体装置用テープキ
ャリアが得られる。
【0092】このように、本発明の半導体装置用テープ
キャリアは、内側電極21が被覆されているもの(Aタ
イプ)と内側電極21が露出しているもの(Bタイプ)
がある。これらのなかで、どちらを選択するかは、これ
に搭載する半導体チップ1の種類や、熱圧着処理等の条
件等により適宜決定されるものである。なお、Aタイプ
の半導体装置用テープキャリアは、内側電極21が上記
熱融着性ポリイミド樹脂フィルム3Cにより保護される
ことから、保管管理性に優れる等の利点がある。一方、
Bタイプの半導体装置用テープキャリアは、予め、内側
電極21が露出した状態となっているため、半導体装置
の製造において、半導体チップ1を搭載した後の、半導
体チップ1と半導体装置用テープキャリアとの加熱圧接
工程の条件を穏やかにすることができる等の利点があ
る。
【0093】そして、これらの半導体装置用テープキャ
リアを用いての、半導体装置の製造は、前述した製法と
基本的に同様である。すなわち、このテープキャリアの
熱融着性ポリイミド樹脂フィルム(3C、3D)の上に
半導体チップ1を搭載し、加熱しながら上記テープキャ
リアと半導体チップ1とを相互に圧接し、上記熱融着性
ポリイミド樹脂フィルム(3C、3D)を溶融してこれ
を上記両者に融着させる。そして、これを冷却等により
固化して熱融着性ポリイミド樹脂層3を形成し、半導体
チップ1とテープキャリアとの間隙を封止する。そし
て、前述の所定の工程を経ることにより、半導体チップ
1の電極11とテープキャリアの内側電極21を接合
し、また、外部電極22の半田バンプを形成し、さら
に、必要に応じて半導体チップ1を樹脂封止して、半導
体装置を作製することができる。なお、上記半導体チッ
プ1搭載時のアライメント等の手段や条件も、前述と同
様である。
【0094】また、半導体装置用テープキャリアを用い
る利点として、半導体装置の連続生産を容易に実施する
ことができることがあげられる。すなわち、半導体チッ
プ1毎に、内側電極21、外側電極22、引き回し導体
23および熱融着性ポリイミド樹脂フィルム(3C、3
D)が形成された、帯状の半導体装置用テープキャリア
を準備し、これを長手方向に走行させて、フィルム・キ
ャリア方式で半導体チップ1の搭載作業等を順次連続し
て行うことにより、半導体装置の連続生産が可能とな
る。
【0095】本発明の半導体装置用テープキャリアにお
いて、表面の面積は、半導体チップ1の底面積(回路形
成面の面積、通常3mm〜20mm角)に等しいか、こ
れの200%以下であることが好ましく、特に好ましく
は130%以下である。この理由は、前述の理由と同様
である。
【0096】本発明の半導体装置用テープキャリアにお
いて、上記外部電極22の相互間隔は、被実装回路基板
への半田付けする際のブリッジを防止するために、可能
な限り広くとることが好ましい。また、この外部電極2
2相互の間隔は、通常、等間隔とされる。
【0097】そして、本発明の半導体装置用テープキャ
リアにおいて、上記外側電極22の露呈表面を除く高分
子フィルムの裏面上に絶縁層が形成されていることが好
ましく、特に好ましくは、上記絶縁層が、ポリイミドか
ら形成された絶縁層であることである。これは、補助配
線板片の引回し導体23の腐食を防ぎ、かつ他回路との
電気的接触不良(短絡)を防止するためである。
【0098】
【発明の効果】以上のように、本発明の熱融着性ポリイ
ミド樹脂フィルムは、熱融着性ポリイミド樹脂中に、合
成樹脂製ドメインが分散形成され海−島構造になってい
る熱融着性ポリイミド樹脂フィルムであって、上記島を
構成する合成樹脂製ドメインの大きさが、所定範囲に設
定されているものである。そして、この熱融着性ポリイ
ミド樹脂フィルムを用いてなる本発明の半導体装置は、
補助配線板片に半導体チップが搭載され、少なくとも上
記補助配線板片と半導体チップとの間隙が、上記熱融着
性ポリイミド樹脂フィルムから形成された熱融着性ポリ
イミド樹脂層により封止されたものである。この熱融着
性ポリイミド樹脂層は、半導体チップと補助配線板片と
に対し半田リフロー等の高温において高い接着性を有す
るものである。このため、この半導体装置では、半田実
装等の熱処理を行っても、上記半導体チップと熱融着性
ポリイミド樹脂層との間や補助配線板片と熱融着性ポリ
イミド樹脂層との間等に間隙が発生することが抑制さ
れ、この間隙の発生に伴う封止樹脂のクラック発生も防
止されるようになる。この結果、この半導体装置の信頼
性が向上するようになる。したがって、本発明を、例え
ば、CSPタイプの半導体装置に適用すれば、高密度搭
載が可能な信頼性に極めて優れたCSPタイプ半導体装
置とすることが可能となる。また、このような半導体装
置は、本発明の半導体装置の製法により効率的に製造す
ることができ、特に好ましくは、本発明の半導体装置用
テープキャリアを用いて製造することである。この半導
体装置用テープキャリアは、上記補助配線板片となるも
