JP3195544B2 - 光拡散性アクリル系樹脂組成物および光拡散成形体 - Google Patents

光拡散性アクリル系樹脂組成物および光拡散成形体

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JP3195544B2
JP3195544B2 JP26357696A JP26357696A JP3195544B2 JP 3195544 B2 JP3195544 B2 JP 3195544B2 JP 26357696 A JP26357696 A JP 26357696A JP 26357696 A JP26357696 A JP 26357696A JP 3195544 B2 JP3195544 B2 JP 3195544B2
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light
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好次 森田
賢 田中
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加津己 渡辺
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル系樹脂と
シリコーンゴム粉末からなる光拡散性アクリル系樹脂組
成物、およびこの組成物を成形してなる光拡散成形体に
関し、詳しくは、光透過性と光拡散性のバランスが良
く、透けにくく、帯電性が小さい光拡散成形体を成形性
よく作成できる光拡散性アクリル系樹脂組成物、および
光透過性と光拡散性のバランスが良く、透けにくく、帯
電性が小さい光拡散成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系樹脂と光拡散剤からなる光拡
散性アクリル系樹脂組成物は、これを成形して、照明器
具、看板、グレージング、プロジェクションスクリーン
等に使用されている。このような光拡散性アクリル系樹
脂組成物としては、例えば、アクリル系樹脂と平均粒子
径が1〜6μmであるポリメチルシルセスキオキサン樹
脂粉末からなる光拡散性アクリル系樹脂組成物(特開平
2−194058号公報参照)、アクリル系樹脂と粒子
径が0.5〜20μmであるポリメチルシルセスキオキ
サン樹脂粉末からなる光拡散性アクリル系樹脂組成物
(特開平3−207743号公報参照)、アクリル系樹
脂と粒子径の分布範囲が1〜30μm、重量平均粒子径
が3〜6μmであり、かつ、2μm以下の含量が35重
量%以下であるシリコーンゴム粉末からなる光拡散性ア
クリル系樹脂組成物(特開平3−294348号公報参
照)、アクリル系樹脂と二官能シロキサン単位および三
官能シロキサン単位からなり、表面に有機官能基を有す
る、重量平均粒子径が0.5〜10μmのシリコーンゴ
ム粉末からなる光拡散性アクリル系樹脂組成物(特開平
6−299035号公報参照)が挙げられる。
【0003】近年の照明器具の小型化、薄型化に伴っ
て、高い光透過性、および高い光拡散性を有し、透けに
くい光拡散成形体が求められており、また、このような
光拡散成形体の高い意匠性が求められることにより、高
い成形性(加工性)を有する光拡散性アクリル系樹脂組
成物が求められているが、光透過性を向上させると光拡
散性が低下し、透けやすくなってしまい、また、光拡散
性を向上させると光透過性が低下してしまい、これらの
バランスが良く、透けにくい光拡散成形体を作成するこ
とは困難であり、特に、アクリル系樹脂とポリメチルシ
ルセスキオキサン樹脂粉末からなる光拡散性アクリル系
樹脂組成物は流動性が乏しく、光拡散成形体の成形性
(加工性)が悪いという問題があった。また、アクリル
系樹脂は帯電性が一般に大きいため、光拡散性アクリル
系樹脂組成物には界面活性剤が帯電防止剤として配合さ
れるが、シリコーンゴム粉末を含有する光拡散性アクリ
ル系樹脂組成物を成形して得られる光拡散成形体では、
この帯電性が十分に小さくならず、この成形体にほこり
が付着しやすく、照明器具の高級感が低下してしまうと
いう問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明の目的は、光透過性と光拡散性の
バランスが良く、透けにくく、帯電性が小さい光拡散成
形体を成形性よく作成できる光拡散性アクリル系樹脂組
成物、および光透過性と光拡散性のバランスが良く、透
けにくく、帯電性が小さい光拡散成形体を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の光拡散性アクリ
ル系樹脂組成物は、アクリル系樹脂とシリコーンゴム粉
末からなり、前記シリコーンゴム粉末JIS A硬さ
70〜95であり、かつ、前記シリコーンゴム粉末中
界面活性剤の含有量が0.1〜20重量%であること
を特徴とする。また、本発明の光拡散成形体は、上記の
光拡散性アクリル系樹脂組成物を成形してなることを特
徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の光拡散性アクリル系樹脂
組成物は、アクリル系樹脂とシリコーンゴム粉末からな
る。このアクリル系樹脂としては、例えば、アクリル酸
