JP2835423B2 - 脱臭灯及びその製造方法 - Google Patents

脱臭灯及びその製造方法

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JP2835423B2 JP6309948A JP30994894A JP2835423B2 JP 2835423 B2 JP2835423 B2 JP 2835423B2 JP 6309948 A JP6309948 A JP 6309948A JP 30994894 A JP30994894 A JP 30994894A JP 2835423 B2 JP2835423 B2 JP 2835423B2
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垰田博史
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱臭灯及びその製造方
法に関するものである。詳しく言えば、本発明は室内の
悪臭を分解して空気を浄化する、安全で脱臭効果の持続
性に優れた経済的な脱臭灯及びその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】半導体に光を照射すると強い還元作用を
持つ電子と強い酸化作用を持つ正孔が生成し、半導体に
接触した分子種を酸化還元作用により分解する。半導体
のこのような作用、すなわち光触媒作用を利用すること
によって、空気中の悪臭物質を容易に分解除去すること
ができる。これまで、このような半導体の光触媒作用を
利用した悪臭物質の分解除去器具として、蛍光灯のカバ
ーに半導体をコーティングしたものがあった(例えば、
工業材料、Vol.40, No.1, p.10 (1993))。これは蛍光
灯のカバーにすきまを開け、室内の空気をここから取り
込んで半導体と接触させ、蛍光灯の光で半導体に生じる
電子と正孔の酸化還元作用により空気中の悪臭物質を分
解除去するというものである。
【0003】しかしながら、この方法では蛍光灯のカバ
ーに開けたすきまから蠅や蚊や蛾などの小さな虫が入っ
てきて蛍光灯カバーの内側に溜り、蛍光灯カバーの受光
面を覆って、半導体をコーティングした蛍光灯カバーへ
の光の入射を妨害してしまうため、悪臭物質の分解除去
効果が著しく弱められてしまうという致命的な欠陥があ
った。これを防ぐためには蛍光灯カバーの内側を頻繁に
掃除しなければならず、メンテナンスが非常に大変であ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
み、悪臭物質の分解除去効果及びその持続性に優れ、し
かも経済性、省エネルギー性、安全性、耐水性、耐熱
性、耐光性、耐候性、安定性という面からも優れた特性
を有する脱臭灯及びその製造方法の提供を目的とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の目的を
達成するため、脱臭灯について鋭意研究を重ねた結果、
電灯の管球のガラス表面に孔径の揃った細孔を有する酸
化チタン膜を被覆することによって、内部からの光によ
って酸化チタン膜に生成した電子と正孔の酸化還元作用
により、空気中の悪臭物質を効果的に分解除去し、しか
も通常の電灯と同じように取り扱いが簡単で、メンテナ
ンスフリーでその効果を持続させることができることを
見い出した。そして、その酸化チタン膜の上に白金、ロ
ジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、銅、亜鉛の内か
ら選ばれた少なくとも一種の金属皮膜を被覆することに
よって脱臭効果がさらに増大することを見い出し、本発
明をなすに至った。
【0006】すなわち、本発明は電灯の管球のガラス表
面に孔径の揃った細孔を有する酸化チタン膜を被覆した
こと、あるいはその上にさらに白金膜、ロジウム、ルテ
ニウム、パラジウム、銀、銅、亜鉛の内から選ばれた少
なくとも一種の金属皮膜を被覆したことを特徴とする脱
臭灯、及び、その脱臭灯の製造方法、つまり、ポリエチ
レングリコールまたはポリエチレンオキサイドを添加し
たチタニアゾル液を電灯の管球のガラス表面にコートし
て、減圧あるいは常圧下で加熱焼成することを特徴とす
る脱臭灯の製造方法、あるいはさらにその表面を白金、
ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、銅、亜鉛の内
から選ばれた少なくとも一種の金属皮膜で被覆すること
を特徴とする脱臭灯の製造方法である。
【0007】本発明の脱臭灯を製造する際に使用される
電灯は、白熱灯あるいは蛍光灯、ブラックライト、UV
ランプ、水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メ
タルハライドランプであり、その管球の形が円筒状、球
状、直管状、リング状、円錐状、瓢箪型、ラグビーボー
ル型など、どのような形であっても良く、さらに複雑な
形状のものであっても良い。そして、放射される光に短
波長光が多く含まれる電灯を用いた方が脱臭灯の脱臭効
果が大きい。
【0008】本発明に用いられるチタニアゾル液は、超
微粒子の酸化チタンを水に懸濁させたり、アルコールと
四塩化チタンや金属チタンとの反応などによって得られ
るチタンのアルコキシドを加水分解したりすることによ
って調製される。その際、モノエタノールアミンやジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジ
エタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、
N,N−ジメチルジアミノエタノール、ジイソプロパノ
ールアミンなどのアルコールアミン類やジエチレングリ
コールなどのグリコール類を添加すると均一で透明なチ
タニアゾル液が得られ、それを用いることによって高性
能の脱臭灯を製造することができる。
【0009】本発明の脱臭灯は、こうして得られたチタ
ニアゾルにポリエチレングリコールまたはポリエチレン
オキサイドを添加し、ディップコーティング法やスピン
コーティング法、塗布法、スプレー法などによってコー
トした後、加熱焼成することによって得られる。丈夫で
高性能の酸化チタン薄膜を得るためには、ポリエチレン
グリコールまたはポリエチレンオキサイドを添加したチ
タニアゾルを薄く均一に塗布あるいはスプレーあるいは
スピンコートしたり、ディップコーティングで引き上げ
速度を遅くして引き上げたりした後、それを加熱焼成す
ることによって、酸化チタンの薄膜を作り、この作業を
繰り返すことによって多層膜を作製することが望まし
い。それにより、厚くて丈夫で脱臭効果の大きな多孔質
の酸化チタン膜を得ることができる。
【0010】本発明において電灯の管球のガラス表面を
被覆する酸化チタン膜は、透明なものであっても白色で
不透明なものであっても良いが、膜の耐久性の点から言
えば、透明なものの方が好ましい。また、電灯の管球の
ガラス表面にコーティングされた酸化チタン膜の結晶形
は、ルチルや非晶質よりもアナターゼの方が脱臭効果が
大きいため、望ましい。
【0011】本発明に用いられるチタニアゾル液に添加
するポリエチレングリコールまたはポリエチレンオキサ
イドは、分子量が1000以上のものが好ましく、その
中でも特に、分子量が1000、1500、2000、
3000、6000、8000、11000、1300
0、2万、10万、30万、200万、250万のもの
等が好ましい。分子量が1000未満のものを用いた場
合には、出来上がった酸化チタン膜が基板から剥離しや
すくなり、きれいで丈夫な膜ができない。
【0012】本発明に用いられるチタニアゾル液に添加
するポリエチレングリコールまたはポリエチレンオキサ
イドの量は、その溶解度以下であることが好ましい。溶
解度以上に添加した場合には、孔径の揃った細孔になら
ず、また、きれいな膜ができない。
【0013】本発明の脱臭灯において管球のガラス表面
にコートされた酸化チタン膜の表面の細孔径の大きさや
細孔分布の密度は、ポリエチレングリコールまたはポリ
エチレンオキサイドの添加量や分子量を変えることによ
って制御することができる。添加量を少なくしたり、分
子量の小さいものを使用した場合には小さな細孔が揃っ
た酸化チタン膜が、添加量を多くしたり、分子量の大き
なものを使用した場合には大きな細孔が揃った酸化チタ
ン膜が得られる。そして、添加量が少ない場合には細孔
の分布の密度のまばらな酸化チタン膜が、添加量が多い
場合には細孔の分布が密な酸化チタン膜が得られる。ま
た、分子量分布の広いポリエチレングリコールまたはポ
リエチレンオキサイドを添加した場合には、色々な孔径