のであり、予め、特定の熱融着ポリイミドフィルムを備
えたものである。したがって、これを用いることによ
り、半導体チップと補助配線板片との間隙が、熱融着性
ポリイミド樹脂層の形成により封止された半導体装置
を、テープキャリア方式で連続生産することが可能とな
り、半導体装置の製造コストの低減を図ることが期待さ
れる。
【0099】また、本発明において、熱融着性ポリイミ
ド樹脂として、上記一般式(1)〜(5)からなる群か
ら選ばれる少なくとも一つの熱融着性ポリイミド樹脂を
用いることが好ましい。すなわち、これらの熱融着性ポ
リイミド樹脂は、半導体チップおよび補助配線板片に対
する接着力が極めて高く、また熱融着性や耐薬品性にも
優れるものである。したがって、このポリイミドの適用
により得られた半導体装置において、接着力が極めて高
いことから導通不良の発生がさらに低く抑制されるよう
になり、また熱融着性に優れることから、製造効率も向
上するようになる。そして、耐薬品性に優れることか
ら、半導体装置やこの製造に使用する半導体装置用テー
プキャリアの耐薬品性も向上するようになる。
【0100】つぎに、実施例について、比較例と併せて
説明する。
【0101】まず、実施例および比較例に先立ち、下記
の式(9)〜(14)で表されるシリコーン変性ポリイ
ミド樹脂から形成された熱融着性ポリイミド樹脂フィル
ムを製造した。すなわち、前述の方法に従い、熱融着性
ポリイミド樹脂の連続相(繰り返し単位a)中に、シリ
コーン樹脂の分散相(繰り返し単位b)が独立した海−
島構造の熱融着性ポリイミド樹脂フィルムを製造した。
【0102】
【化15】
【0103】
【化16】
【0104】
【化17】
【0105】
【化18】
【0106】
【化19】
【0107】
【化20】
【0108】
【実施例A(1〜15)】下記の表1〜表3に示す支持
フィルムおよび熱融着性ポリイミド樹脂フィルムを用
い、前述したように上記熱融着性ポリイミド樹脂フィル
ムを介して補助配線板片の板面に半導体チップを搭載す
る方法(第1の製法)により半導体装置を作製した。す
なわち、半導体チップの底面と同面積の支持フィルム
(厚み50μm)に、金バンプの高さが50μmの内側
電極を形成し、補助配線板片を形成した。そして、この
補助配線板片の板面(内側電極側の面)に熱融着性ポリ
イミド樹脂フィルム(厚み25μm)を配置し、このフ
ィルム上に信頼性評価用半導体チップ(15.0mm×
15.0mm×厚み0.375mm)を搭載し、350
℃の条件で、上記補助配線板片と半導体チップとを相互
に圧接して熱融着性ポリイミド樹脂層を形成し、その
後、前述の方法により、電極相互の接合、半導体チップ
の樹脂封止を行い、CSPタイプの半導体装置を作製し
た。この半導体装置の大きさは、17.0mm×17.
0mm×厚み0.55mmである。
【0109】
【比較例A−1】下記の式(16)で表される熱融着性
ポリイミド樹脂から形成された熱融着性ポリイミド樹脂
フィルム(ドメインの大きさが15μmのもの)を用い
る以外は、上記実施例A−1と同様にして半導体装置を
作製した。
【0110】
【化21】
【0111】
【比較例A−2】下記の式(17)で表される熱融着性
ポリイミド樹脂から形成された熱融着性ポリイミド樹脂
フィルム(ドメインの大きさが0μm、すなわちドメイ
ンを形成していないもの)を用いる以外は、上記実施例
A−1と同様にして半導体装置を作製した。
【0112】
【化22】
【0113】なお、下記表1〜表3において、PIはポ
リイミドフィルム、PETはポリエチレンテレフタレー
トフィルム、PPはポリプロピレンフィルムを示す。ま
た、アルカリ処理は、支持フィルムを0.1N KOH
水溶液に5時間浸漬することにより行い、プラズマ処理
は、支持フィルムに対し、0.1torrの酸素ガス雰
囲気下で、100w、13.56MHz、30秒間の条
件のグロー放電処理により行った。また、表面張力の測
定は、接触角法により、Fowkesの式を用いて測定
した。
【0114】
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】
【表3】
【0117】このようにして得られた実施例A(1〜1
5)および比較例A(1,2)の半導体装置について、
接着力および導通不良率の測定を行った。これらの結果
を、下記の表4および表5に併せて示す。なお、上記測
定は、以下の方法により行った。
【0118】〔接着力〕接着力の測定は、90度剥離試
験により行った。すなわち、補助配線板片を半導体チッ
プの底面に対して垂直方向に剥離し、その時の剥離強度
を接着力(g/cm)とした。
【0119】〔導通不良率〕121℃の飽和水蒸気中に
おいてプレッシャークッカー試験(PCT試験)を行
い、PCT試験200時間後において導通性を調べた。
そして、試験に供した半導体装置の個数(n=100)
に対する導通不良が発生した半導体個数の割合を、導通