もしくはメタクリル酸;アクリル酸メチル、メタクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、ア
クリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸シク
ロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アク
リル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸2
−ヒドロキシエチル、メタアクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジ
ル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジ
エチルアミノエチル等のアクリル酸もしくはメタクリル
酸のエステル;エチレングリコールジアクリレート、エ
チレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジメタクリレート等の多官能のアク
リレートもしくはメタクリレート等のアクリル系単量体
の重合体、これらのアクリル系単量体の共重合体、これ
らのアクリル系単量体とその他の単量体、例えば、スチ
レン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;酢酸
ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のエチレン系単
量体;フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミ
ド、無水マレイミド等のマレイミド系単量体との共重合
体が挙げられる。
【0007】また、このシリコーンゴム粉末はJIS
A硬さが70〜95であることを特徴とし、特に、この
硬さが80〜90であることが好ましい。これは、この
硬さがこの範囲より小さいシリコーンゴム粉末を用いる
と、アクリル系樹脂中でこれが変形しやすく、得られる
光拡散成形体の光拡散性が低下する傾向があるためであ
り、一方、この範囲より大きいシリコーンゴム粉末を用
いると、得られる光拡散性アクリル系樹脂組成物の成形
性(加工性)が低下する傾向があるためである。
【0008】さらに、このシリコーンゴム粉末は界面活
性剤を含有していることを特徴とする。これは、界面活
性剤を含有しないシリコーンゴム粉末を用いると、得ら
れる光拡散成形体の帯電性が小さくならないためであ
る。この界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンア
ルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノ
ール、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオ
キシアルキレンソルビタンエステル、ポリエチレングラ
イコール、ポリプロピレングライコール、ジエチレング
ライコールトリメチルノナノールのエチレンオキサイド
付加物等のノニオン系界面活性剤;ヘキシルベンゼンス
ルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼ
ンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、セチルベ
ンゼンスルホン酸、ミリスチルベンゼンスルホン酸、ア
ルキルエーテルスルホン酸、または、これらのナトリウ
ム塩等のアニオン系界面活性剤;オクチルトリメチルア
ンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニ
ウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウ
ムヒドロキシド、オクチルジメチルベンジルアンモニウ
ムヒドロキシド、デシルジメチルベンジルアンモニウム
ヒドロキシド、ジオクタデシルジメチルベンジルアンモ
ニウムヒドロキシド、牛脂トリメチルアンモニウムヒド
ロキシド、ヤシ油トリメチルアンモニウムヒドロキシド
等のカチオン系界面活性、およびこれら二種以上の混合
物が挙げられる。また、このシリコーンゴム粉末中の界
面活性剤の含有量は0.1〜20重量%であり、さらに
は0.5〜15重量%であることが好ましく、特には1
〜15重量%であることが好ましい。これは、この含有
量がこの範囲より少ないシリコーンゴム粉末を用いる
と、得られる光拡散成形体の帯電性が十分に小さくなら
ない傾向があるためであり、一方、この範囲より多いシ
リコーンゴム粉末は機械的強度が乏しく、またべたつき
が大きいために、これをアクリル系樹脂中に均一に分散
させることが困難となる傾向があるためである。
【0009】このシリコーンゴム粉末の平均粒子径とし
ては、例えば、0.1〜50μmであることが好まし
く、さらには0.5〜20μmであることが好ましく、
さらには1〜20μmであることが好ましく、特には1
〜10μmであることが好ましい。これは、この平均粒
子径がこの範囲より小さいシリコーンゴム粉末を用いる
と、得られる光拡散成形体の光拡散性が低下する傾向が
あり、一方、この範囲より大きいシリコーンゴム粉末を
