JPH1087613A - 光学活性アジリン類およびその製造法 - Google Patents
光学活性アジリン類およびその製造法Info
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- JPH1087613A JPH1087613A JP24164196A JP24164196A JPH1087613A JP H1087613 A JPH1087613 A JP H1087613A JP 24164196 A JP24164196 A JP 24164196A JP 24164196 A JP24164196 A JP 24164196A JP H1087613 A JPH1087613 A JP H1087613A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】生理活性天然物質、光学活性アジリジンやアミ
ノ酸合成の中間体として有用な光学活性アジリン類およ
びその製造法を提供すること。 【解決手段】一般式(II)(Rは置換されていてもよい炭
素数1〜10のアルキル基またはフェニル基、R’は水
素原子またはアシル基、*印は光学活性炭素である)で
示される光学活性アジリン類及びその製造法。
ノ酸合成の中間体として有用な光学活性アジリン類およ
びその製造法を提供すること。 【解決手段】一般式(II)(Rは置換されていてもよい炭
素数1〜10のアルキル基またはフェニル基、R’は水
素原子またはアシル基、*印は光学活性炭素である)で
示される光学活性アジリン類及びその製造法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】光学活性なアジリンは成長阻
害作用を有するダイジダジリンや抗生物質アジリノマイ
シンの基本骨格として天然に存在し、その薬効とともに
合成法が注目されている。本発明は、下記一般式(II)で
示される光学活性アジリン類およびその製造法に関す
る。該化合物は、上記の天然物の合成中間体としてのみ
ならず、光学活性アジリジンやアミノ酸の合成などにも
広く応用できる。
害作用を有するダイジダジリンや抗生物質アジリノマイ
シンの基本骨格として天然に存在し、その薬効とともに
合成法が注目されている。本発明は、下記一般式(II)で
示される光学活性アジリン類およびその製造法に関す
る。該化合物は、上記の天然物の合成中間体としてのみ
ならず、光学活性アジリジンやアミノ酸の合成などにも
広く応用できる。
【0002】
【従来の技術】アジリン骨格を有するダイジダジリンの
光学活性体は1995年に初めて合成された(J.Am.Che
m.Soc., 117, 3651(1995) が、さらに一般的な合成法
の開発が望まれている。
光学活性体は1995年に初めて合成された(J.Am.Che
m.Soc., 117, 3651(1995) が、さらに一般的な合成法
の開発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生理活性天
然物質および、光学活性アジリジンやアミノ酸合成の中
間体として有用な光学活性アジリン類およびその製造法
を提供しようとするものである。
然物質および、光学活性アジリジンやアミノ酸合成の中
間体として有用な光学活性アジリン類およびその製造法
を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、ヒドロキシメ
チルアジリンを酵素を用いて光学活性化することに成功
し、本発明に至った。即ち、本発明は、一般式(II) (式中、Rは置換されていてもよい炭素数1〜10のア
ルキル基またはフェニル基を示し、R’は水素原子また
はアシル基を示し、*印は光学活性炭素であることを示
す。)で示される光学活性アジリン類およびその製造法
を提供するものである。
題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、ヒドロキシメ
チルアジリンを酵素を用いて光学活性化することに成功
し、本発明に至った。即ち、本発明は、一般式(II) (式中、Rは置換されていてもよい炭素数1〜10のア
ルキル基またはフェニル基を示し、R’は水素原子また
はアシル基を示し、*印は光学活性炭素であることを示
す。)で示される光学活性アジリン類およびその製造法
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
光学活性アジリン類(II)は、一般式(I) (式中、Rは前記と同じ意味を表わす。)で示されるヒ
ドロキシメチルアジリン類にアシル化剤およびリパーゼ
を作用させることによって得ることができる。この反応
においては、光学活性アジリン類(II)として、光学活性
なアシル化物と未反応物から光学活性なアルコールが同
時に得られる。
光学活性アジリン類(II)は、一般式(I) (式中、Rは前記と同じ意味を表わす。)で示されるヒ
ドロキシメチルアジリン類にアシル化剤およびリパーゼ
を作用させることによって得ることができる。この反応
においては、光学活性アジリン類(II)として、光学活性
