JPH1086834A - 液圧式サーボ制御装置特に自動車の液圧式パワーステアリング装置 - Google Patents

液圧式サーボ制御装置特に自動車の液圧式パワーステアリング装置

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JPH1086834A
JPH1086834A JP9171238A JP17123897A JPH1086834A JP H1086834 A JPH1086834 A JP H1086834A JP 9171238 A JP9171238 A JP 9171238A JP 17123897 A JP17123897 A JP 17123897A JP H1086834 A JPH1086834 A JP H1086834A
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  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Fluid-Pressure Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧力源として使用する液圧ポンプが電動機で
駆動される液圧式サーボ制御装置特に自動車の液圧式パ
ワーステアリング装置に関する。 【解決手段】 電動機の回転数が、高い回転数がそれが
要求されているときにだけ生ずるように、負荷に関係し
て調整される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オープン基本位置
形ないしオープンセンタ形のサーボ弁によって液圧ポン
プの圧力側並びに吸込み側ないし相対的に無圧の液体溜
まりに制御して接続できる液圧サーボモータおよび液圧
ポンプを駆動する電動機を備えた液圧式サーボ制御装置
特に自動車の液圧式パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のパワーステアリング装置は基本
的に公知であり、液圧ポンプがその最大需要搬送容積に
応じて決められる不変の回転数で駆動されるという利点
を有している。
【0003】しかし一般に自動車の液圧式パワーステア
リング装置は自動車エンジンを介して駆動される液圧ポ
ンプを有している。その液圧ポンプは走行条件に応じて
非常にいろいろな回転数で回転する。この場合液圧ポン
プは、それがエンジンの無負荷回転数において既に駐車
場における舵取り操作にとって必要であるような大きな
搬送流を発生できるように設計しなければならない。従
ってこれは、高速走行の場合および自動車エンジンの相
応した高速回転において需要を明らかに超過する搬送流
が発生されることを意味する。
【0004】従ってその結果、一般的なパワーステアリ
ング装置は、液圧ポンプの搬送流が常に最大需要に相応
しているか、これを明らかに超過しているので、非常に
大きなエネルギを必要とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、エネ
ルギ需要を明らかに減少することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によればこの目的
は、冒頭に述べた形式の液圧式サーボ制御装置ないし液
圧式パワーステアリング装置において、電動機がその消
費電流ないし消費電力に関係して作動する回転数調整装
置を有し、この回転数調整装置がほぼ一定の低速回転数
の運転モード(スタンド・バイ運転)とほぼ一定の高速
回転数の運転モード(負荷運転)との間で自動的に切り
換わり、その場合、 − 低速回転数における電動機の消費電流ないし消費電
力が、低速回転数において予測される電動機の消費電流
ないし消費電力の第1の最小値の幾分上にある下側敷居
値を超過したとき、高速回転数への切換が行われ、 − 高速回転数における電動機の消費電流ないし消費電
力が予め与え得る時間幅にわたってほんの僅かしか変動
せず、高速回転数において予測される電動機の消費電流
ないし消費電力の第2の最小値のすぐ上にある上側敷居
値の下にとどまるとき、低速回転数への低下が行われ
る、ことによって達成される。
【0007】本発明は、液圧ポンプ用電動機を負荷に関
係して回転数調整をするために、液圧ポンプによって引
き起こされる電動機の負荷が、サーボ弁がオープン基本
