JPH1086258A - 消臭抗菌性シートおよびその製造方法並びにそれを用いた置物 - Google Patents

消臭抗菌性シートおよびその製造方法並びにそれを用いた置物

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JPH1086258A
JPH1086258A JP8240754A JP24075496A JPH1086258A JP H1086258 A JPH1086258 A JP H1086258A JP 8240754 A JP8240754 A JP 8240754A JP 24075496 A JP24075496 A JP 24075496A JP H1086258 A JPH1086258 A JP H1086258A
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JP
Japan
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sheet
ptfe
dispersion
layer
titanium oxide
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JP8240754A
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Inventor
Tadanori Domoto
忠憲 道本
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化チタンの優れた消臭抗菌作用を充分発揮
させることができ、屈曲性に優れ、割れおよび欠けの発
生が防止され、表面面積が大きい消臭抗菌性シートを提
供する。 【解決手段】 PTFEディスパージョンを担体上に塗
布し、加熱により前記ディスパージョン中の分散溶媒の
蒸発除去とPTFEの焼成を行って第1のPTFE層を
形成し、この層上に、酸化チタン粒子およびガス吸着剤
を含有するPTFEディスパージョンを塗布し、加熱に
より前記ディスパージョン中の分散溶媒の蒸発除去とP
TFEの焼成を行い第2のPTFE層を積層形成して2
層構造の積層シートを作製し、この積層シートを前記担
体から剥離し、ついで前記積層シートを延伸処理により
多孔質化して消臭抗菌性シート1を作製する。このシー
トは、第1のPTFE多孔質層1bの層上に酸化チタン
粒子およびガス吸着剤等の添加剤4を含有する第2のP
TFE多孔質層1aが積層形成されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消臭抗菌性シート
およびその製造方法並びにそれを用いた観葉植物を模し
た置物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、脱臭剤および抗菌剤として、
光触媒が注目され、一部で使用されている。光触媒は、
光の吸収により電子が励起され、これが接近する有機物
や微生物を酸化作用により分解するものである。したが
って、光さえあれば光触媒作用に寿命はなく、半永久的
に消臭抗菌効果が得られる。前記光触媒としては、酸化
チタンが、他の光触媒に比べ優れた性能を有するため、
汎用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな酸化チタンの優れた消臭抗菌機能を充分に発揮させ
るには、従来の技術では種々の問題がある。
【0004】すなわち、まず、酸化チタンをそのまま用
いるのではなく、他の材料に混合して消臭抗菌性材料と
して使用する場合、前述のように、酸化チタンの有する
強力な光触媒作用によりほとんどの有機物を分解するた
め、前記材料の選定が問題となる。例えば、酸化チタン
をバインダーで接着して消臭抗菌性材料とする場合、前
記バインダーとしては、ガラス、セラミック、タイル等
の無機材料が一般的に使用される。しかし、無機材料を
バインダーとすると、屈曲性が無くなり、材料形状を自
由に変形できず、また割れや欠け等の問題が生じる。こ
の問題を解決するためには、バインダーとして高分子材
