JPH1087941A - 光拡散性アクリル系樹脂組成物および光拡散成形体 - Google Patents
光拡散性アクリル系樹脂組成物および光拡散成形体Info
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- JPH1087941A JPH1087941A JP8263575A JP26357596A JPH1087941A JP H1087941 A JPH1087941 A JP H1087941A JP 8263575 A JP8263575 A JP 8263575A JP 26357596 A JP26357596 A JP 26357596A JP H1087941 A JPH1087941 A JP H1087941A
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Abstract
にくい光拡散成形体を成形性よく作成できる光拡散性ア
クリル系樹脂組成物、および光透過性と光拡散性のバラ
ンスが良く、透けにくい光拡散成形体を提供する。 【解決手段】 アクリル系樹脂とシリコーンゴム粉末か
らなる光拡散性アクリル系樹脂組成物において、このシ
リコーンゴム粉末のJIS A硬さが70〜95である
ことを特徴とする光拡散性アクリル系樹脂組成物、この
組成物を成形してなることを特徴とする光拡散成形体。
Description
シリコーンゴム粉末からなる光拡散性アクリル系樹脂組
成物、およびこの組成物を成形してなる光拡散成形体に
関し、詳しくは、光透過性と光拡散性のバランスが良
く、透けにくい光拡散成形体を成形性よく作成できる光
拡散性アクリル系樹脂組成物、および光透過性と光拡散
性のバランスが良く、透けにくい光拡散成形体に関す
る。
散性アクリル系樹脂組成物は、これを成形して、照明器
具、看板、グレージング、プロジェクションスクリーン
等に使用されている。このような光拡散性アクリル系樹
脂組成物としては、例えば、アクリル系樹脂と平均粒子
径が1〜6μmであるポリメチルシルセスキオキサン樹
脂粉末からなる光拡散性アクリル系樹脂組成物(特開平
2−194058号公報参照)、アクリル系樹脂と粒子
径が0.5〜20μmであるポリメチルシルセスキオキ
サン樹脂粉末からなる光拡散性アクリル系樹脂組成物
(特開平3−207743号公報参照)、アクリル系樹
脂と粒子径の分布範囲が1〜30μm、重量平均粒子径
が3〜6μmであり、かつ、2μm以下の含有量が35
重量%以下であるシリコーンゴム粉末からなる光拡散性
アクリル系樹脂組成物(特開平3−294348号公報
参照)、アクリル系樹脂と二官能シロキサン単位および
三官能シロキサン単位からなり、表面に有機官能基を有
する、重量平均粒子径が0.5〜10μmのシリコーン
ゴム粉末からなる光拡散性アクリル系樹脂組成物(特開
平6−299035号公報参照)が挙げられる。
て、高い光透過性、および高い光拡散性を有し、透けに
くい光拡散成形体が求められており、また、このような
光拡散成形体の高い意匠性を求められることにより、高
い成形性(加工性)を有する光拡散性アクリル系樹脂組
成物が求められているが、光透過性を向上させると光拡
散性が低下し、透けやすくなってしまい、また、光拡散
性を向上させると光透過性が低下してしまい、これらの
バランスが良く、透けにくい光拡散成形体を作成するこ
とは困難であり、特に、アクリル系樹脂とポリメチルシ
ルセスキオキサン樹脂粉末からなる光拡散性アクリル系
樹脂組成物は流動性が乏しく、光拡散成形体の成形性
(加工性)が悪いという問題があった。
課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明の目的は、光透過性と光拡散性の
バランスが良く、透けにくい光拡散成形体を成形性よく
作成できる光拡散性アクリル系樹脂組成物、および光透
過性と光拡散性のバランスが良く、透けにくい光拡散成
形体を提供することにある。
ル系樹脂組成物は、アクリル系樹脂とシリコーンゴム粉
末からなり、このシリコーンゴム粉末のJIS A硬さ
が70〜95であることを特徴とする。また、本発明の
光拡散成形体は、上記の光拡散性アクリル系樹脂組成物
を成形してなることを特徴とする。
組成物は、アクリル系樹脂とシリコーンゴム粉末からな
る。このアクリル系樹脂としては、例えば、アクリル酸
もしくはメタクリル酸;アクリル酸メチル、メタクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、ア
クリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸シク
ロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アク
リル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸2
−ヒドロキシエチル、メタアクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジ
ル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジ
エチルアミノエチル等のアクリル酸もしくはメタクリル
酸のエステル;エチレングリコールジアクリレート、エ
チレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジメタクリレート等の多官能のアク
リレートもしくはメタクリレート等のアクリル系単量体
の重合体、これらのアクリル系単量体の共重合体、これ
らのアクリル系単量体とその他の単量体、例えば、スチ
レン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;酢酸
ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のエチレン系単
量体;フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミ
ド、無水マレイミド等のマレイミド系単量体との共重合
体が挙げられる。
A硬さが70〜95であることを特徴とし、特に、この
硬さが80〜90であることが好ましい。これは、この
硬さがこの範囲より小さいシリコーンゴム粉末を用いる
と、アクリル系樹脂中でこれが変形しやすく、得られる
光拡散成形体の光拡散性が低下する傾向があるためであ
り、一方、この範囲より大きいシリコーンゴム粉末を用
いると、得られる光拡散性アクリル系樹脂組成物の成形
性(加工性)が低下する傾向があるためである。このシ
リコーンゴム粉末の平均粒子径としては、例えば、0.