位置ないしオープンセンタ位置をとっているときに著し
く低下するということを利用するという全般的な考えに
基づいている。何故ならばそのような(サーボ弁がオー
プン基本位置ないしオープンセンタ位置をとっている)
状態において、液圧ポンプの圧力側から吸込み側ないし
は相対的に無圧の液圧媒体溜まりまでほとんど絞られな
い流れ経路が生ずる。これに対してサーボ弁がオープン
基本位置ないしオープンセンタ位置から離れたとき、液
圧ポンプの圧力側における絞り抵抗がかなり増大する。
サーボ弁はサーボモータがそもそもサーボ力を発生する
必要がないときにだけ基本位置ないしオープンセンタ位
置に置かれる。従ってサーボ弁が基本位置ないしオープ
ンセンタ位置にあるときに生ずるような或る時間にわた
って維持される電動機の低い負荷は、低速回転数による
運転状態に即ちスタンド・バイ運転に移行しても差し支
えないという確かな印である。他方では本発明の場合、
サーボ力が必要とされるかあるいは望まれる運転状態が
どんな場合でも認識されることが確実に保証される。何
故ならばサーボモータの負荷が僅かに上昇した際に既に
下側敷居値が超過され、その結果、高速回転数に移行さ
れ、液圧ポンプが大きなサーボ力を発生するためにも十
分である相応した高速回転数で運転される。
【0008】本発明の特別な利点は、下側敷居値の超過
が実際に遅れなしに検出され、従って非常に速く高速回
転数に移行されることにある。それに応じて本発明に基
づいて形成された自動車のパワーステアリング装置はそ
の都度サーボ力(支援力)を発生するために、これが運
転手の側から必要とされる前に既に用意される。即ち本
発明に基づくパワーステアリング装置は常に大きな快適
性を提供する。
【0009】ここでは、下側敷居値の超過を認識するた
めに電動機の消費電流ないし消費電力の時間的な平均値
を全く形成する必要がないという利点が生ずる。
【0010】本発明の特に有利な実施態様において、電
動機の回転数が低速回転数に移行する際に時間的に遅ら
せて調整ないし制御して低下され、その場合、電動機の
消費電流ないし消費電力が回転数低下中に先行の消費電
流ないし消費電力の値を所定のないしは予め与え得る僅
かな差より大きく超過したとき、直ちに高速回転数に切
り換えて戻されることを提案する。このようにして、高
速回転数から低速回転数への快適性を考慮したゆっくり
した移行が実現され、同時に、場合によって必要なサー
ボ力が遅れなしに用立てられることが保証される。
【0011】電動機の回転数の低下は、電動機の消費電
流ないし消費電力が所定のあるいは予め与え得る時間幅
にわたってほんの僅かしか変動せず、その場合サーボ弁
の基本位置(オープンセンタ)において高速回転数にお
ける電動機の消費電流ないし消費電流力の幾分(例えば
1Aだけ)上にある上側敷居値の下に維持されていると
きに行われる。
【0012】本発明において特に、上側敷居値と下側敷
居値が常に高速回転数ないしスタンド・バイ回転数にお
ける電動機の実際の消費電流ないし消費電力に合わされ
ることが有利である。これによって、電動機の消費電流
ないし消費電力が液圧媒体の温度変化およびそれに伴っ
て生ずる粘性変化および連続圧力変化に大きく影響され
ることが、考慮に入れられる。
【0013】外気温が低い場合に低温起動後に、液圧媒
体ができるだけ速く温められ、従って液圧ポンプが比較
的小さな抵抗に抗して運転できるような高い粘性の状態
を得ることを保証するために、高速回転数における電動
機の消費電流ないし消費電力が、液圧媒体の温度が例え
ば0°Cの場合における電動機の消費電流ないし消費電
力に相応する所定のないしは予め与え得る敷居値を下回
るまで、電動機を高速回転数で回転させることが有利で
ある。
【0014】更に、低い負荷要件の範囲において消費電
力および騒音の発生を減少するために電動機の高速回転
数を、予測される中間電圧において中間負荷(例えば最
大負荷が70Aの場合に35A)の電動機の回転数に相
応する調整された最大値に制限することが有利である。
この最大回転数制限の他の利点は、ステアリング装置の
サーボ弁が低い舵取り負荷から中間舵取り負荷までの範
囲において電圧に無関係の一定の油量を供給され、従っ
て舵取りハンドルに搬送量に関係したトルク変化が生じ
ないことである。
【0015】場合によっては、電動機の消費電流ないし
消費電力が所定のないしは予め与え得る時間幅にわたっ
てサーボ弁が最大に絞られるか閉じられた際に予測され