料を使用する必要があるが、酸化チタンに耐性がある高
分子材料は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(以下
「PTFE」という)等の特定の高分子材料に限定され
る。他方、酸化チタンの光触媒作用を充分に発揮させる
ためには、材料表面からの酸化チタンの露出度を高くす
る必要がある。さらに、消臭効率を高めるためには、ガ
ス吸着剤を併用することが好ましく、この場合、消臭抗
菌性材料の表面面積を大きくする必要がある。このた
め、酸化チタンを含有する消臭抗菌性材料の形態として
は多孔質シート状が好ましいが、前記PTFE等は、加
工性に問題がある。
【0005】本発明は、前記従来の問題を解決するため
になされたもので、酸化チタンの優れた消臭抗菌作用を
充分発揮させることができ、屈曲性に優れ、割れや欠け
の発生が防止され、表面面積が大きい消臭抗菌性シート
およびその製造方法並びにそれを用いた置物の提供を目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の消臭抗菌性シートは、第1のPTFE多孔
質層の層上に、酸化チタン粒子およびガス吸着剤を含有
する第2のPTFE多孔質層が積層形成されたものであ
る。
【0007】すなわち、本発明の消臭抗菌性シートは、
PTFEから形成された2層構造の多孔質積層シートで
あり、第1のPTFE多孔質層をシートの基層とし、こ
れに積層する第2のPTFE多孔質層を酸化チタン粒子
等を担持する層とすることにより、酸化チタン粒子を含
有するPTFEの多孔質シート化を実現している。この
結果、本発明の消臭抗菌性シートは、屈曲性を確保する
ことができ、割れおよび欠けも抑制される。また、本発
明の消臭抗菌性シートは、多孔質であるから、酸化チタ
ン粒子の露出度を高くすることができ、また表面面積も
大きくなる。したがって、本発明の消臭抗菌性シート
は、酸化チタンの光触媒作用を充分に発揮させることが
でき、またガス吸着剤の併用が可能となる。
【0008】本発明において、前記第2のPTFE多孔
質層が、さらに無機顔料を含有することが好ましい。こ
れは、後述のように、本発明の消臭抗菌性シートを用
い、観葉植物を模した置物等を作製する場合、前記シー
トを着色する必要があるからである。
【0009】また、本発明において、消臭抗菌性能をさ
らに高めるために、シートの空隙率が30%以上である
ことが好ましい。なお、前記空隙率とは、空気層と固体
層の重量比率をいい、下記の(数1)により算出でき
る。
【0010】
【数1】空隙率(%)=[1−(多孔質体の見かけ比重
/多孔質体の真比重)]×100 つぎに、本発明の消臭抗菌性シートの製造方法は、PT
FEディスパージョンを担体上に塗布し、加熱により前
記ディスパージョン中の分散溶媒の蒸発除去とPTFE
の焼成を行って第1のPTFE層を形成し、この層上
に、酸化チタン粒子およびガス吸着剤を含有するPTF
Eディスパージョンを塗布し、加熱により前記ディスパ
ージョン中の分散溶媒の蒸発除去とPTFEの焼成を行
い第2のPTFE層を積層形成して2層構造の積層シー
トを作製し、この積層シートを前記担体から剥離し、つ
いで前記積層シートを延伸処理により多孔質化するとい
う製造方法である。これによれば、酸化チタンを含有す
るPTFEを多孔質シート化することができる。
【0011】本発明において、得られる消臭抗菌性シー
トを着色するために、前記酸化チタン粒子およびガス吸
着剤を含有するPTFEディスパージョンが、さらに無
機顔料を含有することが好ましい。
【0012】本発明において、得られる消臭抗菌性シー
トの消臭抗菌性能をさらに高めるために、前記積層シー
トの延伸処理が、シートの空隙率が30%以上となるよ
うな延伸処理であることが好ましい。
【0013】つぎに、本発明の置物は、葉部と、これを
支持する支持部とからなる観葉植物を模した置物であっ
て、少なくとも前記葉部が、前記本発明の消臭抗菌性シ
ートから形成されている置物である。この観葉植物を模
した置物を室内に配置することにより、美観を損なうこ
となく、特別なエネルギーなしで室内光等により悪臭や
