JPH1087719A - 高結晶性ポリプロピレン製造用触媒系 - Google Patents

高結晶性ポリプロピレン製造用触媒系

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JPH1087719A
JPH1087719A JP24851896A JP24851896A JPH1087719A JP H1087719 A JPH1087719 A JP H1087719A JP 24851896 A JP24851896 A JP 24851896A JP 24851896 A JP24851896 A JP 24851896A JP H1087719 A JPH1087719 A JP H1087719A
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JP
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alkyl
catalyst
same
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JP24851896A
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English (en)
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S Shiyamushiyoumu Edouoo
エドウオー・エス・シヤムシヨウム
Kimu Seeyun
セーユン・キム
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Fina Technology Inc
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Fina Technology Inc
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 本発明はポリマー生成物で望まれる特性の調
節を示す触媒系を提供する。 【解決手段】 この触媒系に、一般式SiRm(O
R’)4-m[式中、Rは、アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基およびビニル基から成る群から選択さ
れ、R’はアルキル基でありそしてmは0−3であり、
ここで、Rがアルキル基である場合RはR’と同じであ
ってもよく、mが0、1または2である場合R’基は同
一もしくは異なっていてもよく、そしてmが1、2また
は3である場合R基は同一もしくは異なっていてもよ
い]で表される電子供与体と組み合わせて通常の支持チ
ーグラー・ナッタ触媒を含める。この系は容易に30k
g/g触媒・時以上の効率を達成する。この系はまたポ
リマー生成物に含まれるキシレン可溶物量に対して良好
な制御を示しかつ高い結晶性を示すポリマー生成物をも
たらす。この電子供与体は、好適には、式: (R1〜R4はアルキルもしくはシクロアルキル基)で表
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、高い結晶性を示すポリプロピレ
ンを製造するに適したプロピレン重合用触媒系を提供
し、この触媒系に、一般式SiRm(OR’)4-m[式
中、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基
およびビニル基から成る群から選択され、R’はアルキ
ル基でありそしてmは0−3であり、ここで、Rがアル
キル基である場合RはR’と同じであってもよく、mが
0、1または2である場合R’基は同一もしくは異なっ
ていてもよく、そしてmが1、2または3である場合R
基は同一もしくは異なっていてもよい]で表される電子
供与体化合物と通常の支持チーグラー・ナッタ(Zie
gler−Natta)触媒の組み合わせを含める。こ
の電子供与体は、好適には、式:
【0002】
【化1】
【0003】[式中、R1は、ケイ素原子に結合してい
る第一級、第二級もしくは第三級炭素原子を有するアル
キルもしくはシクロアルキル基であり、R2およびR
3は、アルキルもしくはアリール基であり、そしてR
4は、ケイ素原子に結合している第二級もしくは第三級
炭素原子を有するアルキルもしくはシクロアルキル基で
あり、R1とR4は同一もしくは異なっていてもよく、そ
してR2とR3は同一もしくは異なっていてもよい]で表
される。
【0004】
【従来技術の説明】オレフィン重合用触媒系は本技術分
野でよく知られている。このような系は、典型的に、チ
ーグラー・ナッタ型の重合触媒、共触媒(通常、有機ア
ルミニウム化合物)、および電子供与体(通常、有機ケ
イ素化合物)を含有する。このような触媒系の例は下記
の米国特許に示されている:4,107,413;4,2
94,721;4,439,540;4,115,319;
4,220,554;4,460,701;および4,56
2,173(上記特許の開示は引用することによって本
明細書に組み入れられる)。上記特許が主にプロピレン
およびエチレンの重合で設計された触媒および触媒系に
関して発行された多数の特許の中のほんの数件である。
【0005】通常の支持チーグラー・ナッタ重合触媒
は、一般に、遷移金属、例えばチタン、クロムまたはバ
ナジウムなどのハロゲン化物と金属水素化物および/ま
たは金属アルキル(これは典型的には有機アルミニウム
化合物である)から誘導される錯体を含む。この触媒
は、通常、アルキルアルミニウムと一緒に錯形成したマ
グネシウム化合物上に支持されているハロゲン化チタン
で出来ている。より高い結晶性を示すポリマーが生じる
ように上記触媒の立体規則性を改良する目的で外部(e
xternal)電子供与体または選択率調節剤(se
lectivitycontrol agent)(S
CA)を添加することができる。
【0006】このような重合触媒の開発で触媒およびポ
リマーの特性が改良された。また、触媒が改良されたこ
とに加えて活性化方法が改良されたことにより、触媒効
率も向上した。改良された1つの活性化方法は、触媒を
反応ゾーンに導入する直前にその触媒を予め重合させる
過程を含む。このような1つの予備重合方法が米国特許
第4,767,735号(これの開示は引用することに
よって本明細書に組み入れられる)に開示されている。
【0007】触媒およびポリマー特性の劇的な改良をも
たらそうとする時、新規な触媒および新規な反応方法を
開発することに加えて、触媒系全体を生じさせる時に支
持チーグラー・ナッタ触媒と一緒に用いるに適切な電子