1〜50μmであることが好ましく、さらには0.5〜
20μmであることが好ましく、さらには1〜20μm
であることが好ましく、特には1〜10μmであること
が好ましい。これは、この平均粒子径がこの範囲より小
さいシリコーンゴム粉末を用いると、得られる光拡散成
形体の光拡散性が低下する傾向があり、一方、この範囲
より大きいシリコーンゴム粉末を用いると、これをアク
リル系樹脂中に均一に分散させることが困難となり、ま
た、得られる光拡散性アクリル系樹脂組成物の成形性が
低下したり、さらには、得られる光拡散成形体の光の拡
散が不均一となる傾向があるためである。また、このシ
リコーゴム粉末の形状としては、得られる光拡散成形体
の光透過性と光拡散性のバランスが特に良好であり、ま
た透けにくいことから球状であることが好ましい。
反応硬化型、縮合反応硬化型、有機過酸化物硬化型、紫
外線硬化型のシリコーンゴム組成物を硬化して得られた
ものが挙げられ、特に、縮合反応硬化型のシリコーンゴ
ム組成物を硬化して得られたものであることが好まし
い。このような縮合反応硬化型のシリコーンゴム組成物
としては、平均粒子径が小さく、粒度分布が狭く、かつ
硬度が大きいシリコーンゴム粉末を安定性良く得ること
ができることから、(a)一分子中にケイ素原子結合ヒド
ロキシ基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサ
ン、(b)一分子中にケイ素原子結合水素原子を少なくと
も2個有するオルガノポリシロキサン、(c)一分子中に
ケイ素原子結合アルコキシ基を少なくとも3個有するオ
ルガノポリシロキサン、および(d)縮合反応用触媒から
なるシリコーンゴム組成物であることが好ましい。
組成物の主剤であり、一分子中にケイ素原子結合ヒドロ
キシ基を少なくとも2個有することを特徴とする。この
分子構造としては、直鎖状、分枝鎖状、環状が例示さ
れ、特に、分子鎖両末端がヒドロキシ基で封鎖された直
鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好まし
い。また、このケイ素原子に結合する有機基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキ
ル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル
基等のアリール基等の置換もしくは非置換の一価炭化水
素基が例示される。また、この25℃における粘度とし
ては、5〜1,000,000センチポイズであること
が好ましく、さらには5〜10,000センチポイズで
あることが好ましく、特には5〜1,000センチポイ
ズであることが好ましい。これは、この粘度がこの範囲
より小さくなると、得られるシリコーンゴム粉末の機械
的強度が低下する傾向があるためであり、一方、この範
囲より大きくなると、得られる組成物の取扱作業性が低
下する傾向があるためである。また、この重合度として
は、比較的高硬度のシリコーンゴム粉末を得ることがで
きることから、100以下であることが好ましく、特に
は50以下であることが好ましい。
組成物の架橋剤であり、一分子中にケイ素原子結合水素
原子を少なくとも2個有することを特徴とする。この分
子構造としては、直鎖状、分枝鎖状、環状が例示され
る。また、このケイ素原子に結合する有機基としては、
上記(a)成分のケイ素原子に結合する有機基と同様の基
が例示される。また、この25℃における粘度として
は、1〜100,000センチポイズであることが好ま
しく、さらには1〜1,000センチポイズであること
が好ましく、特には1〜500センチポイズであること
が好ましい。これは、この粘度がこの範囲より小さくな
ると、得られるシリコーンゴム粉末の機械的強度が低下
する傾向があるからであり、一方、この範囲より大きく
なると、得られる組成物の取扱作業性が低下する傾向が
あるためである。また、この重合度としては、比較的高
硬度のシリコーンゴム粉末を得ることができることか