カビ等の微生物を排除することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明をさらに詳しく説
明する。本発明の消臭抗菌性シートの一例を、図1の断
面図に示す。図示のように、本発明の消臭抗菌性シート
1は、第1のPTFE多孔質層1bの層上に、酸化チタ
ン粒子およびガス吸着剤等の充填剤4を含有する第2の
PTFE多孔質層1aが積層形成された多孔質積層シー
トである。
【0015】前記酸化チタン粒子としては、最も優れた
光触媒活性を示すアナターゼ型を使用するのが好まし
く、その粒径は一般に、0.007〜0.5μmであ
り、好ましくは、0.01〜0.03μmである。前記
ガス吸着剤としては、例えば、ゼオライト、活性炭等が
使用できる。また、先に述べたように、本発明の消臭抗
菌性シートは、前記第2のPTFE多孔質層が無機顔料
を含有することが好ましい。前記無機顔料の色は、消臭
抗菌性シートの用途によって異なり、例えば、観葉植物
を模した置物の葉部の形成に使用する場合は、緑色とな
る。
【0016】そして、前記第2のPTFE多孔質層にお
いて、PTFE(A)、酸化チタン(B)およびガス吸
着剤(C)の割合は、重量比で、通常、A:B:C=8
〜4:1.5〜4:0.5〜2であり、好ましくは、
A:B:C=6:3:1である。また、無機顔料の割合
は、第2のPTFE多孔質層全体に対し、通常10重量
%以下であり、好ましくは3〜7重量%の範囲である。
【0017】つぎに、本発明の消臭抗菌性シートは、例
えば、つぎのようにして作製される。まず、PTFEデ
ィスパージョンを担体上に塗布する。前記ディスパージ
ョンの分散溶媒としては、例えば、水等があげられる。
また、前記ディスパージョンのPTFE濃度は、種々条
件により決定されるが、通常、40〜60重量%であ
る。前記担体としては、PTFE層の形成の際の加熱に
より変形を生じず、かつその上に形成されたシートが剥
離可能なものであれば、特に制限されない。このような
担体としては、金属箔や金属シートがあり、具体例とし
ては、ステンレス鋼箔等があげられる。そして、前記塗
布の方法としては、担体をPTFEディスパージョン中
に浸漬して引き上げる方法、スプレー塗布や刷毛塗り、
PTFEディスパージョンを担体上に流延する方法等が
あげられる。塗布量は、形成する第1のPTFE層の厚
みにより決定される。そして、加熱により、塗布したP
TFEディスパージョン中の分散溶媒を蒸発除去すると
ともにPTFEの焼成を行い、前記担体上に第1のPT
FE層を形成する。この加熱処理は、蒸発除去処理と焼
成処理とを一括して行ってもよいが、各処理毎に段階的
に行うことが好ましい。また、加熱処理の条件は、PT
FEディスパージョンのPTFE濃度等により適宜決定
されるが、通常、蒸発除去処理が90〜110℃で30
〜120秒間であり、これに続く焼成処理が温度370
〜390℃で30〜120秒である。
【0018】つぎに、前記第1のPTFE層の層上に、
酸化チタンおよびガス吸着剤を含有するPTFEディス
パージョンを塗布する。このディスパージョンの分散溶
媒は、前述のものが使用される。また、PTFEの濃度
は、種々の条件により決定されるが、通常、30〜50
重量%の範囲である。前記塗布の方法は、前述の第1の
PTFE層の形成時と同様の方法を採用できる。また、
このディスパージョンは、前述のように、必要に応じて
無機顔料を含有していてもよい。塗布量は、形成する第
2のPTFE層の厚みにより決定される。そして、加熱
により、塗布したPTFEディスパージョン中の分散溶
媒を蒸発除去するとともにPTFEの焼成を行い、前記
第1のPTFE層の層上に第2のPTFE層を積層形成
する。この加熱処理は、蒸発除去処理と焼成処理とを一
括して行ってもよいが、処理毎に段階的に行うことが好
ましい。また、前記加熱処理の条件は、PTFEディス
パージョンのPTFE濃度等により適宜決定されるが、
通常、蒸発除去処理が90〜110℃で30〜120秒
間であり、これに続く焼成処理が温度370〜390℃
で30〜120秒間である。このようにして、担体の上
に2層構造の積層シートを作製する。
【0019】つぎに、前記積層シートを担体から剥離