供与体を見付け出すことが重合技術に多大な利益になる
ことを確認した。そのような触媒系では、共触媒が該触
媒を活性化しそしてポリマー鎖の開始点を与えると考え
る。支持チーグラー・ナッタ触媒成分と一緒に良好に働
く共触媒は、有機アルミニウム化合物、通常にはアルキ
ルアルミニウム、最も典型的にはトリアルキルアルミニ
ウム、例えばトリエチルアルミニウム(TEAl)また
はトリイソブチルアルミニウム(TIBAl)などであ
る。通常の支持チーグラー・ナッタ触媒成分用の共触媒
として用いられる他の有機アルミニウム化合物の例に
は、アルキルアルミニウムジハライドおよびジアルキル
アルミニウムハライドが含まれる。
【0008】この重合反応では、アタクティック形態の
ポリマー量を低くして立体規則性または結晶性を示すポ
リマーの生産を調節および増大させる目的で電子供与体
化合物が用いられる。一般に幅広い範囲の化合物が電子
供与体として知られているが、個々の触媒は、この触媒
に特に適合する特定化合物または化合物群を有し得る。
良好な触媒効率を与えることに加えて所望ポリマー生成
物が示すイソタクティックインデックス(isotac
tic index)およびこの生成物が示す他の特性
の改良された調節を与える適切な種類の電子供与体を見
付け出すことができたならば、これは非常に有利であろ
う。そのような1群の電子供与体が米国特許第4,92
7,797号に開示されている。
【0009】本発明は別のそのような発見を含む。驚く
べきことに、電子供与体として働く特定群のシラン化合
物を特別な種類の触媒と組み合わせると、その生じるポ
リマーの結晶度がこの特別な種類の触媒と同様に他の公
知触媒系を用いた場合に以前に知られていた結晶度に比
べて有意に高くなることを見い出した。
【0010】
【発明の要約】本発明はプロピレン重合用触媒系を提供
し、ここでは、この系に、ポリマー生成物が示す結晶度
の有意な上昇をもたらす特定群の電子供与体化合物を特
別な種類の触媒と一緒に組み合わせたものを含める。こ
の触媒に、通常の支持チーグラー・ナッタ触媒成分、有
機アルミニウム共触媒および有機ケイ素電子供与体を含
める。このように組み合わせる結果として、以下に含め
る比較実施例で例示する如き以前の触媒系が与える結晶
度より有意に高い結晶度を有する(キシレン可溶物量が
より低い)ポリマー生成物をもたらす触媒系が得られ
る。更に、通常であるが特別な支持チーグラー・ナッタ
触媒成分を利用した本発明の触媒系を用いると、他の種
類の触媒成分を用いた時に比べて、ポリマー生成物に含
まれるキシレン可溶物量がより良好に制御される。更
に、特別な電子供与体を利用した本発明の触媒系を用い
ると、他の種類の電子供与体を用いた時に比べて、ポリ
マー生成物に含まれるキシレン可溶物量がより良好に制
御される。以下に示す本発明の詳細な説明およびそれに
伴う実施例から上記および他の有益な利点がより明らか
になるであろう。
【0011】この上に記述した触媒を以前に用いられて
いた電子供与体と一緒に用いた場合でもポリマー生成物
が示す結晶度は以前に知られていた触媒を用いた時に比
べてある程度上昇するが、この触媒を本発明で記述する
如き電子供与体と一緒に用いると、その上昇度合が有意
に大きくなる。本発明では、ポリマー生成物が示す特性
の調節に関して運用できる改良を行い、例えばキシレン
可溶物量の制御を改良する。
【0012】プロピレンの重合で米国特許第4,78
4,983号および4,861,847号に記述されて
いる触媒をCMDS、DIDS、DTDS、CPDSお
よびCIDSと一緒に組み合わせることで得られた結果
で、最も重要で予想外な結果は、この触媒系を用いて製
造されたポリマーが示す結晶度が劇的に向上したことで
ある。この触媒系は4−200の範囲内のSi/Tiモ
ル比で30kg/g触媒・時より高い効率を達成するこ
とが示された。
【0013】本発明はまたモノマーの重合方法も提供す
る。この方法は、支持チーグラー・ナッタ触媒成分を有
機アルミニウム化合物、好適にはトリアルキルアルミニ
ウムに接触させることで触媒を生じさせ、この触媒と有
機アルミニウムの接触を行うのと同時か或はその後、こ
の上に示した式で記述される如き有機ケイ素化合物であ
る電子供与体に該触媒を接触させ、任意に、この触媒に
少量のモノマーを接触させることでこの触媒を予め重合
させ、この触媒を、該モノマーそして任意に有機アルミ
ニウム化合物および電子供与体が追加的量で入っている
重合条件下の反応ゾーンに導入し、そしてポリマー生成
物を取り出す、ことを含む。このモノマーがプロピレン
である場合、反応ゾーンにおけるSi/Ti比が4−2
00の範囲内である間、キシレン可溶物の量は0.6−
3.00重量%の範囲内になる。電子供与体がジシクロ
ペンチルジメトキシシランでありそしてモノマーがプロ
ピレンである場合、ポリマー生成物が示すイソタクティ
ック性(isotacticity)(キシレンに不溶
な画分のペンタド(pentad)分布パーセント)で
定義した時の結晶度は98%に等しいか或はそれ以上で
ある。
【0014】
【発明の詳細な記述】本発明は、電子供与体として特別
な群の化合物を特別な種類の触媒と組み合わせたものを
プロピレンの重合で用いることに関する。
【0015】通常の支持チーグラー・ナッタ触媒が示す
触媒特性を特別な群の電子供与体が有意に向上させるこ
とを見い出した。本発明では通常のチーグラー・ナッタ
遷移金属化合物触媒成分のいずれも使用可能である。チ
ーグラー・ナッタ触媒および触媒系の生成において、典
型的には2つの方法で電子供与体を用いる。1番目とし
て、遷移金属のハロゲン化物を金属の水素化物または金
属アルキルと反応させている時の触媒生成反応で内部
(internal)電子供与体を用いることができ
る。
【0016】通常のチーグラー・ナッタ触媒成分の調製
で用いるに適切な内部電子供与体化合物には、エーテル
類、ケトン類、ラクトン類、N、Pおよび/またはS原
子を有する電子供与体化合物、および特定種のエステル
が含まれる。特に適切なものは、フタル酸のエステル、
例えばフタル酸ジイソブチル、ジオクチル、ジフェニル
およびベンジルブチルなど、マロン酸のエステル、例え
ばマロン酸ジイソブチルおよびジエチルなど、トリメチ
ル酢酸アルキルおよびアリール、マレイン酸アルキル、
シクロアルキルおよびアリール、アルキルおよびアリー
ルカーボネート類、例えばジイソブチル、エチルフェニ
ルおよびジフェニルカーボネートなど、こはく酸エステ
ル、例えばこはく酸モノエチルおよびジエチルなどであ
る。上記フタル酸のエステルが好適な供与体である。
【0017】電子供与体を触媒系で用いる2番目の使用
は、重合反応における外部電子供与体および立体規則性