不良率(%)とした。なお、導通不良の発生は、補助配
線板片と半導体チップとの間のバンプ接続不良、半導体
チップ回路の腐食等が原因である。
【0120】
【表4】
【0121】
【表5】
【0122】上記表4および表5から、所定の大きさの
ドメインが分散された海−島構造の熱融着性ポリイミド
樹脂フィルムから形成された熱融着性ポリイミド樹脂層
を有する実施例Aの半導体装置は、半導体チップと補助
配線板片との接着力が高く、また導通不良が発生しなか
ったことがわかる。このことから、上記熱融着性ポリイ
ミド樹脂層の形成により補助配線板片と半導体チップと
の間隙を封止した半導体装置は、信頼性に優れていると
いえる。特に、支持フィルムの表面張力を、35mJ/
2 以上とした実施例Aの半導体装置において、好結果
が得られた。
【0123】これに対して、ドメインの大きさが所定範
囲から外れた熱融着性ポリイミド樹脂フィルムを用いて
なる比較例A−1の半導体装置、およびドメインが形成
されていない熱融着性ポリイミド樹脂フィルムを用いて
なる比較例A−2の半導体装置は、半導体チップと補助
配線板片との接着力が低く、また導通不良が発生するこ
とがわかる。また、上記比較例A−1の半導体装置は、
耐熱性には優れるが、ドメインの大きさが所定範囲から
外れるため、部分的に不均一構造となり、回路のファイ
ンピッチ化ができなくなる。
【0124】
【実施例B(1〜20)】実施例Bでは、支持フィルム
の表面を所定の凹凸面に形成した実施例である。すなわ
ち、下記の表6〜表9に示す支持フィルムおよび熱融着
性ポリイミド樹脂フィルムを用いた他は、実施例Aと同
様にして半導体装置を作製した。
【0125】なお、下記の表6〜表9において、イオン
エッチングは、支持フィルムに対し、窒素ガス雰囲気
下、3×10E−3torr、13.56MHzの条件
で高周波数の放電を5分間行い、イオンを発生させて行
った。また、溶剤処理は、支持フィルムを加熱したキシ
レン(80℃)に3時間浸漬することにより行った。ま
た、紫外線処理は、支持フィルムに対し、100wの紫
外線を照射して行い、アルカリ処理は、支持フィルムを
0.1N KOH水溶液に5時間浸漬することにより行
った。コロナ処理は、1200kHz、33w、1分間
の低周波コロナ放電照射をすることにより行った。
【0126】
【表6】
【0127】
【表7】
【0128】
【表8】
【0129】
【表9】
【0130】このようにして得られた実施例B(1〜2
0)の半導体装置について、前述の方法により、接着力
および導通不良率を測定した。この結果を、下記の表1
0〜表12に併せて示す。
【0131】
【表10】
【0132】
【表11】
【0133】
【表12】
【0134】上記表10〜表12から、支持フィルムの
表面を所定の凹凸面に形成した実施例Bの半導体装置
は、半導体チップと補助配線板片との接着力が極めて高
くなったことがわかる。また、実施例Bの半導体装置で
は、導通不良が発生しなかった。このことから、補助配
線板片の表面を所定の凹凸面に形成することにより、半
導体装置の信頼性をさらに向上させることが可能である
といえる。
【0135】
【実施例C−1】裏面に所定のパターンの銅回路が形成
されたポリイミドフィルム(補助配線板片)の表面に、
上記銅回路と電気的に接続された金バンプ(高さ50μ
m)を備えた高分子フィルムを準備し、この高分子フィ
ルムの表面に、上記式(9)で表される熱融着性ポリイ
ミド樹脂から形成された熱融着性ポリイミド樹脂フィル
ム(厚み30μm)を熱ラミネートにより貼着して、半
導体装置用テープキャリアを作製した。この半導体装置
用テープキャリアは、内側電極(金バンプ)が熱融着性
ポリイミド樹脂フィルムで被覆されているもの(Aタイ
プ)である。ついで、この半導体装置用テープキャリア
に、実施例Aと同じ信頼性評価用半導体チップを搭載
し、その後、熱圧着(350℃)によりバンプ接続を行
うとともに、熱融着性ポリイミド樹脂層の形成を行い、
CSPタイプの半導体装置を作製した。この半導体装置
の構成図を、図10(イ)に示す。同図において、1は
半導体チップであり、2aは高分子フィルムであり、3
Eは熱融着性ポリイミド樹脂フィルムであり、4は封止
樹脂である。
【0136】
【実施例C(2〜5)】実施例C−2は上記式(10)
で表される熱融着性ポリイミド樹脂から形成された熱融
着性ポリイミド樹脂フィルム、実施例C−3は上記式
(11)で表される熱融着性ポリイミド樹脂から形成さ
れた熱融着性ポリイミド樹脂フィルム、実施例C−4は
上記式(12)で表される熱融着性ポリイミド樹脂から
形成された熱融着性ポリイミド樹脂フィルム、実施例C
−5は上記式(13)で表される熱融着性ポリイミド樹
脂から形成された熱融着性ポリイミド樹脂フィルムを用
いた。これ以外は、実施例C−1と同様にして半導体装
置を作製した。
【0137】
【比較例C−1】熱融着性ポリミイド樹脂フィルムを用