し、これをロール延伸機等により延伸処理して多孔質化
する。前記延伸処理は、特に制限するものではなく、一
軸延伸でも二軸延伸でもよい。また、延伸倍率は、得ら
れる消臭抗菌性シートの空隙率が、30%以上になるよ
うな倍率が好ましく、具体的には、通常2〜5倍であ
り、好ましくは3〜4倍である。
【0020】このようにして得られた本発明の消臭抗菌
性シートにおいて、通常、第1のPTFE多孔質層の厚
みが5〜50μmの範囲、第2のPTFE多孔質層の厚
みが5〜30μmの範囲、全体厚みが10〜80μmの
範囲である。
【0021】また、本発明の消臭抗菌性シートの空隙率
の特に好ましい範囲は、40〜60%である。そして、
本発明の消臭抗菌性シートの微細孔の平均孔径は、通常
0.05〜0.3μmの範囲であり、好ましくは0.1
〜0.2μmである。なお、本発明において、前記その
他の成分を使用する場合は、前記各PTFEディスパー
ジョン中に配合する。
【0022】本発明の消臭抗菌性シートは、このまま用
いることもできるが、樹脂製品の消臭抗菌性材料として
使用することもできる。例えば、本発明の消臭抗菌性シ
ートを用いて観葉植物を模した置物を作製してもよい。
図1に示すように、この置物は、幹部3と、これから分
岐する枝部2とで支持部を構成し、前記枝部2の先端に
葉部1が位置している。そして、この置物において、少
なくとも葉部1が、本発明の消臭抗菌性シートから形成
されている。なお、幹部3や枝部2は、通常、その他の
樹脂材料を用いて形成されるが、本発明の消臭抗菌性シ
ートから形成してもよい。前記その他の樹脂材料として
は、例えば、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂等があ
げられる。そして、この観葉植物を模した置物は、本発
明の消臭抗菌性シートおよび必要に応じ他の樹脂材料を
用い、一般の樹脂の成形加工法により作製される。
【0023】本発明の観葉植物を模した置物を室内に置
けば、室内光による光触媒作用により消臭抗菌効果を得
ることができ、室内の環境が衛生的かつ快適なものとな
る。なお、本発明の消臭抗菌性シートを用いた構造物
は、前記観葉植物を模した置物に限定されず、この他、
例えば、人工芝等があげられる。
【0024】
【実施例】つぎに、実施例について比較例と併せて説明
する。 (実施例1)厚み50μmのステンレス鋼箔(担体)
を、PTFE濃度40重量%の水性ディスパージョン
(旭アイシーアイフロロポリマーズ社製、フルオンAD
−1)中に浸漬して引き上げ、温度110℃で60秒間
加熱して水を除去し、ついで温度390℃で90秒間加
熱することによりPTFEを焼成した。この一連の操作
を4回繰り返し、厚み40μmの第1のPTFE層を前
記ステンレス鋼箔の上に形成した。つぎに、アナターゼ
型酸化チタン粒子(石原産業社製、商品名ST−0
1)、活性炭粉末(二村化学工業社製、太閤Sタイプ)
および緑色無機顔料(大日精化工業社製、ダイピロキサ
イドカラー)を準備した。そして、PTFE濃度40重
量%のPTFE水性ディスパージョン(旭アイシーアイ
フロロポリマーズ社製、フルオンAD−1)中に前記酸
化チタン粒子を30重量%(固形分)、前記活性炭粉末
を10重量%(固形分)および前記緑色無機顔料を1重
量%(固形分)の割合で配合し充分に攪拌した。このP
TFE水性ディスパージョン中に、第1のPTFE層が
形成された前記ステンレス鋼箔を浸漬し引き上げた。そ
して、温度110℃で60秒間加熱して水を蒸発除去
し、ついで温度390℃で90秒間加熱した。この一連
の操作を再度繰返し、前記第1のPTFE層の層上に厚
み15μmの第2のPTFE層を形成した後、前記ステ
ンレス鋼箔を剥離して、2層構造の積層シートを得た。
この積層シートを130℃雰囲気のロール延伸機で縦方
向に3倍延伸し、多孔質積層シート(消臭抗菌性シー
ト)を作製した。この多孔質積層シートの厚みは40μ
mであり、空隙率は45%であった。
【0025】この多孔質積層シートについて、以下に示
すように悪臭物質の分解試験を行なった。すなわち、ま
ず、15Wブラックライト(市販品)を配置した内容積