改良剤(stereoregulator)としての使
用である。両方の場合で同じ化合物を用いることも可能
であるが、典型的にこれらは異なる化合物である。通常
の外部電子供与体は、有機ケイ素化合物、例えばシクロ
ヘキシルメチルジメトキシシラン(CMDS)などであ
る。上記2種の電子供与体に関する説明は米国特許第
4,535,068号(これの開示は引用することによ
って本明細書に組み入れられる)に与えられている。
【0018】通常のチーグラー・ナッタ触媒成分は、一
般式MR+ x[式中、Mは金属であり、Rはハロゲンまた
はヒドロカルボキシルであり、そしてxは金属の原子価
である]で表される化合物を含む。Mは、好適には遷移
金属、より好適にはIVB、VBまたはVIB族の金
属、最も好適にはIVB族の金属、特にチタンである。
Rは、好適には塩素、臭素、アルコキシまたはフェノキ
シ、より好適には塩素またはエトキシ、最も好適には塩
素である。遷移金属化合物触媒成分の説明的例は、Ti
Cl4、TiBr4、Ti(OCH33Cl、Ti(OC
253Cl、Ti(OC372Cl2、Ti(OC6
132Cl2、Ti(OC252Br2およびTi(OC
1225)Cl3である。遷移金属化合物の混合物も使用
可能である。遷移金属化合物が少なくとも1種存在して
いる限り、遷移化合物の数に対する制限はない。
【0019】支持体は、通常のチーグラー・ナッタ触媒
に含まれる成分いずれに対しても化学反応性を示さない
不活性固体であるべきである。この支持体は好適にはマ
グネシウム化合物である。この触媒成分の支持体源を与
える目的で用いられるマグネシウム化合物の例は、マグ
ネシウムのハロゲン化物、ジアルコキシマグネシウム、
アルコキシマグネシウムハライド、オキシハロゲン化マ
グネシウム、ジアルキルマグネシウム、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウムおよびマグネシウムのカルボン
酸塩などである。
【0020】共触媒として働く有機アルミニウム化合物
は、好適には一般式AlR’3[式中、R’は、同一も
しくは異なり、炭素原子を1−8個有するアルキルまた
はハロゲンであるが、ここで、少なくとも1個のR’が
アルキルでR’は同一もしくは異なる]で表されるアル
キルアルミニウムである。この有機アルミニウム化合物
は、好適にはアルキルアルミニウム、アルキルアルミニ
ウムジハライドまたはジアルキルアルミニウムハライド
である。R’は、より好適には、アルキルであり、その
結果としてこのアルキルアルミニウムはトリアルキルア
ルミニウムである。このアルキルアルミニウムは、最も
好適には、トリアルキルアルミニウム、例えばトリエチ
ルアルミニウム(TEAl)またはトリイソブチルアル
ミニウム(TIBAl)である。
【0021】本発明で用いることができる特別な1つの
チーグラー・ナッタ触媒成分は、オレフィンの重合で商
業的に入手可能なチーグラー・ナッタ触媒成分であり、
これは、米国特許第4,861,847号および4,7
84,983号(これの開示は本明細書に組み入れられ
る)に開示されているように、本質的にチタンを約1.
5−6.0重量%、マグネシウムを約10−20重量
%、塩素、臭素およびヨウ素から成る群から選択される
ハロゲン化物を約40−70重量%、脂肪族、芳香族お
よび脂環式ポリカルボン酸のエステルから成る群から選
択されるポリカルボン酸エステルを約5−25重量%、
および各炭化水素基が1から6個の炭素原子を有する燐
酸の炭化水素エステルおよび亜燐酸の炭化水素エステル
から成る群から選択される有機燐化合物を約0.1−
2.5重量%含む触媒成分であって下記の段階: a)ハロゲン化マグネシウムと水またはアルコールとの
ハロゲン化マグネシウム錯体、およびハロゲン原子をヒ
ドロカルボキシル基またはハロヒドロカルボキシル基で
置き換えたハロゲン化マグネシウムの誘導体、から成る
群から選択されるハロゲン化マグネシウム化合物を、脂
肪族オレフィン類およびジオレフィン類のオキサイド、
ハロゲン置換脂肪族オレフィン類およびジオレフィン類
のオキサイドおよびグリシジルエーテル類[これらは全
部2から8個の炭素原子を有する]から成る群から選択
される有機エポキシ化合物とアルキルホスフェート類、
アリールホスフェート類、アラルキルホスフェート類、
アルキルホスファイト類、アリールホスファイト類およ
びアラルキルホスファイト類[ここで、アルキルは1か
ら4個の炭素原子を有しそしてアリールは6から10個
の炭素原子を有する]から成る群から選択される有機燐
化合物を含む溶媒混合物に溶解させることで、均一な溶
液を生じさせ、 b)この均一な溶液を式TiXn(OR)4-n[式中、X
はハロゲンであり、Rは、同一もしくは異なり、アルキ
ル基であり、そしてnは、0から4の整数である]で表
される液状のチタン化合物と一緒に混合し、 c)無水カルボン酸、カルボン酸、エーテル類およびケ
トン類から成る群から選択される少なくとも1種の沈澱
助剤(auxiliary precipitant)
を加えることで沈澱を起こさせ、 d)沈澱物が現れた時点でポリカルボン酸エステルを加
え、 e)この沈澱物をその混合物から分離した後、この分離
した沈澱物を、不活性希釈剤中、チタン化合物TiXn
(OR)4-n[式中、Xはハロゲンであり、Rは、同一
もしくは異なっていてもよく、炭化水素基であり、そし
てnは、0から4の整数である]またはそれの混合物で
処理し、そして f)この処理した沈澱物を不活性な有機希釈剤で洗浄す
る、段階を有する方法で製造された触媒成分を含む。
【0022】この触媒の生成で用いるに有用な好適な沈
澱助剤は、有機無水カルボン酸、より好適には無水フタ
ル酸であり、これをハロゲン化マグネシウム1モル当た
り0.03から1.0モルの量で添加する。好適なポリ
カルボン酸エステルは、芳香族ポリカルボン酸のエステ
ル、好適にはフタル酸ジブチルおよびフタル酸ジ−イソ
ブチルから成る群から選択されるエステルである。上記
沈澱物の洗浄で用いるに好適な不活性希釈剤は1,2−
ジクロロエタンである。適切なチタンテトラハライドに
はTiCl4、TiBr4およびTiI4が含まれ、Ti
Cl4が好適である。
【0023】本発明は特に外部電子供与体に関するが、
本明細書で用いる如き言葉「電子供与体」は外部供与体
を指す。この外部電子供与体は、生じるポリマーのアタ
クティック形態の量を制御する立体規則性改良剤として
働く。これはまたイソタクティックポリマーの生成量を
高くする能力も有する。有機ケイ素化合物を電子供与体
として用いることは本技術分野で公知である。有機ケイ
素化合物である電子供与体の例は米国特許第4,218,