用いると、これをアクリル系樹脂中に均一に分散させる
ことが困難となり、また、得られる光拡散性アクリル樹
脂組成物の成形性が低下したり、さらには、得られる光
拡散成形体の光の拡散が不均一となる傾向があるためで
ある。また、このシリコーゴム粉末の形状としては、得
られる光拡散成形体の光透過性と光拡散性のバランスが
特に良好であり、また透けにくいことから球状であるこ
とが好ましい。
【0010】このシリコーンゴム粉末は、例えば、付加
反応硬化型、縮合反応硬化型、有機過酸化物硬化型、紫
外線硬化型のシリコーンゴム組成物を硬化して得られた
シリコーンゴム粉末に界面活性剤を含浸したりして調製
したもの、または、これらのシリコーンゴム組成物を界
面活性剤の水溶液中に分散させた状態で硬化させた後、
得られたシリコーンゴム粉末の分散液から水を除去して
調製したものが挙げられ、特に、縮合反応硬化型のシリ
コーンゴム組成物を界面活性剤の水溶液中に分散させた
状態で硬化させた後、得られたシリコーンゴム粉末の分
散液から水を除去して調製したものであることが好まし
い。このような縮合反応硬化型のシリコーンゴム組成物
としては、平均粒子径が小さく、粒度分布が狭く、かつ
硬度が大きいシリコーンゴム粉末を安定性良く得ること
ができることから、(a)一分子中にケイ素原子結合ヒド
ロキシ基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサ
ン、(b)一分子中にケイ素原子結合水素原子を少なくと
も2個有するオルガノポリシロキサン、(c)一分子中に
ケイ素原子結合アルコキシ基を少なくとも3個有するオ
ルガノポリシロキサン、および(d)縮合反応用触媒から
なるシリコーンゴム組成物であることが好ましい。
【0011】(a)成分のオルガノポリシロキサンはこの
組成物の主剤であり、一分子中にケイ素原子結合ヒドロ
キシ基を少なくとも2個有することを特徴とする。この
分子構造としては、直鎖状、分枝鎖状、環状が例示さ
れ、特に、分子鎖両末端がヒドロキシ基で封鎖された直
鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好まし
い。また、このケイ素原子に結合する有機基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキ
ル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル
基等のアリール基等の置換もしくは非置換の一価炭化水
素基が例示される。また、この25℃における粘度とし
ては、5〜1,000,000センチポイズであること
が好ましく、さらには5〜10,000センチポイズで
あることが好ましく、特には5〜1,000センチポイ
ズであることが好ましい。これは、この粘度がこの範囲
より小さくなると、得られるシリコーンゴム粉末の機械
的強度が低下する傾向があるためであり、一方、この範
囲より大きくなると、得られる組成物の取扱作業性が低
下する傾向があるためである。また、この重合度として
は、比較的高硬度のシリコーンゴム粉末を得ることがで
きることから、100以下であることが好ましく、特に
は50以下であることが好ましい。
【0012】(b)成分のオルガノポリシロキサンはこの
組成物の架橋剤であり、一分子中にケイ素原子結合水素
原子を少なくとも2個有することを特徴とする。この分
子構造としては、直鎖状、分枝鎖状、環状が例示され
る。また、このケイ素原子に結合する有機基としては、
上記(a)成分のケイ素原子に結合する有機基と同様の基
が例示される。また、この25℃における粘度として
は、1〜100,000センチポイズであることが好ま
しく、さらには1〜1,000センチポイズであること
が好ましく、特には1〜500センチポイズであること
が好ましい。これは、この粘度がこの範囲より小さくな
ると、得られるシリコーンゴム粉末の機械的強度が低下
する傾向があるからであり、一方、この範囲より大きく
なると、得られる組成物の取扱作業性が低下する傾向が
あるためである。また、この重合度としては、比較的高
硬度のシリコーンゴム粉末を得ることができることか
ら、100以下であることが好ましい。
【0013】(b)成分の配合量は、この組成物の硬化に
十分な量であればよく、例えば、(a)成分100重量部
に対して0.1〜80重量部であることが好ましく、特
には1〜50重量部であることが好ましい。これは、こ
の配合量がこの範囲外であると、得られる組成物が十分
に硬化しなくなったり、また、得られるシリコーンゴム
粉末の機械的強度が低下する傾向があるからである。
【0014】(c)成分のオルガノポリシロキサンはこの
組成物を硬化して得られるシリコーンゴム粉末の凝集性
を低下させたり、また、これに硬さを付与したりして、
アクリル系樹脂への分散性を向上させて、光拡散剤とし
ての効果を十分に発揮させるための成分であり、一分子
中にケイ素原子結合アルコキシ基を少なくとも3個有す
ることを特徴とする。このケイ素原子結合アルコキシ基
としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が例
示され、上記(A)成分中のケイ素原子結合ヒドロキシ基
との反応性が良好であることから、メトキシ基であるこ