る最大値の近くで僅かしか変動しないとき、上側回転数
を減少された値に設定することを提案する。この基準
は、自動車のステアリング装置の場合においてステアリ
ング装置がストッパまで変位調整されストッパに保持さ
れている場合にだけ生ずる。何故ならばこのような場合
にだけ、パワーステアリング装置のサーボ弁はその最大
に絞られるか閉鎖された位置に到達する。いまこの状態
が長い時間維持されると、液圧媒体の望ましくない強い
加熱が生じてしまい、これはそのような場合に特に考慮
されている上側回転数の減少によって弱められる。同時
に液圧ポンプは過負荷を防止される。
【0016】なお本発明の有利な特徴について特許請求
の範囲並びに以下の図面を参照した実施例の説明を参照
されたい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下図を参照して本発明の有利な
実施例を詳細に説明する。
【0018】図1において詳細に図示されていない自動
車はタイロッド2などを介して舵取り歯車ラック3に機
械的に連結されている舵取り車輪1を有している。この
舵取り歯車ラック3は舵取り歯車ピニオン4並びに舵取
りハンドル軸5を介して舵取りハンドル6に連動接続さ
れている。即ち舵取り車輪1は基本的に公知のようにし
て舵取りハンドル6によって制御される。
【0019】舵取り歯車ラック3は複動ピストン・シリ
ンダ装置7として形成されている液圧サーボモータのピ
ストンロッドの一部を形成している。そのサーボモータ
の作動室は一般的なサーボ弁10のサーボモータ接続口
8、9に接続されている。ピストン・シリンダ装置7の
両側はそれぞれサーボ弁10を介して液圧ポンプ11の
圧力側および又は相対的に無圧の液圧媒体溜まり12に
制御して接続できる。液圧媒体溜まり12には液圧ポン
プ11の吸込み側も連通している。
【0020】基本的な一般的なサーボ弁10は、液圧ポ
ンプ11の圧力接続口13から液圧媒体溜まり12に通
じている一つの入口絞り14ないし15と一つの出口絞
り16ないし17とを備えた二つの絞り装置を有してい
る。これらの絞り14〜17は公知のようにしてサーボ
弁10のスプール側制御縁とハウジング側制御縁との間
の制御隙間として形成されている。なお絞り14〜17
はそれぞれ同期調整され、それぞれ入口絞り14、15
の一方の絞り抵抗が増大し、その際に他方の入口絞りの
絞り抵抗が同時に減少し、出口絞り16、17の絞り抵
抗も同様に反対に、それらに付属して入口絞り14、1
5と逆向きに変化される。これは絞り14〜17におけ
る逆平行矢印によって記号的に示されている。
【0021】サーボ弁10のセンタ位置においてすべて
の絞り14〜17はほぼ同じ小さな絞り抵抗を有してい
る。即ち液圧ポンプ11によって搬送される液圧媒体は
互いに対称的な流れ経路を通ってほとんど絞られずに液
圧媒体溜まり12に流れる。その場合、互いに対応した
入口絞り14、15と出口絞り16、17との間に接続
されているサーボモータ接続口8、9には同じ圧力状態
が存在している。従ってピストン・シリンダ装置7の両
側には同じ(小さな)液圧が作用し、この結果、ピスト
ン・シリンダ装置7は全く調整力を発生しない。サーボ
弁10のこの状態は「オープンセンタ」とも呼ばれる。
【0022】サーボ弁10がオープンセンタ位置から離
れるや否や、一つの入口絞り例えば14および他方の絞
り装置の出口絞り例えば17の絞り抵抗が増大され、残
りの他の絞り15、16の絞り抵抗が減少される。従っ
て圧力接続口13から液圧媒体溜まり12への非対称な
流れ経路が生じ、この結果、サーボモータ接続口8、9
に明らかに異なった液圧が存在し、上述の例の場合、サ
ーボモータ接続口9における液圧がサーボモータ接続口
8における液圧より明らかに高くなる。従ってピストン
・シリンダ装置7の両側間に相応した圧力差が存在し、
この圧力差はピストン・シリンダ装置7の相応した調整
力を生ずる。
【0023】サーボ弁10が終端位置に制御して置かれ
ると、一つの入口絞り14、15例えば入口絞り14お
よびその他方の絞り装置に付属された出口絞りこの場合
には出口絞り17が閉じる。これによって一方では液圧
ポンプ11の圧力接続口13がサーボ弁10を介して決
して液圧媒体溜まり12に接続されず、更にサーボモー
タ接続口8、9間に、従ってピストン・シリンダ装置7
の両側間に非常に高い圧力差が作用し、この圧力差はピ