339;4,395,360;4,328,122;4,4
73,660および4,927,797号に開示されてい
る。述べるように、特別な触媒を特別な群の電子供与体
と一緒に用いると、より良好な結果を得ることができ
る。このように触媒と電子供与体を対で用いることの例
は米国特許第4,562,173;4,547,552;お
よび4,927,797号に開示されている。
【0024】この電子供与体は、一般式SiRm(O
R’)4-m[式中、Rは、アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基およびビニル基から成る群から選択さ
れ、R’はアルキル基でありそしてmは0−3であり、
ここで、Rがアルキル基である場合RはR’と同じであ
ってもよく、mが0、1または2である場合R’基は同
一もしくは異なっていてもよく、そしてmが1、2また
は3である場合R基は同一もしくは異なっていてもよ
い]で表される。好適には、この電子供与体を、下記の
式:
【0025】
【化2】
【0026】[式中、R1は、ケイ素原子に結合してい
る第一級、第二級もしくは第三級炭素原子を有するアル
キルもしくはシクロアルキル基であり、R2およびR
3は、アルキルもしくはアリール基であり、そしてR
4は、ケイ素原子に結合している第二級もしくは第三級
炭素原子を有するアルキルもしくはシクロアルキル基で
あり、ここで、R1とR4は同じか或は異なりそしてR2
とR3は同じか或は異なる]で表される有機ケイ素化合
物から選択する。好適な態様において、R1は、炭素原
子を3−5個有していて鏡像対称を示す第二級アルキル
基であり、R2およびR3は、メチル、エチル、プロピル
またはブチル基であってこれらは必ずしも同じでなくて
もよく、そしてR4は、炭素原子を3−6個有していて
鏡像対称を示す第二級アルキルもしくはシクロアルキル
基である。より好適には、R1およびR4は同じでシクロ
アルキル基、特に炭素原子を5個有する基、即ちシクロ
ペンチルである。具体的な電子供与体は、シクロヘキシ
ルメチルジメトキシシラン(CMDS)、ジイソプロピ
ルジメトキシシラン(DIDS)、ジ−t−ブチルジメ
トキシシラン(DTDS)、ジシクロペンチルジメトキ
シシラン(CPDS)およびシクロヘキシルイソプロピ
ルジメトキシシラン(CIDS)であり、最も好適なも
のはジシクロペンチルジメトキシシラン(CPDS)で
ある。上述した電子供与体と通常の支持チーグラー・ナ
ッタ触媒を組み合わせると、全体として、以前に知られ
ていた触媒系を越える予想外な結果が得られる。本発明
で記述する如き電子供与体は、この化合物が示す安定性
およびそれの取り扱い性(貯蔵、輸送およびプラントに
おける使用を含む)の容易さで制限され得る。
【0027】本触媒系は、幅広い範囲のSi/Ti比
(4−200)に渡って高い効率を達成する能力を有す
る一方、比較的低いレベルで用いても、アタクティック
ポリマーまたはキシレン可溶物の生成を制御し、その結
果として高いイソタクティックインデックスを示すポリ
マーの生成をもたらす。上述した電子供与体を別の触媒
と一緒に用いると、そのポリマー生成物が示すキシレン
可溶物量が明らかに上昇する。しかしながら、特別な支
持チーグラー・ナッタ触媒成分をCMDS、DIDS、
DTDS、CPDSまたはCIDSと一緒に用いた本触
媒系は低いキシレン可溶物量を示し、Si/Ti比を2
00から4以下に下げた場合のキシレン可溶物量は約
0.6から約3.0%である。
【0028】CPDSと組み合わせた本触媒系を用いる
とまたポリマー生成物の結晶度がより高くなる。ポリマ
ー生成物に含まれるヘプタン不溶画分のメソペンタド
(mmmm)のパーセントは非常に高く、97%に等し
いか或はそれ以上である。
【0029】本発明はまた本触媒と上記式で記述した電
子供与体を用いたモノマー重合方法も提供し、この方法
は、 a)通常の支持チーグラー・ナタ触媒成分を選択し、 b)この触媒を有機アルミニウム化合物に接触させ、 c)この触媒をこの上に記述した如き電子供与体に接触
させ、 d)この触媒を有機アルミニウム化合物、電子供与体お
よびモノマーが入っている重合反応ゾーンに導入し、そ
して e)ポリマー生成物をその反応槽から取り出す、 ことを含む。本触媒系は商業的に知られているほとんど
全ての重合方法で使用可能であるが、本発明の好適な方
法には、この触媒を電子供与体に接触させた後この触媒
に少量のモノマーを接触させることでこの触媒を予め重
合させることを含む。1つの予備重合方法が、上で引用
することによって組み入れた米国特許第4,767,7
35号および4,927,797号に記述されている。
その開示で示されているように、この触媒用の担体流れ
を供給し、この触媒を共触媒または有機アルミニウム化
合物に接触させ、この触媒を電子供与体に接触させ、こ
の触媒流れを、重合させるべきモノマー全量中の比較的
少量に接触させ、この触媒流れを管状反応槽に通して流
し、そしてこの予備重合させた触媒および触媒流れを重
合反応ゾーンに導入する。この触媒を共触媒に接触させ
るのと同時にこの触媒に電子供与体を接触させてもよ
い。次に、ポリマー生成物をその反応槽から取り出すこ
とができる。この記述した触媒を上の式で記述した電子
供与体と一緒に用いる場合、反応中のSi/Tiモル比
が1−10の範囲である間、この触媒は30kg/g触
媒・時以上の効率を示し得る。また、このポリマー生成
物はキシレン可溶物の量が2−10重量%の範囲内であ
ることでも特徴づけ可能である。
【0030】以下に示す実施例および比較実施例で本発
明および本発明が有する種々の利点をより詳しく説明す
る。その結果を表1−2に要約する。本実施例で用いた
触媒は、米国特許第4,861,847号および4,7
84,983号に開示されている如き材料および方法を
用いて製造されたものであると考えており、これはCa
talyst Resources,Inc.が「Ly
nx 1000」の商標で販売している触媒である。比
較実施例で用いた触媒は、米国特許第4,927,79
7号、4,816,433号および4,839,321
号に開示されている如き材料および方法を用いて製造さ
れたものであると考えており、これはToho Tit
anium,Inc.が「THC−32A」の商標で販
売している触媒である。
【0031】
【実施例】
実施例1 重合実験を行うに先立って、反応槽を乾燥窒素の一定パ
ージ下で最低30分間100℃以上の温度に加熱するこ
とにより、この反応槽から痕跡量の水分および空気を全
部追い出した。この加熱を行った後、窒素下で反応槽を
室温(25℃)に冷却した。この反応槽を室温で安定化
させた後、水素を32ミリモルおよびプロピレンを1.