いなかった他は、実施例C−1と同様にして半導体装置
を作製した。
【0138】
【比較例C−2】比較例C−1と同様にして、半導体装
置を作製した。そして、この半導体装置の半導体チップ
と補助配線板片(高分子フィルム)との間隙を、エポキ
シ樹脂層の形成により封止した。すなわち、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:180)100
重量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(当量:16
2)100重量部、2−メチルイミダゾール(硬化触
媒)0.5重量部を配合して、常法により、液状の封止
用エポキシ樹脂組成物を作製した。そして、これを、デ
ィスペンサーを用い、上記半導体チップと補助配線板片
との間隙に注入して硬化させ、エポキシ樹脂層を形成し
た。
【0139】このようにして得られた実施例C(1〜
5)および比較例C(1,2)の半導体装置について、
接着力および導通不良率を測定した。この結果を下記の
表13に示す。なお、上記測定は、以下のようにして行
った。
【0140】〔接着力〕半導体装置用テープキャリアを
半導体チップに貼着し、接着力測定用の試験体を作製し
た。そして、図10(ロ)に示すように、前述の方法と
同様に、90度剥離試験を行い、接着力を測定した。
【0141】〔導通不良率〕前述の方法と同様に、PC
T試験後の導通不良率を測定した。
【0142】
【表13】
【0143】上記表13から、熱融着性ポリイミド樹脂
フィルムを備えた実施例Cの半導体装置用テープキャリ
アは、高い接着力を有し、かつこれを用いて製造された
半導体装置(熱融着性ポリイミド樹脂層形成)は、導通
不良の発生がないか、導通不良率が低かった。このこと
から、実施例Cの半導体装置は、半導体チップと熱融着
性ポリイミド樹脂層との接着力、補助配線板片と熱融着
性ポリイミド樹脂層との接着力が極めて高く、これによ
り、半導体装置の信頼性(特に耐湿信頼性)が優れてい
るといえる。また、実施例Cの半導体装置の製造におい
て、半導体装置用テープキャリアを用いたことから、熱
融着性ポリイミド樹脂層の形成等の作業を効率的に行う
ことができた。
【0144】これに対し、上記表13から、熱融着性ポ
リイミド樹脂フィルムを備えない比較例C−1の半導体
装置用テープキャリアは、半導体チップに対する接着力
がなく、また、これを用いた半導体装置は、導通不良が
多発した。また、熱融着性ポリイミド樹脂封止層に代え
て、エポキシ樹脂層を形成した比較例C−2の半導体装
置も、半導体チップとエポキシ樹脂層との接着力、補助
配線板片とエポキシ樹脂層との接着力が低く、また導通
不良も多発した。
【0145】
【実施例D】補助配線板片として、予め、支持フィルム
の上に塗工法により上記式(9)の熱融着性ポリイミド
樹脂層が形成された補助配線板片を用いた。そして、こ
の補助配線板片の熱融着性ポリイミド樹脂層の上に半導
体装置を搭載して半導体装置を作製した。この他は、実
施例A−1と同様にして、半導体装置を作製した。
【0146】このようにして得られた半導体装置につい
て、実施例Aと同様にして、接着力と導通不良率を測定
した。その結果、接着力は1500g/cmであり、導
通不良率は0%であった。このことから、この実施例D
の半導体装置は、半導体チップと熱融着性ポリイミド樹
脂層との接着力、補助配線板片と熱融着性ポリイミド樹
脂層との接着力が極めて高く、これにより、半導体装置
の信頼性(特に耐湿信頼性)が優れているといえる。
【0147】
【実施例E】前述の方法により、Bタイプの半導体装置
用テープキャリアを作製した。すなわち、まず、裏面に
所定のパターンの銅回路が形成されたポリイミドフィル
ム(補助配線板片)を準備した。そして、このポリイミ
ドフィルムの表面に、上記式(9)で表される熱融着性
ポリイミド樹脂から形成された熱融着性ポリイミド樹脂
フィルム(厚み30μm)を熱ラミネートにより貼着し
た。そして、前述の方法により、穿孔、金属充填、金バ
ンプ形成等の工程を経て、上記ポリイミドフィルムの表
面に、上記銅回路と電気的に接続された金バンプ(高さ
50μm)を形成し、Bタイプの半導体装置用テープキ
ャリアを作製した。そして、これを用い、実施例C−1
と同様にして半導体装置を作製した。
【0148】このようにして得られた半導体装置につい
て、実施例Cと同様にして、接着力と導通不良率を測定
した。その結果、接着力は1200g/cmであり、導
通不良率は0%であった。このことから、この実施例E
の半導体装置用テープキャリアは、半導体チップに対す
る接着性に優れているといえる。また、この半導体装置
用テープキャリアを用いて製造された半導体装置は、半
導体チップと熱融着性ポリイミド樹脂層との接着力、補
助配線板片と熱融着性ポリイミド樹脂層との接着力が極
めて高く、これにより、半導体装置の信頼性(特に耐湿
信頼性)が優れているといえる。また、半導体装置の製