なアシル化物と未反応物から光学活性なアルコールが同
時に得られる。
【0006】アシル化剤としては、通常、酢酸ビニル、
酢酸イソプロペニル、プロピオン酸ビニル、ブタン酸ビ
ニル等が用いられる。アシル化剤の使用量は、通常、基
質に対して、1〜5モル倍、好ましくは、1〜2モル倍
である。
酢酸イソプロペニル、プロピオン酸ビニル、ブタン酸ビ
ニル等が用いられる。アシル化剤の使用量は、通常、基
質に対して、1〜5モル倍、好ましくは、1〜2モル倍
である。
【0007】リパーゼはその由来には制限はないが、微
生物由来のリパーゼが安価であり大量に入手することが
可能であるので利用しやすい。樹脂等に固定化されたリ
パーゼも市販されており、これを用いることもできる。
リパーゼを保有する微生物としては例えば、エンテロバ
クター属、アルスロバクター属、ブレビバクテリウム
属、アルカリゲネス属、バシルス属、クロモバクテリウ
ム属、ミクロバクテリウム属、ミクロコッカス属、ラク
トバシルス属、トリコデルマ属、カンジダ属、ロドトル
ラ属、サッカロマイセス属、クリプトコッカス属、ペニ
シリウム属、アスペルギルス属、ムコル属、シュードモ
ナス属ストレプトマイセス属、リゾプス属、アクロモバ
クター属などに属する微生物が挙げられる。リパーゼの
使用量は、通常、基質に対して、0.01〜10重量
倍、好ましくは、0.5〜5重量倍である。
生物由来のリパーゼが安価であり大量に入手することが
可能であるので利用しやすい。樹脂等に固定化されたリ
パーゼも市販されており、これを用いることもできる。
リパーゼを保有する微生物としては例えば、エンテロバ
クター属、アルスロバクター属、ブレビバクテリウム
属、アルカリゲネス属、バシルス属、クロモバクテリウ
ム属、ミクロバクテリウム属、ミクロコッカス属、ラク
トバシルス属、トリコデルマ属、カンジダ属、ロドトル
ラ属、サッカロマイセス属、クリプトコッカス属、ペニ
シリウム属、アスペルギルス属、ムコル属、シュードモ
ナス属ストレプトマイセス属、リゾプス属、アクロモバ
クター属などに属する微生物が挙げられる。リパーゼの
使用量は、通常、基質に対して、0.01〜10重量
倍、好ましくは、0.5〜5重量倍である。
【0008】上記反応には通常、溶媒が用いられ、かか
る溶媒としては、リン酸バッファーに代表される緩衝水
溶液や、エーテル類、ケトン類、酢酸エステル類などの
有機溶媒、もしくはこれらの混合物が挙げられる。溶媒
の使用量は、特には限定されるものではなく、反応に応
じ適宜選択することができる。反応は通常20〜50℃
で行われる。反応時間に特に限定はなく、TLC、G
C、LC等で反応を追跡して原料と生成物の比を見なが
ら判断するのが通常の方法である。
る溶媒としては、リン酸バッファーに代表される緩衝水
溶液や、エーテル類、ケトン類、酢酸エステル類などの
有機溶媒、もしくはこれらの混合物が挙げられる。溶媒
の使用量は、特には限定されるものではなく、反応に応
じ適宜選択することができる。反応は通常20〜50℃
で行われる。反応時間に特に限定はなく、TLC、G
C、LC等で反応を追跡して原料と生成物の比を見なが
ら判断するのが通常の方法である。
【0009】反応終了後、抽出、濃縮等の操作を行うこ
とにより、光学活性アジリン類(II)において、R’がア
シル基で示される光学活性エステル類と、R’が水素原
子である光学活性アルコールの混合物が得られる。これ
らは、シリカゲルカラムクロマトグラフィーまたは減圧
蒸留等により分離精製することができる。
とにより、光学活性アジリン類(II)において、R’がア
シル基で示される光学活性エステル類と、R’が水素原
子である光学活性アルコールの混合物が得られる。これ
らは、シリカゲルカラムクロマトグラフィーまたは減圧
蒸留等により分離精製することができる。
【0010】
【発明の効果】本発明の光学活性アジリン類(II)は、生
理活性天然物中間体としてのみでなく、光学活性アジリ
ジンやアミノ酸の合成中間体としても有用である。
理活性天然物中間体としてのみでなく、光学活性アジリ
ジンやアミノ酸の合成中間体としても有用である。
【0011】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0012】(実施例1)反応容器に3−フェニル−2
H−アジリン−2−メタノール(50mg、0.34m
mol)、Lipase PS(天野製薬社製、シュー
ドモナス属)(50mg)、ジイソプロピルエーテル
(5ml)をとり、30℃にて攪拌下に酢酸ビニル(2
9mg、0.34mmol)を加えた。40分この温度
で攪拌後、リパーゼを濾去し、減圧下に溶媒を留去して
赤褐色油状の粗生成物(60mg)を得た。シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(4g、展開溶媒:ヘキサン
/酢酸エチル=2/1)を行い、淡黄色結晶状のアルコ
ール体(26mg)と赤褐色油状のエステル体(29m
g)を得た。 <アルコール体> 収率 :51% 光学純度:85%ee 比旋光度:[α]D 21168.5°(c=1.90、ク