45L加えた。この反応槽を1300rpmで撹拌しな
がら温度を70℃に上昇させた。40ccの管状反応容
器にTEAlを1.0ミリモルおよびシクロヘキシルメ
チルジメトキシシラン(CMDS)を0.1ミリモル加
えた。このTEAlと供与体を予め約1分間接触させ
た。この40ccの反応シリンダーに、ミネラルオイル
に触媒が10mg入っている懸濁液を加えた。この触媒
を上記TEAlと供与体の混合物に予め約2分間接触さ
せた。次に、この管状反応容器を上記反応槽の入り口点
に取り付けて室温の液状プロピレンで満たし、これを約
5秒間重合させることにより、触媒の予備重合を行っ
た。次に、室温のプロピレンを1.45L用いて上記容
器の内容物をフラッシュ洗浄して上記反応槽に入れた。
この反応槽に存在する液状プロピレンの全量は約2.9
Lであった。重合反応を1時間進行させ、その時点で、
過剰量のプロピレンを排出させそして反応槽を室温に冷
却することにより、反応を終結させた。
【0032】次に、反応槽を開けてポリマー生成物を集
め、乾燥させ、重量測定した後、分析を行った。使用し
た電子供与体のモル量を触媒のモル量で割ることによ
り、Si/Tiモル比を計算した。ポリマーを熱キシレ
ンに溶解させそしてこの溶液を0℃に冷却することでイ
ソタクティック形態のポリマーを沈澱させることによ
り、キシレン可溶物の測定を行った。このキシレン可溶
物の量は、冷キシレンに溶解し得るポリマーの重量%で
ある。NMR分析でペンタド分布を測定した。毛羽状の
ポリマーを沸騰キシレンに溶解させた後、このキシレン
溶液をメタノールに撹拌しながら滴下することにより、
メタノール中でポリマーの沈澱を起こさせた。この沈澱
物を濾過で集めた後、沸騰ヘプタンを用いた抽出を一晩
行った。その結果を表1に示す。
【0033】 重合条件の要約 触媒の重量 10.0ミリグラム TEAL(共触媒)の量 1.0ミリモル CMDS(電子供与体)の量 0.1ミリモル Al/Ti 200 Al/Si 10 Si/Ti 20 水素 240 Δpsig プロピレン 2.9 L(1500g) 温度 70℃ 時間 1時間 実施例2−9 CMDSの全量を表1に示すように1ミリモルから0.
002ミリモルで変化させる以外は実施例1の手順を繰
り返した。その結果を表1に示す。
【0034】実施例10−15 CMDSの代わりにジイソプロピルジメトキシシラン
(DIDS)を用いそしてDIDSの全量を表1に示す
ように2ミリモルから0.0033ミリモルで変化させ
る以外は実施例1の手順を繰り返した。その結果を表1
に示す。
【0035】実施例16−18 CMDSの代わりにジ−t−ブチルジメトキシシラン
(DTDS)を用いそしてDTDSの全量を表1に示す
ように2ミリモルから0.05ミリモルで変化させる以
外は実施例1の手順を繰り返した。その結果を表1に示
す。
【0036】実施例19−24 CMDSの代わりにジシクロペンチルジメトキシシラン
(CPDS)を用いそしてCPDSの全量を表1に示す
ように2ミリモルから0.0033ミリモルで変化させ
る以外は実施例1の手順を繰り返した。その結果を表1
に示す。
【0037】実施例25−30 CMDSの代わりにシクロヘキシルイソプロピルジメト
キシシラン(CIDS)を用いそしてCIDSの全量を
表1に示すように2ミリモルから0.0033ミリモル
で変化させる以外は実施例1の手順を繰り返した。その
結果を表1に示す。
【0038】比較実施例1−30 実施例1−30で用いた触媒成分を商業的に入手可能な
別のチーグラー・ナッタ触媒成分で置き換える以外は実
施例1の手順を繰り返した。その結果を表2に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】ポリプロピレンの結晶度は、立体規則性、
即ちイソタクティック性(%mmmm)に加えて、存在
するアタクティックポリマーの量に支配される。一般的
には、キシレン可溶物の量が減るにつれてキシレンおよ
び/またはヘプタン不溶画分のイソタクティック性が向
上する。この上のデータが示すように、特定の電子供与
体を特定の触媒成分と組み合わせると、生成するキシレ
ン可溶物の量が相対的に減少する。この現象はCPDS
を特定触媒成分と一緒に用いると増進される。
【0044】この上の実施例および表1および2に示す
ように、実施例1−27および表1に示した特定の触媒
成分を各電子供与体と組み合わせると、比較実施例1−
27および表2で同じ電子供与体を用いた時に比較して
一般にキシレン可溶物量が有意に低下する。実施例16
−21および表1および2に示すように、この記述した
触媒成分と一緒にCPDSを用いると、最も低い相対キ
シレン可溶物量および最も高い相対結晶度を示すプロピ
レンが生じる。この記述した触媒成分をCPDSと組み
合わせると、この触媒成分を他の電子供与体と組み合わ
せた場合に比較して、活性が向上した。
【0045】本発明の特徴および態様は以下のとうりで
ある。
【0046】1. プロピレン重合および共重合用触媒
系であって、 (a)本質的にチタンを約1.5−6.0重量%、マグ
ネシウムを約10−20重量%、塩素、臭素およびヨウ
素から成る群から選択されるハロゲン化物を約40−7
0重量%、脂肪族、芳香族および脂環式ポリカルボン酸
のエステルから成る群から選択されるポリカルボン酸エ
ステルを約5−25重量%、および各炭化水素基が1か
ら6個の炭素原子を有する燐酸の炭化水素エステルおよ
び亜燐酸の炭化水素エステルから成る群から選択される
有機燐化合物を約0.1−2.5重量%含む通常のチー
グラー・ナタ触媒成分であって下記の段階: a)ハロゲン化マグネシウムと水またはアルコールとの
ハロゲン化マグネシウム錯体、およびハロゲン原子をヒ
ドロカルボキシル基またはハロヒドロカルボキシル基で
置き換えたハロゲン化マグネシウムの誘導体、から成る
群から選択されるハロゲン化マグネシウム化合物を、脂
肪族オレフィン類およびジオレフィン類のオキサイド、
ハロゲン置換脂肪族オレフィン類およびジオレフィン類
のオキサイドおよびグリシジルエーテル類[これらは全
部2から8個の炭素原子を有する]から成る群から選択
される有機エポキシ化合物とアルキルホスフェート類、