4リットルの密閉容器の中に、多孔質積層シート(5c
m×5cm)を、その第2のPTFE多孔質層(酸化チ
タン粒子含有)の表面が前記ブラックライトに向くよう
に配置した。そして、この密閉容器中に、悪臭物質(ト
リメチルアミン)100ppmを注入した後、前記ブラ
ックライトを点灯し1mW/cm2 の紫外光を前記多孔
質積層シートに照射した。照射開始30分後、ガスクロ
マトグラフを用いて、前記容器内のトリメチルアミンの
濃度を測定した。その結果、トリメチルアミン濃度は5
ppmに低下していた。さらに、前記トリメチルアミン
の注入およびブラックライト点灯を前記と同条件で3回
繰返したところ、トリメチルアミン濃度は8ppmまで
低下した。
【0026】他方、前記ブラックライトを点灯せずに、
前記と同様の条件で悪臭物質の分解試験を行った。その
結果、光のない場合もトリメチルアミンの濃度は、10
ppmに減少した。さらに、前記トリメチルアミンの注
入を光の無い状態で前記と同条件で3回繰返したとこ
ろ、トリメチルアミン濃度は40ppmにしか低下しな
かった。
【0027】つぎに、前記多孔質積層シートについて、
以下に示すように大腸菌を用い、抗菌性試験を行なっ
た。すなわち、まず、大腸菌濃度105 個/mlの菌液
0.5mlを多孔質積層シート(5cm×5cm)の第
2のPTFE多孔質層表面に滴下し、前記ブラックライ
ト(紫外線強度0.1mW/cm2 )を照射した。その
後、寒天培養によりコロニー数を測定した結果、1時間
で10個以下に減少していた。なお、光照射を行わない
場合は、3時間後でも、大腸菌数は105 個であり、ほ
とんど減少していなかった。
【0028】(実施例2)実施例1と同様にして2層構
造のPTFE積層シートを作製した。このシートを、1
30℃雰囲気のロール延伸機により、縦方向に2倍、幅
方向に2倍に延伸して多孔質化した。得られた多孔質積
層シートの厚みは35μmであり、空隙率は55%であ
った。
【0029】この多孔質積層シート(消臭抗菌性シー
ト)について、実施例1と同様にして悪臭物質の分解試
験と大腸菌の抗菌性試験を行なった。その結果、ブラッ
クライト点灯下でトリメチルアミン濃度は3ppmに減
少し、大腸菌も1時間で10個以下となった。
【0030】(比較例1)実施例1と同様にして2層構
造の積層シート(厚み55μm、空隙率7%)を作製
し、これについて、実施例1と同様にして悪臭物質の分
解試験と大腸菌の抗菌性試験を行なった。なお、この積
層シートは未延伸のものである。
【0031】その結果、ブラックライト点灯下でトリメ
チルアミン濃度は30分で30ppmまでにしか低下せ
ず、大腸菌も10個以下になるまでに3時間かかった。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明の消臭抗菌性シー
トは、第1のPTFE多孔質層の層上に、酸化チタン粒
子およびガス吸着剤を含有する第2のPTFE多孔質層
が積層形成されたものである。
【0033】このように、本発明の消臭抗菌性シート
は、酸化チタン粒子を含有するPTFEの多孔質シート
化を実現したものである。この結果、本発明の消臭抗菌
性シートは、屈曲性を確保することができ、割れおよび
欠けも抑制され、また、多孔質であるから、酸化チタン
粒子の露出度を高くすることができ、また表面面積も大
きくなる。したがって、本発明の消臭抗菌性シートは、
酸化チタンの光触媒作用を充分に発揮させることがで
き、またガス吸着剤の併用が可能となるため、優れた消
臭抗菌効果が得られるものである。
【0034】また、本発明の消臭抗菌性シートは、屈曲
性があることから、いろいろな形状に成形加工すること
ができる。したがって、本発明の消臭抗菌性シートは、
そのまま使用することもできるが、これを用いて、例え
ば、観葉植物を模した置物や人工芝等を作製できる。そ
して、この観葉植物を模した置物等により、景観を失わ
ず半永久的に消臭および抗菌効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の消臭抗菌性シートの一実施例の断面図
である。
【図2】本発明の消臭抗菌性シートを用いて作製した観
葉植物を模した置物の一実施例である。