ストン・シリンダ装置7の相応した大きな調整力を生
じ、更に圧力制限弁18が開き、液圧ポンプ11によっ
て搬送される液圧媒体がこの圧力制限弁18を通して液
圧ポンプ11の吸込み側に戻される。
【0024】サーボ弁10の制御は基本的に公知のよう
にして舵取りハンドル6と舵取り車輪1との間を伝達さ
れる力ないしトルクに関係して行われる。そのために例
えば舵取りハンドル軸5はばね力に抗して限られた範囲
で相対回転できる軸部分5′、5″を有し、それらの相
対回転がサーボ弁10にそれを制御するために伝達され
る。
【0025】本発明に基づいて液圧ポンプ11は回転数
調整装置20を有する電動機19によって駆動される。
その回転数調整装置20は電動機19の消費電流ないし
消費電力を表す信号を発する第1のセンサ21に対する
入力端を有している。電動機19が給電のために(電圧
が負荷に無関係にほとんど一定に維持されている)バッ
テリ22あるいは他の電源に接続されているとき、セン
サ21は電流計として形成され、ただ電動機に導入され
る電流の強さを検出するだけで足りる。
【0026】たとい給電ケーブルにおける損失のために
電動機の端子において負荷に関係して電圧降下が生じて
も、本発明に基づく電動機制御に対しては、その電圧降
下は負荷のために高速回転数に切り換えられた後ではじ
めて生ずるので、消費電流を感知することしか必要とさ
れない。
【0027】更に回転数調整装置20は入力側に第2の
センサ23が接続されている。この第2のセンサ23は
電動機19の回転数を検出し、例えばタコメータとして
形成されている。回転数調整装置20は出力側が電動機
制御装置24に、回転数調整装置20が後述するように
電動機19を種々の回転数レベルに置くかないしはその
回転数レベルに保つように、接続されている。
【0028】特に図2を参照して後述する特色のある運
転状態が生ずる。図2には電動機19の消費電流Iが時
間tに関して示されている。
【0029】時点t0と時点t1との間で電動機19は
例えば1000rpmの低速回転数で回転し、サーボ弁
10はオープンセンタ位置にあり、液圧媒体は標準の運
転温度を有している。その電動機19の消費電流は或る
限度内で液圧媒体の温度に関係して変化する値I0を中
心として僅かに変動する。液圧媒体の粘性はその温度上
昇に伴って増大する。電動機19が不変の低速回転数で
回転している場合にいま(例えば図2において時点t1
の後で)サーボ弁10がオープンセンタ位置から幾分変
位したとき、液圧ポンプ11の圧力側における液圧抵抗
が増大し、この結果、電動機19の回転数が回転数調整
装置20によって一定に維持されていることに基づい
て、その消費電流も明らかに増大しなければならず、い
ずれにしても値I0のすぐ上に、例えば値I0より約1
Aだけ上にある値I1を超過しなければならない。
【0030】時点t2と時点t3との間で電動機19は
例えば3000rpmの一定高速回転数で回転し、サー
ボ弁10はオープンセンタ位置をとり、更に液圧媒体は
中間温度を有している。このような場合において、電動
機19の消費電流は液圧媒体の温度に関係して上下する
値I2を中心として僅かに変動する。時点t3の後でサ
ーボ弁10がいまオープンセンタ位置から離れる。この
結果、電動機19の消費電流は急激に増加し、いずれに
しても値I2より僅かに例えば約1Aだけ上にある値I
3を超過する。
【0031】時点t4と時点t5との間で電動機19は
上述の高速回転数に維持され、更にサーボ弁10はオー
プンセンタ位置をとり、しかも液圧媒体は極めて低い温
度例えば−30°Cの温度を有する。この場合において
電動機19の消費電流はさしあたり非常に高い値I4を
中心として変動する。この値I4ははじめ正に明らかに
値I5の上にある。電動機19の消費電流は液圧媒体の
温度が増大するにつれてその値I5に近づき、液圧媒体
の温度が一層増大して液圧媒体の温度が中間温度値まで
上昇されるや否や、その値I5を下回る。
【0032】いま図3を参照して、外気温が非常に低く
従って液圧媒体が冷たい場合における自動車の始動後に
おける代表的な運転経過を説明する。図には電動機19
の消費電流Iが時間tに関して示されている。
【0033】時点tAにおいて自動車エンジンのスター
タが作動され、このスタータは時点tBにおいて始動し
自動的に回転する。基本的に一般的なエンジン調整装置