とが好ましい。この分子構造としては、直鎖状、分枝鎖
状、環状が例示され、特に、直鎖状であることが好まし
い。また、この25℃における粘度としては、1〜10
0,000センチポイズであることが好ましく、さらに
は1〜1,000センチポイズであることが好ましく、
特には1〜500センチポイズであることが好ましい。
これは、この粘度がこの範囲より小さくなると、得られ
るシリコーンゴム粉末の機械的強度が低下する傾向があ
るためであり、一方、この範囲より大きくなると、得ら
れる組成物の取扱作業性が低下する傾向があるからであ
る。また、この重合度としては、比較的高硬度のシリコ
ーンゴム粉末を得ることができることから、100以下
であることが好ましく、特には5〜50であることが好
ましい。
【0015】このような(c)成分としては、テトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシ
シラン等のテトラアルコキシシランを部分加水分解およ
び縮合反応して得られるアルコキシ基を有するオルガノ
ポリシロキサン、一般式: −R1−SiR2 a(OR3)(3-a) (式中、R1はアルキレン基であり、R2は脂肪族炭素−
炭素不飽和結合を有しない一価炭化水素基であり、R3
はアルキル基であり、aは0または1である。)で表さ
れるアルコキシシリルアルキル基を有するオルガノポリ
シロキサンが例示され、特に、比較的高硬度で凝集性が
小さく、アクリル系樹脂への分散性が優れ、一次粒子の
粒度分布が狭いシリコーンゴム粉末を調製できることか
ら、後者のオルガノポリシロキサンであることが好まし
い。後者のオルガノポリシロキサンにおいて、式中のR
1はアルキレン基であり、エチレン基、プロピレン基、
ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基が例示され
る。また、式中のR2は脂肪族炭素−炭素不飽和結合を
有しない一価炭化水素基であり、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基等のアルキル基;フェニル基等の
アリール基等の置換もしくは非置換の一価炭化水素基が
例示される。また、式中のR3はアルキル基であり、メ
チル基、エチル基、プロピル基が例示される。また、式
中のaは0または1である。このようなアルコキシシリ
ルアルキル基としては、トリメトキシシリルエチル基、
メチルジメトキシシリルエチル基、トリエトキシシリル
エチル基が例示され、特に、トリメトキシシリルエチル
基であることが好ましい。
【0016】このようなアルコキシシリルアルキル基を
有するオルガノポリシロキサンの分子構造としては、直
鎖状、分枝鎖状、環状が例示され、特に、直鎖状である
ことが好ましい。この直鎖状のオルガノポリシロキサン
としては、一般式:
【化1】 {式中、R4は一価炭化水素基であり、R5は水素原子、
一価炭化水素基、または一般式: −R1−SiR2 a(OR3)(3-a) (式中、R1はアルキレン基であり、R2は脂肪族炭素−
炭素不飽和結合を有しない一価炭化水素基であり、R3
はアルキル基であり、aは0または1である。)で表さ
れるアルコキシシリルアルキル基であり、但し、一分子
中の少なくとも1個のR5はこのアルコキシシリルアル
キル基であり、mは正の整数である。}で表されるオル
ガノポリシロキサンが例示される。このようなオルガノ
ポリシロキサンとしては、一般式:
【化2】 (式中、mは正の整数である。)で表されるオルガノポ
リシロキサン、一般式:
【化3】 (式中、m'は正の整数であり、m"は正の整数であ
る。)で表されるオルガノポリシロキサン、一般式:
【化4】 (式中、mは正の整数である。)で表されるオルガノポ
リシロキサンであることが好ましい。
【0017】(c)成分の配合量は、この組成物を硬化さ
せて得られるシリコーンゴム粉末のJIS A硬さが7
0〜95、好ましくは80〜90となるに十分な量であ
ればよく、例えば、(a)成分100重量部に対して1〜
100重量部であることが好ましく、特には5〜50重
量部であることが好ましい。これは、(C)成分の配合量
がこの範囲より少なくなると、比較的高硬度で凝集性が
小さいシリコーンゴム粉末を安定性よく得ることが困難
となる傾向があるためであり、一方、この範囲より多く
なると、得られるシリコーンゴム粉末の機械的強度が低
下する傾向があるためである。
【0018】(d)成分の縮合反応用触媒は、(a)成分中
のケイ素原子結合ヒドロキシ基と(b)成分中のケイ素原
子結合水素原子との縮合反応、さらには(a)成分中のケ
イ素原子結合ヒドロキシ基と(c)成分中のケイ素原子結
合アルコキシ基との縮合反応を促進して、この組成物を
硬化させるための成分である。(d)成分の触媒として
は、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテー
ト、オクテン酸錫、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチ
ル錫ジラウレート、ラウリン酸錫、スタノオクテン酸第
2鉄、オクテン酸鉛、ラウリン酸鉛、オクテン酸亜鉛等
の有機酸金属塩;テトラブチルチタネート、テトラプロ
ピルチタネート、ジブトキシチタンビス(エチルアセト