ら、100以下であることが好ましい。
十分な量であればよく、例えば、(a)成分100重量部
に対して0.1〜80重量部であることが好ましく、特
には1〜50重量部であることが好ましい。これは、こ
の配合量がこの範囲外であると、得られる組成物が十分
に硬化しなくなったり、また、得られるシリコーンゴム
粉末の機械的強度が低下する傾向があるからである。
組成物を硬化して得られるシリコーンゴム粉末の凝集性
を低下させたり、また、これに硬さを付与したりして、
アクリル系樹脂への分散性を向上させて、光拡散剤とし
ての効果を十分に発揮させるための成分であり、一分子
中にケイ素原子結合アルコキシ基を少なくとも3個有す
ることを特徴とする。このケイ素原子結合アルコキシ基
としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が例
示され、上記(A)成分中のケイ素原子結合ヒドロキシ基
との反応性が良好であることから、メトキシ基であるこ
とが好ましい。この分子構造としては、直鎖状、分枝鎖
状、環状が例示され、特に、直鎖状であることが好まし
い。また、この25℃における粘度としては、1〜10
0,000センチポイズであることが好ましく、さらに
は1〜1,000センチポイズであることが好ましく、
特には1〜500センチポイズであることが好ましい。
これは、この粘度がこの範囲より小さくなると、得られ
るシリコーンゴム粉末の機械的強度が低下する傾向があ
るためであり、一方、この範囲より大きくなると、得ら
れる組成物の取扱作業性が低下する傾向があるからであ
る。また、この重合度としては、比較的高硬度のシリコ
ーンゴム粉末を得ることができることから、100以下
であることが好ましく、特には5〜50であることが好
ましい。
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシ
シラン等のテトラアルコキシシランを部分加水分解およ
び縮合反応して得られるアルコキシ基を有するオルガノ
ポリシロキサン、一般式: −R1−SiR2 a(OR3)(3-a) (式中、R1はアルキレン基であり、R2は脂肪族炭素−
炭素不飽和結合を有しない一価炭化水素基であり、R3
はアルキル基であり、aは0または1である。)で表さ
れるアルコキシシリルアルキル基を有するオルガノポリ
シロキサンが例示され、特に、比較的高硬度で凝集性が
小さく、アクリル系樹脂への分散性が優れ、一次粒子の
粒度分布が狭いシリコーンゴム粉末を調製できることか
ら、後者のオルガノポリシロキサンであることが好まし
い。後者のオルガノポリシロキサンにおいて、式中のR
1はアルキレン基であり、エチレン基、プロピレン基、
ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基が例示され
る。また、式中のR2は脂肪族炭素−炭素不飽和結合を
有しない一価炭化水素基であり、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基等のアルキル基;フェニル基等の
アリール基等の置換もしくは非置換の一価炭化水素基が
例示される。また、式中のR3はアルキル基であり、メ
チル基、エチル基、プロピル基が例示される。また、式
中のaは0または1である。このようなアルコキシシリ
ルアルキル基としては、トリメトキシシリルエチル基、
メチルジメトキシシリルエチル基、トリエトキシシリル
エチル基が例示され、特に、トリメトキシシリルエチル
基であることが好ましい。
有するオルガノポリシロキサンの分子構造としては、直
鎖状、分枝鎖状、環状が例示され、特に、直鎖状である
ことが好ましい。この直鎖状のオルガノポリシロキサン
としては、一般式:
一価炭化水素基、または一般式: −R1−SiR2 a(OR3)(3-a) (式中、R1はアルキレン基であり、R2は脂肪族炭素−
炭素不飽和結合を有しない一価炭化水素基であり、R3
はアルキル基であり、aは0または1である。)で表さ