の細孔を持った酸化チタン膜が得られる。さらに、薄膜
を積層することにより、特異な三次元構造を持った酸化
チタン膜を得ることができる。このように細孔径の大き
さや細孔分布を制御して悪臭物質の分子の大きさに適合
させることにより、空気中の悪臭物質を効率良く吸着し
て分解除去することができる。
【0014】本発明に用いられる白金あるいはロジウ
ム、ルテニウム、パラジウム、銀、銅、亜鉛の金属皮膜
を表面に被覆する方法としては、光電着法やCVD法、
スパッタリングや真空蒸着などのPVD法などが挙げら
れる。金属皮膜の厚さを厚くし過ぎるとコストもかか
り、脱臭灯の光が弱くなり暗くなるので、金属皮膜の厚
さは薄い方が好ましい。この際、脱臭灯使用時の漏電を
防ぐため、電灯の管球の口金部分及びその周りが金属皮
膜で被覆されないようにその部分をマスキングして金属
膜をコートした方が良い。
【0015】なお、本発明において電灯の管球のガラス
表面への酸化チタン膜やさらには白金あるいはロジウ
ム、ルテニウム、パラジウム、銀、銅、亜鉛の金属皮膜
の被覆は、電灯を製造した後に行っても良いが、電灯を
製造する前に行っても良い。つまり、完成品の電灯の管
球のガラス表面に酸化チタン膜やさらに金属皮膜を被覆
しても良いが、電灯を製造する際に先ず管球のガラス表
面に酸化チタン膜やさらに金属皮膜を被覆して、電灯を
組み立てても良い。
【0016】こうして得られた本発明による脱臭灯は、
通常の電灯と同じように使用でき、内部からの光によっ
て管球のガラス表面上の酸化チタン膜に生成した電子と
正孔の酸化還元作用により、空気中の悪臭物質を効果的
に分解除去することができる。しかも、虫などが溜って
酸化チタン膜への光の入射が妨害されることもないた
め、メンテナンスフリーでその効果が持続する。そし
て、その酸化チタン膜の上に白金あるいはロジウム、ル
テニウム、パラジウム、銀、銅、亜鉛の金属皮膜を被覆
することによって、その触媒作用で脱臭効果がさらに増
大すると共に、金属皮膜が抗菌抗カビ作用を持っている
ため、膜上の雑菌及びカビの繁殖を効果的に防止するこ
とができる。また、本発明による脱臭灯は、脱臭灯の電
源以外にエネルギーを使用せず、脱臭灯の電源が入って
いない場合でも、外部からの太陽光や電灯などの光を受
けて酸化チタン膜に電子と正孔が生成し、その酸化還元
作用により空気中の悪臭物質を分解除去することができ
るため、非常に省エネルギー的である。
【0017】
【実施例】本発明の実施例の内で特に代表的なものを以
下に示す。
【0018】実施例1 チタンテトライソプロポキシド45gを400mlの無
水エタノールで希釈し、攪拌しながら、トリエタノール
アミン15gと水4gを添加し、さらに分子量1500
のポリエチレングリコール4gを添加して透明なゾル液
を調製し、ディップコーティング法により100Wの白
熱灯の電球の表面に酸化チタン膜をコートした。すなわ
ち、このゾル液に100Wの白熱灯の電球を浸漬して引
き上げ、乾燥した後、減圧下250℃で加熱焼成した。
これを12回繰り返して電球の表面に約0.5μmの酸
化チタン膜を作った。得られた酸化チタン膜の表面を電
子顕微鏡で観察したところ、約20nmの大きさの細孔
で覆われていた。得られた脱臭灯の脱臭効果を次の方法
で調べた。まず、内容積36lの密閉容器に得られた脱
臭灯を入れ、悪臭物質としてトリメチルアミン80pp
mを注射器で導入した後、脱臭灯を点灯した。1時間
後、密閉容器内の空気中に含まれるトリメチルアミンの
濃度をガスクロマトグラフィーを用いて調べた結果、6
ppmに減少していた。酸化チタン膜をコートしていな
い市販の100Wの白熱灯の電球を用いて同様の実験を
行った場合には、トリメチルアミンの濃度が72ppm
にしか減少しなかった。
【0019】実施例2 チタンテトライソプロポキシド60gを500mlの無
水エタノールで希釈し、攪拌しながら、ジエタノールア
ミン20gと水5gを添加し、さらに分子量1000の
ポリエチレングリコール5gを添加して透明なゾル液を
調製し、スプレー法により75Wの水銀ランプの電球表
面に酸化チタン膜をコートした。まず、水銀ランプの電
球表面に均一にこのゾル液をスプレーし、乾燥した後、
酸素雰囲気下で300℃で焼成した。これを12回繰り
返して約0.6μmの酸化チタン膜を水銀ランプ表面上
に作った。得られた酸化チタン膜の表面を電子顕微鏡で