がその間に自動車エンジンの無負荷回転を安定し終えて
いる短い遅延時間経過後に、時点tCにおいて電動機1
9が自動的に動き始め、その場合、回転数調整装置20
が電動機19をまず高速回転数に投入する。従って電動
機19の消費電流が時点tC後に急激に増加し、いずれ
の場合にも液圧媒体が非常に冷たいことによりI5を超
過する。いま時点tDと時点tEとの間で舵取り操作が
行われたとき、サーボ弁10がその液圧的中立位置から
ずらされ、電動機19の消費電流Iが非常に大きく変動
する。舵取り操作が行われず、舵取り車輪1に全く障害
力が作用しないとき、サーボ弁10はオープンセンタ位
置をとり、この結果、電動機19の消費電流はほんの僅
かしか変動せず、液圧媒体の温度がはじめなお極めて低
いために値I5の上の高い値を有している。
【0034】高速回転における暖機運転後にはじめて、
例えば0°Cの液圧媒体における電動機19の消費電流
に相応した上述の値I5が下回される。これは、高速回
転数における電動機の消費電流ないし消費電力によって
下回されねばならない上述したような上側敷居値の相応
した初期値によって達成され、これによって回転数を低
下するための条件が満たされる。
【0035】自動車を再始動するごとに、上側敷居値は
この初期値I5に設定される。これによって、液圧媒体
が温められたときだけ回転数低下が行われること、およ
び電動機の回転数調整装置に対して明白に規定された状
態が存在することが保証される。
【0036】これによって時点tFの後にはじめて、サ
ーボ弁10がセンタ位置にとどまっている場合に消費電
流が敷居値I5の下側にある値I6を中心として僅かに
変動する運転相が生ずる。
【0037】この場合敷居値I5が十分に大きく下回さ
れ、所定の時間幅にわたって消費電流の僅かな変動が存
在するとき、回転数調整装置20が電動機19の回転数
を後述するようにして低い回転数に低下する。
【0038】図4は液圧媒体の中間温度における関係を
示している。時点tAにおいて自動車エンジンのスター
タが作動される。自動車エンジンは時点tBで自動的に
回転し始める。所定の遅延時間経過後に、回転数調整装
置20が電動機19を時点tCで投入し、これを再び高
速回転数にする。液圧媒体の温度が高いことにより値I
5は、サーボ弁10がオープンセンタ位置から離れた位
置をとったときだけ、即ち舵取り操作が行われたときだ
け超過される。舵取り操作が行われない場合あるいは舵
取り操作の終了後に、時点tGにおいて消費電流Iは値
I2を中心として僅かに変動する。この値I2は回転数
調整装置20に敷居値として記憶された値I3の下にあ
る。所定の時間幅にわたってこのような状態が生じたと
き、回転数調整装置20は電動機19の回転数を後述す
るようにして低い回転数に低下する。
【0039】外気温が低いときにエンジンを低温始動し
た後において、I3は値I5に相応する(図3参照)。
【0040】図5を参照して、電動機19の高速回転数
から低速回転数への回転数の低下についておよび電動機
の消費電流の実際に温度に関係した実際値への上側敷居
値および下側敷居値の整合について説明する。
【0041】まず図5を参照して電動機19の高速回転
数から低速回転数への回転数の低下について説明する。
舵取り操作の際に電動機19は高速回転数で回転し、大
きく変動する非常に高い消費電流を有する。舵取り操作
の終了後にはじめに時点tLにおいて、舵取り操作が行
われていないのでサーボ弁10がオープンセンタ位置に
とどまっている運転相が開始する。この結果、一時的に
なお高速回転数で回転する電動機19の消費電流は、比
較的低い値ILを中心としてほんの僅かに変動する。こ
の値ILは、先行の運転相において決定され例えば値I
5あるいは値I3と同じである上側敷居値ISの幾分下
に位置している。この状態が十分長い時間継続した場
合、サーボ弁10がオープンセンタ位置にとどまってい
るので、回転数調整装置20が電動機19の回転数を低
下する。消費電流がそれを中心として変動していた平均
値ILから、続く運転のために、ISを最後に記憶して
以後に液圧媒体が温まった場合に相応して減少された新
たな敷居値IS1が求められ、記憶される。即ち
【数1】(IS1=IL+IAbstand) (例えばIAbstand=1A)
【0042】ISを最後に記憶した以後における液圧媒
体の冷却に対して、次の二つの場合が区別される。 1.僅かな冷却 : 電流値ILがISを下回るが、値