れるアルコキシシリルアルキル基であり、但し、一分子
中の少なくとも1個のR5はこのアルコキシシリルアル
キル基であり、mは正の整数である。}で表されるオル
ガノポリシロキサンが例示される。このようなオルガノ
ポリシロキサンとしては、一般式:
リシロキサン、一般式:
る。)で表されるオルガノポリシロキサン、一般式:
リシロキサンであることが好ましい。
せて得られるシリコーンゴム粉末のJIS A硬さが7
0〜95、好ましくは80〜90となるに十分な量であ
ればよく、例えば、(a)成分100重量部に対して1〜
100重量部であることが好ましく、特には5〜50重
量部であることが好ましい。これは、(C)成分の配合量
がこの範囲より少なくなると、比較的高硬度で凝集性が
小さいシリコーンゴム粉末を安定性よく得ることが困難
となる傾向があるためであり、一方、この範囲より多く
なると、得られるシリコーンゴム粉末の機械的強度が低
下する傾向があるためである。
のケイ素原子結合ヒドロキシ基と(b)成分中のケイ素原
子結合水素原子との縮合反応、さらには(a)成分中のケ
イ素原子結合ヒドロキシ基と(c)成分中のケイ素原子結
合アルコキシ基との縮合反応を促進して、この組成物を
硬化させるための成分である。(d)成分の触媒として
は、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテー
ト、オクテン酸錫、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチ
ル錫ジラウレート、ラウリン酸錫、スタノオクテン酸第
2鉄、オクテン酸鉛、ラウリン酸鉛、オクテン酸亜鉛等
の有機酸金属塩;テトラブチルチタネート、テトラプロ
ピルチタネート、ジブトキシチタンビス(エチルアセト
アセテート)等のチタン酸エステルが例示され、特に、
有機酸金属塩、チタン酸エステルであることが好まし
い。
せるに十分な量であればよく、例えば、(a)成分100
重量部に対して0.001〜10重量部であることが好
ましく、特には0.05〜5重量部であることが好まし
い。これは、(d)成分の配合量がこの範囲より少なくな
ると、この組成物を十分に硬化させることが困難となる
傾向があるからであり、一方、この範囲より多くなる
と、得られるシリコーンゴム粉末の機械的特性が低下す
る傾向があるからである。
としては、例えば、上記の(a)成分〜(d)成分をプラネ
タリミキサー、ヘンシェルミキサー、ホバートミキサ
ー、スタティクミキサー等の公知の攪拌装置により混合
する方法が挙げられる。そして、この組成物を分散させ
た状態で硬化させる方法としては、例えば、この組成物
を熱気中に噴霧した状態で硬化させる方法、この組成物
を水中に分散させた状態で硬化させる方法が挙げられ、
特に、粒子形状が球状であり、粒子径の分布範囲が狭い
シリコーンゴム粉末を安定性よく得ることができること
から、後者の方法であることが好ましい。この組成物を
水中に分散させる方法としては、例えば、上記の(a)成
分〜(d)成分を各々水中に分散させた後、これらの水分
散液を混合する方法;予め(a)成分〜(c)成分を混合し
た物を水中に分散させた後、この水分散液に(d)成分を
混合する方法、予め(a)成分〜(d)成分を混合してシリ
コーンゴム組成物を調製した後、この組成物を水中に分
散させる方法が挙げられる。予め(a)成分〜(d)成分を
混合してシリコーンゴム組成物を調製する場合には、こ
の組成物を−60〜5℃、特には−30〜0℃で調製す
ることが好ましい。
せる方法としては、この組成物を強制的に水中に分散さ
せる方法、この組成物を界面活性剤により水中に分散さ
せる方法が挙げられ、特に、平均粒子径が小さく、粒度
分布の狭いシリコーンゴム粉末を安定性よく得ることが
できることから、後者の方法であることが好ましい。こ
の際、水としては純水を用いることが好ましく、また、
この界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノ
ニオン系の界面活性剤を用いることができるが、この組
成物の硬化性を損なわないことから、ノニオン系の界面
活性剤であることが好ましい。この界面活性剤の配合量
は、この組成物100重量部に対して0.1〜30重量
部であることが好ましい。この組成物を水中に分散させ
る際、この組成物が水中に分散する前に硬化してしまう
ことを防止するために、この水の温度を0〜25℃に調
節しておくことが好ましい。この組成物を水中に分散さ
せるためにはホモミキサー、ホモジナイザー、コロイド
ミル等の公知の乳化機を用いることができる。
法としては、例えば、この組成物を水中に分散させた状
態で室温放置したり、また、この水分散液を加熱した
り、この水分散液を熱水と混合したり、さらには、この
水分散液を熱風と接触させたりする方法が挙げられる。
このようにして、シリコーンゴム粉末の水分散液を形成
した後、この水分散液から水を除去することによりシリ
コーンゴム粉末を得ることができる。この水分散液から
水を除去する方法としては、例えば、この水分散液を濾
過して濾別されたシリコーンゴム粉末をアルコール水溶
液および/または純水により十分に洗浄した後、このシ
リコーンゴム粉末を熱風中に噴霧して乾燥する方法、オ
ーブンにより加熱乾燥する方法、真空乾燥機により乾燥
する方法、または風乾する方法が挙げられる。
おいて、このシリコーンゴム粉末の含有量としては、例
えば、この組成物中に0.01〜40重量%であること
が好ましく、さらには0.5〜10重量%であることが
好ましく、特には0.5〜5重量%であることが好まし
い。これは、この組成物中のシリコーンゴム粉末の含有
量がこの範囲より少なくなると、得られる光拡散成形体
の光拡散性が低下し、薄い成形体の場合には透けやすく
なる傾向があるからであり、一方、この範囲より多くな
ると、得られる光拡散成形体の機械的強度が低下した
り、また、この成形体の光透過性が低下する傾向がある
ためである。
成物には、本発明の目的を損なわない限り、その他の任
意の成分として、硫酸バリウム、アルミナ、炭酸カルシ
ウム等の光拡散剤、着色剤、補強性充填剤、離型剤、耐
熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、難
燃剤等を配合することができる。
する方法としては、例えば、アクリル系単量体を予め重
合し、もしくはこのアクリル系単量体とその他の単量体
を予め共重合して得られたシラップにシリコーンゴム粉
末やその他の成分を分散させて調製する方法、アクリル
系樹脂を加熱溶融しながらシリコーンゴム粉末やその他
の成分を分散させて調製する方法が挙げられる。
する。本発明の光拡散成形体は、上記の光拡散性アクリ
ル系樹脂組成物を成形してなることを特徴とする。この
光拡散成形体を成形する方法としては、例えば、アクリ
ル系単量体を予め重合し、もしくはこのアクリル系単量
体とその他の単量体を予め共重合して得られたシラップ
にシリコーンゴム粉末やその他の成分を分散させ、次い
で、必要に応じてこれに周知の重合開始剤をさらに添加
した後、所望の形状の型枠に注入して重合する方法、ア
クリル系樹脂を加熱溶融した状態でシリコーンゴム粉末
やその他の成分を分散させた後、所望の形状の型枠に押
出成形したり、また射出成形する方法が挙げられる。
ず、例えば、グローブ、カバー、セード等の照明器具、
看板、グレージング、プロジェクションスクリーンに使
用することができる。
び光拡散成形体を詳細に説明する。なお、シリコーンゴ
ム粉末のJIS A硬さ、平均粒子径は次のようにして
測定した。また、光拡散性アクリル系樹脂組成物の成形
性、光拡散成形体の光透過性、光拡散性、および透けは
次のように評価した。 [シリコーンゴム粉末のJIS A硬さ]シリコーンゴ
ム粉末を調製するためのシリコーンゴム組成物をシート
状に室温で1日放置して硬化させた。このシリコーンゴ
ムシートの硬さを、JIS K6301に規定されるA
形スプリング式硬さ試験機とほぼ同じ値を示す英国H.