アセテート)等のチタン酸エステルが例示され、特に、
有機酸金属塩、チタン酸エステルであることが好まし
い。
【0019】(d)成分の配合量は、この組成物を硬化さ
せるに十分な量であればよく、例えば、(a)成分100
重量部に対して0.001〜10重量部であることが好
ましく、特には0.05〜5重量部であることが好まし
い。これは、(d)成分の配合量がこの範囲より少なくな
ると、この組成物を十分に硬化させることが困難となる
傾向があるからであり、一方、この範囲より多くなる
と、得られるシリコーンゴム粉末の機械的特性が低下す
る傾向があるからである。
【0020】このシリコーンゴム組成物を調製する方法
としては、例えば、上記の(a)成分〜(d)成分をプラネ
タリミキサー、ヘンシェルミキサー、ホバートミキサ
ー、スタティクミキサー等の公知の攪拌装置により混合
する方法が挙げられる。そして、この組成物を分散させ
た状態で硬化させる方法としては、例えば、この組成物
を熱気中に噴霧した状態で硬化させる方法、この組成物
を水中に分散させた状態で硬化させる方法が挙げられ、
特に、粒子形状が球状であり、粒子径の分布範囲が狭い
シリコーンゴム粉末を安定性よく得ることができること
から、後者の方法であることが好ましい。この組成物を
水中に分散させる方法としては、例えば、上記の(a)成
分〜(d)成分を各々水中に分散させた後、これらの水分
散液を混合する方法;予め(a)成分〜(c)成分を混合し
た物を水中に分散させた後、この水分散液に(d)成分を
混合する方法、予め(a)成分〜(d)成分を混合してシリ
コーンゴム組成物を調製した後、この組成物を水中に分
散させる方法が挙げられる。予め(a)成分〜(d)成分を
混合してシリコーンゴム組成物を調製する場合には、こ
の組成物を−60〜5℃、特には−30〜0℃で調製す
ることが好ましい。
【0021】このシリコーンゴム組成物を水中に分散さ
せる方法としては、この組成物を強制的に水中に分散さ
せる方法、この組成物を界面活性剤により水中に分散さ
せる方法が挙げられ、特に、平均粒子径が小さく、粒度
分布の狭いシリコーンゴム粉末を安定性よく得ることが
できることから、後者の方法であることが好ましい。こ
の際、水としては純水を用いることが好ましく、また、
この界面活性剤としては、前記のノニオン系、アニオン
系、またはカチオン系の界面活性剤を用いることができ
るが、この組成物の硬化性を損なわないことから、前記
のノニオン系の界面活性剤であることが好ましい。この
界面活性剤の配合量は、この組成物100重量部に対し
て0.1〜30重量部であることが好ましい。この組成
物を水中に分散させる際、この組成物が水中に分散する
前に硬化してしまうことを防止するために、この水の温
度を0〜25℃に調節しておくことが好ましい。この組
成物を水中に分散させるためにはホモミキサー、ホモジ
ナイザー、コロイドミル等の公知の乳化機を用いること
ができる。
【0022】このシリコーンゴム組成物を硬化させる方
法としては、例えば、この組成物を水中に分散させた状
態で室温放置したり、また、この水分散液を加熱した
り、この水分散液を熱水と混合したり、さらには、この
水分散液を熱風と接触させたりする方法が挙げられる。
本発明において、界面活性剤を含有するシリコーンゴム
粉末を調製する方法としては、シリコーンゴム粉末と界
面活性剤とからなる水分散液から水を除去する方法が好
ましい。この水分散液から水を除去する方法としては、
例えば、この水分散液を熱風中に噴霧する方法、この水
分散液をオーブンにより加熱乾燥する方法、この分散液
を真空乾燥機により乾燥する方法、この水分散液を風乾
する方法が挙げられる。また、この界面活性剤を含有す
るシリコーンゴム粉末は、この水分散液から水を除去し
て得られたシリコーンゴム粉末を界面活性剤に含浸させ
た後、余分な界面活性剤を除去したり、また、このシリ
コーンゴム粉末を界面活性剤の水溶液もしくは有機溶液
に含浸させた後、これを乾燥させることによっても調製
することができる。
【0023】本発明の光拡散性アクリル系樹脂組成物に
おいて、このシリコーンゴム粉末の含有量としては、例
えば、この組成物中に0.01〜40重量%であること
が好ましく、さらには0.5〜10重量%であることが
好ましく、特には0.5〜5重量%であることが好まし
い。これは、この組成物中のシリコーンゴム粉末の含有
量がこの範囲より少なくなると、得られる光拡散成形体
の光拡散性が低下し、薄い成形体の場合には透けやすく
なる傾向があるためであり、一方、この範囲より多くな
ると、得られる光拡散成形体の機械的強度が低下した
り、また、この成形体の光透過性が低下する傾向がある
ためである。
【0024】また、本発明の光拡散性アクリル系樹脂組
成物には、本発明の目的を損なわない限り、その他の任
意の成分として、硫酸バリウム、アルミナ、炭酸カルシ
ウム等の光拡散剤、着色剤、補強性充填剤、離型剤、耐
熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、難
燃剤等を配合することができる。
【0025】この光拡散性アクリル系樹脂組成物を調製
する方法としては、例えば、アクリル系単量体を予め重
合し、もしくはこのアクリル系単量体とその他の単量体