造において、半導体装置用テープキャリアを用いたこと
から、熱融着性ポリイミド樹脂層の形成等の作業を効率
的に行うことができ、また熱圧着の条件等も穏やかなも
のとすることができた。
【0149】
【実施例F(1〜15)】プライマー層を有する二層構
造の熱融着性ポリイミド樹脂フィルムを用いた他は、実
施例Aと同様にして、CSPタイプの半導体装置を作製
した。なお、用いた支持フィルムおよび二層構造熱融着
性ポリイミド樹脂フィルムの種類は、下記の表14〜表
16に示すとおりである。なお、同表において、PIは
ポリイミドフィルム、PETはポリエチレンテレフタレ
ートフィルム、PPはポリプロピレンフィルムを示す。
また、アルカリ処理は、支持フィルムを0.1N KO
H水溶液に5時間浸漬することにより行い、プラズマ処
理は、支持フィルムに対し、0.1torrの酸素ガス
雰囲気下で、100w、13.56MHz、30秒間の
条件のグロー放電処理により行った。また、表面張力の
測定は、接触角法により、Fowkesの式を用いて測
定した。
【0150】
【表14】
【0151】
【表15】
【0152】
【表16】
【0153】このようにして得られた実施例F(1〜1
5)の半導体装置について、実施例Aと同様にして、接
着力および導通不良率の測定を行った。これらの結果
を、下記の表17および表18に併せて示す。
【0154】
【表17】
【0155】
【表18】
【0156】上記表17および表18から、実施例Fに
おいて、プライマー層の形成により、接着力が著しく向
上したことがわかる。また、実施例Fにおいて、導通不
良は発生しなかった。この結果から、プライマー層の形
成により、熱融着性ポリイミド樹脂層と補助配線板片と
の接着力が向上し、半導体装置の信頼性も向上したとい
える。
【0157】
【実施例G(1〜20)】プライマー層を有する二層構
造の熱融着性ポリイミド樹脂フィルムを用いた他は、実
施例Bと同様にして、CSPタイプの半導体装置を作製
した。なお、用いた支持フィルムおよび二層構造熱融着
性ポリイミド樹脂フィルムの種類は、下記の表19〜表
22に示すとおりである。なお、同表において、イオン
エッチングは、支持フィルムに対し、窒素ガス雰囲気
下、3×10E−3torr、13.56MHzの条件
で高周波数の放電を5分間行い、イオンを発生させて行
った。また、溶剤処理は、支持フィルムを加熱したキシ
レン(80℃)に3時間浸漬することにより行った。ま
た、紫外線処理は、支持フィルムに対し、100wの紫
外線を照射して行い、アルカリ処理は、支持フィルムを
0.1N KOH水溶液に5時間浸漬することにより行
った。コロナ処理は、1200kHz、33w、1分間
の低周波コロナ放電照射をすることにより行った。
【0158】
【表19】
【0159】
【表20】
【0160】
【表21】
【0161】
【表22】
【0162】このようにして得られた実施例G(1〜2
0)の半導体装置について、実施例Bと同様にして、接
着力および導通不良率の測定を行った。これらの結果
を、下記の表23〜表25に併せて示す。
【0163】
【表23】
【0164】
【表24】
【0165】
【表25】
【0166】上記表23〜表25から、プライマー層を
形成し、かつ支持フィルムの表面を所定の凹凸面に形成
した実施例Gの半導体装置は、接着力が極めて高くなっ
たことがわかる。また、実施例Gの半導体装置では、導
通不良が発生しなかった。この結果から、プライマー層
の形成および補助配線板片表面の凹凸形成により、熱融
着性ポリイミド樹脂層と補助配線板片との接着力が著し
く向上し、半導体装置の信頼性も向上したといえる。
【0167】
【実施例H】補助配線板片として、予め、支持フィルム
の上に塗工法により、上記式(14)のプライマー層
と、上記式(9)の熱融着性ポリイミド樹脂層が形成さ
れた補助配線板片を用いた。そして、この補助配線板片
の熱融着性ポリイミド樹脂層の上に半導体チップを搭載
して半導体装置を作製した。この他は、実施例F−1と
同様にして、半導体装置を作製した。
【0168】このようにして得られた半導体装置につい
て、実施例Fと同様にして、接着力と導通不良率を測定
した。その結果、接着力は1800g/cmであり、導
通不良率は0%であった。このことから、この実施例H
の半導体装置は、プライマー層の形成により、補助配線
板片と熱融着性ポリイミド樹脂層との接着力が極めて高
くなり、これにより、半導体装置の信頼性(特に耐湿信
頼性)が優れているといえる。
【0169】
【実施例J】前述の方法により、プライマー層を備えた
Bタイプの半導体装置用テープキャリアを作製した。す
なわち、まず、裏面に所定のパターンの銅回路が形成さ
れたポリイミドフィルム(補助配線板片)を準備した。
そして、このポリイミドフィルムの表面に、上記式(1
4)で表されるポリイミドフィルム(プライマー層形成
用)および上記式(9)で表される熱融着性ポリイミド