アリールホスフェート類、アラルキルホスフェート類、
アルキルホスファイト類、アリールホスファイト類およ
びアラルキルホスファイト類[ここで、アルキルは1か
ら4個の炭素原子を有しそしてアリールは6から10個
の炭素原子を有する]から成る群から選択される有機燐
化合物を含む溶媒混合物に溶解させることで、均一な溶
液を生じさせ、 b)この均一な溶液を式TiXn(OR)4-n[式中、X
はハロゲンであり、Rは、同一もしくは異なり、アルキ
ル基であり、そしてnは、0から4の整数である]で表
される液状のチタン化合物と一緒に混合し、 c)無水カルボン酸、カルボン酸、エーテル類およびケ
トン類から成る群から選択される少なくとも1種の沈澱
助剤を加えることで沈澱を起こさせ、 d)沈澱物が現れた時点でポリカルボン酸エステルを加
え、 e)この沈澱物をその混合物から分離した後、この分離
した沈澱物を、不活性希釈剤中、チタン化合物TiXn
(OR)4-n[式中、Xはハロゲンであり、Rは、同一
もしくは異なっていてもよく、炭化水素基であり、そし
てnは、0から4の整数である]またはそれの混合物で
処理し、そして f)この処理した沈澱物を不活性な有機希釈剤で洗浄す
る、段階を有する方法で製造された触媒成分、 (b)有機アルミニウム化合物、および (c)一般式SiRm(OR’)4-m[式中、Rは、アル
キル基、シクロアルキル基、アリール基およびビニル基
から成る群から選択され、R’はアルキル基でありそし
てmは0−3であり、ここで、Rがアルキル基である場
合RはR’と同じであってもよく、mが0、1または2
である場合R’基は同一もしくは異なっていてもよく、
そしてmが1、2または3である場合R基は同一もしく
は異なっていてもよい]で表される電子供与体、を含む
触媒系。
【0047】2. 該電子供与体が式:
【0048】
【化3】
【0049】[式中、R1は、ケイ素原子に結合してい
る第一級もしくは第二級炭素原子を有するアルキルもし
くはシクロアルキル基であり、R2およびR3は、各々独
立して、アルキルもしくはアリール基であり、そしてR
4は、ケイ素原子に結合している第二級もしくは第三級
炭素原子を有するアルキルもしくはシクロアルキル基で
あり、ここで、R1とR4は同じか或は異なっていてもよ
い]で表される第1項の触媒系。
【0050】3. R1が、炭素原子を3から5個有し
ていて鏡像対称を示す第二級アルキルもしくはシクロア
ルキルであり、そしてR4が、炭素原子を1−6個有し
ていて鏡像対称を示す第二級アルキルもしくはシクロア
ルキルである第2項の触媒系。
【0051】4. R1およびR4が両方ともシクロアル
キル基で同じである第3項の触媒系。
【0052】5. R1およびR4がシクロペンチルであ
る第4項の触媒系。
【0053】6. R2およびR3がメチル、エチル、プ
ロピルおよびブチル基から成る群から選択される第2項
の触媒系。
【0054】7. R2およびR3が両方ともメチル基で
同じである第6項の触媒系。
【0055】8. 該電子供与体がシクロヘキシルメチ
ルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラ
ン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、シクロヘキシル
イソプロピルジメトキシシランまたはジシクロペンチル
ジメトキシシランである第1項の触媒系。
【0056】9. 該電子供与体がジシクロペンチルジ
メトキシシランである第8項の触媒系。
【0057】10. 該有機アルミニウム化合物が一般
式AlR’3[式中、R’は、同一もしくは異なり、炭
素原子を1−8個有するアルキルまたはハロゲンである
が、ここで、少なくとも1個のR’がアルキルでR’は
同一もしくは異なる]で表されるアルミニウムアルキル
である第1項の触媒系。
【0058】11. 該有機アルミニウム化合物がトリ
アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムジハライ
ド、トリアルコキシアルミニウムおよびジアルキルアル
ミニウムハライドから成る群から選択される第10項の
触媒系。
【0059】12. 該有機アルミニウム化合物がトリ
アルキルアルミニウムである第11項の触媒系。
【0060】13. 該有機アルミニウム化合物がトリ
エチルアルミニウムまたはトリイソブチルアルミニウム
である第12項の触媒系。
【0061】14. モノマーの重合方法であって、 (a)本質的にチタンを約1.5−6.0重量%、マグ
ネシウムを約10−20重量%、塩素、臭素およびヨウ
素から成る群から選択されるハロゲン化物を約40−7
0重量%、脂肪族、芳香族および脂環式ポリカルボン酸
のエステルから成る群から選択されるポリカルボン酸エ
ステルを約5−25重量%、および各炭化水素基が1か
ら6個の炭素原子を有する燐酸の炭化水素エステルおよ
び亜燐酸の炭化水素エステルから成る群から選択される
有機燐化合物を約0.1−2.5重量%含む通常のチー
グラー・ナタ触媒成分であって下記の段階: a)ハロゲン化マグネシウムと水またはアルコールとの
ハロゲン化マグネシウム錯体、およびハロゲン原子をヒ
ドロカルボキシル基またはハロヒドロカルボキシル基で
置き換えたハロゲン化マグネシウムの誘導体、から成る
群から選択されるハロゲン化マグネシウム化合物を、脂
肪族オレフィン類およびジオレフィン類のオキサイド、
ハロゲン置換脂肪族オレフィン類およびジオレフィン類
のオキサイドおよびグリシジルエーテル類[これらは全
部2から8個の炭素原子を有する]から成る群から選択
される有機エポキシ化合物とアルキルホスフェート類、
アリールホスフェート類、アラルキルホスフェート類、
アルキルホスファイト類、アリールホスファイト類およ
びアラルキルホスファイト類[ここで、アルキルは1か
ら4個の炭素原子を有しそしてアリールは6から10個
の炭素原子を有する]から成る群から選択される有機燐
化合物を含む溶媒混合物に溶解させることで、均一な溶
液を生じさせ、 b)この均一な溶液を式TiXn(OR)4-n[式中、X
はハロゲンであり、Rは、同一もしくは異なり、アルキ