観察したところ、約10nmの大きさの細孔で覆われて
いた。このランプの口金部分をマスキングした後、ラン
プのガラス部分を2g/lの塩化白金酸カリウムのエタ
ノール水溶液に漬け、マグネチックスターラーで攪拌し
ながら、100Wの水銀ランプの光を4時間照射し、光
電着法で酸化チタン膜の表面に白金をコートした。得ら
れた脱臭灯の脱臭効果を実施例1と同様の方法で調べ
た。まず、内容積36lの密閉容器に得られた脱臭灯を
入れ、汗臭さの悪臭物質であるイソ−吉草酸35ppm
を注射器で導入した後、消臭灯を点灯した。1時間後、
密閉容器内の空気中に含まれるイソ−吉草酸の濃度をガ
スクロマトグラフィーを用いて調べた結果、0.5pp
mに減少していた。酸化チタン膜をコートしていない市
販の75Wの水銀ランプを用いて同様の実験を行った場
合には、イソ−吉草酸の濃度が28ppmにしか減少し
なかった。
【0020】実施例3 チタンテトラブトキシド20gを150mlのt−ブチ
ルアルコールで希釈し、攪拌しながら、トリエタノール
アミン7gと水1.5gを添加し、さらに分子量200
万のポリエチレンオキサイド0.1gを添加して透明な
ゾル液を調製し、20Wの蛍光管の表面に刷毛で塗った
後、乾燥し、減圧下250℃で加熱焼成した。これを1
0回繰り返して約0.7μmの酸化チタン膜を蛍光管表
面上に作った。得られた酸化チタン膜の表面を電子顕微
鏡で観察したところ、約1200nmの大きさの細孔で
覆われていた。得られた脱臭灯の脱臭効果を実施例1と
同様の方法で調べた。まず、内容積60lの密閉容器に
得られた脱臭灯を入れ、悪臭物質として酢酸90ppm
を注射器で導入した後、脱臭灯を点灯した。1時間後、
密閉容器内の空気中に含まれる酢酸の濃度をガスクロマ
トグラフィーを用いて調べた結果、5ppmに減少して
いた。酸化チタン膜をコートしていない市販の20Wの
蛍光管を用いて同様の実験を行った場合には、酢酸の濃
度が78ppmにしか減少しなかった。
【0021】実施例4 チタンテトラエトキシド25gを200mlをメタノー
ルで希釈し、攪拌しながら、N−メチルジエタノールア
ミン8gと水2gを添加し、さらに分子量10万のポリ
エチレンオキサイド0.1gを添加して透明なゾル液を
調製し、ディップコーティング法によりハロゲンランプ
の電球表面上に酸化チタン膜を10層コートした。すな
わち、このゾル液に75Wのハロゲンランプの電球を浸
漬して引き上げ、乾燥した後、減圧下250℃で加熱焼
成し、これを10回繰り返して電球の表面に約0.5μ
mの酸化チタン膜を作った。得られた酸化チタン膜の表
面を電子顕微鏡で観察したところ、約600nmの大き
さの細孔で覆われていた。得られた電球の口金をマスキ
ングした後、真空蒸着により酸化チタン膜の表面に銅を
コートした。こうして得られた脱臭灯の脱臭効果を実施
例1と同様の方法で調べた。まず、内容積36lの密閉
容器に得られた脱臭灯を入れ、悪臭物質としてアセトア
ルデヒド150ppmを注射器で導入した後、脱臭灯を
点灯した。1時間後、密閉容器内の空気中に含まれるア
セトアルデヒドの濃度をガスクロマトグラフィーを用い
て調べた結果、7ppmに減少していた。市販の75W
のハロゲンランプの電球を用いて同様の実験を行った場
合には、アセトアルデヒドの濃度が122ppmにしか
減少しなかった。
【0022】実施例5 チタンテトライソプロポキシド30gを200mlのイ
ソプロパノールで希釈し、攪拌しながら、ジイソプロパ
ノールアミン10gと水2gを添加し、さらに分子量2
万のポリエチレングリコール0.4gを添加して透明な
ゾル液を調製し、スプレー法により10Wのブラックラ
イトの管表面に酸化チタン膜をコートした。まず、ブラ
ックライトの管表面に均一にこの溶液をスプレーし、乾
燥した後、減圧下で200℃で焼成した。これを10回
繰り返して約0.5μmの酸化チタン膜をブラックライ
ト表面上に作った。得られた酸化チタン膜の表面を電子
顕微鏡で観察したところ、約350nmの大きさの細孔
で覆われていた。このブラックライトの口金部分をマス
キングした後、真空蒸着により酸化チタン膜の表面に亜
鉛をコートした。こうして得られた脱臭灯の脱臭効果を
実施例1と同様の方法で調べた。まず、内容積36lの
密閉容器に得られた消臭灯を入れ、悪臭物質としてピリ
ジン80ppmを注射器で導入した後、消臭灯を点灯し