樹脂フィルム(厚み30μm)を、順次、熱ラミネート
により貼着した。そして、前述の方法により、穿孔、金
属充填、金バンプ形成等の工程を経て、上記ポリイミド
フィルムの表面に、上記銅回路と電気的に接続された金
バンプ(高さ50μm)を形成し、Bタイプの半導体装
置用テープキャリアを作製した。そして、これを用い、
実施例C−1と同様にして半導体装置を作製した。
【0170】このようにして得られた半導体装置につい
て、実施例Cと同様にして、接着力と導通不良率を測定
した。その結果、接着力は1600g/cmであり、導
通不良率は0%であった。このことから、この実施例J
の半導体装置用テープキャリアは、半導体チップに対す
る接着性に優れているといえる。また、この半導体装置
用テープキャリアを用いて製造された半導体装置は、プ
ライマー層の形成により、補助配線板片と熱融着性ポリ
イミド樹脂層との接着力が極めて高くなり、これによ
り、半導体装置の信頼性(特に耐湿信頼性)が優れてい
るといえる。また、半導体装置の製造において、半導体
装置用テープキャリアを用いたことから、熱融着性ポリ
イミド樹脂層の形成等の作業を効率的に行うことがで
き、また熱圧着の条件も穏やかなものとすることができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)は本発明の半導体装置の一実施例を示す
断面図であり、(ロ)は本発明の半導体装置の他の実施
例を示す断面図であり、(ハ)はその半導体装置の部分
拡大断面図であり、(ニ)は上記本発明の半導体の一実
施例の一部切り欠き斜視図である。
【図2】補助配線板片が多層構造となった本発明の半導
体装置の一例を示す一部断面図である。
【図3】(イ)は絶縁層に引回し導体が形成された状態
を示す構成図であり、(ロ)は絶縁層に孔を穿孔した状
態を示す構成図であり、(ハ)は上記孔に金属を充填し
た状態を示す構成図であり、(ニ)は上記充填金属の端
面上に金属バンプを形成した状態を示す構成図であり、
(ホ)は絶縁層を積層した状態を示す構成図であり、
(へ)は絶縁層に孔を穿孔した状態を示す構成図であ
り、(ト)は上記孔に金属を充填した状態を示す構成図
であり、(チ)は補助配線板片の板面に熱融着性ポリイ
ミド樹脂フィルムを介して半導体チップを搭載する状態
を示す構成図であり、(リ)は半導体チップと補助配線
板片との間隙を熱融着性ポリイミド樹脂層の形成により
封止した状態を示す構成図であり、(ヌ)は半導体チッ
プを樹脂封止した状態を示す構成図である。
【図4】アライメントの一例を示す構成図である。
【図5】(イ)は本発明の半導体装置の樹脂封止の一形
態を示す構成図であり、(ロ)は本発明の半導体装置の
樹脂封止のその他の形態を示す構成図であり、(ハ)は
本発明の半導体装置の樹脂封止のその他の形態を示す構
成図であり、(ニ)は本発明の半導体装置の樹脂封止の
その他の形態を示す構成図であり、(ホ)は本発明の半
導体装置の樹脂封止のその他の形態を示す構成図であ
る。
【図6】(イ)は本発明の半導体装置の放熱手段の一例
を示す構成図であり、(ロ)は本発明の半導体装置の放
熱手段のその他の例を示す構成図であり、(ハ)は本発
明の半導体装置の放熱手段のその他の例を示す構成図で
あり、(ニ)は本発明の半導体装置の放熱手段のその他
の例を示す構成図である。
【図7】本発明の半導体装置用テープキャリアの一実施
例の構成を示す構成図である。
【図8】(イ)は本発明の半導体装置用テープキャリア
の一実施例の構成を示す構成図であり、(ロ)は本発明
の半導体装置用テープキャリアの他の実施例の構成を示
す構成図である。
【図9】(イ)は支持絶縁フィルムに引回し導体が形成
された状態を示す構成図であり、(ロ)は上記支持絶縁
フィルムに孔を穿孔した状態を示す構成図であり、
(ハ)は上記孔に金属を充填した状態を示す構成図であ
り、(ニ)は上記充填金属の端面上に金属バンプを形成
した状態を示す構成図であり、(ホ)は支持絶縁フィル
ムにカバーコート絶縁層を積層した状態を示す構成図で
あり、(へ)はカバーコート絶縁層に孔を穿孔した状態
を示す構成図であり、(ト)は上記孔に金属を充填した
状態を示す構成図であり、(チ)は高分子フィルムに熱
融着性ポリイミド樹脂フィルムを貼着する状態を示す構
成図である。
【図10】(イ)は本発明の半導体装置の一実施例の構
成を示す構成図であり、(ロ)は半導体装置用テープキ
ャリアの接着力を測定する状態を示す構成図である。
【図11】熱融着性ポリイミド樹脂層が形成された補助
配線板片の一例を示す構成図である。
【図12】従来の半導体装置の一例の構成を示す構成図
である。
【符号の説明】
1 半導体チップ 2 補助配線板片 3 熱融着性ポリイミド樹脂層 21 内側電極

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱融着性ポリイミド樹脂中に、合成樹脂
    製ドメインが分散形成され海−島構造になっている熱融