ル基であり、そしてnは、0から4の整数である]で表
される液状のチタン化合物と一緒に混合し、 c)無水カルボン酸、カルボン酸、エーテル類およびケ
トン類から成る群から選択される少なくとも1種の沈澱
助剤を加えることで沈澱を起こさせ、 d)沈澱物が現れた時点でポリカルボン酸エステルを加
え、 e)この沈澱物をその混合物から分離した後、この分離
した沈澱物を、不活性希釈剤中、チタン化合物TiXn
(OR)4-n[式中、Xはハロゲンであり、Rは、同一
もしくは異なっていてもよく、炭化水素基であり、そし
てnは、0から4の整数である]またはそれの混合物で
処理し、そして f)この処理した沈澱物を不活性な有機希釈剤で洗浄す
る、段階を有する方法で製造された触媒成分を選択し、 (b)この触媒を有機アルミニウム化合物に接触させ、 (c)段階(b)と同時にか或は段階(b)の後、上記
触媒を、一般式SiRm(OR’)4-m[式中、Rは、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基およびビニル
基から成る群から選択され、R’はアルキル基でありそ
してmは0−3であり、ここで、Rがアルキル基である
場合RはR’と同じであってもよく、mが0、1または
2である場合R’基は同一もしくは異なっていてもよ
く、そしてmが1、2または3である場合R基は同一も
しくは異なっていてもよい]で表される電子供与体に接
触させ、 (d)上記触媒を上記モノマーが入っている重合反応ゾ
ーンに導入する、ことを含む方法。
【0062】15. 該電子供与体が式:
【0063】
【化4】
【0064】[式中、R1は、第一級もしくは第二級炭
素原子を有するアルキルもしくはシクロアルキル基であ
り、R2およびR3は、各々独立して、アルキルもしくは
アリール基であり、そしてR4は、ケイ素原子に結合し
ている第二級もしくは第三級炭素原子を有するアルキル
もしくはシクロアルキル基であり、ここで、R1とR4
同じか或は異なる]で記述される第14項の方法。
【0065】16. R1が、炭素原子を3から5個有
していて鏡像対称を示す第二級アルキルもしくはシクロ
アルキルであり、そしてR4が、炭素原子を1−6個有
していて鏡像対称を示す第二級アルキルもしくはシクロ
アルキルである第15項の方法。
【0066】17. R1およびR4が両方ともシクロア
ルキル基で同じである第16項の方法。
【0067】18. R1およびR4が両方ともシクロペ
ンチル基である第17項の方法。
【0068】19. 上記電子供与体がシクロヘキシル
メチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシ
ラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ジシクロペン
チルジメトキシシランまたはシクロヘキシルイソプロピ
ルジメトキシシランである第18項の方法。
【0069】20. 上記電子供与体がジシクロペンチ
ルジメトキシシランである第19項の方法。
【0070】21. 該有機アルミニウム化合物が一般
式AlR’3[式中、R’は、同一もしくは異なり、炭
素原子を1−8個有するアルキルまたはハロゲンである
が、ここで、少なくとも1個のR’がアルキルでR’は
同一もしくは異なる]で表されるアルミニウムアルキル
である第14項の方法。
【0071】22. 該有機アルミニウム化合物をトリ
アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムジハライ
ド、トリアルコキシアルミニウムおよびジアルキルアル
ミニウムハライドから成る群から選択する第21項の方
法。
【0072】23. 該有機アルミニウム化合物がトリ
アルキルアルミニウムである第22項の方法。
【0073】24. 該有機アルミニウム化合物がトリ
エチルアルミニウムである第23項の方法。
【0074】25. 上記モノマーがプロピレンである
第14項の方法。
【0075】26. 段階(c)の後に、上記触媒に少
量のモノマーを接触させることで上記触媒を予め重合さ
せることを含むさらなる段階を存在させる第14項の方
法。
【0076】27. 該反応ゾーンに上記有機アルミニ
ウム化合物および上記電子供与体を追加的量で入れる第
14項の方法。
【0077】28. キシレン可溶部分がポリマー生成
物の0.6−3.0重量%の範囲内であるポリマー生成
物を生じさせることを特徴とする第14項の方法。
【0078】29. 更に2番目のモノマーを加えるこ
とでコポリマーを生じさせることを含む第14項の方
法。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン重合および共重合用触媒系で
    あって、 (a)本質的にチタンを約1.5−6.0重量%、マグ
    ネシウムを約10−20重量%、塩素、臭素およびヨウ
    素から成る群から選択されるハロゲン化物を約40−7
    0重量%、脂肪族、芳香族および脂環式ポリカルボン酸
    のエステルから成る群から選択されるポリカルボン酸エ
    ステルを約5−25重量%、および各炭化水素基が1か
    ら6個の炭素原子を有する燐酸の炭化水素エステルおよ
    び亜燐酸の炭化水素エステルから成る群から選択される
    有機燐化合物を約0.1−2.5重量%含む通常のチー
    グラー・ナタ触媒成分であって下記の段階: a)ハロゲン化マグネシウムと水またはアルコールとの
    ハロゲン化マグネシウム錯体、およびハロゲン原子をヒ
    ドロカルボキシル基またはハロヒドロカルボキシル基で
    置き換えたハロゲン化マグネシウムの誘導体、から成る
    群から選択されるハロゲン化マグネシウム化合物を、脂
    肪族オレフィン類およびジオレフィン類のオキサイド、
    ハロゲン置換脂肪族オレフィン類およびジオレフィン類
    のオキサイドおよびグリシジルエーテル類[これらは全
    部2から8個の炭素原子を有する]から成る群から選択
    される有機エポキシ化合物とアルキルホスフェート類、
    アリールホスフェート類、アラルキルホスフェート類、