た。1時間後、密閉容器内の空気中に含まれるピリジン
の濃度をガスクロマトグラフィーを用いて調べた結果、
3ppmに減少していた。市販の10Wのブラックライ
トを用いて同様の実験を行った場合には、ピリジンの濃
度が63ppmにしか減少しなかった。
【0023】実施例6 チタンテトラエトキシド25gを200mlをメタノー
ルで希釈し、攪拌しながら、N−メチルジエタノールア
ミン8gと水2gを添加し、さらに分子量30万のポリ
エチレンオキサイド0.1gを添加して透明なゾル液を
調製し、ディップコーティング法によりUV殺菌ランプ
の管球表面上に酸化チタン膜をコートした。すなわち、
この溶液に30WのUV殺菌ランプの電球を浸漬して引
き上げ、乾燥した後、減圧下250℃で加熱焼成し、こ
れを10回繰り返して電球の表面に約0.6μmの酸化
チタン膜を作った。得られた酸化チタン膜の表面を電子
顕微鏡で観察したところ、約800nmの大きさの細孔
で覆われていた。得られた脱臭灯の脱臭効果を実施例1
と同様の方法で調べた。まず、内容積400lの密閉容
器に得られた脱臭灯を入れ、悪臭物質としてジメチルア
ミン60ppmを注射器で導入した後、脱臭灯を点灯し
た。1時間後、密閉容器内の空気中に含まれるジメチル
アミンの濃度をガスクロマトグラフィーを用いて調べた
結果、2ppmに減少していた。市販の85Wのメタル
ハライドランプの電球を用いて同様の実験を行った場合
には、ジメチルアミンの濃度が51ppmにしか減少し
なかった。
【0024】実施例7 チタンテトライソプロポキシド14gを100mlの無
水エタノールで希釈し、攪拌しながら、N−エチルジエ
タノールアミン5gと水1gを添加し、さらに分子量2
000のポリエチレングリコール1gを添加して透明な
ゾル液を調製し、実施例1と同様にしてディップコーテ
ィング法によりメタルハライドランプの電球表面上に酸
化チタン膜をコートした。すなわち、この溶液に85W
のメタルハライドランプの電球を浸漬して引き上げ、乾
燥した後、減圧下250℃で加熱焼成し、これを10回
繰り返して電球の表面に約1.3μmの酸化チタン膜を
作った。得られた酸化チタン膜の表面を電子顕微鏡で観
察したところ、約30nmの大きさの細孔で覆われてい
た。得られた電球の口金をマスキングした後、スパッタ
リングにより酸化チタン膜の表面に銀をコートした。こ
うして得られた脱臭灯の脱臭効果を実施例1と同様の方
法で調べた。まず、内容積36lの密閉容器に得られた
脱臭灯を入れ、悪臭物質としてジメチルアミン60pp
mを注射器で導入した後、脱臭灯を点灯した。1時間
後、密閉容器内の空気中に含まれるジメチルアミンの濃
度をガスクロマトグラフィーを用いて調べた結果、2p
pmに減少していた。市販の85Wのメタルハライドラ
ンプの電球を用いて同様の実験を行った場合には、ジメ
チルアミンの濃度が51ppmにしか減少しなかった。
また、銀の代わりにロジウムやルテニウム、パラジウム
をコートしても同様の脱臭効果が得られた。
【0025】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、空気中の
悪臭物質の分解除去効果とその持続性に優れ、しかも経
済性、安全性、耐水性、耐熱性、耐光性、耐候性、安定
性という面からも優れた特性を有する脱臭灯及びその製
造方法の提供を目的としたものである。電灯の管球のガ
ラス表面に孔径の揃った細孔を有する酸化チタン膜を被
覆し、あるいはその上にさらに白金膜、ロジウム、ルテ
ニウム、パラジウム、銀、銅、亜鉛の内から選ばれた少
なくとも一種の金属皮膜を被覆したことを特徴とする本
発明の脱臭灯は、酸化チタン膜が多孔質であるため、空
気中の悪臭物質を効率良く吸着すると同時に、内外から
の光を受けて管球のガラス表面上の酸化チタン膜に生成
した電子と正孔の酸化還元作用により、迅速に、かつ効
果的に分解除去することができる。そして、その酸化チ
タン膜上に被覆された白金あるいはロジウム、ルテニウ
ム、パラジウム、銀、銅、亜鉛の触媒作用により脱臭効
果がさらに増大すると共に、それらの金属皮膜の抗菌抗
カビ作用により、膜上の雑菌及びカビの繁殖を効果的に
防止することができる。しかも、虫などが溜って酸化チ
タン膜への光の入射が妨害されることもないため、メン
テナンスフリーでその効果が持続すると共に、タバコの