ISを求めた時点より高い。即ちIS−IAbstan
d<IL<IS)。相応して増大された敷居値IS1が
求められ記憶される。 2.顕著な冷却 : 電流値ILがISを超過する。即
ちIL>IS。この状態は後述する。
【0043】回転数低下は時点tQでまず非常に大きな
変化速度で、次いで次第に減少する変化速度で行われ
る。従って電動機19の消費電流はまず急速に減少し、
次いでゆっくり減少する。電動機の実際の消費電流の低
下に相似して連続的に曲線KSに応じて敷居値が決定さ
れる。この敷居値は実際の消費電流より僅か上に例えば
1Aだけ上にある。
【0044】この過程中にいま舵取り操作を行おうとす
るとき、サーボ弁10がそのオープンセンタ位置から変
位され、この結果必然的に、電動機の消費電流が衝撃的
に曲線KSのその都度の実際値を超過する。そして回転
数調整装置20が電動機19を再び直ちに高速回転数に
切り換え、上述の経過が繰り返される。
【0045】舵取り操作が行われず、従ってサーボ弁1
0が常にオープンセンタ位置にとどまっているとき、例
えば時点tMで低い回転数が得られる。いまサーボ弁1
0の位置が変化しないとき、電動機19の実際の消費電
流はほんの僅かに、場合によって温度に関係してゆっく
り変化する非常に僅かな値だけ変動する。その場合(液
圧媒体の温度が上昇するとき)実際の消費電流の曲線K
Sは顕著な遅れなしに下向きに延びる。(液圧媒体の温
度が下がるとき)曲線KSは上向きに長時間にわたって
しか延びない。
【0046】これによって、舵取り操作に基づいてサー
ボ弁10がオープンセンタ位置から離れたときに直ち
に、曲線KSのその都度の実際値が電動機19の実際の
消費電流によって下回されることが確実に保証される。
【0047】その後の舵取り操作の際に回転数調整装置
20が電動機19を、最後に記憶された敷居値IS1が
十分に長く下回されたときにはじめて再び低速回転数の
方向に制御する。
【0048】これが電動機19の実際の消費電流がほん
の僅かしか変動しない比較的長い時間幅にわたって行わ
れないと(これは長い直線走行のために低速回転数にお
いて液圧媒体が冷める際に生ずる)、回転数調整装置2
0が最後に求められた敷居値ISを、長い時間をかけて
回転数を低い値に下げることを可能にするためにゆっく
りと高める。前記の敷居値ISのゆっくりとしか行われ
ない上昇によって、自動車のいわゆる連続的な旋回走行
が敷居値の永続的変化を生じないことが保証される。そ
のような連続的な旋回走行は、舵取り車輪1のほとんど
一定に保たれる舵取り角度およびほぼ一定にとどまって
いる舵取り力によって特徴づけられ、その結果、サーボ
弁10はオープンセンタ位置に対して僅かに変位された
位置を長い時間にわたって変わらずにとる。従って電動
機19の実際の消費電流も高められたレベルにおいてほ
んの僅かしか変動しない。前述の敷居値ISのゆっくり
した上昇によって、これは時間的に長い連続的な旋回走
行の場合もほんの僅かしか変化しない。本質的にこれ
は、電動機19が高速回転であり且つサーボ弁10がオ
ープンセンタ位置にある場合に生ずるレベルの近くにと
どまっている。
【0049】ステアリング装置が長い時間にわたって終
端位置に保持されるとき、サーボ弁10は相応して長い
時間にわたって、圧力接続口13がサーボ弁10を介し
て液圧媒体溜まり12に連通できない閉鎖状態にとどま
る。液圧ポンプ11によって搬送される液圧媒体は圧力
制限弁18を介して連続的に直接液圧ポンプ11の吸込
み側に流れ、非常に速く温まる。この状態は電動機19
の消費電流Iに関して、消費電流が永続的に極めて高い
値にとどまっていることによって特徴づけられる。これ
が或る時間幅にわたって持続されたとき、回転数調整装
置20は高速回転数をまず減少した値に下げる。これは
ちなみに電動機19の消費電流に関して、液圧ポンプ1
1が依然として大きな液圧抵抗に抗して作動されねばな
らないので、非常に僅かにしか影響を与えない。それに
もかかわらず、液圧媒体の予想される加熱は少なくとも
遅らされる。
【0050】いま続いて舵取り操作が終了した際にサー
ボ弁10が再び或る時間幅にわたってオープンセンタ位
置をとるとき、電動機19の実際の消費電流Iが最後の
上側敷居値IS1以下に下がり、この結果、回転数調整
装置20が回転数を低い値に下げることができる。回転
数低下中に舵取り操作が行われたとき、これは、曲線K