    アルキルホスファイト類、アリールホスファイト類およ
    びアラルキルホスファイト類[ここで、アルキルは1か
    ら4個の炭素原子を有しそしてアリールは6から10個
    の炭素原子を有する]から成る群から選択される有機燐
    化合物を含む溶媒混合物に溶解させることで、均一な溶
    液を生じさせ、 b)この均一な溶液を式TiXn(OR)4-n[式中、X
    はハロゲンであり、Rは、同一もしくは異なり、アルキ
    ル基であり、そしてnは、0から4の整数である]で表
    される液状のチタン化合物と一緒に混合し、 c)無水カルボン酸、カルボン酸、エーテル類およびケ
    トン類から成る群から選択される少なくとも1種の沈澱
    助剤を加えることで沈澱を起こさせ、 d)沈澱物が現れた時点でポリカルボン酸エステルを加
    え、 e)この沈澱物をその混合物から分離した後、この分離
    した沈澱物を、不活性希釈剤中、チタン化合物TiXn
    (OR)4-n[式中、Xはハロゲンであり、Rは、同一
    もしくは異なっていてもよく、炭化水素基であり、そし
    てnは、0から4の整数である]またはそれの混合物で
    処理し、そして f)この処理した沈澱物を不活性な有機希釈剤で洗浄す
    る、段階を有する方法で製造された触媒成分、 (b)有機アルミニウム化合物、および (c)一般式SiRm(OR’)4-m[式中、Rは、アル
    キル基、シクロアルキル基、アリール基およびビニル基
    から成る群から選択され、R’はアルキル基でありそし
    てmは0−3であり、ここで、Rがアルキル基である場
    合RはR’と同じであってもよく、mが0、1または2
    である場合R’基は同一もしくは異なっていてもよく、
    そしてmが1、2または3である場合R基は同一もしく
    は異なっていてもよい]で表される電子供与体、を含む
    触媒系。
  2. 【請求項2】 モノマーの重合方法であって、 (a)本質的にチタンを約1.5−6.0重量%、マグ
    ネシウムを約10−20重量%、塩素、臭素およびヨウ
    素から成る群から選択されるハロゲン化物を約40−7
    0重量%、脂肪族、芳香族および脂環式ポリカルボン酸
    のエステルから成る群から選択されるポリカルボン酸エ
    ステルを約5−25重量%、および各炭化水素基が1か
    ら6個の炭素原子を有する燐酸の炭化水素エステルおよ
    び亜燐酸の炭化水素エステルから成る群から選択される
    有機燐化合物を約0.1−2.5重量%含む通常のチー
    グラー・ナタ触媒成分であって下記の段階: a)ハロゲン化マグネシウムと水またはアルコールとの
    ハロゲン化マグネシウム錯体、およびハロゲン原子をヒ
    ドロカルボキシル基またはハロヒドロカルボキシル基で
    置き換えたハロゲン化マグネシウムの誘導体、から成る
    群から選択されるハロゲン化マグネシウム化合物を、脂
    肪族オレフィン類およびジオレフィン類のオキサイド、
    ハロゲン置換脂肪族オレフィン類およびジオレフィン類
    のオキサイドおよびグリシジルエーテル類[これらは全
    部2から8個の炭素原子を有する]から成る群から選択
    される有機エポキシ化合物とアルキルホスフェート類、
    アリールホスフェート類、アラルキルホスフェート類、
    アルキルホスファイト類、アリールホスファイト類およ
    びアラルキルホスファイト類[ここで、アルキルは1か
    ら4個の炭素原子を有しそしてアリールは6から10個
    の炭素原子を有する]から成る群から選択される有機燐
    化合物を含む溶媒混合物に溶解させることで、均一な溶
    液を生じさせ、 b)この均一な溶液を式TiXn(OR)4-n[式中、X
    はハロゲンであり、Rは、同一もしくは異なり、アルキ
    ル基であり、そしてnは、0から4の整数である]で表
    される液状のチタン化合物と一緒に混合し、 c)無水カルボン酸、カルボン酸、エーテル類およびケ
    トン類から成る群から選択される少なくとも1種の沈澱
    助剤を加えることで沈澱を起こさせ、 d)沈澱物が現れた時点でポリカルボン酸エステルを加
    え、 e)この沈澱物をその混合物から分離した後、この分離
    した沈澱物を、不活性希釈剤中、チタン化合物TiXn
    (OR)4-n[式中、Xはハロゲンであり、Rは、同一
    もしくは異なっていてもよく、炭化水素基であり、そし
    てnは、0から4の整数である]またはそれの混合物で
    処理し、そして f)この処理した沈澱物を不活性な有機希釈剤で洗浄す
    る、段階を有する方法で製造された触媒成分を選択し、 (b)この触媒を有機アルミニウム化合物に接触させ、 (c)段階(b)と同時にか或は段階(b)の後、上記
    触媒を、一般式SiRm(OR’)4-m[式中、Rは、ア
    ルキル基、シクロアルキル基、アリール基およびビニル
    基から成る群から選択され、R’はアルキル基でありそ
    してmは0−3であり、ここで、Rがアルキル基である
    場合RはR’と同じであってもよく、mが0、1または
    2である場合R’基は同一もしくは異なっていてもよ
    く、そしてmが1、2または3である場合R基は同一も
    しくは異なっていてもよい]で表される電子供与体に接
    触させ、 (d)上記触媒を上記モノマーが入っている重合反応ゾ
    ーンに導入する、ことを含む方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004523599A (ja) * 2000-08-22 2004-08-05 エンゲルハード・コーポレーシヨン ポリオレフィン触媒の外部供与体としての(シルロアルキル)メチルシラン
JP2007505955A (ja) * 2003-09-18 2007-03-15 中国石油化工股▲分▼有限公司 オレフィン重合用触媒成分、触媒およびその使用

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