煙なども分解することができるため、電灯がタバコの煙
によって汚れて暗くなるのを防ぐことができる。さら
に、本発明に用いられる酸化チタンは塗料や化粧品、歯
磨き粉などに使われており、耐候性や耐久性に優れ、無
毒かつ安全である上、酸化チタン膜は電灯から出る有害
な紫外線を吸収するので、本発明による脱臭灯から発せ
られる光は目にやさしく、人体に安全であるなど、数多
くの特長を有している。したがって、本発明による脱臭
灯は優れた特性を持った室内灯として利用できるが、そ
れだけでなく、冷蔵庫の庫内脱臭灯や自動車の車内脱臭
灯、台所やトイレの脱臭灯、殺菌灯など、様々な用途に
使用できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−304237(JP,A) 特開 平1−208326(JP,A) 特開 昭63−215520(JP,A) 特開 昭64−3020(JP,A) 特開 昭62−171915(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61L 9/00 - 9/22

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電灯の管球のガラス表面に、孔径の揃っ
    た細孔を有する酸化チタン膜を被覆したことを特徴とす
    る脱臭灯。
  2. 【請求項2】 電灯の管球のガラス表面に孔径の揃った
    細孔を有する酸化チタン膜を被覆した後、その表面を白
    金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、銅、亜鉛
    の内から選ばれた少なくとも一種の金属皮膜で被覆した
    ことを特徴とする脱臭灯。
  3. 【請求項3】 細孔の孔径が1nm〜2μmであること
    を特徴とする請求項1または2記載の脱臭灯。
  4. 【請求項4】 酸化チタンの結晶形がアナターゼである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の脱臭灯。
  5. 【請求項5】 電灯が白熱灯あるいは蛍光灯、ブラック
    ライト、UVランプ、水銀灯、キセノンランプ、ハロゲ
    ンランプ、メタルハライドランプであることを特徴とす
    る請求項1または2記載の脱臭灯。 【請求項5】 ポリエチレングリコールまたはポリエチ
    レンオキサイドを添加したチタニアゾル液を電灯の管球
    のガラス表面にコートして、減圧あるいは常圧下で加熱
    焼成することを特徴とする脱臭灯の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリエチレングリコールまたはポリエチ
    レンオキサイドを添加したチタニアゾル液を電灯の管球
    のガラス表面にコートして、減圧あるいは常圧下で加熱
    焼成した後、その表面を白金、ロジウム、ルテニウム、
    パラジウム、銀、銅、亜鉛の内から選ばれた少なくとも
    一種の金属皮膜で被覆することを特徴とする脱臭灯の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 電灯が白熱灯あるいは蛍光灯、ブラック
    ライト、UVランプ、水銀灯、キセノンランプ、ハロゲ
    ンランプ、メタルハライドランプであることを特徴とす
    る請求項5または6記載の脱臭灯の製造方法。
  8. 【請求項8】 ポリエチレングリコールまたはポリエチ
    レンオキサイドとして分子量が1000以上のものを用
    いることを特徴とする請求項5または6記載の脱臭灯の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 チタニアゾルに対するポリエチレングリ
    コールまたはポリエチレンオキサイドの添加量がその溶
    解度以下であることを特徴とする請求項5または6記載
    の脱臭灯の製造方法。
  10. 【請求項10】 チタニアゾルがチタンのアルコキシド
    とアルコールアミン類またはグリコール類から調製され
    たものであることを特徴とする請求項5または6記載の
    脱臭灯の製造方法。
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