Sのその都度最後の値の上昇補正がゆっくりしか許され
ず、即ち大きな時間間隔でしか許されないので、電動機
19の実際の消費電流Iを再び強く増加し、従って曲線
KSのその都度の実際の値を超過する。この超過は、回
転数調整装置20が電動機19を再び急速に高速回転数
(例えば3000rpm)にするようにする。
【0051】基本的には回転数調整装置20は、自動車
において別の目的のためにもともと存在している他のセ
ンサの信号を評価するためにも設計できる。そのような
信号は電動機19の負荷に関係する回転数調整に対して
直接必要とされない。しかしその信号は、回転数調整装
置20が常に自動的に正しい機能について検査できるよ
うに、その都度投入された状態の容認性を検査するため
に関与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づくパワーステアリング装置の基本
的な概略構成図。
【図2】種々の運転条件における電動機の消費電流の特
性線図。
【図3】外気温が非常に低く従って液圧媒体の粘性が大
きい場合における電動機の消費電流の時間的な経過を示
す線図。
【図4】標準の温度状態および標準の液状液圧媒体にお
ける図3に相応した線図。
【図5】電動機の回転数を高い値から低い値に下げる運
転相を表す線図。
【符号の説明】
10 サーボ弁 19 電動機 20 回転数調整装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウヴエ クーツ ドイツ連邦共和国 71069 ジンデルフイ ンゲングリユーンエツカーシユトラーセ 25

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オープン基本位置形ないしオープンセン
    タ形のサーボ弁によって液圧ポンプの圧力側並びに吸込
    み側ないし相対的に無圧の液体溜まりに制御して接続で
    きる液圧サーボモータおよび液圧ポンプを駆動する電動
    機を備えた液圧式サーボ制御装置特に自動車の液圧式パ
    ワーステアリング装置において、 電動機(19)がその消費電流ないし消費電力(I)に
    関係して作動する回転数調整装置(20)を有し、この
    回転数調整装置(20)がほぼ一定の低速回転数の運転
    モード(スタンド・バイ運転)とほぼ一定の高速回転数
    の運転モード(負荷運転)との間で自動的に切り換わ
    り、その場合、 − 低速回転数における電動機(19)の消費電流ない
    し消費電力(I)が、低速回転数において予測される電
    動機(19)の消費電流ないし消費電力(I)の第1の
    最小値の幾分上にある下側敷居値を超過したとき、高速
    回転数への切換が行われ、 − 高速回転数における電動機(19)の消費電流ない
    し消費電力(I)が予め与え得る時間幅にわたってほん
    の僅かしか変動せず、高速回転数において予測される電
    動機(19)の消費電流ないし消費電力(I)の第2の
    最小値のすぐ上にある上側敷居値の下にとどまるとき、
    低速回転数への低下が行われる、ことを特徴とする液圧
    式サーボ制御装置特に自動車の液圧式パワーステアリン
    グ装置。
  2. 【請求項2】 電動機(19)の回転数が低速回転数に
    移行する際に時間的に遅らせて調整ないし制御されて低
    下され、その場合電動機(19)の消費電流ないし消費
    電力(I)が回転数低下中に先行の消費電流ないし消費
    電力の値を所定のないしは予め与え得る僅かな差より大
    きく超過したとき、直ちに高速回転数に戻されることを
    特徴とする請求項1記載のサーボ制御装置。
  3. 【請求項3】 電動機(19)が高速回転数に切り換え
    る際に強く加速されることを特徴とする請求項1又は2
    記載のサーボ制御装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも低い外気温の場合に、自動車
    を駆動するために使用するモータの始動後に、所定のな
    いしは予め与え得る遅延時間の経過後に、電動機(1
    9)が運転し始めることを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれか1つに記載のサーボ制御装置。