を予め共重合して得られたシラップにシリコーンゴム粉
末やその他の成分を分散させて調製する方法、アクリル
系樹脂を加熱溶融しながらシリコーンゴム粉末やその他
の成分を分散させて調製する方法が挙げられる。
【0026】次に、本発明の光拡散成形体を詳細に説明
する。本発明の光拡散成形体は、上記の光拡散性アクリ
ル系樹脂組成物を成形してなることを特徴とする。この
光拡散成形体を成形する方法としては、例えば、アクリ
ル系単量体を予め重合し、もしくはこのアクリル系単量
体とその他の単量体を予め共重合して得られたシラップ
にシリコーンゴム粉末やその他の成分を分散させ、次い
で、必要に応じてこれに周知の重合開始剤を添加した
後、所望の形状の型枠に注入して重合する方法、アクリ
ル系樹脂を加熱溶融した状態でシリコーンゴム粉末やそ
の他の成分を分散させた後、所望の形状の型枠に押出成
形したり、また射出成形する方法が挙げられる。
【0027】本発明の光拡散成形体の用途は限定され
ず、例えば、グローブ、カバー、セード等の照明器具、
看板、グレージング、プロジェクションスクリーンに使
用することができる。
【0028】
【実施例】本発明の光拡散性アクリル系樹脂組成物およ
び光拡散成形体を詳細に説明する。なお、シリコーンゴ
ム粉末のJIS A硬さ、平均粒子径、および界面活性
剤の含有量は次のようにして測定した。また、光拡散性
アクリル系樹脂組成物の成形性、光拡散成形体の光透過
性、光拡散性、透け、および帯電性は次のように評価し
た。 [シリコーンゴム粉末のJIS A硬さ]シリコーンゴ
ム粉末を調製するためのシリコーンゴム組成物をシート
状に室温で1日放置して硬化させた。このシリコーンゴ
ムシートの硬さを、JIS K6301に規定されるA
形スプリング式硬さ試験機とほぼ同じ値を示す英国H.
W.Wallace社製のゴム用測微硬度計(H5B
型)により測定して、この値をJIS A硬さとした。 [シリコーンゴム粉末の平均粒子径、最大粒子径]シリ
コーンゴム粉末を光学顕微鏡に接続した画像処理装置に
より(数)平均粒子径および最大粒子径を求めた。 [シリコーンゴム粉末中の界面活性剤の含有量]シリコ
ーンゴム粉末100gにイソプロパノール1000gを
加えて分散液を調製し、この分散液を撹拌機、例えば、
ホモディスパーを用いて1000rpmにて10分間、
さらに500rpmで10分間撹拌した後、これを室温
にて12時間放置した。その後、この分散液を濾紙によ
り濾過して濾液を採取した。そして、濾別されたシリコ
ーンゴム粉末にイソプロパノール750gを加えて分散
液を調製し、この分散液をホモディスパーを用いて10
00rpmで10分間撹拌した。この分散液を濾紙によ
り濾過して濾液を採取した。この濾液を先に採取した濾
液と合わせて、エバポレーターを用い80℃で70mm
Hgの条件下でイソプロパノールを留去した。得られた
界面活性剤の重量を測定した。また、この界面活性剤を
プロトン核磁気共鳴スペクトル分析、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフ分析、および赤外分光分析して同定
した。 [光拡散性アクリル系樹脂組成物の成形性(加工性)]
板厚2mmの押出し板を130℃で予備加熱後、真空成
形機にて図1〜3で示される照明用セードを成形した。
このセードの四隅の各コーナー部毎に最小肉厚を測定し
て、この最小肉厚平均値を求めた。そして、この最小肉
厚平均値が0.6mm以上である場合を成形性良好であ
るとして、○;この平均値が0.5mm以上、0.6m
m未満である場合を成形性やや良として、△;この平均
値が0.5mm未満である場合を成形性不良として、
×;として示した。 [光拡散成形体の光透過性]光拡散成形体の光透過性を
ASTM D 1003に規定された方法に準じて測定
した全光線透過率Tr(%)により評価した。 [光拡散成形体の光拡散性]光拡散成形体の光拡散性を
DIN 5036に規定された方法に準じて測定した拡
散率D(%)により評価した。すなわち、図4に示される
ような測定方法で光源Aとしてコリメータ、試験体Bと
して光拡散成形体、輝度計Cとしてスポット輝度計を配
置し、この試験体Bの法線方向から光を照射して、この
照射面の反対側から試験体Bの法線に対して、5°、2
0°、および70°のそれぞれの角度(面内回転角)に
おける輝度を測定し、下式により拡散率D(%)を求め
た。この拡散率D(%)が大きい程拡散性が良好である。
【式1】 [光拡散成形体の透け]光拡散成形体の透けを図5に示
した方法で評価した。すなわち、光源Aとして60W白
熱灯(クリア)を用い、これを試験体Bとしての光拡散
成形体を透かしてこの光源Aを目視で観察して、この光
源Aのフィラメントが全く見えない場合を透けがないと
して、○;このフィラメントがわずかに見える場合を透
けがややあるとして、△;このフィラメントがよく見え
る場合を透けがあるとして、×;として示した。なお、
白熱灯と試験体Bとの間の距離は30cmであり、試験
体Bと目との間の距離は20cmであった。 [光拡散成形体の帯電性]光拡散成形体の帯電性をダー
トチャンバー試験によるカーボントナーの付着の仕方を
観察して評価した。すなわち、容量120リットルの密
閉容器内に試験体として光拡散成形体を吊り下げ、複写