W.Wallace社製のゴム用測微硬度計(H5B
型)により測定して、この値をJIS A硬さとした。 [シリコーンゴム粉末の平均粒子径、最大粒子径]シリ
コーンゴム粉末を光学顕微鏡に接続した画像処理装置に
より(数)平均粒子径および最大粒子径を求めた。 [光拡散性アクリル系樹脂組成物の成形性(加工性)]
板厚2mmの押出し板を130℃で予備加熱後、真空成
形機にて図1〜3で示される照明用セードを成形した。
このセードの四隅の各コーナー部毎に最小肉厚を測定し
て、この最小肉厚平均値を求めた。また、この最小肉厚
平均値が0.6mm以上である場合を成形性良好である
として、○;この平均値が0.5mm以上、0.6mm
未満である場合を成形性やや良として、△;この平均値
が0.5mm未満である場合を成形性不良として、×;
として示した。 [光拡散成形体の光透過性]光拡散成形体の光透過性を
ASTM D 1003に規定された方法に準じて測定
した全光線透過率Tr(%)により評価した。 [光拡散成形体の光拡散性]光拡散成形体の光拡散性を
DIN 5036に規定された方法に準じて測定した拡
散率D(%)により評価した。すなわち、図4に示される
ような測定方法で光源Aとしてコリメータ、試験体Bと
して光拡散成形体、輝度計Cとしてスポット輝度計を配
置し、この試験体Bの法線方向から光を照射して、この
照射面の反対側から試験体Bの法線に対し、5°、20
°、および70°のそれぞれの角度(面内回転角)にお
ける輝度を測定して、下式により拡散率D(%)を求め
た。この拡散率D(%)が大きい程拡散性が良好である。
した方法で評価した。すなわち、光源Aとして60W白
熱灯(クリア)を用い、これを試験体Bとしての光拡散
成形体を透かして光源Aを目視で観察して、この光源A
のフィラメントが全く見えない場合を透けがないとし
て、○;このフィラメントがわずかに見える場合を透け
がややあるとして、△;このフィラメントがよく見える
場合を透けがあるとして、×;として示した。なお、白
熱灯と試験体Bとの間の距離は30cmであり、試験体
Bと目との間の距離は20cmであった。
る分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメ
チルポリシロキサン(重合度=12)100重量部、粘
度が20センチポイズである分子鎖両末端トリメチルシ
ロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(重
合度=40)25重量部、および粘度が15センチポイ
ズである、平均式:
混合したものを−5℃に冷却し、これにオクチル酸錫
1.0重量部をすばやく混合して液状のシリコーンゴム
組成物を調製した。このシリコーンゴム組成物を、ポリ
オキシエチレンノニルフェニールエーテル(HLB=1
3.1)10重量部と純水120重量部との水溶液(約
5℃)に混合しつつ、ホモジナイザーを通したものを、
さらに純水240重量部に混合してシリコーンゴム組成
物のエマルジョンを調製した。このエマルジョンを室温
で1日放置してシリコーンゴム組成物を硬化させてシリ
コーンゴム粉末の水分散液とした。この水分散液を濾紙
により濾過して、濾別されたシリコーンゴム粉末をエタ
ノール水溶液および純水により十分に洗浄した。その
後、このシリコーンゴム粉末を100℃の熱風循環式オ
ーブン中で乾燥して球状のシリコーンゴム粉末(A)を調
製した。このシリコーンゴム粉末(A)の特性を表1に示
した。
る分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメ
チルポリシロキサン(重合度=12)100重量部、粘
度が20センチポイズである分子鎖両末端トリメチルシ
ロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(重
合度=40)20重量部、および粘度が20センチポイ
ズである、平均式:
混合したものを−5℃に冷却し、これにジブチル錫ジラ
ウレート2.0重量部をすばやく混合して液状のシリコ
ーンゴム組成物を調製した。このシリコーンゴム組成物
を、ポリオキシエチレンノニルフェニールエーテル(H
LB=13.1)10重量部と純水120重量部との水
溶液(約5℃)に混合しつつ、ホモジナイザーを通した
ものを、さらに純水240重量部に混合してシリコーン
ゴム組成物のエマルジョンを調製した。このエマルジョ
ンを室温で1日放置してシリコーンゴム組成物を硬化さ
せてシリコーンゴム粉末の水分散液とした。この水分散
液を濾紙により濾過して、濾別されたシリコーンゴム粉
末をエタノール水溶液および純水により十分に洗浄し
た。その後、このシリコーンゴム粉末を100℃の熱風
循環式オーブン中で乾燥して球状のシリコーンゴム粉末
(B)を調製した。このシリコーンゴム粉末(B)の特性を
表1に示した。
水酸化カリウム水溶液中に滴下して徐々に加水分解した
後、遠心分離機で脱水し、エタノール水溶液および純水
により十分に洗浄した後、100℃の熱風循環式オーブ
ン中で乾燥して球状のポリメチルシルセスキオキサン樹