    着性ポリイミド樹脂フィルムであって、上記島を構成す
    る合成樹脂製ドメインの大きさが、0.01〜10μm
    の範囲に設定されていることを特徴とする熱融着性ポリ
    イミド樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】 上記合成樹脂製ドメインが、シリコーン
    樹脂を含むものである請求項1記載の熱融着性ポリイミ
    ド樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】 上記熱融着性ポリイミド樹脂フィルム
    が、ガラス転移温度200℃以上の熱融着性ポリイミド
    樹脂から形成されたものである請求項1または2記載の
    熱融着性ポリイミド樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】 上記熱融着性ポリイミド樹脂フィルム
    が、下記の一般式(1)〜(5)からなる群から選ばれ
    る少なくとも一つの熱融着性ポリイミド樹脂から形成さ
    れたものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱
    融着性ポリイミド樹脂フィルム。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】
  5. 【請求項5】 補助配線板片の板面に、電極を備えた半
    導体チップが、その電極側を対面させた状態で搭載さ
    れ、上記補助配線板片の内部に引回し導体が配設され、
    この引回し導体の一端が上記補助配線板片の上記半導体
    チップ搭載側の面から突出する内側電極に形成され、上
    記引回し導体の他端が上記補助配線板片の上記半導体チ
    ップ搭載側と反対側の面から突出する外側電極に形成さ
    れ、上記内側電極と半導体チップの電極とが接合してい
    る半導体装置であって、少なくとも上記半導体チップと
    補助配線板片との間隙が、熱融着性ポリイミド樹脂層に
    より封止され、かつ、この熱融着性ポリイミド樹脂層の
    少なくとも一部が、請求項1〜4のいずれか一項に記載
    の熱融着性ポリイミド樹脂フィルムによって構成されて
    いることを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 上記補助配線板片の半導体チップ搭載側
    の表面層が、ポリイミドから形成されている請求項5記
    載の半導体装置。
  7. 【請求項7】 上記補助配線板片の外側電極が、上記内
    側電極の略真下に対応する上記補助配線板片の半導体チ
    ップ搭載側と反対側の面の部分に形成された請求項5ま
    たは6記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】 上記補助配線板片の外側電極が、上記内
    側電極の略真下に対応する上記補助配線板片の半導体チ
    ップ搭載側と反対側の面の部分から外れた部分に形成さ
    れた請求項5または6記載の半導体装置。
  9. 【請求項9】 上記補助配線板片が、複数の絶縁層が厚
    み方向に積層された多層構造である請求項5〜8のいず
    れか一項に記載の半導体装置。
  10. 【請求項10】 上記補助配線板片の半導体チップ搭載
    側の面の面積が、上記半導体チップの底面積の200%
    以下である請求項5〜9のいずれか一項に記載の半導体
    装置。
  11. 【請求項11】 上記補助配線板片の半導体チップ搭載
    側の面の面積が、上記半導体チップの底面積と等しい請
    求項5〜10のいずれか一項に記載の半導体装置。
  12. 【請求項12】 上記補助配線板片の半導体チップ搭載
    側の面において、少なくとも熱融着性ポリイミド樹脂層
    に接する部分が、表面張力35mJ/m2 以上となって
    いる請求項5〜11のいずれか一項に記載の半導体装
    置。
  13. 【請求項13】 上記補助配線板片の半導体チップ搭載
    側の面において、少なくとも熱融着性ポリイミド樹脂層
    に接する部分が、0.005〜0.5μm径の凹凸面に
    形成されている請求項5〜12のいずれか一項に記載の
    半導体装置。
  14. 【請求項14】 半導体チップを搭載する補助配線板片
    であり、その内部に引回し導体が配設され、この引回し
    導体の一端が上記補助配線板片の上記半導体チップ搭載
    側の面から突出する内側電極に形成され、上記引回し導
    体の他端が上記補助配線板片の上記半導体チップ搭載側
    と反対側の面から突出する外側電極に形成された補助配
    線板片と、電極を備えた半導体チップと、請求項1〜4
    のいずれか一項に記載の熱融着性ポリイミド樹脂フィル