機用カーボントナーを1.5g投入し、10m/秒の風
速で1分間トナーを循環させた後、試験体を取り出し、
外観を目視で観察して、微量または少量のトナーが均一
に付着している場合を帯電性が小さいとして、○;トナ
ーの付着ムラがある場合を帯電性がやや大きいとして、
△;トナーが不均一に付着し、花模様が存在する場合を
帯電性が大きいとして、×;として示した。
【0029】[参考例1]粘度が50センチポイズであ
る分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメ
チルポリシロキサン(重合度=12)100重量部、粘
度が20センチポイズである分子鎖両末端トリメチルシ
ロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(重
合度=40)25重量部、および粘度が15センチポイ
ズである、平均式:
【化5】 で表されるオルガノポリシロキサン30重量部を均一に
混合したものを−5℃に冷却し、これにオクチル酸錫
1.0重量部をすばやく混合して液状のシリコーンゴム
組成物を調製した。このシリコーンゴム組成物を、ポリ
オキシエチレンノニルフェニールエーテル(HLB=1
3.1)12重量部と純水120重量部との水溶液(約
5℃)に混合しつつ、ホモジナイザーを通したものを、
さらに純水240重量部に混合してシリコーンゴム組成
物のエマルジョンを調製した。このエマルジョンを室温
で1日放置してシリコーンゴム組成物を硬化させてシリ
コーンゴム粉末の水分散液とした。その後、この水分散
液を300℃の熱風中に噴霧することにより水を除去し
て、球状のシリコーンゴム粉末(A)を作成した。このシ
リコーンゴム粉末(A)の特性を表1に示した。
【0030】[参考例2]粘度が50センチポイズであ
る分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメ
チルポリシロキサン(重合度=12)100重量部、粘
度が20センチポイズである分子鎖両末端トリメチルシ
ロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(重
合度=40)20重量部、および粘度が20センチポイ
ズである、平均式:
【化6】 で表されるオルガノポリシロキサン25重量部を均一に
混合したものを−5℃に冷却し、これにジブチル錫ジラ
ウレート2.0重量部をすばやく混合して液状のシリコ
ーンゴム組成物を調製した。このシリコーンゴム組成物
を、ポリオキシエチレンノニルフェニールエーテル(H
LB=13.1)20重量部と純水120重量部との水
溶液(約5℃)に混合しつつ、ホモジナイザーを通した
ものを、さらに純水240重量部に混合してシリコーン
ゴム組成物のエマルジョンを調製した。このエマルジョ
ンを室温で1日放置してシリコーンゴム組成物を硬化さ
せてシリコーンゴム粉末の水分散液とした。その後、こ
の水分散液を300℃の熱風中に噴霧することにより水
を除去して、球状のシリコーンゴム粉末(B)を作成し
た。このシリコーンゴム粉末(B)の特性を表1に示し
た。
【0031】[参考例3]参考例1で調製したシリコー
ンゴム組成物のエマルジョンを室温で1日放置してシリ
コーンゴム組成物を硬化させてシリコーンゴム粉末の水
分散液とした。この水分散液を濾紙により濾過して、濾
別されたシリコーンゴム粉末をエタノール水溶液および
純水により十分に洗浄した。その後、このシリコーンゴ
ム粉末を100℃の熱風循環式オーブン中で乾燥して球
状のシリコーンゴム粉末(C)を得た。このシリコーンゴ
ム粉末(C)の特性を表1に示した。
【0032】[参考例4]参考例3で調製したシリコー
ンゴム粉末(C)100重量部を、10重量%−モノオレ
イン酸ヘキサグリセリルのメタノール溶液22重量部を
ホモディスパーを用いて1000rpmにて10分間、
さらに500rpmで10分間攪拌した後、この分散液
を風乾した後、さらに100℃の熱風循環式オーブン中
で乾燥して球状のシリコーンゴム粉末(D)を得た。この
シリコーンゴム粉末(D)の特性を表1に示した。
【0033】[参考例5]メチルトリメトキシシランを
水酸化カリウム水溶液中に滴下して徐々に加水分解した
後、遠心分離機で脱水し、エタノール水溶液および純水
により十分に洗浄した後、100℃のオーブン中で乾燥
して球状のポリメチルシルセスキオキサン樹脂粉末(E)
を調製した。このポリメチルシルセスキオキサン樹脂粉
末(E)の特性を表1に示した。
【0034】[参考例6]粘度が50センチポイズであ
る分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメ
チルポリシロキサン(重合度=12)100重量部、粘
度が20センチポイズである分子鎖両末端トリメチルシ
ロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(重
合度=40)10重量部を均一に混合したものを−5℃
に冷却し、これにジブチル錫ジラウレート2.0重量部
をすばやく混合して液状のシリコーンゴム組成物を調製
した。このシリコーンゴム組成物を、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニールエーテル(HLB=13.1)10