脂粉末(C)を調製した。このポリメチルシルセスキオキ
サン樹脂粉末(C)の特性を表1に示した。
る分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメ
チルポリシロキサン(重合度=12)100重量部、粘
度が20センチポイズである分子鎖両末端トリメチルシ
ロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(重
合度=40)10重量部を均一に混合したものを−5℃
に冷却し、これにジブチル錫ジラウレート2.0重量部
をすばやく混合して液状のシリコーンゴム組成物を調製
した。このシリコーンゴム組成物を、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニールエーテル(HLB=13.1)10
重量部と純水120重量部との水溶液(約5℃)に混合
しつつ、ホモジナイザーを通したものを、さらに純水2
40重量部に混合してシリコーンゴム組成物のエマルジ
ョンを調製した。このエマルジョンを室温で1日放置し
てシリコーンゴム組成物を硬化させてシリコーンゴム粉
末の水分散液とした。この水分散液を濾紙により濾過し
て、濾別されたシリコーンゴム粉末をエタノール水溶液
および純水により十分に洗浄した。その後、このシリコ
ーンゴム粉末を100℃の熱風循環式オーブン中で乾燥
して球状のシリコーンゴム粉末(D)を調製した。このシ
リコーンゴム粉末(D)の特性を表1に示した。
ある分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジ
メチルポリシロキサン(重合度=70)100重量部、
粘度が20センチポイズである分子鎖両末端トリメチル
シロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン
(重合度=40)20重量部を均一に混合したものを−
5℃に冷却し、これにジブチル錫ジラウレート2.0重
量部をすばやく混合して液状のシリコーンゴム組成物を
調製した。このシリコーンゴム組成物を、ポリオキシエ
チレンノニルフェニールエーテル(HLB=13.1)
10重量部と純水120重量部との水溶液(約5℃)に
混合しつつ、ホモジナイザーを通したものを、さらに純
水240重量部に混合してシリコーンゴム組成物のエマ
ルジョンを調製した。このエマルジョンを室温で1日放
置してシリコーンゴム組成物を硬化させてシリコーンゴ
ム粉末の水分散液とした。この水分散液を濾紙により濾
過して、濾別されたシリコーンゴム粉末をエタノール水
溶液および純水により十分に洗浄した。その後、このシ
リコーンゴム粉末を100℃の熱風循環式オーブン中で
乾燥して球状のシリコーンゴム粉末(E)を調製した。こ
のシリコーンゴム粉末(E)の特性を表1に示した。
末(A)〜(E)を表2に示す添加量で透明なメタクリル樹
脂(三菱レイヨン株式会社製のアクリペットVH)に2
50℃で溶融混合した後、厚さ2mmとなるように押出
成形した。このようにして成形した光拡散成形体の特性
を表2に示した。
は、光透過性と光拡散性のバランスが良く、透けにくい
光拡散成形体を成形性よく作成できるという特徴があ
る。また、本発明の光拡散成形体は、このような光拡散
性アクリル系樹脂組成物を成形してなるので、光透過性
と光拡散性のバランスが良く、透けにくいという特徴が
ある。
において作成した照明用セードの上面図である。
る。
る。
明するための概略図である。
めの概略図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 アクリル系樹脂とシリコーンゴム粉末か
らなる光拡散性アクリル系樹脂組成物において、このシ
リコーンゴム粉末のJIS A硬さが70〜95である
ことを特徴とする光拡散性アクリル系樹脂組成物。 - 【請求項2】 シリコーンゴム粉末の平均粒子径が0.
1〜50μmであることを特徴とする、請求項1記載の
光拡散性アクリル系樹脂組成物。 - 【請求項3】 光拡散性アクリル系樹脂組成物中のシリ
コーンゴム粉末の含有量が0.01〜40重量%である
ことを特徴とする、請求項1記載の光拡散性アクリル系
樹脂組成物。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
の光拡散性アクリル系樹脂組成物を成形してなることを
特徴とする光拡散成形体。
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-
1996
- 1996-09-12 JP JP26357596A patent/JP3195543B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN111630104A (zh) * | 2018-01-31 | 2020-09-04 | 阿科玛法国公司 | 包含粒子的(甲基)丙烯酸类聚合物组合物、其制备方法及其作为母料的用途 |
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