  5. 【請求項5】 高速回転数において電動機(19)の消
    費電流ないし消費電流力(I)が、液圧媒体の温度が例
    えば0°Cの場合に高速回転数において予測される電動
    機の消費電流ないし消費電力に相応する所定のないしは
    予め与え得る敷居値を初めて下回るまで、電動機(1
    9)が高速回転数に維持されることを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれか1つに記載のサーボ制御装置。
  6. 【請求項6】 下側敷居値が(初期値で始まり)変動す
    る運転状態に整合して自動的に変更され、低速回転数に
    おいて電動機(19)の消費電流ないし消費電力が僅か
    しか変動しない所定のないしは予め与え得る時間間隔の
    経過後に、前記の時間間隔中の消費電流ないし消費電力
    の値の僅か上にある新たな下側敷居値が設定されること
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の
    サーボ制御装置。
  7. 【請求項7】 低速回転数において電動機(19)の消
    費電流ないし消費電力(I)が下降する傾向にある場
    合、消費電流ないし消費電力が僅かしか変動しないと
    き、下側敷居値の相応した速い低下が行われることを特
    徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載のサー
    ボ制御装置。
  8. 【請求項8】 低速回転数において電動機(19)の消
    費電流ないし消費電力(I)が上昇する傾向にある場
    合、非常にゆっくりした舵取り運動も下側敷居値の超過
    によって認識できるようにするために、下側敷居値のゆ
    っくりした上昇しか行われないことを特徴とする請求項
    1ないし7のいずれか1つに記載のサーボ制御装置。
  9. 【請求項9】 上側敷居値が(初期値で始まり)変動す
    る運転状態に整合して自動的に変更され、液圧媒体が低
    温(例えば0°C)である場合に高速回転数において予
    測される電動機(19)の最小の消費電流ないし消費電
    力(I)のすぐ上にある上側初期敷居値がまず設定され
    ることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに
    記載のサーボ制御装置。
  10. 【請求項10】 電動機の回転数を低速回転数に低下す
    る前に新たな上側敷居値が設定され、この新たな上側敷
    居値が、所定の時間幅にわたって電動機の消費電流ない
    し消費電力のほんの僅かな変動が示されていた先行の運
    転過程中における電動機の消費電流ないし消費電力
    (I)の値のすぐ上にあることを特徴とする請求項1な
    いし9のいずれか1つに記載のサーボ制御装置。
  11. 【請求項11】 電動機の高速回転数が、予測される中
    間電圧において中間負荷(例えば最大負荷が70Aの場
    合に35A)の電動機の回転数に相応する調整された最
    大値に制限されることを特徴とする請求項1ないし10
    のいずれか1つに記載のサーボ制御装置。
  12. 【請求項12】 上側回転数に対して、電動機(19)
    の消費電流ないし消費電力(I)が所定のないしは予め
    与え得る時間幅にわたってサーボ弁(10)が最大に絞
    られるか閉じられた際に予測される最大値の近くになっ
    たとき、減少された値が設定されることを特徴とする請
    求項1ないし11のいずれか1つに記載のサーボ制御装
    置。
  13. 【請求項13】 消費電流ないし消費電力が続いて低下
    した際、サーボ弁が僅かに絞られた位置に置かれること
    により、上側回転数が再び元来の(高い)値に設定され
    ることを特徴とする請求項12記載のサーボ制御装置。
  14. 【請求項14】 回転数調整装置(20)が自動車の他
    の目的のためにも評価すべき補助的な運転パラメータを
    評価するための入力を有していることを特徴とする請求
    項1ないし13のいずれか1つに記載のサーボ制御装
    置。
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