重量部と純水120重量部との水溶液(約5℃)に混合
しつつ、ホモジナイザーを通したものを、さらに純水2
40重量部に混合してシリコーンゴム組成物のエマルジ
ョンを調製した。このエマルジョンを室温で1日放置し
てシリコーンゴム組成物を硬化させてシリコーンゴム粉
末の水分散液とした。この水分散液を濾紙により濾過し
て、濾別されたシリコーンゴム粉末をエタノール水溶液
および純水で洗浄した。その後、このシリコーンゴム粉
末を100℃の熱風循環式オーブン中で乾燥して球状の
シリコーンゴム粉末(F)を調製した。このシリコーンゴ
ム粉末(F)の特性を表1に示した。
【0035】
【表1】
【0036】[実施例1〜3、比較例1〜4]上記の粉
末(A)〜(E)を2.5重量%、およびアルキルスルホン
酸系帯電防止剤を3.0重量%となる量を透明なメタク
リル樹脂(三菱レイヨン株式会社製のアクリペットV
H)に250℃で溶融混合した後、厚さ2mmとなるよ
うに押出成形した。また、比較のため上記の粉末を配合
しないものについても評価した。このようにして成形し
た光拡散成形体の特性を表2に示した。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明の光拡散性アクリル系樹脂組成物
は、光透過性と光拡散性のバランスが良く、透けにく
く、帯電性が小さい光拡散成形体を成形性よく作成でき
るという特徴がある。また、本発明の光拡散成形体は、
このような光拡散性アクリル系樹脂組成物を成形してな
るので、光透過性と光拡散性のバランスが良く、透けに
くく、帯電性が小さいという特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光拡散成形体の一例であり、実施例
において作成した照明用セードの上面図である。
【図2】 図1で示したセードのXにおける断面図であ
る。
【図3】 図1で示したセードのYにおける断面図であ
る。
【図4】 光拡散成形体の拡散率D(%)の測定方法を説
明するための概略図である。
【図5】 光拡散成形体の透けの評価方法を説明するた
めの概略図である。
【符号の説明】
A 光源 B 試験体 C 輝度計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 賢 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダ ウコーニング・シリコーン株式会社 研 究開発本部内 (72)発明者 工藤 章英 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (72)発明者 渡辺 加津己 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (72)発明者 野口 晋治 大阪府豊中市豊南町東4丁目1番14号 新潮プラスチック照明株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−294348(JP,A) 特開 平10−87941(JP,A) 特開 平10−81829(JP,A) 特開 平6−73296(JP,A) 特開 平1−172801(JP,A) 特開 平6−184392(JP,A) 特開 平10−88008(JP,A) 特開 平10−88005(JP,A) 伊藤 邦雄 編「シリコーンハンドブ ック」(H2.8.31 日刊工業新聞社 刊)第101頁、第275−284頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 33/00 - 33/26 C08L 83/00 - 83/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系樹脂とシリコーンゴム粉末か
    らなる光拡散性アクリル系樹脂組成物において、前記
    リコーンゴム粉末JIS A硬さ70〜95であ
    り、かつ、前記シリコーンゴム粉末中の界面活性剤の含
    有量が0.1〜20重量%であることを特徴とする光拡
    散性アクリル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 シリコーンゴム粉末の平均粒子径が0.
    1〜50μmであることを特徴とする、請求項1記載の
    光拡散性アクリル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 光拡散性アクリル系樹脂組成物中のシリ
    コーンゴム粉末の含有量が0.01〜40重量%である
    ことを特徴とする、請求項1記載の光拡散性アクリル系
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の光拡散性アクリル系樹
    脂組成物を成形してなることを特徴とする光拡散成形
    体。
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伊藤 邦雄 編「シリコーンハンドブック」(H2.8.31 日刊工業新聞社 刊)第101頁、第275−284頁

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