    ムとを準備し、上記補助配線板片の板面に、上記半導体
    チップを、その電極側を対面させた状態で上記熱融着性
    ポリイミド樹脂フィルムを介して搭載し、この状態で加
    熱しながら上記補助配線板片と半導体チップとを相互に
    圧接して上記熱融着性ポリイミド樹脂フィルムを融解し
    た後固化することにより熱融着性ポリイミド樹脂層を形
    成して上記補助配線板片と半導体チップとの間隙を封止
    し、この封止の際あるいは上記封止の後、上記補助配線
    板片の内側電極と上記半導体チップの電極とを接合する
    ことを特徴とする半導体装置の製法。
  15. 【請求項15】 半導体チップを搭載する補助配線板片
    であり、その内部に引回し導体が配設され、この引回し
    導体の一端が上記補助配線板片の上記半導体チップ搭載
    側の面から突出する内側電極に形成され、上記引回し導
    体の他端が上記補助配線板片の上記半導体チップ搭載側
    と反対側の面から突出する外側電極に形成され、上記半
    導体チップ搭載側の面に請求項1〜4のいずれか一項に
    記載の熱融着性ポリイミド樹脂フィルムを備えた補助配
    線板片と、電極を備えた半導体チップとを準備し、上記
    補助配線板片の熱融着性ポリイミド樹脂フィルムの上
    に、上記半導体チップを、その電極側の面を対面させた
    状態で搭載し、この状態で加熱しながら上記補助配線板
    片と半導体チップとを相互に圧接して上記熱融着性ポリ
    イミド樹脂フィルムを融解した後固化して熱融着性ポリ
    イミド樹脂層を形成することにより上記補助配線板片と
    半導体チップとの間隙を封止し、この封止の際あるいは
    上記封止の後、上記補助配線板片の内側電極と上記半導
    体チップの電極とを接合することを特徴とする半導体装
    置の製法。
  16. 【請求項16】 高分子フィルムの内部に引回し導体が
    配設され、この引回し導体の一端が上記高分子フィルム
    の表面から突出する内側電極に形成され、上記引回し導
    体の他端が上記高分子フィルムの裏面から露呈する外側
    電極に形成され、上記内側電極の表面を含む上記高分子
    フィルムの表面の少なくとも一部が、請求項1〜4のい
    ずれか一項に記載の熱融着性ポリイミド樹脂フィルムで
    被覆されていることを特徴とする半導体装置用テープキ
    ャリア。
  17. 【請求項17】 上記高分子フィルムの表面層が、ポリ
    イミドから形成されている請求項16記載の半導体装置
    用テープキャリア。
  18. 【請求項18】 上記外側電極が、上記内側電極の略真
    下に対応する上記高分子フィルムの裏面の部分に形成さ
    れた請求項16または17記載の半導体装置用テープキ
    ャリア。
  19. 【請求項19】 上記補助配線板片の外側電極が、上記
    内側電極の略真下に対応する上記高分子フィルムの裏面
    の部分から外れた部分に形成された請求項16または1
    7記載の半導体装置用テープキャリア。
  20. 【請求項20】 上記高分子フィルムが、複数の高分子
    フィルムを積層した多層構造である請求項16〜19の
    いずれか一項に記載の半導体装置用テープキャリア。
  21. 【請求項21】 半導体装置用テープキャリアの半導体
    チップを搭載する側の面の面積が、半導体チップの底面
    積の200%以下である請求項16〜20のいずれか一
    項に記載の半導体装置用テープキャリア。
  22. 【請求項22】 半導体装置用テープキャリアの半導体
    チップを搭載する側の面の面積が、半導体チップの底面
    積と等しい請求項16〜21のいずれか一項に記載の半
    導体装置用テープキャリア。
  23. 【請求項23】 上記外側電極の露呈表面を除く高分子
    フィルムの裏面上に絶縁層が形成されている請求項16
    〜22のいずれか一項に記載の半導体装置用テープキャ
    リア。
  24. 【請求項24】 上記絶縁層が、ポリイミドから形成さ
    れた絶縁層である請求項23記載の半導体装置用テープ
    キャリア。
JP8241932A 1996-09-12 1996-09-12 熱融着性ポリイミド樹脂フィルムおよびこれを用いた半導体装置ならびにその製法、それに用いる半導体装置用テープキャリア Pending JPH1087988A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015193136A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 日新製鋼株式会社 塗装鋼板、その製造方法および調理器具用部材

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