ロロホルム) <エステル体> 収率 :44% 光学純度:82%ee 比旋光度:[α]D 19−131.7°(c=1.74、
クロロホルム) なお、光学純度については、光学活性カラムを用いたH
PLCにて測定した。
H−アジリン−2−メタノール(50mg、0.34m
mol)、Lipase PS(天野製薬社製、シュー
ドモナス属)(50mg)、ジイソプロピルエーテル
(5ml)をとり、30℃にて攪拌下に酢酸ビニル(2
9mg、0.34mmol)を加えた。40分この温度
で攪拌後、リパーゼを濾去し、減圧下に溶媒を留去して
赤褐色油状の粗生成物(60mg)を得た。シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(4g、展開溶媒:ヘキサン
/酢酸エチル=2/1)を行い、淡黄色結晶状のアルコ
ール体(26mg)と赤褐色油状のエステル体(29m
g)を得た。 <アルコール体> 収率 :51% 光学純度:85%ee 比旋光度:[α]D 21168.5°(c=1.90、ク
ロロホルム) <エステル体> 収率 :44% 光学純度:82%ee 比旋光度:[α]D 19−131.7°(c=1.74、
クロロホルム) なお、光学純度については、光学活性カラムを用いたH
PLCにて測定した。
【0013】(実施例2〜5)原料3−フェニル−2H
−アジリン−2−メタノールのかわりに3−メチル−2
H−アジリン−2−メタノール(実施例2)、3−n−
ペンチル−2H−アジリン−2−メタノール(実施例
3)、3−n−ヘプチル−2H−アジリン−2−メタノ
ール(実施例4)、3−n−ノニル−2H−アジリン−
2−メタノール(実施例5)を用いる以外は実施例1と
同様にして、それぞれ対応する光学活性アルコール体と
光学活性エステル体を得た。
−アジリン−2−メタノールのかわりに3−メチル−2
H−アジリン−2−メタノール(実施例2)、3−n−
ペンチル−2H−アジリン−2−メタノール(実施例
3)、3−n−ヘプチル−2H−アジリン−2−メタノ
ール(実施例4)、3−n−ノニル−2H−アジリン−
2−メタノール(実施例5)を用いる以外は実施例1と
同様にして、それぞれ対応する光学活性アルコール体と
光学活性エステル体を得た。
【表1】
Claims (4)
- 【請求項1】一般式(II) (式中、Rは置換されていてもよい炭素数1〜10のア
ルキル基またはフェニル基を示し、R’は水素原子また
はアシル基を示し、*印は光学活性炭素であることを示
す。)で示される光学活性アジリン類。 - 【請求項2】一般式(I) (式中、Rは前記と同じ意味を表わす。)で示されるヒ
ドロキシメチルアジリン類にアシル化剤およびリパーゼ
を作用させることを特徴とする一般式(II)で示される光
学活性アジリン類の製造法。 - 【請求項3】一般式(I) において、R’が水素原子また
はアセチル基である請求項1記載の光学活性アジリン類 - 【請求項4】一般式(II)において、R’が水素原子また
はアセチル基である請求項2記載の光学活性アジリン類
の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24164196A JPH1087613A (ja) | 1996-09-12 | 1996-09-12 | 光学活性アジリン類およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24164196A JPH1087613A (ja) | 1996-09-12 | 1996-09-12 | 光学活性アジリン類およびその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1087613A true JPH1087613A (ja) | 1998-04-07 |
Family
ID=17077342
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24164196A Pending JPH1087613A (ja) | 1996-09-12 | 1996-09-12 | 光学活性アジリン類およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1087613A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100761349B1 (ko) * | 2006-05-29 | 2007-10-04 | 진상국 | 단추의 제조방법 및 그 단추 |
-
1996
- 1996-09-12 JP JP24164196A patent/JPH1087613A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100761349B1 (ko) * | 2006-05-29 | 2007-10-04 | 진상국 | 단추의 제조방법 및 그 단추 |
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