【符号の説明】
1 消臭抗菌性シート 1a 第2のPTFE多孔質層 1b 第1のPTFE多孔質層 2 枝部 3 幹部 4 充填剤
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 27/18 B32B 27/18 F 27/20 27/20 A // B29K 27:12 105:04 105:16 B29L 9:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のポリテトラフルオロエチレン樹脂
    多孔質層の層上に、酸化チタン粒子およびガス吸着剤を
    含有する第2のポリテトラフルオロエチレン樹脂多孔質
    層が積層形成された消臭抗菌性シート。
  2. 【請求項2】 第2のポリテトラフルオロエチレン樹脂
    多孔質層が、さらに無機顔料を含有する請求項1記載の
    消臭抗菌性シート。
  3. 【請求項3】 シートの空隙率が30%以上である請求
    項1または2記載の消臭抗菌性シート。
  4. 【請求項4】 ポリテトラフルオロエチレンディスパー
    ジョンを担体上に塗布し、加熱により前記ディスパージ
    ョン中の分散溶媒の蒸発除去とポリテトラフルオロエチ
    レンの焼成を行って第1のポリテトラフルオロエチレン
    樹脂層を形成し、この層上に、酸化チタン粒子およびガ
    ス吸着剤を含有するポリテトラフルオロエチレンディス
    パージョンを塗布し、加熱により前記ディスパージョン
    中の分散溶媒の蒸発除去とポリテトラフルオロエチレン
    の焼成を行い第2のポリテトラフルオロエチレン樹脂層
    を積層形成して2層構造の積層シートを作製し、この積
    層シートを前記担体から剥離し、ついで前記積層シート
    を延伸処理により多孔質化する消臭抗菌性シートの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 酸化チタン粒子およびガス吸着剤を含有
    するポリテトラフルオロエチレンディスパージョンが、
    さらに無機顔料を含有する請求項4記載の消臭抗菌性シ
    ートの製造方法。
  6. 【請求項6】 積層シートの延伸処理が、シートの空隙
    率が30%以上となるような延伸処理である請求項4ま
    たは5記載の消臭抗菌性シートの製造方法。
  7. 【請求項7】 葉部と、これを支持する支持部とからな
    る観葉植物を模した置物であって、少なくとも前記葉部
    が、請求項1〜3のいずれか一項に記載の消臭抗菌性シ
    ートから形成されている置物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000051334A (ja) * 1998-08-05 2000-02-22 Nitto Denko Corp 通気性光触媒シ−ト及び空気浄化用ユニット
WO2003051787A3 (de) * 2001-12-19 2004-03-04 Fraunhofer Ges Forschung Verfahren zur erzeugung lokal funktioneller photokatalytischer bereiche und damit erhältliche gegenstände
JP2010188426A (ja) * 2009-01-26 2010-09-02 Emprie Technology Development LLC 清拭シート
JP2011527954A (ja) * 2008-07-17 2011-11-10 ダブリュ エル ゴア アンド アソシエイツ ゲーエムベーハー イオン性フッ素ポリマーと抗菌性対イオンとの錯体を含む抗菌性コーティング
CN102669863A (zh) * 2012-05-07 2012-09-19 郑琳芸 有复合膜的人造花和叶子

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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